JP2000270474A - 配電系統設備増強計画の作成方法 - Google Patents

配電系統設備増強計画の作成方法

Info

Publication number
JP2000270474A
JP2000270474A JP11074834A JP7483499A JP2000270474A JP 2000270474 A JP2000270474 A JP 2000270474A JP 11074834 A JP11074834 A JP 11074834A JP 7483499 A JP7483499 A JP 7483499A JP 2000270474 A JP2000270474 A JP 2000270474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
section
plan
facility
construction
restrictions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11074834A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3922828B2 (ja
Inventor
Takamasa Tenma
孝昌 天満
Takashi Ganji
崇 元治
Masaki Hayashi
巨己 林
Yoshikazu Fukuyama
良和 福山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Electric Power Co Inc, Fuji Electric Co Ltd filed Critical Kansai Electric Power Co Inc
Priority to JP07483499A priority Critical patent/JP3922828B2/ja
Publication of JP2000270474A publication Critical patent/JP2000270474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3922828B2 publication Critical patent/JP3922828B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 系統の最適な設備増強工事案による設備増強
計画を、人手によらず自動作成する。 【解決手段】 現在年度の系統データをセットするステ
ップS41と、設備増強なしで電力供給が可能か否かを
三相潮流計算に基づいてチェックするステップS42
と、設備増強なしで電力供給が不可能な時に各種の設備
増強工事案を作成するステップS43と、各工事案を反
映させた系統構成により電力供給が可能か否かをチェッ
クするステップS44と、各工事案の工事費用を算定す
るステップS45と、ステップS42からステップS4
5までを系統負荷を増加させながら最終計画年度に到達
するまで繰り返し実行する処理と、最終計画年度に到達
したら、工事費用に基づいて各工事案を総合評価するス
テップS48と、総合評価が最も高い工事案を最適工事
案として選択するステップS49とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配電系統における
各種の制約違反を解消し得る最適系統構成を実現するた
めに、設備増強工事案として電線張替工事案、連系設備
新設工事案、区分開閉器新設工事案等を作成し、また、
これらの工事案を総合評価して最適工事案を決定する配
電系統設備増強計画の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】負荷電力の増加に伴う配電系統の設備増
強にあたっては、配電設備工事コスト、配電線利用率、
供給信頼度、配電線ロス等を総合的に評価して、配電用
変電所から負荷までの配電線の増設経路を決定する必要
があり、新設する配電線をどこに配置し、それをどの配
電用変電所までどのような経路で接続し、既設の配電線
とどのような経路で連系すべきかを決定しなければなら
ない。しかも供給経路は系統運用上の制約、例えば線路
電流容量制約、電圧降下制約等を満足しなければならな
い。このような配電系統設備増強計画業務に必要な作業
は、従来、人間が行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、従来で
は配電系統設備増強計画に必要な作業は人間が行ってい
るが、検討時間の問題から限られた狭い検討範囲での計
画しか作成できず、最適な設備増強計画を作成できる保
証がない。しかも、負荷電力は年々変化するので、長期
的な設備増強計画を作成することは困難である。また、
近年では設備投資抑制によるコスト低減や省エネルギー
化による環境保全が叫ばれているため、配電系統設備増
強計画にはより広範囲を検討対象とした最適系統構成に
より効率的な運用が求められるようになり、従来の人間
が行っていた作業では対応しきれなくなっている。そこ
で本発明は、計算機上で自動的に最適な設備増強計画を
立案できるようにした配電系統設備増強計画の作成方法
