JP2000267013A - 光学要素切換装置 - Google Patents

光学要素切換装置

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JP2000267013A
JP2000267013A JP11066366A JP6636699A JP2000267013A JP 2000267013 A JP2000267013 A JP 2000267013A JP 11066366 A JP11066366 A JP 11066366A JP 6636699 A JP6636699 A JP 6636699A JP 2000267013 A JP2000267013 A JP 2000267013A
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crank
optical element
pulse motor
prism
moving block
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Mamoru Yasuda
守 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学要素の切換え時における衝撃の発生を防止
するとともに、発熱を抑える光学要素切換装置を提供す
ること。 【解決手段】光学要素(1,2)の光路(a)上への切
換えを行なう光学要素切換装置であり、前記光学要素
(1,2)を保持し、前記光路(a)に対して交差する
方向へ移動する移動部材(3)と、この移動部材(3)
の移動を電動で駆動する駆動手段(9)と、この駆動手
段(9)から前記移動部材(3)への駆動伝達経路中
で、前記駆動手段(9)による回転運動を直線運動に変
換する変換手段(6,7,8)と、を具備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多種の光学要素を
切換える機能を有する光学機器、例えば顕微鏡などに搭
載される光学要素の光学要素切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生物の研究分野において、細胞内
の情報伝達機構の解明が進んでいる。特に、情報伝達に
とって重要であるカルシウムイオンが注目されており、
細胞内部だけでなく細胞膜を介したイオン動作の解析が
重視されている。細胞内のイオン濃度測定には、fur
a−2などイオン感受性蛍光色素を用いた蛍光観察が利
用されている。また、細胞膜におけるイオンの動きは、
パッチクランプ法による電気現象の解析で測定される。
この二種類の測定は一台の顕微鏡下で同時に行なうこと
が可能である。
【0003】このような測定を行なう場合、まず、準備
手順としてイオン感受性蛍光色素を導入した細胞を用意
し、その外側の膜に微少なガラス電極を密着させる。こ
のとき、10〜20μm程度の細胞に1〜2μm径の電
極を押し当てるので、顕微鏡による目視観察あるいはT
V観察が必要である。次に、顕微鏡にて光学素子を蛍光
観察用に切り換える。この状態で、細胞内部のカルシウ
ムイオンの濃度変化と、細胞膜をはさんだイオンの動き
を同時に記録することが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の顕微鏡では、特
開平7−325240号公報に開示されているように、
照明光路上や観察光路上の光学素子を切換える電動切換
機構の位置決め機構に、クリック溝と板バネ等を用いた
クリック部材とを採用している。この方式では、高い位
置決め精度が確保できるが、クリック溝にクリック部材
が落ち込むときに発生する衝撃を避けられない。
【0005】また、従来のレーザ走査型蛍光顕微鏡に
は、特開平7−199081号公報に開示されているよ
うに、有害なレーザ光が誤って観察者の肉眼に入らない
ようにする安全シャッタが設定されているものがある。
このシャッタの位置決めは、シャッタをストッパに当て
付ける方式であるため、やはり衝撃が生じる。
【0006】パッチクランプ法では上述したように、電
極の先端を細胞膜に押し当てて吸引しているだけなの
で、わずかな衝撃が発生しただけでも、その衝撃により
電極が細胞から外れてしまう。すなわち従来の顕微鏡で
は、細胞をクランプしてから光学素子の切換えやシャッ
タの開閉を行なって観察方法を変更すると、衝撃で電極
が細胞から外れてしまう可能性が高かった。
【0007】また、特開平10−232355号公報に
は、衝撃対策を施したシャッタ機構が開示されている。
この機構は、モータあるいは電磁石に電力を供給し続
け、シャッタを開放した状態で維持するものである。
【0008】一般に、細胞の研究では、長時間にわたり
観測を継続することは稀でない。顕微鏡では対象となる
