JP2000279345A - 防汚性に優れた便座 - Google Patents

防汚性に優れた便座

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JP2000279345A
JP2000279345A JP11090303A JP9030399A JP2000279345A JP 2000279345 A JP2000279345 A JP 2000279345A JP 11090303 A JP11090303 A JP 11090303A JP 9030399 A JP9030399 A JP 9030399A JP 2000279345 A JP2000279345 A JP 2000279345A
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toilet seat
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soil
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Hiroyuki Togawa
裕行 砥川
Jun Hatakeyama
畠山  潤
Seiichiro Inoue
誠一郎 井上
Hiroki Fujimura
弘樹 藤村
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防汚性に優れた便座或いは局部洗浄便座を提供
することを目的とする。 【解決手段】上記目的を達成するため、便座シート、便
蓋、本体ケース等の便座の露出構成部品の構成材料の少
なくとも一部材が、母材樹脂の中に母材樹脂と相容性の
良い樹脂の少なくとも一部とグラフト重合したシリコー
ン樹脂を混入した樹脂成形体で便座を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防汚性に優れた便座
或いは局部洗浄便座に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、便座シート、便蓋、本体ケース等
の便座或いは局部洗浄便座の露出構成部品は、一般に、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下、
ABSと略する)もしくはポリプロピレン(以下、PP
と略する)の成形品で主に構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の便座或い局部洗
浄便座の場合、男性が小便をする場合は主として便座シ
ートを上げた状態で使用するため、便座シートの裏面や
本体ケースの前面部に小便がかかることがある。大便を
する場合は、便器内に落下した大便が便器内の水を跳ね
返し、便座シートの裏面に汚物や水が付着する場合があ
る。また、使用時に皮膚の触れる便座シートの表面や便
蓋についても、皮脂等の皮膚の汚れ等が付着する。
【0004】便座シート、便蓋、本体ケースなど便座或
いは局部洗浄便座の露出構成部品に使用される上記AB
Sは比較的その表面エネルギーが大きい。そのため、汚
れが強固に付着しやすく汚れの除去が難しいという欠点
を持っている。
【0005】また、これらの汚れを除去するため洗剤で
便座の各部材表面を清掃することが行われるが、ABS
は耐洗剤性に劣り、洗剤に繰り返し晒されるとソルベン
トクラックが発生する場合があった。
【0006】PPは、ABSよりも表面エネルギーが低
いものの、防汚性という点でまだ満足できるものではな
かった。
【0007】さらに、PPは、水垢等の付着汚れは、A
BSに比較して除去しやすいものの、浸透性の汚れ、例
えばうがい薬、ヨーチン等の汚れが浸透しやすく、一度
浸透した場合には汚れの除去が非常に困難である。
【0008】前記のように便座部材は、日常使用するに
あたって、汚れ易い、汚れの回復性が悪いなどの状況が
ある。しかし汚れ成分の組成、樹脂成形体が汚れるメカ
ニズムは複雑であり、十分な解明はなされていない。一
般的には、人体に由来する油類および油性成分や蛋白
質、ほこり類、水および水溶性成分、洗剤などの界面活
