JP2000271226A - 人工管腔 - Google Patents

人工管腔

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JP2000271226A
JP2000271226A JP8392099A JP8392099A JP2000271226A JP 2000271226 A JP2000271226 A JP 2000271226A JP 8392099 A JP8392099 A JP 8392099A JP 8392099 A JP8392099 A JP 8392099A JP 2000271226 A JP2000271226 A JP 2000271226A
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Yuichi Mori
森  有一
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Mori Yuichi
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Mori Yuichi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 病変部分を実質的に傷付けることなく管腔内
に挿入、固定することが可能な人工管腔を提供する。 【解決手段】 拡張可能部材と、その一端の少なくとも
一部が、前記拡張可能部材に接続されてなる管状体とを
含む人工管腔。該管状体は、拡張可能部材より先に管腔
内に挿入可能とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人工管腔に関し、特
に、ヒトを始めとする動物体内の管腔(例えば、血管)
内に、一時的または(半)永久的に留置可能な人工管腔
および該人工管腔を用いた管腔内挿入用デバイスに関す
る。
【0002】本発明の人工管腔は、管腔内の液体の流れ
に関して順行性に挿入すること、すなわち、該人工管腔
を配置すべき管腔内の部位(例えば、病変部)に対し
て、該管腔内を流れる液体ないし流体(例えば、血液)
の流れに関して上流側から、管腔内に挿入することが可
能である。
【0003】
【従来の技術】必要に応じて体内管腔(例えば、血管)
内に一時的または(半)永久的に留置すべきステント、
人工管腔等を製造するために、多くの技術が開発されて
いる。
【0004】例えば、従来より、血管外科領域において
は、大動脈瘤に対して、その部位を切り開いて大動脈瘤
を露出させ、大動脈の当該部位を人工血管にて置換する
手術が行なわれて来た。この手術法は1950年代から
始められ、人工血管の材質の改良とも相俟って安定した
手術成績を収めており、その結果、今日まで動脈瘤によ
る死亡を著しく減少させるのに貢献してきた。
【0005】1990年代に入って、血管内にカテーテ
ル(catheter)を挿入して、血管内手術が行われるよう
になると、いわゆるインターベンショナルな手術が行わ
れるようになって来た。このインターベンショナルな手
術においては、通常、血管が比較的体表面に近いところ
を走っているような部位、例えば大腿動脈などを小さく
切り開き、カテーテルや、手術道具を運ぶ筒状の鞘ない
し細管(いわゆるシース;sheath)をその部位から血管
内に挿入し、該シースから動脈瘤部位に人工血管を排出
させた後、予めカテーテル内に配置しておいた拡張可能
な金属のステントを広げて血管を内部から拡張し、この
ことにより人工血管を固定している。このようなインタ
ーベンショナルな手術が盛んになるに従い、該手術のた
めのステント型人工血管の改良、開発が盛んに行われる
ようになって来た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】今日までに開発された
胸部もしくは腹部大動脈瘤用のステント型人工血管は、
通常、大腿動脈または腸骨動脈から、血液の流れに逆行
するように、血管の心臓側、つまり血流に対して逆行性
(すなわち、血流の方向と、ステント型人工血管の挿入
方向とが逆方向になるように)に挿入されていた。この
従来のステント型人工血管は、上記大腿動脈または腸骨
動脈から血管内に挿入された後、動脈瘤部分を超えて中
枢側の動脈瘤に「陥って」いない健常な血管部分に至っ
て、そこで該人工血管内部の拡張部材を拡張させ、これ
によって血管内に挿入した人工血管を固定している。次
いで人工血管を引き続きシースから引き出して動脈瘤部
分を通り、更に末梢の健常な部分にまで伸ばして、そこ
に固定する方式を採用している。
【0007】この方法は、動脈瘤のある病的血管が直線
状態に近い場合、すなわち、腹部大動脈や胸部下行大動
脈部分にあっては、行いやすい術式であり、既に多くの
患者が安全にこの手術を受けており、従来の切開による
手術と同等の成績を得ている。この手術の特徴は、切開
による大きな手術侵襲を受けることなく、小さな切開だ
けで人工血管を挿入する、すなわち、侵襲の少なさによ
るメリットが享受できることにある。
【0008】しかしながら、最近急増している胸部大動
脈のうちの、弓部大動脈に発生した大動脈瘤に対するス
テント型人工血管の挿入、固定においては、今日臨床で
用いられている人工血管を用いた際には、不都合が発生
する場合がある。特に、弓部大動脈においては手術操作
上、いくつかの問題点がある。
【0009】これらの問題点のうち、最も重大なものの
一つは、シース等を用いてステント型人工血管を血管内
に挿入する際に、大動脈瘤等に起因する病変部分を著し
く傷付ける可能性があることであった。
【0010】本発明の目的は、上記した従来技術の欠点
を解消した人工管腔を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、病変部分を実質的に
傷付けることなく管腔内に挿入、固定することが可能な
人工管腔を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究の結
果、従来におけるように血管等の管腔内における流体
(例えば、血液)の流れに逆らう方向に(すなわち、逆
行性で)挿入すべき構造ではなく、上記管腔内の流体に
沿う方向に(すなわち、順行性で)挿入すべき構成を人
工管腔に付与することが、上記課題の解決に極めて効果
的なことを見出した。
【0013】本発明の人工管腔は上記知見に基づくもの
であり、より詳しくは、拡張可能部材と、その一端の少
なくとも一部が、前記拡張可能部材に接続されてなる管
状体とを含む人工管腔であって;且つ、前記管状体が拡
張可能部材より先に管腔内に挿入可能としたことを特徴
とするものである。
【0014】本発明によれば、更に、拡張可能部材と、
