JP2000266722A - 酸化還元物質濃度の測定装置 - Google Patents

酸化還元物質濃度の測定装置

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JP2000266722A
JP2000266722A JP11075221A JP7522199A JP2000266722A JP 2000266722 A JP2000266722 A JP 2000266722A JP 11075221 A JP11075221 A JP 11075221A JP 7522199 A JP7522199 A JP 7522199A JP 2000266722 A JP2000266722 A JP 2000266722A
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potential
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oxidation
detection electrode
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Fumio Nakayama
文雄 中山
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 参照電極電位が変動しても自動的に容易に印
加電位を補正し、連続的に安定して酸化還元物質濃度を
計測できることを目的とする。 【解決手段】 測定対象物質検出の検出極2と、対極3
と、検出極電位の基準電位となる参照電極4と、被測定
液の酸化還元物質によって生じる検出極の酸化還元電流
を検出する酸化還元電流検出部5と、参照電極内部の電
解質溶液の比電気伝導度を検出する比電気伝導度検出部
8と、比電気伝導度により参照電極の水素尺度による電
位を算出する演算部9と、検出極・参照電極間の電位差
を検出する電圧計6と、検出極・対極間に電圧を印加す
る可変電源部7とを有し、演算部は、参照電極の水素尺
度による電位と電圧計で検出した検出極・参照電極間の
電位差とを用いて検出極の水素尺度による電位を一定と
するように可変電源部が印加する検出極・対極間電圧を
制御すると共に検出酸化還元電流を入力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定液に含まれ
る測定対象物質の濃度を検出極での酸化還元反応により
求める酸化還元物質濃度の測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】検出極、対極および参照電極からなる電
極構成を有する測定装置においては、参照電極の電位を
基準として検出極の電位を決定し、その検出極の電位が
被測定液に含まれる測定対象物質の検出電位となるよう
な電位(測定対象物質の酸化還元反応が生じる電位)に
設定された時に得られる電流値から測定対象物質の濃度
(ここでは酸化還元物質の濃度)を測定するものであ
る。
【0003】一般に、参照電極としては銀・塩化銀電
極、甘こう電極等が用いられており、これら参照電極内
に充填された塩化カリウム溶液などの既知濃度の電解質
溶液と電極材質との平衡電位によって得られた参照電極
の電位が水素尺度による電位(水素の酸化還元反応する
電位)を基準として決定されており、さらにこの参照電
極の電位を基準として検出極への印加電位を設定して用
いられている。参照電極の電位は、その内部に充填され
た電解質溶液の濃度に対して変化することから、一般に
既知の標準溶液を充填して電位の安定化を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の酸化還元物質濃度の測定装置では、参照電極の内部
に充填した電解質溶液の濃度が長期に渡って変化してい
くのに従って参照電極のもつ基準電位もそれに追従し変
化していくために、被測定液の測定対象物質の濃度(つ
まり酸化還元物質濃度)を検出するために予め設定され
た検出極との間に保たれるべき電位差を確保できなくな
り、測定対象物質の検出電位からの印加電位のずれによ
り、検出されるべき電流値も対応して変化するため、計
測されるべき測定対象物質の濃度に大きな誤差を発生さ
せることとなる。
【0005】このような参照電極を用いる装置は、測定
精度を保つために参照電極電位が変動しても印加電位す
なわち検出極との間の電位差が変化しないように逐次標
準物質を用いた校正等により電位を補正するか、電解質
