JP2000273808A - 舗装用常温混合物及び舗装体 - Google Patents

舗装用常温混合物及び舗装体

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JP2000273808A
JP2000273808A JP11079696A JP7969699A JP2000273808A JP 2000273808 A JP2000273808 A JP 2000273808A JP 11079696 A JP11079696 A JP 11079696A JP 7969699 A JP7969699 A JP 7969699A JP 2000273808 A JP2000273808 A JP 2000273808A
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pavement
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vinyl chloride
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Noboru Senda
昇 千田
Akihiko Kasahara
彰彦 笠原
Toshiaki Ichihara
利昭 市原
Tokuo Yagi
徳夫 八木
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Nikko Corp Ltd
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Nippon Hodo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で実用性の大きい舗装体を提供する。 【解決手段】 軟質塩化ビニル樹脂廃棄物を骨材主要部
に用いて常温施工により弾性舗装体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩化ビニル樹脂を骨
材として用いた舗装用常温混合物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂を舗装用混合物用の骨材
として使用することは、プラスチック廃棄物の再利用の
なかで試みられている。しかしながら、塩化ビニル樹脂
を加熱アスファルト舗装等の骨材として用いると製造時
の高温度によって塩化ビニル樹脂が溶融すること、熱に
よる膨張収縮が大きく舗装体の安定度を確保することが
困難であることから、これらの技術はほとんど実用され
ていない。
【0003】ところで、廃棄物の処理は自然環境への影
響や資源の有効活用といった観点から大きな社会問題と
して取り上げられている。その中でも塩化ビニル樹脂製
の廃棄物は非常に不活性であることから回収された廃棄
物の再処理によるリサイクルが難しい。また、焼却処理
する際には、ダイオキシンなどの有害物質が発生し、環
境汚染につながる懸念があることから、安全性への疑問
がもたれている。このため、当該廃棄物は埋め立て地へ
の埋設処分などの方法がとられているのが大部分であ
り、再資源化の観点では十分な対応がなされておらず、
有効な対策が待望されている。
【0004】弾力性舗装は、骨材の一部もしくは全部に
チップ状のゴムやコルク、木片などの弾力性材料を使用
し、これらの弾力性により舗装体自体の弾力性を確保す
るものである。しかし、これら従前の材料は屋外に放置
した際の経年変化が大きく、材料劣化による耐久性の低
下は避けられない。例えば、弾力性舗装の材料として最
も一般的に使われているゴムは、その種類によっても影
響の度合いは若干異なるものの、基本的には紫外線によ
る劣化により硬化や骨材飛散が生じ易く、比較的早期に
補修が必要となる例も少なくない。また、コルクに関し
ても材質が柔らかく、その特性上、すり減りやせん断に
弱いことから、摩耗や骨材飛散が生じ易い。したがっ
て、当該材料が舗装体に含まれる量は極めて少量であ
り、得られる弾力性もゴムと比較して低く、十分とはい
えない。木片の場合もこれに準じた課題があるとともに
膨潤による破損、腐食といった課題も挙げられる。した
がって、弾力性舗装では骨材に使用する弾力性材料の経
年変化が大きな課題の一つとして挙げられ、供用後も材
料劣化の小さい、いわゆる耐候性に優れた材質の骨材が
