JP2000265884A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP2000265884A
JP2000265884A JP11067882A JP6788299A JP2000265884A JP 2000265884 A JP2000265884 A JP 2000265884A JP 11067882 A JP11067882 A JP 11067882A JP 6788299 A JP6788299 A JP 6788299A JP 2000265884 A JP2000265884 A JP 2000265884A
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air
fuel ratio
fuel
vapor
intake
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JP11067882A
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Kazuhiko Iwano
一彦 岩野
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Toyota Motor Corp
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空燃比センサを用いて触媒のO2 ストレージ
量を一定に制御する内燃機関において、燃料タンクから
のベーパの発生量が多くなっているときに、リッチガス
に対応するカウンタ制御が実行されても、過度に空燃比
がリーンとならないようにすることにより、ドライバビ
リティの悪化を防止する。 【解決手段】 ベーパ濃度学習値FGPG(ベーパが濃
いほど小さくなっていく)と所定の基準値FGPGREF
とについてFGPG<FGPGREF が成立し、ベーパ濃
度が高いと判定され、かつ、吸気温THAと所定の基準
値THAREF とについてTHA>THAREF が成立し、
吸気温が高いと判定されるときには、空燃比フィードバ
ック制御で使用されるゲインKFP及びKFIを小さくす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関におい
て、吸入空気量に応じて適量の燃料を供給することによ
り、空気と燃料との混合比(空燃比(A/F))を運転
状態に応じた所望の値に制御する装置(空燃比制御装
置)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用内燃機関において
は、排気ガス浄化対策として、不完全燃焼成分であるH
C(炭化水素)及びCO(一酸化炭素)の酸化と、空気
中の窒素と燃え残りの酸素とが反応して生成されるNO
x (窒素酸化物)の還元とを同時に促進する三元触媒が
利用されている。そのような三元触媒による酸化・還元
能力を高めるためには、機関の燃焼状態を示す空燃比
(A/F)を理論空燃比近傍(ウィンドウ)に制御する
必要がある。そのため、機関における燃料噴射制御にお
いては、排気ガス中の残留酸素濃度に基づき空燃比が理
論空燃比よりもリッチかリーンかを感知するO2 センサ
(酸素濃度センサ)を設け、そのセンサ出力に基づいて
燃料量を補正する空燃比フィードバック制御が行われて
いる。
【0003】かかる空燃比フィードバック制御では、酸
素濃度を検出するO2 センサをできるだけ燃焼室に近い
箇所、すなわち触媒コンバータより上流側に設けている
が、そのO2 センサの出力特性のばらつきを補償するた
めに、触媒コンバータより下流側に第2のO2 センサを
更に設けたダブルO2 センサシステムも実現されてい
る。すなわち、触媒下流側では、排気ガスは十分に攪拌
されており、その酸素濃度も三元触媒の作用によりほぼ
平衡状態にあることにより、下流側O2 センサの出力
は、上流側O2 センサの出力よりも緩やかに変化し、従
って混合気全体のリッチ/リーン傾向を示す。ダブルO
2 センサシステムは、触媒上流側O2 センサによるメイ
ン空燃比フィードバック制御に加え、触媒下流側O2
ンサによるサブ空燃比フィードバック制御を実施するも
のであり、例えば、メイン空燃比フィードバック制御に
よる関与する定数を、下流側O2 センサの出力に基づい
て修正することにより、上流側O2 センサの出力特性の
ばらつきを吸収し、空燃比制御精度の向上を図ってい
る。
【0004】また、近年においては、三元触媒が常に一
定の安定した浄化性能を発揮しうるように空燃比を制御
する内燃機関も開発されている。すなわち、三元触媒の
2ストレージ能力は、排気ガスがリーン状態にあると
きに過剰分の酸素を吸着し、排気ガスがリッチ状態にあ
るときに不足分の酸素を放出することにより、排気ガス
を浄化するものであるが、このような能力は有限なもの
である。従って、O2ストレージ能力を効果的に利用す
るためには、排気ガスの空燃比が次にリッチ状態又はリ
ーン状態のいずれとなってもよいように、触媒中に貯蔵
されている酸素の量を所定量(例えば、最大酸素貯蔵量
の半分)に維持することが肝要であり、そのように維持
されていれば、常に一定のO2 吸着・放出作用が可能と
なり、結果として触媒による一定の酸化・還元能力が常
に得られる。
【0005】このように触媒の浄化性能を維持すべくO
2 ストレージ量を一定に制御する内燃機関においては、
例えば、空燃比をリニアに検出可能な全域空燃比センサ
(A/Fセンサ)が用いられ、比例及び積分動作(PI
動作)によるフィードバック制御(F/B制御)が行わ
れる。すなわち、 次回燃料補正量=KP *(今回燃料偏差)+KI *Σ(今までの燃料偏差) 但し、燃料偏差=実筒内燃料量−目標筒内燃料量 実筒内燃料量=実際に筒内で燃焼せしめられた燃料量 =空気量検出値/空燃比検出値 目標筒内燃料量=筒内吸気を目標空燃比の混合気とする筒内燃料量 =空気量検出値/目標空燃比 KP =比例項ゲイン KI =積分項ゲイン なる演算により、フィードバック燃料補正量が算出され
る。
【0006】上記した燃料補正量の演算式からわかるよ
うに、その比例項は、O2 センサによるフィードバック
制御と同様に、空燃比をストイキに維持すべく作用する
成分であり、積分項は、定常偏差(オフセット)を消去
するように作用する成分である。すなわち、この積分項
の作用により、触媒におけるO2 ストレージ量が一定に
維持される結果となる。例えば、急加速等でリーンガス
が発生した場合には、かかる積分項の作用により、リッ
チガスが発生せしめられ、リーンガス発生の効果が相殺
