JP2000268755A - 薄型静電偏向器及び走査型荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

薄型静電偏向器及び走査型荷電粒子ビーム装置

Info

Publication number
JP2000268755A
JP2000268755A JP11072917A JP7291799A JP2000268755A JP 2000268755 A JP2000268755 A JP 2000268755A JP 11072917 A JP11072917 A JP 11072917A JP 7291799 A JP7291799 A JP 7291799A JP 2000268755 A JP2000268755 A JP 2000268755A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
deflection
electrostatic deflector
electrodes
charged particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11072917A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tanaka
浩 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP11072917A priority Critical patent/JP2000268755A/ja
Publication of JP2000268755A publication Critical patent/JP2000268755A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型静電偏向器及び走査型荷電粒子ビーム装
置に関し、短い作動距離のもとでも広い走査範囲を得、
また、多数の電子ビームを同時に試料に照射した場合の
検出信号間のクロストークを防止する。 【解決手段】 互いに対向する少なくとも1対の偏向電
極3からなる偏向電極組を少なくとも1組を備えた薄型
静電偏向器を構成する偏向電極3の対向方向の長さを厚
さより大きくして偏平状とし、試料と偏向電極3との間
の空間に主とした偏向作用を持つ電場を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄型静電偏向器及び
走査型荷電粒子ビーム装置に関するものであり、特に、
微小冷陰極(エミッタ)を電子源として用いる走査型電
子ビーム装置において、微小電子鏡筒下端のアパーチャ
から出射された電子ビームを所定の位置へ偏向するため
の多極電極等を有する薄型静電偏向器及び走査型荷電粒
子ビーム装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷陰極等の荷電粒子ビーム源から
放出された荷電粒子ビームを細く絞って試料に照射する
走査型荷電粒子ビーム装置は、観察、露光、分析、検
査、或いは、記録等の多くの分野で広く利用されてい
る。
【0003】近年、半導体集積回路装置技術分野におけ
る微細加工技術を他の機械部品や構造物の加工に利用し
た所謂マイクロマシニング技術(必要ならば、例えば、
J.Vac.Sci.Technol.,A10
(4),p.611−616,1992参照)が注目さ
れており、このようなマイクロマシニング技術を走査型
電子顕微鏡に代表される走査型電子ビーム装置に適用
し、多数の細く絞った電子ビームを発生・利用する超小
型装置の実現を目指した研究開発が活発に行われるよう
になってきた。
【0004】これらの超小型装置の特徴は、 従来装置と同等或いはそれを凌駕する電子光学特性
が、超小型で安価な装置として得られること、及び 多数の微小電子源と微小電子鏡筒を集積回路の要領で
集積化できること、で、従来にない応用が期待されてい
る。
【0005】この上記の特徴は、微小電子鏡筒の電子
光学系には種々の設計上の工夫が有るとはいえ、本質的
には各電子光学要素の寸法が小さくなったことによる収
差係数値の低下によって、その高い電子光学特性が達成
されたために得られるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このこ
とは同時に、レンズの焦点距離も小さくなっていること
に他ならず、それに伴い微小電子鏡筒の最下面と試料と
の距離、所謂作動距離を十分に確保することが困難にな
るという問題がある。
【0007】例えば、J.Vac.Sci.Techn
ol.,B14(6),p.3792−3796,19
96(以下、文献1と言う)においては、1keVの電
子ビームで、試料面上での直径が10nmを切るために
は、鏡筒下端の直ぐ上の対物レンズ下端から約1mmの
距離に像を結ばなければならないことが示されている。
【0008】この様な作動距離が短くなることに伴って
発生する問題はいくつか考えられるが、その中でも重要
な問題の一つは、走査型装置として用いる以上、走査範
囲が狭くなることである。
【0009】また、作動距離が短いことによって、対物
レンズと電子ビーム照射対象となる試料との間に、従来
型の静電偏向器を配置することができず、文献1におい
ては、対物レンズよりも電子銃側に2組の偏向器を配置
して電子ビームを二段に偏向している。例えば、八極電
極を構成する互いに対向する1組の電極の内径をd(m
m)とし、電極の電子の進行方向の厚さをL(mm)と
し、1組の電極間の電位差をV(V)とし、電子銃から
エネルギーE(eV)をもった電子が放出された場合、
電極によって偏向される電子の偏向角θ(rad)は、 θ=〔V×L〕/〔E×d〕 で表され、偏向角θを大きくするためには、電極の厚さ
Lをある程度大きくする必要があるが、作動距離が約1
mm程度では、電極の厚さLを大きくした偏向器を配置
できないためである。
【0010】この様な2組の偏向器を配置した構成によ
って、偏向中心の位置を対物レンズ主面の位置に近づけ
て、電子ビームの軌道が対物レンズの中心軸から外れる
ことによる電子ビーム直径や歪みの増大を最低限に抑え
ながら視野を拡げる工夫をしている。
【0011】しかし、電子ビーム直径を犠牲にすること
により、作動距離を拡げて、作動距離を5mmに設定し
