JP2000279100A - 飼料の製造方法 - Google Patents

飼料の製造方法

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JP2000279100A
JP2000279100A JP11091971A JP9197199A JP2000279100A JP 2000279100 A JP2000279100 A JP 2000279100A JP 11091971 A JP11091971 A JP 11091971A JP 9197199 A JP9197199 A JP 9197199A JP 2000279100 A JP2000279100 A JP 2000279100A
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Japan
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feed
electron beam
plant
fermentation
microorganism
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JP11091971A
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English (en)
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Hisao Kitano
尚男 北野
Fumio Tanimoto
文男 谷本
Masayuki Takada
昌幸 高田
Hisami Hidaka
久美 日高
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SAN BAIOREKKUSU KK
Original Assignee
SAN BAIOREKKUSU KK
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    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/80Food processing, e.g. use of renewable energies or variable speed drives in handling, conveying or stacking
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物として処理されている植物搾汁滓を原
料として有用な動物用飼料を大量且つ容易に製造する。 【解決手段】 炭水化物が主成分である植物搾汁滓に醗
酵用培地成分を添加して電子線照射を行った後に毒素を
産生しない微生物の存在下で好気性醗酵を行わせること
により、蛋白質含有量の高い飼料を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄物として取扱わ
れている植物搾汁滓を原料とする餌料の製造方法に関す
る。
【0002】本発明によって製造される飼料は、その含
有される蛋白質および二次成分の量によって種々の動物
用餌料として価値が高いものであり、例えば養鶏用飼
料,畜産用飼料,養魚用飼料,養蚕用飼料,魚介類用飼
料等に用いることができる。
【0003】
【従来の技術】微生物醗酵物を飼料として用いようとす
る研究開発は、石油蛋白についてかなり大規模に行われ
たが、製品に含まれているといわれる発癌性物質の存在
のため、広く実用化されるには到っていない。
【0004】一方、植物種子から植物油を抽出した搾油
粕の中には蛋白質含有量の高いものもあるが、消化し難
い多糖類,毒性の強いアルカロイドや蛋白質,苦味質で
毒性のある配糖体やフィトンチッドやテルペン類等を含
んでいるものも多く、そのままでは飼料化することが困
難なため、多くの場合には若干の変性とか化学加工を行
った後に配合餌料用材料として用いられていることが多
い。また、アルコール醗酵粕はすぐれた蛋白源ではあっ
ても核酸成分の含有率が高く、これのみでは良好な飼料
とはなり得ない。
【0005】本発明者等は植物搾汁滓の有効利用につい
てこれまで多くの研究を行ってきたが、その中で、微生
物醗酵物を含むマトリックス材料中に、炭素原子数が2