される。このようなO2 ストレージ量を一定に維持する
ため故意に空燃比を変動させる制御は、カウンタ制御と
呼ばれる。なお、かかるO2 ストレージ量一定制御シス
テムにおいても、A/Fセンサの出力特性のばらつきを
補償するために、触媒下流側にO2 センサが設けられる
ことがある。
【0007】一方、自動車用内燃機関においては、大気
汚染防止及び燃料損失防止を目的として、燃料タンクか
ら蒸発した燃料蒸気(以下、ベーパという)を一時的に
キャニスタ(活性炭などの吸着剤を収納した容器)に吸
着させて貯蔵するとともに、機関運転中の吸入負圧を利
用して吸気系に放出(キャニスタパージ、エバポパージ
等と呼ばれている)する処理が一般的に行われている。
かかるパージ制御は、キャニスタとスロットル弁より下
流側の吸気通路とを接続するパージ通路にその通路を開
閉する制御弁を設け、機関の運転状態に応じてその制御
弁の開度を制御することにより実現されている。パージ
実行中には、インジェクタから噴射される燃料に加え、
キャニスタパージによる燃料が機関本体に供給されるこ
ととなるため、空燃比制御の観点から、パージ量に応じ
て燃料噴射量を補正する必要がある。
【0008】特開昭10−54275号公報は、触媒上
流側の全域空燃比センサを用いた空燃比フィードバック
制御において、ベーパ濃度を反映するエバポ補正係数が
小さくパージの影響が大きいときに、フィードバック制
御のゲインを小さくすることにより、フィードバック制
御においてハンチング(hunting) が発生するのを防止す
る技術について開示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、制御弁を介
して吸気通路に放出されるベーパは、キャニスタからの
ベーパに加えて、燃料タンクから直接放出されるものも
含まれる。したがって、吸気通路にパージされるベーパ
濃度は、タンクベーパとキャニスタベーパと大気がキャ
ニスタに流入することによるパージ空気量とで決まるこ
ととなる。ここで、キャニスタベーパは、パージ空気量
に比例して増大するのに対し、タンクベーパは、パージ
空気量に依存せず、ほぼ一定となる傾向がある。それ
故、キャニスタベーパの濃度が薄く、かつ、タンクベー
パの濃度が濃いときには、全体としてのベーパ濃度は不
安定になる。しかも、ベーパ濃度を学習し、それを制御
に反映させるのには、一定の時間遅れが存在するため、
空燃比は荒れやすくなる。
【0010】したがって、上述の如き、O2 ストレージ
量を一定に制御する内燃機関においては、燃料タンクの
温度が高く、ベーパが大量に発生しているとき、ベーパ
によりリッチとなった空燃比が上述のカウンタ制御によ
り補正されてリーンになると、必要以上にリーンとな
り、ドライバビリティに悪影響を与えることとなる。上
記した従来技術のようなベーパ濃度のみによる制御で
は、高温状態のため燃料タンクからベーパが発生してい
るのか、又はキャニスタからベーパが発生しているの
か、を判別することができず、かかるドライバビリティ
悪化を回避することができない。
【0011】本発明は、上述のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、空燃比センサを用いて
触媒のO2 ストレージ量を一定に制御する内燃機関にお
いて、燃料タンクからのベーパの発生量が多くなってい
るときに、リッチガスに対応するカウンタ制御が実行さ
れても、過度に空燃比がリーンとならないようにするこ
とにより、ドライバビリティの悪化を防止することがで
きる空燃比制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、内燃機関の排気系に設けられ排気
ガスを浄化する触媒コンバータと、燃料タンクで発生し
た燃料ベーパを吸着し吸気系に供給するキャニスタと、
を備えた内燃機関の空燃比制御装置であって、該触媒コ
ンバータの上流側に配設され、排気ガスの空燃比にほぼ
比例する出力特性を有する空燃比センサと、前記空燃比
センサの出力の目標出力からの偏差に基づいて、空燃比
が目標空燃比となるようにフィードバック制御する第1
の空燃比フィードバック制御手段と、該燃料ベーパの濃
度を学習するベーパ濃度学習手段と、該機関の吸入空気
温度を検出する吸入空気温度検出手段と、前記ベーパ濃
度学習手段によって学習されたベーパ濃度が所定値より
も高く、かつ、前記吸入空気温度検出手段によって検出
された吸入空気温度が所定値よりも高い所定領域におい
ては、該所定領域以外の領域に比較して、前記第1の空
燃比フィードバック制御手段において使用されるゲイン
をより小さな値に設定するゲイン設定手段と、を具備す
る、内燃機関の空燃比制御装置が提供される。
【0013】また、本発明によれば、前記空燃比制御装
置は、該触媒コンバータの下流側に配設され、排気ガス
の空燃比がリッチかリーンかを感知するO2 センサと、
前記O2 センサの出力の目標出力からの偏差に基づい
て、前記空燃比センサの出力を補正する第2の空燃比フ
ィードバック制御手段と、を更に具備する。
【0014】また、本発明によれば、前記ゲイン設定手
段は、前記所定領域において、機関負荷と機関回転速度
とに応じて定められたゲインに1より小さな係数を乗ず
ることによりゲインを算出する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態に係る空燃比
制御装置を備えた電子制御式内燃機関の全体概要図であ
る。内燃機関1は、独立噴射型直列多気筒4ストローク
サイクルレシプロガソリン機関であり、車両に搭載され
る。機関1は、シリンダブロック2及びシリンダヘッド
3を備えている。シリンダブロック2には、上下方向へ
延びる複数個のシリンダ4が紙面の厚み方向へ並設さ
れ、各シリンダ4内には、ピストン5が往復動可能に収
容されている。各ピストン5は、コネクティングロッド
6を介し共通のクランクシャフト7に連結されている。
各ピストン5の往復運動は、コネクティングロッド6を
介してクランクシャフト7の回転運動に変換される。
【0017】シリンダブロック2とシリンダヘッド3と
の間において、各ピストン5の上側は燃焼室8となって
いる。シリンダヘッド3には、その両外側面と各燃焼室
8とを連通させる吸気ポート9及び排気ポート10がそ
れぞれ設けられている。これらのポート9及び10を開
閉するために、シリンダヘッド3には吸気バルブ11及
び排気バルブ12がそれぞれほぼ上下方向への往復動可
能に支持されている。また、シリンダヘッド3におい
て、バルブ11及び12の上方には、それぞれ吸気側カ
ムシャフト13及び排気側カムシャフト14が回転可能
