JP2000269292A - Mosデバイスの評価方法 - Google Patents

Mosデバイスの評価方法

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JP2000269292A
JP2000269292A JP11067532A JP6753299A JP2000269292A JP 2000269292 A JP2000269292 A JP 2000269292A JP 11067532 A JP11067532 A JP 11067532A JP 6753299 A JP6753299 A JP 6753299A JP 2000269292 A JP2000269292 A JP 2000269292A
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mos device
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voltage
area
ebic
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JP11067532A
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English (en)
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Takeshi Otsuki
剛 大槻
Shinichi Takasu
信一 高洲
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NIPPON DENSHI RAIOSONIKKU KK
Jeol Ltd
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
NIPPON DENSHI RAIOSONIKKU KK
Jeol Ltd
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MOSデバイスにおける不良解析、特に、気
まぐれ現象またはErratic現象と呼ばれる経時的
に変化する気まぐれ不良箇所の特定とその領域の観察を
可能とするMOSデバイスの評価方法を提供する。 【解決手段】 シリコンウェーハ上に作製したMOSデ
バイスの不良箇所が経時的に変化する気まぐれ不良を、
OBICまたはEBICを用いて非破壊で検出し、その
位置を特定し、領域を観察することを特徴とするMOS
デバイスの評価方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウェーハ
上に作製されたMOSデバイスの気まぐれ現象またはE
rratic現象と呼ばれる不良(以下、気まぐれ不良
ということがある)の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】MOSデバイスにおける不良解析技術と
しては、酸化膜の電気的特性を確認する絶縁破壊特性以
外に、Liquid Crystal Thermal Mapping(G.J.West,"A s
impletechnique for analysis of ESD failure of dyna
mic RAMs using liquid crystals", in Proc.IEEE Int.
Rel.Phys.Symp.,185(1982).) や、Visible and Infrare
d radiation emission (K.S.Wills,C.Duvvury,and O.Ad
ams,"Photoemission testing for ESD failures,advant
ages and limitations",in EOS/ESD Symp.Proc.,53(198
8).) 、IR microscopy(C.E.Stephens and C.T.Amos,"A
study of EOS inmicrocircuits using the infra-red m
icroscope",in EOS/ESD Symp. Proc., 219(1986).)等が
あり、MOSデバイス中の不良箇所特定には非常に有効
な手段である。
【0003】しかしながら、上記のような不良解析法
は、不良箇所特定は可能であったが、デバイス内で不良
箇所が経時的に変化するような気まぐれ現象またはEr
ratic現象と呼ばれる不良については、その発生の