望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
従来の技術の実用を鑑みてなされたものであって、塩化
ビニル樹脂製の廃棄物を安全かつ有効に再利用可能にす
る舗装用常温混合物を提供すること、特に経年変化が少
ないすなわち耐候性に優れた弾力性舗装用常温混合物を
提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は使用済の銅
被覆電線から銅を回収した後の被覆材の有効利用につい
て鋭意検討した結果、該被覆材を構成する塩化ビニル樹
脂が常温成形による舗装体の製造用骨材としては優れた
特性を有することを見出し、本発明に到達した。本発明
は第1に、塩化ビニル樹脂からなる骨材を全骨材量に対
する体積比率で30〜100%有することを特徴とする
舗装用常温混合物である。本発明は第2に、塩化ビニル
樹脂からなる骨材が軟質塩化ビニル樹脂製成形物の廃棄
物を骨材状に切断したものである上記の舗装用常温混合
物である。本発明は第3に、軟質塩化ビニル樹脂製成形
物が着色されている上記の舗装用常温混合物である。本
発明は第4に、軟質塩化ビニル樹脂製成形物が被覆電線
を構成する被覆材である上記の舗装用常温混合物であ
る。本発明は第5に、ゴム骨材を全骨材量に対する体積
比率で70〜5%有する上記の舗装用常温混合物であ
る。本発明は第6に、軟質塩化ビニル樹脂からなる骨材
が異なる着色をもつ複数種の骨材を組合せたものである
上記の舗装用常温混合物である。本発明は第7に、ゴム
骨材が全骨材量に対する体積比率で10〜40%の粒状
のゴム骨材と0〜35%のひじき状のゴム骨材からなる
上記の舗装用常温混合物である。本発明の第8は、上記
のいずれかの舗装用常温混合物を常温硬化型結合材を用
いてシート状に成形固化してなる舗装体である。本発明
の第9は、常温硬化型結合材が硬化後弾力性を発現する
樹脂液からなる上記の舗装体である。
【0007】本発明の混合物は、所望の厚さに敷き均し
て舗装体を得るものであり、混合物を現位置で製造し舗
装体を構築することも可能であるし、前もって別途場所
にてシート状、ブロック状に成型しておき、後から使用
場所に輸送して貼付したり置敷きして使用することも可
能である。ブロックに成型する場合はコンクリートブロ
ック、アスファルトブロック、木製ブロック等舗装用ブ
ロックの上面の全面あるいは位置部分に接着させること
もできる。
【0008】本発明の混合物に使用する結合剤として
は、アスファルト乳剤、セメントペースト、石灰、ウレ
タン系、エポキシ系、アクリル系、ポリエステル系をは
じめとする樹脂が用いることができるが、加熱を伴わな
い常温での使用が可能で塩化ビニル樹脂が溶融しないも
のが好ましく、さらに、舗装体に柔軟性を付与するので
あれば樹脂自体も柔軟性を有するものが好ましく、特に
舗装体の弾力性をより高めるのには、ウレタン系樹脂を
用いるのが好ましい。
【0009】塩化ビニル樹脂骨材は、ポリ塩化ビニルを
主成分とする骨材であり、通常成型物を寸断して製造す
る。塩化ビニル樹脂にはパイプや波板等に使用される硬
質樹脂と、ビニールテープやブーツ等に使用される軟ら
かいもの、および床材や繊維、電線被覆材に使用される
中間の硬度のもの(後二者を軟質塩化ビニル樹脂と称す
る)がある。いずれも本発明の混合物に使用することが
できるが、舗装体に弾力性を付与したい場合には軟質塩
化ビニル樹脂骨材を用いることが好ましい。
【0010】顔料を添加して所望の色彩にした塩化ビニ
ル樹脂骨材を用いることは好ましいことである。特にい
くつかの色の骨材を混ぜ合わせて混合物を調整すること
で所望の色彩の舗装体を構築することが可能となる。ま
た、灰色等淡色1色の骨材を使用して結合材を顔料で着
色することもでき、前者と後者を組み合わせることも可
能である。
【0011】本発明では、特に廃棄物に含まれる塩化ビ
ニル樹脂成形物を切断(粉砕もその一例である)して使
用することが好ましい。これらの廃棄物としては、廃棄
電化製品、廃棄OA機器、廃棄自動車等をあげることが
できるが、効率的なリサイクルが図れるのは廃棄電線で
あり、舗装体に弾力性を付与するに際しては硬度の面か
らも廃棄電線の被覆材が特に好ましい。廃棄物から製造
される塩化ビニル樹脂骨材に埃等その他結合材との界面
における結合力を阻害するものが付着している場合に
は、廃棄物からの塩化ビニル樹脂成形物片の回収時、同
寸断時、同分級時等の適宜な段階で洗浄し、かつ乾燥さ