を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、対象配電系統が負荷の増加
に伴って区間電流制約、区間電圧制約等の制約に違反す
る場合に、各種の設備増強工事の実施により系統設備を
増強して前記制約違反を解消させるための配電系統設備
増強計画の作成方法において、三相潮流計算により電流
制約違反が発生している区間を抽出するステップと、電
流制約違反区間内で配電線が細線である区間の配電線を
すべて太線に張り替えるステップと、三相潮流計算によ
り電圧制約違反が発生している区間を抽出するステップ
と、電圧制約違反区間を含むフィーダを抽出するステッ
プと、抽出されたフィーダの中で最上流に位置する細線
の配電線区間から順次、配電線を太線に張り替えたと仮
定して、制約違反が解消されるまで電圧、電流につき近
似計算を繰り返し実行するステップと、を有する電線張
替工事案を設備増強工事案として作成する。
【0005】請求項2記載の発明は、三相潮流計算によ
り制約違反が発生している区間を抽出するステップと、
制約違反区間を含むフィーダを抽出するステップと、こ
れらの制約違反区間を含むフィーダのすべてについて、
抽出された各フィーダの中でなるべく末端に位置する区
間であって、互いに連系可能な区間を探索し、これらの
連系可能区間同士を連系線や連系開閉器等の連系設備に
より連系したと仮定して、制約違反が解消されるまで電
圧、電流につき近似計算を繰り返し実行するステップ
と、を有する連系設備新設工事案を設備増強工事案とし
て作成する。
【0006】請求項3記載の発明は、三相潮流計算によ
り制約違反が発生している区間を抽出するステップと、
制約違反区間を含むフィーダを抽出するステップと、抽
出されたフィーダに含まれる区間の負荷量の平均値を求
めるステップと、抽出されたフィーダの中でなるべく末
端に位置する区間であって、当該区間の負荷量が前記平
均値よりも大きくなる区間を抽出し、その区間に区分開
閉器を新設するステップと、を有する区分開閉器新設工
事案を設備増強工事案として作成する。
【0007】請求項4記載の発明は、現在年度の系統デ
ータをセットする第1ステップと、設備増強なしで電力
供給が可能か否かを三相潮流計算に基づいてチェックす
る第2ステップと、設備増強なしで電力供給が不可能で
ある場合に請求項1または2または3の手順に従って設
備増強工事案を作成する第3ステップと、各設備増強工
事案を反映させた系統構成により電力供給が可能か否か
をチェックする第4ステップと、各設備増強工事案の工
事費用を算定する第5ステップと、前記第2ステップか
ら第5ステップまでを系統負荷を増加させながら最終計
画年度に到達するまで繰り返し実行する処理と、最終計
画年度に到達したら、工事費用に基づいて各設備増強工
事案を総合評価する第6ステップと、総合評価が最も高
い設備増強工事案を最適工事案として選択する第7ステ
ップと、を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。 (1)電力系統構成 まず、図1は本発明の適用対象である配電系統の模式的
な構成図である。図1において、Aフィーダには区間
1,2,3,4,5、Bフィーダには区間6,7,8,
9,10が存在する。ここで、区間とは開閉器に挟まれ
た範囲を示し、区間の中に配電線や負荷が分布してい
る。一般的に配電系統においては、電源に近い区間では
配電線は太く、末端に近い区間では配電線は細くなって
いる。図1においては、電源に近い区間(◎印)1,
2,6,7,8は電流容量の大きい太線、区間(○印)
3,4,5,9,10は電流容量の小さい細線である。
【0009】(2)最適系統構成の決定 このような配電系統において、最適系統構成を求めるた
めに、以下の定式化を行う。 目的関数:対象系統のロス最小化、電圧適正化、電圧不
平衡是正 制約条件: 放射状制約:系統内にループを含まず、各区間への供
給電源は一つでなければならない。 区間電流制約:各区間の電流は規定範囲内でなければ
ならない。 区間電圧制約:各区間の電圧は規定範囲内でなければ
ならない。
【0010】なお、上記問題を解くために、三相潮流計
算とRTS(Reactive Tabu Searc
h)を用いている。ここで、三相潮流計算は、周知のよ
うに三相電力系統の系統構成、設備定数、運用条件等に
関する種々のデータに基づいて作成された電力方程式を
解き、ノードの電圧や位相角、ノード及びブランチの有
効電力、無効電力潮流を求めるものである。
【0011】また、RTSについて概説すると、RTS
は、大規模な組合せ最適化問題に対し、解空間における
効率的な探索手法として提案されているTS(Tabu
Search)を基本として、更に探索領域を拡げて
効率的な探索を行うための手法である。ここで、TSで
は、探索済みの探索点への回帰を防ぐためにタブーリス
ト(TL)を設け、一度探索した探索点や探索点への状
態変化をタブーとしてある期間は通らないようにし、未
探索の解空間を積極的に探索するアルゴリズムとなって
いる。このTLを設けることで、一度探索した点は一定
期間探索できないため、これにより、局所最適解からの
脱出が可能となる。しかるに、TSでは、TL長が不十
分である場合には探索が効率的に行われなかったり、局
