JP2000266314A - 流動層ボイラ装置 - Google Patents

流動層ボイラ装置

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JP2000266314A
JP2000266314A JP11069146A JP6914699A JP2000266314A JP 2000266314 A JP2000266314 A JP 2000266314A JP 11069146 A JP11069146 A JP 11069146A JP 6914699 A JP6914699 A JP 6914699A JP 2000266314 A JP2000266314 A JP 2000266314A
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隆一 杉田
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康常 勝田
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照文 河崎
Kozo Izuta
浩三 伊豆田
Kenji Tokawa
謙示 東川
Hidenari Fujiwara
秀成 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料供給ノズル位置がずれても、燃料噴射速
度または量が変動しても燃料を層内に均一に分散するこ
とができる流動層ボイラ装置を提供する。 【解決手段】 流動層火炉と、その底部に設けられた散
気板と、流動化空気によって形成された流動層と、この
流動層に燃料を供給するノズルと、ノズル上部の流動層
内に設けられた伝熱管群とを有する流動層ボイラ装置
の、伝熱管群のうち少なくとも最下段の伝熱管の燃料供
給ノズルから噴射され、流動化空気に同伴される燃料が
衝突する位置に水平方向に延びるフィンを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動層ボイラ装置
に係り、特に、燃料供給ノズルから噴射された燃料を火
炉内に均一に分配するのに好適な、流動層ボイラ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、流動層火炉内への燃料の供給は
できるだけ均等に行う必要があり、燃料を均等に分配す
るためには、燃料供給ノズルの本数を多くすることが望
ましい。しかしながら、ノズル本数を多くすると燃料供
給系統が複雑になり、設備費が嵩むという問題が生じ
る。一方、燃料供給ノズルの本数が少ないと燃料の投入
個所が少なくなり、ノズルの先端部で大量の空気が消費
され、この領域の、完全燃焼できなかった粒子が流動層
表面に達し、層上方のフリーボードからサイクロンに向
かって飛散して火炉以外の場所で燃焼することがある。
未燃粒子が、例えばサイクロン内で燃焼すると、灰を溶
融させてアグロメが生成し、灰の抜き出し管が閉塞して
プラントを停止せざるを得ない事態を招くことがある。
他方、燃料供給ノズルの先端部のみで燃料が局所的に燃
焼すると、その領域が還元雰囲気になり、近接する伝熱
管が腐食し易くなるという問題もある。
【0003】このような問題を解決するために、例えば
特表平6−504360号公報のように、燃料供給ノズ
ルの先端部上方にディストリビュータ(燃料分配装置)
を配置したボイラ装置が提案されている。図27は、こ
のような従来技術を示す説明図である。図27におい
て、この装置は、圧力容器271と、該圧力容器271
内に設けられた流動層火炉272と、該流動層火炉27
2の底部に設けられた散気板273と、該散気板273
から供給される流動化空気によって形成される流動層2
74と、該流動層274の上部のフリーボード275
と、前記流動層274に燃料を供給する燃料供給ノズル
276と、前記流動層274内に設けられた伝熱管27
7と、該伝熱管277の下部に設けられ、中央部分また
は中央セクションから外方へ延出する斜め上方に傾斜し
たウイング状部材または斜め上方に向かうロート状コー
ン部材からなるディストリビュータ278と、流動層火
炉272の前記フリーボード275に連結されたサイク
ロン279とから主として構成されている。
【0004】このような構成において、散気板273か
ら流動層火炉272内に供給された空気は流動化媒体を
流動して流動層274を形成する。一方、燃料供給ノズ
ル276を経て前記流動層274に供給された燃料は、
ディストリビュータ278によって分配され、前記散気
管273から供給される流動化空気と混合して燃焼し、
流動層274を加熱する。燃焼ガスは、加熱流動層27
4とともに伝熱管277内を流れる流通媒体を加熱しつ
つ上昇し、フリーボード275を経てサイクロン279
に流入し、ここで固形物が除去され、後流の例えば排ガ
ス処理装置を経て放出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図27
のディストリビュータは非冷却構造であり、ステンレス
鋼等の高温耐久性材料で構成したとしても、例えば86
0℃前後の高温下で、長期間使用することは困難であ
る。そして、例えば伝熱管に吊るされたディストリビュ
ータが外れて流動層火炉内を暴れ回り伝熱管を損傷する
という問題がある。また、図27のディストリビュータ
は、燃料供給ノズルから投入された燃料がディストリビ