に設けられている。カムシャフト13及び14には、バ
ルブ11及び12を駆動するためのカム15及び16が
それぞれ取り付けられている。カムシャフト13及び1
4の端部にそれぞれ設けられたタイミングプーリ17及
び18は、クランクシャフト7の端部に設けられたタイ
ミングプーリ19へタイミングベルト20により連結さ
れている。
【0018】すなわち、クランクシャフト7の回転に伴
いタイミングプーリ19が回転すると、その回転がタイ
ミングベルト20を介してタイミングプーリ17及び1
8に伝達される。その際、タイミングプーリ19の回転
は、その回転速度が1/2に減速されてタイミングプー
リ17及び18に伝達される。タイミングプーリ17の
回転にともない吸気側カムシャフト13が回転すると、
カム15の作用により吸気バルブ11が往復動し、吸気
ポート9が開閉される。また、タイミングプーリ18の
回転に伴い排気側カムシャフト14が回転すると、カム
16の作用により排気バルブ12が往復動し、排気ポー
ト10が開閉される。こうして、クランクシャフト7に
よってカムシャフト13及び14が回転駆動せしめら
れ、吸気バルブ11及び排気バルブ12が720°周期
の一定クランク角において開閉せしめられる。
【0019】吸気ポート9には、エアクリーナ31、ス
ロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホル
ド34等を備えた吸気通路30が接続されている。機関
1外部の空気(外気)は、燃焼室8へ向けて吸気通路3
0の各部31,32,33及び34を順に通過する。ス
ロットルバルブ32は、軸32aにより吸気通路30に
回動可能に設けられている。軸32aは、ワイヤ等を介
して運転席のアクセルペダル(図示しない)に連結され
ており、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作に
連動してスロットルバルブ32と一体で回動される。こ
の際のスロットルバルブ32の傾斜角度に応じて、吸気
通路30を流れる空気の量(吸入空気流量)が決定され
る。サージタンク33は、吸入空気の脈動(圧力振動)
を平滑化するためのものである。また、スロットルバル
ブ32をバイパスするアイドルアジャスト通路35に
は、アイドル時の空気流量を調節するためのアイドル回
転速度制御弁(ISCV)36が設けられている。
【0020】吸気マニホルド34には、各吸気ポート9
へ向けて燃料を噴射するインジェクタ40が取付けられ
ている。燃料は、燃料タンク41に貯蔵されており、そ
こから燃料ポンプ42によりくみ上げられ、燃料配管4
3を経てインジェクタ40に供給される。そして、イン
ジェクタ40から噴射される燃料と吸気通路30内を流
れる空気とからなる混合気は、吸気行程において吸気バ
ルブ11を介して燃焼室8へ導入され、圧縮行程におい
てピストン5により圧縮される。
【0021】この混合気に着火するために、シリンダヘ
ッド3には点火プラグ50が取付けられている。点火時
には、点火信号を受けたイグナイタ51が、点火コイル
52の1次電流の通電及び遮断を制御し、その2次電流
が、点火ディストリビュータ53を介して点火プラグ5
0に供給される。点火ディストリビュータ53は、クラ
ンクシャフト7の回転に同期して2次電流を各気筒の点
火プラグ50に分配するものであり、カムシャフトによ
って駆動せしめられる。そして、燃焼室8へ導入された
混合気は、点火プラグ50による点火によって燃焼せし
められる(膨張行程)。この際に生じた高温高圧の燃焼
ガスによりピストン5が往復動し、クランクシャフト7
が回転せしめられ、機関1の駆動力が得られる。
【0022】燃焼した混合気は、排気行程において排気
ガスとして排気バルブ12を介して排気ポート10に導
かれる。排気ポート10には、排気マニホルド61、触
媒コンバータ62等を備えた排気通路60が接続されて
いる。触媒コンバータ62には、不完全燃焼成分である
HC(炭化水素)及びCO(一酸化炭素)の酸化と、空
気中の窒素と燃え残りの酸素とが反応して生成されるN
x (窒素酸化物)の還元とを同時に促進する三元触媒
が収容されている。こうして触媒コンバータ62におい
て浄化された排気ガスが大気中に排出される。
【0023】また、この機関には、大気汚染防止及び燃
料損失防止を目的として、燃料タンク41から蒸発する
燃料蒸気(ベーパ)を一時的に貯蔵し、運転状態に応じ
て吸気系に放出(パージ)する処理を行うために、活性
炭(吸着剤)45を内蔵したキャニスタ44が設けられ
ている。このキャニスタ44は、活性炭45の両側にそ
れぞれ燃料蒸気室46aと大気室46bとを有する。燃
料蒸気室46aは、一方ではベーパ捕集管47を介して
燃料タンク41に連結され、他方ではパージ通路48を
介してスロットルバルブ32より下流側の吸気通路すな
わちサージタンク33に連結される。そのパージ通路4
8には、パージガス量制御用の電磁弁(デューティ比信
号に基づき制御される負圧切り替え弁(D−VSV))
49が設置されている。このような構成において、燃料
タンク41で発生する燃料蒸気すなわちベーパは、ベー
パ捕集管47を通ってキャニスタ44に導かれ、キャニ
スタ44内の活性炭(吸着剤)45に吸着されることに
より一時的に貯蔵される。電磁弁49が開弁すると、吸
気管圧力は負圧のため、空気が大気室46bから活性炭
45内を通ってパージ通路48に送り込まれる。空気が
活性炭45内を通過する際には、活性炭45に吸着され
ている燃料蒸気が活性炭45より離脱する。かくして、
燃料蒸気を含んだ空気すなわちベーパが、パージ通路4
8を介してサージタンク33に導かれ、インジェクタ4
0から噴射される燃料とともに燃焼せしめられる。
【0024】機関1には各種のセンサが取付けられてい
る。シリンダブロック2には、機関1の冷却水の温度
(冷却水温THW)を検出するための水温センサ74が
取付けられている。吸気通路30には、吸入空気流量
(QA)を検出するためのエアフローメータ70が取り
付けられている。吸気通路30においてエアクリーナ3
1の近傍には、吸入空気の温度(吸気温THA)を検出
するための吸気温センサ73が取付けられている。吸気
通路30において、スロットルバルブ32の近傍には、
その軸32aの回動角度(スロットル開度TA)を検出
するためのスロットル開度センサ72が設けられてい
る。また、スロットルバルブ32が全閉状態のときに
は、アイドルスイッチ82がオンとなり、その出力であ
るスロットル全閉信号がアクティブとなる。サージタン
ク33には、その内部の圧力(吸気圧PM)を検出する
ための吸気圧センサ71が取付けられている。