性剤などが挙げられ、これらの成分が単一にまたは複合
した状態で、汚れとして認識される。その状態は以下の
ように区分できる。 樹脂成形体の表面の凹凸の中に埋まった状態。 樹脂成形体の表面分子と汚れの分子の分子間引力によ
る状態 樹脂成形体の表面分子と汚れの分子が化学結合した状
態 樹脂成形体の内部に汚れが浸透または拡散した状態 樹脂成形体の帯電によって静電気的に付着した状態 汚れ成分の粘着成分によって付着した状態 一方、生活環境中では、汚れが全く付かないという状態
を作り出す事は難しく、汚れが付き難く、汚れが付いた
場合は付いた汚れが取れ易い、掃除がしやすい、と言っ
た事が重要である。
【0009】このような強固な汚れの付着力には、汚れ
成分と基材表面との濡れ性が深く関与しており、濡れ性
が悪いほど、汚れの付着力は小さくなる。汚れの付着力
を低減させるには、基材の表面自由エネルギーを低下さ
せ、汚れ、もしくは汚れを含む液体の濡れ性を低下させ
ることが効果的である。
【0010】一般に個体表面での液体による濡れにはYo
ungの式が成立する。
【0011】γS=γSL+γLcosθ γS:個体の表面自由エネルギー γSL:液体固体間の表面自由エネルギー γL:液体の表面自由エネルギー θ:液体の固体に対する接触角 濡れ性はこのθの大きさによって定義され、θが大きい
ほど濡れ性は悪く、θが小さいほど濡れ性は良い。
【0012】さらに、基材への液体の付着仕事Waは次式
で表される。
【0013】Wa=γS+γL-γSL Wa=γL(1+cosθ) この付着仕事は、汚れを基材から引き離す仕事に相当
し、θが大きく濡れ性が悪いほど付着仕事は小さな値
(付着力小)となる。従って、基材の表面自由エネルギ
ーを低くし、汚れまたは汚れを含む液体の接触角を増大
させることにより、汚れの基材への付着力を低減させる
ことができる 上記より樹脂成形体の付着汚れの易除去性を確保するに
は一般的に以下の方法が効果的であると考えられる。 樹脂成形体表面の傷、凹凸に由来する汚れを防止する
ため、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系
樹脂、多官能アクリレート系等のハードコート塗装を施
す。 樹脂成形体表面に汚れを付きにくくするため、成形体
に表面エネルギーの小さい物質、例えば、フッ素系樹
脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系
樹脂、ウレタン系樹脂、及びアクリル系樹脂などの塗装
を施し、露出構成部品表面の水に対する接触角を向上さ
せ、水が付着しにくくすることにより汚れをつきにくく
する。 樹脂成形体に表面自由エネルギーの小さい、シリコー
ン樹脂を配合し、表面自由エネルギーを低下させること
により、汚れの表面への付着力を低減させる。
【0014】しかし従来の(ハードコート塗装を施す
方法)、(表面エネルギーの小さい樹脂などで塗装する
方法)の方法においては、樹脂成形体に加えて塗装、乾
燥、硬化等の従来にない多くの工程が必要となる。さら
に母材樹脂と塗膜との密着性等の耐久性も問題であっ
た。
【0015】また、のシリコーン樹脂を単純に母材樹
脂に混入する方法ではシリコーンの分散性がわるく、成
形性に劣る。また、ブリードアウトが早く耐久性に乏し
いことが問題であった。この場合、ブリードアウトが早
い場合もあり、とくに、便座・便蓋のような比較的大き
な部品・製品においては、材料コンパウンド時や射出成
形時などに配向がおこり、その製造中の成形機の中に残
ったり、熱などの影響により飛散してしまったりするこ
とが多く、安定した成形ができない。
【0016】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意
研究を続けてきた。
【0017】その結果、母材樹脂の中に、母材樹脂と相
容性の良い樹脂の少なくとも一部とグラフト重合したシ
リコーン樹脂を混入することで従来と同様な樹脂成形条
件で成形可能であり、塗装、乾燥、硬化といった成形と
別の工程が不必要であり、優れた長期防汚性があること
を見いだした。
【0018】したがって、本発明は防汚性に優れた便座
