JP2617335B2 - 酸化物半導体を用いたpH測定法及び測定装置 - Google Patents
酸化物半導体を用いたpH測定法及び測定装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酸化物半導体を用いたpHの測定法ならびにpH
の測定装置に関する。
の測定装置に関する。
高温水溶液のpH測定の為には、高温で化学的に安定な
TiO2等の酸化物半導体の電極を用い、そのフラツトバン
ド電位を測定し、これより検水のpHを求める方法が一般
的である。
TiO2等の酸化物半導体の電極を用い、そのフラツトバン
ド電位を測定し、これより検水のpHを求める方法が一般
的である。
即ち、酸化物半導体/水溶液界面の電気二重層の電位
差は溶液中の酸化還元系とは無関係にpH依存性を示す
が、直接測定することは難しい。そこで、電気二重層の
電位差に伴なつて変化するフラツトバンド電位(半導体
内の電位降下がゼロとなる電位)からpHを求めるもので
ある。
差は溶液中の酸化還元系とは無関係にpH依存性を示す
が、直接測定することは難しい。そこで、電気二重層の
電位差に伴なつて変化するフラツトバンド電位(半導体
内の電位降下がゼロとなる電位)からpHを求めるもので
ある。
フラツトバンド電位Efbの測定は、検水ごとに半導体
電極の空間電荷容量Cの電位Eによる変化を測定し、n
型半導体に対するMott−Schottkyの関係式に従つて第2
図に示すように1/C2とEとの関係をMott−Schottkyプロ
ツトし、電位軸に外挿することによりEfbが求められ
る。このようにして少なくとも二つの既知pHの検水につ
いてフラツトバンド電位Efbを求めれば、これから第3
図の検量線が得られるので、逆にpH未知の検水のフラツ
トバンド電位Efbを測定すれば検水のpHが求められるの
である(防食技術、34,132〜134(1985)参照)。
電極の空間電荷容量Cの電位Eによる変化を測定し、n
型半導体に対するMott−Schottkyの関係式に従つて第2
図に示すように1/C2とEとの関係をMott−Schottkyプロ
ツトし、電位軸に外挿することによりEfbが求められ
る。このようにして少なくとも二つの既知pHの検水につ
いてフラツトバンド電位Efbを求めれば、これから第3
図の検量線が得られるので、逆にpH未知の検水のフラツ
トバンド電位Efbを測定すれば検水のpHが求められるの
である(防食技術、34,132〜134(1985)参照)。
しかしながら、従来のフラツトバンド電位からpHを求
める方法では、前記したようにフラツトバンド電位Efb
の測定のために、ひとつの検水又は水溶液について半導
体電極の電位Eを変えながら空間電荷容量Cを測定し、
Eと1/C2の関係をいちいちMott−Schottkyプロツトする
必要があつたので、pHの連続測定が不可能であつた。
める方法では、前記したようにフラツトバンド電位Efb
の測定のために、ひとつの検水又は水溶液について半導
体電極の電位Eを変えながら空間電荷容量Cを測定し、
Eと1/C2の関係をいちいちMott−Schottkyプロツトする
必要があつたので、pHの連続測定が不可能であつた。
本発明はかかる従来の事情に鑑み、高温水溶液のpHを
連続して測定することのできる方法及びそのための装置
を提供することを目的とする。
連続して測定することのできる方法及びそのための装置
を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の酸化物半導体を用
いたpH測定法においては、酸化物半導体からなる作用電
極の比較電極に対する電位が一定値を保つように制御し
た直流電圧を対極に印加し、比較電極と酸化物半導体か
らなる作用電極との間に一定の交流を流しながら、検水
のpHに対応して変化する作用電極の空間電荷容量を位相
検波器を用いて検出し、検出した空間電荷容量と既知pH
における空間電荷容量との比例計算により検水のpHを求
めることを特徴とする。
いたpH測定法においては、酸化物半導体からなる作用電
極の比較電極に対する電位が一定値を保つように制御し
た直流電圧を対極に印加し、比較電極と酸化物半導体か
らなる作用電極との間に一定の交流を流しながら、検水
のpHに対応して変化する作用電極の空間電荷容量を位相
検波器を用いて検出し、検出した空間電荷容量と既知pH
における空間電荷容量との比例計算により検水のpHを求
めることを特徴とする。
又、そのためのpH測定装置は、作用電極の比較電圧に
対する電位が一定値を保つように制御される直流電源に
接続した対極と、比較電極及び酸化物半導体からなる作
用電極とを有し、対極と作用電極の間に接続され比較電
極と作用電極との間に交流を流す振幅制御形正弦波発生
器と、比較電極と作用電極の間に接続され作用電極の空
間電荷容量を検出する位相検波器と、得られた空間電荷
容量を演算処理してpHを求めるデータ処理部とを具えた
ことを特徴とする。
対する電位が一定値を保つように制御される直流電源に
接続した対極と、比較電極及び酸化物半導体からなる作
用電極とを有し、対極と作用電極の間に接続され比較電