その一端の少なくとも一部が、該拡張可能部材に接続さ
れてなる管状体とを含む人工管腔と;その内部に該人工
管腔を配置すべき、管腔内挿入用の細管とからなり、且
つ、該細管内で、前記管状体が拡張可能部材より先に管
腔内に挿入可能なように配置されていることを特徴とす
る管腔内挿入用デバイスが提供される。
【0015】本発明によれば、更に、拡張可能部材と、
その一端の少なくとも一部が、前記拡張可能部材に接続
されてなる管状体とを含む人工管腔と;その内部に該人
工管腔を配置すべき、管腔内挿入用の細管とからなり、
且つ、該細管内で、前記管状体が拡張可能部材より先に
管腔内に挿入可能なように配置されている管腔内挿入用
デバイスを用い;管腔内で前記デバイスから前記人工管
腔を脱離させるに際し、前記管状体を拡張可能部材より
先に管腔内に脱離させることを特徴とする人工管腔の脱
離方法が提供される。
【0016】中枢側から病変部に人工血管を挿入する方
法としては、後述する(図10)ような加藤によって開
発された方法があるが、これは、開胸手術を行い、更に
胸部大動脈を切開するという、大きな侵襲を伴う手術で
ある。この加藤らの方法以外の全てのステント型人工血
管は、金属のステント部分を先端として、血管内に血流
に逆行する方向に末梢側から中枢側に向けて挿入され、
まずステント部分を血管内に広げて固定し、それに引き
続いてステントに縫着された人工血管がシース内から押
し出され、血管壁に留置する方式を取っていた。
【0017】これに対して、本発明の人工管腔は、動脈
瘤の中枢側から細管ないしシースを用いてインターベン
ション的に挿入可能な構造を有する点に特徴がある。本
発明の人工管腔を用いた場合には、例えば、大動脈から
分岐する側枝側から、該人工管腔を無理なく大動脈内に
挿入することが可能となる。
【0018】従来タイプのステント型人工血管を用い
て、血流に順行性に挿入するには、病変のある動脈瘤部
位よりも更に中枢側、即ち心臓に近いところからシース
を挿入する必要があるが、中枢側はたどり着けば心臓で
あり(後述する図1の大動脈弁部位)、心臓からシース
を挿入することはできないことは、当然であった(換言
すれば、従来タイプのステント型人工血管を用いる限
り、該人工血管を血流に順行性に挿入することは不可能
であった)。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、必要に応じて図面を参照し
つつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載におい
て量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り
重量基準とする。
【0020】本発明の人工管腔の詳細を記述するに先立
ち、従来のステント型人工血管との差異を明確にする目
的で、後者、すなわち従来のステント型人工血管につい
て先ず記述する。
【0021】(動脈系)先ず、動物管腔の代表的な例と
して、ヒトの動脈系の配置について述べる。図1の模式
断面図は、右総頚動脈、左総頚動脈、右鎖骨下動脈、左
鎖骨下動脈、腕頭動脈、上行大動脈、弓部大動脈(大動
脈弓)、下行大動脈、右腎動脈、左腎動脈、右総腸骨動
脈、左総腸骨動脈、右内腸骨動脈、左内腸骨動脈、右外
腸骨動脈、左外腸骨動脈、右大腿動脈、左大腿動脈の各
動脈を示す。
【0022】弓部大動脈においては、図1の模式断面図
に示すように3本の側枝(すなわち、腕頭動脈、左総頚
動脈、および左鎖骨下動脈)が出ており、これらは頭部
と両側の腕に血液を流している重要な血管である。した
がって、弓部大動脈にステント型人工血管を挿入するに
際しても、これらの側枝をステントが塞ぐことがあって
はならないが、健常な部分でのステント型人工血管の固
定を心がけるあまりに、ステント型人工血管が血管内部
で拡張する事によって、これらの側枝の一部を閉塞させ
てしまう可能性がある。また更に、3本の側枝が出た部
位よりも末梢側の弓部大動脈は、大きく屈曲して下行大
動脈へと移行するが、この部位での屈曲は加齢と共に大
動脈が肥大伸展して、屈曲のカーブが増加する傾向にあ
り、個々の患者における個体差が大きい部位でもある。
このカーブした部位における動脈瘤発生の率は近年高く
なる傾向が見られている。
【0023】上記図1にそのカーブの状態を示す。更
に、図2の模式断面図に、該弓部大動脈のカーブの部位
における血管壁の一部が傷ついて大動脈解離1が生じ、
それによって大動脈瘤(解離性大動脈瘤)が惹起された
例を示す。このような解離性大動脈瘤の発生は、近年、
急増する傾向にある。
【0024】図3は、理想的な状態で従来の人工血管が
挿入された状態を示す。図6には、弓部大動脈に発生し
た大動脈解離、解離腔、真腔、解離により外側から圧迫
されている内膜、人工管腔、シースの各部が示されてい
る。該真腔は解離腔より狭くなることが多く、したがっ
て、せまい真腔に、そのカーブに添って、硬くて屈曲性
に欠ける拡張可能部材の挿入された硬くて太いシースを
この図6のようにカーブに添って挿入させることは至難
の技である。実際的には、このような理想的な挿入は不
可能である。
【0025】人工管腔の最も中枢側の拡張可能部材は、
正常な動脈壁に確実に固定する必要があるため、シース
は病変部1を越えて、その中枢側にまで進める必要があ
る。つまり、危険な病変部を通過して更にその先までシ
ースを屈曲させつつ押し進める必要があり、どうしても
硬いシースが湾曲部で病変部1に当たることは避けられ
ないため、非常に危険である。今にも裂けそうな、もし
くは現在裂けつつある動脈瘤に、硬い物体をぐいぐいと
押し当てることになり、一気に動脈瘤が破裂する危険性
が高い。
【0026】(動脈解離および動脈瘤)このカーブの部
位にこのような大動脈解離1が発生すると、患者は非常
に危険な状態となり、そのため従来型の手術(open sur
gery)、すなわち動脈瘤を露出して手術するためには、
胸郭を大きく切り開く、侵襲の大きな手術を行う必要が
でてくる。図3の模式断面図に、このような手術の一例
を示す。この図3は、従来型のopen surgeryにより、図
1に示した左鎖骨下動脈の一部と、弓部大動脈、および
下行大動脈の一部とを人工血管2によって置き換えた例
を示している。
【0027】この図7においては、図6の方法で理想的
な位置に挿入された人工管腔が、entry(大動脈解
離の解離スタート部位)を内側から塞ぎ、更に狭くなっ
ていた内膜を外側に押し広げ、動脈腔を正常の太さに戻
している。しかしながら、この図7のような状態にする
のは理想ではあるが、現実には非常に難しいとされてい
る。下行大動脈や腹部の動脈で、まっすぐな部分であれ
ばそれも可能であるが、弓部では無理な事が多い。
【0028】更には、このようなopen surgeryを行うこ