所最適解からの脱出が不可能になる場合があり、これを
避けるために、次時点の探索点の候補の中で、これまで
探索した最良解よりも目的関数値の評価が高い点はタブ
ーであっても採用するというアスピレーションレベル
(AL)を利用することにより、局所最適解からの脱出
を容易化している。ところが、事前のシミュレーション
によりTL長を決定することは一般に難しく、隣接状態
にALの条件を満足する状態が現れるかどうかは隣接状
態の生成方法に依存してしまう。
【0012】TSでは、TL長が探索効率に影響を与え
ることが知られており、対象問題に合ったTL長を事前
のシミュレーションで決定する必要がある。RTSは、
TSの機能に基づき、探索領域を更に拡げて効率的な探
索を行うべくReaction及びEscapeというメカニズムを追
加し、TL長の自動調整、局所最適解からの脱出機能強
化を可能にしている。
【0013】上記Reactionにおいては、 a 探索済みの探索点の状態をすべて保存しておく。 b 探索点の移動時に、新たな探索点が以前に探索した
点であり、ある一定以下の探索回数で再度探索された場
合には、探索がループになっているためTL長を長くす
る。 c 以前探索された状態が現れるまでの探索回数の移動
平均より長い間、TL長の修正がなかった場合、または
すべての隣接状態がタブーであってALの条件を満足す
る探索点もない場合はTL長を短くする。
【0014】具体的には、TL長の修正率をαとする
と、TL長を増加させる場合はTL長=TL長×(1.
0+α)により新たなTL長を計算し、減少させる場合
にはTL長=TL長×(1.0−α)により新たなTL
長を計算する。そして、最終的なTL長は小数点以下の
切り捨てによって整数値のTL長を求める。従って、内
部ではTL長を実数として保存しており、実際のTL長
として利用する際には、整数値に直す方法を用いる。T
Sでは、すべての隣接状態がタブーであった場合に、タ
ブーとなる隣接状態の中に、これまで探索した最良解よ
り評価が高い隣接状態がない場合には探索が不可能にな
る。この意味ではALでは局所最適解からの脱出が不十
分であるということができ、また、上記のbにより、局
所最適解に陥った状態となっているループを脱出可能と
なる。つまり、このReactionにより、RTSでは局所最
適解からの脱出機能が強化されている。
【0015】上記Reactionを用いれば、従来のTSでは
それ以上の探索が不可能になる場合でも探索を可能に
し、どのような局所解からも脱出することができるが、
このReactionを用いても、TL長を遥かに超えるような
探索上のループ(例えば局所解を数回脱出して再度、既
探索点に戻るような場合)が存在した場合にこれを防ぐ
方法がない。このような状況に対応するため、Escapeと
いうメカニズムが導入されている。すなわち、繰り返し
探索される状態の数が事前に設定されたしきい値を超え
た場合にはEscapeを行うものとし、ある回数だけランダ
ム探索を繰り返す。これにより、探索領域を完全に変更
する機能を達成することができる。
【0016】以上のような三相潮流計算及びRTSによ
り、各制約条件をすべて満たしたものなかで目的関数が
最小である系統が最適系統構成となる。しかし、年々負
荷が増加することにより、上記制約条件のなかでの区
間電流制約やの区間電圧制約等の制約条件を満足しな
い系統が存在することもある。このような場合に、以下
に述べる各種の設備増強工事が必要となる。
【0017】(3)電線張替工事案の作成(請求項1の
実施形態) 電線張替工事は、細線の配電線を太線に張替えることで
ある。電線張替工事案を作成する計算アルゴリズムは、
以下のような手順となる。なお、フローチャートを図2
に示す。
【0018】(手順1)三相潮流計算結果より、前記
の区間電流制約違反が発生している区間を抽出する(S
11)。 (手順2)電流制約違反区間があれば(S12 YES)、
その中で、配電線が細線である区間の配電線を全て太線
に張替える(S13)。電流制約違反区間がなければ、
ステップS14へジャンプする。 (手順3)三相潮流計算結果より、前記の電圧制約違
反が発生している区間を抽出する(S14)。 (手順4)電圧制約違反区間があれば(S15 YES)、
電圧制約違反区間を含むフィーダを抽出する(S1
6)。電圧制約違反区間がなければ終了する。 (手順5)抽出されたフィーダの中で最も上流に位置す
る細線配電線区間を太線に張替えたと仮定して、電圧、
電流について近似計算を行う(S17)。 (手順6)近似計算により制約違反が解消すれば(S1
8 YES)、終了する。制約違反が解消しなければ(S1
8 NO)、次の(前回よりも下流の)細線配電線区間を
太線に張替えたと仮定して、再び近似計算を実行する
(S17)。 (手順7)手順5(S17)以下を、制約違反が解消さ
れるまで繰り返す。なお、ステップS17の近似計算は
以下の数式1によって示される。
【0019】
【数1】△Vn=Zn・Inn=Vn-1−△Vn
【0020】ここで、△Vn:区間nにおける電圧降下
〔V〕 Zn:区間nにおける配電線のインピーダンス〔Ω〕 In:区間nにおける配電線を通過する電流〔A〕 Vn:区間nの電圧〔V〕 Vn-1:区間nの上流区間(n−1)の電圧〔V〕