細胞を拡大観察しているので、わずか数μmの位置変化
が生じても像ズレやボケが生じてしまう。そのため、像
ズレやボケが時間の経過に伴って生じてしまうと、正確
な観察が行なえない。
【0009】像ズレやボケが時間の経過に伴って生じて
しまう位置変化の原因としては、主に温度変化による顕
微鏡本体の変形が挙げられる。よって、観測をしている
間は顕微鏡本体の温度変化でさえも許されない。
【0010】しかしながら、特開平10−232355
号公報に記載のシャッタ機構では、シャッタを開放した
状態で維持するために、モータあるいは電磁石に電力を
供給し続ける必要があり、それによってモータや電磁石
が発熱して、顕微鏡本体を熱で変形させてしまう可能性
があった。
【0011】この対策として、観測を開始する前にモー
タや電磁石に通電しておいて、熱平衡状態になるまで待
機することが考えられる。この場合、発生する熱量と顕
微鏡の熱容量にもよるが、平衡状態になるまでに数時間
を必要とすることになり、研究効率に大きな支障をきた
す。
【0012】本発明の目的は、光学要素の切換え時にお
ける衝撃の発生を防止するとともに、発熱を抑える光学
要素切換装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、本発明の光学要素切換装置は以下の如
く構成されている。
【0014】(1)本発明の光学要素切換装置は、光学
要素の光路上への切換えを行なう光学要素切換装置であ
り、前記光学要素を保持し、前記光路に対して交差する
方向へ移動する移動部材と、この移動部材の移動を電動
で駆動する駆動手段と、この駆動手段から前記移動部材
への駆動伝達経路中で、前記駆動手段による回転運動を
直線運動に変換する変換手段と、から構成されている。
【0015】(2)本発明の光学要素切換装置は上記
(1)に記載の装置であり、かつ前記移動部材に対して
その移動方向への外力を与えた場合に前記変換手段に回
転モーメントが発生しない位置へ、前記光学要素を位置
させる。
【0016】上記手段を講じた結果、それぞれ以下のよ
うな作用を奏する。
【0017】(1)本発明の光学要素切換装置によれ
ば、移動部材の加減速変化が緩やかになり、切換える光
学要素の位置決めに際して位置決めクリックや当て付け
が存在しないため、パッチクランプが外れるような衝撃
の発生がなくなる。また、光学要素の位置保持のために
電力供給をする必要がないため、電動部の発熱を少なく
抑えることができる。
【0018】(2)本発明の光学要素切換装置によれ
ば、移動部材に移動方向への外力を与えてもクランク等
の変換手段に回転モーメントが発生しない位置で駆動手
段が停止するように駆動パターンを設定し、この位置で
移動部材を保持し光学要素を機能させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1は、本
発明の第1の実施の形態に係る光学要素切換装置を搭載
可能な顕微鏡を示す図である。この顕微鏡にて落射蛍光
観察を行なう場合、水銀ランプ等の光源101から出た
光はコレクタレンズ102により集光され、シャッタ1
03に導かれる。シャッタ103が開いた状態であれ
ば、光は調光用フィルター104、開口絞り105、及
び視野絞り106を通過して、励起フィルター107を
通りダイクロイックミラー108により反射され、対物
レンズ109によりステージ110上に載置された標本
111に導かれ、この標本111を励起する。
【0020】この標本111から発した蛍光は、対物レ
ンズ109により集光され、ダイクロイックミラー10
8及び吸収フィルター112を通過し、結像レンズ11
3により集光され、プリズム114により接眼光学系1
15または写真光学系116に導かれる。以下、本実施
の形態では、観察光路において上記プリズム114に代
えて二種類のプリズムを切換え可能とする光学要素切換
装置について説明する。
【0021】図2は、上記光学要素切換装置の構成を示
す斜視図である。図2において、プリズム1は光路中の
光を写真光学系116へ20パーセント透過して接眼光
学系115へ80%反射するもので、プリズム2は光路
中の光を写真光学系116へ80パーセント透過して接
眼光学系115へ20%反射するものであり、それぞれ
移動ブロック3の垂直面31に並んで固定されている。
【0022】棒(ガイドレール)4と棒(ガイドレー
ル)5は、上下方向へ互いに平行をなし、かつ各プリズ
ム1,2における光路中の光を反射する平面と平行をな
すよう顕微鏡本体に固定されている。さらに、棒4は移
動ブロック3を貫通し、棒5は移動ブロック3下部の溝
32内で移動ブロック3を摺動自在に保持している。こ
れにより移動ブロック3は、棒4と棒5に軸心方向で摺
動自在な状態となるように保持されている。