ても、電子ビーム直径や歪みの増大により実効的な走査
範囲或いは視野は100μmに止まってしまう(必要な
らば、文献1のFig.5及びFig.6参照)という
問題がある。
【0012】一方、特開平7−192682号公報(以
下、文献2と言う)においては、通常の意味での対物レ
ンズを持たず、最初の電子銃レンズを拡大系で動作させ
ることで、焦点距離に対して相対的に大きな作動距離を
実現することが提案されている。
【0013】しかし、この場合、元々の電子銃レンズの
寸法がμmオーダーであるため、たとえ、1000倍近
い拡大系で動作させても、1mm(=1000μm=1
μm×1000)程度の作動距離を得るのがせいぜいで
あり、ましてや、文献2に記載されている等倍での照射
となれば、その利用には大きな困難が予想される。
【0014】また、文献2においては、装置全体或いは
電子ビーム照射対象を機械的に動かすことで相対的に電
子ビームを走査することが記載されているが、この様な
機械的な走査は、電子光学的な走査に比べて走査速度が
下がることは避けられず、また、記載されている様な等
倍での利用では、作動距離は極めて短くなるために、双
方を相対的に動かすことにさえ困難が予想される。
【0015】さらに、小型走査型電子ビーム装置を顕微
鏡や分析装置に利用する場合には、作動距離が短くなる
ことで、試料からの情報を担っている二次電子や反射電
子を、外部に個別に設けた検出器で検出することが困難
になってきている。
【0016】そこで、従来の作動距離の短い走査型電子
ビーム装置において採用されている技術を転用して、こ
れらの二次電子或いは反射電子を微小電子鏡筒内に導い
て、内部に設けた検出器で検出することも考えられる
が、小型走査型電子ビーム装置の微小電子鏡筒の孔径は
サブmm程度であるので、この様な微小電子鏡筒内に十
分な量の電子を導くことは容易ではない。
【0017】そこで、上記の文献1においては、微小電
子鏡筒の底面にMCP(Microchannel P
late)検出器を設けて、二次電子或いは反射電子を
検出することが提案されている。なお、MCPとは、内
径が20〜200μm程度のガラス管を環状に束ね、ガ
ラス管の内壁に電子放出係数の大きな高抵抗材料を付着
させるとともに、束ねたガラス管の切り口面に金属を蒸
着して電極を設けたものである。
【0018】この方法は、上述ので述べた特徴である
多数の微小電子鏡筒を集積した装置であり、この様に集
積化することによって多数の電子ビームを同時に試料に
照射することになるが、多数の電子ビームを同時に照射
することによって新たな問題を引き起こすことになる。
【0019】即ち、集積化するということは、各微小電
子鏡筒毎に底面にMCP検出器を備えることになるが、
ある微小電子鏡筒から出射された電子ビームが試料に照
射されることによって生成された二次電子が、その隣の
微小電子鏡筒に設けられたMCP検出器に飛び込んでし
まう場合があり、各MCP検出器の検出信号間に一種の
クロストークが発生し、特に、走査範囲を広くしようと
した場合、走査の周辺部でこの様な問題が著しくなる。
【0020】この様に、高い分解能と広い走査範囲は、
走査型電子ビーム装置に常に求められる特性の両輪であ
り、短い作動距離のもとでも広い走査範囲が得られて、
また、多数の電子ビームを同時に試料に照射しても検出
信号間にクロストークが起こりにくくなる工夫が必要と
なる。
【0021】したがって、本発明は、短い作動距離のも
とでも広い走査範囲を得、また、多数の電子ビームを同
時に試料に照射した場合の検出信号間のクロストークを
防止することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図1
(a)は、薄型静電偏向器の上面図であり、また、図1
(b)は薄型静電偏向器の断面図であり、さらに、図1
(c)は薄型静電偏向器の偏向電極を示す底面図であ
る。 図1(a)乃至(c)参照 (1)本発明は、互いに対向する少なくとも1対の偏向
電極3からなる偏向電極組を少なくとも1組を備えた薄
型静電偏向器において、偏向電極3の対向方向の長さを
厚さより大きくして偏平状とし、試料と偏向電極3との
間の空間に主とした偏向作用を持つ電場を形成すること
を特徴とする。
【0023】この様に、試料と偏向電極3との間の空間
に主とした偏向作用を持つ電場を形成できる程度に偏向
電極3の対向方向の長さを厚さより大きくして偏平状に
することによって、静電偏向器を薄型にすることがで
き、それによって、作動距離の短くなった走査型荷電粒
子ビーム装置の微小鏡筒下端と試料との間に静電偏向器
を配置することができ、広い走査範囲を得ることができ
る。即ち、偏向電極3の対向方向の長さを非常に長くす
ることによって、偏向電極3の対向面のみならず、偏向
電極3全体に荷電粒子ビームに対する偏向作用を持たせ
るものである。
【0024】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、偏向電極3を支持する電極支持部材1が、絶縁性部
材または高抵抗部材のいずれかによって構成されること
を特徴とする。
【0025】この様に、偏向電極3を支持する電極支持
部材1は、各偏向電極3を相互に絶縁分離する観点から
は、ガラス基板等の絶縁性部材またはSiC基板等の高
抵抗部材で構成することが望ましく、絶縁性部材を用い
た場合には、照射する電子ビームが絶縁性部材の露出側
端面に蓄積するチャージアップによる偏向特性の変化を
防止するために、絶縁性部材に設ける開口部を凹部5が
形成されるようにビーム通過孔4より大きく形成し、偏
向電極3が庇状になるようにすることが望ましい。一
方、高抵抗部材で構成した場合には、照射する電子ビー
ムのチャージアップは生じないので、高抵抗部材に凹部
5を設ける必要がない。なお、電極支持部材1の偏向電
極3を形成した面と反対側の面には一定の電圧を印加す
るための一様電極2を形成する。
【0026】(3)また、本発明は、上記(1)におい
て、偏向電極3を支持する電極支持部材1が、ボロンド
ープシリコン層の表面に絶縁膜を形成した部材からな
り、且つ、ボロンドープシリコン層の周囲がn型シリコ
ン枠部材で支持されていることを特徴とする。
【0027】この様に、偏向電極3を支持する電極支持
部材1はシリコン基板を用いて構成しても良く、選択エ
ッチング技術等の半導体集積回路装置分野における微細