時点では不良箇所の情報は得られるが、経時的に変化す
ることで不良発生の原因解析が非常に困難であった。近
年、このような気まぐれ不良がMOSデバイスの特性や
歩留りを低下させる一因であると考えられている。
【0004】このように、経時的に不良箇所が変化する
気まぐれ不良については、LOCOS分離端でのCuデ
コレーション法(以下、Cuデコ法ということがある)
による結果において、MOSデバイス内に複数のCu析
出物が観察されている(M.Itsumi,O.Nakajima,and K.Min
egishi,J.Electrochem.Soc.,130,1160(1983). 参照)こ
とからも判るように、MOSデバイス内で不良箇所が必
ずしも一箇所でなく複数個有ることが示唆されている。
【0005】尚、Cuデコ法とは、酸化膜を形成したウ
ェーハを下部電極の上に置き、メタノール溶液中にこの
ウェーハより数ミリメートル上方の位置に銅製の上部電
極をセットし、上部電極に正電界を印加する方法であ
り、酸化膜に電流が流れ易い部分があると、その部分に
局所的に銅が析出し、欠陥位置がわかると言うものであ
る。このようにCuデコ法においては、一つのMOSキ
ャパシタ中に不良原因と考えられるものを検出している
が、不良箇所の経時的な変化を追跡することは不可能で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に鑑みなされたもので、MOSデバイスにおける不
良解析、特に、気まぐれ現象またはErratic現象
と呼ばれる経時的に変化する気まぐれ不良箇所の特定と
その領域の観察を可能とするMOSデバイスの評価方法
を提供することを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載した発明は、シリコンウェ
ーハ上に作製したMOSデバイスの不良箇所が経時的に
変化する気まぐれ不良を、OBICまたはEBICを用
いて検出することを特徴とするMOSデバイスの評価方
法である。
【0008】このようにMOSデバイスの不良解析をO
BIC(Optical Beam Induced Current) またはEBI
C(Electron Beam Induced Current) を用いて実施する
ことにより、従来は解析できなかったMOSデバイスの
気まぐれ現象またはErratic現象と呼ばれる電気
的不良箇所が経時的に変化する気まぐれ不良を高感度、
非破壊で検出でき、その発生領域の観察と特定が容易に
行えるようになり、MOSデバイスを評価する上で極め
て有効で適切な方法である。
【0009】そして本発明の請求項2に記載した発明
は、OBICによるMOSデバイスの気まぐれ不良評価
方法において、最上部に電極を有するLOCOS分離構
造MOSデバイスを作製し、この電極を通じて、または
裏面よりレーザービームを走査しながら照射してキャリ
アを注入し、シリコンウェーハに空乏層が形成される方
向に電圧を印加し、発生する電流を画像処理して第一の
欠陥領域を観察した後、該印加電圧を一旦低下させ、そ
の後再びシリコンウェーハに空乏層が形成される方向に
電圧を印加し、発生する電流を画像処理して第二の欠陥
領域を観察し、前記第一の欠陥領域と第二の欠陥領域を
比較することを特徴とするMOSデバイスの評価方法で
ある。
【0010】このように、ウェーハに印加した電圧によ
り、発生したOBICの画像を観察した後、印加した電
圧を一旦下げてから再び印加して観察し、観察画像を比
較することにより、気まぐれ不良の発生領域を特定する
ことができる。
【0011】さらに、この場合請求項3に記載した発明
は、OBICによるMOSデバイスの気まぐれ不良評価
方法において、最上部に電極を有するLOCOS分離構
造MOSデバイスを作製し、この電極を通じて、または
裏面よりレーザービームを走査しながら照射してキャリ
アを注入し、シリコンウェーハに空乏層が形成される方
向に電圧を印加し、発生する電流を画像処理して第一の
欠陥領域を観察した後、該印加電圧を一定時間保持し、
その後発生する電流を画像処理して第二の欠陥領域を観
察し、前記第一の欠陥領域と第二の欠陥領域を比較する
ことを特徴とするMOSデバイスの評価方法である。
【0012】このように、ウェーハに印加した電圧によ
り、発生したOBICの画像を観察した後、その観察画
像に変化が生ずるまでそのまま電圧を一定時間印加し続
け、最初の観察画像と変化後の画像を比較することによ
り、気まぐれ不良の発生領域を特定することができる。
【0013】次に、本発明の請求項4に記載した発明