或いは局部洗浄便座を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1記載の発明は、便座シート、便蓋、
本体ケース等の便座の露出構成部品の構成材料の少なく
とも一部材が、母材樹脂の中に母材樹脂と相容性の良い
樹脂の少なくとも一部とグラフト重合したシリコーン樹
脂を混入した樹脂成形体で構成された便座であることを
特徴とする。
【0020】本発明においては、母材樹脂に母材樹脂と
相容性の良い樹脂の少なくとも一部とグラフト重合した
シリコーン樹脂を混入したことにより、母材樹脂に比べ
て低表面エネルギーを有し、乾燥固化した汚れの付着力
が小さい表面を有する防汚性に優れた便座を提供でき
る。
【0021】上記目的を達成するためになされた請求項
2記載の発明は、便座シート、便蓋、本体ケース、洗浄
ノズル等の便座の露出構成部品の構成材料の少なくとも
一部材が、母材樹脂の中に母材樹脂と相容性の良い樹脂
の少なくとも一部とグラフト重合したシリコーン樹脂を
混入した樹脂成形体で構成された局部洗浄便座であるこ
とを特徴とする。
【0022】本発明においては、母材樹脂に母材樹脂と
相容性の良い樹脂の少なくとも一部とグラフト重合した
シリコーン樹脂を混入したことにより、母材樹脂に比べ
て低表面エネルギーを有し、乾燥固化した汚れの付着力
が小さい表面を有する防汚性に優れた局所洗浄便座を提
供できる。
【0023】また、請求項3記載の発明は、母材樹脂と
して表面自由エネルギーが28dyne/cm以上45
dyne/cm未満の樹脂を使用したものである。
【0024】また、請求項4記載の発明は、母材樹脂と
相容性の良い樹脂の少なくとも一部とグラフト重合した
シリコーン樹脂が、もとの母材樹脂100重量部に対し
てシリコーン樹脂として0.3〜15重量部混入したも
のである。
【0025】このシリコーン樹脂も、主鎖または側鎖の
一部にメチル基またはC−F結合を有するものが好まし
い。
【0026】また、請求項5記載の発明は、母材樹脂と
相容性の良い樹脂として母材樹脂を使用したものであ
る。
【0027】本発明は上記した構成により、便座シー
ト、便蓋、本体ケースなど露出構成部品の表面エネルギ
ーが小さく撥水性、撥油性に優れ、しかもその効果が持
続するため、汚れが付着しにくく、さらに汚れが取れや
すく掃除しやすくなり、防汚性に優れた便座を提供でき
る。また従来と同様な樹脂成形条件で成形可能であり、
塗装、乾燥、硬化といった成形とは別の工程が不必要で
ある。
【0028】汚れが付きにくく、さらに簡単に汚れの除
去掃除ができるため汚れが栄養源となる雑菌等の増殖も
減少する。
【0029】汚れが付きにくく、さらに簡単に汚れの除
去掃除ができるため掃除に強い洗剤を用いる必要がな
く、耐洗剤性に劣る樹脂を母材として使用した場合でも
洗剤によるソルベントクラック発生等がなくなる。
【0030】以下本発明を詳細に説明する。
【0031】本発明におけるシリコーン樹脂の表面エネ
ルギーは一般に10dyne/cm以上28dyne/
cm未満の値を示す。そのため本発明では母材樹脂に母
材樹脂と相容性の良い樹脂、特に母材樹脂の少なくとも
一部とグラフト重合したシリコーン樹脂を混入したこと
により、母材樹脂に比べて低表面エネルギーを有し、汚
れの濡れ性を低下させ、汚れの付着力を減少させること
ができる。従って、母材樹脂としては限定されるもので
はないが、28dyne/cm以上45dyne/cm
未満の樹脂を用いた方がより効果的であり、このような
表面では、従来除去が困難であった、水垢汚れ等のよう
に基材への密着力が強く、除去の困難な汚れを容易に除
去する事ができる。
【0032】本発明における表面自由エネルギー28d
yne/cm以上45dyne/cm未満の樹脂として
は、例えばABS、PP、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルペンテン、ポリ
アセタール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等があげ
られるがこれらに限定されるものではない。
【0033】本発明における、シリコーン樹脂としては
例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン等のシリコーン樹脂、及びこれらシリコーン樹
