JP2000265360A - 繊維製品の成形方法および成形された繊維製品 - Google Patents

繊維製品の成形方法および成形された繊維製品

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JP2000265360A
JP2000265360A JP11071346A JP7134699A JP2000265360A JP 2000265360 A JP2000265360 A JP 2000265360A JP 11071346 A JP11071346 A JP 11071346A JP 7134699 A JP7134699 A JP 7134699A JP 2000265360 A JP2000265360 A JP 2000265360A
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fiber
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textile
fiber product
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Toshiaki Kono
俊明 河野
Yasushi Sanenari
泰 實成
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 その成形法によると、繊維製品が成形用型板
に沿って鮮明に賦形され、セット後に型板形状に近い形
状の製品を得ることができる。 【解決手段】 型板を用いる熱セット工程におい
て、熱セットされた後の抜き取り直前の繊維製品の温度
が60℃以下で抜き取られる成形法。 弾性繊維の2
0℃でのセット率が40%以上で、その弾性繊維を少な
くとも製品全体の3重量%以上用いた繊維製品。 セ
ット温度傾斜率が−0.2%/℃以下の弾性繊維を少な
くとも製品全体の3重量%以上用いた繊維製品。 弾
性繊維の20℃でのセット率が40%以上を有し、且つ
セット温度傾斜率が−0.2%/℃以下の弾性繊維を少
なくとも製品全体の3重量%以上用いた繊維製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維製品を成形す
る際の成形方法およびその成形方法によって成形された
繊維製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維製品の仕上げの中には蒸気で
熱セットされる成形方法がある。例えば、ストッキン
グ、パンティ−ストッキング等の靴下類の仕上げは、型
板を多数立設し、これに靴下類を装着させ、順次加熱ル
ームに供給して、蒸気セットする。次に、蒸気セット処
理後、靴下類を型板に装着したまま乾燥機に送り込み、
蒸気により発生、付着した水分を熱風によって乾燥さ
せ、次いで靴下類を抜き取る抜き取り工程に移送し、熱
セット及び乾燥された一群の靴下類を型板より抜き取る
工程が開発され、実用に供されており、他の繊維製品に
も応用されている。
【0003】しかしながら、100〜130℃で蒸気セ
ットされる成形方法において、100〜130℃の乾燥
工程を終えた従来の型板はその後の抜き取り工程におい
ても80〜120℃程度の高温の状態にあり、抜き取り
時の繊維製品も高温の状態であるために、熱収縮が大き
く抜き取り後の繊維製品は型板形状に近い良好形状が得
られない。更に、繊維製品の成形装置は、基本的には自
動化されているものの型板への繊維製品の装着時や装着
後の装着状態の検査にあっては作業者の手作業を要求さ
れるのであるが、装着工程においても型板は高温の状態
であるために、繊維製品の装着または手直し作業におい
て、熱い型板との度重なる指先の接触は作業者に肉体
的、精神的な苦痛を与えるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維製品が
成形用型板に沿って鮮明に賦形され、セット後の繊維製
品が型板形状に近い形状の製品を得ることができる繊維
製品の成形用方法およびその成形方法によって成形され
た繊維製品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の型
板を用いる熱セット工程におけるセット後の繊維製品の
製品形状についての上記課題を解決するために鋭意研究
した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
は; 型板を用いる熱セット工程において、熱セットされ
た後の抜き取り直前の繊維製品の温度が60℃以下で抜
き取られた繊維製品の成形方法を提供する。また、 弾性繊維の20℃でのセット率が40%以上で、そ
の弾性繊維を少なくとも製品全体の3重量%以上用いた
繊維製品を、記載の成形方法で成形した繊維製品を提
供する。また、 弾性繊維のセット温度傾斜率が−0.2%/℃以下