は、EBICによるMOSデバイスの気まぐれ不良評価
方法において、最上部に電極を有するLOCOS分離構
造MOSデバイスを作製し、この電極を通じて電子ビー
ムを走査しながら照射してキャリアを注入し、シリコン
ウェーハに空乏層が形成される方向に電圧を印加し、発
生する電流を画像処理して第一の欠陥領域を観察した
後、該印加電圧を一旦低下させ、その後再びシリコンウ
ェーハに空乏層が形成される方向に電圧を印加し、発生
する電流を画像処理して第二の欠陥領域を観察し、前記
第一の欠陥領域と第二の欠陥領域を比較することを特徴
とするMOSデバイスの評価方法である。
【0014】このように、ウェーハに印加した電圧によ
り、発生したEBICの画像を観察した後、印加した電
圧を一旦下げてから再び印加して観察し、観察画像を比
較することにより、気まぐれ不良の発生領域を特定する
ことができる。
【0015】そして請求項5に記載した発明は、EBI
CによるMOSデバイスの気まぐれ不良評価方法におい
て、最上部に電極を有するLOCOS分離構造MOSデ
バイスを作製し、この電極を通じて電子ビームを走査し
ながら照射してキャリアを注入し、シリコンウェーハに
空乏層が形成される方向に電圧を印加し、発生する電流
を画像処理して第一の欠陥領域を観察した後、該印加電
圧を一定時間保持し、その後発生する電流を画像処理し
て第二の欠陥領域を観察し、前記第一の欠陥領域と第二
の欠陥領域を比較することを特徴とするMOSデバイス
の評価方法である。
【0016】このように、ウェーハに印加した電圧によ
り、発生したEBICの画像を観察した後、その観察画
像に変化が生ずるまでそのまま電圧を一定時間印加し続
け、最初の観察画像と変化後の画像を比較することによ
り、気まぐれ不良の発生領域を特定することができる。
【0017】この際、本発明の請求項6に記載したよう
に、MOSデバイスのLOCOS構造を、LOCOS端
周辺長とゲート酸化膜面積との比が、ゲート酸化膜面積
の4倍以上とすることができる。このようにMOSデバ
イスの構造を、(LOCOS端周辺長 /ゲート酸化膜面
積)≧4[cm-1]とすれば、特にLOCOS周辺長さ
の大きい矩形状のMOSデバイスを使用することにな
り、LOCOS端部において、OBIC像またはEBI
C像を明瞭に観察することができる。
【0018】さらに、本発明の請求項7に記載したよう
に、前記印加電圧を、電界強度で2〜40MV/cmの
範囲とすることができる。このように、レーザービーム
または電子ビームを照射してキャリアを注入し、シリコ
ンウェーハに空乏層が形成される方向に電圧を印加する
が、このときの印加電圧はゲート酸化膜の厚さに応じて
決まり、電界強度で2〜40MV/cmの範囲とする
と、OBIC像または、EBIC像を明瞭に観察するこ
とができる。
【0019】本発明の請求項8に記載した発明は、OB
ICまたはEBICを用いて検出されたMOSデバイス
の気まぐれ不良領域の近傍にマーキングを行い、このマ
ーキングされた不良領域を含む試料を切り出し、切り出
された試料の不良領域の周囲を収束イオンビーム装置に
より除去した後、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕
微鏡によって観察することを特徴とするMOSデバイス
評価方法である。このような手段により、MOSデバイ
スの気まぐれ不良の位置を直接観察することが可能にな
るため、高感度で不良原因を解析することができる。
【0020】この場合、請求項9に記載したように、レ
ーザーを用いて不良領域のマーキングを行なえば、極め
て高精度で気まぐれ不良領域を観察するための試料を作
製することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付した図面に基づいて具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。ここで、図1は
本発明の評価対象となるMOSデバイスの構造の一例を
示す概略図である。図2はOBICによる酸化膜欠陥の
評価装置、図4はEBICによる酸化膜欠陥の評価装置
の各構成例を示す概略図である。
【0022】まず、本発明において採用したOBIC法
とEBIC法を簡単に説明する。OBIC法とは、光に
よって発生したキャリアを検出することである。詳しく
は半導体の禁制帯エネルギー幅よりも大きいエネルギー
を持つ光を照射した時に発生するキャリアを電流として
取り出すことで半導体内部の現象を評価する方法であ
る。一方EBIC法は、上記OBIC法で用いている光
