JP2000265990A - ターボ型流体機械及びそれに用いるスラスト軸受装置 - Google Patents

ターボ型流体機械及びそれに用いるスラスト軸受装置

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JP2000265990A
JP2000265990A JP11073160A JP7316099A JP2000265990A JP 2000265990 A JP2000265990 A JP 2000265990A JP 11073160 A JP11073160 A JP 11073160A JP 7316099 A JP7316099 A JP 7316099A JP 2000265990 A JP2000265990 A JP 2000265990A
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Japan
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thrust bearing
thrust
oil
lubricating oil
bearing
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Atsushi Ito
篤志 伊藤
Toyoo Konno
豊雄 今野
Osamu Kudo
修 工藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C17/00Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
    • F16C17/04Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for axial load only
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/10Construction relative to lubrication
    • F16C33/1025Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant
    • F16C33/106Details of distribution or circulation inside the bearings, e.g. details of the bearing surfaces to affect flow or pressure of the liquid
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ターボ型流体機械に用いられるスラスト軸受の
潤滑油の循環を防止し、スラスト軸受の性能と信頼性を
向上させる。 【解決手段】スラスト軸受装置は、スラスト軸受18
(22)と、このスラスト軸受を保持する軸受ホルダ3
8とを備える。スラスト軸受は複数のスラストパッド4
6を有し、このスラストパッドの背面側には、このスラ
ストパッドを傾動可能に支持するピボット手段と、この
ピボット手段を支持するピボット支持手段とを有してい
る。各スラストパッドの前面側には、給油孔50が形成
されたダンピング手段48が取付けられている。軸受ホ
ルダの内周には、排油溝66が形成され、この溝にスラ
スト軸受を潤滑した潤滑油の旋回速度成分を軽減する突
起60が突出している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はターボ型流体機械及
びそれに用いるスラスト軸受装置に係り、特に高速高負
荷環境下で使用される遠心圧縮機に好適なスラスト軸受
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のターボ型流体機械のにおいては、
ティルティングパッド型のスラスト軸受を用いて高速大
負荷に対応していた。その際、例えば特開平9−229
068号に記載のように、スラスト軸受の内周側に流出
した潤滑油の滞留を防止するために、スラストカラーの
摺動面に、スラスト軸受の内周半径より小さい半径のリ
ング状の溝を設け、スラストカラーにこのリング状の溝
に連通し、スラストカラーの外周面に開口する排油孔を
複数設けていた。
【0003】また、特開昭61−103008号公報や
特開昭61−112815号公報には、強制供給される
潤滑液の旋回流れのためにパッドが潤滑液の進入方向に