【0023】また移動ブロック3の垂直面31には、プ
リズム1と並んでL字型のプレート6が固着されてお
り、移動ブロック3とプレート6の一端面とは一体化さ
れている。また、プレート6の他端面は、ほぼ水平をな
しプリズム1,2より低く位置する案内部61を有して
いる。この案内部61には、ローラ7の直径よりやや広
くローラ7を移動可能とする嵌合幅を有する長孔62が
設けられている。ローラ7は、回転可能な状態でクラン
ク8の一端部に保持されており、クランク8はその重心
が顕微鏡本体に固定されているパルスモータ9の回転軸
91に固定されている。
【0024】これにより、クランク8がパルスモータ9
の回転軸91を中心に回転すると、ローラ7はプレート
6の長孔62内を長手方向へ回転しながら移動する。ま
た、クランク8の他端部には図示しないバランサが設け
られているため、クランク8はパルスモータ9の回転軸
91を中心にしてバランスが保たれている。
【0025】以下、図3(a)〜(c)に示す平面図を
基に、上記光学要素切換装置におけるプリズムの切換動
作について述べる。なお、図3の(a)〜(c)におい
て図2と同一な部分には同符号を付してある。
【0026】図3の(a)は、プリズム1が光軸aの位
置に保持されている状態を示す平面図である。このと
き、クランク8の一端部におけるローラ7の中心とパル
スモータ9の回転軸91の中心とを結ぶ直線は、クラン
ク8の上死点と下死点とを結ぶ直線であり、棒4と棒5
すなわち移動ブロック3が移動する方向と平行をなす。
【0027】この状態では、移動ブロック3に移動方向
への負荷が加わっても、クランク8には回転モーメント
が生じない。さらに、クランク8はパルスモータ9の回
転軸91中心でバランスが保たれているので、振動など
により回転することもない。したがって、パルスモータ
9を励磁保持しなくても、クランク8が動くことはな
い。
【0028】図3の(b)は、プリズム2が光軸aの位
置へ移動している途中の状態を示す平面図である。駆動
源であるパルスモータ9は、図示しない制御部からの指
令パルスに応じて、回転軸91を中心にクランク8を時
計回り方向に回転させる。これにより、クランク8の一
端部におけるローラ7はプレート6の長穴の中を回転し
ながら移動(摺動)し、プレート6を時計回り方向へ押
すので、プレート6と一体になっている移動ブロック3
を棒4と棒5に沿って図中右方向へ移動する。
【0029】ここで、パルスモータ9の角速度をω、時
間経過をt、ローラ7の中心とパルスモータ9の回転軸
91の中心とのなす距離をrとすると、移動ブロック3
の移動距離dは、r・(1−cosωt)となる。な
お、rはプリズム1とプリズム2の切換距離(移動距
離)の1/2である。
【0030】次に、移動ブロック3の加速度Aは、移動
距離dを時間tで微分した値であるので、rω・sin
ωtとなる。つまり、パルスモータ9の角速度ωの変化
に関わらず、移動ブロック3の加速度Aは移動開始から
徐々に増加し、移動停止に向け徐々に減少する。加速度
Aの急激な変化は衝撃の発生と密接に関係しており、前
述したように移動ブロック3が緩やかに変化すること
で、衝撃が極めて小さくなる。
【0031】図3の(c)は、プリズム2が光軸aの位
置への移動を終えた状態を示す平面図である。この状態
では、パルスモータ9の回転軸91は図3の(a)の状
態から180°回転している。移動ブロック3の速度は
停止前に徐々に減少するため、停止時の衝撃も極めて小
さい。さらに、プリズム1,2は光路中の光を反射する
平面に対して平行に移動しているので、停止位置の精度
が少々低くても光学性能に影響しない。つまり、プレー
ト6の長孔62とローラ7との間の嵌合隙間や、パルス
モータ9の軸受け隙間に起因する停止位置のばらつきは
許容されるため、上述した従来の如き位置決めのための
クリック機構は必要なくなる。したがって、クリックが
溝に落ち込む時の衝撃が存在しなくなる。
【0032】この場合でも、図3の(a)と同様にクラ
ンク8の一端部におけるローラ7の中心とパルスモータ
9の回転軸91の中心とを結ぶ直線は、移動ブロック3
が移動する方向と平行になる。よって、図3の(c)の
場合も同様にクランク8には回転モーメントが生じな
い。さらに、パルスモータ9の軸中心でクランク8のバ
ランスがとれているので、パルスモータ9を励磁保持し
なくても、クランク8は回転することがない。このよう
にクランク8が動かないので、移動ブロック3の位置は
保持される。
【0033】つまり、プリズム1とプリズム2を切換え
る時のみパルスモータ9に電力供給をするので、パルス
モータ9の温度上昇を低く抑えることができる。よっ
て、顕微鏡が熱平衡状態になるまで待機する時間が短縮
される。さらに、光路切換後は全く通電をしないので、
観察中や画像取得中に顕微鏡が熱変形することもない。