の代わりに、電子ビームを用いてキャリアを注入し評価
する方法である。
【0023】図1は、本発明の評価対象となるMOSデ
バイスの構造の一例を示す。(a)は平面図、(b)は
縦断面図であって、LOCOSパターンを多数配列した
MOSデバイスの一例を表している。この構造は、ベー
スとなるシリコンウェーハ(シリコン基板)4の上にゲ
ート酸化膜3を形成し、その上にゲート電極1(例え
ば、不純物をドープした多結晶シリコン、アルミニウ
ム、銅など)を設けている。ゲート酸化膜3の両端はい
わゆるLOCOS酸化膜2と呼ばれる酸化膜で、個々の
デバイスを電気的に絶縁分離する厚い絶縁分離膜であ
る。
【0024】図2はOBICによる酸化膜欠陥の評価装
置の構成例を示し、主として走査型レーザー顕微鏡シス
テム5、OBIC電流増幅器12,EWS(Engineering
Work Station)9、欠陥画像表示CRT(Cathode Ray T
ube)8から構成されている。
【0025】本発明では、評価の対象となる試料ウェー
ハ13(多数のLOCOSパターンを多数配列したもの
[図1参照])を走査型レーザー顕微鏡5の試料台にセ
ットし、裏面側をGND(接地マイナス、OBIC電流
増幅器12の入力側)に、ゲート電極側をプラス電位
(p型ウェーハの場合。n型ウェーハでは、ゲート電極
側をマイナス電位とする)が出力できるようにプローブ
10を通じてDC電源11に接続する。
【0026】次に、レーザーを細く絞り、ウェーハ表面
をスキャナー6により走査しながらキャリアを注入す
る。この場合、レーザーとしては、例えば波長533n
mのHe−Neレーザーが用いられるが、MOSデバイ
ス電極がアルミニウムの場合は、サンプルの裏面よりレ
ーザーを深く照射する必要があるので、波長の長いレー
ザー(例えば、波長1152nmのHe−Neレーザ
ー)を用いる。14はレーザースキャンの範囲を示して
いる。このとき、シリコンウェーハに空乏層が形成され
る方向に電圧を印加する。印加電圧はゲート酸化膜の厚
さに応じて決まり、電界強度で2〜40MV/cmの範
囲で電圧を印加し、OBICを観察する。
【0027】MOSデバイスへの印加電圧を、0からプ
ラス方向へ大きくしていくと、酸化膜にかかる電界強度
換算で、5〜10MV/cmあたりから、OBICが観
察される。このとき発生する微少電流をOBIC電流増
幅器12で増幅してMPU(Micro Processing Unit) 7
に入力し、スキャナー6を通じてMPU7に入力される
レーザービーム照射位置情報とを合成し、さらにEWS
9でデータを演算処理して欠陥画像表示CRT8に欠陥
画像を表示する。この場合、高感度、高S/N比の検出
器を用い、検出感度を調整することで、MOSデバイス
の不良箇所からのOBICを正常箇所と区別することが
でき、MOSデバイスのあちらこちらで不良箇所に対応
するOBIC像15(第一の欠陥領域)が観察できる
(図3(a)参照)。
【0028】一旦この状態から、MOSデバイスへの印
加電圧をOBIC像が観察されなくなるまで下げた後、
再度酸化膜へ電界を印加していくと、先程(図3(a)
参照)とは、異なった箇所で、前記方法にてOBIC像
(第二の欠陥領域)が得られる(図3(b)参照)。
尚、この場合、図3(a)を観察した後に電圧を下げる
ことなく、その電圧のまま一定時間保持することによっ
ても気まぐれ不良の発生を検出することができる。ある
いは、印加電圧を幾分変動させた状態で一定時間保持し
てもよい。保持時間としては、測定効率を考慮すれば、
1〜10分程度が好ましいが、気まぐれ不良が検出でき
る範囲であれば、特に限定されない。
【0029】一方、図4はEBICによる酸化膜欠陥評
価装置の構成例を示し、主として走査型電子顕微鏡シス
テム(SEM : Scanning Electron Microscope)16、
EBIC電流増幅器18,SEM用CRT19から構成
されている。
【0030】本発明では、評価の対象となる試料ウェー
ハ13(多数のLOCOSパターンを多数配列したもの
[図1参照])をSEM16の試料台にセットし、裏面
側をGND(接地マイナス、EBIC電流増幅器18の
入力側)に、ゲート電極側をプラス電位(p型ウェーハ
の場合。n型ウェーハでは、ゲート電極側をマイナス電
位とする)が出力できるようにプローブ10を通じてD
C電源11に接続する。
【0031】次に、SEM16の電子ビーム17を走査
しながら照射してキャリアを注入する。OBICの場合
と異なり、加速電圧がパラメータとして加わる。H. J.