溶液の補充や交換を行なうか、又は充填容量を大きくと
るなどして電位変動を抑制する必要があった。このよう
に、従来の酸化還元物質濃度の測定装置では、別途校正
のための標準液等が必要で、電解質溶液の交換等ハンド
リング性に欠け、長期に渡り連続して安定した信頼性に
は乏しく、また装置をコンパクトにできない等の問題点
を有していた。
【0006】この酸化還元物質濃度の測定装置では、参
照電極電位が変動しても自動的に容易に印加電位を補正
し、連続的に安定して酸化還元物質濃度を計測できるこ
とが要求されている。
【0007】本発明は、参照電極電位が変動しても自動
的に容易に印加電位を補正し、連続的に安定して酸化還
元物質濃度を計測できる酸化還元物質濃度の測定装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の酸化還元物質濃度の測定装置は、被測定液の
電極反応により測定対象物質を検出する検出極と、検出
極と電気的に接続された対極と、検出極の電位の基準電
位となる参照電極と、被測定液に含まれる酸化還元物質
によって生じる検出極の酸化還元電流を検出する酸化還
元電流検出部と、参照電極の内部に充填された電解質溶
液の比電気伝導度を検出する比電気伝導度検出部と、比
電気伝導度検出部で検出された比電気伝導度により参照
電極の水素尺度による電位を算出する演算部と、検出極
と参照電極との間の電位差を検出する電圧計と、検出極
と対極との間に電圧を印加する可変電源部とを有し、演
算部は、算出した参照電極の水素尺度による電位と電圧
計で検出した検出極・参照電極間の電位差とを用いて検
出極の水素尺度による電位を一定とするように可変電源
部が印加する検出極・対極間電圧を制御すると共に、酸
化還元電流検出部で検出した酸化還元電流を入力する構
成を備えている。
【0009】これにより、参照電極電位が変動しても自
動的に容易に印加電位を補正し、連続的に安定して酸化
還元物質濃度を計測できる酸化還元物質濃度の測定装置
が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の酸化還
元物質濃度の測定装置は、被測定液の電極反応により測
定対象物質を検出する検出極と、検出極と電気的に接続
された対極と、検出極の電位の基準電位となる参照電極
と、被測定液に含まれる酸化還元物質によって生じる検
出極の酸化還元電流を検出する酸化還元電流検出部と、
参照電極の内部に充填された電解質溶液の比電気伝導度
を検出する比電気伝導度検出部と、比電気伝導度検出部
で検出された比電気伝導度により参照電極の水素尺度に
よる電位を算出する演算部と、検出極と参照電極との間
の電位差を検出する電圧計と、検出極と対極との間に電
圧を印加する可変電源部とを有し、演算部は、算出した
参照電極の水素尺度による電位と電圧計で検出した検出
極・参照電極間の電位差とを用いて検出極の水素尺度に
よる電位を一定とするように可変電源部が印加する検出
極・対極間電圧を制御すると共に、酸化還元電流検出部
で検出した酸化還元電流を入力することとしたものであ
る。
【0011】この構成により、参照電極電位が変動して
も検出極への印加電位が酸化還元物質の水素尺度による
電位となるように、可変電源部による印加電圧を自動的
に補正することができ、検出した酸化還元電流に基づい
て酸化還元物質の濃度を算出することができるという作
用を有する。
【0012】請求項2に記載の酸化還元物質濃度の測定
装置は、請求項1に記載の酸化還元濃度の測定装置にお
いて、参照電極は内部に充填された電解質溶液に接する
一対の電極を有し、比電気伝導度検出部は一対の電極間
に電圧を印加する電源部と一対の電極間の電圧を検出す
る電圧計と一対の電極間の電流を検出する電流計とを有
し、演算部は一対の電極間の印加電圧、電流に基づいて
電解質溶液の比電気伝導度を算出することとしたもので
ある。
【0013】この構成により、電位が変動する参照電極
の内部に充填された電解質溶液の濃度を正確に認識で
き、参照電極の水素尺度による電位を正確に算出するこ
とができるという作用を有する。
【0014】請求項3に記載の酸化還元物質濃度の測定
装置は、請求項1に記載の酸化還元濃度の測定装置にお
いて、演算部は、一定とする検出極の水素尺度による電
位を被測定液の酸化還元物質の水素尺度による電位とみ
なすこととしたものである。
【0015】この構成により、検出された参照電極電位
の変位に応じて、測定対象物質の水素尺度による電位と
なるように参照電極と検出極との電位差を可変制御し
て、酸化還元物質による酸化還元電流のみを形成するこ