【0034】なお、光軸aの位置に保持されているプリ
ズム2をプリズム1に切換える場合、パルスモータ9
は、図示しない制御部からの指令パルスに応じて、回転
軸91を中心にクランク8を反時計回り方向に回転させ
る。これにより、上述したクランク8の時計回り方向へ
の回転とは逆の経過、すなわち図3の(c),(b),
(a)の順の状態を経てプリズム1が光軸aの位置へ移
動される。
【0035】以上のように本第1の実施の形態によれ
ば、極めて少ない部品点数で低衝撃かつ低発熱の光学要
素切換装置を実現できる。また、クランク8の停止位置
をパルスモータ9への指令パルス数で調整できるため、
各機構の位置関係に高い精度が要求されることはない。
このため、従来に比べて光学要素切換装置の組立て時間
を削減できる。
【0036】(第1の実施の形態の変形例)上記第1の
実施の形態ではプリズムの切換えを行なったが、プリズ
ム1,2の代わりにフィルタやシャッタなどを設け、そ
れらの切換えに適用することもできる。また、移動ブロ
ック3のレールや駆動源であるモータの種類は限定され
るものでない。例えば、移動ブロック3の移動軌跡は直
線に限らず円弧でもよく、また移動ブロック3を多リン
クにより揺動するよう構成してもよい。
【0037】また、図2に示したプレート6、ローラ
7、クランク8、パルスモータ9からなる機構を、移動
ブロック3の裏側の垂直面(プリズム1,2が固定され
ていない垂直面)に設けても、同様に動作させることが
できる。
【0038】また、クランク8の動作は180°回転さ
せるのでなく、図3の(d)に示すようにプレート6と
長穴62を延長して360°回転させるよう構成して
も、その作用は同様である。この場合、プリズム10と
プリズム11の光軸a上への切換えは、双方向ともパル
スモータ14によりクランク8を一方向へのみ回転させ
ることで行なえるため、モータを制御する電気回路やロ
ジックを簡略化できる。
【0039】また、モータとクランクの間に減速機構を
追加してもよい。モータの減速比を大きくすれば必要な
動力も少なくなるので、モータを小型化できる。これは
空間の節約だけでなく、モータの低発熱化にも効果があ
る。さらに、クランクを外力で動かすことが困難になる
ため、バランサが不要になるとともに、搬送中など振動
が激しい状況でも位置が変わるおそれがない。
【0040】(第2の実施の形態)図4は、本発明の第
2の実施の形態に係る光学要素切換装置の構成を示す斜
視図である。この光学要素切換装置は図1に示した顕微
鏡に搭載される。図4において、プリズム10は光路中
の光を写真光学系116へ20パーセント透過して接眼
光学系115へ80%反射するもので、プリズム11は
光路中の光を写真光学系116へ80パーセント透過し
て接眼光学系115へ20%反射するものであり、それ
ぞれ移動ブロック12の垂直面121に並んで固定され
ている。
【0041】棒(ガイドレール)13と棒(ガイドレー
ル)14は、上下方向へ互いに平行をなし、かつ各プリ
ズム10,11における光路中の光を反射する平面と平
行をなすよう顕微鏡本体に固定されている。さらに、棒
13は移動ブロック12を貫通し、棒14は移動ブロッ
ク12下部の溝122内で移動ブロック12を摺動自在
に保持している。これにより移動ブロック12は、棒1
3と棒14に軸心方向で摺動自在な状態となるように保
持されている。
【0042】また移動ブロック12の垂直面121に
は、ほぼ水平をなしプリズム10,11より低く位置す
るプレート123が設けられている。このプレート12
3には、リンク15の一端部が移動ブロック12に対し
て回動可能な状態で軸支されている。リンク15の他端
部は、クランク16に対して回動可能な状態でクランク
16の一端部に軸支されている。パルスモータ17は減
速機18と一体になっており、回転が減速される減速機
18の出力軸181にクランク16の他端部が軸支され
ている。なお、パルスモータ17の図示しない回転軸は
減速機18の出力軸181に嵌着している。
【0043】以下、図5(a)〜(c)に示す平面図を
基に、上記光学要素切換装置におけるプリズムの切換動
作について述べる。なお、図5の(a)〜(c)におい
て図4と同一な部分には同符号を付してある。
【0044】図5の(a)は、プリズム10が光軸aの
位置に保持されている状態を示す平面図である。このと
き、リンク15の両端部における結合中心とクランク1
6の回転中心である出力軸181の中心とは一直線上に
ある。この直線は、クランク15の上死点と下死点とを
結ぶ直線であり、棒13と棒14すなわち移動ブロック
12が移動する方向と平行をなす。
【0045】この状態では、移動ブロック12に移動方
向への負荷が加わっても、クランク16には回転モーメ
ントが生じない。さらに、クランク16は減速機18に