Leamy の論文("Charge collection scanning electron
microscopy", J. Appl. Phys., 53, R51(1982). 参照)
にあるように、加速電圧により電子ビームによるキャリ
ア注入効率の最も良い深さは異なる。
【0032】電子ビーム17によるキャリア注入効率の
最も良い深さ、すなわち、加速電圧は、電圧印加により
広がる空乏層幅(抵抗率により決まる最大空乏層幅)の
2倍程度に設定する。このときMOSデバイスへの印加
電圧を、0からプラス方向へ大きくしていくと、酸化膜
にかかる電界強度換算で、2〜40MV/cmの範囲、
好ましくは5〜10MV/cmあたりから、MOSデバ
イス全面から強いEBICが観察される。このとき発生
する微少電流をEBIC電流増幅器18で増幅し、電子
ビーム照射位置情報とを合成してSEM用CRT19に
欠陥画像を表示する。この場合、高感度、高S/N比の
検出器を用い、検出感度を調整することで、MOSデバ
イスの不良箇所からのEBICを正常箇所と区別するこ
とができ、MOSデバイスのあちらこちらで不良箇所に
対応する第一のEBIC像(前記OBIC像を示す図3
(a)参照)を観察することができる。
【0033】一旦この状態から、前記OBICの場合と
同様に、MOSデバイスへの印加電圧を第一のEBIC
像が観察されなくなるまで下げた後、再度酸化膜へ電界
を印加していくと、先程(前記OBIC像を示す図3
(a)参照)とは、異なった箇所で、上記方法にて第二
のEBIC像が得られる(前記OBIC像を示す図3
(b)参照)。尚、この場合、第一のEBIC像を観察
した後に電圧を下げることなく、その電圧のまま一定時
間保持することによっても気まぐれ現象の発生を検出す
ることができる。あるいは、印加電圧を幾分変動させた
た状態で一定時間保持してもよい。適切な保持時間につ
いては、前記OBICの場合と同様である。
【0034】このように、OBICまたはEBICによ
る手法を用いれば、MOSデバイス中の不良箇所が経時
的に変化する気まぐれ不良の発生する領域やその発生率
を高感度、非破壊で検出でき、その発生領域の観察と特
定が容易に行えるようになり、MOSデバイスを評価す
る上で極めて有効で適切な方法となる。
【0035】この場合、前記MOSデバイスのLOCO
S構造を、LOCOS端周辺長とゲート酸化膜面積との
比が、ゲート酸化膜面積の4倍以上とすることができ
る。このようにMOSデバイスの構造を、(LOCOS
端周辺長 /ゲート酸化膜面積)≧4[cm-1] とすれ
ば、特にLOCOS周辺長さの大きい矩形状のMOSデ
バイスを使用することになり、LOCOS端部におい
て、非破壊でOBIC像またはEBIC像を明瞭に観察
することができる。ここで、ゲート酸化膜面積は、図1
(a)の黒い領域の面積であり、その領域の辺の総和が
LOCOS端周辺長に相当する。
【0036】さらに、上記OBICまたはEBICによ
る手法を用いてMOSデバイス中の気まぐれ現象の発生
する領域を特定した後、その領域が識別できるようにマ
ーキングを施すようにすることができる。マーキングと
しては、例えば、炭酸ガスレーザーなどのMOSデバイ
ス表面を変質することができる程度の出力をもったレー
ザービーム等を用いて、気まぐれ不良の発生した領域近
傍に照射すればよい。
【0037】そして、このマーキングされた不良領域を
含む試料をダイシングにより切り出し、切り出された試
料の不良領域の周囲を収束イオンビーム装置により除去
した後、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡によ
り観察する。これにより、従来未知であった気まぐれ不
良を引き起こす原因となる欠陥等を直接観察して特定す
ることが可能となるので、この結果をシリコンウェーハ
製造プロセスやMOSデバイス作製プロセスにフィード
バックすることにより、これらのプロセスを改善するこ
とができ、ひいては、シリコンウェーハやMOSデバイ
スの品質、および歩留りと生産性の向上を図ることが可
能となり非常に有益である。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて、本発明を詳
