JP2000280054A - 立型遠心力鋳造方法及びその鋳型装置 - Google Patents

立型遠心力鋳造方法及びその鋳型装置

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JP2000280054A JP11089112A JP8911299A JP2000280054A JP 2000280054 A JP2000280054 A JP 2000280054A JP 11089112 A JP11089112 A JP 11089112A JP 8911299 A JP8911299 A JP 8911299A JP 2000280054 A JP2000280054 A JP 2000280054A
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昭利 岡林
Hiroyuki Kimura
広之 木村
Tsunao Kawanaka
綱夫 川中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳型の回転速度を低下させることなく外層内
周面に鋳型回転方向に進展する偏析部が生じないように
させることである。 【解決手段】 立軸回りに回転する鋳型4にその上方か
ら金属溶湯を鋳込み遠心鋳造することで鋳型内周面に外
層29を作製し、この外層29の金属溶湯が半凝固状態
のとき内層30の金属溶湯を鋳込み遠心鋳造することで
外層29内周面に内層30を一体成形する複数層を有す
る複合スリーブを製造する立型遠心力鋳造方法におい
て、前記内層溶湯が遠心力の作用により径外方向に飛散
するとき、この飛散する金属溶湯に抵抗を加えて、飛散
速度を抑制させつつ当該溶湯を外層内周面に付着させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内外複合円筒状鋳
物例えば中空スリーブロール等の立型遠心力鋳造方法及
びその鋳型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種内外複合円筒状鋳物の一つである
中空スリーブロールは、H形鋼のフランジ内面からウェ
ブを圧延成形する圧延用水平ロールに採用されている。
この圧延水平ロールは、一般的に大径でかつ胴幅(軸方
向長さ)の狭いリング形状のスリーブロールが、ロール
軸に焼き嵌めにより外嵌固着された構造となっている。
そして、前記スリーブロールは、外周側の金属層即ち外
層と、外周内周面に溶着され強靱材で形成された内層と
からなる複合構造とされている。
【0003】このような複合円筒状鋳物は、立型遠心力
鋳造法により鋳造されていることが多く、図6に例示す
る鋳型41が使用されている。この鋳型41は、縦軸回
りに回転台42に同心状に外筒体43を介して載置さ
れ、円筒状の主型44と、該主型44の上端開口44A
に装着されかつ中央部に金属溶湯注入口45を備えた上
型46と、主型44の下端開口44Bを塞ぐ下型47と
から成っている。そして、回転台42上には、前記外筒
体43が同心状にかつ着脱自在にボルトナット48によ
り取付けられ、前記鋳型41が外筒体43内に嵌脱自在
とされ、外筒体43内周上部に上側に面状を呈する段差
載置面49を形成し、主型44外周上部に該載置面49
に対応して支持突片50を径外方向に突設し、主型44
及び下型47が回転台42上面から離間された状態で支
持されるようになっている。
【0004】また、前記外筒体43上部には、上型46
と係脱自在に係合して主型44の外筒体43に対する上
方への移動を阻止するストッパ51が設けられている。
さらに、前記上型46は、鉄製型枠46Aとその下側に
嵌装された上砂型部46Bとからなり、下型47は鉄製
型枠47Aとその上側に嵌装された下砂型部47Bとか
らなっている。複合円筒状鋳物52を遠心力鋳造する場