極と作用電極との間に交流を流す振幅制御形正弦波発生
器と、比較電極と作用電極の間に接続され作用電極の空
間電荷容量を検出する位相検波器と、得られた空間電荷
容量を演算処理してpHを求めるデータ処理部とを具えた
ことを特徴とする。
第2図に示すようにMott−Schottkyプロツトの勾配は
ある電位範囲においてpHによらず一定になるので、第4
図に示す如くこのプロツトが直線となる領域内の一定電
位Efixにおいて測定した半導体電極の空間電荷容量C
(実際は1/C2)は溶液のpHにより一定になる。
ある電位範囲においてpHによらず一定になるので、第4
図に示す如くこのプロツトが直線となる領域内の一定電
位Efixにおいて測定した半導体電極の空間電荷容量C
(実際は1/C2)は溶液のpHにより一定になる。
従つて、本発明においてはこの性質を利用し、少なく
とも二つの既知pH水溶液(pH1及びpH2)の一定電位Efix
での空間電荷容量Cを測定し、第5図に示すようにpHと
1/C2との検量線を求めておけば、検水の空間電荷容量C
を同一電位Efixで測定するだけで、Mott−Schottkyプロ
ツトを行なう必要なく、検量線から又は演算により直ち
に検水のpHを知ることができる。
とも二つの既知pH水溶液(pH1及びpH2)の一定電位Efix
での空間電荷容量Cを測定し、第5図に示すようにpHと
1/C2との検量線を求めておけば、検水の空間電荷容量C
を同一電位Efixで測定するだけで、Mott−Schottkyプロ
ツトを行なう必要なく、検量線から又は演算により直ち
に検水のpHを知ることができる。
空間電荷容量Cの測定は公知の位相同期検波法による
が、付加的容量に影響を受けずに正確な測定を行なうた
めには重畳する交流の周波数を10Hz以下にすることが好
ましい。
が、付加的容量に影響を受けずに正確な測定を行なうた
めには重畳する交流の周波数を10Hz以下にすることが好
ましい。
本発明を実施するためのpH測定装置の一具体例を第1
図に示す。
図に示す。
このpH測定装置は、pHセンサーとしてPtよりなる対極
1、AgClの比較電極2、及びNb添加Tio2単結晶半導体か
らなる作用電極3を有しており、これらの電極よりなる
pHセンサーは測定容器4に導入される検水5に浸漬でき
るようになつている。
1、AgClの比較電極2、及びNb添加Tio2単結晶半導体か
らなる作用電極3を有しており、これらの電極よりなる
pHセンサーは測定容器4に導入される検水5に浸漬でき
るようになつている。
対極1には増幅器7を経て設定電位6の直流が印加さ
れ、比較電極2に対する作用電極3の直流電位が常に一
定(通常はー2V〜+4Vの範囲)となるように制御されて
いる。又、対極1と作用電極3との間に接続した振幅制
御形正弦波発生器8によつて、対極1から比較電極2と
作用電極3に通常10Hzの微小交流を流して直流に重畳さ
せ、且つ電流増幅器9での交流の出力電圧が約50mVp−
pの一定値となるように制御している。
れ、比較電極2に対する作用電極3の直流電位が常に一
定(通常はー2V〜+4Vの範囲)となるように制御されて
いる。又、対極1と作用電極3との間に接続した振幅制
御形正弦波発生器8によつて、対極1から比較電極2と
作用電極3に通常10Hzの微小交流を流して直流に重畳さ
せ、且つ電流増幅器9での交流の出力電圧が約50mVp−
pの一定値となるように制御している。
更に、比較電極2と作用電極3の間に位相検波器10を
接続して、検水5のpHに応じて変化する作用電極3の空
間電荷容量Cの変化を検出するようになつている。即
ち、コンデンサーとして作用する作用電極3に電流成分
と90°の位相差で発生した電圧(約0〜2V)位相検波器
10で検出する。検出した直流のアナログ電圧はTio2作用
電極3の空間電荷容量をCとした時の1/Cに比例してい
る。このアナログ電圧をデータ処理部11でデジタル化す
ると共に演算処理して求めた2乗値1/C2は第5図に示し
先に説明したように、水溶液ないし検水のpHに比例して
いる。
接続して、検水5のpHに応じて変化する作用電極3の空
間電荷容量Cの変化を検出するようになつている。即
ち、コンデンサーとして作用する作用電極3に電流成分
と90°の位相差で発生した電圧(約0〜2V)位相検波器
10で検出する。検出した直流のアナログ電圧はTio2作用
電極3の空間電荷容量をCとした時の1/Cに比例してい
る。このアナログ電圧をデータ処理部11でデジタル化す
ると共に演算処理して求めた2乗値1/C2は第5図に示し
先に説明したように、水溶液ないし検水のpHに比例して
いる。
従つて、2種類以上のpH既知の水溶液(標準液)のア
ナログ電圧を測定してデータ処理部11に記憶させ、その
後検水について測定したアナログ電圧をデータ処理部11
でデジタル化すると共に比例計算による演算処理を行な
えば検水のpHを求めることができ、これを表示部12に求
めるpH値として表示する。
ナログ電圧を測定してデータ処理部11に記憶させ、その
後検水について測定したアナログ電圧をデータ処理部11
でデジタル化すると共に比例計算による演算処理を行な