【0021】(4)連系線新設工事案の作成(請求項2
の実施形態) 連系線新設工事は2つの区間を連系設備としての連系線
(配電線)により接続し、1つの区間にすることであ
る。連系線新設工事を作成する計算アルゴリズムは以下
のような手順となる。そのフローチャートを図3に示
す。ここで、どの区間とどの区間とを連系可能であるか
は、予めデータとして与えておくものとする。
【0022】(手順1)三相潮流計算結果より、制約違
反(区間電流制約または区間電圧制約)が発生している
区間を抽出する(S21)。 (手順2)制約違反区間を含むフィーダを抽出する(S
22)。 (手順3)抽出されたフィーダの中で、なるべく末端に
位置する区間で連系可能な区間を探索する(S23)。 (手順4)連系可能区間同士を連系線で接続したと仮定
し、前記数式1を用いて電圧、電流について近似計算を
行う(S24)。 (手順5)近似計算により制約違反が解消すれば(S2
5 YES)、ステップS26に進む。制約違反が解消しな
ければ(S25 NO)、他の連系可能区間を探し(S2
3)、再び近似計算を実行する(S24)。 (手順6)手順3(S23)以下を、制約違反解消まで
繰り返す。 (手順7)全ての制約違反フィーダが解消するまで、手
順3以下を繰り返す(S26)。
【0023】(5)連系開閉器新設工事案の作成(請求
項2の他の実施形態) 連系開閉器新設工事は、2つの区間を連系設備としての
連系開閉器によって接続することである。連系開閉器新
設工事案を作成する計算アルゴリズムは、上記(4)に
おける連系設備を連系線から連系開閉器に変更すれば良
く、実質的に変わるところはない。
【0024】(6)区分開閉器新設工事案の作成(請求
項3の実施形態) 区分開閉器新設工事は、1つの区間に開閉器を新設して
2つの区間に分割することである。区分開閉器新設工事
案を作成する計算アルゴリズムは、以下のような手順と
なる。なお、フローチャートを図4に示す。
【0025】(手順1)三相潮流計算結果より、制約違
反(区間電流制約または区間電圧制約)が発生している
区間を抽出する(S31)。 (手順2)制約違反区間を含むフィーダを抽出する(S
32)。 (手順3)抽出されたフィーダに含まれる区間の負荷量
の平均値を求める(S33)。 (手順4)抽出されたフィーダの中でなるべく末端に近
い区間で、当該区間の負荷量が平均値より大きくなる区
間を新設区間として抽出し、当該区間に区分開閉器を新
設する(S34)。
【0026】(7)前記(3)〜(6)の各種工事案を
用いた配電系統設備増強計画の作成(請求項4の実施形
態) 前記(3)〜(6)の工事案を用いた設備増強計画の作
成アルゴリズムは以下のようになる。なお、フローチャ
ートを図5に示す。
【0027】(手順1)現在年度の系統データをセット
する(S41)。ここで、系統データには系統構成や発
電機容量、負荷量等を含む。 (手順2)設備増強なしで電力供給可能か否かを、三相
潮流計算に基づいてチェックする(S42)。 (手順3)設備増強なしで電力供給が不可能であるとき
(S42 NO)は、前記(3)〜(6)の手順に従い各
種の設備増強工事案を作成する(S43)。電力供給が
可能な場合(S42 YES)は、手順6(ステップS4
6)へジャンプする。 (手順4)各設備増強工事案を反映させた系統構成によ
り、電力供給が可能か否かを、前述した「(2)最適系
統構成の決定」手法によりチェックする(S44)。 (手順5)各設備増強工事案の工事費用を算定する(S
45)。 (手順6)着目している年度が最終計画年度になったら
(S46 YES)、手順7(ステップS48)へ進む。そ
うでない場合には着目年度を1年進めるたびに系統負荷
を一定の割合で増加させて(S47)、手順2(ステッ
プS42)へ戻る。 (手順7)最終計画年度に到達したら、工事費用に基づ
いて各設備増強工事案の総合評価を行う(S48)。 (手順8)総合評価の最も高い工事案を最適工事案とし
て選択し、出力する(S49)。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。図6は、
本発明の実施形態を用いて各計画年度(本年度〜3年
後)の系統構成を時系列的に示した図である。ここで、
丸数字1(明細書の様式上、丸数字はまでしか使用で
きないため、このように表記する)は本年度の系統構成
を表しており、この系統構成に対して請求項4の作成方
法を適用する。なお、最終計画年度は第3年度としてい
る。
【0029】最初に、丸数字1の系統構成に対して、設
備増強なしで電力供給が可能か否かを、前述した
「(2)最適系統構成の決定」手法に基づいてチェック
した結果、設備増強工事が必要になったとする。この場
合、請求項1〜3に従って各種の設備増強工事案を作成
し、それらの工事案を反映させた系統構成によって再び
電力供給可能かどうかを前述の「(2)最適系統構成の
決定」手法に基づいてチェックし、その結果、3つの工
事案の実施によって電力供給が可能になり、その3つの
工事案を実施した場合の系統構成が丸数字2,3,4で
あるとする。すなわち、丸数字2,3,4が1年後の系
統構成の候補となる。以下、同様の手順を繰り返し、最
終的に3年後の系統構成の候補として丸数字11〜20