ュータの中心部に当たることを前提として設けられたも
のであるが、現実に流動層内の流動媒体や気泡の流動状
態を把握することは困難であり、流動層内に噴射された
燃料がディストリビュータの中心部に衝突しているか否
かは不明である。さらに、負荷100%の時を想定して
前記ディストリビュータと燃料供給ノズルとの位置関係
が適正になるようにセットしたとしても、負荷の変動に
より燃料供給ノズルから噴射される燃料の到達距離が変
化し、ディストリビュータの中心部に燃料が衝突しなく
なる場合がある。
【0006】図28、29および30は、それぞれ上記
従来技術におけるディストリビュータ278と燃料噴射
ノズル276との位置関係を示す説明図である。図28
のように燃料供給ノズル276とディストリビュータ2
78との位置関係が適正な場合には、燃料をある程度均
一に分配させることはできるが、図29または図30の
ように、燃料供給ノズル276の位置、または燃料の噴
射量が適正でない場合には、却って燃料の分配を阻害す
ることも考えられる。すなわち、流動層における燃料ま
たは空気の流れは、負荷状態によって変化するので、燃
料供給ノズルから吹き出された燃料が上昇してデイスト
リビュータ278に到達する位置も前後左右に変化し、
ディストリビュータの中央部に燃料が的確に衝突するの
はごく限られた場合のみであり、多くの場合は燃料到達
位置がディストリビュータの中央部からずれて周囲の傾
斜部材に衝突するために、該傾斜部材の傾斜面に沿った
偏った流れとなる。
【0007】本発明の第1の課題は、上記従来技術の問
題点を解決し、燃料供給ノズル位置が多少ずれても、ま
たは燃料供給ノズルから噴射される燃料の噴射速度また
は量が変化しても噴射された燃料を流動層内に均一に分
配することができる、流動層ボイラ装置を提供すること
にある。また、本発明の第2の課題は、圧力容器内に流
動層火炉を設けた加圧型流動層ボイラ装置の前記圧力容
器をコンパクト化することができる流動層ボイラ装置を
提供することにある。
【0008】さらに、本発明の第3の課題は、ダミー管
の使用本数を少なくし、かつ伝熱管およびダミー管の摩
耗を防止することができる流動層ボイラ装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)流動層火炉と、該流動層火炉の底部に設けられた
散気板と、該散気板から供給された流動化空気によって
形成される流動層と、該流動層に燃料を供給する燃料供
給ノズルと、該燃料供給ノズルの上部に設けられた伝熱
管群とを有する流動層ボイラ装置において、前記伝熱管
群のうち、少なくとも最下段の伝熱管の前記燃料供給ノ
ズルから噴射され、流動化空気に同伴された燃料が接触
する個所に、水平方向に延びるフィンを設けたことを特
徴とする流動層ボイラ装置。
【0010】(2)前記フィンに鋸歯状の切り込みを設
けたことを特徴とする上記(1)に記載の流動層ボイラ
装置。 (3)前記燃料供給ノズルの燃料噴射方向と最下段の伝
熱管の長手方向を同一とし、前記燃料供給ノズルの平面
位置を挟んで平面上右側の伝熱管には右方向に延びるフ
ィンを、左側の伝熱管には左方向に延びるフィンを、お
よび中央部の伝熱管には左右両方向に延びるフィンを、
それぞれ設けたことを特徴とする上記(1)または
(2)に記載の流動層ボイラ装置。 (4)前記燃料供給ノズルの燃料噴射位置に近い伝熱管
ほどフィンの取付け幅を広くしたことを特徴とする上記
(1)〜(3)の何れかに記載の流動層ボイラ装置。
【0011】(5)前記燃料供給ノズルの燃料噴射方向
と最下段の伝熱管の長手方向が直交するように伝熱管を
配置し、該伝熱管のフィンを、前記燃料供給ノズルの平
面位置を挟んで左右逆向きに交互に取り付けたことを特
徴とする上記(1)または(2)に記載の流動層ボイラ
装置。 (6)前記最下段の伝熱管が摩耗防止用カバーで被覆さ
れたものであり、該摩耗防止用カバーに前記フィンを設
けたことを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記
載の流動層ボイラ装置。
【0012】(7)流動層火炉と、該流動層火炉の底部
に設けられた散気板と、該散気板から供給される流動化
空気によって形成される流動層と、該流動層に燃料を供
給する燃料供給ノズルと、該燃料供給ノズルの上部の前
記流動層内に設けられた伝熱管群とを有する流動層ボイ
ラ装置において、前記伝熱管の下部の、燃料噴射ノズル
から噴射された燃料の到達位置に、上向きに凸型形状の
中央部材と、該中央部材の下端外周部に沿って設けられ
た、上向きに傾斜する壁面を有する外周部材と、前記中
央部材の上部壁面に設けられ、上部空間に開口する連通
管とを有する燃料分配器を配置したことを特徴とする流
動層ボイラ装置。
【0013】(8)前記上向きに凸状形状の中央部材
が、円筒状または円錐状部材からなり、前記上向きに傾
斜する壁面を有する外周部材が、前記中央部材の下端外
周部に沿って設けられた、斜め上方に延びる翼状または
鍔状部材であることを特徴とする上記(7)に記載の流
動層ボイラ装置。 (9)前記中央部材に設けられた連通管の下端を、前記
中央部材の上部壁面よりも下方に突出させたことを特徴
とする上記(7)または(8)に記載の流動層ボイラ装
置。
【0014】(10)前記流動層ボイラ装置が加圧型の
流動層ボイラ装置であり、前記流動層火炉が、圧力容器
と、該圧力容器の内面に沿って配置された耐火材と、該
耐火材を固定するようにその表面に配置された水管群か