〜3個である低級アミノ酸(A)と炭素原子数が4個以
上である高級アミノ酸(B)とをモル比がA/B=1〜
40となるように含有せしめてなる魚介類用飼料(特開
平9−121783号公報,米国特許5733539号
公報)ならびに植物搾汁滓の粉末に電子線を照射した後
に菌糸型真菌を加えて水分の存在下において該真菌を繁
殖させると共に酵母型真菌を加えて醗酵させることによ
り蛋白質飼料を得る飼料の製造法(特願平10−294
750)については、既に出願を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はより有用
な飼料を市場に提供することを技術的課題として、さら
なる研究を推進してきた結果、植物搾汁滓に醗酵用培地
成分を加えて電子線照射を行った後に好気性醗酵を行わ
しめる場合には、より品質の優れた飼料を大量且つ容易
に得られるという刮目すべき知見を得、当該技術的課題
達成したのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は次の通
りの本発明によって達成できる。
【0008】すなわち、本発明は、炭水化物が主成分で
ある植物搾汁滓に醗酵用培地成分を加えて電子線照射を
行った後に毒素を産生しない微生物の存在下で好気性醗
酵を行わせることを特徴とする飼料の製造方法である。
【0009】また、本発明は、植物搾汁滓の形状が粉状
物,砂状物,粒状物,土状物,フレーク状物,繊維状
物,スポンジ状物,泥状物,ペースト状物およびこれら
の混合物よりなる群から選ばれた少くとも一つの形状で
ある前記飼料の製造方法である。
【0010】また、本発明は、毒素を産生しない微生物
が酵母菌(イースト),子嚢菌(カビ)および非病原性
細菌よりなる群から選ばれた少なくとも一つの微生物で
ある前記各飼料の製造方法である。
【0011】本発明に用いる非病原性細菌としては、枯
草菌,馬鈴薯菌,乳酸菌,セルロモナス菌およびビフィ
ズス菌等が好適である。
【0012】なお、毒素を産生する微生物が増殖する場
合は普通、「醗酵」とはいわず「腐敗」と称して良質な
醗酵と区別されている。
【0013】本発明をより詳しく説明すれば次の通りで
ある。
【0014】先ず、本発明に用いる炭水化物が主成分で
ある植物搾汁滓は、植物汁用植物(サトウキビ,テンサ
イ,アロエ,トマト等),植物果汁用植物(ミカン,オ
レンジ,グレープフルーツ,リンゴ,パイナップル,ブ
ドウ等),植物精油用植物(大豆,エゴマ,オリーブ,
ヒマワリ,ベニバナ,ゴマ等),加工した抽出物用植物
(茶,コーヒー等),植物乳汁用植物(デンプン採取用
植物,ゴム採取用植物)等の各種植物体より食品または
その有効成分が分離された残滓である。
【0015】植物搾汁滓は、植物の種類,粉砕法,破砕
法,切断法,搾汁法または水分等の含有量に応じて前記
した種々の形状のものとなるが、いずれの形状の場合に
も、その主成分は炭水化物(単糖,少糖,多糖等)であ
り、通常は固体で供給されるが、場合によっては半固
体,スラリー,分散液,溶液のいずれかで供給される。
【0016】次に、一般に、微生物を増殖させるために
必要とされる醗酵用培地成分は、水分を除外すると栄養
素,ミネラル,pH調整剤等を含んでいる。成分的には化
学的性状の明白な物質のみを用いる合成培地系と肉エキ
ス,ペプトン,酵母エキス等の天然物を単独で又は混合
して用いる複合培地系とがあるが、いずれの系を用いる
場合にも、前記植物搾汁滓のみでは充分な蛋白質を生成
する醗酵を行わすことが困難であることが多いので、用
いる植物搾汁滓を分析し、不足している成分を醗酵用培
地成分として添加してやることが好ましい。
【0017】本発明者等の予備的な研究によれば、炭水
化物が主成分である植物搾汁滓に醗酵用培地成分を添加
して、先ず電子線照射を行う時には爾後の醗酵反応を非
常に円滑に行えると共に原料の殺菌も好都合に達成でき
ることが見いだされた。
【0018】次に、WHO(世界保健機関)、IAEA
(国際原子力機構)およびFAO(国連食糧農業機構)
の合同委員会報告(1980年11月)によれば食品に
対する電子線の照射は目的により線量を次のように区別
して用いることが勧告されている。
【0019】 低線量(1kGy 以下):発芽抑制、殺虫、熟成遅延。 中線量(1kGy 〜10kGy ):部分殺菌、病菌の殺菌,