傾くのが阻止され、くさび作用による適正な潤滑膜が形
成されない、という不具合を解消するためのティルティ
ングパッド型のスラスト軸受が開示されている。この公
報に記載のティルティングパッド型のスラスト軸受で
は、強制供給される潤滑液のパッド部入口付近に、潤滑
液の周方向旋回流れを止めて径方向に案内する整流装置
が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スラスト軸受が支持で
きるスラスト力の大きさは、スラスト軸受のパッドの大
きさと回転速度に大きく依存する。すなわち、同一構造
のスラスト軸受においては、サイズが大きいほど、また
回転速度が大きいほど、大きなスラスト力を支持でき
る。換言すれば、小さなサイズのスラスト軸受を用いた
場合でも、スラストカラーを高速化すれば大きなスラス
ト反力を得ることが出来る。そこで、機器の小型化をも
図って、回転軸、すなわちスラストカラーの高速化が図
られている。しかしながら、スラストカラーを高速化す
ると、以下に記載のような新たな不具合も生じている。
この不具合は、ターボ型の流体機械を高速小型化すると
きの障害となっていた。
【0005】回転速度が大きくなるに連れて、スラスト
カラーに対向するスラスト軸受パッドの外縁部における
周方向速度成分も大きくなる。そのため、スラストカラ
ーとスラスト軸受パッド間を通り抜けた潤滑油が、スラ
ストカラーの動きに追従して周方向に旋回し、外部に排
出されなくなる。一旦この現象が起こると、潤滑油がス
ラスト軸受を保持するハウジング外に円滑に排出されな
くなり、低温の潤滑油の供給が阻害される。その結果、
スラスト軸受摺動面での摩擦損失が増加し、スラスト軸
受パッド部の温度が上昇する。特開平9−229068
号公報に記載のスラスト軸受では、この不具合を解消す
るために、スラストカラーの摺動面にスラスト軸受の内
周半径より小さい半径のリング状の溝を設けて、スラス
ト荷重を支持して昇温した潤滑油を外部に導くようにし
ている。しかしながら、この公報に記載のスラスト軸受
は、スラスト軸受の内周側に潤滑油が滞留するのを防止
できるものの、スラストカラーと連れまわる際に遠心力
によりスラストカラー外径よりも大径部で旋回する潤滑
油については、十分には考慮されていなかった。
【0006】一方、スラストパッド外径よりも大径部で
の潤滑油の旋回を防止する上記特開昭61−10300
8号公報や特開昭61−112815号公報に記載のス
ラスト軸受では、旋回流の防止にある程度の改善は見ら
れるものの、潤滑油は遠心力により外径側に流れるた
め、潤滑油に半径方向内向きの流れ成分を与えることが
困難であり、結果的に潤滑油の多くがスラストカラーよ
りも外径部を旋回してしまうという不具合があった。
【0007】本発明は上記従来技術の有する不具合に鑑
みなされたものであり、その目的は、ターボ型流体機械
において、スラスト軸受とスラストカラー間に供給され
た潤滑油温度の上昇を防止することにある。本発明の他
の目的は、スラスト軸受の基本構造を変えることなく、
ターボ型流体機械のスラスト軸受の性能を向上させるこ
とにある。本発明のさらに他の目的は、信頼性を向上さ
せたスラスト軸受を備えたターボ型流体機械を実現する
ことにある。本発明のさらに他の目的は、高速運転域ま
で安定して運転可能なスラスト軸受を備えたターボ型流
体機械を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1の特徴は、スラストカラーが形成された
回転軸と、この回転軸に取付けられた複数の羽根車と、
この回転軸を回動可能に支持するラジアル軸受およびス
ラスト軸受と、このスラスト軸受を保持する保持手段と
を備えたターボ型流体機械において、保持手段のスラス
トカラーよりも半径方向外方に、スラスト軸受を潤滑し
た潤滑油の排油溝を形成し、この排油溝に潤滑油の旋回
防止手段を設けたものである。
【0009】そして好ましくは、旋回防止手段は、排油
溝の外周部に設けた突起または凹凸である;排油溝にこ
のスラスト軸受外へ潤滑油を排油する排油孔を連通さ
せ、この排油孔の排油溝への開口部より回転方向前側に
旋回防止手段を設ける;旋回防止手段を周方向に非対称
に設ける;スラスト軸受は、ティルティングパッド型の
スラスト軸受とするものである。
【0010】上記目的を達成するための本発明の第2の
特徴は、スラスト軸受と、このスラスト軸受を保持する
保持手段とを備えたスラスト軸受装置において、スラス