細に説明するが、これらは本発明を限定するものではな
い。 (実施例1)[OBIC法を用いた不良箇所の経時変化
の観察] 試料として用いたシリコンウェーハは、直径200m
m、エピタキシャル層厚6μmのp/p+ エピタキシャ
ルウェーハ(抵抗率0.01Ω・cmのp型シリコン基
板に10Ω・cmのp型エピタキシャル層を形成したエ
ピタキシャルウェーハ)である。このエピタキシャルウ
ェーハにLOCOS構造で分離したMOSキャパシタを
作製する。MOSキャパシタのゲート酸化膜厚さは約1
0nmとした。OBICによる酸化膜欠陥評価装置は、
デジタルOBICスキャナーJDLM−6602E(日
本電子(株)製商品名)を使用した。
【0039】多数のLOCOSパターンを多数配列した
MOSデバイス(図1参照)を、図2に示したようなO
BIC評価装置の試料台に載せ、裏面側をGND(接地
マイナス、OBIC電流増幅器の入力側)に、リンドー
プ多結晶シリコン電極側をプラス電位を出力できるよう
に接続した。次に、He−Neレーザー(波長:533
nm)を細く絞り、ウェーハ表面を走査しながら照射し
た。MOSキャパシタへの印加電圧を、0からプラス方
向へ大きくしていくと、酸化膜にかかる電界強度換算
で、5〜10MV/cmあたりで、OBICが観察され
た。このとき感度を調整することで、MOSキャパシタ
のあちらこちらで不良箇所を示すOBIC像が観察され
た(図3(a)参照)。
【0040】一旦この状態から、MOSキャパシタへの
印加電圧を0(ゼロ)Vとし、再度酸化膜へ電界を印加
していくと、先程(図3(a)参照)とは、異なった箇
所(不良箇所が経時的に変化した)で、前記方法にてO
BIC像が得られた(図3(b)参照)。この2回のO
BIC観察でいずれか一方のみに不良箇所を示すOBI
Cが観察された領域が気まぐれ不良領域に対応するの
で、これにより、MOSデバイスにおける気まぐれ不良
領域を特定することができた。
【0041】次に、この特定された気まぐれ不良領域に
レーザーによりマーキングを行い、このマーキングされ
た不良領域を含む試料をダイシングにより切り出し、切
り出された試料の不良領域の周囲を収束イオンビーム装
置により除去した後、透過型電子顕微鏡により観察する
ことにより、気まぐれ不良原因の解析ができた。
【0042】(実施例2)[EBIC法を用いた不良箇
所の経時変化の観察] 試料として用いたシリコンウェーハは、直径200m
m、エピタキシャル層厚6μmのp/p+ エピタキシャ
ルウェーハ(抵抗率0.01Ω・cmのp型シリコン基
板に10Ω・cmのp型エピタキシャル層を形成したエ
ピタキシャルウェーハ)である。このエピタキシャルウ
ェーハにLOCOS構造で分離したMOSキャパシタを
作製する。MOSキャパシタのゲート酸化膜厚さは約1
0nmとした。
【0043】多数のLOCOSパターンを多数配列した
MOSデバイス(図1参照)を、図4に示したEBIC
評価装置であるSEMの試料台に載せ、裏面側をGND
(接地マイナス、EBIC電流増幅器の入力側)に、多
結晶シリコン電極側をプラス電位を出力できるように接
続した。次に、SEMの電子ビームを走査しながら照射
した。OBICの場合と異なり、加速電圧がパラメータ
として加わる。
【0044】電子ビームによるキャリア注入効率の最も
良い深さ、すなわち、加速電圧は、電圧印加により広が
る空乏層幅(抵抗率により決まる最大空乏層幅)の2倍
程度に設定する。本実施例では、加速電圧を30keV
に設定(電子ビームによるキャリア注入効率の最もよい
深さは、約3μmである)し、MOSキャパシタへの印
加電圧を、0からプラス方向へ大きくしていくと、酸化
膜にかかる電界強度換算で、5〜10MV/cmあたり
から、EBICが観察された。このとき感度を調整する
ことで、MOSキャパシタのあちらこちらで不良箇所を
示すEBIC像が観察できた。この状態で、MOSキャ
パシタへの印加電圧を固定したまま約5分保持すると、
先程とは異なった箇所(不良箇所が経時的に変化した)
でEBIC像が得られた。
【0045】この2回のEBIC観察でいずれか一方の