脂に有機基を付与したシリコーン樹脂としてアミノ変
性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変
性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変
性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル
変性、脂肪酸エステル変性等の変性シリコーン樹脂等が
あげられるがこれらに限定されるものではない。また、
脱水縮合反応、付加反応、過酸化物反応、脱オキシム反
応、脱アルコール反応等で得られるシリコーン樹脂レジ
ン及びシリコーン樹脂ゴムおよびそれらの変性樹脂等が
あるがこれらに限定されるものではない。さらに、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等のシリコ
ーン変性有機レジンがあるがこれらに限定されるもので
はない。
【0034】防汚性は表面にシリコーン樹脂が存在する
ことによって発揮され、母材樹脂にシリコーン樹脂を混
入するのみであっても母材樹脂とシリコーン樹脂は相容
性が低いため、成形中に表面へブリードアウトすること
により防汚性がある程度は向上する。しかし、相容性が
低いということは分散性に劣り、成形性が悪くなる。ま
た、相容性が非常に低い場合はブリードアウトも早くな
り耐久性も劣るようになる。
【0035】しかし、母材樹脂に混入するシリコーン樹
脂を母材樹脂と相容性の良い樹脂、特に母材樹脂の少な
くとも一部とグラフト重合させることにより、成形性向
上のための相容性向上と、長期防汚性のためのブリード
アウトのバランスをとることができるようになり、長期
に防汚性を維持できるようになる。
【0036】さらに、材料コンパウンド時や射出成形時
も、母材樹脂にシリコーン樹脂がグラフト重合している
ため、シリコーン樹脂のみが成形機中に残ったり、飛散
してしまうことがなく、安定して製造できる。
【0037】また、母材樹脂に混入するシリコーン樹脂
を母材樹脂と相容性の良い樹脂、特に母材樹脂の少なく
とも一部とグラフト重合させることによって、同じシリ
コーン樹脂を直接混入するのみの場合と比べて撥油性も
向上し、便座に付着する便由来の汚物の中に含まれるオ
レイン酸等の油も付着し難く、除去しやすくなり、シリ
コーン樹脂を母材樹脂に混入するのみの方法よりもさら
に防汚性が優れるようになる。
【0038】母材樹脂と相容性の良い樹脂、特に母材樹
脂とグラフト重合させたシリコーン樹脂の配合割合は、
母材樹脂100重量部あたりシリコーン樹脂として0.
3〜15重量部、特に1〜10重量部であることが望ま
しい。
【0039】母材樹脂と相容性の良い樹脂、特に母材樹
脂の少なくとも一部とグラフト重合させたシリコーン樹
脂を配合することにより、樹脂成形体の表面エネルギー
が低下し、水,油に対する接触角が増大し、汚れ成分が
付着しにくくなり防汚性能は高くなるが、その配合割合
が高くなりすぎると、機械強度などの物理特性が悪化
し、他の強度等便座に必要な特性が満足できなくなる。
【0040】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的に説明するため
に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0041】図1は本発明の実施形態の一例としての局
部洗浄便座((a);便座を上から見た図、(b);便座を横か
ら見た図)を示す。1は便座シート、2は便蓋、3は本
体ケース、4は局部を洗浄する洗浄ノズルである。
【0042】図2は本発明の実施例1〜4、比較例1,
2の対比表(組成、防汚性)である。
【0043】以下図2に基づき説明する。
【0044】実施例1〜4;PP100重量部とPPと
グラフト重合させた図2に示す量のジメチルポリシロキ
サン(以下シリコーン樹脂)を良く混合し、成形機で成形
して便座シートを得た。
【0045】比較例;PP(比較例1)、ABS(比較例
2)を実施例と同様に射出成形により成形して便座シー
トを得た。
【0046】各実施例、比較例で得た便座から試験片を