とができ、酸化還元電流を正確に検出できるという作用
を有する。
【0016】請求項4に記載の酸化還元物質濃度の測定
装置は、被測定液の電極反応により測定対象物質を検出
する検出極と、検出極と電気的に接続されている対極
と、検出極の電位の基準電位となる参照電極と、被測定
液に含まれる酸化還元物質によって生じる検出極の酸化
還元電流を検出する酸化還元電流検出部と、検出極と参
照電極との間の電位差を検出する電圧計と、検出極と対
極との間に電圧を印加する可変電源部と、被測定液に含
まれる酸化還元物質の濃度を算出する演算部とを有し、
演算部は、可変電源部を制御することにより検出極・参
照電極間の電位差を連続的に変化させて測定される酸化
還元物質の電流電位曲線から所定の検出電位差を選択
し、選択された検出電位差を検出極・参照電極間に一定
時間印加した時の酸化還元電流により酸化還元物質濃度
を算出することとしたものである。
【0017】この構成により、変化する参照電極の電位
に依らず、検出極と参照電極との間の電位差を連続的に
変化させて測定される酸化還元物質の電流電位曲線から
検出電位差を正しく認識して所定の検出電位差を選択で
きるため、得られた酸化還元電流から精度良く酸化還元
物質の濃度を算出することができるという作用を有す
る。
【0018】請求項5に記載の酸化還元物質濃度の測定
装置は、請求項4に記載の酸化還元濃度の測定装置にお
いて、演算部は、検出極・参照電極間の電位差を一定の
電位速度勾配により変化させて測定される酸化還元物質
の電流電位曲線から、限界電流を形成する電位を検出電
位差として選択することとしたものである。
【0019】この構成により、一定の電位速度勾配によ
って得られた電流電位曲線から、ピークとなる限界電流
を形成する電位に基づいて検出極の電位を補正すること
ができ、被測定液の酸化還元物質濃度を精度良く検出で
きるという作用を有する。
【0020】請求項6に記載の酸化還元物質濃度の測定
装置は、請求項4に記載の酸化還元濃度の測定装置にお
いて、演算部は、検出極・参照電極間の電位差を単位時
間毎に段階的に変化させたときに検出される電流の波形
が鋸波から方形波に変化する臨界の電位を検出電位差と
して選択することとしたものである。
【0021】この構成により、単一時間毎に段階的に電
位を変化させ、検出電流の波形の変化から容易に検出電
位差を選択できるため、得られた酸化還元電流から精度
良く酸化還元物質の濃度を算出することができるという
作用を有する。
【0022】以下、本発明の実施の形態について、図1
〜図5を用いて説明する。
【0023】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1による酸化還元物質濃度の測定装置を示す構成図で
あり、図2は図1の測定装置の参照電極を示す断面図で
ある。
【0024】図1、図2において、1は被測定液1aが
流れる管路、2は被測定液1aの電極反応(電極表面で
対象物質が生ずる反応)により測定対象物質(ここでは
酸化還元物質)を検出する検出極、3は検出極2と電気
的に接続されている対極、4は検出極2の電位の基準電
位となる参照電極、5は検出極2の電極反応で生じる酸
化還元電流を測定する酸化還元電流検出部、6は参照電
極4を基準として検出極2との電位差を示す電圧計、7
は参照電極4と検出極2との間の電圧(したがって検出
極2の電位)を可変制御する可変電源部、8は参照電極
4の内部に充填された電解質溶液の比電気伝導度を検出
する比電気伝導度検出部、9は比電気伝導度検出部8で
検出された比電気伝導度から参照電極4の水素尺度によ
る電位を算出して可変電源部7を制御し、検出極2の電
極反応により生じる酸化還元電流により酸化還元物質の
濃度を算出する演算部、10は参照電極4の内部に充填
された電解質溶液、11は電解質溶液10の比電気伝導
度を検出する一対の電極、12は一対の電極11間に電
圧を印加する電源部、13は一対の電極11間の電圧を
検出する電圧計、14は一対の電極11間に流れる電流
を検出する電流計である。
【0025】このように構成された酸化還元物質濃度の
測定装置について、その動作等を図3〜図5を用いて説
明する。図3(a)は参照電極4の内部に充填した電解
質溶液10の濃度Cと比電気伝導度ECとの関係を示す
グラフであり、図3(b)は参照電極4の水素尺度によ
る電位Vと電解質溶液10の濃度Cとの関係を示すグラ
フ、図4は参照電極4に対する検出極2の電位を一定の
電位速度により連続的に変化させたときの電流電位曲線