【0025】排気通路60の触媒コンバータ62より上
流側の部分には、排気ガスの空燃比にほぼ比例する出力
特性を有するA/Fセンサ75が取付けられている。ま
た、この機関は、A/Fセンサ75による空燃比フィー
ドバック制御の制御中心を変動させることによりA/F
センサ75の出力特性のばらつきを補償するサブ空燃比
フィードバック制御を実施する機関であり、触媒コンバ
ータ62より下流の排気通路には、排気ガスの空燃比が
理論空燃比に対してリッチかリーンかを検出するため
の、いわゆるZ特性を有するO2 センサ76が設けられ
ている。なお、A/Fセンサ及びO2 センサの一般的な
出力特性は、それぞれ図2及び図3に示される。
【0026】ディストリビュータ53には、クランクシ
ャフト7の回転に同期して回転する2個のロータが内蔵
されており、クランクシャフト7の基準位置を検出する
ために一方のロータの回転に基づいてクランク角(C
A)に換算して720°CAごとに基準位置検出用パル
スを発生させるクランク基準位置センサ80が設けら
れ、また、クランクシャフト7の回転速度(機関回転速
度NE)を検出するために他方のロータの回転に基づい
て30°CAごとに回転速度検出用パルスを発生させる
クランク角センサ81が設けられている。なお、車両に
は、トランスミッション出力軸の回転速度すなわち車速
SPDに比例した数の出力パルスを単位時間当たりに発
生する車速センサ83が取り付けられている。
【0027】機関電子制御装置(エンジンECU)90
は、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転速度制
御、蒸発燃料処理等を実行するマイクロコンピュータシ
ステムであり、そのハードウェア構成は、図4のブロッ
ク図に示される。リードオンリメモリ(ROM)93に
格納されたプログラム及び各種のマップに従って、中央
処理装置(CPU)91は、各種センサ及びスイッチか
らの信号をA/D変換回路(ADC)95又は入力イン
タフェース回路96を介して入力し、その入力信号に基
づいて演算処理を実行し、その演算結果に基づき駆動回
路97a〜97dを介して各種アクチュエータ用制御信
号を出力する。ランダムアクセスメモリ(RAM)94
は、その演算・制御処理過程における一時的なデータ記
憶場所として使用される。また、バックアップRAM9
9は、バッテリ(図示せず)に直接接続されることによ
り電力の供給を受け、イグニションスイッチがオフの状
態においても保持されるべきデータ(例えば、各種の学
習値)を格納するために使用される。また、これらのE
CU内の各構成要素は、アドレスバス、データバス及び
コントロールバスからなるシステムバス92を介して接
続されている。
【0028】ECU90においては、各種制御のための
前処理として、吸入空気流量信号、吸気圧信号、スロッ
トル開度信号、吸気温信号及び冷却水温信号が、一定ク
ランク回転角毎に実行されるAD変換ルーチンによって
取り込まれ、RAM94の所定領域にそれぞれ吸入空気
流量データQA、吸気圧データPM、スロットル開度デ
ータTA、吸気温データTHA及び冷却水温データTH
Wとして格納される。また、クランク角センサ81のパ
ルス信号が入力する毎に、そのパルス間隔から図示しな
いルーチンにより機関回転速度が算出され、RAM94
の所定領域に機関回転速度データNEとして格納され
る。
【0029】点火時期制御は、クランク角センサ81か
ら得られる機関回転速度及びその他のセンサからの信号
により、機関の状態を総合的に判定し、最適な点火時期
を決定し、駆動回路97bを介してイグナイタ51に点
火信号を送るものである。アイドル回転速度制御は、ア
イドルスイッチ82からのスロットル全閉信号及び車速
センサ83からの車速信号によってアイドル状態を検出
するとともに、水温センサ74からの機関冷却水温度等
によって決められる目標回転速度と実際の機関回転速度
とを比較し、その差に応じて目標回転速度となるように
制御量を決定し、駆動回路97cを介してISCV36
を制御して空気量を調節することにより、最適なアイド
ル回転速度を維持するものである。以下では、本発明に
係る空燃比制御について詳細に説明すべく、関連する処
理ルーチンの手順を順次示す。
【0030】図5は、筒内空気量推定及び目標筒内燃料
量算出ルーチンの処理手順を示すフローチャートであ
る。本ルーチンは、所定のクランク角ごとに実行され
る。まず、本ルーチンの前回までの走行により得られて
いる筒内空気量MCi 及び目標筒内燃料量FCRi を更
新する。すなわち、第i(i=0,1,…,n−1)回
前のMCi 及びFCRi を、第“i+1”回前のMC
i+1 及びFCRi+1 とする(ステップ102)。これ
は、図6に示されるように、過去n回分の筒内空気量M
i 及び目標筒内燃料量FCRi のデータをRAM94
内に記憶し、今回新たにMC0 及びFCR0 を算出する
ためである。
【0031】次いで、RAM94の所定領域から、現在
の吸気管圧力PM、機関回転速度NE、及びスロットル
開度TAを求める(ステップ104)。次いで、これら
のPM、NE、及びTAのデータより、筒内に供給され
る空気量MC0 を推定する(ステップ106)。なお、
一般に、筒内空気量は、吸気管圧力PM及び機関回転速
度NEから推定可能であるが、本実施形態では、スロッ
トル開度TAの値の変化より過渡状態を検出し、過渡状
態においても精密な空気量が算出されるようにしてい
る。
【0032】次いで、筒内空気量MC0 及び理論空燃比
AFTに基づき、 FCR0 ←MC0 /AFT なる演算を実行して、混合気をストイキとするために筒
内に供給されるべき目標燃料量FCR0 を算出する(ス
テップ108)。このようにして算出された筒内空気量
MC0 及び目標筒内燃料量FCR0 は、今回得られた最
新のデータとして、図6に示されるような形式でRAM
94内に記憶される。
【0033】図7は、メイン空燃比フィードバック制御
ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。この
ルーチンは、所定のクランク角ごとに実行される。ま
ず、フィードバックを実行すべき条件が成立するか否か
を判定する(ステップ202)。例えば、冷却水温が所
定値以下の時、機関始動中、始動後増量中、暖機増量
中、A/Fセンサ75の出力信号変化がない時、燃料カ
ット中、等はフィードバック条件不成立となり、その他
の場合は条件成立となる。条件不成立のときには、フィ
ードバック制御による燃料補正量DFを0とし(ステッ
プ216)、本ルーチンを終了する。
【0034】フィードバック条件成立時には、本ルーチ