加工技術を用いることによって、精度良く微小な薄型静
電偏向器を構成することができる。
【0028】(4)また、本発明は、上記(1)におい
て、偏向電極3を支持する電極支持部材1が二次電子及
び反射電子の少なくとも一方を検出する検出素子であ
り、偏向電極3は、検出素子の試料に対向する面に形成
されることを特徴とする。
【0029】この様に、偏向電極3を支持する電極支持
部材1を二次電子及び反射電子の少なくとも一方を検出
する検出素子で構成することによって、走査型電子顕微
鏡や走査型走査装置を構成することができる。なお、検
出素子としては、固体表面での電子放出を利用した電子
増倍作用を有する検出器、例えば、MCP検出器等の薄
型検出器を用いることによって静電偏向器を薄型に構成
することができる。また、検出素子として、半導体の表
層で生成した電子正孔対を検出する半導体検出素子、例
えば、MSM(Metal−Semiconducto
r−Metal)検出素子等の薄型検出素子(必要なら
ば、例えば、J.Vac.Technol.,B13
(6),p.2553−2555,1995、J.Va
c.Technol.,B13(6),p.2556−
2560,1995、及び、J.Vac.Techno
l.,B14(6),p.3821−3824,199
6参照)を用いることによって静電偏向器を薄型に構成
することができる。
【0030】(5)また、本発明は、上記(1)乃至
(4)において、偏向電極組を、同一電極支持部材1上
に複数組設けてマルチ静電偏向器を構成することを特徴
とする。
【0031】この様に、偏向電極組を、同一電極支持部
材1上に複数組設けてマルチ静電偏向器を構成すること
によって、多数の荷電粒子ビームを同時に試料に照射・
走査する装置を構成することができる。
【0032】(6)また、本発明は、走査型荷電粒子ビ
ーム装置において、上記(1)乃至(4)に記載の静電
偏向器を微小電子鏡筒の底面に配置し、この薄型静電偏
向器によって荷電粒子ビームを偏向することを特徴とす
る。
【0033】この様に、上記(1)乃至(4)に記載の
薄型静電偏向器を微小電子鏡筒の底面に配置して走査型
荷電粒子ビーム装置を構成することによって、短い作動
距離のもとで、広い走査範囲を得ることができる。
【0034】(7)また、本発明は、マルチ荷電粒子ビ
ーム型の走査型荷電粒子ビーム装置において、上記
(5)記載の薄型静電偏向器を構成する各偏向電極組の
それぞれに対し、個別の微小電子鏡筒及び微小荷電粒子
ビーム源を設けたことを特徴とする。
【0035】この様に、上記(5)記載のマルチ静電偏
向器を用いてマルチ荷電粒子ビーム型の走査型荷電粒子
ビーム装置を構成することによって、多数の荷電粒子ビ
ームを同時に試料に照射・走査する装置を構成すること
ができる。特に、荷電粒子ビームが電子ビームであり、
且つ、電極支持部材1が検出素子を兼ねる場合、隣接す
る偏向電極組間に働く派生電場によって検出信号間のク
ロストークを防止することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】ここで、図2乃至図9を参照し
て、本発明の各実施の形態を説明するが、まず、図2及
び図3を参照して、本発明の第1の実施の形態を説明す
る。なお、図2(a)は本発明の第1の実施の形態の静
電偏向器の概略的断面図であり、また、図2(b)は概
略的底面図であり、さらに、図3は本発明の第1の実施
の形態における走査範囲の説明図である。 図2(a)及び(b)参照 まず、中心部に直径が200μm以上の開口部を形成し
た厚さが、例えば、50μmのガラス基板11の上側の
主面にリン青銅及びAuの積層構造からなるとともに、
その総計の厚さが、例えば、30μmで、且つ、中心部
の直径が、例えば、200μmの電子ビーム通過孔14
を設けたドーナツ状の一様電極12を接着するととも
に、ガラス基板11の下側の主面にリン青銅及びAuの
積層構造からなるとともに、その総計の厚さが、例え
ば、30μmで、中央部に直径が200μmの電子ビー
ム通過孔14が形成される形状の8枚の扇状の偏向電極
13を接着して八極電極を形成することによって、薄型
静電偏向器の基本構成が完成する。
【0037】この様にガラス基板11の中心部に設ける
開口部の直径を200μm以上にすることによって、凹
部15を形成することができ、この凹部15を設けるこ
とによって、ガラス基板11の露出側端面に電子が蓄積
して偏向制御に影響を与えるチャージアップ現象を防止
することができる。
【0038】この様に構成した薄型静電偏向器を微小電
子鏡筒の鏡筒下端16に、微小電子鏡筒のアパーチャ1
7の中心軸と電子ビーム通過孔14の中心軸とが一致す
るように配置し、各偏向電極13には図2(b)に示し
た電圧を印加する。
【0039】即ち、Y軸を中心に右回りに、各偏向電極
13にkVX +VY 、VX +kVY、VX −kVY 、k
X −VY 、−kVX −VY 、−VX −kVY 、−VX
+kVY 、及び、−kVX +VY を印加するものであ
り、互いに対向する偏向電極13に印加される偏向電圧
は正負が逆になっている。なお、VX をX方向の偏向電
圧、VY をY方向の偏向電圧、及び、Vを偏向電圧の振
幅とすると、 −V≦VX ,VY ≦+V k=21/2 −1 で表される。
【0040】図3参照 次に、図3を参照して、走査範囲を説明すると、偏向電
極13と試料19の表面の距離、即ち、作動距離が、例
えば、1mmとなるように配置し、一様電極12を0V
にし、互いに対向する偏向電極13の一方に+150V
を印加し、他方に−150Vを印加した場合、1keV
の加速エネルギーの電子ビーム18に対して約200μ
mの走査範囲が見込まれることになり、上述の文献1の
場合よりも、距離で2倍、面積で4倍の走査範囲とな
り、従来よりも走査範囲を広くすることができる。
【0041】なお、この場合の偏向電極13による偏向
作用は、電子ビーム通過孔14の孔径程度の近傍の作動
空間内に形成された電場によって行われるが、この様な
偏向電場は、偏向電極13の対向面のみならず、偏平に
拡がった偏向電極13全体によって、特に、試料19と
偏向電極13との間の空間に形成されるものである。
【0042】また、この第1の実施の形態においては、
偏向電場による電子ビーム18の偏向は、対物レンズを
通過したのちに行われているので、従来のように通過前