を示すグラフ、図5(a)、(b)は参照電極4に対す
る検出極2の電位を単位時間毎に変化させて得られる電
流を示すグラフである。
【0026】図1において、被測定液1aが流れる管路
1内に、被測定液1aの電極反応により測定対象物質と
しての酸化還元物質を検出するための検出極2と、対極
3と、参照電極4とを浸漬配置してあり、これにより、
被測定液1aを検出極2に直接接触させて検出極2の電
極反応で生じる酸化還元電流を測定することができる。
このとき検出極2の電位は参照電極4を基準として決定
されており、参照電極4に対する検出極2の電位が被測
定液1aに含まれる測定対象物質の検出電位となるよう
に電圧計6の計測電位を可変電源部7によって一定電位
に制御し、被測定液1aの測定対象物質を検出極2上で
電解酸化又は還元させて、この時に生じる酸化又は還元
電流値(酸化還元電流値)を酸化還元電流検出部5によ
り計測し、そのとき流れる電流値の濃度依存性を利用し
てこの電流値から演算部9は被測定液1aに含まれる測
定対象物質の濃度を算出することができる。
【0027】また、参照電極4の内部に充填してある電
解質溶液10の濃度に依存して参照電極4の基準電位は
変化することから、参照電極4の電解質溶液10の濃度
を比電気伝導度検出部8により検出して参照電極4の電
位を認識させ、検出極2の電位が被測定液1aの測定対
象物質の検出電位となるように参照電極4の電位に対す
る検出極2の電位を補正することで電解質溶液10の濃
度によらず安定した計測が可能となる。
【0028】参照電極4には、図2に示されるように、
内部に充填された電解質溶液10に浸漬し対向する一対
の電極11が配置してあり、この一対の電極11と比電
気伝導度検出部8とは電源部12によって電気的に接続
され、一対の電極11間の電圧および電流を計測するこ
とで電解質溶液10の比電気伝導度としての電気的抵抗
(比抵抗)を測定することができる。
【0029】ここで、一対の電極11間に用いる電源部
12としては、直流電源を用いて印加すると一対の電極
11の上で電解質溶液10の電極反応が進行してしま
い、さらに電解質溶液10の濃度が変化する恐れがある
ため、交流電源を印可することが望ましく、この時に交
流ブリッジ回路を用いてこの電解質溶液10との平衡点
となるときに得られる電解質溶液10の抵抗から、比電
気伝導度を容易に得ることができる。一対の電極11の
材質としては、白金、金等の不溶性の固体電極を用いる
ことができるが、できるだけ分極を避けるため白金黒を
つけた電極を用いる方が望ましい。
【0030】参照電極4の内部に充填した電解質溶液1
0の濃度Cは、図3(a)に示されるように、電解質溶
液10の比電気伝導度ECと相関性があるため、前述の
図2に示すように、参照電極4内に設けた一対の電極1
1により計測された比電気伝導度の値から電解質溶液1
0の濃度を容易に算出することができる。
【0031】さらに、図3(b)に示されるように、参
照電極4の水素尺度による電位Vは電解質溶液10の濃
度Cと相関性があり、算出された電解質溶液10の濃度
から容易に参照電極4の水素尺度による電位を算出する
ことができる。
【0032】以上説明したように演算部9は、参照電極
4の内部に充填した電解質溶液10の比電気伝導度を検
出することで、参照電極4の電位を水素尺度を基準とし
た電位(参照電極水素尺度電位)として算出し、この算
出した参照電極水素尺度電位と検出極2における被測定
液1aの測定対象物質の水素尺度による検出電位とか
ら、参照電極4を基準とした参照電極4と検出極2との
電位差を算出し、可変電源部7を制御して参照電極4と
検出極2との間に設けた電圧計6の指示電位(計測電
位)が上記算出した参照電極4と検出極2との電位差と
なるように可変電源部7の印加電圧を変更することがで
きる。
【0033】したがって、演算部9は、参照電極4の内
部に充填した電解質溶液10の比電気伝導度を検出し、
検出極2の印加電位を被測定液1aに含まれる測定対象
物質の水素尺度による電位として逐次設定電圧を変化さ
せていくことで、参照電極4の電解質濃度10の変動を
吸収して印加電位を自動的に補正でき、測定対象物質の
検出電位を常に確保できるため、校正が不要で、被測定
液1aに含まれる酸化還元物質の濃度を連続して安定計
測することが可能になり、精度の高い濃度測定を行なう
ことができる。
【0034】一方で、管路1内に一定量の被測定液1a
を通水して、参照電極4に対する検出極2の電位を一定
の電位速度により連続的に変位させたときの電流電位曲