合、まず、回転中の鋳型41に上型46の溶湯供給口4
5を介して鋳込ノズル53を挿入し、該ノズル53から
外層を形成する金属溶湯を供給する。この溶湯は、下型
砂型部47B上に落下し遠心力の作用により径外方向に
飛散し、主型44の内周面に沿って上昇し外層54が形
成される。そして、外層54内面54Aが半凝固状態の
ときに、内層用の金属溶湯を供給し、同様にして外層5
4の内周面に溶湯を付着させ、外層内周面54Aを一部
溶かし込んで凝固させて、外層54内周面に内層55を
冶金的に完全に溶着一体化させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、外
層が半凝固状態のとき、内層用の金属溶湯を鋳込まなけ
ればならず、内層溶湯を鋳込んだ際、鋳込ノズル53か
ら下型47の砂型部47B上に落下した内層溶湯は、鋳
型41が高速回転しているため、径外方向にかなりの速
度を有したまま飛散していき、既に炭素が濃縮されて高
炭素となった半凝固状態になっている外層54下部内周
面に衝突して、外層54内部に深く入り込むようにな
る。このように内層溶湯が衝突した部分は、他の部分に
比べて組成が著しく変化し、また、図7に示すように、
内層55の溶着面から外層54に向けて鋳型の回転方向
に進展した偏析部56を生成させている。
【0006】このように偏析部56が生成すると、ヒー
トクラック等の欠陥が生じ易いうえ、鋳造製品端部を機
械加工する際、加工工具のチップの欠損の原因となる。
なお、この偏析部56は、炭化物(Fe3 C)が多く析
出した組織を呈しているが、生成メカニズムについては
判然としない。そこで、内層溶湯の径外方向への飛散速
度を抑制するために鋳型の回転速度を低下させることが
考えられるが、鋳型の回転速度を低下させると、金属溶
湯の飛散速度全体が遅くなり、外層内部に金属溶湯が入
り込むことはないが溶湯が上方に上がりにくくなり均一
な厚さの内層が得られないという問題がある。また、鋳
型の回転速度を下げないで鋳込ノズル53下端を前記砂
型部47B上面に可及的に近づけて鋳込む方法が考えら
れるが、作業が面倒なうえに、ノズル挿入深さにも限度
があり、また、鋳込みノズル53のメンテナンスを頻繁
に行わなければならずコスト高を招くという問題があ
る。
【0007】また、前記外筒体43の内周上部に段差載
置面49を形成し、かつ該載置面49に前記主型44に
設けた支持突片50を載置する構成であるから、構造が
複雑で製作が面倒である。しかも前記主型44と外筒体
43の芯合わせが狂う恐れもあり、鋳造時に主型温度が
外筒体43に熱伝播され鋳造後の保温性が阻害されるこ
とがある。さらに、主型44の回転台42又は外筒体4
3に対する円周方向の移動阻止は、ストッパ51、載置
面49と支持突片50の摩擦抵抗によるにすぎず、鋳型
41の回転による遠心力が相当大きくかつその慣性も大
きいため、鋳型41の回転台に対する円周方向の移動を
確実に阻止し難いという問題がある。
【0008】本発明は、上述のような実状に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、鋳型の回転速度
を低下させることなく内層溶湯の飛散速度を抑制して外
層内周面に鋳型回転方向に進展する偏析部が生じない高
品質の内外複合円筒鋳物を製造する立型遠心力鋳造方法
及び鋳型装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じている。即ち、
本発明方法は、立軸回りに回転する鋳型にその上方から
金属溶湯を鋳込み遠心鋳造することで鋳型内周面に外層
を作製し、この外層の金属溶湯が半凝固状態のとき内層
の金属溶湯を鋳込み遠心鋳造することで外層内周面に内
層を一体形成する複数層を有する複合スリーブを製造す
る立型遠心力鋳造方法において、前記内層溶湯が遠心力
の作用により径外方向に飛散するとき、この飛散する金