らなる水冷壁を有することを特徴とする上記(1)〜
(9)の何れかに記載の流動層ボイラ装置。 (11)前記燃料供給ノズルと最下段の伝熱管との間隔
および前記流動層内に配置された伝熱管管群相互の間隔
を、それぞれ800mm以下としたことを特徴とする上
記(1)〜(10)の何れかに記載の流動層ボイラ装
置。 (12)前記伝熱管管群の体積率を、12%以上とした
ことを特徴とする上記(11)に記載の流動層ボイラ装
置。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明を図面を用いてより詳
細に説明する。図1〜3は、本発明の一実施例を示す説
明図であり、図1は、最下段の伝熱管を燃料噴射ノズル
の下方向からみた要部を示す図、図2は、図1のII−II
線矢示方向断面図、図3は、図1の要部拡大図である。
図において、この装置は、流動層火炉と、該流動層火炉
の底部に設けられた散気板と、該散気板から供給された
流動化空気によって形成される流動層と、該流動層に燃
料を供給する燃料供給ノズルと、該燃料供給ノズルの上
部の前記流動層内に設けられた伝熱管群とを有する流動
層ボイラ装置(図27参照)において、燃料供給ノズル
1の燃料噴射方向と最下段の伝熱管2の長手方向を同一
としたものであって、前記最下段の伝熱管2の前記燃料
供給ノズル1から噴射された燃料が衝突する個所に、水
平方向に延びるフィン3を設け、該フィン3に鋸歯状の
切り込みを設けたものである。
【0016】このような構成において、燃料供給ノズル
1から噴射された燃料は最下段の伝熱管2に設けられた
フィン3に衝突し、フィン3の延設方向に沿って層内に
ほぼ均一に分配される。本実施例によれば、最下段の伝
熱管2の、燃料供給ノズル1から供給された燃料が衝突
する個所に水平方向に延びるフィン3を設けたことによ
り、燃料をフィン3の延設方向に沿って均一に分配する
ことができる。また燃料が均一に分配されることによ
り、燃焼効率が向上し、フリーボードやサイクロンでの
未燃分の燃焼を回避することができるとともに、最下段
の伝熱管付近における還元雰囲気の発生を抑制して伝熱
管の腐食を防止することができる。さらに、フィン3に
鋸歯状の切り込みを設けたことにより、フィン3の先端
部と根本部とで生じるメタル温度差に起因する熱応力を
低減することができる。
【0017】本実施例において、前記燃料供給ノズル1
の位置を挟んで右側の伝熱管2については右方向に延び
るフィン3を、左側の伝熱管2については左方向にのび
るフィン3を、中央部の伝熱管2には左右両方向に延び
る伝熱管3をそれぞれ設けることが好ましい。これによ
って、燃料噴射ノズルから噴射された燃料の到達位置が
変化しても各伝熱管2に設けられたフィン3の延設方向
に沿って燃料を均一に分配することができる。
【0018】本実施例において、負荷変動により燃料供
給ノズル1から噴射される燃料の到達位置が大きく変化
する場合には、図1中のフィン3全体の取付け幅Lを広
くするか、または図4に例示したように燃料供給ノズル
1の燃料噴射位置に近い伝熱管ほどフィン3の取付け幅
Lを広くすることが好ましい。これによって噴霧された
燃料到達位置が変化しても燃料がフィン3に衝突するよ
うになり、均一分配性を確保することができる。
【0019】本実施例において、フィン3の伝熱管への
取付け角度は水平、または水平線に対して0〜45度で
あることが好ましい。これによって、燃料の均一分配性
がより向上する。本実施例において、伝熱管の一部とし
てダミー管(ステンレス鋼管)を配置してもよく、最下
段伝熱管群の代わりにダミー管群を用いてもよい。伝熱
管が、内部流体温度の低い蒸発器管の場合には、フィン
材として炭素鋼や低合金鋼を使用することができるが、
ダミー管にフィンを設ける場合、フィンが内部流体で冷
却されないので、フィン温度が層内温度と同様に高くな
る。従って、例えば高クロム鋼のフィンを使用すること
が好ましい。この場合、フィン先端部と溶接部との温度
差は無視できるので、フィンの切り込みをなくすことも
できる。
【0020】本実施例においてフィンを取り付ける伝熱
管またはダミー管(以下、単に伝熱管ということがあ
る)は、最下段のものに限定されるものではなく、最下
段の伝熱管群およびこれに近接する上方の伝熱管に設け
ることもできる。このように最下段の伝熱管のみでな
く、その上部の伝熱管にもフィンを設けることは、フィ
ンの長さが制限される場合に有効となる。すなわち、流
動層ボイラは、ガスのみでなく、流動媒体の接触による
伝熱効果があるので、微粉炭焚きボイラ等に較べて一般
的に管外伝熱係数が大きく、単位面積当たりの伝熱面負
荷も大きくなる。従ってフィン先端温度が高くなり易い
ので、材料の使用限界温度等の理由からフィンの長さを
一定以上長くできない場合があり、このような場合に
は、最下段のみならずその上部の伝熱管にもフィンを設
けることが有効となる。
【0021】流動層ボイラ装置においては、散気板と最
下段伝熱管との間で気泡が合体、成長して大きくなる。
従って、最下段伝熱管は気泡の破裂によって摩耗を受け
やすいので、散気板から最下段伝熱管までの距離をでき
るだけ短くして気泡の成長を抑えるとともに、最下段伝
熱管に摩耗防止用のカバーを取り付けることが行われる
が、本発明は、このようなカバーで覆われた伝熱管に対
しても適用することができる。
【0022】図5〜図7は、実施例1の最下段の伝熱管
に代えて摩耗防止用カバーで被われた伝熱管を用いた本