ト軸受は複数のスラストパッドと、このスラストパッド
を傾動可能に支持するピボット手段と、このピボット手
段を支持するピボット支持手段と、スラストパッドの各
々に取付けられ、給油孔が形成されたダンピング手段
と、これらを収納するスラスト軸受保持手段とを備え、
保持手段にスラスト軸受を潤滑した潤滑油の旋回速度成
分を軽減する手段を設けたものである。
【0011】そして好ましくは、旋回速度成分の軽減手
段は、保持手段に形成した突起または凹凸である;保持
手段の内周側であって、スラスト軸受が対向するスラス
トカラーよりも外径側に排油溝を形成し、この排油溝の
接線方向に複数の潤滑油排出口を形成する;保持手段の
内周側に、スラスト軸受を潤滑した潤滑油の排出を案内
する案内手段を設ける;案内手段を、案内板または複数
の案内翼とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
用いて説明する。遠心型圧縮機で代表されるターボ型流
体機械では、回転軸の半径方向に加わる荷重を支持する
ラジアル軸受に加え、軸方向の荷重を支持するためにス
ラスト軸受が使用される。特に大形のポンプ、タービ
ン、圧縮機などのターボ型流体機械においては、単位面
積当たりのスラスト負荷が大きいので、ティルティング
パッド型のスラスト軸受に外部から強制給油をして用い
るのが一般的である。
【0013】図2に、本発明のスラスト軸受を用いた多
段遠心圧縮機の一例の縦断面図を示す。
【0014】回転軸10に、多数の遠心羽根車26が取
付けられている。吸込み口32から吸込まれた作動ガス
は、遠心羽根車26で図示しない駆動機から運動エネル
ギーを与えられ、遠心羽根車26の半径方向外方に位置
するディフューザ28で圧力回復し、戻り部を有する戻
り流路30を経て、次段の羽根車へと送られる。この過
程を複数段、本実施例では5段繰り返した後、周方向か
ら吐出される作動ガスは集められ、吐出口34から吐出さ
れる。
【0015】回転軸10の両端部近傍には、上述したよ
うに、軸受ホルダ38、40に保持されたラジアル軸受
12、14が配置されており、このラジアル軸受12、
14により半径方向荷重が支持される。一方、作動ガス
の圧縮により生じるスラスト荷重は、軸受ホルダ38に
保持されたスラスト軸受18、22により支持される。
スラスト軸受22の端面側では、このスラスト軸受を保
持するために、スラスト軸受押え16が軸受ホルダ38
に取付けられている。なお、本実施例ではスラスト軸受
18、22とラジアル軸受12とを同一の軸受ホルダ3
8で保持しているが、これらを別個のホルダで保持でき
ることは言うまでもない。軸受ホルダ38、40は、羽
根車26、ディフューザ28、戻り流路30を収納する
ケーシング36に取付けられている。
【0016】高速回転するこの一軸多段型の遠心圧縮機
では、軸受部へ潤滑油が供給される。この潤滑油が作動
ガスに漏洩して悪影響を与えるのを防止するため、ラジ
アル軸受14と羽根車間、及びスラスト軸受12と羽根
車間に軸封装置24、20がそれぞれ設けられている。
軸封装置として、非接触型のラビリンスシールや接触型
のメカニカルシールが用いられる。
【0017】このような多段遠心圧縮機では、スラスト
軸受としてティルティングパッド型のスラスト軸受が、
スラスト負荷能力が大であるので、多用されている。こ
のティルティングパッド型のスラスト軸受では、スラス
トカラーとパッドメタルとの間に潤滑油を供給する。こ
の詳細を図1及び図3を用いて説明する。図1は、スラ
スト軸受部の横断面図であり、図3のI-I断面である。
図3は、図1のIII-III断面であり、スラスト軸受部の
縦断面図である。
【0018】ティルティングパッド型のスラスト軸受
は、回転軸10に形成されたスラストカラー42に対向
して設けられた、複数枚の扇形のスラストパッド46
と、このスラストパッド46を背後から支持するピボッ
ト状に形成さたピボット部材78と、このピボット部材
を保持するピボット保持部材74とを主要構成部品とし
ている。スラストパッド46のスラストカラー42に対
向する面は、平面またはスラストカラーとの間に潤滑油
の楔型膜を形成しやすいように曲面状に形成されてい
る。そして、スラストパッド46の回転軸の回転方向1
00端部近傍に、潤滑油が供給される給油孔50が形成
されている。さらに、この給油孔50はスラストパッド
46の最外径部近くに形成される。給油孔50の内径側
に、ほぼ半径方向に延びた給油溝52が形成されてい
る。