せる必要がある。
【0012】本発明では、塩化ビニル樹脂骨材の他に種
々の骨材を併用することができるが、より弾力性を持た
せたい場合には、ゴム、ウレタン樹脂等の弾力性の有る
骨材を併用することが好ましい。ゴム骨材を用いる場合
には粒状の骨材とひじき状と称する細長形状の骨材とを
併用することが舗装体の安定性を保つ面からも好まし
い。この場合の塩化ビニル樹脂骨材の全骨材量に対する
体積配合比率は、30〜100%の範囲であれば耐候性
の向上による耐久性の改善効果が得られるが、十分な改
善効果を得るためには50%以上が好ましい。なお、耐
候性の向上は概して配合比率が高いほど大きくなるが、
適度な柔軟性を得るためには使用する結合材がウレタン
系樹脂を用いるのであれば90%以下、特に60〜90
%とするのが好ましい。粒状のゴム骨材の粒径は、通常
1〜10mm、好ましくは2.5〜5mmであり、ひじ
き状のゴム骨材は長さが2.5〜5mm、太さが2.5
mm以下であることが好ましい。ゴムは天然ゴム、合成
ゴム等を用い得るが、廃タイヤの粉砕品も用い得る。粒
状のゴム骨材量は全骨材量に対する体積比率で10〜4
0%が好ましく、ひじき状のゴム骨材量は30〜0%、
特に20〜3%が好ましい。
【0013】塩化ビニル樹脂骨材の個々の粒径は舗装用
に一般的に用いられる大きさであれば、特に問題としな
い。透水性を得るためや舗装体の弾力性を高めるために
細粒分の少ない開粒型の配合とする場合では、骨材間の
結合部分を多くするため、かつ、骨材の飛散抵抗性や曲
げに対する抵抗性など舗装体の強度を増加させるため
に、骨材の最大粒径を30mm以下、特に10mm以下
とするのが好ましく、この場合には、舗装体表面が粗面
となり適度なすべり抵抗性も得られることになる。
【0014】以上のように、本発明の弾力性舗装混合物
は実質上全ての骨材に弾力性材料を使用し、結合材と混
合して固化させることにより形成されるものであり、そ
の弾力性材料の一部ないし全部に軟質塩化ビニル樹脂骨
材を用いることを特徴としている。なお、ここでいうと
ころの弾力性とは、ゴムのように弾性限度内でのひずみ
が大きいことを指しており、剛性でいわれるところの弾
性挙動とは異なる。
【0015】
【実施例】以下に従来の弾力性舗装と本発明による弾力
性舗装の供試体を作成し、耐候性を比較した例を示す。
従来の弾力性舗装としては、すべての骨材に2.5〜3
mmの粒径のゴム骨材を使用し、ウレタン樹脂をゴム骨
材に対し体積比率25%の割合で混合し固化させたもの
(B)を用い、また、本発明による弾力性舗装は、骨材
として粒径2.5〜3mmの粒状のゴム骨材、長さ2.
5〜5mmで太さ2.5mm以下のひじき状のゴム骨
材、および廃棄電線の被覆材を粒径2.5mm〜3mm
に粉砕加工した軟質塩化ビニル骨材を使用し、結合材は
(B)と同じウレタン樹脂を使用し配合割合も(B)と
同じくした。前記供試体は100×200×10mmの
シート状に成型した。
【0016】耐候性は、促進耐候性試験を行う前後の供
試体の引張り強さの変化と表面の変色、つやの現象、ひ
び割れ、はがれ等を目視観察で評価した。光の通算照射
時間は500時間とし、その他の試験条件は「舗装試験
法便覧別冊」の記載に順じて行った。試験結果を各供試
体の骨材配合とともに表1に示す。
【0017】表1によれば、従来型弾力性舗装(B)で
は促進耐候性試験後の引張り強さが40%前後と著しく
低下し、ゴム骨材もかなりの劣化が認められる。一方、
塩化ビニル樹脂骨材を配合した本発明においては、塩化
ビニル樹脂の配合割合が20%の供試体では、引張り強
さ低下率が(B)と同様な傾向であるものの、塩化ビニ
ル樹脂骨材が30%以上の供試体では塩化ビニル樹脂骨
材の配合割合の増加とともに引張り強さ低下割合は増加
しており、さらに塩化ビニル樹脂骨材を配合したいずれ
の供試体においても塩化ビニル樹脂骨材の劣化が認めら
れない。これから、本発明の弾力性舗装は従来のそれと
比較し耐候性に優れていることが確認される。
【0018】なお、表1からはひじき状のゴム骨材を用
いるのが引張り強さの面から有効であることがわかる。
表2は、塩化ビニル樹脂骨材配合量80%におけるGB
反発試験(「舗装試験法便覧別冊」)結果を示したもの
である。これによるとGB係数は、粒状のゴム骨材の配
合割合が多いほど小さくなる傾向にあり弾力性が高まる
ことを示している。弾力性舗装のGB係数の範囲は30