属溶湯に抵抗を加えて、飛散速度を抑制させつつ当該金
属溶湯を外層内周面に付着させる点にある。
【0010】また、本発明に係る立型遠心力鋳造用鋳型
装置は、金属溶湯注入口を有する立型円筒状主型と下型
とからなる鋳型が、縦軸廻りに回転可能に支持された立
型遠心力鋳造用鋳型装置において、前記下型上面に、金
属溶湯注入口から供給され下型に落下衝突し遠心力の作
用により径外方向に飛散する金属溶湯の飛散速度を抑制
する溶湯飛散抑制手段が全周にわたって配設されている
点にある。このような方法・装置を採用することによ
り、鋳型の回転速度を低下させなくても内層溶湯の飛散
速度を抑制できて外層側内周面に偏析部が生じない高品
質の内外複合円筒鋳物が得られるようにできる。
【0011】すなわち、遠心力鋳造法により外層を形成
させた後、外層が半凝固状態のときに、回転中の鋳型内
に内層の金属溶湯を供給させ、この金属溶湯は下型上面
に落下衝突し鋳型の回転に伴う遠心力の作用により径外
方向に飛散する。この飛散する金属溶湯は溶湯飛散抑制
手段により抵抗が加えられて、飛散速度が低下しつつ外
層内周面に付着する。従って、内層溶湯を鋳込む際、鋳
型の回転速度を低下させて内層溶湯の飛散速度を落とさ
なくとも、内層溶湯の径外方向の飛散速度を抑えること
ができるので、外層内周面に強く衝突することがなくな
り、外層内部に内層溶湯が食い込んでいかなくなる。そ
のため、外層内周面に鋳型回転方向に進展した偏析部を
発生しないようになり、高品質の内外複合円筒鋳物が得
られる。
【0012】また、前記溶湯飛散抑制手段は、金属溶湯
を衝突させて径外方向の飛散速度を抑制する緩衝壁を備
えたものであって、その形状は略円筒周壁を備えた凹
部、略円弧状周壁を備えた円形皿状凹部、逆円錐周壁を
備えた逆円錐状凹部に、或いは、下型上面中央部に突設
したリング状凸部により構成することができる。また、
下型は、金属による一体型とすることができるが、下型
上面に砂型部を設けたものとすると、砂型部を取替える
だけで多品種に対応できると共にコスト低下を図ること
ができるため好ましい。
【0013】なお、本発明は半凝固状態の金属層の内面
に遠心鋳造により更に金属層を形成させる場合であれば
よく、1又は複数層の内層を形成させる場合に適用でき
る。また、本発明にかかる鋳型装置は、前記鋳型を同心
状に載設させて縦軸廻りに回転させる回転台に、鋳型を
相対回転不能にさせる廻り止め手段を設け、この回転台
に載設された鋳型に対して所要の空間を保持して保温外
筒を同心状に載設される点に特徴がある。かかる構成と
することにより、保温外筒内への鋳型の出し入れが容易
になり、回転台に対して鋳型を確実に回転移動不能に載
設できる。さらに、保温外筒と鋳型との間の空間が断熱
層の役割をし、鋳型の熱膨張は保温外筒に直接伝播され
ることがなく、また、鋳造後にあっては、前記断熱層の
役割をする空間により保温機能が確保され、品質の向上
が図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。図1は、本発明に係る立型遠心力鋳造
用鋳型装置1でかつ本発明に係る立型遠心力鋳造方法の
実施に採用される装置の第一の実施形態を示している。
この鋳型装置1は、鋳造機本体2に立軸回りに回転可能
に支持された回転台3と、該回転台3上に着脱自在にか
つ同心状に載設される鋳型4及び鋳型4の外側を所要空
間5を保って囲う保温外筒6とにより主構成されてい
る。
【0015】前記回転台3は、円形テーブル状を呈し、
その上面には、中央に同心円状の鋳型嵌合突部7が設け
られ、外周寄りに鋳型4の廻り止め手段8を構成するキ
ーブロック状の係止突起9が周方向に等間隔で複数設け
られており、外周端部に周方向に等間隔で保温外筒取付
用ボルト孔10が設けられており、前記外筒6がそのフ
ランジ部6Aに設けたボルト6Bを利用してボルト3
6、ナット37により着脱可能にかつ同心状に取付けら