に偏向されたために傾いた軌道で対物レンズを通過して
受ける電子ビームの歪みとは無縁であるので、より大き
な偏向が可能になり、それによっても、短い作動距離の
もとで広い走査範囲を得ることができる。
【0043】次に、図4(a)を参照して、本発明の第
2の実施の形態の静電偏向器を説明する。 図4(a)参照 まず、厚さが、例えば、50μmのSiC基板20の上
下の両主面にCrを蒸着することによって厚さが1μm
になるように堆積させたのち、選択的にエッチングする
ことによって、上面側においては一様電極12を形成
し、下面側においては8分割した扇状の偏向電極13か
らなる八極電極を形成する。
【0044】次いで、一様電極12、SiC基板20、
及び、偏向電極13を順次選択エッチングすることによ
って、中心部に直径が、例えば、200μmの開口部を
形成して電子ビーム通過孔14とすることによって、薄
型静電偏向器の基本構成が完成する。
【0045】この第2の実施の形態においては、上記の
第1の実施の形態における電極支持部材としてのガラス
基板を高抵抗のSiC基板20に置き換えたものであ
り、その他の構成は上記の第1の実施の形態とほぼ同様
である。この場合のSiC基板20の抵抗率は、電子ビ
ーム通過孔14に臨むSiC基板20の側端面における
電子のチャージアップが生じない程度の抵抗率にするも
のであり、それによって、SiC基板20に設ける開口
部を大きさを電子ビーム通過孔14の大きさと同じにす
ることができる。
【0046】また、この第2の実施の形態における各偏
向電極13は、機械的な組立ではなく、蒸着とパターニ
ングによって形成されるため、各偏向電極13の位置出
しが容易であり、給電パターンも共に作り込めるという
利点がある。
【0047】次に、図4(b)を参照して、本発明の第
3の実施の形態の静電偏向器を説明する。 図4(b)参照 まず、主面が(100)面のn型シリコン基板21の表
面にBイオンを注入してBドープ層22を形成したの
ち、表面を熱酸化してSiO2 膜23を形成する。次い
で、SiO2 膜12の全面にCrを蒸着することによっ
て厚さが1μmになるように堆積させたのち、エッチン
グすることによって、中央部を電子ビーム通過孔14を
有する8枚の偏向電極13からなる八極電極を形成する
とともに、SiO2 膜23及びBドープ層22の中央部
にも電子ビーム通過孔14となる開口部を形成する。
【0048】次いで、偏向電極13を形成した側を保護
するレジスト層(図示せず)を設けたのち、反対側の面
にレジストパターン(図示せず)を設け、このレジスト
パターンをマスクとして、エチレンジアミン及びピロカ
テコールの混合溶液であるEDPを用いて異方性エッチ
ングを施し、Bドープ層22が露出するまでエッチング
を行う。この場合、EDPは、Bドープ層22に対する
エッチングレートがn型シリコン基板21に対するエッ
チングレートの約1/50と極端に小さいため、Bドー
プ層22の表面でエッチングは自動的に停止する。ま
た、EDPは、シリコンの{111}面に対するエッチ
ングレートが、{100}面に対するエッチングレート
より著しく小さく、{111}面を残してエッチングが
進行するので、n型シリコン基板21の側面は{11
1}面で構成されることになる。
【0049】次いで、偏向電極13を保護するレジスト
層を除去したのち、全面にCrを蒸着によって総計の厚
さが1μmになるように堆積させ、次いで、新たに設け
たレジストパターン(図示せず)をマスクとしてエッチ
ングすることによって、中央部に電子ビーム通過孔14
を有するドーナツ状の一様電極12を形成する。
【0050】次いで、電子ビーム通過孔14が露出する
開口部を有する新たなレジストパターン(図示せず)を
マスクとして、SiO2 膜23の露出している側端面を
フッ酸緩衝液を用いて電子のチャージアップを防止する
凹部24をサイドエッチングによって形成することによ
ってシリコン基板を用いた薄型静電偏向器の基本構造が
完成する。
【0051】この様に、本発明の第3の実施の形態にお
いては、薄型静電偏向器を半導体集積回路装置の製造技
術を応用したマイクロマシニング技術によって形成して
いるため、寸法精度が高く、微小電子銃などのマイクロ
マシニング技術によって製作される他の電子光学要素と
の相性も良くなる。
【0052】次に、図5を参照して、本発明の第4の実
施の形態のマルチ静電偏向器を説明する。 図5参照 図5は、マルチ静電偏向器の概略的構成を示す斜視図で
あり、このマルチ静電偏向器は、一枚のSiC基板20
に複数の電子ビーム通過孔14をマトリクス状に設け、
この電子ビーム通過孔14が一致するように偏向電極1
3及び一様電極(図示せず)を設けたものである。
【0053】この様に8つの偏向電極13からなる八極
電極を複数マトリクス状に配置することによって、複数
の電子ビームを同時に照射・偏向することができる。ま
た、複数の八極電極を半導体製造技術を用いて形成して
いるので、複数の八極電極を集積化することによる製造
工程の増加はほとんど生じない。
【0054】次に、図6を参照して、本発明の第5の実
施の形態を説明する。なお、図6(a)は本発明の第5
の実施の形態の静電偏向器の概略的断面図であり、ま
た、図6(b)は概略的底面図である。 図6(a)及び(b)参照 まず、二次電子37の検出素子となり中央部に直径が、
例えば、200μmの電子ビーム通過孔34を設けたM
CP基板31を電極支持部材とし、このMCP基板過孔
34の上下の主面に蒸着されたNi−Crからな電極を
パターニングすることによって、上面側においてはドー
ナツ状の有孔一様電極32を形成するとともに、下面側
においては、8枚の扇状の有孔偏向電極33からなる八
極電極を形成することによって、薄型静電偏向器の基本
構成が完成する。
【0055】この場合、有孔偏向電極33及び有孔一様
電極32が検出素子電極を兼ねることになり、有孔偏向
電極33には図2(b)に示した電圧と同様に、オフセ
ット電圧VO を加えた偏向電圧VD が印加されて、電子
ビーム通過孔34を通過してきた電子ビームを偏向す
る。
【0056】また、有孔偏向電極33及び有孔一様電極
32との間には、増倍電圧VA が印加され、電子ビーム
を試料に照射することによって試料の表面で発生した二
次電子37はMCP基板31に設けられたチャンネル3