までの系統候補が出力される。なお、図6において、丸
数字5→同11、同3→7というように前年の系統構成
案と次年の系統構成案が1対1に対応しているのは、新
たな工事案を作成する必要がない時である。
【0030】以上の方式により、今後3年間における系
統構成の遷移は、最終的に表1に示すように10通り考
えられることになる。この時、作成する工事案は14種
類となるが、各工事案の工事費用が表2のようになった
とする。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】この表2において、丸数字1→同2とは、
系統構成を1から2に変えるために必要な工事費用を示
している。この結果、表1に示した10通りの系統構成
遷移の工事費用の合計は、表3のようになる。
【0034】
【表3】
【0035】表3から、ケース1の工事費用合計が最小
であることが分かり、最終的な系統構成遷移はケース1
が最良となる。従って、ケース1の系統構成遷移(丸数
字1→同2→同5→同11)を実現するために必要な工
事案を選択し、出力して終了する。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、計算機に
より三相潮流計算結果を用いて電線張替工事案、連系設
備としての連系線や連系開閉器の新設工事案、区分開閉
器新設工事案を作成し、これらの工事案を基本として最
適な配電系統設備増強計画を作成するものであるため、
電力系統における負荷の経年的な増加等を考慮した経済
的かつ長期にわたる設備増強計画を、人手によらず容易
に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態が適用される配電系統の模式
的な構成図である。
【図2】請求項1に記載した発明の実施形態を示す概略
的なフローチャートである。
【図3】請求項2に記載した発明の実施形態を示す概略
的なフローチャートである。
【図4】請求項3に記載した発明の実施形態を示す概略
的なフローチャートである。
【図5】請求項4に記載した発明の実施形態を示す概略
的なフローチャートである。
【図6】請求項4に記載した発明の実施形態を示す系統
構成遷移図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元治 崇 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 林 巨己 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 福山 良和 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 5G066 AA03 AE09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象配電系統が負荷の増加に伴って区間
    電流制約、区間電圧制約等の制約に違反する場合に、各
    種の設備増強工事の実施により系統設備を増強して前記
    制約違反を解消させるための配電系統設備増強計画の作
    成方法において、 三相潮流計算により電流制約違反が発生している区間を
    抽出するステップと、 電流制約違反区間内で配電線が細線である区間の配電線
    をすべて太線に張り替えるステップと、 三相潮流計算により電圧制約違反が発生している区間を
    抽出するステップと、 電圧制約違反区間を含むフィーダを抽出するステップ
    と、 抽出されたフィーダの中で最上流に位置する細線の配電
    線区間から順次、配電線を太線に張り替えたと仮定し
    て、制約違反が解消されるまで電圧、電流につき近似計
    算を繰り返し実行するステップと、 を有する電線張替工事案を設備増強工事案として作成す
    ることを特徴とする配電系統設備増強計画の作成方法。
  2. 【請求項2】 対象配電系統が負荷の増加に伴って区間
    電流制約、区間電圧制約等の制約に違反する場合に、各
    種の設備増強工事の実施により系統設備を増強して前記
    制約違反を解消させるための配電系統設備増強計画の作
    成方法において、 三相潮流計算により制約違反が発生している区間を抽出
    するステップと、 制約違反区間を含むフィーダを抽出するステップと、 これらの制約違反区間を含むフィーダのすべてについ
    て、抽出された各フィーダの中でなるべく末端に位置す
    る区間であって、互いに連系可能な区間を探索し、これ
    らの連系可能区間同士を連系設備により連系したと仮定
    して、制約違反が解消されるまで電圧、電流につき近似
    計算を繰り返し実行するステップと、 を有する連系設備新設工事案を設備増強工事案として作
    成することを特徴とする配電系統設備増強計画の作成方
    法。
  3. 【請求項3】 対象配電系統が負荷の増加に伴って区間
    電流制約、区間電圧制約等の制約に違反する場合に、各
    種の設備増強工事の実施により系統設備を増強して前記
    制約違反を解消させるための配電系統設備増強計画の作
    成方法において、 三相潮流計算により制約違反が発生している区間を抽出