発明の他の実施例を示す説明図であり、図5は、本発明
が適用される摩耗防止用カバーを取り付けた最下段伝熱
管の説明図、図6は、図5のカバーにフィンを設けた場
合の説明図、図7は、図6のVII−VII方向視図である。
図5において、伝熱管2が、管材を上下に2分割した
摩耗防止用のカバー5で覆われており、該カバー5の当
接部にあて金6が溶接され、固定されている。このよう
な摩耗防止用カバー5で被覆された伝熱管2にフィン3
を取り付ける場合は、図5の前記あて金6の代わりにフ
ィン3を用い、該フィン3を前記半割りにした摩耗防止
用カバー5の当接部に溶接することによって取り付けら
れる。
【0023】本実施例によれば、摩耗防止用カバー5で
被覆された最下段伝熱管2の、燃料供給ノズル1から供
給された燃料が衝突する個所に水平方向に延びるフィン
を設けたことにより、上記実施例同様、燃料をフィン3
の延設方向に沿って均一に分配することができる。本実
施例において、図7に示したように、カバー5の一部に
孔をあけ、伝熱管2にカバー5の回り止め溶接(栓溶
接)を行うことが好ましい。これによって伝熱管2に対
してカバー5およびフィン3が回転またはずれるのを防
止できる。
【0024】本実施例において、カバー5に取り付けた
フィンは伝熱流体で冷却されにくいので、フィン材とし
ては高クロム鋼を用いることが好ましい。また、フィン
3のカバー5への溶接部とフィン3の先端部との温度差
が生じることもあるので、フィン3として鋸歯状の切り
込みを有するフィンを使用することが好ましい。図8〜
10は、実施例1の燃料供給ノズル1の燃料噴射方向を
伝熱管2の長手方向に対して直角にした本発明の別の実
施例を示す説明図であり、図8は、下方向からみた要部
を示す図、図9は、図8のIX−IX線矢示方向断面図、図
10は、図8のX−X線矢示方向断面図である。図におい
て、燃料噴射方向に対して燃料供給ノズル1の左右でフ
ィン3が逆向きに伝熱管2に取り付けられている。
【0025】本実施例によれば、燃料供給ノズル1の左
右でフィン3を逆向きに取り付けたことにより、最下段
の伝熱管2に衝突した燃料を燃料供給ノズルの噴射口の
前後に拡散するように均一に分配することができる。本
発明においては、燃料ノズルから噴射され、流動層を上
昇する燃料の一部または全部を流動化空気および流動媒
体と共に一旦貯留する空間部を設け、該貯留した燃料
を、その上昇位置に関係なく各方向に均一に放出するこ
とができる燃料均一分配器(ディストリビュータ)を設
けてもよい。
【0026】図11は、本発明の別の実施例を示す説明
図であり、図12は、図11の要部拡大図、図13は、
図12の縦断面図である。図11および図12におい
て、伝熱管112の下部の、燃料噴射ノズル111から
噴射される燃料の到達位置に、上向きに凸型形状の中央
部材としての円筒状部材114と、該円筒状部材114
の下端外周部に沿って設けられた、上向きに傾斜する壁
面を有する外周部材としての翼状部材115と、前記円
筒状部材114の上部壁面に設けられ、上部空間に開口
する連通管116とを有するディストリビュータ117
が設けられている。また図13において、連通管116
は中空の円筒状部材114の内部まで差し込まれてお
り、かつその下端部は前記円筒状部材114の高さ方向
のほぼ中間部で開口している。
【0027】このような構成において、燃料供給ノズル
111から噴射された燃料は、流動層中を上昇する空気
および流動媒体(BM)との混合物となり、図13中矢
印118で示すように、中空の円筒状部材114内の空
間部119に至り、その一部が連通管116の下部開口
部120から上方に抜け出る。このとき、開口部120
は、前記中空の円筒状部材114の空間部119の開口
断面積よりも小さいので、前記空間部119から上方へ
抜け出る量よりも、ここに入り込む量が多くなり、前記
空間部119には前記混合物が滞留し、この滞留容量が
空間部119の容積よりも多くなると、前記混合物は図
13中矢印121で示すように、翼状部材115と円筒
状部材114の接合部122をかいくぐるように移動し
て前記翼状部材115の傾斜面の下側に至る。このとき
翼状部材115の下側面は、斜め上方に向かう構造であ
るために、下からの流動化空気の外周方向に移動する動
きに従って、前記溢れた混合物は外周方向に移動する。
この混合物の溢れは、前記接合部122のどの位置にお
いても同様に生じるので、前記混合物は前記翼状部材1
15の円周方向のどの位置にも均等に配分される。
【0028】本実施例によれば、ディストリビュータ1
17が、燃料供給ノズル111から噴射され、流動層を
上昇する燃料の一部または全部を流動化空気および流動
媒体と共に一旦貯留する空間部119を形成する中空の
円筒状部材114を設け、かつその下端外周部に沿って
上向きに傾斜する壁面を有する翼状部材115を有する
ことにより、下方から上昇する燃料流は前記円筒状部材
114の下部開口端123のどの位置に上昇してきて
も、一旦前記空間部119内に蓄えられ、その後、前記
円筒状部材114と翼状部材115との接合部122か
ら溢れるように流出するので、上昇位置に関係なく均一
に分散することができる。
【0029】本実施例において、円筒状部材114の連
通管116の下部開口部120よりも上側の空間部に
は、前記混合物のうち主として空気が滞留し、該空気
は、下方から上昇してこの空間部に入りこみ、溢れた空
気が図中矢印124で示すように開口部120を通って