とは、例えば、高齢者等の体力が充分でない患者におい
ては手術による侵襲が大きくなり、かえって生命の危険
性を脅かすことにもなりかねない。したがって、可能で
あれば、ステント型人工血管の挿入によって、侵襲の少
ない方法による治療が望まれているが、このステント型
人工血管を挿入して留置するについても、不都合な点が
ある。
【0029】(従来タイプのステント型人工血管)その
具体的な不都合な例を挙げると、従来のステント型人工
血管は金属ステントの設計・デザイン上、該ステント
(ないし拡張部材)を折り畳み、更に、これに人工血管
(管状体)を被せた状態でシース内に挿入されるが、そ
のようなステント型人工血管の挿入されたシースは、当
然のことながら硬くて太くならざるを得ない。図4の摸
式斜視図は、拡張部材3aと、これを囲む人工血管3b
とからなる従来型の代表的なステント型人工血管3(図
4a)、および該ステント型人工血管3を細いシース4
中に挿入した状態(図4b)を示す。この図4におい
て、拡張部材3aは、ジグザグ形状としたステンレス針
金から構成されている。
【0030】図4を参照して、従来のGianturco型ステ
ント(William Cook Europe A/S Bjaever-skov, Denmar
k)に布製の管状体を被せ、矢印Aのように、シース4
内に折り畳んで挿入する。この図では4個のステントが
挿入されているが、個々のステントは硬く、かさばるの
で、それを挿入するシースも当然太くならざるを得な
い。また、ステントのつなぎ目以外は屈曲し難い。この
図では、矢印A方向のようにシース内に挿入し、シース
のまま血管内に挿入される。血管内に挿入された後、矢
印B方向のようにシース内から出されると、ステント3
aが血管内で拡張する。
【0031】今日臨床で使用されている動脈瘤に対する
人工血管は、主として大腿動脈から挿入される。つま
り、脚の付け根の、大腿部から腹部大動脈、胸部大動脈
へ向けて挿入される。図5の模式断面図は、右大腿動脈
5を切開して、予めステント型人工血管3をその内部に
挿入してなるシース4を、この切開部位から挿入しつつ
ある状態を示す。
【0032】実際には、このような挿入に用いられるス
テント型人工血管3は、本来の太さが約20ないし35
mm(図4(a)の状態)あり、それに金属ステントが
組み込まれているため、全体の太さは可能な限り小さく
折り畳んでも(例えば、図4(b)の状態)直径6m
m、多くは8mm程度となってしまう。このステント型
人工血管3を挿入し、病変部1(図5)まで誘導するの
には、通常、18フレンチ、ないし24フレンチの太さ
のシース4が使用される(18フレンチは約6mm、2
4フレンチは約8mmの太さを有する)。この太さのシ
ースは、血管内に挿入するにはかなり太い管状物であ
る。一般に血管造影などで動脈内に挿入されるカテーテ
ルやシースは6フレンチ(すなわち、太さ2mm程度)
であることから、6mmないし8mmはかなり太くて、
特に、その屈曲性を考慮すると取り扱いの難しいものと
なる。従って、シースが太すぎて、大腿動脈への挿入が
困難な場合には、腸骨動脈を切開するために腹部に切開
創をつけて、血管に到達させ、シースを挿入することも
度々行われている。
【0033】このような従来の方法による固定の理想的
な状態を示す模式断面図たる図6を参照して、ステント
型人工血管を血管壁に固定するに際しては、シース4は
一旦病変部1を越えて、その先の健常部にまで押し進め
られて、その部分(病変部を越えた部分)の健常な血管
腔において、ステント型人工血管3がシース4から血管
内に放出される。ここで血管壁に人工血管3のステント
(拡張部材)部分が内腔から押し広げられ、ステント自
体のバネの力で固定される。すなわち、動脈瘤1のよう
な病的な血管へはステントを固定することはできないた
め、必ず、病変部1を越えて、更に心臓に近い中枢側へ
とシース4を進め、健常部に至った事が確認された後に
ステント型人工血管3を押し出して、これを血管腔内で
拡張させて固定させるのが一般的である。
【0034】この方法では、上記した「太くて硬い」シ
ース4を大腿動脈や腸骨動脈から血流に逆行する方向で
(つまり逆行性に)挿入し、動脈瘤の病変部1を越えた
位置にまでカーブの部分を巧妙に血管のカーブに追従す
るようにシース4もカーブさせて挿入し、健常な部位で
シース4からステント型人工血管3を出して拡張させ、
固定をはじめる。つぎに、シース4から徐々にステント
型人工血管3を大動脈内に出しては、そこで拡張部材
(図4の3a)によって該人工血管3を押し広げ、更に
シース4の位置を末梢側にずらしてはステント型人工血
管3を大動脈内に出しては、そこで拡張部材によって人
工血管を押し広げる操作を繰り返して、最終的には病変
部1を越えた末梢側まで人工血管を挿入して固定する。
このような固定の理想的な状態を、図7の模式断面図に
示す。
【0035】この際には、人工血管の固定の為の拡張部
材(図4の3a)は必ず中枢側(心臓に近い側)にあ
り、そして、人工血管の全体に渡って、拡張部材3aを
固定のために装着させておく図4の態様のステント型人
工血管3の場合と、人工血管3の中枢側と末梢側の断端
にのみ拡張部材3aを付ける場合(図示せず)があっ
た。そして最近報告されたデバイスでは、図8の摸式斜
視図に示すように、単純に管状体3b(布製)の中枢側
のみに拡張部材3a(馬の鞍状)を付ける場合がある。
【0036】この方法は腹部大動脈及び胸部下行大動脈
の動脈瘤に置いて、比較的直線的な大動脈、たとえば腹
部大動脈や、胸部においては胸部下行大動脈において、
かなりの頻度で安全に行われている。しかしながら、胸
部の弓部大動脈における病変が最近は急増しており、こ
の部における人工血管の留置には危険を伴うことが多い
ばかりか、挿入されても治療効果の発揮されないことが
生じている。即ち、せっかく大腿動脈や腸骨動脈から太
いシースを挿入し、弓部大動脈の病変部に至っても、こ
の部位でシースを鋭角的に屈曲させねばならないことも
ある。特に高齢者においてはこの部位は大きく蛇行して
いることが多く、しかもその蛇行した部分に動脈瘤が多
発する傾向がある。この蛇行部分に人工血管を留置する
にはおおきな危険を伴っており、その部位にたとえ人工
血管を挿入させ得たとしても、血液の漏れ、固定の不完
全、等の予期せぬ状況になることを始めとして、動脈瘤
を内側からふさぎ込む事ができない、即ち、治療目的を
達成しない事が起きうる。更には硬くて太いシースが動
脈瘤の薄化した血管壁に当たり、動脈瘤破裂を誘発した
り、シースによる血管壁の貫通等、極めて危険な、生命
を脅かすような合併症も生じている。これはシースが太
くて、更に屈曲性に乏しい事にもよるが、更に大きな原
因としては、人工血管を、最も危険な病変部を通過し