    するステップと、 制約違反区間を含むフィーダを抽出するステップと、 抽出されたフィーダに含まれる区間の負荷量の平均値を
    求めるステップと、 抽出されたフィーダの中でなるべく末端に位置する区間
    であって、当該区間の負荷量が前記平均値よりも大きく
    なる区間を抽出し、その区間に区分開閉器を新設するス
    テップと、 を有する区分開閉器新設工事案を設備増強工事案として
    作成することを特徴とする配電系統設備増強計画の作成
    方法。
  4. 【請求項4】 対象配電系統が負荷の増加に伴って区間
    電流制約、区間電圧制約等の制約に違反する場合に、各
    種の設備増強工事の実施により系統設備を増強して前記
    制約違反を解消させるための配電系統設備増強計画の作
    成方法において、 現在年度の系統データをセットする第1ステップと、 設備増強なしで電力供給が可能か否かを三相潮流計算に
    基づいてチェックする第2ステップと、 設備増強なしで電力供給が不可能である場合に請求項1
    または2または3の手順に従って設備増強工事案を作成
    する第3ステップと、 各設備増強工事案を反映させた系統構成により電力供給
    が可能か否かをチェックする第4ステップと、 各設備増強工事案の工事費用を算定する第5ステップ
    と、 前記第2ステップから第5ステップまでを系統負荷を増
    加させながら最終計画年度に到達するまで繰り返し実行
    する処理と、 最終計画年度に到達したら、工事費用に基づいて各設備
    増強工事案を総合評価する第6ステップと、 総合評価が最も高い設備増強工事案を最適工事案として
    選択する第7ステップと、 を有することを特徴とする配電系統設備増強計画の作成
    方法。
JP07483499A 1999-03-19 1999-03-19 配電系統設備増強計画の作成方法 Expired - Lifetime JP3922828B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07483499A JP3922828B2 (ja) 1999-03-19 1999-03-19 配電系統設備増強計画の作成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07483499A JP3922828B2 (ja) 1999-03-19 1999-03-19 配電系統設備増強計画の作成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000270474A true JP2000270474A (ja) 2000-09-29
JP3922828B2 JP3922828B2 (ja) 2007-05-30

Family

ID=13558775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07483499A Expired - Lifetime JP3922828B2 (ja) 1999-03-19 1999-03-19 配電系統設備増強計画の作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3922828B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007006667A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Chugoku Electric Power Co Inc:The 配電線系統経路策定支援システム
JP2020096524A (ja) * 2017-06-15 2020-06-18 株式会社オートネットワーク技術研究所 配線モジュール
JP2021027623A (ja) * 2019-07-31 2021-02-22 株式会社日立製作所 計画策定支援装置及び方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007006667A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Chugoku Electric Power Co Inc:The 配電線系統経路策定支援システム
JP2020096524A (ja) * 2017-06-15 2020-06-18 株式会社オートネットワーク技術研究所 配線モジュール
US11458913B2 (en) 2017-06-15 2022-10-04 Autonetworks Technologies, Ltd. Wiring module including a power supply branch part
JP2021027623A (ja) * 2019-07-31 2021-02-22 株式会社日立製作所 計画策定支援装置及び方法