ンの前回までの走行により得られている燃料偏差(実筒
内燃料量と目標筒内燃料量との偏差)FDi を更新す
る。すなわち、第i(i=0,1,…,m−1)回前の
FDi を第“i+1”回前のFDi+1 とする(ステップ
204)。これは、過去m回分の燃料量差FDi のデー
タをRAM94内に記憶するとともに、今回新たに燃料
偏差FD0 を算出するためである。
【0035】次いで、A/Fセンサ75の出力電圧値V
AFを検出する(ステップ206)。次いで、後述する
サブ空燃比フィードバック制御により算出されているA
/Fセンサ出力電圧補正量DVにより、 VAF←VAF+DV なる演算を実行して、A/Fセンサ出力電圧VAFを補
正する(ステップ208)。このような補正により、サ
ブ空燃比フィードバック制御において目標電圧に達する
まで、空燃比変動の中心が徐々にシフトしていくことと
なる。そして、このような補正後のVAFに基づき図2
の特性図を参照することにより、現在の空燃比ABFを
決定する(ステップ210)。なお、図2の特性図は、
マップ化されてROM93にあらかじめ格納されてい
る。
【0036】次に、筒内空気量推定及び目標筒内燃料量
算出ルーチンにより既に算出されている筒内空気量MC
n 及び目標筒内燃料量FCRn (図6参照)に基づき、 FD0 ←MCn /ABF−FCRn なる演算により、実際に筒内で燃焼せしめられた燃料量
すなわち実筒内燃料量と目標筒内燃料量との偏差を求め
る(ステップ212)。なお、このようにn回前の筒内
空気量MCn 及び目標筒内燃料量FCRn を採用する理
由は、現在A/Fセンサ75により検出されている空燃
比と実際の燃焼との時間差を考慮したためである。換言
すれば、過去n回分の筒内空気量MCi 及び目標筒内燃
料量FCR i を記憶しておく必要があるのは、そのよう
な時間差のためである。
【0037】次いで、 DF←KFP*FD0 +KFI*ΣFDi なる演算により、比例・積分制御(PI制御)による燃
料補正量DFが決定される(ステップ214)。なお、
右辺第1項はPI制御の比例項であり、KFPは比例項ゲ
インである。また、右辺第2項はPI制御の積分項であ
り、KFIは積分項ゲインである。
【0038】図8は、サブ空燃比フィードバック制御ル
ーチンの処理手順を示すフローチャートである。このル
ーチンは、メイン空燃比フィードバック制御ルーチンの
場合よりも長い所定の時間周期で実行される。まず、メ
イン空燃比フィードバックの場合と同様に、サブ空燃比
フィードバック制御を実行すべき条件が成立するか否か
を判定する(ステップ302)。条件不成立の場合に
は、A/Fセンサ出力電圧補正量DVを0に設定し(ス
テップ312)、本ルーチンを終了する。
【0039】フィードバック条件成立時には、本ルーチ
ンの前回までの走行により得られている電圧偏差(実際
に検出されたO2 センサ出力電圧と目標O2 センサ出力
電圧との差)VDi を更新する。すなわち、第i(i=
0,1,…,p−1)回前のVDi を第“i+1”回前
のVDi+1 とする(ステップ304)。これは、過去p
回分の電圧偏差VDi のデータをRAM94内に記憶
し、今回新たに電圧偏差VD0 を算出するためである。
【0040】次いで、O2 センサ76の出力電圧VOS
を検出する(ステップ306)。次いで、そのVOS及
び目標O2 センサ出力電圧VOST(例えば0.5V)
に基づいて、 VD0 ←VOS−VOST なる演算を実行することにより、最新の電圧偏差VD0
を求める(ステップ308)。
【0041】最後に、 DV←KVP*VD0 +KVI*ΣVDi なる演算により、PI制御によるA/Fセンサ出力電圧
補正量DVを決定する(ステップ310)。なお、KVP
及びKVIは、それぞれ比例項及び積分項のゲインであ
る。こうして求められた補正量DVは、前述したよう
に、メイン空燃比フィードバック制御ルーチンにおい
て、A/Fセンサによるフィードバック制御の制御中心
電圧を変化させるために使用される。
【0042】図9は、パージ制御弁49を制御すべく実
行されるパージ制御ルーチンの処理手順を示すフローチ
ャートである。本ルーチンは、所定時間(本実施形態で
は、16ms)周期で実行される。まず、ステップ40
2では、目標パージ率(パージ率=パージ流量/吸入空
気流量)を算出する。この目標パージ率は、機関運転状
態等に応じて適宜設定されるものであり、複数の値を適
宜設定するようにしてもよく、また、一定値を設定する
ようにしてもよい。
【0043】このようにして目標パージ率を算出した
ら、次にステップ404に進み、この目標パージ率を実
現し得るパージ流量を算出する。ここで、パージ流量
は、エアフローメータ70によって検出された吸入空気
流量QAに目標パージ率を乗ずることにより算出され
る。
【0044】そして、実現すべきパージ流量が算出され
たら、ステップ406においてそのパージ流量を流通さ
せ得るデューティ比を算出し、駆動回路97dを介して
パージ制御弁49をそのデューティ比に基づき駆動す
る。次いで、ステップ408に進み、今回算出したパー
ジ流量を最新のパージ流量データPRGFR0としてR
AM94に記憶して、本ルーチンの今回の処理を終了す
る。
【0045】RAM94には過去の所定時間にわたって
算出されたパージ流量データが記憶されており、本実施
形態においては16msごとに192ms前まで逆上っ
てパージ流量データPRGFR0〜PRGFR12が記
憶されている。したがって、これらのデータによれば、
現在のパージ制御弁49を通過し得るパージ流量だけで
なく、192ms前までの所望の時刻においてパージ制
御弁49を通過し得たパージ流量をも読み出すことが可
能である。
【0046】図10は、燃料噴射量演算ルーチンの処理
手順を示すフローチャートである。このルーチンは、所
定のクランク角ごとに実行される。まず、ステップ50
2では、現在の空燃比ABFの理論空燃比AFTに対す
る比AFRを、 AFR←ABF/AFT なる演算により求める。
【0047】次いで、ステップ504では、上記AFR
に基づいて、 AFRSM←AFRSM+(AFR−AFRSM)/N なる演算を行うことにより、長期空燃比ずれ度合いAF
RSMを求める。ここで、右辺のAFRSMは本ルーチ
ンの前回の処理における値であり、Nはなまし定数であ
る。つまり、AFRSMは、今回のAFRから前回演算
値AFRSMを減じ、その減算結果をなまし定数Nで除
し、その除算結果を前回演算値AFRSMに加えること
により、算出される。
【0048】したがって、AFRSMの値は、空燃比が
精度良く理論空燃比付近に維持されている場合には1.