5内に入射し、チャンネル35の内壁に成膜された電子
放出係数の大きな高抵抗膜によって電子増倍され、増倍
された電子は検出電圧Vd の印加された信号検出電極3
6によって検出信号として検出される。
【0057】この様に、本発明の第5の実施の形態にお
いては、検出素子の検出面が偏向電極を兼ねることにな
るので、この様な薄型静電偏向器を用いることによって
走査型電子顕微鏡或いは走査型電子ビーム分析装置を構
成することができる。
【0058】次に、図7を参照して、本発明の第6の実
施の形態のマルチ静電偏向器を説明する。 図7参照 このマルチ静電偏向器は、上記の第5の実施の形態のM
CP基板31を用いた薄型静電偏向器を、上記の第4の
実施の形態と同様に複数の微小電子鏡筒を集積化した鏡
筒下端41に複数個マトリクス状に配置したものであ
り、偏向作用自体は上記の第5の実施の形態と全く同様
であり、互いに対向する有孔偏向電極33の間に偏向電
界ED が形成され、この偏向電界ED によって電子ビー
ム38は偏向されることになる。
【0059】しかし、この第6の実施の形態において
は、検出素子電極を兼ねる有孔偏向電極33からなる八
極電極を隣接して設けることになるので、互いに隣接す
る八極電極を構成する有孔偏向電極33の間に派生電界
P が形成される。したがって、個々の微小電子銃(図
示せず)から放出された電子ビーム38を試料39に照
射することによって、二次電子37,40が発生する
が、この二次電子37,40の内、隣接する検出素子に
向かう二次電子40は、上述の派生電界EP によって本
来の検出素子側に引き寄せられるので、各検出素子にお
いて検出された検出信号間のクロストークが防止される
ことになる。なお、この様な派生電界EP の大きさは、
クロストークが生じやすくなる偏向電界ED が大きくな
る時に合わせて大きくなるので、クロストーク防止効果
が顕著になる。
【0060】次に、図8を参照して、本発明の第7の実
施の形態を説明する。なお、図8(a)は本発明の第8
の実施の形態の静電偏向器の概略的断面図であり、ま
た、図8(b)は概略的底面図である。 図8(a)及び(b)参照 まず、アンドープシリコン基板51の上下の両主面にT
iを蒸着によって堆積させたのち、上面側からエッチン
グすることによって、一様電極52の外周部を形成し、
次いで、中央部に例えば、直径が200μmの開口部を
有する新たなレジストパターン(図示せず)を設け、こ
のレジストパターンをマスクとして一様電極52、アン
ドープシリコン基板51、及び、偏向電極53となるT
i膜を順次選択エッチングすることによって、電子ビー
ム通過孔54を形成する。
【0061】次いで、偏向電極53となる導電膜を、図
8(b)に示すように、幅が、例えば、250nmの櫛
歯状の偏向電極兼検出電極53と検出電極58との互い
の間隔が1.3μmになるようにパターニングすること
によって、薄型静電偏向器の基本構成が完成する。
【0062】この場合、偏向電極兼検出電極53が、M
SM型半導体検出素子の検出素子電極を兼ねることにな
り、偏向電極兼検出電極53には図2(b)に示した電
圧と同様に偏向電圧が印加されて、鏡筒下端55に設け
たアパーチャ56及び電子ビーム通過孔54を通過して
きた電子ビームを偏向する。
【0063】また、このMSM型半導体検出素子におい
ては、例えば、1keVの電子ビームによって、1ke
V以下の二次電子57が発生することになるが、この様
な1keV以下の二次電子57がアンドープシリコン基
板51に入射した場合、アンドープシリコン基板51の
表層で電子正孔対を発生させ、この発生した電子正孔対
をショットキーバリア電極を形成する偏向電極兼検出電
極53及び検出電極58によって検出信号として検出す
ることになる。
【0064】この様に、本発明の第7の実施の形態にお
いては、MSM型半導体検出素子の検出素子電極が偏向
電極を兼ねることになるので、この様な薄型静電偏向器
を用いることによって走査型電子顕微鏡或いは走査型電
子ビーム分析装置を構成することができる。なお、この
第7の実施の形態の薄型静電偏向器をマルチ化すること
によっても、上記の第6の実施の形態で説明したクロス
トーク防止効果が期待できる。
【0065】次に、図9(a)を参照して、本発明の第
8の実施の形態を説明する。 図9(a)参照 図9(a)は、本発明の第8の実施の形態の小型走査型
荷電粒子ビーム装置の概念的構成図であり、電子レンズ
62、二段の軸合わせ用偏向器63、及び、電子レンズ
64からなる微小電子鏡筒の下端に上述の第1乃至第7
の実施の形態の薄型の静電偏向器65を配置したもので
ある。
【0066】この様に、本発明の第1乃至第7の実施の
形態の静電偏向器65は非常に薄く、作動距離が短い微
小荷電粒子ビーム装置の電子レンズ65と試料66との
間に静電偏向器65を配置することができるので、荷電
粒子源61から放出された荷電粒子ビーム67を高い電
子光学特性を維持しながら広い走査範囲で走査すること
が可能になる。
【0067】次に、図9(b)を参照して、本発明の第
9の実施の形態を説明する。 図9(b)参照 図9(b)は、本発明の第9の実施の形態の小型走査型
荷電粒子ビーム装置の概念的構成図であり、上記の第8
の実施の形態の小型走査型荷電粒子ビーム装置をマトリ
クス状に配置してマルチ化したものである。この様に、
小型走査型荷電粒子ビーム装置をマルチ化することによ
って、複数の荷電粒子ビームを同時に試料に照射するこ
とができる。
【0068】この様な、マルチ荷電粒子ビーム型の小型
走査型荷電粒子ビーム装置においては、静電偏向器とし
て第5の実施の形態に示したMCP基板を用いた静電偏
向器を用い、且つ、荷電粒子源61として微小電子銃を
用いることによって、第6の実施の形態に示した通りの
クロストーク防止効果が得られる。なお、荷電粒子ビー
ムがプロトン等の正の電荷持つ粒子の場合には、偏向電
極の間の形成される偏向電界ED の向きが電子ビームの
場合と逆になり、したがって、偏向電極に印加する電圧
によって派生する派生電界EP の向きも逆になり、試料
66において発生する二次電子に対してはクロストーク
を助長する方向の電界となるので、クロストーク防止効
果は全く期待できない。
【0069】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は、各実施の形態に記載した構成に限られ