JP7247051B2 (ja) 2019-07-31 2023-03-28 株式会社日立製作所 計画策定支援装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3922828B2 (ja) 2007-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Samarakoon et al. A mixed integer linear programming model for transmission expansion planning with generation location selection
Popovic et al. The optimal automation level of medium voltage distribution networks
Moors et al. Design of load shedding schemes against voltage instability
Rad et al. An approach for simultaneous distribution, sub-transmission, and transmission networks expansion planning
CA2865286C (en) Power transmission switching
Celli et al. Probabilistic optimization of MV distribution network in presence of distributed generation
Home-Ortiz et al. PV hosting capacity assessment in distribution systems considering resilience enhancement
Thurner Structural Optimizations in Strategic Medium Voltage Power System Planning
JP5395367B2 (ja) 最小送電損失系統構成の決定装置、方法及びプログラム
Bosisio et al. GIS-based urban distribution networks planning with 2-step ladder topology considering electric power cable joints
JP5651495B2 (ja) 電力系統安定化制御方法及びその装置
JP2000270474A (ja) 配電系統設備増強計画の作成方法
JP2003209926A (ja) 配電系統における電圧制御機器の最適整定方法
Brown et al. A genetic algorithm for reliable distribution system design
El-Werfelli et al. Backbone-network reconfiguration for power system restoration using genetic algorithm and expert system
JP2005045901A (ja) 架空配電線最適自動設計システムおよびその方法
CN114492966A (zh) 基于两联络接线模式的城市配电网联络线优化方法及系统
US20040153303A1 (en) Efficient process for time dependent network model in an energy market simulation system
Hincapie et al. Optimal planning of secondary distribution systems considering distributed generation and network reliability
Chang et al. Application of tabu search strategy in solving nondifferentiable savings function for the calculation of optimum savings due to shunt capacitor installation in a radial distribution system
CN110807590A (zh) 基于概率可用传输能力的电网规划方法
Popov et al. Optimal distribution networks sectionalizing to comply Smart Grid concept
Klein et al. An integrated optimization approach for multi-voltage level network expansion planning
Resende et al. Metaheuristics applied to power systems
CN110807553B (zh) 基于机会约束规划的电网规划方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070220

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100302

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130302

Year of fee payment: 6