より振動などの外力で回転しない程度まで減速されてい
る。したがって、パルスモータ17を励磁保持しなくて
も、クランク16が動くことはない。
【0046】図5の(b)は、プリズム11が光軸aの
位置へ移動している途中の状態を示す平面図である。駆
動源であるパルスモータ17は、図示しない制御部から
の指令パルスに応じて、出力軸181を中心にクランク
16を反時計回り方向に回転させる。このとき、クラン
ク16はリンク15及びプレート123を介して移動ブ
ロック12と連結しているので、移動ブロック12を棒
13と棒14に沿って図中右方向へ移動する。このとき
も、移動ブロック12の加速度は移動開始から徐々に増
加するため、衝撃が極めて小さくなる。
【0047】図5の(c)は、プリズム11が光軸aの
位置への移動を終えた状態を示す平面図である。この状
態では、減速機18の出力軸181は図5の(a)の状
態から180°回転している。移動ブロック12の速度
も停止前に徐々に減少するため、停止時の衝撃も極めて
小さい。さらに、プリズム10,11は光路中の光を反
射する平面に対して平行に移動しているので、停止位置
の精度が少々低くても光学性能に影響しない。つまり、
各結合部の隙間や減速機18のバックラッシュ、及び出
力軸181の軸受け隙間に起因する停止位置のばらつき
は許容されるため、上述した従来の如き位置決めのため
のクリック機構は必要なくなる。したがって、クリック
が溝に落ち込む時の衝撃が存在しなくなる。
【0048】この場合でも、図5の(a)と同様にリン
ク15の両端部における結合中心とクランク16の回転
中心とは一直線上にあり、移動ブロック12が移動する
方向と平行になる。よって、図5の(c)の場合も同様
にクランク16には回転モーメントが生じない。さら
に、クランク16は減速機18により減速されているの
で、振動などの外力で回転することもない。したがっ
て、パルスモータ14を励磁保持しなくてもクランク1
6は回転しないので、移動ブロック12の位置は保持さ
れる。
【0049】つまり、プリズム10とプリズム11を切
換える時のみパルスモータ17に電力供給をするので、
パルスモータ17の温度上昇を低く抑えることができ
る。よって、顕微鏡が熱平衡状態になるまで待機する時
間が短縮される。さらに、光路切換後は全く通電しない
ので、観察中や画像取得中に顕微鏡が熱変形することも
ない。
【0050】なお、図5の(c)に示す光軸aの位置に
保持されているプリズム11をプリズム10に切換える
場合、パルスモータ17は、図示しない制御部からの指
令パルスに応じて、出力軸181を中心にクランク16
をさらに反時計回り方向に180°回転させる。これに
より、移動ブロック12を棒13と棒14に沿って図中
左方向へ移動し、図5の(d)に示す状態を経て図5の
(a)に示す状態になる。すなわち、プリズム10とプ
リズム11の光軸a上への切換えは、双方向ともパルス
モータ14によりクランク16を反時計回り方向または
時計回り方向の一方向へのみ回転させることで行なえ
る。
【0051】あるいは、光軸aの位置に保持されている
プリズム11をプリズム10に切換える場合、図示しな
い制御部からの指令パルスにより、パルスモータ14で
クランク16を時計回り方向に回転させることもでき
る。この場合、プリズム10をプリズム11に切換える
場合と逆の経路、すなわち図5の(c),(b),
(a)の順の状態を経てプリズム10が光軸aの位置へ
移動される。
【0052】以上のように本第2の実施の形態によれ
ば、クランク16は減速機18により減速されるので、
外力で回転することがない。よって、リンク15の両端
部の結合中心とクランク16の回転中心とを厳密に一直
線上にする必要がない。さらにこの位置では、クランク
16の回転角による移動ブロック12の移動距離への影
響は少ない。したがって、各機構の位置関係とパルスモ
ータ17の指令パルス数の精度は高くなくてもよい。ま
た、移動ブロック12とパルスモータ17など、駆動機
構の相互位置がリンク15の長さで決まる。よって、機
構レイアウトの自由度が大きくなる。
【0053】(第2の実施の形態の変形例)図4に示し
たプレート123、リンク15、クランク16、パルス
モータ17、減速機18からなる機構を、移動ブロック
12の裏側の垂直面(プリズム10,11が固定されて
いない垂直面)に設けても、同様に動作させることがで
きる。
【0054】また、パルスモータ17の代わりに直流モ
ータを用いるとともに、移動ブロック12の棒13と棒
14における位置を検出するセンサを設けることで、こ
のセンサで検出された移動ブロック12の位置を基に、
上記制御部で前記直流モータへの通電を制御し、移動ブ
ロック12の加速度を移動開始から徐々に増加し、移動
停止に向け徐々に減少するよう制御することもできる。