線を図4に示す。図4の縦軸は、検出極2と対極3との
間に設けた可変電源部7の出力電圧を制御することによ
り、参照電極4と検出極2との間に設けた電圧計6の示
す電位の単位時間当たりの変化が一定となるように制御
して、検出極2の酸化還元電流の検出部(酸化還元電流
検出部)5により得られた電流Aを示す。ここで、図4
の横軸のvs.Rは参照電極電位に対する検出極電位を
示す。
【0035】図4に示されるように、被測定液1aに含
まれる測定対象物質の酸化還元電流値は、検出極2の電
位の変化によって出力が変化していき、測定対象物質に
固有のある特定の電位において電流値のピークとなる限
界電流値を示す。この限界電流値を形成する電位差が、
被測定液1aに含まれる測定対象物質の検出極2におけ
る電極反応を最も代表でき、得られる電流値と測定対象
物質の濃度との濃度依存性により、被測定液1aに含ま
れる測定対象物質の濃度を測定することができる。
【0036】したがって、参照電極4に対する検出極2
の電位を一定の電位速度により連続的に変位させたとき
の電流電位曲線から限界電流を形成する電位差を選択
し、選択された電位差が参照電極4と検出極2との間の
電圧となるように可変電源部7を制御して、その電圧下
で一定時間印加した時に得られる酸化還元電流により酸
化還元物質の濃度を算出できることとなる。
【0037】また、管路1内に一定量の被測定液1aを
通水し、参照電極4に対する検出極2の電位を単位時間
毎に変化させて得られる電流の波形を図5に示す。図5
は、検出極2と対極3との間に設けた可変電源部7の出
力電位を制御することにより、参照電極4と検出極2と
の間に設けた電圧計6の指示電圧を特定時間の範囲内で
一定として順次変化させるように制御して、検出極2の
酸化還元電流の検出部5により得られた電流の経時変化
を示す。
【0038】検出極2への各印加電位と、それぞれの電
流波形において充分に減衰して安定した時の電流値とに
より得られる電流電位曲線は、図4に示されたのと同様
に、被測定液1aに含まれる測定対象物質の特定電位差
で限界電流を形成し、この限界電流値を形成する電位差
が、被測定液1aに含まれる測定対象物質の検出極2に
おける電極反応を最も代表でき、得られる電流値と対象
物質の濃度との濃度依存性により、被測定液1aに含ま
れる測定対象物質の濃度を測定することができる。
【0039】ここで、電流波形の経時推移は、限界電流
を示す電位差を境として鋸波から方形波へと変化してい
くため、参照電極4に対する検出極2の印加電位と、こ
れらの電流値の経時変化と、電流値の大きさとを認識さ
せ、被測定液1aに含まれる測定対象物質の検出電位差
を決定することができる。
【0040】したがって、この電流波形の形状が変化す
る臨界の電位差を検出電位差として選択して検出極2の
電位差とするように可変電源部7を制御し、その電位差
の電圧下で一定時間印加した時の酸化還元電流により酸
化還元物質の濃度を算出することができることとなる。
【0041】このように、参照電極4の内部に充填され
た電解質溶液10の濃度が未知で、参照電極4の電位が
未知であっても、参照電極4に対する検出極2の電位
(検出電位差)を変化させて得られる電流電位曲線の限
界電流を示す電位差から、容易に被測定液1aに含まれ
る測定対象物質の検出電位差を容易に選択することがで
きるため、被測定液1aに含まれる測定対象物質の濃度
を連続して安定計測することが可能となり、精度の高い
濃度測定を行なうことができる。
【0042】以上のように本実施の形態によれば、参照
電極4内部の電解質溶液10の濃度等の変化などによる
参照電極4電位の変化にかかわらず、容易に被測定液1
aに含まれる測定対象物質の検出電位を検出して印加電
位を自動的に逐次補正することができるため、容易にか
つ安定して酸化還元電流を計測し、酸化還元物質濃度を
算出することができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の酸化還元物質
濃度の測定装置によれば、被測定液の電極反応により測
定対象物質を検出する検出極と、検出極と電気的に接続
された対極と、検出極の電位の基準電位となる参照電極
と、被測定液に含まれる酸化還元物質によって生じる検
出極の酸化還元電流を検出する酸化還元電流検出部と、
参照電極の内部に充填された電解質溶液の比電気伝導度
を検出する比電気伝導度検出部と、比電気伝導度検出部
で検出された比電気伝導度により参照電極の水素尺度に
よる電位を算出する演算部と、検出極と参照電極との間
の電位差を検出する電圧計と、検出極と対極との間に電