て、その中枢側の正常な部分への誘導せねばならない今
日のステント型人工血管の宿命的な構造と手術方法に起
因している。
【0037】図8のデバイスでは、先端には馬の鞍状の
拡張可能部材がつけられており、これに布製の人工血管
が縫合されている。全体として蛇が口を開いたような形
態をとっている。構造は単純であるため、図4の人工血
管に比べて少し細いシース内に挿入可能であるが、金属
が4本重なる部分、2箇所づつ金属の折れ曲がりが重な
る部分があるため、シースを細くするのは限界がある。
この図では、矢印A方向のようにシース内に挿入し、シ
ースのまま血管内に挿入される。血管内に挿入された
後、矢印B方向のようにシース内から出されると、血管
内で拡張する。
【0038】いずれの場合においても、この操作の過程
において、弓部大動脈のカーブに合わせてシース4を挿
入しやすいように予めガイドワイヤー(図示せず)を該
血管内に挿入しておき、このガイドワイヤーに沿ってシ
ース4を進めているが、ステント型人工血管3が挿入さ
れたシース4は硬くて太いことから、期待通りにはカー
ブさせ難く、病的血管壁1を傷つける可能性が出てく
る。特に、カーブの大弯側に病変があると、図9の模式
断面図に示すように、今にも破裂しそうな動脈瘤1の部
位1aをシース4が直接つつくように当たることも起こ
る可能性があることから、非常に危険な処置となってい
る。これは危険な病的部位1を越えてその中枢側に人工
血管を進めなければならない、ステント型人工血管3の
構造上の問題と、それを運ぶシース4の問題であり、そ
れは解決せねばならない課題となっている。
【0039】従来より、この弓部大動脈のカーブにもマ
ッチした屈曲性を有するステント型人工血管が考案さ
れ、それらの臨床例がいくつか報告されている。しか
し、このような屈曲性に富むステント型人工血管3であ
っても、危険な病変部1を通って、大きく屈曲した動脈
の先にある固定可能な健常部へ逆行性にシースを進めな
ければならない。可能であれば、病変部を通らずに、病
変部の更に中枢側にステント型人工血管を挿入したいと
いう要請があり得るが、このような要請に応える技術は
今日まで開発されていなかった。
【0040】ただ一つ、中枢側から病変部に人工血管を
挿入する方法としては、加藤によって開発された方法
(前述)、すなわち図10の模式断面図に示すように、
手術中に胸部の弓部大動脈を切開し、これより末梢側の
胸部下行大動脈内に、ステントを先端につけた人工血管
を、血液の流れと同方向に挿入し、該ステントを拡張さ
せ、ステント型人工血管の片方の、手元の断端は切開部
分の弓部大動脈に縫合する方法がある。この方法は優れ
た方法であって、胸部大動脈瘤の手術を簡便で安全なも
のとした(Masaaki Kato, Kennji Ohnishi, Mitsunori
kaneko, TakashiUeda, Daisuke Kishi, Tsunekazu Mizu
shima, Hikaru Matsuda: New graft-implanting method
for thoracic aortic aneurysm or dissection with a
stentedgraft, Circulation Supplement II, Vo
l 94, 9, II−188−II−193, 1
996)。
【0041】しかしながら、この方法が、開胸手術を行
い、更に胸部大動脈を切開するという、大きな侵襲(す
なわち多大なリスク)を伴う手術であることに変わりは
ない。 (本発明の人工管腔)図11の摸式斜視図に、本発明の
人工管腔の基本的な一態様を示す。図11(a)を参照
して、このような態様における本発明の人工管腔20
は、拡張可能部材21と、その一端の少なくとも一部
が、前記拡張可能部材21に接続されてなる管状体22
とから構成される。
【0042】図11(b)は、該人工管腔20をシース
23内に配置した状態を示す摸式斜視図である。図11
(b)においては、シース23の一方の先端23a側か
ら、人工管腔20が管腔内に挿入される構成になってい
るため、上記本発明の人工管腔20において、管状体2
2は、拡張可能部材21より先に管腔内に挿入可能とさ
れている。換言すれば、本発明の人工管腔20をシース
23内に挿入した状態では、シースの先端23a方向に
管状体22が配置され、一番後ろに拡張可能部材21が
配置される。人工管腔20は、例えば、矢印A方向のよ
うにシース23内に挿入され、シース23のまま管腔内
に挿入される。管腔内に挿入された後、矢印B方向のよ
うにシース23内から人工管腔20が放出され、管腔内
で拡張する。
【0043】(拡張可能部材)拡張可能部材21として
は、従来より公知の管腔内で拡張可能な部材(例えば、
「ステント」状の部材)から適宜選択して用いることが
可能である。
【0044】上記した拡張可能部材21を形成可能であ
る限り、該拡張可能部材を構成する線状部材の特性、材
質、太さ等は特に制限されず、公知の材質から適宜選択
して使用することが可能である。通常、拡張可能部材を
構成する材料は金属(合金をも包含する意味で用いる)
からなることが多いが、これに制限されるものではな
い。
【0045】拡張可能部材を管腔内に挿入した場合に、
所定の温度で所望の形状を取ることを容易とする点から
は、該線状部材の一部または全部が形状記憶機能を有す
る材料(例えば、形状記憶合金)、超弾性材料(例え
ば、超弾性合金)からなることが好ましい。
【0046】更に、必要に応じて、上記線状部材は、モ
ノフィラメント、マルチフィラメント、テープ状等の公
知の形状/構造のいずれ(ないしは、これらの2種以上
の構造の組み合わせ)をも取ることができる。これによ
り、線状部材の柔軟性、復元力等を選択・調製すること
が可能となり、柔らかい管腔(例えば、血管)壁内面の
曲面に順応した曲面を有する拡張可能部材を作ることが
容易となる。
【0047】(大きさ)管腔内への挿入が可能である限
り、拡張可能部材21の大きさは、特に制限されない。
【0048】(製造方法)上記した所定の形状を付与す
ることが可能である限り、本発明の拡張可能部材21の
製造方法は特に制限されず、公知の材料(金属等)加工
方法から適宜選択して(必要に応じて、2種以上組み合
わせて)用いることが可能である。
【0049】この拡張可能部材の拡張方法としては、自
己拡張型、バルーン等の他のデバイスによって拡張され
る型のいずれも使用可能である。
【0050】(管状体)管状体22の材質・形態は特に
制限されない。該管状体22を屈曲した血管等の管腔に
追従して屈曲させることが容易な点からは、管状体22
は柔軟性を有する材料・形態からなることが好ましい。
例えば、該管状体22が布ないしフィルムからなる場合
には、蛇腹加工等することによって、これらの材料に屈