えば検水のpHを求めることができ、これを表示部12に求
めるpH値として表示する。
具体的な測定例としては、pH1.68の標準液とpH10.02
の標準液で校正した後、pH6.86の標準液を測定したとこ
ろpH6.80を指示した。
の標準液で校正した後、pH6.86の標準液を測定したとこ
ろpH6.80を指示した。
本発明によれば、化学的に安定な酸化物半導体を用い
て、約280℃までの高温水溶液のpHを、溶液中の酸化還
元系の影響を受けずに、しかも速い応答速度で、連続し
て直接測定できる。
て、約280℃までの高温水溶液のpHを、溶液中の酸化還
元系の影響を受けずに、しかも速い応答速度で、連続し
て直接測定できる。
第1図は本発明装置のブロック図である。第2図は酸化
物半導体電極の空間電荷容量Cと電位Eの関係を示すMo
tt−Schottkyプロツト、第3図は第2図から求めたフラ
ツトバンド電位とpHの関係を示すグラフである。第4図
は一定電位での酸化物半導体電極の空間電荷容量Cと電
位Eの関係を示すグラフ、及び第5図は第4図から求め
た空間電荷容量とpHの関係を示すグラフである。 1……対極、2……比較電極、3……作用電極 4……測定容器、5……検水、6……設定電位 7……増幅器、8……振幅制御形正弦波発生器 9……電流増幅器、10……位相検波器 11……データ処理部、12……表示部
物半導体電極の空間電荷容量Cと電位Eの関係を示すMo
tt−Schottkyプロツト、第3図は第2図から求めたフラ
ツトバンド電位とpHの関係を示すグラフである。第4図
は一定電位での酸化物半導体電極の空間電荷容量Cと電
位Eの関係を示すグラフ、及び第5図は第4図から求め
た空間電荷容量とpHの関係を示すグラフである。 1……対極、2……比較電極、3……作用電極 4……測定容器、5……検水、6……設定電位 7……増幅器、8……振幅制御形正弦波発生器 9……電流増幅器、10……位相検波器 11……データ処理部、12……表示部
Claims (2)
- 【請求項1】酸化物半導体からなる作用電極の、比較電
極に対する電位が一定値を保つように制御した直流電圧
を対極に印加し、比較電極と酸化物半導体からなる作用
電極との間に一定の交流を流しながら、検水のpHに対応
して変化する作用電極の空間電荷容量を位相検波器を用
いて検出し、検出した空間電荷容量と既知pHにおける空
間電荷容量との比例計算により検水のpHを求めることを
特徴とする酸化物半導体を用いたpH測定法。 - 【請求項2】作用電極の比較電極に対する電位が一定値
を保つように制御される直流電源に接続した対極と、比
較電極及び酸化物半導体からなる作用電極とを有し、対
極と作用電極の間に接続され比較電極と作用電極との間
に交流を流す振幅制御形正弦波発生器と、比較電極と作
用電極の間に接続され作用電極の空間電荷容量を検出す
る位相検波器と、得られた空間電荷容量を演算処理して
pHを求めるデータ処理部とを具えたことを特徴とする、
酸化物半導体を用いたpH測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12032488A JP2617335B2 (ja) | 1988-05-17 | 1988-05-17 | 酸化物半導体を用いたpH測定法及び測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12032488A JP2617335B2 (ja) | 1988-05-17 | 1988-05-17 | 酸化物半導体を用いたpH測定法及び測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01291152A JPH01291152A (ja) | 1989-11-22 |
JP2617335B2 true JP2617335B2 (ja) | 1997-06-04 |
Family
ID=14783433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12032488A Expired - Lifetime JP2617335B2 (ja) | 1988-05-17 | 1988-05-17 | 酸化物半導体を用いたpH測定法及び測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2617335B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000356619A (ja) | 1999-06-14 | 2000-12-26 | Sumitomo Metal Ind Ltd | pHセンサおよびそれを使用したpH測定方法 |
-
1988
- 1988-05-17 JP JP12032488A patent/JP2617335B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01291152A (ja) | 1989-11-22 |
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