みに不良箇所を示すEBICが観察された領域が気まぐ
れ不良領域に対応するので、これにより、MOSデバイ
スにおける気まぐれ不良領域を特定することができた。
【0046】次に、この特定された気まぐれ不良領域に
レーザーによりマーキングを行い、このマーキングされ
た不良領域を含む試料をダイシングにより切り出し、切
り出された試料の不良領域の周囲を収束イオンビーム装
置により除去した後、透過型電子顕微鏡により観察する
ことにより、直接不良領域を観察することができた。
【0047】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、MOSデバイスの電気的欠陥を高感度で非破壊で検
出でき、特に、不良箇所が経時的に変化する気まぐれ現
象またはErratic現象と呼ばれる気まぐれ不良領
域の観察と特定が可能になるため、従来は原因解析にま
で至らなかった気まぐれ不良現象の原因を追及できるよ
うになり、ウェーハ品質、デバイス品質の向上に極めて
有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】LOCOSパターンを多数配列したMOSデバ
イスの一例を示す図である。 (a)平面図、(b)縦断面図。
【図2】OBICによる酸化膜欠陥の評価装置の概略図
である。
【図3】OBICによる酸化膜欠陥の評価装置で、シリ
コンウェーハにLOCOSパターンを多数配列したMO
Sキャパシタを観察した時に得られたOBIC像を示す
図である。 (a)1回目の評価の場合。 (b)2回目の評価の場合。1回目の評価の場合とは不
良箇所が移動してる。
【図4】EBICによる酸化膜欠陥の評価装置の概略図
である。
【符号の説明】
1…多結晶シリコンゲート電極、2…LOCOS酸化
膜、3…ゲート酸化膜、4…シリコンウェーハ、5…走
査型レーザー顕微鏡システム、6…スキャナー、7…M
PU、8…欠陥画像表示CRT、9…EWS、10…プ
ローブ、11…DC電源、12…OBIC電流増幅器、
13…試料ウェーハ、14…レーザースキャンの範囲、
15…観察された気まぐれ不良に対応するOBICサイ
ト、16…走査型電子顕微鏡(SEM)システム、17
…電子ビーム、18…EBIC電流増幅器、19…SE
M用CRT。
フロントページの続き (72)発明者 大槻 剛 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越半 導体株式会社半導体磯部研究所内 (72)発明者 高洲 信一 東京都昭島市武蔵野3丁目1番2号 日本 電子ライオソニック株式会社内 Fターム(参考) 2G032 AB20 AF07 4M106 AA07 AB01 BA02 BA03 BA04 BA14 CA70 DA05 DH01 DH32 DH33 DH60 DJ11 DJ18 DJ24 9A001 BB05 JJ45 KK37 LL05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンウェーハ上に作製したMOSデ
    バイスの不良箇所が経時的に変化する気まぐれ不良を、
    OBICまたはEBICを用いて検出することを特徴と
    するMOSデバイスの評価方法。
  2. 【請求項2】 前記OBICによるMOSデバイスの気
    まぐれ不良評価方法において、最上部に電極を有するL
    OCOS分離構造MOSデバイスを作製し、この電極を
    通じて、または裏面よりレーザービームを走査しながら
    照射してキャリアを注入し、シリコンウェーハに空乏層
    が形成される方向に電圧を印加し、発生する電流を画像
    処理して第一の欠陥領域を観察した後、該印加電圧を一
    旦低下させ、その後再びシリコンウェーハに空乏層が形
    成される方向に電圧を印加し、発生する電流を画像処理
    して第二の欠陥領域を観察し、前記第一の欠陥領域と第
    二の欠陥領域を比較することを特徴とする請求項1に記
    載したMOSデバイスの評価方法。
  3. 【請求項3】 前記OBICによるMOSデバイスの気
    まぐれ不良評価方法において、最上部に電極を有するL