〜40以下とされ、これに対応する粒状のゴム骨材の粒
状とひじき状の全ゴム骨材に対する割合は、20%以上
である。以上から、塩化ビニル樹脂骨材を用いる弾力性
舗装においては異なった形状のゴム骨材を配合すること
が、耐候性と弾力性を確保するより有効な手段であるこ
とが示される。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明による弾力性舗装によって、従来
の弾力性舗装で課題となっていた弾力性材料の材料劣化
による供用後の耐久性低下を改善することが可能であ
る。さらには、軟質塩化ビニル製の廃棄物を安全かつ有
効に再利用することが可能である。塩化ビニル樹脂の性
状の特徴として、酸やアルカリに対して殆ど影響を受け
ず、油脂類に対しても影響されないことが挙げられる。
また、環境条件に対しては水や高湿度による影響が少な
い他、紫外線など日光による劣化も比較的小さく、耐候
性にも優れている。したがって、屋外での使用にも適す
ることから、従来、電線の被覆や自動車部品、配管材料
など、屋外で供する多種多様の用途に利用されている。
しかし、当該材料は耐熱温度域がせいぜい80℃前後と
比較的低く、しかも加熱した際に有毒なガスが生じる懸
念があるなどの欠点のため、加熱型の舗装材料には適さ
ないとされ、これまで舗装材料としての検討はなされて
いなかった。本発明では、結合材および舗装骨材を加熱
しない常温型の弾力性舗装に当該材料を適用することに
より、当該材料の欠点を解消しつつ、その特長を活かし
て材料劣化による耐久性低下が小さい弾力性舗装を提供
することが可能である。しかも、本発明によれば、安全
な処理方法が望まれていた当該材料の廃棄物を有効に再
利用することも可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市原 利昭 東京都中央区京橋一丁目19番11号 日本鋪 道株式会社内 (72)発明者 八木 徳夫 東京都中央区京橋一丁目19番11号 日本鋪 道株式会社内 Fターム(参考) 2D051 AA00 AD07 AE03 AG03 AG20 AH02 AH03 DA13 4J002 AC00X BD03X BG02W CD00W CF00W CK02W GL00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂からなる骨材を全骨材量
    に対する体積比率で30〜100%有することを特徴と
    する舗装用常温混合物。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル樹脂からなる骨材が軟質塩化
    ビニル樹脂製成形物の廃棄物を骨材状に切断したもので
    ある請求項1記載の舗装用常温混合物。
  3. 【請求項3】 軟質塩化ビニル樹脂製成形物が着色され
    ている請求項2記載の舗装用常温混合物。
  4. 【請求項4】 軟質塩化ビニル樹脂製成形物が被覆電線
    を構成する被覆材である請求項3又は4記載の舗装用常
    温混合物。
  5. 【請求項5】 ゴム骨材を全骨材量に対する体積比率で
    70〜5%有する請求項1〜4のいずれか1項記載の舗
    装用常温混合物。
  6. 【請求項6】 軟質塩化ビニル樹脂からなる骨材が異な
    る着色をもつ複数種の骨材を組合せたものである請求項
    1〜5のいずれか1項記載の舗装用常温混合物。
  7. 【請求項7】 ゴム骨材が全骨材量に対する体積比率で
    10〜40%の粒状のゴム骨材と0〜35%のひじき状
    のゴム骨材からなる請求項5〜7のいずれか1項記載の
    舗装用常温混合物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項記載の舗装
    用常温混合物を常温硬化型結合材を用いてシート状に成
    形固化してなる舗装体。
  9. 【請求項9】 常温硬化型結合材が硬化後弾力性を発現
    する樹脂液からなる請求項8記載の舗装体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110041643A (zh) * 2019-05-05 2019-07-23 天津永高塑业发展有限公司 一种管道密封用软质聚氯乙烯组合物及其制备方法

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