【0019】スラストパッド46の裏面側には、このス
ラストパッドに給油するための給油路と、スラストパッ
ドを傾動可能にするための機構とが構成されている。す
なわち、軸受ホルダー38の外径側から内径側へほぼ半
径方向に、1個または複数の給油孔70が形成されてい
る。給油孔70はパッドホルダ76を収納する空間部に
連通している。パッドホルダ70の外周部一端には、給
油孔70から導かれた潤滑油が全周に配分されるように
切欠きが形成されている。パッドホルダ76は断面コの
字状をしており、ピボット保持部材76が図示しない固
定手段を用いて固定このパッドホルダ76に固定され
る。各スラストパッドに対応して、スラストパッド46
の振動を抑制するために、ダンピング部材48がピボッ
ト保持部材76の外径側に設けられている。そしてこの
ダンピング部材48には、給油孔70に連通する給油孔
50が形成さている。
【0020】このように構成した本発明に係るスラスト
軸受においては、給油孔50から供給された潤滑油が給
油溝52へ流れ(106)、次いで給油溝52から溢
れ、スラストパッド46の軸受面へ流出する。ここで、
回転軸10が回転しているので、給油溝52からあふれ
た潤滑油は、粘性によりスラストカラー42と連れ回る
(102)。
【0021】ところで、スラストパッド46は裏面をピ
ボット部材78で周方向に傾動自在に支持されているの
で、潤滑油の連れまわりにより発生する圧力に応じてス
ラストパッドは周方向に傾く。その結果、潤滑油にくさ
び効果が生じる。これにより、スラストカラー42とス
ラストパッド46間に油膜が形成され、軸方向の荷重
(スラスト負荷)を低摩擦で支持できる。
【0022】スラストカラー42とスラストパッド46
間を周方向に通り抜けた潤滑油は、スラストパッド46
間に形成された隙間を通って半径方向外方に流出し、次
いでスラストカラー40の外径側に周方向に形成された
排油溝66へ流入し(104)、この排油溝66の接線
方向に形成された排油孔44から軸受部外へ排出される
(108)。排油孔66から排出される潤滑油は、荷重
を支持する際の摩擦エネルギーにより高温になってい
る。そこで、この高温の潤滑油を軸受ホルダ38の下部
に設けた排油孔44から外部に速やかに排出し、低温の
潤滑油を給油孔70から新たに供給して、摩擦熱による
温度上昇を防止している。スラスト軸受では、この一連
の動作が連続して行われて、潤滑油の異常昇温を防止し
ている。
【0023】ところで、高速の回転機械ではスラスト軸
受部、すなわちスラストカラーの周速が大となる。その
結果、スラストカラーと連れ回る潤滑油にも多大な遠心
力が作用する。潤滑油はスラストパッド46部におい
て、給油孔50から強制給油されているので次々と給油
溝52を経て軸受面に供給される。そして軸受面を潤滑
した後、排油隙間72から遠心力により、排油溝66に
流入する。ここで、潤滑油には遠心力が作用しているの
で、排油隙間72から流出した潤滑油は、排油溝66の
外周壁面にへばりつくようになる。そして、スラストカ
ラー42から付与された周方向運動成分により、排油溝
66内を循環するようになり、排油孔44から機外への
流出が阻害される。その結果、スラスト軸受内の潤滑油
温度が上昇する。なお、排油溝66内での油の旋回方向
運動成分の増大は、内部摩擦損失の増加につながり、軸
受部全体の機械的損失の増大の一因にもなる。
【0024】この様子を、図6に示す。図6において、
横軸は定格回転速度を100%としたときの回転速度、
縦軸はその回転速度における軸受温度(メタル部)を実
測した値である。四角で示したのが、従来のスラスト軸
受を用いた結果である。定格回転速度を越えると軸受温
度は急激に上昇し、メタル溶融温度(120℃)に近づい
ているのが分かる。なお、この実験では時圧縮機のスラ
スト方向の負荷を一定としているので、軸受温度は回転
速度のみにより影響を受けている。軸受温度が上昇する
と、潤滑油の劣化や潤滑不良を引き起こすおそれがあ
る。そこで、本発明においては、この軸受温度を低下さ
せるために、潤滑油の排油溝66内における循環を防止
する手段を設けている。
【0025】図1において、排油孔44が軸受ホルダ3
8の下部に設けられている。この排油孔44の回転方向
100の前側であって排油孔44の近くに、排油溝66
内面に突出した突起60を設けている。この結果、排油
孔内を旋回したスラストパッド部を潤滑した潤滑油は、
この突起60に衝突し、循環を防止される。そして、旋