黴類の細菌。 高線量(10kGy 〜50kGy ):完全殺菌、ウイルスの
失活。 強高線量(50kGy 〜200kGy ):酵素の失活。
【0020】本発明においてもこのような区分の範囲を
考慮して照射が行われるのであるが、強力な電子線を必
要とする場合には特にこの範囲に限定されるべきではな
い。
【0021】高分子材料に電子線を照射すると主鎖分断
と架橋反応が同時に起こり、また酸化反応等も併起す
る。これらのうちどの反応が優先するかは高分子の化学
構造と照射条件又は雰囲気等によって決まる。例えば、
高分子材料がリグニン質の多い針葉樹材料である場合に
は、例えば、50Mrad,500kGy のような強い電子線
照射を行った後に糖化酵素を用いて分解を行わすことに
よって好都合に糖化反応を行わすことができる。
【0022】例えば、植物搾汁滓に醗酵用培地成分を水
溶液にしてふりかけ風乾した粉末に加速電子線照射を行
った後、微生物(例えば酵母)を混合して醗酵を行わせ
る場合について説明すると、醗酵粉末は次第に酵母蛋白
に変って外観,香りが異ってくるが、これを製品化する
前には再度電子線を照射するか、あるいは加熱乾燥して
粉末に含まれている微生物種を殺菌しておくのが賢明で
ある。
【0023】もっとも、植物搾汁滓が液相(分散液また
は溶液)で供給される場合にはシトラス・モラセスの液
相醗酵と同様に行われるが、本発明では最初の滅菌を電
子線照射で行い、最終的な仕上げを加熱もしくは電子線
照射で行うことができることは勿論である。
【0024】本発明においては、酵母菌,子嚢菌および
非病原性細菌を別々に分けて使用してもよいし、またこ
れらを順番にあるいは同時に2種以上併用してもよい。
本発明ではこれらの微生物に対応するため使用する培地
の種類は極めて多く、目的に応じて種々改変して使用さ
れるべきである。成分の良く分っている合成培地につい
てみても、例えば硫酸マグネシウム,塩化カルシウム,
リン酸カリウム,グルコース等はそれぞれ別々に加圧滅
菌し冷却してから混合するのが常道であって、一緒にし
てから加熱(例えば120℃)すると、多くの場合、マ
グネシウムイオンとリン酸とが存在するようなときに
は、これらの反応によって沈殿が生じ微生物の生育が妨
げられることがある。
【0025】本発明においては、前記のような加熱滅菌
ではなく比較的低温(50℃以下)での加速電子線照射
滅菌が特長であるので、このような加熱による不溶解物
(特に結晶性沈殿)の形成の心配は不要であり、その結
果、合成培地系あるいは複合培地系のいずれでも自由に
用いられる。
【0026】なお、微生物の種類により培地成分を変更
する場合には、その都度、加速電子線照射を何回行って
も差支えないのは当然である。
【0027】電子線照射を行う培地は液体でも固体でも
よく、また、半固体もしくはこれらの混合物であっても
電子線さえ透過しうる状態にされているならば支障はな
い。
【0028】本発明に用いられる毒素を産生しない微生
物が醗酵する適温は大体10〜100℃の範囲である
が、微生物の種類によってはある程度その生育温度を区
別することができるという利点がある。
【0029】すなわち、酵母菌の多くは20〜40℃
(低温),子嚢菌の多くは30〜50℃(中温),細菌
は45〜70℃(高温)の温度で充分な湿度と栄養素が
存在した場合円滑に好気性醗酵を行いうる。
【0030】細菌というのは、グラム染色法によりグラ
ム陽性菌とグラム陰性菌に分けられるが、本発明に用い
られる枯草菌,馬鈴薯菌,乳酸菌,セルロモナス菌およ
びビフィズス菌等はグラム陽性菌に属するものである。
【0031】一般に、細菌菌体というのはその75〜8
5%が水分であり、菌体内の反応は水分の存在下で行わ
れ、充分な水分が存在しないと栄養素が充分にあったと
しても増殖できない。この点、真菌類に属する酵母菌や
子嚢菌は比較的水分が少ない状態においても増殖できる
傾向がある。
【0032】なお、本発明のように醗酵法によって蛋白
を生産しようとする場合には、培地成分中に特に窒素を
含む充分な栄養素が必要であることは当然である。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の代表的な実施の形態は次
の通りである。
【0034】温州ミカン(チトルス・アウランチウム)
の果実を洗浄し、これを圧搾機を用いて搾汁すれば、液
汁(果汁に若干のd−リモネンを含む混合物)と搾汁粕