るものではなく、各種の変更が可能である。例えば、上
記の第1の実施の形態の説明においては、偏向電極をガ
ラス基板に接着することによって形成しているが、上記
の第2の実施の形態のように蒸着及びエッチングによっ
て形成しても良いものであり、その場合には、上記の第
4の実施の形態の様にマルチ化が可能になる。なお、こ
の場合には、上記の第3の実施の形態におけるSiO2
膜と同様にガラス基板を過剰にサイドエッチングして凹
部を形成する必要がある。
【0070】また、上記の第2の実施の形態において
は、電極支持部材となる高抵抗部材として、SiC基板
を用いているが、SiCに限られるものではなく、チャ
ージアップを防止できる程度の抵抗率を有し、且つ、選
択エッチングが容易な材料であれば使用可能である。
【0071】また、上記の第3の実施の形態において
は、異方性エッチャントとしてEDPを用いているがE
DPに限られるものではなく、エチレンジアミン及びカ
テコールの混合溶液であるEPWや、或いは、水酸化カ
リウム溶液(KOH)を用いても良い。なお、KOHを
用いる場合には、SiO2 膜に対するエッチングレート
も大きいので、SiO2 膜の代わりにSi3 4 膜を用
いる必要がある。
【0072】また、上記の各実施の形態において説明し
た製造工程の順序は、説明した順序に限られるものでは
なく、必要に応じて適宜変更可能である。例えば、上記
の第7の実施の形態においては、電子ビーム通過孔を形
成してから、偏向電極のパターニングを行っているが、
偏向電極のパターニングを行ったのちに、全体の電子ビ
ーム通過孔を形成しても良いものである。
【0073】また、上記の第7の実施の形態において
は、シリコンを用いてMSM型検出素子を構成している
が、GaAs等の他の半導体を用いてMSM型検出素子
を構成しても良いものである。
【0074】また、上記の各実施の形態においては、一
様電極を鏡筒下端に接するように配置しているが、一様
電極を形成せずに、鏡筒下端に、例えば、0Vを印加
し、一様電極を兼ねる様にしても良いものである。
【0075】また、上記の各実施の形態においては、偏
向電極を八極電極として説明しているが、八極電極に限
られるものではなく、十二極電極或いは二十極電極等で
あっても良く、さらには、場合によっては、二極電極或
いは四極電極でも良い。
【0076】また、上記の第1乃至第7の実施の形態に
おいては、荷電粒子ビームを電子ビームとして説明して
いるが、電子ビームに限られるものではなく、プロトン
や他の正の電荷を有する荷電粒子でも良く、例えば、正
の電荷を有する荷電粒子ビームを用いることによって、
微小FIB(Focus Ion Beam)装置とし
て用いることができる。なお、正の電荷を有する荷電粒
子ビームを用いた場合には、第9の実施の形態の場合と
同様に、上記の第6の実施の形態で説明したクロストー
ク防止効果は期待できない。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、マイクロマシニング技
術等を用いて薄型の静電偏向器を作製しているので、小
型走査型荷電粒子ビーム装置において、短い作動距離の
もとで高い分解能と広い走査範囲が得られ、且つ、集積
化によりマルチ化した場合には、検出信号間のクロスト
ークを防止することができ、それによって、微小エミッ
タを備えた小型走査型荷電粒子ビーム装置の実用化・高
性能化に寄与するころが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の静電偏向器の概略
的構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における走査範囲の
説明図である。
【図4】本発明の第2及び第3の実施の形態の静電偏向
器の概略的構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態のマルチ静電偏向器
の概略的構成図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態の静電偏向器の概略
的構成図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態のマルチ静電偏向器
の作用の説明図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態の静電偏向器の概略
的構成図である。
【図9】本発明の第8及び第9の実施の形態の小型走査
型荷電粒子ビーム装置の概念的構成図である。
【符号の説明】
1 電極支持部材 2 一様電極 3 偏向電極 4 ビーム通過孔 5 凹部 11 ガラス基板 12 一様電極 13 偏向電極 14 電子ビーム通過孔 15 凹部 16 鏡筒下端 17 アパーチャ 18 電子ビーム 19 試料 20 SiC基板 21 n型シリコン基板 22 Bドープ層 23 SiO2 膜 24 凹部 31 MCP基板 32 有孔一様電極 33 有孔偏向電極 34 電子ビーム通過孔 35 チャンネル 36 信号検出電極 37 二次電子 38 電子ビーム 39 試料 40 二次電子 41 鏡筒下端 51 アンドープシリコン基板 52 一様電極 53 偏向電極兼検出電極 54 電子ビーム通過孔 55 鏡筒下端 56 アパーチャ 57 二次電子 58 検出電極 61 荷電粒子源 62 電子レンズ 63 軸合わせ用偏向器 64 電子レンズ 65 静電偏向器 66 試料 67 荷電粒子ビーム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する少なくとも1対の偏向電
    極からなる偏向電極組を少なくとも1組を備えた薄型静
    電偏向器において、前記偏向電極の対向方向の長さを厚
    さより大きくして偏平状にし、試料と前記偏向電極との
    間の空間に主とした偏向作用を持つ電場を形成すること
    を特徴とする薄型静電偏向器。
  2. 【請求項2】 上記偏向電極を支持する電極支持部材
    が、絶縁性部材または高抵抗部材のいずれによって構成
    されることを特徴とする請求項1記載の薄型静電偏向
    器。
  3. 【請求項3】 上記偏向電極を支持する電極支持部材
    が、ボロンドープシリコン層の表面に絶縁膜を形成した
    部材からなり、且つ、前記ボロンドープシリコン層の周