曲性を付与することが好ましい。例えば、管状体22が
繊維質の材料(例えば、e−PTFE)からなる場合に
は、フィブリル長を適当に取って、屈曲性を付与するこ
とが好ましい。ここに、「e−PTFE」とは、expand
ed polytetrafluoroethylene、すなわち(ポリテトラフ
ルオロエチレン(テフロン)管を急激に延伸して、無数
の亀裂を形成することにより多孔質状態とし、更に屈曲
性を持たせたものをいう。このe−PTFEとしては、
例えば、一般に「ゴアテックス」(米国、Gore社)の製
品名で販売されているものが使用可能である。
【0051】(使用方法)図12の模式断面図に、図1
1(a)の構成を有する本発明の人工管腔の使用方法
(管腔内への挿入方法)の一例を示す。このような方法
によれば、病変部1にシース23が突き当たる事なく、
拡張可能部材21を病変部1より中枢側に入れて留置さ
せることが可能である。この方法で、硬い拡張可能部材
21でも安全に確実に、正常な動脈部分に固定すること
が可能である。左鎖骨下動脈から挿入するためには、通
常、シース23が細いことが好ましいが、本発明では
(図14等で後述するような)単純な構造の拡張可能部
材21も使用可能なため、シース23を細くすることが
容易である。
【0052】この図12に示す方法においては、胸部大
動脈にある3本の枝の中で、左鎖骨下動脈11からシー
ス23を挿入し、該左鎖骨下動脈11より末梢側に人工
管腔20の管状体22を血流に乗せて流すことにより、
該管状体22を「吹き流し」状に動脈内に配置すること
を可能としている。
【0053】図13の摸式斜視図に、上記管状体22が
血流に乗って「吹き流し」状に動脈内に配置された状態
の一例を示す。この図13に示すように本発明の人工管
腔20を動脈内に配置することにより、最近動脈瘤の多
発している領域1を該人工管腔20の管状体22で内部
から覆うことが可能となる。これにより、従来の技術で
は修復し難かった領域である弓部から下行大動脈に至る
動脈瘤(図1)に対して、これらの屈曲部位と病変の形
態に実質的に影響されることなく、人工管腔20を挿入
し、固定することが可能となる。
【0054】このように図12および図13に示す態様
では、動脈瘤の病変部1に対しては(図6に示す従来法
のように)シースを用いて当該部分1を通過させること
なく、単に人工管腔の管状体22を血流に乗せて吹き流
し状に配置することを可能としている。従って硬いシー
ス23が病変部1に触れることを実質的に排除でき、極
めて安全な人工管腔の管腔内での挿入・固定が可能とな
る。
【0055】このような方式を可能とする人工管腔の構
造とシースとの関係、その構成としては特徴的な工夫が
ある。すなわち、図11に示すように人工管腔20はシ
ース23内に挿入されるが、特徴的な事は、該シース2
3の先端23aに管状体22のみを位置させ、その反対
側の末端部に、つまりシース23の先端23aから見る
と、奥の方に拡張可能部材21があるという、ちょうど
従来型の人工管腔の挿入時の位置とは逆の順序で、人工
管腔がシース内に挿入されている特徴がある。
【0056】次いで、このように人工管腔20を配置し
たシース23を管腔内に押し込み、該シース23内で人
工管腔20を管腔側に進めることによって(図12)、
まずは管状体22のみが大動脈内に挿入される。この
時、まず管状体22の先端部分が大動脈部分に挿入され
ると、血流によって末梢側に流される。この時、病変が
解離性大動脈瘤である場合には、管状体22は真の血管
腔内に流され、挿入されていることを確認することが好
ましい。そうでなければ、患者によっては、解離腔が真
の血管内腔よりも大きくなり、血流の大半が解離腔内へ
と流れ込む可能性があるため、挿入される管状体22が
真の血管腔内へ挿入されていることを、食道超音波診断
等で確認することが好ましい。
【0057】このようにして、徐々に管状体22を真の
血管腔に血流にのせて流して行くことによって、管状体
22を目的とした病変部1を内腔面から覆うように流し
込むことが可能となる(図13)。そしてその様な状態
となったときに、シース23内から拡張可能部材21
(拡張可能部材部分)が大動脈部分に挿入され、そこで
拡張して血管腔内で内腔から自分自身を押し拡げるよう
に固定する事ができる。
【0058】このように、従来型の人工管腔とは全く異
なり、例えば、大動脈の側枝から挿入することによって
病変部の中枢側に置いて管状体22を管腔内に流しはじ
め、そこに拡張可能部材21を固定する場を確実に得る
ことができる。
【0059】この際、シースを挿入するための側枝が細
いため、シースもその中に挿入する拡張可能部材も、更
に可能であれば人工管腔も小さく折り畳めて、全体とし
て細くすることが好ましい。このような点からは、図1
1(a)に示すように、拡張可能部材21を、管状体2
2の一端側に配置することが好ましい。そして危険な病
変部位1を越えて人工管腔を挿入する方法として、シー
ス23によって運ばせるのではなく、血流によって運ば
せる方法が採用可能となる。これによって、シース23
が病変部分1に触れる可能性を実質的に無くすることが
可能となる。
【0060】(他の態様)更に、以下の記述において拡
張可能部材等の「形状」等に言及する場合には、特に断
らない限り、該拡張可能部材等を管腔内に挿入する「直
前の状態」であって、且つ、拡張可能部材等に何らの
「外力が作用していない状態」の形状等をいうものとす
る。すなわち、本発明においては、外力を除いた際に拡
張可能部材等の形状等が実質的に回復可能である限り、
実際に拡張可能部材等を管腔内に挿入する際に、必要に
応じて、該拡張可能部材等を折り曲げ、折り畳み、捩り
(ねじり)等により変形させることは許容されるものと
する。
【0061】(拡張可能部材の形状)本発明の一態様に
おいて、拡張可能部材21は閉じられたループ部の形状
を有する。このような態様においては、拡張可能部材2
1を、図11(a)に示すように管状体22の一端側に
配置することにより、人工管腔も小さく折り畳めて、全
体として細くすることが容易となる(図11(a))。
【0062】好ましくは、該ループ部は、平面上に伸ば
された(展開した)状態(すなわち、拡張可能部材21
を平面50に押し付けた場合)に楕円形状を有する。こ
のような態様の拡張可能部材の基本的な態様の一例を、
図14の模式平面図に示す。
【0063】図14を参照して、拡張可能部材21は、
その投影図形において、全体として楕円形状を有する。
該拡張可能部材21を挿入すべき管腔内における効果的
な「斜め配置」(図13に示すように、拡張可能部材2
1が管腔の垂直断面に対して「斜め」に配置される)を
容易とする点からは、本発明において、長軸21aと、
短軸21bとの長さの比(21a/21b)は、約1.