上方へ抜けるので、円筒状部材114の内部空間部11
9が上部の空気層と下部の固体成分(BM+CWP)層
とに分離され、前記混合物のうち主として空気を連通管
116を通して上方へ逃がしながら、固体成分としての
燃料を下方から翼状部材115の下側面に沿って移動さ
せて層内に均一に分配することができる。また、空気の
一部を連通管116から上方へ逃がすことにより、ディ
ストリビュータ117の上方の流動化媒体を効率よく流
動させることができる。
【0030】本実施例において、燃料等を一次的に滞留
させる空間部119の大きさは、燃料噴射ノズルから噴
射された燃料が噴射速度および流動化媒体の影響を受け
て広がる全範囲を被う程度に大きくすることが好まし
い。これによって燃料供給ノズル111から供給された
燃料の上昇位置や広がりにかかわらず、前記空間部11
9に一旦貯留したのち層内に均一に分配することができ
る。
【0031】本発明を、加圧流動層ボイラ装置に適用す
る場合は、圧力容器内面に耐火材を配置して空洞部を有
する火炉を構成し、該火炉の前記耐火材を固定するよう
に、水管群からなる水冷壁を設け、火炉内圧を前記水冷
壁および耐火材を介して圧力容器で負担する構造とする
ことが好ましい。図14は、本発明の別の実施例を示す
説明図、図15は、図14のXV−XV線矢示方向断面図で
ある。図14において、圧力容器141内に流動層ボイ
ラの火炉142を形成するように耐火材143が配置さ
れ、図15に示すように、耐火材143の表面には水管
144群が配列されており、該水管144群の上下両端
部は管寄せ145に連結されて水冷壁が形成されてお
り、該水冷壁は圧力容器141の上部から、スリングボ
ルト146を介して吊り下げ支持され、その下端部に、
前記水冷壁の熱伸びを吸収する隙間が設けられている。
また前記火炉142の底部には、空気ノズル148を複
数有する分散板149が配置されており、流動層147
内に伝熱管150および燃料供給ノズル151、ならび
に前記伝熱管150と燃料供給ノズル151との間に、
上記実施例と同様の構成のディストリビュータ152が
配置されている。
【0032】このような構成において、燃料供給ノズル
151から噴霧された燃料は、ディストリビュータ15
2に衝突して、上記実施例と同様に火炉142内に均一
に分配される。本実施例によれば、圧力容器141内に
流動層火炉142を形成するように耐火材143を配置
し、該耐火材143の表面に水管144群を配列したこ
とにより、火炉の燃焼用空気および燃焼ガスの圧力は、
耐火材143を介して圧力容器141に伝達し、該圧力
容器141でのみで負担されるので、水冷壁のバックス
テーが不要となる。また、高温の燃焼ガスが有する熱エ
ネルギーは、耐火材143によって熱放散が抑制され、
水冷壁で効率よく吸収されるので熱効率が向上する。さ
らに、耐火材143の厚さを変化させることにより圧力
容器141の表面温度を調整することができるようにな
り、圧力容器の板圧を薄くするとともに、コンパクト化
が可能となる。
【0033】本実施例において水冷壁は、耐火材143
の熱収縮に起因する脱落を防止する機能を有している。
本実施例において、水冷壁の支持構造を、自立構造とす
ることもできる。この場合、下部管寄せ145を固定
し、上部管寄せ145の上方向の熱伸びを考慮した隙間
を耐火物143との間に設けることが好ましい。
【0034】本実施例において、水冷壁を複数の単管で
構成しないで、図16に、それぞれ断面図(i)〜(ii
i)として例示したように、火炉圧が直接作用しない非
密閉型構造としても同様の効果が得られる。なお、図1
4〜図16で説明した圧力容器構造は、一般の加圧流動
層ボイラ装置にも適用可能である。
【0035】本発明において、流動層内に、伝熱管管群
を複数段配置する場合には、各伝熱管管群相互の間隔を
800mm以下とすることが好ましく、また伝熱管群の
体積率は12%以上であることが好ましい。これは、伝
熱管管群の一部としてダミー管を使用する場合、または
最下段管群としてダミー管群を用いる場合も同様であ
る。
【0036】図17〜図22を用いて本発明の原理を説
明する。図18は、図17に示したばね鋼板の根本に歪
みゲージを取り付けたセンサーを流動層内に挿入した場
合の空気ノズルからの距離(間隔)と流動化媒体の衝突
による発生歪みとの関係を示す図である。図18におい
て、空気ノズルからの距離が大きくなるほど発生歪みが
大きくなり、流動状態が激しくなることが分かる。これ
は、流動層内の気泡が上昇過程で合体して大きくなるか
らである。
【0037】また図18において、空気ノズルから60
0mmの位置の最大歪みに対して800mmの位置の最
大歪みは約1.4倍であり、発生歪みεは流動媒体の衝
突エネルギー1/2ρV2 (ρ:流動媒体の嵩密度、
V:流動媒体の衝突速度)に比例するので流動媒体の衝
突速度で比較すると1.40.5 =1.18(倍)とな
る。また伝熱管の摩耗速度は衝突速度の3.5乗に比例
するから、摩耗速度は1.183.5 =1.8(倍)とな
る。
【0038】図19に空気ノズルから最下段伝熱管まで
の距離と伝熱管の摩耗減肉量との関係を示す。図19に
おいて、距離が大きくなるほど伝熱管の摩耗減肉量が指
数関数的に増加することが分かる。従って、本発明にお
いては、空気ノズルから最下段伝熱管までの距離、およ
び伝熱管管群相互の間隔を800mm以下とすることが
好ましい。
【0039】図20は、火炉幅1.2m火炉奥行き0.