    囲がn型シリコン枠部材で支持されていることを特徴と
    する請求項1記載の薄型静電偏向器。
  4. 【請求項4】 上記偏向電極を支持する電極支持部材
    が、二次電子及び反射電子の少なくとも一方を検出する
    検出素子であり、前記偏向電極は、前記検出素子の上記
    試料に対向する面に形成されることを特徴とする請求項
    1記載の薄型静電偏向器。
  5. 【請求項5】 上記偏向電極組を、同一電極支持部材上
    に複数組設けてマルチ静電偏向器を構成することを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の薄型静電
    偏向器。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    薄型静電偏向器を微小電子鏡筒の底面に配置し、前記薄
    型静電偏向器によって荷電粒子ビームを偏向することを
    特徴とする走査型荷電粒子ビーム装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の薄型静電偏向器を構成す
    る各偏向電極組のそれぞれに対し、個別の微小電子鏡筒
    及び微小荷電粒子ビーム源を設けたことを特徴とするマ
    ルチ荷電粒子ビーム型の走査型荷電粒子ビーム装置。
JP11072917A 1999-03-18 1999-03-18 薄型静電偏向器及び走査型荷電粒子ビーム装置 Withdrawn JP2000268755A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11072917A JP2000268755A (ja) 1999-03-18 1999-03-18 薄型静電偏向器及び走査型荷電粒子ビーム装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11072917A JP2000268755A (ja) 1999-03-18 1999-03-18 薄型静電偏向器及び走査型荷電粒子ビーム装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000268755A true JP2000268755A (ja) 2000-09-29

Family

ID=13503196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11072917A Withdrawn JP2000268755A (ja) 1999-03-18 1999-03-18 薄型静電偏向器及び走査型荷電粒子ビーム装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000268755A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6717144B2 (en) 2001-12-04 2004-04-06 Kabushiki Kaisha Topcon Scanning electron microscope system
JP2009529777A (ja) * 2006-11-24 2009-08-20 ツェーエーオーエス コレクテッド エレクトロン オプチカル システムズ ゲーエムベーハー 位相板、結像方法および電子顕微鏡
JP2016076548A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 株式会社ニューフレアテクノロジー ブランキングアパーチャアレイ及び荷電粒子ビーム描画装置
WO2016117099A1 (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置、荷電粒子線装置用光学素子、及び、荷電粒子線装置用部材の製造方法
JP2017108146A (ja) * 2011-04-27 2017-06-15 マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ. 一つ以上の荷電粒子ビームのマニピュレーションのためのマニピュレーターデバイスを備えている荷電粒子システム
KR20220134790A (ko) * 2015-07-22 2022-10-05 에이에스엠엘 네델란즈 비.브이. 복수의 하전 입자 빔을 이용하는 장치
WO2023197150A1 (zh) * 2022-04-12 2023-10-19 华为技术有限公司 一种电子束矫正器、其制备方法及扫描电子显微镜

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6717144B2 (en) 2001-12-04 2004-04-06 Kabushiki Kaisha Topcon Scanning electron microscope system
JP2009529777A (ja) * 2006-11-24 2009-08-20 ツェーエーオーエス コレクテッド エレクトロン オプチカル システムズ ゲーエムベーハー 位相板、結像方法および電子顕微鏡
EP3648114A1 (en) * 2011-04-27 2020-05-06 ASML Netherlands B.V. Manipulator device for manipulation of one or more charged particle beams and charged particle system comprising the same
EP2702595B1 (en) * 2011-04-27 2020-01-15 ASML Netherlands B.V. Charged particle system comprising a manipulator device for manipulation of one or more charged particle beams
JP2017108146A (ja) * 2011-04-27 2017-06-15 マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ. 一つ以上の荷電粒子ビームのマニピュレーションのためのマニピュレーターデバイスを備えている荷電粒子システム