1以上、更には1.2〜3.0(特に1.5〜2.0)
程度であることが好ましい。
【0064】本発明において、上記した「斜め配置」が
可能である限り、拡張可能部材の「楕円」形状は、必ず
しも幾何学的に厳密な「楕円」形状であることを要しな
い。すなわち、幾何学的な「楕円」では、2つの対称軸
(長軸21aと、短軸21b)が存在する必要がある
が、本発明における拡張可能部材の楕円形状は、少なく
とも1つの対称軸を有すれば足りる。
【0065】より具体的には、本発明における拡張可能
部材の「楕円」の面積をSe、該楕円と等しい外周の長
さを有する「円」の面積をScとした際に、これらの面
積の比(Se/Sc)が約0.5以上、更には0.6〜
0.95(特に0.7〜0.85)程度であることが好
ましい。
【0066】このような態様においては、拡張可能部材
の楕円形状に基づき、血管等の管腔内に、該拡張可能部
材を「斜め位置」することが、極めて容易となり、これ
により、簡便、正確、且つ安全に該拡張可能部材を管腔
内に挿入し、固定させることが可能となる。更には、こ
のような管腔内における「斜め配置」に基づき、該拡張
可能部材の固定後の「移動」が効果的に防止することが
可能となる。
【0067】(突起部を有する拡張可能部材)図15
に、拡張可能部材21の他の態様の一例を示す。この態
様の拡張可能部材は、線状部材から構成される閉じられ
たループ部32を有し、且つ、該ループの少なくとも一
部に、該ループの外側に突き出した突起部33を有して
いる。前述したように、このような突起部33が、血管
等の管腔の側枝の入り口部に対応して接触する(例え
ば、図13の態様)ことにより、この態様の拡張可能部
材21は、該管腔内で安定的に配置されることが、より
容易となる。このように突起部33を設けることによ
り、拡張可能部材21を単純化しつつ、確実な固定を得
るために、側枝の一部を利用して、側枝の分岐部に拡張
可能部材21の一部が掛かるように固定することが容易
となる(図13)。
【0068】本態様において、該突起部33は、関与す
る側枝の数、管腔の形状等に基づき、必要に応じて2つ
以上設けてもよい。
【0069】ループ部32の形状は特に制限されず、そ
れが配置されるべき管腔の形状等に応じて、円、楕円等
の任意の形状をとることができる。また、突起部33の
形状も特に制限されず、それが配置されるべき側枝等に
応じて、円、楕円等の任意の形状をとることができる。
前述したように、管腔内に「斜め配置」することが容易
な点からは、ループ部32の形状は、図16に示すよう
な楕円形状であることが好ましい。
【0070】図16を参照して、該突起部33のループ
部32上での位置および/又は数は、楕円形状に基づく
管腔内の「斜め配置」の態様と、側枝の位置関係等に応
じて、適宜選択することが可能である。
【0071】突起部33の最大高さ33aと、ループ部
32の最大高さ32aとの比(33a/32a)は、管
腔ないし側枝の形状等に応じて適宜選択することが可能
であるが、通常、0.01〜0.5程度であることが好
ましく、更には0.1〜0.3程度であることが好まし
い。また、突起部33の最大幅33dと、ループ部32
の最大幅32dとの比(33d/32d)は、管腔ない
し側枝の形状等に応じて適宜選択することが可能である
が、通常、0.01〜0.5程度であることが好まし
く、更には0.1〜0.3程度であることが好ましい。
【0072】(J字ないしU字形状の拡張可能部材)図
17に、本発明の拡張可能部材21の他の態様の一例の
模式側面図を示す。図17を参照して、この態様の拡張
可能部材は、側面(線状部材により囲まれた部分の面積
が、最小になるような面をいう)から見た際に、J字形
状を有している。
【0073】同様に、U字形状の態様の拡張可能部材の
一例を、図18の模式側面図に示す。このように、J字
ないしU字形状を有する拡張可能部材は、血管等の管腔
の屈曲部位に順応が容易(したがって、固定、ないし移
動の防止が容易)な点から好ましい。このように、弓部
大動脈の特性を生かして、拡張可能部材21を楕円形と
し、その一部をカーブさせることによって、弓部大動脈
壁の小弯側の一部に乗るような状態で固定することが容
易となる(図13)。
【0074】図17を参照して、J字形状を有する拡張
可能部材34においては、大きい方の幅34aと、小さ
い方の幅34b(ただし、34a≧34bとする)との
比(34b/34a)は、管腔の屈曲部位の形状等に応
じて適宜選択することが可能であるが、通常、0.1〜
0.8程度であることが好ましく、更には0.2〜0.
4程度であることが好ましい。
【0075】図18を参照して、U字形状を有する拡張
可能部材35においては、最も大きい幅35aと、中間
の幅35bと、最も小さい幅35c(ただし、35a≧
35b≧35cとする)とした場合の比(35b/35
a)は、管腔の屈曲部位の形状等に応じて適宜選択する
ことが可能であるが、通常、0.1〜0.8程度である
ことが好ましく、更には0.2〜0.5程度であること
が好ましい。また、比(35c/35b)も、管腔の屈
曲部位の形状等に応じて適宜選択することが可能である
が、通常、0.1〜1.0程度であることが好ましく、
更には0.5〜1.0程度であることが好ましい。
【0076】(拡張可能部材と管状体との接続)図19
の模式斜視図に、本発明における拡張可能部材21と管
状体22との接続の態様の一例を示す。図19を参照し
て、この態様においては人工管腔は、線状部材から構成
されたループ部37と、該ループ部37に接続されてな
る管状体38とからなる。
【0077】本発明において、ループ部37と、管状体
38とを接続する手段は、特に制限されない。より具体
的には、この接続ないし固定の手段としては、例えば、
ポリプロピレン・モノフィラメント糸や、ポリエステル
・マルチフィラメント糸等の高分子(例えば、合成高分
子)材料による直接縫合や、細金属糸による絡まり等を
用いることができる。密着性の点からは、ポリエステル
・マルチフィラメント糸を用いた直接縫合により該接続
ないし固定を行うことが好ましい。
【0078】このような態様の人工管腔を用いた場合、
管状体38は、本管、すなわち太い方の管腔(血管等)
の末梢側方向に「吹き流し状態」で容易に向かうように
なって、該管状体38は吹き流し状に管腔内に自由に拡
がることができる。この管状体38を屈曲性が良好なも
のとすることにより、管腔の屈曲状況に合った管腔壁へ
の良好な追従性が発揮される。
【0079】図20を参照して、前記ループ部37の長
軸と、前記管状体38の軸とがなす角度α(鋭角側)
は、90°(直角)であってもよいが、ループ部37が
管腔内で「斜め配置」される場合(例えば、ループ部3
7が楕円形状を有する場合)においては、角度αは90
°未満であることが好ましく、更には20〜85°(特
に、35〜80°)であることが好ましい。
【0080】また、図21の模式側面図に示すように、
管状体38は、ループ部37に直接に完全に縫い付ける
ことも可能である。管状体38/ループ部37の間から
のリークを防止する点からは、このような態様が有利で
ある。
【0081】(バルーン等を用いた態様)人工管腔(特
に、管状体22)を血管内に充分伸展させる点からは、
図22、および図23に示すように、細長い糸(例え
ば、ループ状とする)40を装着したバルーン41を管
状体22に付着させておき、その糸40を末梢側に置い
て操作性の良い場(例えば、大腿動脈)を選び、その場
から糸40をつまみ出して、ここで糸40を引くことに