の弾性繊維を少なくとも製品全体の3%以上用いた繊維
製品を、記載の成形方法で成形した繊維製品を提供す
る。 弾性繊維の20℃でのセット率が40%以上を有
し、且つセット温度傾斜率が−0.2%/℃以下の弾性
繊維を少なくとも製品全体の3重量%以上用いた繊維製
品を、記載の成形方法で成形した繊維製品であること
を特徴とする繊維製品。
【0006】以下、本発明の実施例を説明する。 (i) 繊維製品仕上機の構成 先に、理解を深めるために本発明の成形方法に用いる仕
上機の一実施例について概略を説明する。 1)繊維製品仕上機の概要 仕上機は、図4に示すように、軌道4に沿って、キャリ
ッジ5上に立設支持せしめた型板1に装着された繊維製
品を蒸気セットするセット室A、セットされた繊維製品
を乾燥させる乾燥室B、乾燥された繊維製品を抜き取る
繊維製品抜き取り部(繊維製品抜き取り装置)C、繊維
製品が抜き取られた型板に処理前の繊維製品を少しだけ
装着する繊維製品仮装着部(繊維製品仮装着装置)D、
仮装着された繊維製品を略完全状態まで装着する繊維製
品増装着部(繊維製品増装着装置)E、セット室の手前
位置Fとを順次一巡するよう配設する。前記軌道4には
一群の型板1を立設支持せしめたキャリッジ5を前記そ
れぞれの位置に配列すると共に、図示していないが、無
端状のチェーンに備えた爪にキャリッジ5の案内部が係
合できるように設けることにより、キャリッジ5が集合
状態で搬送する搬送手段と、集合状態から拡開させ拡開
状態から集合させる搬送手段とを構成させる。従って、
蒸気セット処理毎にそれぞれ次の工程位置に集合状態
で、集合状態から拡開させながら、拡開状態から集合さ
せながら搬送できるようにしたものである。
【0007】なお、実施例に用いる仕上機では、一部直
線部を有するオーバル型軌道を挙げたが、例えば、(イ)
コーナを小さな円弧部とする方形状軌道の仕上機でも、
(ロ)(ハ)円形軌道でもよく、本発明は軌道の形状や仕上
機の構成には限定されない。 2)型板 また、本発明の型板は、実施例ではキャリッジ上に立設
支持されており、該キャリッジが集合、拡開状態で搬送
できるよう構成しているが、例えばキャリッジが集合状
態のみで搬送できる構成にしてよく、本発明はキャリッ
ジの形状、構成などには限定されない。
【0008】次に、本発明に用いる型板は靴下類の成形
に限定されない。また、本発明に用いる型板の形状は特
に限定されない。また、型板の板厚は、従来2〜4mm
が用いられるが、近年、板厚は薄手となる傾向があり、
また、材質との絡みでそれ前後でも良い。更に、型板の
材質としては、一般にアルミニウム合金製が用いられて
いるが、例えば、繊維強化プラスチック製、ステンレス
製、アルミニウム合金に繊維強化プラスチックを貼り合
わせたものなどとしてもよく、本発明の型板は、その材
質や板厚には限定されない。
【0009】3)熱セット工程 本発明の成形方法の型板を用いる熱セット工程におい
て、熱セットされた後の抜き取り直前の繊維製品の温度
とは、繊維製品抜き取り装置が製品を挟んだ瞬間の製品
が型板に装着された状態での製品の温度を非接触式放射
温度計により計測した温度である。その温度が60℃以
下であることが好ましく、40℃〜室温であることがさ
らに好ましい。ここで、室温とは作業場の環境温度であ
る。抜き取り直前の温度が60℃より高い場合は熱収縮
が大きくなり、繊維製品の成形後の製品抜き取り時に、
型板形状から大きく収縮し、型板形状に近い形状に熱セ
ットされた繊維製品が得られない。
【0010】(ii)繊維製品を構成する繊維 本発明における繊維製品を構成する繊維として、弾性繊
維を少なくとも繊維製品全体の3重量%以上用いると、
例えば動き易さ、フィット感、締め付け感等が繊維製品
に付与され、弾性繊維を使用した効果が現れるので好ま
しく、5〜50%であるとより好ましい。弾性繊維が3
重量%以下では十分な弾性力が得られない。 1)弾性繊維の材質 本発明の繊維製品を構成する繊維としては、弾性繊維を
主体とすることが好ましく、例えば、ポリウレタン系、
ポリエーテルエステル系等の弾性繊維が使用可能であ
り、通常のポリウレタン系弾性繊維で例えば乾式紡糸又
は溶融紡糸したものが使用できて、ポリマーや紡糸方法
は特に限定されない。弾性繊維の繊度としては、10〜
560デニール、好ましくは15〜420デニールのも
のが好適である。破断伸度は400%〜1000%のも
ので伸縮性に優れていることが好ましい。例えば、ポリ
アルキレンエーテルジオール、主として4,4’ジフェ
ニルメタンジイソシアネートからなる芳香族ジイソシア
ネート及び二官能性ジアミンから得られるポリウレタン
からなり、ポリウレタンにおけるウレタン部分の数平均
分子量が5000〜9500、且つウレア部分の数平均
分子量が500〜950のポリウレタン弾性繊維が挙げ
られるが、これに限定されるものでない。
【0011】2)弾性繊維の製造 本発明においてかかる20℃でのセット率が40%以上