圧を印加する可変電源部とを有し、演算部は、算出した
参照電極の水素尺度による電位と電圧計で検出した検出
極・参照電極間の電位差とを用いて検出極の水素尺度に
よる電位を一定とするように可変電源部が印加する検出
極・対極間電圧を制御すると共に、酸化還元電流検出部
で検出した酸化還元電流を入力することにより、参照電
極電位が変動しても検出極への印加電位が酸化還元物質
の水素尺度による電位となるように、可変電源部による
印加電圧を自動的に補正することができ、検出した酸化
還元電流に基づいて酸化還元物質の濃度を算出すること
ができるという有利な効果が得られる。
【0044】請求項2に記載の酸化還元物質濃度の測定
装置によれば、請求項1に記載の酸化還元濃度の測定装
置において、参照電極は内部に充填された電解質溶液に
接する一対の電極を有し、比電気伝導度検出部は一対の
電極間に電圧を印加する電源部と一対の電極間の電圧を
検出する電圧計と一対の電極間の電流を検出する電流計
とを有し、演算部は一対の電極間の印加電圧、電流に基
づいて電解質溶液の比電気伝導度を算出することによ
り、電位が変動する参照電極の内部に充填された電解質
溶液の濃度を正確に認識でき、参照電極の水素尺度によ
る電位を正確に算出することができるという有利な効果
が得られる。
【0045】請求項3に記載の酸化還元物質濃度の測定
装置によれば、請求項1に記載の酸化還元濃度の測定装
置において、演算部は、一定とする検出極の水素尺度に
よる電位を被測定液の酸化還元物質の水素尺度による電
位とみなすことにより、検出された参照電極電位の変位
に応じて、測定対象物質の水素尺度による電位となるよ
うに参照電極と検出極との電位差を可変制御して、酸化
還元物質による酸化還元電流のみを形成することがで
き、酸化還元電流を正確に検出できるという有利な効果
が得られる。
【0046】請求項4に記載の酸化還元物質濃度の測定
装置によれば、被測定液の電極反応により測定対象物質
を検出する検出極と、検出極と電気的に接続されている
対極と、検出極の電位の基準電位となる参照電極と、被
測定液に含まれる酸化還元物質によって生じる検出極の
酸化還元電流を検出する酸化還元電流検出部と、検出極
と参照電極との間の電位差を検出する電圧計と、検出極
と対極との間に電圧を印加する可変電源部と、被測定液
に含まれる酸化還元物質の濃度を算出する演算部とを有
し、演算部は、可変電源部を制御することにより検出極
・参照電極間の電位差を連続的に変化させて測定される
酸化還元物質の電流電位曲線から所定の検出電位差を選
択し、選択された検出電位差を検出極・参照電極間に一
定時間印加した時の酸化還元電流により酸化還元物質濃
度を算出することにより、変化する参照電極の電位に依
らず、検出極と参照電極との間の電位差を連続的に変化
させて測定される酸化還元物質の電流電位曲線から検出
電位差を正しく認識して所定の検出電位差を選択できる
ため、得られた酸化還元電流から精度良く酸化還元物質
の濃度を算出することができるという有利な効果が得ら
れる。
【0047】請求項5に記載の酸化還元物質濃度の測定
装置によれば、請求項4に記載の酸化還元濃度の測定装
置において、演算部は、検出極・参照電極間の電位差を
一定の電位速度勾配により変化させて測定される酸化還
元物質の電流電位曲線から、限界電流を形成する電位を
検出電位差として選択することにより、一定の電位速度
勾配によって得られた電流電位曲線から、ピークとなる
限界電流を形成する電位に基づいて検出極の電位を補正
することができ、被測定液の酸化還元物質濃度を精度良
く検出できるという有利な効果が得られる。
【0048】請求項6に記載の酸化還元物質濃度の測定
装置によれば、請求項4に記載の酸化還元濃度の測定装
置において、演算部は、検出極・参照電極間の電位差を
単位時間毎に段階的に変化させたときに検出される電流
の波形が鋸波から方形波に変化する臨界の電位を検出電
位差として選択することにより、単位時間毎に段階的に
電位を変化させ、検出電流の波形の変化から容易に検出
電位差を選択できるため、得られた酸化還元電流から精
度良く酸化還元物質の濃度を算出することができるとい
う有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による酸化還元濃度の測
定装置を示す構成図
【図2】図1の測定装置の参照電極を示す断面図
【図3】(a)参照電極の内部に充填した電解質溶液の
濃度と比電気伝導度との関係を示すグラフ (b)参照電極の水素尺度による電位と電解質溶液の濃