よって、人工管腔の管状体22を伸ばすことが可能であ
る。この際、例えば、ループ状の糸40の1個所を「切
る」ことにより、該糸40を管状体22から外すことが
可能である。
【0082】また、バルーン41を図24のように人工
管腔の管状体22の先端(拡張可能部材21の装着側と
反対側)に装着しておき、該バルーンにより血流から受
ける力を大きくすることによって管状体22を末梢側に
強く引き延ばし、伸びた後にその風船を管状体22から
脱着させることも可能である。この際、例えば、予めル
ープ状の糸(図示せず)を該バルーン41ないし管状体
22に装着しておき、管状体22の「引き延ばし」操作
の終了後に該糸の1個所を「切る」ことにより、該糸4
0を管状体22から外すことが可能である。
【0083】(他のステント等との併用)上述したよう
に、本発明の人工管腔を用いた場合には、該人工管腔を
病変部より上流側の位置で血管内に挿入することが可能
となり、そのあと、拡張可能部材21が血管内で拡張す
ることによって人工管腔の管状体22は血流に対して吹
き流し状に血流を受けることとなり、これによって該管
状体22は拡張して血管壁に内部から押し当てられるよ
うになる。
【0084】このような本発明の人工管腔の効果を更に
確実なものとする観点からは、必要に応じて、更に、他
のステント等を併用してもよい。例えば、図25に示す
ように、大腿動脈等から比較的細いシース(図示せず)
を用いて、ステント(ないし拡張可能部材)42のみを
病変部1の近くに挿入して、管状体22の末端を固定す
ることも可能である。この際、該シースに挿入するもの
はステント42のみであるため、細いシースを使用する
ことが可能というメリットがある。
【0085】このような処置によれば、管状体22の末
梢側の端を、更に、血管壁に良好に密着させることが可
能となる。このような管状体22の末梢側の端が、血流
によって、「はためく」ないしは「ぶらぶら」する等の
現象が生じ、血管壁に必ずしも良好に密着しない可能性
は、完全には否定できない。また、密着する現象が生じ
なくて、管状体22と生体血管との間隙から血液の逆流
が起き、その血液が動脈瘤内に流れ込み続ける可能性も
ある。このように、人工管腔の末梢側の端がぶらぶらし
て、血栓形成の恐れがあったり、あるいは人工管腔と動
脈壁との間隙から血液が逆流してentryに入り、血
液がいつまでも解離腔に流れ込む様な事態が持続する可
能性がある場合には、上述したように、必要に応じて、
右大腿動脈から従来の人工血管のステント型拡張可能部
材42だけを挿入し、人工管腔の末端を固定することも
できる。
【0086】ただし、本発明者が得た知見によれば、こ
のような「他のステント等との併用」の処置は必ずしも
必要ではない。たとえ上記の「逆流」が生じても、時間
の経過と共に逆流量が減少し、急速に血栓が管状体22
と生体血管との間隙に形成され、逆流を防ぐことが期待
されるからである。事実、多くの臨床例においては、逆
流やエンドリークが生じても、多くの例では術後2カ月
以内に血栓性閉塞が生じている。しかし、たとえこのよ
うな追加処置が必要となっても、この「他のステント等
との併用」の場合、該ステントを挿入すべきシースは病
変部1を通過することはないことから、安全な処置とな
る。
【0087】(人工管腔挿入の部位)上記においては、
胸部の、特に弓部大動脈の病変に対する人工管腔の挿入
に関して主に説明してきたが、腸骨動脈においても、同
様な操作が可能である。
【0088】後者の場合には、まず、大動脈の側枝とし
て、病変のある腸骨動脈の反対側の腸骨動脈、もしくは
大腿動脈をシースの挿入部位として選ぶことが可能であ
る。すなわち、図26に示すように左総腸骨動脈に動脈
瘤がある場合には右の腸骨動脈もしくは右の大腿動脈に
切開を加え、そこからシースを挿入し、シースの先端を
腹部大動脈内に進める。
【0089】この時、シース内では胸部大動脈で行った
と同じように、管状体22をシースの先端部分に、そし
て拡張可能部材21をその対側の、シースの後方に置
き、この状態で挿入を進め、まず管状体22のみを大動
脈内に流し、これを病変のある左の総腸骨動脈内に流し
込む。そして病変部に管状体22が充分に流し込まれた
後に拡張可能部材21を大動脈内に挿入し、拡張によっ
て固定させる(図27)。このように、腸骨動脈におい
ても、人工管腔の留置の為の挿入は心臓に近い、中枢側
から、血流に順行的に行われる事が特徴である。そのた
めには管状体22が先に挿入される。この点が、従来の
人工血管の様な、拡張可能部材が先で、人工管腔がその
後に続く順序とは全く逆の順序で挿入される。
【0090】このような態様を、図26および図27を
用いて説明する。この態様においては、管状体22が血
流によって運ばれやすいように、該管状体22の片端に
は、遠隔操作で膨満、収縮、離脱可能なバルーン42が
装着されている。
【0091】この図26においては、右大腿動脈から右
総腸骨動脈55を通って、腹部動脈54内に、舌状の突
出部21aを有する楕円形の拡張可能部材21と、その
拡張可能部材21により一端の円周を固定された管状体
22が挿入され、左総腸骨動脈36内に管状体22を流
し入れている。
【0092】図27を参照して、舌状の突出部21aを
有する楕円形の拡張可能部材21と管状体22は、例え
ば、右大腿動脈から右総腸骨動脈55に挿入されたシー
ス43を介して、プッシャーロッド44で押されて挿入
される。このとき拡張可能部材21に取り付けられた糸
19を常に緊張させておくことによって、拡張可能部材
21が所望の位置にすすめられるまで拡張可能部材21
を常にシースの先端に確実に留めておくことができる。
管状体22の先端には膨満、収縮、離脱可能なバルーン
42が付けられている。
【0093】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、拡張可
能部材と、その一端の少なくとも一部が、前記拡張可能
部材に接続されてなる管状体とを含む人工管腔であっ
て;且つ、前記管状体が拡張可能部材より先に管腔内に
挿入可能とした人工管腔が提供される。
【0094】本発明によれば、更に、拡張可能部材と、
その一端の少なくとも一部が、該拡張可能部材に接続さ
れてなる管状体とを含む人工管腔と;その内部に該人工
管腔を配置すべき、管腔内挿入用の細管とからなり、且
つ、該細管内で、前記管状体が拡張可能部材より先に管
腔内に挿入可能なように配置されていることを特徴とす
る管腔内挿入用デバイスが提供される。
【0095】本発明によれば、更に、拡張可能部材と、
その一端の少なくとも一部が、前記拡張可能部材に接続
されてなる管状体とを含む人工管腔と;その内部に該人
工管腔を配置すべき、管腔内挿入用の細管とからなり、
且つ、該細管内で、前記管状体が拡張可能部材より先に
管腔内に挿入可能なように配置されている管腔内挿入用
デバイスを用い;管腔内で前記デバイスから前記人工管
腔を脱離させるに際し、前記管状体を拡張可能部材より
先に管腔内に脱離させることを特徴とする人工管腔の脱
離方法が提供される。
【0096】上記構成を有する本発明の人工管腔は、管
腔内の流体流れに沿った方向で挿入される、すなわち中
枢側から末梢側に向けて順行性に挿入されることが可能
である。従来の人工血管では、末梢側から中枢側に向け
て、つまり逆行性に挿入されていたため、本発明の挿入
方向は全く逆の方向となる。本発明の場合、病変部を硬
いシースが通過することを実質的に排除でき、人工管腔
の安全な挿入と留置が可能となる。
【0097】シース内に人工管腔を挿入する際に、従来