とが大体半々ずつ得られる。この搾汁粕には水分が80
%,d−リモネンが0.5〜数%含まれていた。この搾
汁粕をリボンミキサー形の混練機に入れて、その重量の
約8%の炭酸カルシウム粉末を加えて混練する。この混
練物の最終的なpHを5.6〜5.8に調整した後フィル
タープレスを用いて圧搾濾過すれば原料果実の約18%
程のシトラス・モラセス原液とd−リモネンが得られ
る。この原液を減圧濃縮するとd−リモネンと糖分が約
37%の粘稠なシトラス・モラセスになるので、これは
別に用途があるから捕集しておく(実施例4を参照)。
【0035】前記フィルタープレス上に捕集された搾汁
滓を通風しながら110℃で乾燥し、ボールミルを用い
て粉砕し、100メッシュ粉状物にしておく。
【0036】ここに得られた100メッシュ粉状物1Kg
に次に示す醗酵用培地成分水溶液を加え、混練機に入れ
てペースト状物にする。
【0037】醗酵用培地成分水溶液は、水1lにNaH2PO
4 1.2g,KH2PO4 0.8g ,MgSO4 ・7H2O 0.4g,FeCl3 ・6H2
O 1.2g,CuCl2 ・2H2O 1.32mg,ZnSO4 ・6H2O 0.36mg,Cu
SO4・5H2O 0.16mg,MnSO4 ・7H2O 0.3mg ,CoCl2 ・6H2O
0.36mg,(NH4)2SO4 30g および(NH2)2CO 14g (これら
は合計量を記載)を溶解してpH5.5〜6.0に調整し
たもの500g を用いる。
【0038】ここに得られたペースト状物をノズルより
押出しポリエチレン製袋に入れ厚さが1〜2mmになるよ
うに板状に押え付けた後シールし、日新ハイボルテージ
(株)製加速電子線照射装置に入れて電子線照射を行
う。電子線は750kV、30Mrad(300kGy)を室温
(15〜30℃)で30秒間照射する。
【0039】次いで、袋からペースト状物を取出して、
微生物として酵母(カンジダ・ウチリス)を5%添加し
た後、混練機に入れ、清浄な空気を流通させて25〜3
0℃に保って3日間混練を続行する。最初は茶色であっ
たペースト状物の色がやや濃色に変化する。次いで生成
物を水洗して乾燥後、窒素を分析したところ蛋白質が約
40%の褐色粉末1.2Kgが得られ、この粉末は配合飼
料の原料として大豆粕と同様に利用できた。
【0040】
【実施例】本発明者等は本発明に関して多数の実験を行
ってきたが、それらの中より本発明の技術的内容を解説
しうるに足る代表的な数例を抽出して以下に実施例とし
て示す。従って本発明は以下に示された実施例のみに限
定して解釈されるべきではなく、本発明の趣旨と精神を
逸脱せざる限り任意にその実施態様を変更して実施でき
ることは当然である。
【0041】実施例1:グレープ・フルーツ(チトルス
・パラジシ),ナツミカン(チトルス・ナツダイダイ)
およびマンダリン(チトルス・レチキュラタ)の果汁採
取用の小粒果実を同量ずつ混合し水洗する。これを圧搾
機を用いて搾汁した搾汁滓100g と水100g とをジ
ュース・ミキサーに入れ充分破砕してペースト状にす
る。このペーストをエーテル洗浄して、d−リモネンそ
の他のテルペン系油状物質を除去し、再び、水50g を
加えてジュース・ミキサーで破砕して柔かいスラリー状
にする。このスラリー200g に醗酵用培地成分(NaH2
PO4 0.6g/l,KH2PO4 0.4g/l,MgSO4 ・7H2O 0.2g
/l,FeCl3 ・6H2O 16.7mg /l,CuCl2 ・2H2O 0.66m
g /l,ZnSO4 ・6H2O 18mg /l,CuSO4 ・5H2O 0.16m
g /l,MnSO4 ・7H2O0.15mg /l,CoCl2 ・6H2O 0.18
mg /l,(NH4)2SO4 15g /lおよび(NH2)2CO7g /l
(分割添加するがここでは合計量を記載)を含んだpH
5.5〜6.0の水溶液)100g を加え、この混合物
をプラスチックス・チューブに封入し、このチューブを
前記電子線照射装置に入れてチューブ中で混合液を流動
させながら加速電子線を照射する。電子線は750kV、
30Mrad(300kGy)を室温(15〜30℃)で10秒
間照射する。ついでこの流動スラリーを別の反応容器に
入れ、芽胞形成桿菌である枯草菌5.0g と複合培地成
分(肉エキス1.0g +ペプトン1.0g を含む普通ブ
イヨン100ml)を加えて混合し、孵卵器で65℃に2