れている。なお、回転台3は、図1に鎖線で示している
ように、その直径を大きくして、前記ボルト孔10を径
方向に列設することで、直径の異なる保温外筒6を取付
けることができる。
【0016】前記鋳型4は、円筒状の主型11と、該主
型11の下端開口部に着脱自在に嵌合されてテーパーコ
ッタ12等のロック手段で係止固定される下型13と、
主型11の上端開口部に着脱自在に嵌合されてテーパコ
ッタ14等のロック手段で係止固定される上型15と、
主型11外周上部に取付けられている複数個の吊り具1
6等からなっている。前記主型11は、ダクタイル鋳鉄
等の各種鋳鉄材料製で、上下開口部11A,11Bは軸
方向外側に向かって拡開するテーパー状とされ、該開口
部11A,11Bの夫々外端周壁にコッタ嵌入孔17,
18が径方向に設けられ、前記コッタ12,14が嵌脱
自在に嵌着されるようになっている。さらに、主型11
の下端面には、回転台3上面に載置されるように前記係
止突起9に対応して前記廻り止め手段8を構成する係合
凹部19が設けられている。
【0017】前記下型13及び上型15は、ダクタイル
鋳鉄等の鋳鉄製型枠20,21と、その内面側に嵌装さ
れた砂型部22,23とから成っている。そして、下型
13の型枠20は、下面中央が突出されてこの突出部2
4に前記回転台3の上面に形成されている前記突部7に
嵌脱自在に嵌合する位置決め凹部25を備え、外周面2
6が前記主型11のテーパー状開口部11Aに嵌脱自在
に嵌合するテーパー面とされ、外周側下端面27が前記
コッタ12の当接面とされている。したがって、鋳型4
の芯合わせは、回転台3に鋳型4を載せて前記突部7に
位置決め凹部25を嵌合させることで、簡単かつ確実に
してしかも精度良く行うことができる。
【0018】また、下型13の砂型部22には、その上
面中央に位置して、周壁28Aが上方開口に向かって拡
開しかつ底壁28Bを有する主型11と同心円状のテー
パ孔状の凹部28(略円筒壁状段差)からなる溶湯飛散
抑制手段28が設けられている。前記周壁28Aは、金
属溶湯を衝突させて径外方向の飛散速度を規制する緩衝
壁とされており、前記底壁28Bに衝突落下して径外方
向へ飛散した金属溶湯は周壁28Aに衝突することで抵
抗が加えられ、その径外方向(水平方向)の飛散速度を
低下(即ち抑制)させるようにしてある。
【0019】前記上型15の型枠21中央には、金属溶
湯供給口31が設けられている。また、前記型枠21の
上面外周部に、テーパーコッタ14の下面が当接するこ
とで、上型15が主型11に固定される。上記第一実施
形態の鋳型装置1を用いて、内外2層29,30からな
る複合円筒状鋳物を製造する場合について説明する。ま
ず、外層用金属溶湯を回転中の鋳型4の前記供給口31
から注入すると、該溶湯は下型13の砂型部22に形成
された凹部28底壁28Bに落下衝突して鋳型4の回転
に伴う遠心力の作用で径外方向へ跳ね飛ばされ、前記凹
部周壁28Aに衝突して、径外方向即ち水平方向への流
速が低下して主型11内面に当たり、遠心力の作用で主
型11内面に付着しつつ下部から上部へと上昇し、外層
29の凝固形成が始まる。
【0020】そして、外層29の内周面29Aが半凝固
状態のときに、内層用金属溶湯を回転中の鋳型4の前記
供給口31から注入する。この内層溶湯は、前記凹部2
8(溶湯飛散抑制手段)の周壁28B(緩衝壁)に衝突
して径外方向(水平方向)の飛散速度が低下されつつ外
層内周面29Aに付着した後、下部から上部へと上昇す
る。したがって、内層溶湯は周壁28B(緩衝壁)への
衝突により径外方向(水平方向)の飛散速度が低下され
るので、外層内周面29Aに強く衝突することがなく、
内層溶湯がその飛散によって外層内周面29Aへの食い
込む現象は生起しない。つまり、内層溶湯を鋳込む際、
鋳型4の回転速度を低下させて内層溶湯の飛散速度を落
とさなくとも、内層溶湯の径外方向の飛散速度を抑える