度との関係を示すグラフ
【図4】参照電極に対する検出極の電位を一定の電位速
度により連続的に変化させたときの電流電位曲線を示す
グラフ
【図5】(a)参照電極に対する検出極の電位を単位時
間毎に変化させて得られる電流を示すグラフ (b)参照電極に対する検出極の電位を単位時間毎に変
化させて得られる電流を示すグラフ
【符号の説明】 1 管路 1a 被測定液 2 検出極 3 対極 4 参照電極 5 酸化還元電流検出部 6、13 電圧計 7 可変電源部 8 比電気伝導度検出部 9 演算部 10 電解質溶液 11 一対の電極 12 電源部 14 電流計

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定液の電極反応により測定対象物質を
    検出する検出極と、前記検出極と電気的に接続された対
    極と、前記検出極の電位の基準電位となる参照電極と、
    被測定液に含まれる酸化還元物質によって生じる検出極
    の酸化還元電流を検出する酸化還元電流検出部と、前記
    参照電極の内部に充填された電解質溶液の比電気伝導度
    を検出する比電気伝導度検出部と、前記比電気伝導度検
    出部で検出された比電気伝導度により参照電極の水素尺
    度による電位を算出する演算部と、前記検出極と前記参
    照電極との間の電位差を検出する電圧計と、前記検出極
    と前記対極との間に電圧を印加する可変電源部とを有
    し、前記演算部は、前記算出した参照電極の水素尺度に
    よる電位と前記電圧計で検出した前記検出極・前記参照
    電極間の電位差とを用いて前記検出極の水素尺度による
    電位を一定とするように前記可変電源部が印加する前記
    検出極・前記対極間電圧を制御すると共に、前記酸化還
    元電流検出部で検出した酸化還元電流を入力することを
    特徴とする酸化還元物質濃度の測定装置。
  2. 【請求項2】前記参照電極は内部に充填された電解質溶
    液に接する一対の電極を有し、前記比電気伝導度検出部
    は前記一対の電極間に電圧を印加する電源部と前記一対
    の電極間の電圧を検出する電圧計と前記一対の電極間の
    電流を検出する電流計とを有し、前記演算部は前記一対
    の電極間の印加電圧、電流に基づいて前記電解質溶液の
    比電気伝導度を算出することを特徴とする請求項1に記
    載の酸化還元物質濃度の測定装置。
  3. 【請求項3】前記演算部は、前記一定とする検出極の水
    素尺度による電位を被測定液の酸化還元物質の水素尺度
    による電位とみなすことを特徴とする請求項1に記載の
    酸化還元物質濃度の測定装置。
  4. 【請求項4】被測定液の電極反応により測定対象物質を
    検出する検出極と、前記検出極と電気的に接続されてい
    る対極と、前記検出極の電位の基準電位となる参照電極
    と、被測定液に含まれる酸化還元物質によって生じる検
    出極の酸化還元電流を検出する酸化還元電流検出部と、
    前記検出極と前記参照電極との間の電位差を検出する電
    圧計と、前記検出極と前記対極との間に電圧を印加する
    可変電源部と、被測定液に含まれる酸化還元物質の濃度
    を算出する演算部とを有し、前記演算部は、前記可変電
    源部を制御することにより前記検出極・前記参照電極間
    の電位差を連続的に変化させて測定される酸化還元物質
    の電流電位曲線から所定の検出電位差を選択し、前記選
    択された検出電位差を前記検出極・前記参照電極間に一
    定時間印加した時の酸化還元電流により酸化還元物質濃
    度を算出することを特徴とする酸化還元物質濃度の測定
    装置。
  5. 【請求項5】前記演算部は、前記検出極・前記参照電極
    間の電位差を一定の電位速度勾配により変化させて測定
    される酸化還元物質の電流電位曲線から、限界電流を形
    成する電位を検出電位差として選択することを特徴とす
    る請求項4に記載の酸化還元物質濃度の測定装置。
  6. 【請求項6】前記演算部は、前記検出極・前記参照電極
    間の電位差を単位時間毎に段階的に変化させたときに検
    出される電流の波形が鋸波から方形波に変化する臨界の
    電位を検出電位差として選択することを特徴とする請求
    項4に記載の酸化還元物質濃度の測定装置。
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