回成分が低減される。突起60の近くには、排油孔44
が形成されているから、旋回を止められたまたは旋回成
分が少なくなった潤滑油は排油孔44に導かれ、スラス
ト軸受部外へ速やかに排出される。
【0026】図6において、突起60を形成したときの
軸受温度の変化の実験値を丸印で示す。従来の方法に比
べて、定格回転速度の90%の回転速度から軸受温度の
上昇が少なくなっている。そして、定格回転速度の12
0%近傍ではその差は30度程度まで拡大している。こ
の実験範囲では、本実施例の軸受の温度上昇は回転速度
の上昇に対してほぼリニアに上昇している。
【0027】本実施例の突起60の位置は、排油孔44
の近傍が望ましいが、排油孔から離れていても、旋回防
止効果があれば、特にその位置に限定されるものではな
い。また、突起の形状も矩形や台形に限るものではな
く、加工の容易さを考慮すれば、ボルトを埋め込んで形
成してもよい。この場合、突起の高さを変化させること
により、旋回成分の減衰程度を調整でき、潤滑油切れを
起こすことなく旋回成分を低減できる効果もある。
【0028】本発明にかかるスラスト軸受の他の実施例
を、図4及び図5に示す。図4及び図5はスラスト軸受
部の横断面図であり、図3のIV-IV断面である。排油溝
66内を旋回する潤滑油の周方向速度成分を減衰させる
ために、軸受ホルダ38の排油溝66外周側に、周方向
の溝(コッファダム)62により凹凸を形成している。
その他の構成は、上記実施例と同様である。凹凸を形成
したことにより、潤滑油の旋回流は凹凸に衝突して周方
向成分が減らされ、スラストパッド部を潤滑した潤滑油
が速やかにスラスト軸受外へと排出される。この凹凸
は、排油溝66の周方向の一部だけに形成してもよく、
また周方向全周にわたって設けてもよい。ただし、排油
孔44の近くであって回転方向後ろ側に形成されていれ
ば、効果が大きい。
【0029】図5は、ほぼスラストパッド1個分の間隔
をもって、排油孔を2個44、44a形成したものであ
る。この排油孔44、44aは、排油溝66の接線方向
に形成することは上記実施例と同様である。排油孔が複
数あるので、潤滑油の旋回速度成分を低減することがで
きる。なお、排油孔44を、スラストパッド間に形成さ
れる排油隙間に対応させて形成すればより旋回を防止す
る効果が大である。また、排油孔44の数をスラストパ
ッドの個数分だけ設ければ給油孔50との対応により、
潤滑油の供給路と排油路により循環系統が形成されるの
で、より旋回防止の効果が大になる。
【0030】以上の各実施例に示したように、本発明で
は排油溝内を循環する潤滑油を低減している。そのた
め、潤滑油の旋回成分を減衰させている。潤滑油の旋回
成分を低減する方法は上記方法に限るものではなく、排
油溝の軸直角断面形状を非対称形にすること、潤滑油を
排油孔44に導く複数の案内板または案内翼を排油溝6
6に設けること、等がある。
【0031】なお、上記何れの実施例においても、スラ
スト軸受としてはティルティングパッド型軸受を用いて
いるが、スラスト軸受はこれに限るものではなく、何れ
の型のスラスト軸受にも本発明は適用可能である。ま
た、スラストカラー回転軸と一体形としているが、回転
軸とは別体に構成し、回転軸に取付けるようにしてもよ
いことは言うまでもない。そして、上記各実施例によれ
ば、ターボ型流体機械において、低速回転域での性能を
損なうことなく、高速域までスラスト軸受を使用可能に
している。また、軸受ホルダ内の潤滑油の周方向成分を
減衰させているので、潤滑油の攪拌旋回運動による機械
的損失を低減できる。さらに、高速回転時においても、
軸受ホルダから高温の潤滑油をスムーズに排出できるの
で、所定温度の供給潤滑油との間での交換が促進され、
スラストカラーとスラストパッド間の潤滑環境が好適な
状態に保たれる。さらにまた、高速回転時にも、スラス
トカラーとスラストパッド間の潤滑環境を安定した状態
に保持できるので、摩擦損失を低減できる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ターボ型流体機械にお
いて、スラスト軸受部を潤滑した潤滑油の循環を防止す
るので、スラスト軸受とスラストカラー間に供給された
潤滑油温度の上昇を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスラスト軸受部の一実施例の軸直
角断面図である。
【図2】本発明にかかる多段遠心圧縮機の一実施例の縦
断面図である。
【図3】図1に示したスラスト軸受部のIII-III断面図