切り出し、試験を行った。
【0047】次に試験について説明する。 (1)水の接触角;水の接触角により、成形品表面の撥
水性を調べた。接触角の測定は、協和界面科学製接触角
計で行った。 (2)オレイン酸の接触角;オレイン酸の接触角によ
り、成形品表面の撥油性を調べた。接触角の測定は、協
和界面科学製接触角計で行った。オレイン酸を用いたの
は、オレイン酸が便座が汚れる場合の油が入った汚れの
代表である大便の油分の主成分であり、オレイン酸の接
触角が高いということは、大便が付着しがたく、付着し
た場合でも簡単にふき取れるなど除去しやすくなるから
である。 (3)テープ剥離試験;テープ剥離試験により、成形品
表面の被粘着性を調べた。テープ剥離試験には住友スリ
ーエム製メンディングテープ(幅12mm)を成形品か
ら切り出した試験片表面にはりつけ、30cm/分の速
度で90゜引きはがしを行った際の引きはがし力を測定
した。 (4)付着物汚染試験(墨汁);水溶性の疑似汚物によ
り、成形品表面の疑似汚物の付着性を調べた。付着性を
もつ水溶性疑似汚物として墨汁を用いた。墨汁を成形品
から切り出した試験片表面に刷毛塗りにより塗布し、2
3℃50%RHの雰囲気で24時間放置し、乾燥させ
た。次に、乾燥した墨汁が付着した表面を摺動部1平方
cm当たり1kgの加重で、乾いた綿布で5往復擦り、
墨汁の除去の程度を目視にて観察した。評価は相対比較
により行い、完全に墨汁が除去出来た場合を○、僅かに
除去出来なかった場合を△、比較的多く除去出来なかっ
た場合を×とした。 (5)付着物汚染試験(水垢);成形品表面の水垢の付
着性を調べた。水道水を成形品から切り出した試験片表
面に滴下し、40℃の雰囲気で1時間放置し、乾燥させ
た。この水道水滴下後40℃1時間乾燥の手順を試験片
表面の同じ箇所で50回繰り返し、試験片表面に水垢を
付着させた。次に、水垢が付着した表面を摺動部1平方
cm当たり1kgの加重で、乾いた綿布で5往復擦り、
水垢の除去の程度を目視にて観察した。評価は相対比較
により行い、完全に水垢が除去出来た場合を○、僅かに
除去出来なかった場合を△、比較的多く除去出来なかっ
た場合を×とした。
【0048】図2に示す結果より本発明の母材樹脂と相
容性の良い樹脂、特に母材樹脂のすくなくとも一部とグ
ラフト重合したシリコーン樹脂を混入した樹脂成形体を
使用することにより、樹脂成形体表面の表面エネルギー
が低下し、撥水性、撥油性が増し、防汚性に優れるた
め、便座用の材料として非常に優れることがわかった。
【0049】図3は本発明の実施例1,3、比較例3,
4の対比表(組成、防汚性)である。
【0050】以下図3に基づき説明する。
【0051】比較例3,4;PP100重量部と図3に
示す各々実施例1,3と同量の母材樹脂とグラフト重合
なしのシリコーン樹脂のみを良く混合して射出成形によ
り成形して便座シートを得た。
【0052】比較例3,4で得た便座から試験片を切り
出し、各試験を行い、実施例1,3の結果と対比した。
【0053】図3に示す結果よりシリコーン樹脂単体を
混入した樹脂成形体を使用する場合は撥油性はシリコー
ン樹脂混入前とほとんど変化しないが、本発明の母材樹
脂と相容性の良い樹脂、特に母材樹脂のすくなくとも一
部とグラフト重合したシリコーン樹脂を混入した樹脂成
形体を使用することにより、シリコーン樹脂単体を混入
した樹脂成形体を使用する場合より、撥油性が増し、防
汚性がさらに向上していることがわかり、本発明は、便
座用の材料として非常に優れることがわかった。
【0054】なお、上記実施例および比較例の成形品は
便座シートであったが、便蓋、本体ケースあるいは洗浄
ノズルであっても同様な結果が得られる。
【0055】また、本発明により汚れが付着しにくく、
さらに汚れが取れやすく掃除しやすくなり、防汚性に優
れた便座を提供できるため、雑菌等の繁殖は低減する
が、発明の効果を損なわない程度で、無機系抗菌剤、有
機系抗菌剤、抗カビ剤を配合することができる。
【0056】また、発明の効果を損なわない程度で、適
宜各種の添加剤を配合することができる。例えば、可塑
剤、内部離型剤、加水分解防止剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、発泡剤、無機顔