JP2016076548A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 株式会社ニューフレアテクノロジー ブランキングアパーチャアレイ及び荷電粒子ビーム描画装置
US10170273B2 (en) 2015-01-23 2019-01-01 Hitachi High-Technologies Corporation Charged particle beam device, and method of manufacturing component for charged particle beam device
WO2016117628A1 (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置、及び荷電粒子線装置用部材の製造方法
WO2016117099A1 (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置、荷電粒子線装置用光学素子、及び、荷電粒子線装置用部材の製造方法
DE112016000249B4 (de) 2015-01-23 2022-10-06 Hitachi High-Tech Corporation Ladungsteilchenstrahl-vorrichtung und verfahren zum herstellen eines bauelements für die ladungsteilchenstrahl-vorrichtung
KR20220134790A (ko) * 2015-07-22 2022-10-05 에이에스엠엘 네델란즈 비.브이. 복수의 하전 입자 빔을 이용하는 장치
US11587758B2 (en) 2015-07-22 2023-02-21 Asml Netherlands B.V. Apparatus of plural charged-particle beams
US11887807B2 (en) 2015-07-22 2024-01-30 Asml Netherlands B.V. Apparatus of plural charged-particle beams
KR102651558B1 (ko) 2015-07-22 2024-03-26 에이에스엠엘 네델란즈 비.브이. 복수의 하전 입자 빔을 이용하는 장치
WO2023197150A1 (zh) * 2022-04-12 2023-10-19 华为技术有限公司 一种电子束矫正器、其制备方法及扫描电子显微镜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4459568B2 (ja) マルチ荷電ビームレンズおよびそれを用いた荷電ビーム露光装置
Kratschmer et al. Experimental evaluation of a 20× 20 mm footprint microcolumn
US6946662B2 (en) Multi-charged beam lens, charged-particle beam exposure apparatus using the same, and device manufacturing method
US6972406B2 (en) Mass spectrometry
US8110801B2 (en) Layered scanning charged particle microscope package for a charged particle and radiation detector
WO2002086941A1 (en) Detector optics for electron beam inspection system
CN115244645A (zh) 多射束生成和多射束偏转单元的某些改进
US6288401B1 (en) Electrostatic alignment of a charged particle beam
US20060033035A1 (en) Electron microscope array for inspection and lithography
JP2007266525A (ja) 荷電粒子線レンズアレイ、該荷電粒子線レンズアレイを用いた荷電粒子線露光装置
JP2000268755A (ja) 薄型静電偏向器及び走査型荷電粒子ビーム装置
JP3834271B2 (ja) マルチ荷電ビームレンズ及びこれを用いた荷電粒子線露光装置ならびにデバイス製造方法
US6130429A (en) Miniaturized secondary electron detector
Muray et al. Performance measurements of a 1‐keV electron‐beam microcolumn
Krysztof et al. Fabrication and characterization of a miniaturized octupole deflection system for the MEMS electron microscope
JP2004165499A (ja) 電子レンズ、その電子レンズを用いた荷電粒子線露光装置、デバイス製造方法
JP2007123599A (ja) 荷電粒子線レンズアレイ及び該レンズアレイを用いた荷電粒子線露光装置
CN114026670B (zh) 用于分析粒子,并且具体是粒子质量的系统
JP2003513407A (ja) 改良された熱電界放出の整列
JP4252813B2 (ja) 荷電ビーム用レンズ、荷電ビーム露光装置及びデバイス製造方法
EP0745266B1 (en) Chromatically compensated particle-beam column
Stalder et al. Micromachined array of electrostatic energy analyzers for charged particles
JP4402077B2 (ja) 荷電粒子線レンズアレイ、露光装置及びデバイス製造方法
TW202312206A (zh) 聚焦能力增進的多射束產生單元
JPH07249391A (ja) 電子ビーム装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606