0の近傍にあり、空燃比が全体としてリッチ側に偏って
いる場合には1.0より小さく、空燃比が全体としてリ
ーン側に偏っている場合には1.0より大きくなる。つ
まり、AFRSMの値は、機関本体に供給される混合気
が、比較的長い期間で観察された場合に、理論空燃比か
らどの程度ずれているかを表していることとなる。
【0049】このようにしてAFRSMを算出したら、
次のステップ506では、|AFRSM−1.0|の値
が所定値α(例えば0.02)を超えた値であるかどう
かを判定する。機関1に供給される混合気の空燃比が所
定水準を超えてリッチ側又はリーン側に偏っているか否
かを判断するためである。
【0050】そして、所定水準を超えて空燃比が偏って
いると判定された場合には、ステップ508に進み、 FGPG←FGPG+(AFRSM−1)/(パージ
率) なる演算を行い、単位パージ率当たりのベーパ濃度学習
値FGPGを更新する。なお、右辺のFGPGは本ルー
チンの前回実行時において算出されたベーパ濃度学習値
であり、AFRSMはステップ504にて演算されたも
のである。また、パージ率は、図9のステップ402に
おいて算出された目標パージ率であり、パージ流量が安
定している場合にはパージ制御弁49の開度により定ま
るパージ流量と吸入空気流量との比に等しい値である。
【0051】このFGPGは、パージ率が高いほど燃料
がパージされた際の空燃比が大きくリッチ側に偏るこ
と、すなわちパージ率と|AFRSM−1.0|の値と
の間にリニアな関係があることに着目して導入された学
習値であり、1.0を中心として単位パージ率当たりの
空燃比の偏りの大きさを表す概念である。つまり、所定
のパージ率で燃料のパージが行われた際に空燃比がリッ
チ側に偏り、(AFRSM−1)/(パージ率)が負の
値となれば、初期値として1.0を有していたFGPG
は、単位パージ率当たりの空燃比の偏り分だけ1.0よ
り小さくなる。なお、上記ステップ506において|A
FRSM−1.0|が所定値α(例えば、0.02)を
超えている場合のみ更新する構成としたのは、外乱等の
影響によりAFRSMの演算値に一時的に変動が生ずる
場合があり、このような影響がFGPGに反映されない
ようにガードするためである。
【0052】次いで、ステップ510では、パージ制御
弁49に所定の駆動信号を発してからその駆動信号に応
じたパージ流量が機関本体に達するまでのディレイ時間
を算出する。このディレイ時間は、パージ制御弁49に
固有の応答遅れ時間と、パージ制御弁49を通過した後
にパージ燃料が機関本体へ到達するのに要する時間と、
を加算した値である。ここで、パージ制御弁49から機
関本体への流通に要する時間には、吸気マニホルド内の
負圧状態、すなわち機関回転速度NEが大きく関与して
おり、結局、このディレイ時間は、図11(A)に示す
ようにNEの関数として求めることができる。このた
め、本実施形態においては、予めROM93内に図11
(A)のマップを格納し、これを参照してディレイ時間
を算出している。
【0053】ステップ512では、このようにして求め
られたディレイ時間と図9のルーチンにおいて記憶され
たパージ流量データとに基づいて、ディレイ時間前にパ
ージ制御弁49を通過したであろうパージ流量tPRG
FRjをRAM94から読み出す処理を行う。このパー
ジ流量が今正に機関本体に供給されようとしている吸入
空気中に含有されていると考えられるからである。
【0054】ただし、パージ制御弁49を通過したパー
ジ燃料がパージ通路48、サージタンク33及び吸気マ
ニホルド34を流れる過程において、パージ流量の変動
はなまされる傾向にある。したがって、機関本体に現に
吸入されようとしている吸入空気中に含有されているパ
ージ流量を精度良く推定するためには、上記ステップ5
12において読み出されたパージ流量tPRGFRjを
適当になます必要がある。
【0055】ステップ514においてなまし数Nを算出
しているのは、かかる点に着目したものである。そし
て、適当ななまし数Nの算出後、ステップ516では、 PRGFRSM←PRGFRSM+(tPRGFRj−
PRGFRSM)/N なる演算により、実パージ流量PRGFRSMを求め
る。ここで、右辺のPRGFRSMは、本ルーチンの前
回実行時に算出された実パージ流量である。なお、なま
し数Nは、機関が加速状態にあるか減速状態にあるかに
よって切り替える構成、図11(B)に示されるように
機関回転速度NEの関数として算出する構成、等を採用
して適宜機関の運転状態に応じて算出することが好まし
いが、定数としてもよい。
【0056】このようにして実パージ流量PRGFRS
Mを算出したら、次のステップ518においては、 PRGRSM←PRGFRSM/QA なる演算により、実パージ率PRGRSMを求める。こ
の実パージ率PRGRSMは、実際に機関本体に吸入さ
れる段階におけるパージ流量と吸入空気流量との比を表
していることとなる。
【0057】ところで、前述したように、上記ステップ
508において更新されるFGPGは、1.0を中心と
して単位パージ率当たりの空燃比の偏りの大きさを表
し、空燃比がリッチ側に偏っている場合にはその値が
1.0より小さくなる係数である。したがって、(FG
PG−1)なる演算の結果値は、0を中心とした単位パ
ージ率当たりの空燃比の偏りの大きさを表すこととな
り、また、その符号は、空燃比がリッチ側に偏った場合
には負、リーン側に偏った場合には正を表すこととな
る。
【0058】このため、(FGPG−1)*(実パージ
率)なる演算の結果値は、現実に行われている燃料パー
ジによる空燃比ずれの大きさを表し、その符号は、空燃
比がリッチ側又はリーン側のいずれに向けてずれている
かを表すことになる。そして、この概念を用いて、FP
RG=1+(FGPG−1)*(実パージ率)なる係数
を構成すると、FPRGは、1.0を中心として、リッ
チ側に偏った場合には小さく、リーン側に偏った場合に
は大きく、かつ、実パージ率に応じた空燃比のずれに対
応した幅で変動する係数となる。
【0059】したがって、このFPRGを補正係数とし
て燃料噴射量を補正すれば、補正後の燃料噴射量は、実
パージ率が小さくパージ処理による燃料供給量が少量で