6m、流動層高0.65mの伝熱管のない流動層モデル
に平均粒径0.5mmのケイ砂を流動媒体として使用し
て前記歪みゲージを火炉奥行き方向の中央の流動層高付
近に挿入し、最大、最小歪みを測定した結果を示す図で
ある。図において、最小の歪みの絶対値が最大歪みを上
回るところは下向流が発生しており、層内には二つの循
環流が発生していることが分かる。また、火炉の断面が
正方形や円形の流動層においては層の中央部がふき上が
り周辺部が下向流となり伝熱管がない流動層では気泡が
集中するので、流動状態は極めて激しくなる。このよう
な流動状態を抑制するには伝熱管を均等にかつ密に配置
する必要がある。
【0040】図22は、水平ピッチが50mm、管外径
が27.2mmの管列を段数を増やし、図21に示すよ
うに、空気ノズル211から600mm上方に伝熱管群
を配置して気泡の破砕効果を調べた結果を示したもので
ある。図22において、伝熱管群の段数が8段前後から
以上は発生歪みが殆ど変わらないことから、8段前後に
すると気泡は伝熱管で充分破砕されてそれ以上大きくな
らないことが分かる。
【0041】また伝熱管の配列方法としては、例えば図
23に示したように、スタッガード配列、インライン配
列があげられ、図24は、前記インライン配列の管群の
管と管の間に歪みゲージを取り付けたセンサーを挿入
し、伝熱管の外径を代えることによって流動層内に占め
る伝熱管の体積率を変えて、発生した歪みを測定した結
果を示したものである。図24において、伝熱管の体積
率が12%前後から以上は発生歪みが変わらないことが
分かる。従って本発明においては、伝熱管の体積率を1
2%以上とすることが好ましい。
【0042】すなわち、本発明においては、空気ノズル
と管群との間隔および管群と管群との間隔を800mm
以下とし、伝熱管もしくはダミー管管群における管の体
積率を12%以上とし、管群の段数を8段以上とする伝
熱管配置を採用することが好ましい。なお、この伝熱管
配置構造は、一般の流動層ボイラ装置にも適用可能であ
る。
【0043】図25は、本発明の別の実施例を示す説明
図である。この流動層ボイラ装置は、空気分配板252
の空気ノズル253から600mm上方に最下段の伝熱
管群254を配置し、その上にそれぞれ600mmづつ
離して合計4個の伝熱管群254を配置したものであ
る。伝熱管群254は外径27.3mmの伝熱管をイン
ラインに配置し、図23に示した管のピッチはSh=5
0mm、Sv=50mmとした。この伝熱管群254の
体積率はそれぞれ23.2%である。また、図示省略し
たが、最下段の伝熱管管群254の最下段管には伝熱管
の摩耗を防止するために外径34mm、厚さ3.2mm
のステンレス鋼管を半割りにしたプロテクターが取付け
られており、該プロテクターに図1に示した、燃料を均
一に分配するためのフィンが設けられている。
【0044】本実施例によれば、最下段伝熱管のプロテ
クターに水平方向に延設されたフィンを設けたことによ
り燃料を均一分散することができる。また、空気ノズル
253と最下段の伝熱管群254との間隔、および伝熱
管群相互の間隔をそれぞれ600mmとしたことにより
前記各伝熱管群254が気泡を破砕してその成長を阻害
するので、伝熱管の摩耗を軽減することができる。さら
に、伝熱管を4つの管群で構成したことにより、ボイラ
負荷100%、75%、50%、25%とステップ応答
的に負荷変化させ易いという利点がある。
【0045】本実施例において、最下段の伝熱管群25
4をダミー管(ステンレス鋼管)管群とすることもでき
る。最下段の管群が伝熱管であると伝熱管によって熱が
持ち去られ、起動に時間がかかるという問題を生じる
が、最下段の管群として非冷却のダミー管を使用するこ
とにより、起動時に燃料等が冷却されないので起動時間
を短縮することができる。
【0046】なお、本実施例において、流動層ボイラの
起動は流動層高を最下段管以下にし、熱風炉により65
0度前後まで昇温してからCWP(Coal Wate
rPaste)を投入し、その後流動層高を徐々に上げ
て起動した。図26は、本発明のさらに別の実施例を示
す説明図である。この流動層ボイラ装置は、空気分配板
262の空気ノズル263から600mmの位置に外径
27.2mmのダミー管(ステンレス鋼管)管群を配置
するとともに、その最下段のダミー管に図1に示したフ
ィンを設け、このダミー管群の上方に管中心寸法で60
0mm離して同様のダミー管群267を配置し、その上
に管中心寸法で600mm離して伝熱管管群264を配
置したものである。伝熱管およびダミー管管群は、イン
ラインに配置し、第23図に示した管のピッチをSh=
50mm、Sv=50mmとした。
【0047】本実施例によれば、最下段のダミー管にフ
ィンを設けたことにより、燃料を均一分散できる。また
ダミー管群267相互またはダミー管群267と伝熱管
群264との間隔を600mmとしたことにより伝熱管
およびダミー管の摩耗を防止することができる。さら
に、伝熱管管群264を流動層の上部に配置したことに
より、流動層高を大きく変化させることなく負荷制御が
でき、また低負荷時の燃焼効率の低下を回避することが
できる。
【0048】本実施例においてダミー管管群267の中
に伝熱管を混入させ、伝熱管管群264の中にダミー管
を混入させてもよい。
【0049】
【発明の効果】本願の請求項1に記載の発明によれば、
少なくとも最下段の伝熱管の、燃料供給ノズルから噴射
され、流動化空気に同伴される燃料が接触する個所に、
水平方向に延びるフィンを設けたことにより、前記噴射
された燃料がフィンに衝突して拡散するので、燃料を流
動層内に均一に分配することができる。また、燃焼効率
が向上し、未燃分の発生が少なくなるので、フリーボー
ドやサイクロンでの、いわゆる後燃えがなくなるととも
に、最下段の伝熱管付近に還元雰囲気が生じないので、
伝熱管の腐食を防止することができる。
【0050】本願の請求項2記載の発明によれば、フィ
ンに鋸歯状の切り込みを設けたことにより、上記発明の
効果に加え、フィンの先端部と根本部とで生じるメタル