【0055】さらに、リンク15とプレート123、リ
ンク15とクランク16、あるいはクランク16と出力
軸181の回転自在な結合部に与圧式軸受けを採用する
ことで、より一層高精度な位置再現性が得られる。ま
た、前記結合部にピロボールなどの許容範囲の大きい軸
受けを採用することで、さらにレイアウトの自由度が広
がる。
【0056】本発明の実施の形態による光学要素切換装
置は、プリズムなどの光学要素を保持して移動する移動
部材を、モータ等の回転運動による駆動機構に設けられ
たクランクからリンクやカムを介して移動させる装置で
あり、前記移動部材に移動方向への外力を与えても前記
クランクに回転モーメントが発生しない位置が存在し、
この位置へ前記光学素子を移動してその機能を発揮させ
るよう構成されてる。そして、この位置で光学素子が停
止するようにモータの駆動パターンを設定することで、
外部から回転モーメントが加わらない状態で移動部材を
保持することができる。
【0057】また、上記光学要素としてはプリズムに限
らず、観察方法の変更に応じてフィルタ、シャッタ、ミ
ラーなどを適用でき、例えばシャッターの場合、移動部
材が移動することで開閉がなされることになる。そし
て、顕微鏡の目視観察光路と蛍光光路などの切換機構
や、励起レーザ光路を遮断するシャッタ機構に本装置を
適用することで、動作衝撃を防止するとともに発熱を最
小限に抑えた電動機構を実現できる。
【0058】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されず、要旨を変更しない範囲で適時変形して実施でき
る。例えば、本発明による光学要素切換装置は、生物分
野に用いられる顕微鏡に限らず、衝撃や顕微鏡本体の変
形の防止を必要とする工業分野に用いられる顕微鏡にも
適用できる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、光学要素の切換え時に
おける衝撃の発生を防止するとともに、発熱を抑える光
学要素切換装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の実施の形態に係る光学
要素切換装置を適用した顕微鏡を示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光学要素切換
装置の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る光学要素切換
装置におけるプリズムの切換動作と変形例を示す平面
図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る光学要素切換
装置の構成を示す斜視図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光学要素切換
装置におけるプリズムの切換動作を示す平面図。
【符号の説明】
1…プリズム 2…プリズム 3…移動ブロック 31…垂直面 32…溝 4…棒(ガイドレール) 5…棒(ガイドレール) 6…プレート 61…案内部 62…長孔 7…ローラ 8…クランク 9…パルスモータ 91…回転軸 10…プリズム 11…プリズム 12…移動ブロック 121…垂直面 122…溝 123…プレート 13…棒(レール) 14…棒(レール) 15…リンク 16…クランク 17…パルスモータ 18…減速機 181…出力軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学要素の光路上への切換えを行なう光学
    要素切換装置であり、 前記光学要素を保持し、前記光路に対して交差する方向
    へ移動する移動部材と、 この移動部材の移動を電動で駆動する駆動手段と、 この駆動手段から前記移動部材への駆動伝達経路中で、
    前記駆動手段による回転運動を直線運動に変換する変換
    手段と、 を具備したことを特徴とする光学要素切換装置。
  2. 【請求項2】前記移動部材に対してその移動方向への外
    力を与えた場合に前記変換手段に回転モーメントが発生
    しない位置へ、前記光学要素を位置させることを特徴と
    する請求項1に記載の光学要素切換装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002131653A (ja) * 2000-10-26 2002-05-09 Nikon Corp 顕微鏡
JP2002365556A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Olympus Optical Co Ltd 顕微鏡用落射照明装置

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