ある場合には大きく、実パージ率が大きくパージ処理に
よる燃料供給量が多量である場合には小さく、その値が
補正されることとなる。
【0060】本実施形態においては、ステップ518に
おいて実パージ率PRGRSMを算出したら、ステップ
520において、 FPRG←1+(FGPG−1)*PRGRSM なる演算により、補正係数FPRGを求める。最後のス
テップ522においては、前述した筒内空気量推定及び
目標筒内燃料量算出ルーチンにおいて算出されている目
標筒内燃料量FCR0 と、メイン空燃比フィードバック
制御ルーチンにおいて算出されている燃料補正量DF
と、補正係数FPRGと、に基づいて、 FI←(FCR0 +DF)*FPRG なる演算を行い、燃料噴射量FIを決定する。そして、
この燃料噴射量FIは、インジェクタ40の駆動回路9
7aにセットされる。
【0061】ところで、前述したように、パージ制御弁
49を介して吸気通路30に放出されるベーパは、キャ
ニスタ44内の活性炭45から離脱するベーパに加え
て、燃料タンク41からキャニスタ44内の燃料蒸気室
46aを経て直接放出されるものも含まれる。したがっ
て、吸気通路30にパージされるベーパの濃度は、タン
クベーパとキャニスタベーパと大気がキャニスタに流入
することによるパージ空気量とで決まることとなる。こ
こで、キャニスタベーパは、パージ空気量に比例して増
大するのに対し、タンクベーパは、パージ空気量に依存
せず、ほぼ一定となる傾向がある。それ故、キャニスタ
ベーパの濃度が薄く、かつ、タンクベーパの濃度が濃い
ときには、全体としてのベーパ濃度は不安定になる。し
かも、ベーパ濃度を学習し、それを制御に反映させるの
には、一定の時間遅れが存在するため、空燃比は荒れや
すくなる。
【0062】したがって、上述の如き、O2 ストレージ
量を一定に制御する内燃機関1においては、燃料タンク
41の温度が高く、ベーパが大量に発生しているとき、
ベーパによりリッチとなった空燃比が上述のカウンタ制
御により補正されてリーンになると、必要以上にリーン
となり、ドライバビリティに悪影響を与えることとな
る。すなわち、リッチに対応するカウンタ制御による空
燃比は、通常時においては図12(A)に示される如く
変動するのに対し、高温でタンクベーパが大量に発生し
ているときには図12(B)に示される如く通常時より
大きく変動する。そして、そのリーン側への振れ幅が大
きすぎるため、ドライバビリティが悪化するのである。
【0063】そのため、高温状態のため燃料タンク41
からベーパが発生しているのか、又はキャニスタ44か
らベーパが発生している(前日に運転した後の翌朝や運
転停止から数時間経過後に運転する場合)のか、を判別
する必要がある。ベーパ濃度学習値のみに基づいてかか
る判別をすることは不可能である。そこで、本発明は、
吸気温センサ73により検出される吸気温THAにより
外気温が高い状態を判別するようにしている。すなわ
ち、本発明は、ベーパ濃度学習値FGPG(ベーパが濃
いほど小さくなっていく)が所定値よりも低く、かつ、
吸気温THAが所定値よりも大きいときには、タンクベ
ーパが発生していると推定し、空燃比フィードバック制
御におけるゲインを通常よりも小さくすることで、図1
2(C)に示されるように、リッチに対するカウンタ制
御により空燃比が過度にリーンになるのを防止しようと
いうものである。
【0064】図13は、上述の制御を具体化するゲイン
演算ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
本ルーチンは、所定時間周期で実行される。まず、ステ
ップ602では、機関回転速度NE及び機関負荷として
の吸気圧PMを検出する。次いで、ステップ604で
は、そのPM及びNEと図示しない所定のマップとに基
づいて、図7のメイン空燃比フィードバック制御ルーチ
ンで使用される比例項ゲインKFP及び積分項ゲインKFI
を決定する。
【0065】次いで、ステップ606では、図10の燃
料噴射量演算ルーチンで算出されたベーパ濃度学習値F
GPGと所定の基準値FGPGREF とを比較し、FGP
G<FGPGREF のとき即ちベーパ濃度が高いときには
ステップ608に進む一方、FGPG≧FGPGREF
とき即ちベーパ濃度が低いときには本ルーチンを終了す
る。ステップ608では、吸気温THAと所定の基準値
THAREF とを比較し、THA>THAREF のとき即ち
吸気温が高いときにはステップ610に進む一方、TH
A≦THAREF のとき即ち吸気温が低いときには本ルー
チンを終了する。
【0066】そして、FGPG<FGPGREF かつTH
A>THAREF のとき、すなわちベーパ濃度が高くかつ
吸気温が高いときには、前述のようにタンクベーパが大
量に発生していると推定されるため、ステップ610に
おいて、 KFP←KFP*aFPFI←KFI*aFI ここで、aFPは、0<aFP<1なる定数 aFIは、0<aFI<1なる定数 なる演算により、ゲインKFP及びKFIを小さくする。こ
のようにして設定されたゲインKFP及びKFIが前述のメ
イン空燃比フィードバック制御ルーチンで使用されるこ
ととなる。かくして、所期の目的が達成される。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
空燃比センサを用いて触媒のO2 ストレージ量を一定に
制御する内燃機関で、燃料タンクからのベーパの発生量
が多くなっている場合において、リッチガスに対応する
カウンタ制御が実行されたとき、フィードバック制御の
ゲインが小さくされているため、過度に空燃比がリーン
となる事態が回避され、ドライバビリティの悪化が防止
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る空燃比制御装置を備
えた電子制御式内燃機関の全体概要図である。
【図2】空燃比とA/Fセンサ出力電圧との関係を示す
特性図である。
【図3】空燃比とO2 センサ出力電圧との関係を示す特
性図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る機関電子制御装置