の技術では、固定すべきステントを人工管腔の中枢側に
おくために、該ステントをシースの先端部分に必ず入れ
ざるを得なかった。これに対して、本発明においては、
管腔内の流体によって流させる管状体をシースの先端に
置き、人工管腔を管腔内に固定させるための拡張可能部
材をシースの後の方に置くことが可能となる(拡張可能
部材の配置位置は、従来と逆の位置関係になった状態で
シース内に挿入される)。これにより、人工管腔の管状
体部を血流の作用によって病変部を越えた末梢側まで運
ばせることが可能となる。また、大動脈の側枝から挿入
することによって、病変部分を通過することなく、病変
部分よりも中枢側の健常部分に人工管腔を挿入させう
る。
【0098】本発明の人工管腔においては、単純な構造
の拡張可能部材も使用可能であるが、このような態様に
よれば、該人工管腔を挿入すべきシースを細くすること
も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト動脈系の配置主要動脈の名前を示す模式断
面図である。
【図2】弓部大動脈のカーブの部位における血管壁の一
部が傷ついて大動脈解離1が生じ、それによって大動脈
瘤(解離性大動脈瘤)が惹起された例を示す模式断面図
である。
【図3】大動脈弓部に発生した動脈瘤の一般的なopen s
urgeryによる治療の結果を示す模式斜視図である。動脈
瘤に陥った動脈部分を、その中枢部および末梢側の健常
な部分まで切除し、その部に人工血管2を吻合している
(この際、近くにある左鎖骨下動脈をも合せて一部切除
して、人工血管に置き換えることが多い)。
【図4】従来の典型的ステントグラフトおよびシースを
示す模式斜視図である。
【図5】右大腿動脈5を切開して、予め従来のステント
型人工血管3をその内部に挿入してなるシース4を、こ
の切開部位から挿入しつつある状態を示す模式断面図で
ある。
【図6】従来のステント型人工血管を血管壁に固定する
際の理想的な状態を示す模式断面図である。従来のステ
ント型人工血管を挿入してなるシースを病変部1を越え
た中枢部側まで挿入し、この部位で、ステント型人工血
管をシースから押し出している。
【図7】従来のステント型人工血管を、病変部1を含
め、その中枢側、末梢側にわたって挿入し固定化した際
の理想的な状態を示す模式断面図である。
【図8】開発中(ScotlandのVascutek社製)の新しいタ
イプの改良型ステント型人工血管を示す摸式斜視図であ
る。
【図9】カーブの大弯側に病変がある場合に、容易に破
裂する可能性のある動脈瘤1の部位1aをシース4が直
接つつく可能性を示す模式断面図である。
【図10】加藤らの方法によるopen surgery中に使用す
る従来のステント型人工血管の挿入を示す模式断面図で
ある。開胸手術を行い、更に胸部大動脈を切開するとい
う、大きな侵襲を伴う手術を必要とする。
【図11】本発明の人工管腔の基本的な一態様を示す摸
式斜視図である。
【図12】本発明の人工管腔を左鎖骨下動脈から挿入す
る態様を示す模式断面図である。
【図13】正しい位置に挿入され、留置された本発明の
人工管腔の態様を示す模式断面図である。管状体22
が、entry部分を確実に内側から塞いでいる。
【図14】本発明の人工管腔に使用可能な拡張可能部材
の一態様21を示す摸式平面図である。
【図15】本発明の人工管腔に使用可能な拡張可能部材
の他の態様を示す摸式平面図である。
【図16】本発明の人工管腔に使用可能な拡張可能部材
の他の態様を示す摸式平面図である。
【図17】本発明の人工管腔に使用可能な拡張可能部材
の他の態様を示す摸式側面図である。
【図18】本発明の人工管腔に使用可能な拡張可能部材
の他の態様を示す摸式側面図である。
【図19】本発明の人工管腔の一態様を示す摸式斜視図
である。
【図20】本発明の人工管腔の他の態様を示す摸式側面
図である。
【図21】本発明の人工管腔の他の態様を示す摸式側面
図である。
【図22】バルーン41を管状体22に付着させた態様
を示す模式断面図である。
【図23】図22のバルーン41を末梢側に引っ張るこ
とにより、管状体22を伸展させた態様を示す模式断面
図である。
【図24】管状体22の先端にバルーン41をに装着し
てなる本発明の人工管腔の他の態様を示す摸式断面図で
ある。
【図25】従来のステント型拡張可能部材と併用した本
発明の人工管腔の他の態様を示す摸式断面図である。
【図26】管状体22の片端に遠隔操作で膨満、収縮、
離脱可能なバルーン42を装着した本発明の人工管腔の
他の態様を示す模式断面図である。この図においては、
右大腿動脈から右総腸骨動脈55を通って、腹部動脈5
4内に、突出部21aを有する拡張可能部材21と、管
状体22が挿入され、左総腸骨動脈36内に管状体22
を流し入れている。
【図27】図26の態様の人工管腔を用いて、左総腸骨
動脈36内に管状体22を流し入れた状態を示す模式断
面図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡張可能部材と、 その一端の少なくとも一部が、前記拡張可能部材に接続
    されてなる管状体とを含む人工管腔であって;且つ、 前記管状体が拡張可能部材より先に管腔内に挿入可能と
    したことを特徴とする人工管腔。
  2. 【請求項2】 管腔内に挿入された後、該管腔内で、前
    記管状体が前記人工管腔の挿入方向とは異なる方向に配
    置可能な請求項1記載の人工管腔。
  3. 【請求項3】 前記拡張可能部材が、前記管状体の一端
    側に配置されている請求項1記載の人工管腔。
  4. 【請求項4】 管腔内に挿入された後、該管腔内で、前
    記管状体が管腔内の流体の流れによって下流側に配置可
    能な請求項1記載の人工管腔。
  5. 【請求項5】 前記拡張可能部材が、線状部材からなる
    閉じられたループ部を有する請求項3記載の人工管腔。
  6. 【請求項6】 前記ループ部が、平面上に伸ばされた状
    態で楕円形状を有する請求項5記載の人工管腔。
  7. 【請求項7】 前記拡張可能部材が、更に、ループの外
    側に突き出した突起部を有する請求項5記載の人工管
    腔。
  8. 【請求項8】 前記ループ部の面積が最小となるように
    該ループ部を側面上に投影した際に、該投影図形におい
    てループ部がJ字形状またはU字形状を有する請求項5
    記載の人工管腔。
  9. 【請求項9】 拡張可能部材と、その一端の少なくとも
    一部が、該拡張可能部材に接続されてなる管状体とを含
    む人工管腔と;その内部に該人工管腔を配置すべき、管
    腔内挿入用の細管とからなり、且つ、 該細管内で、前記管状体が拡張可能部材より先に管腔内
    に挿入可能なように配置されていることを特徴とする管
    腔内挿入用デバイス。
  10. 【請求項10】 拡張可能部材と、その一端の少なくと
    も一部が、前記拡張可能部材に接続されてなる管状体と
    を含む人工管腔と;その内部に該人工管腔を配置すべ
    き、管腔内挿入用の細管とからなり、且つ、該細管内
    で、前記管状体が拡張可能部材より先に管腔内に挿入可
    能なように配置されている管腔内挿入用デバイスを用
    い;管腔内で前記デバイスから前記人工管腔を脱離させ
    るに際し、前記管状体を拡張可能部材より先に管腔内に
    脱離させることを特徴とする人工管腔の脱離方法。
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