温度差に起因する熱応力を低減することができる。本願
の請求項3記載の発明によれば、燃料供給ノズルの燃料
噴射方向と最下段の伝熱管の長手方向を同一とし、前記
燃料供給ノズルの平面位置を挟んで平面上右側の伝熱管
には右方向に延びるフィンを、左側の伝熱管には左方向
に延びるフィンを、および中央部の伝熱管には左右両方
向に延びるフィンを、それぞれ設けたことにより、上記
発明の効果に加え、燃料噴射ノズルから噴射された燃料
をフィンの延設方向に沿って均一に分散することができ
る。
【0051】本願の請求項4記載の発明によれば、燃料
供給ノズルの燃料噴射位置に近い伝熱管ほどフィンの取
付け幅を広くしたことにより、上記発明の効果に加え、
燃料噴射ノズルから噴射された燃料の到達位置が変化し
ても均一に分散することができる。本願の請求項5記載
の発明によれば、燃料供給ノズルの燃料噴射方向と最下
段の伝熱管の長手方向が直交するように伝熱管を配置
し、該伝熱管のフィンを、前記燃料供給ノズルの平面位
置を挟んで左右逆向きに交互に取り付けたことにより、
上記発明の効果に加え、燃料供給ノズルから噴射された
燃料を前記燃料供給ノズルの噴射口の前後に拡散するよ
うにして均一に分散させることができる。
【0052】本願の請求項6記載の発明によれば、伝熱
管として摩耗防止用カバーで被覆されたものを用い、該
摩耗防止用カバーにフィンを設けたことにより、上記発
明と同様、燃料をフィンの延設方向に沿って均一に分配
することができる。本願の請求項7記載の発明によれ
ば、伝熱管の下部の、燃料供給ノズルから噴射された燃
料の到達位置に、上向きに凸型形状の中央部材と、該中
央部材の下端外周部に沿って設けられた、上向きに傾斜
する壁面を有する外周部材と、前記中央部材の上部壁面
に設けられ、上部空間に開口する連通管とを有する燃料
分配器を配置したことにより、燃料供給ノズルから噴射
された燃料の上昇位置に関係なく、均一に分配すること
ができる。
【0053】本願の請求項8記載の発明によれば、上向
きに凸状形状の中央部材を、円筒状または円錐状部材と
し、前記上向きに傾斜する壁面を有する外周部材を、前
記中央部材の下端外周部に沿って設けられた、斜め上方
に延びる翼状部材または鍔部材としたことにより、上記
発明と同様の効果が得られる。本願の請求項9に記載の
発明によれば、中央部材に設けられた連通管の下端を、
前記中央部材の上部壁面よりも下方に突出させたことに
より、上記発明の効果に加え、燃料混合物のうち主とし
て空気を上方へ逃がしながら、燃料を層内に均一に分散
することができる。
【0054】本願の請求項10に記載の発明によれば、
流動層ボイラ装置を加圧型の流動層ボイラ装置とし、流
動層火炉を、圧力容器と、該圧力容器の内面に沿って配
置された耐火材と、該耐火材を固定するようにその表面
に配置された水管群からなる水冷壁を有するものとした
ことにより、水冷壁のバックステーを不要とし、圧力容
器のコンパクト化を図ることができる。
【0055】本願の請求項11に記載の発明によれば、
燃料供給ノズルと最下段の伝熱管との間隔および流動層
内に配置された伝熱管管群相互の間隔を、それぞれ80
0mmm以下としたことにより、上記発明の効果に加
え、気泡の成長を阻害して伝熱管の摩耗を軽減すること
ができる。本願の請求項12に記載の発明によれば、伝
熱管管群の体積率を、12%以上としたことにより、上
記発明と同様に気泡の成長を阻害して伝熱管の摩耗を軽
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部を示す説明図。
【図2】図1のII−II線矢示方向断面図。
【図3】図1の要部拡大図。
【図4】一実施例におけるフィンの取付け態様を示す
図。
【図5】本発明が適用される摩耗防止用カバーを取り付
けた伝熱管を示す図。
【図6】図5のカバーにフィンを取り付けた場合の説明
図。
【図7】図6のVII−VII方向視図。
【図8】本発明の別の実施例の要部を示す図。
【図9】図8のIX−IX線矢示方向断面図。
【図10】図8のX−X線矢示方向断面図。
【図11】本発明の別の実施例の要部を示す図。
【図12】図11の一部拡大図。
【図13】図12の縦断面図。
【図14】本発明の別の実施例の要部断面を示す図。
【図15】図14のXV−XV線矢示方向断面図。
【図16】一実施例における水冷壁の取付け態様を示す
図。
【図17】歪みゲージの説明図。
【図18】空気ノズルからの距離と発生歪みとの関係を
示す図。
【図19】空気ノズルから最下段伝熱管までの距離と伝
熱管の摩耗減肉量との関係を示す図。
【図20】伝熱管のない流動層内における流動媒体の流
動状態の測定結果を示す図。
【図21】伝熱管段数と発生歪みの関係を測定する際の
伝熱管と空気ノズルとの関係を示す図。
【図22】伝熱管段数と発生歪みの関係を示す図。
【図23】伝熱管の体積率を示す説明図。
【図24】伝熱管の体積率と発生歪の関係を示す図。
【図25】本発明の別の実施例を示す説明図。
【図26】本発明の別の実施例を示す説明図。
【図27】従来技術の説明図。
【図28】従来技術の燃料供給ノズルとディストリビュ
ータとの位置関係を示す図。
【図29】従来技術の燃料供給ノズルとディストリビュ
ータとの位置関係を示す図。
【図30】従来技術の燃料供給ノズルとディストリビュ
ータとの位置関係を示す図。
【符号の説明】
1…燃料供給ノズル、2…伝熱管、3…フィン、4…溶
接部、5…カバー、6…あて金、7…栓溶接、111…
燃料供給ノズル、112…伝熱管、114…円筒状部
材、115…翼状部材、116…連通管、117…ディ
ストリビュータ、118…燃料の流れを示す矢印、11
9…空間部、120…連通管の下部開口部、121…燃
料の流れを示す矢印、122…円筒状部材と翼状部材と
の接合部、123…円筒状部材の下部開口端、124…
主として空気の流れを示す矢印、141…圧力容器、1
42…流動層ボイラの火炉、143…耐火材、144…
水管、145…管寄せ、146…スリングボルト、14
7…流動層、148…空気ノズル、149…分散板、1
50…伝熱管、151…燃料供給ノズル、152…ディ