ことができるので、外層内周面29Aに鋳型回転方向に
進展した偏析部を発生しないようにできる。
【0021】上記第一実施形態によれば、複合円筒状鋳
物の場合、外層29、内層30の溶着性を良好とし、偏
析部の発生を防止することができる。また、前記外筒6
と主型11間の空間5が断熱層として作用し、かつ鋳造
中における主型11の径外方方向及び上方への熱膨張が
許容される。したがって、主型11には鋳造製品から大
きな力が作用することがなく、主型11本体内に圧縮応
力や引張応力等が生じず、主型11が損傷する恐れがな
い。さらに、断熱層を形成する空間5の存在により、鋳
型4からの熱が保温外筒6に直接伝播されるのが阻止さ
れ、保温外筒6の高温化も防止されて該外筒6によるプ
ロテクタとしての機能はもとより、鋳造後における鋳造
製品の保温作用を十分に発揮させることができる。
【0022】しかも、回転台3に対する鋳型4の芯合わ
せが容易でかつ精度よく確実に行え、鋳造中の鋳型4の
回転によっても、回転台3上に廻り止め手段8が設けら
れているので、鋳造開始、鋳造中及び鋳造終了後の駆動
停止等によっても、回転台3と鋳型4の相対回転が確実
に防止される。図2は、本発明に係る鋳型装置1の第二
実施形態の要部を示し、第一実施形態と異なるところ
は、溶湯流抑制手段が円形皿状の凹部32により構成さ
れ、円弧周壁32Bが緩衝壁とされている点であり、第
一実施形態と同等の作用効果を期待することができる。
したがって、第一実施形態と共通する構成部分について
は、図1と同符号を付し、詳細説明を省略する。
【0023】図3は、本発明に係る鋳型装置1の第三実
施形態の要部を示し、第一実施形態と異なるところは、
溶湯流抑制手段が逆円錐状の凹部33により構成され、
逆円錐状周壁33Bが緩衝壁とされている点であり、第
一実施形態と同等の作用効果を奏する。したがって、第
一実施形態と共通する構成部分については、図1と同符
号を付し、詳細説明を省略する。図4は、本発明に係る
鋳型装置1の第四実施形態の要部を示し、第一実施形態
と異なるところは、溶湯流抑制手段が上下2つの径の異
なる周壁34A,34Bを形成する段部34Cを有する
円形状凹部34により構成され、周壁34A,34Bが
緩衝壁とされている点であり、第一実施形態と同等の効
果を期待することができる。なお、第一実施形態と共通
する構成部分については、図1と同符号を付し、詳細説
明を省略する。
【0024】図5は、本発明に係る鋳型装置1の第五実
施形態の要部を示し、他の実施形態と異なるところは、
溶湯流抑制手段が砂型部22上面に同心円状に設けたリ
ング35により構成され、リング35内周面35Aが緩
衝壁とされている点であり、第一実施形態と略同等の作
用効果を期待することができる。したがって、第一実施
形態と共通する構成部分については、図1と同符号を付
し、詳細説明を省略する。なお、前記リング35は砂又
は鋳鉄製とすることができ、リング断面形状は円形、三
角形、長円形等を採用可能である。
【0025】なお、本発明は完全凝固していない金属層
の内面に遠心鋳造により更に金属層を形成させる場合に
用いられものであればよく、1又は複数層の内層を形成
させる場合に適用できる。
【0026】
【実施例】次に、第一実施形態の具体的実施例について
説明する。 (1)、図1に示す鋳型装置1を準備した。主型11の
内径は1200φmmとし、溶湯流抑制用凹部28は深
さ150mm、内径670φmmとした。溶湯を鋳込み
に際しては、口径50φmmの鋳込ノズルを用いた。 (2)、GNo.60で下記組成の外層溶湯(アダマイ
ト材)を1410℃での鋳型内に鋳込んだ。鋳込み量は
肉厚で250mm分である。
【0027】外層溶湯組成(wt%) C:2.1%、Si:0.9%、Mn:09% P:0.2%、S:0.01%、Ni:1.8% Cr:1.0%、Mn:0.7%、残部実質Fe (3) 外層鋳込後、41分経過してから同じGNo.