    OCOS分離構造MOSデバイスを作製し、この電極を
    通じて、または裏面よりレーザービームを走査しながら
    照射してキャリアを注入し、シリコンウェーハに空乏層
    が形成される方向に電圧を印加し、発生する電流を画像
    処理して第一の欠陥領域を観察した後、該印加電圧を一
    定時間保持し、その後発生する電流を画像処理して第二
    の欠陥領域を観察し、前記第一の欠陥領域と第二の欠陥
    領域を比較することを特徴とする請求項1に記載したM
    OSデバイスの評価方法。
  4. 【請求項4】 前記EBICによるMOSデバイスの気
    まぐれ不良評価方法において、最上部に電極を有するL
    OCOS分離構造MOSデバイスを作製し、この電極を
    通じて電子ビームを走査しながら照射してキャリアを注
    入し、シリコンウェーハに空乏層が形成される方向に電
    圧を印加し、発生する電流を画像処理して第一の欠陥領
    域を観察した後、該印加電圧を一旦低下させ、その後再
    びシリコンウェーハに空乏層が形成される方向に電圧を
    印加し、発生する電流を画像処理して第二の欠陥領域を
    観察し、前記第一の欠陥領域と第二の欠陥領域を比較す
    ることを特徴とする請求項1に記載したMOSデバイス
    の評価方法。
  5. 【請求項5】 前記EBICによるMOSデバイスの気
    まぐれ不良評価方法において、最上部に電極を有するL
    OCOS分離構造MOSデバイスを作製し、この電極を
    通じて電子ビームを走査しながら照射してキャリアを注
    入し、シリコンウェーハに空乏層が形成される方向に電
    圧を印加し、発生する電流を画像処理して第一の欠陥領
    域を観察した後、該印加電圧を一定時間保持し、その後
    発生する電流を画像処理して第二の欠陥領域を観察し、
    前記第一の欠陥領域と第二の欠陥領域を比較することを
    特徴とする請求項1に記載したMOSデバイスの評価方
    法。
  6. 【請求項6】 前記MOSデバイスのLOCOS構造
    を、LOCOS端周辺長とゲート酸化膜面積との比が、
    ゲート酸化膜面積の4倍以上とすることを特徴とする請
    求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載したMOS
    デバイスの評価方法。
  7. 【請求項7】 前記印加電圧を、電界強度で2〜40M
    V/cmの範囲とすることを特徴とする請求項2ないし
    請求項5のいずれか1項に記載したMOSデバイスの評
    価方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれか1項
    に記載した方法により検出されたMOSデバイスの気ま
    ぐれ不良領域の近傍にマーキングを行い、このマーキン
    グされた不良領域を含む試料を切り出し、切り出された
    試料の不良領域の周囲を収束イオンビーム装置により除
    去した後、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡に
    よって観察することを特徴とするMOSデバイスの評価
    方法。
  9. 【請求項9】前記マーキングを、レーザーを用いて行な
    うことを特徴とする請求項8に記載したMOSデバイス
    の評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021534580A (ja) * 2018-08-28 2021-12-09 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. 時間依存欠陥検査装置
US11651935B2 (en) 2018-08-28 2023-05-16 Asml Netherlands B.V. Time-dependent defect inspection apparatus

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