0時間保って醗酵を行わせた後、カンジダ・ウチリス
5.0g を投入して空気を吹き込みつつ35時間、30
℃で醗酵を行わせる。
【0042】次いで、反応混合物を冷却して極少量の濾
過助剤(活性ケイ酸アルミニウム)を加えて濾別し濾集
物をスプレードライヤーで粉末化する。この粉末は若干
の生菌を含んでいるので130℃で1時間加熱して殺菌
を行う。収量は約48g (水分約5%,粗蛋白質約42
%,灰分約48%(濾過助剤を含む))であり、大豆油
搾粕のかわりに養鶏用飼料,養魚用飼料として用いられ
る。
【0043】なお、130℃での加熱殺菌にかえて再度
電子線照射を行ってもよいのは勿論である。
【0044】実施例2:コーヒー豆熱水抽出滓の乾燥物
100g と麦茶熱水抽出滓の乾燥物100g を混合して
100メッシュに粉砕し、これに水1lにブドウ糖30
g, 酵母エキス5g, ペプトン5g, KH2PO4 6g ,MgSO
4 ・7H2O 0.6g ,MnSO4 ・7H2O 0.3g ,(NH4)2SO4 15g
を溶解した醗酵用培地成分水溶液(pH5〜6)80g を
撒布して練り合わせ餅状物にする。この餅状物をノズル
から押出して粒状物にしポリエチレン袋に入れて薄く拡
げた状態にして電子線を照射する。電子線照射は前記し
た電子線照射装置を用い、750kV、30Mrad、(30
0kGy)の加速電子線を室温で約10秒間照射した。
【0045】次いで、この粒状物にニホンコウジカビ5
g を少量の温水に分散した液を振りかけて混練した後、
成形ノズルより板状に押出して35℃で10日間醗酵さ
せる。醗酵物は黒褐色の餅状物であるが、このもの10
0g をジュースミキサーに入れデビス型培地成分(K2HP
O4 7g ,KH2PO4 3g ,(NH4)2SO4 2gを水1lに溶解した
もの)200g を加えて混合したのちジャーファーメン
ターに入れてカンジダ・ウチリス2g の存在下で空気を
流通させながら25℃にて50時間醗酵を行う。
【0046】次いで、生成混合物を濾別して沈殿物を捕
集する。このものを120℃で2時間乾燥したところ、
粗蛋白質が約45%の褐色粉末が得られた。収量は65
〜70g であった。これは淡水魚(金魚,フナ,コイ,
ナマズ,熱帯魚等)の配合飼料用の原料になった。
【0047】実施例3:バレンシア・オレンジ(チトル
ス・シネンシス)の果実を洗浄しこれを破砕後に圧搾機
を用いて搾汁すると、果実重量の約半分が搾汁滓とな
る。この搾汁滓を乾燥すると炭水化物が固形物の30〜
40%を占める粉粒体が得られる。この粉粒体200g
と水100g とをジュース・ミキサーに入れ充分破砕す
るとペースト状になる。このペーストをエーテルで抽出
してリモネンその他のテルペン油を除き、エーテルを除
去した後、減圧乾燥して粉末とする。この粉末に醗酵培
地成分(NH4Cl または(NH4)2SO4 10g ,KH2PO4 2g
,K2HPO4 2g ,MgSO4 ・7H 2O 2g の水溶液に酵母
エキス2g )を含む水溶液200mlを加えてペースト状
にしたものをポリエチレン袋に入れて密封し押えつけて
板状にしたものに加速電子線を照射する。電子線照射は
前記電子線照射装置を用い、750kV、40Mrad、(4
00kGy)の電子線を室温で数秒間照射した。
【0048】次いで、このペースト200g に対して表
1に示す各酵母を0.5g ずつ配合し、それぞれ滅菌し
た空気を通気して充分に混練しつつ25〜30℃で3日
間醗酵を行わせる。ついで反応混合物をエタノール中に
投入し沈殿物を濾別して水洗、乾燥すると70〜100
g の粗酵母蛋白が得られた。用いた酵母の種類と粗酵母
蛋白含有量および粗酵母蛋白収量は表1のとおりであ
る。
【0049】
【表1】
【0050】ここに得られた各粗酵母蛋白は130℃で
2時間加熱した後ボールミルで粉砕して動物餌料の配合
材として用いられた。
【0051】実施例4:前記「発明の形態の実施」
([0034]参照)において捕集しておいた糖分が約
37%の粘稠なシトラス・モラセス300mlと水700
ml,および培地成分(NH4NO3 6g ,KH2PO4 1g ,Na
2HPO4 1g ,MgSO4 ・7H2O 1g および酵母エキス1
g )を混合した後、この溶液に5〜10kGy の電子線を
照射して殺菌を行った後、酵母菌としてカンジダ・ウチ