である。
【図4】スラスト軸受部の他の実施例の軸直角断面図で
ある。
【図5】スラスト軸受部のさらに他の実施例の軸直角断
面図である。
【図6】スラスト軸受の排油温度と回転速度の関係を説
明するグラフである。
【符号の説明】
10…回転軸、12、14…ラジアル軸受、16…スラ
スト軸受押え、18…スラスト軸受、20…シール、2
2…スラスト軸受、24…軸封装置、26…遠心羽根
車、28…ディフューザ、30…戻り流路、32…吸込
み口、34…吐出口、36…ケーシング、38…軸受ホ
ルダ、40…軸受ホルダ、42…スラストカラー、4
4、44a…排油孔、46…スラストパッド、48…ダ
ンパ機構、50…給油孔、52…給油溝、60…突起
(コッファダム)、62…溝、70…給油孔、72…排
油隙間、74…ピボット保持部材、76…パッドホル
ダ、78…ピボット部材、100…回転軸、102、1
04、106、108…潤滑油の流れ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 修 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内 Fターム(参考) 3H022 AA02 BA06 CA01 CA15 CA44 DA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スラストカラーが形成された回転軸と、こ
    の回転軸に取付けられた複数の羽根車と、この回転軸を
    回動可能に支持するラジアル軸受およびスラスト軸受
    と、このスラスト軸受を保持する保持手段とを備えたタ
    ーボ型流体機械において、前記保持手段の前記スラスト
    カラーよりも半径方向外方に、スラスト軸受を潤滑した
    潤滑油の排油溝を形成し、この排油溝に潤滑油の旋回防
    止手段を設けたことを特徴とするターボ型流体機械。
  2. 【請求項2】前記旋回防止手段は、前記排油溝の外周部
    に設けた突起または凹凸であることを特徴とする請求項
    1に記載のターボ型流体機械。
  3. 【請求項3】前記排油溝にこのスラスト軸受外へ潤滑油
    を排油する排油孔を連通させ、この排油孔の排油溝への
    開口部より回転方向前側に前記旋回防止手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のターボ型流体
    機械。
  4. 【請求項4】前記旋回防止手段を周方向に非対称に設け
    たことを特徴とする請求項1または2に記載のターボ型
    流体機械。
  5. 【請求項5】前記スラスト軸受は、ティルティングパッ
    ド型のスラスト軸受であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のターボ型流体機械。
  6. 【請求項6】スラスト軸受と、このスラスト軸受を保持
    する保持手段とを備えたスラスト軸受装置において、前
    記スラスト軸受は複数のスラストパッドと、このスラス
    トパッドを傾動可能に支持するピボット手段と、このピ
    ボット手段を支持するピボット支持手段と、前記スラス
    トパッドの各々に取付けられ、給油孔が形成されたダン
    ピング手段と、これらを収納するスラスト軸受保持手段
    とを備え、前記保持手段にスラスト軸受を潤滑した潤滑
    油の旋回速度成分を軽減する手段を設けたことを特徴と
    するスラスト軸受装置。
  7. 【請求項7】前記旋回速度成分の軽減手段は、前記保持
    手段に形成した突起または凹凸であることを特徴とする
    請求項6に記載のスラスト軸受装置。
  8. 【請求項8】前記保持手段の内周側であって、スラスト
    軸受が対向するスラストカラーよりも外径側に排油溝を
    形成し、この排油溝の接線方向に複数の潤滑油排出口を
    形成したことを特徴とする請求項6に記載のスラスト軸
    受装置。
  9. 【請求項9】前記保持手段の内周側に、前記スラスト軸
    受を潤滑した潤滑油の排出を案内する案内手段を設けた
    ことを特徴とする請求項6に記載のスラスト軸受装置。
  10. 【請求項10】前記案内手段は、案内板または複数の案
    内翼であることを特徴とする請求項9に記載のスラスト
    軸受装置。
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