ストリビュータ、211…空気ノズル、212…伝熱
管、251…側壁、252…空気分散板、253…空気
ノズル、254…伝熱管群、255…サポート管、25
6…CWPノズル、261…側壁、262…空気分散
板、263…空気ノズル、264…伝熱管、265…サ
ポート管、266…CWPノズル、267…ダミー管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河崎 照文 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 伊豆田 浩三 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 東川 謙示 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 藤原 秀成 広島県呉市宝町5番3号 バブ日立エンジ ニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3K064 AA06 AB01 AD03 AE16 BA05 BA13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層火炉と、該流動層火炉の底部に設
    けられた散気板と、該散気板から供給された流動化空気
    によって形成される流動層と、該流動層に燃料を供給す
    る燃料供給ノズルと、該燃料供給ノズルの上部に設けら
    れた伝熱管群とを有する流動層ボイラ装置において、前
    記伝熱管群のうち、少なくとも最下段の伝熱管の前記燃
    料供給ノズルから噴射され、流動化空気に同伴された燃
    料が接触する個所に、水平方向に延びるフィンを設けた
    ことを特徴とする流動層ボイラ装置。
  2. 【請求項2】 前記フィンに鋸歯状の切り込みを設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の流動層ボイラ装置。
  3. 【請求項3】 前記燃料供給ノズルの燃料噴射方向と最
    下段の伝熱管の長手方向を同一とし、前記燃料供給ノズ
    ルの平面位置を挟んで平面上右側の伝熱管には右方向に
    延びるフィンを、左側の伝熱管には左方向に延びるフィ
    ンを、および中央部の伝熱管には左右両方向に延びるフ
    ィンを、それぞれ設けたことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の流動層ボイラ装置。
  4. 【請求項4】 前記燃料供給ノズルの燃料噴射位置に近
    い伝熱管ほどフィンの取付け幅を広くしたことを特徴と
    する請求項1〜3の何れかに記載の流動層ボイラ装置。
  5. 【請求項5】 前記燃料供給ノズルの燃料噴射方向と最
    下段の伝熱管の長手方向が直交するように伝熱管を配置
    し、該伝熱管のフィンを、前記燃料供給ノズルの平面位
    置を挟んで左右逆向きに交互に取り付けたことを特徴と
    する請求項1または2に記載の流動層ボイラ装置。
  6. 【請求項6】 前記最下段の伝熱管が摩耗防止用カバー
    で被覆されたものであり、該摩耗防止用カバーに前記フ
    ィンを設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに
    記載の流動層ボイラ装置。
  7. 【請求項7】 流動層火炉と、該流動層火炉の底部に設
    けられた散気板と、該散気板から供給される流動化空気
    によって形成される流動層と、該流動層に燃料を供給す
    る燃料供給ノズルと、該燃料供給ノズルの上部の前記流
    動層内に設けられた伝熱管群とを有する流動層ボイラ装
    置において、前記伝熱管の下部の、燃料噴射ノズルから
    噴射された燃料の到達位置に、上向きに凸型形状の中央
    部材と、該中央部材の下端外周部に沿って設けられた、
    上向きに傾斜する壁面を有する外周部材と、前記中央部
    材の上部壁面に設けられ、上部空間に開口する連通管と
    を有する燃料分配器を配置したことを特徴とする流動層
    ボイラ装置。
  8. 【請求項8】 前記上向きに凸状形状の中央部材が、円
    筒状または円錐状部材からなり、前記上向きに傾斜する
    壁面を有する外周部材が、前記中央部材の下端外周部に
    沿って設けられた、斜め上方に延びる翼状または鍔状部
    材であることを特徴とする請求項7に記載の流動層ボイ
    ラ装置。
  9. 【請求項9】 前記中央部材に設けられた連通管の下端
    を、前記中央部材の上部壁面よりも下方に突出させたこ
    とを特徴とする請求項7または8に記載の流動層ボイラ
    装置。
  10. 【請求項10】 前記流動層ボイラ装置が加圧型の流動
    層ボイラ装置であり、前記流動層火炉が、圧力容器と、
    該圧力容器の内面に沿って配置された耐火材と、該耐火
    材を固定するようにその表面に配置された水管群からな
    る水冷壁を有することを特徴とする請求項1〜9の何れ
    かに記載の流動層ボイラ装置。
  11. 【請求項11】 前記燃料供給ノズルと最下段の伝熱管
    との間隔および前記流動層内に配置された伝熱管管群相
    互間の間隔を、それぞれ800mm以下としたことを特
    徴とする請求項1〜10の何れかに記載の流動層ボイラ
    装置。
  12. 【請求項12】 前記伝熱管管群の体積率を、12%以
    上としたことを特徴とする請求項11に記載の流動層ボ
    イラ装置。
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WO2013121965A1 (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 荏原環境プラント株式会社 流動層ボイラの層内伝熱管

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