リスを5%添加し28℃で70時間空気を吹込みつつ醗
酵を行う。冷却後、沈殿物を濾別して水洗し、乾燥す
る。得られた粉末に再び前記と同条件にて電子線を照射
して殺菌を行う。収量は27g であり、粗蛋白質含有量
は58〜60%であった。このものは一般の海水養殖魚
類用の配合餌料として大変重宝なものであった。
【0052】実施例5:サトウダイコン(ベータ・ブル
ガリス)より糖成分を搾汁した残滓は比較的硬い白色塊
状粒であるが、これをさらに120℃で乾燥後にボール
・ミルで粉砕して100メッシュの粉末とする。
【0053】一方、酵母エキス 3g ,ペプトン 5g ,KH
2PO4 6g ,MgSO4 ・7H2O 0.6g ,MnSO4 ・7H2O 0.3g ,
(NH4)2SO4 20g を水500mlに溶かした溶液100mlに
上記の100メッシュ粉末200g を投入し、よく混練
した後、ポリエチレン袋に密封して麺棒で伸ばして拡
げ、このものに加速電子線(750kV、20Mrad(20
0kGy))を室温で数秒間照射する。
【0054】次いで、サツカロマイセス・リポリチカ3
g を配合して若干量の水を加えて餅状物にしたのち70
時間、28℃で空気を流通させつつ混練醗酵させた後に
冷却する。ついで、生成物を水中に投入し撹拌して沈殿
物を濾別し、水洗後120℃で乾燥して粉砕すると蛋白
質が28〜30%の粉末120〜130g が得られた。
このものは養蚕用の飼料に加工することができた。
【0055】すなわち、ここに得られた粉末と同量の桑
葉乾燥粉末とを可及的少量の水で練り合わせてノズルよ
り薄板状ペレットになるよう押出し短時間滅菌乾燥させ
飼料とする。この飼料を用いて掃立後毛振いした稚蚕を
無菌室で壮蚕になるまで育て、五齢蚕は生桑葉で育成し
た後、上蔟させた。
【0056】なお、サツカロマイセス・リポリチカのか
わりにサツカロマイセス・セルビシエを用いた場合にも
同様の結果が得られた。
【0057】実施例6:実施例3に示したバレンシア・
オレンジ(チトルス・シネンシス)から得られた固形物
を粉砕して100メッシュの粉末とし、その200g に
醗酵用培地成分液体(NH4Cl 10g ,KH2PO4 2g ,K2HPO4
2g ,MgSO4 ・7H2O 2g および酵母エキス 2g を水50
0mlに溶解したもの)50mlを散布してポリエチレン製
袋に入れて密封する。これを板状に拡げて750kV、5
0Mrad、(500kGy))の加速電子線を数秒間照射した
後、枯草菌を含んだ土壌粉末1.5g を混合して55〜
65℃で4日間混練する。冷却後、前記培地用成分液体
50mlを、再度、散布してポリエチレン製袋に入れて密
封する。これを板状に拡げて再び前記と同条件にて加速
電子線を照射した後、カンジダ・ウチリス2g を加えて
27〜29℃で70時間空気を流通させながらはげしく
混練する。次いで、反応物を水中に投入し沈殿を濾過し
て水洗後濾別し、120〜130℃で乾燥すると約15
0g の粉末が得られる。搾汁滓の最初の粗蛋白含量は約
1.0%であったが、このような操作によって粗蛋白が
36〜38%含有されたものになる。このものは家畜用
の配合飼料の成分として広く用いられるものである。
【0058】
【発明の効果】現在、世界的な食糧確保の問題に対応し
て貴重な殻類に頼らない動物用飼料の開発が望まれてい
る。本発明はこの要望に沿ったもので、廃棄物または肥
料としての用途しかない植物搾汁滓を原料として電子線
照射技術と微生物による醗酵技術とを組み合わせて、蛋
白質含有量の高い飼料を大量且つ容易に製造できる新規
技術を提供するものである。従って、本発明の産業利用
性は非常に大きく、将来の食糧増産に寄与できるものと
いえる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月27日(1999.9.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 料の製造方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄物として取扱わ
れている植物搾汁滓を原料とする料の製造方法に関す
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】本発明によって製造される飼料は、その含
有される蛋白質および二次成分の量によって種々の動物