料、有機顔料等があげられる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明の便座によれ
ば次の効果が得られる。
【0058】便座シート、便蓋、本体ケース等の構成材
料の少なくとも一部材が、母材樹脂の中に母材樹脂と相
容性の良い樹脂、特に母材樹脂の少なくとも一部とグラ
フト重合したシリコーン樹脂が混入されている樹脂成形
体で構成することによって便座部材の表面の表面エネル
ギーが低下し、水の接触角、油の接触角が大きくなる。
【0059】便座の汚れの大部分は、便、尿などの水に
分散あるいは溶解した汚れ、又はそれらが直接付着した
汚れであるため、その汚れ成分は表面エネルギーの低下
によって撥水、撥油性の向上した表面には付着しにくく
なる。
【0060】また汚れが付着した場合も樹脂成形体と汚
れの結合力は非常に弱くなり、容易に除去でき掃除が簡
単である。更に、汚れがつきにくいため、汚れが栄養源
となる雑菌の増殖も減少し、防汚性に優れた便座を提供
することが出来る。
【0061】さらに母材樹脂と相容性の良い樹脂、特に
母材樹脂の少なくとも一部とグラフト重合したシリコー
ン樹脂を、もとの母材樹脂100重量部に対してシリコ
ーン樹脂のみの換算で0.3〜15重量部混入すること
により、母材樹脂の物理的特性を損なうことなく優れた
防汚性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態の一例を示す局部洗浄
便座の外観図((a);便座を上から見た図、(b);便座を横
から見た図))である。
【図2】図2は本発明の実施例1〜4、比較例1,2の
対比表(組成、防汚性)である。
【図3】図3は本発明の実施例1,3、比較例3,4の
対比表(組成、防汚性)である。
【符号の説明】
1…便座シート 2…便蓋 3…本体ケース 4…洗浄ノズル 5…操作部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 弘樹 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D037 AA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】便座シート、便蓋、本体ケース等の便座の
    露出構成部品の構成材料の少なくとも一部材が、母材樹
    脂の中に、母材樹脂と相容性の良い樹脂の少なくとも一
    部とグラフト重合したシリコーン樹脂を混入した樹脂成
    形体で構成されたことを特徴とする防汚性に優れた便
    座。
  2. 【請求項2】便座シート、便蓋、本体ケース、洗浄ノズ
    ル等の便座の露出構成部品の構成材料の少なくとも一部
    材が、母材樹脂の中に、母材樹脂と相容性の良い樹脂の
    少なくとも一部とグラフト重合したシリコーン樹脂を混
    入した樹脂成形体で構成されたことを特徴とする局部洗
    浄用の防汚性に優れた便座。
  3. 【請求項3】母材樹脂として、表面自由エネルギーが2
    8dyne/cm以上45dyne/cm未満の樹脂を
    使用したことを特徴とする請求項1又は2記載の防汚性
    に優れた便座。
  4. 【請求項4】母材樹脂と相容性の良い樹脂の少なくとも
    一部とグラフト重合したシリコーン樹脂が、もとの母材
    樹脂100重量部に対してシリコーン樹脂として0.3
    〜15重量部混入されていることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の防汚性に優れた便座。
  5. 【請求項5】母材樹脂と相容性の良い樹脂が、母材樹脂
    であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の
    防汚性に優れた便座。
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Cited By (4)

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