60で下記組成の内層溶湯(黒鉛鋼)を1500℃で鋳
込んだ。鋳込み量は肉厚で120mm分である。
【0028】内層溶湯組成(wt%) C:1.6%、Si:1.6%、Mn:0.4% P:0.02%、S:0.01%、Ni:1.0% 残部実質Fe (4) 鋳込からなる3日後、型ばらしを行い、製品
(複合スリーブロール)を取り出した。外層はその内周
面が内層溶湯に溶解され220〜230mmの肉厚とな
っていた。製品を熱処理した後、機械加工を施して表皮
(黒皮)を除去し、超音波探傷検査を行った。その結
果、外層、内層の溶着性は良好であり、偏析部の発生は
認められなかった。
【0029】(5) なお、比較のため、上記(1)の
鋳型1と同寸法でかつ下型13の砂型部22上面が平坦
な溶湯流抑制手段を備えていない鋳型を用い、実施例と
同組成の外傷溶湯、内層溶湯を用いて、複合スリーブロ
ールを鋳造した。前記(4)と同様にして、超音波探傷
検査を行ったところ、内・外層の溶着性は良好であった
が、鋳造時、下側であったスリーブロール端部から中央
部にかけて内・外層の境界面から径外方向に伸びる偏析
部が多数認められた。以上のとおり、本発明方法及び装
置によれば、複合円筒状鋳物の偏析部を防止しうること
明白である。
【0030】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、例えば、下型13は砂型部22のない鋳鉄材
料のみにより構成することができるほか、適宜設計変更
が可能である。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る立型遠心力
鋳造方法及びその鋳型装置によれば、内層溶湯が径外方
向に飛散する際に、この飛散する内層溶湯に溶湯飛散抑
制手段により抵抗を加えて飛散速度を抑制させつつ外層
内周面に付着させるようにしているので、鋳型の回転速
度を低下させて内層溶湯の飛散速度を抑制させなくて
も、内層溶湯が外層内周面に強く衝突することがなく内
部に食い込んでいかず、外層側内周面に偏析部が生じな
い高品質の内外複合円筒鋳物が得られるようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋳型装置の第一実施形態を示す一
部省略縦断面図である。
【図2】同装置の第二実施形態の要部を示す断面図であ
る。
【図3】同装置の第三実施形態の要部を示す断面図であ
る。
【図4】同装置の第四実施形態の要部を示す断面図であ
る。
【図5】同装置の第五実施形態の要部を示す断面図であ
る。
【図6】鋳型装置の従来例を示す縦断面図である。
【図7】従来例における複合円筒状鋳物の欠陥の一例を
示す横断面図である。
【符号の説明】
1 鋳型装置 3 回転台 4 鋳型 5 空間 6 保温外筒 8 廻り止め手段 11 主型 13 下型 28 溶湯飛散抑制手段(凹部) 29 外層 29A 外層内周面 30 内層 32 溶湯飛散抑制手段(凹部) 33 溶湯飛散抑制手段(凹部) 34 溶湯飛散抑制手段(凹部) 35 溶湯飛散抑制手段(リング)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 正幸 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社ク ボタ尼崎工場内 (72)発明者 岡林 昭利 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社ク ボタ尼崎工場内 (72)発明者 木村 広之 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社ク ボタ尼崎工場内 (72)発明者 川中 綱夫 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社ク ボタ尼崎工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立軸回りに回転する鋳型にその上方から
    金属溶湯を鋳込み遠心鋳造することで鋳型内周面に外層
    を作製し、この外層の金属溶湯が半凝固状態のとき内層
    の金属溶湯を鋳込み遠心鋳造することで外層内周面に内
    層を一体形成する複数層を有する複合スリーブを製造す
    る立型遠心力鋳造方法において、 前記内層溶湯が遠心力の作用により径外方向に飛散する
    とき、この飛散する金属溶湯に抵抗を加えて、飛散速度
    を抑制させつつ当該金属溶湯を外層内周面に付着させる
    ことを特徴とする立型遠心力鋳造方法。
  2. 【請求項2】 金属溶湯注入口を有する立型円筒状主型
    と下型とからなる鋳型が、立軸廻りに回転可能に支持さ
    れた立型遠心力鋳造用鋳型装置において、 前記下型上面に、金属溶湯注入口から供給され下型に落
    下衝突し遠心力の作用により径外方向に飛散する金属溶
    湯の飛散速度を抑制する溶湯飛散抑制手段が全周にわた
    って配設されていることを特徴とする立型遠心力鋳造用
    鋳型装置。
  3. 【請求項3】 前記溶湯飛散抑制手段は、金属溶湯を衝
    突させて径外方向の飛散速度を抑制する緩衝壁を備えて
    いることを特徴とする請求項2に記載の立型遠心力鋳造
    用鋳型装置。
  4. 【請求項4】 前記鋳型を同心状に載設させ縦軸廻りに
    回転させる回転台に、鋳型を相対回転不能にさせる廻り
    止め手段が設けられ、この回転台に載設された鋳型に対
    して所要の空間を保持して保温外筒が同心状に載設され
    ていることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記
    載の立型遠心力鋳造用鋳型。
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