料として価値が高いものであり、例えば養鶏用飼
料,畜産用飼料,養魚用飼料,養蚕用飼料,魚介類用飼
料等に用いることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】一方、植物種子から植物油を抽出した搾油
粕の中には蛋白質含有量の高いものもあるが、消化し難
い多糖類,毒性の強いアルカロイドや蛋白質,苦味質で
毒性のある配糖体やフィトンチッドやテルペン類等を含
んでいるものも多く、そのままでは飼料化することが困
難なため、多くの場合には若干の変性とか化学加工を行
った後に配合料用材料として用いられていることが多
い。また、アルコール醗酵粕はすぐれた蛋白源ではあっ
ても核酸成分の含有率が高く、これのみでは良好な飼料
とはなり得ない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】ここに得られた各粗酵母蛋白は130℃で
2時間加熱した後ボールミルで粉砕して動物料の配合
材として用いられた。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】実施例4:前記「発明の形態の実施」
([0034]参照)において捕集しておいた糖分が約
37%の粘稠なシトラス・モラセス300mlと水700
ml,および培地成分(NH4NO3 6g ,KH2PO4 1g ,Na
2HPO4 1g ,MgSO4 ・7H2O 1g および酵母エキス1
g )を混合した後、この溶液に5〜10kGy の電子線を
照射して殺菌を行った後、酵母菌としてカンジダ・ウチ
リスを5%添加し28℃で70時間空気を吹込みつつ醗
酵を行う。冷却後、沈殿物を濾別して水洗し、乾燥す
る。得られた粉末に再び前記と同条件にて電子線を照射
して殺菌を行う。収量は27g であり、粗蛋白質含有量
は58〜60%であった。このものは一般の海水養殖魚
類用の配合料として大変重宝なものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日高 久美 京都府京都市左京区下鴨上川原町7番地の 8 Fターム(参考) 2B150 AA01 AA05 AA07 AA08 AA09 AB20 AC01 AC05 AC08 AC24 AC25 AC26 AC27 AC28 AD07 CA06 CA17 CA18 DD11 DD26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭水化物が主成分である植物搾汁滓に醗
    酵用培地成分を添加して電子線照射を行った後に毒素を
    産生しない微生物の存在下で好気性醗酵を行わせること
    を特徴とする餌料の製造方法。
  2. 【請求項2】 植物搾汁滓の形状が粉状物,砂状物,粒
    状物,土状物,フレーク状物,繊維状物,スポンジ状
    物,泥状物,ペースト状物およびこれらの混合物よりな
    る群から選ばれた少くとも一つの形状である請求項1記
    載の餌料の製造方法。
  3. 【請求項3】 毒素を産生しない微生物が酵母菌,子嚢
    菌および非病原性細菌よりなる群から選ばれた少なくと
    も一つの微生物である請求項1又は2記載の餌料の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 非病原性細菌が枯草菌,馬鈴薯菌,乳酸
    菌,セルロモナス菌およびビフィズス菌等よりなる群か
    ら選ばれた少なくとも一つの微生物である請求項3記載
    の餌料の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100855039B1 (ko) * 2008-07-02 2008-08-29 유수상 지에이비에이가 함유된 계란의 생산방법 및 이 방법으로생산된 계란
JP2010246477A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Ban Kk 養魚飼料用混合物及びその製造方法並びに海水魚飼料
US10287730B2 (en) 2006-10-26 2019-05-14 Xyleco, Inc. Processing biomass

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