(エンジンECU)のハードウェア構成を示すブロック
図である。
【図5】筒内空気量推定及び目標筒内燃料量算出ルーチ
ンの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】推定された筒内空気量及び算出された目標筒内
燃料量の記憶状態を説明するための図である。
【図7】メイン空燃比フィードバック制御ルーチンの処
理手順を示すフローチャートである。
【図8】サブ空燃比フィードバック制御ルーチンの処理
手順を示すフローチャートである。
【図9】パージ制御ルーチンの処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図10】燃料噴射量演算ルーチンの処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図11】燃料噴射量演算ルーチンで使用されるマップ
を示す図である。
【図12】カウンタ制御による空燃比の挙動を例示する
タイムチャートである。
【図13】ゲイン演算ルーチンの処理手順を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1…直列多気筒4ストロークサイクルレシプロガソリン
機関 2…シリンダブロック 3…シリンダヘッド 4…シリンダ 5…ピストン 6…コネクティングロッド 7…クランクシャフト 8…燃焼室 9…吸気ポート 10…排気ポート 11…吸気バルブ 12…排気バルブ 13…吸気側カムシャフト 14…排気側カムシャフト 15…吸気側カム 16…排気側カム 17,18,19…タイミングプーリ 20…タイミングベルト 30…吸気通路 31…エアクリーナ 32…スロットルバルブ 32a…スロットルバルブの軸 33…サージタンク 34…吸気マニホルド 35…アイドルアジャスト通路 36…アイドル回転速度制御弁(ISCV) 40…インジェクタ 41…燃料タンク 42…燃料ポンプ 43…燃料配管 44…キャニスタ 45…活性炭 46a…燃料蒸気室 46b…大気室 47…ベーパ捕集管 48…パージ通路 49…パージ制御弁(D−VSV) 50…点火プラグ 51…イグナイタ 52…点火コイル 53…点火ディストリビュータ 60…排気通路 61…排気マニホルド 62…触媒コンバータ 70…エアフローメータ 71…吸気圧センサ 72…スロットル開度センサ 73…吸気温センサ 74…水温センサ 75…A/Fセンサ 76…O2 センサ 80…クランク基準位置センサ 81…クランク角センサ 82…アイドルスイッチ 83…車速センサ 90…機関ECU 91…CPU 92…システムバス 93…ROM 94…RAM 95…A/D変換回路 96…入力インタフェース回路 97a,97b,97c,97d…駆動回路 99…バックアップRAM
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 43/00 301 F02D 43/00 301E 301M 45/00 360 45/00 360F F02M 25/08 F02M 25/08 N 301 301J Fターム(参考) 3G084 BA09 BA27 DA11 DA12 EB13 EB17 FA02 FA05 FA07 FA11 FA20 FA30 FA33 FA38 3G301 HA01 HA14 JA03 JA29 LA00 NA06 ND01 ND05 ND07 ND21 PA01Z PA07Z PA10Z PA14Z PB09Z PD03A PD03Z PD04A PD04Z PD09A PD09Z PE01Z PE03Z PE08Z PF01Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に設けられ排気ガスを
    浄化する触媒コンバータと、燃料タンクで発生した燃料
    ベーパを吸着し吸気系に供給するキャニスタと、を備え
    た内燃機関の空燃比制御装置であって、 該触媒コンバータの上流側に配設され、排気ガスの空燃
    比にほぼ比例する出力特性を有する空燃比センサと、 前記空燃比センサの出力の目標出力からの偏差に基づい
    て、空燃比が目標空燃比となるようにフィードバック制
    御する第1の空燃比フィードバック制御手段と、 該燃料ベーパの濃度を学習するベーパ濃度学習手段と、 該機関の吸入空気温度を検出する吸入空気温度検出手段
    と、 前記ベーパ濃度学習手段によって学習されたベーパ濃度
    が所定値よりも高く、かつ、前記吸入空気温度検出手段
    によって検出された吸入空気温度が所定値よりも高い所
    定領域においては、該所定領域以外の領域に比較して、
    前記第1の空燃比フィードバック制御手段において使用
    されるゲインをより小さな値に設定するゲイン設定手段
    と、 を具備する、内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記触媒コンバータの下流側に配設さ
    れ、排気ガスの空燃比がリッチかリーンかを感知するO
    2 センサと、 該O2 センサの出力の目標出力からの偏差に基づいて、
    前記空燃比センサの出力を補正する第2の空燃比フィー
    ドバック制御手段と、 を更に具備する、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記ゲイン設定手段は、前記所定領域に
    おいて、機関負荷と機関回転速度とに応じて定められた
    ゲインに1より小さな係数を乗ずることによりゲインを
    算出する、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015010474A (ja) * 2013-06-26 2015-01-19 ダイハツ工業株式会社 内燃機関の制御装置
WO2017051543A1 (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 株式会社ニッキ 車載エンジンの燃料流量検知方法

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