を有する弾性繊維、或いは−0.2%/℃以下のセット
温度傾斜率を有する弾性繊維、或いは20℃でのセット
率が40%以上を有し、且つ−0.2%/℃以下のセッ
ト温度傾斜率を有する弾性繊維は、ポリウレタンポリマ
ーを乾式紡糸、湿式紡糸、又は溶融紡糸により製造され
ても、該ポリウレタンポリマーにポリエーテルエステル
ブロックコポリマーを混合し溶融紡糸により得られる。
例えば、ポリウレタンポリマーを基質とする所定のセッ
ト率を有する弾性繊維は、(イ)数平均分子量500〜5
000の両末端基に水酸基を持つポリマージオール(高
分子量ジオール)と有機ジイソシアネートと多官能性活
性水素原子を有する鎖延長剤を反応させて得たポリウレ
タン重合体100重量部に対して、(ロ)炭素原子数2〜
10の直鎖又は分岐したアルキレン基或いは、2価の脂
環式炭化水素の両末端に水素基を有する低分子ジオール
(A)と数平均分子量400〜3,000の高分子ジオー
ル(B) とのモル比(A)/(B) =1〜99の混合物と有機
ジイソシアネートの反応物であって末端が水素基であり
ウレタン基濃度が3ミリ当量/ g以上である数平均分子
量10,000〜40,000の熱可塑性ウレタン樹脂
を1〜15重量部添加して、溶融紡糸して得たポリウレ
タン弾性繊維である。
【0012】3)弾性繊維を構成する各反応成分等 (イ) 高分子量ジオール ここで、ポリウレタンポリマーの原料の1つである高分
子量ジオールとしては、両末端に水酸基を持つ分子量5
00〜5000の実質的に線状の高分子体を挙げること
ができる。例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチ
レングリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール
等のホモポリエーテルジオール;又は炭素原子数2〜6
の2種以上のオキシアルキレンから構成される共重合ポ
リエーテルジオール;
【0013】アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、イ
タコン酸、アゼライン酸、マロン酸等の二塩基酸の1種
または2種以上とエチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,
2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、1,10ーデカ
ンジオール、1,3ージメチロールシクロヘキサン、
1,4−ジメチロールシクロヘキサン等のグリコールの
1種または2種以上とから得られたポリエステルジオー
ル;又はポリエステルアミドジオール;ポリエステルエ
ーテルジオール;ポリ−ε−カプロラクトンジオール、
ポリバレロラクトンジオール等のポリラクトンジオー
ル;ポリカーボネートジオール等を挙げることが出来
る。好ましくは、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル、共重合ポリ(テトラメチレン・ネオペンチレン)エ
ーテルジオール、共重合ポリ(テトラメチレン・2−メ
チルブチレン)エーテルジオールである。
【0014】(ロ) 有機ジイソシアネート 有機ジイソシアネートとしては、例えば脂肪族、脂環
族、芳香族のジイソシアネートの中で、反応条件下で溶
解又は液状を示す物全てを適用できる。例えば、メチレ
ンービス(4−フェニルイソシアネート)、メチレン−
ビス(3−メチル−4−フェニルイソシアネート)、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート;m−及びp−キシリレンジイソシア
ネート、α,α,α’,α’−テトラメチルーキシリレ
ンジイソシアネート、m−及びp−フェニレンジイソシ
アネート、4,4’−ジメチル−1,3−キシリレンジ
イソシアネート、1−アルキルフェニレン−2,4及び
2,6−ジイソシアネート、3−(α−イソシアネート
エチル)フェニルイソシアネート、2,6−ジエチルフ
ェニレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニル−ジ
メチルメタン−4,4−ジイソシアネート、ジフェニル
エーテル−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート、メチレン−ビス(4−シクロヘキシル
イソシアネート)、1,3−及び1,4−シクロヘキシ
レンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソフォロンジイソシアネート等が挙げられる。好まし
くは、メチレンービス(4ーフェニルイソシアネート)
である。
【0015】(ハ) 鎖伸長剤 多官能性活性水素原子を有する鎖伸長剤としては、例え
ば、ヒドラジン、ポリヒドラジン、炭素原子数2〜10
の直鎖又は分岐した脂肪族、脂環族、芳香族の活性水素
を有するアミノ基を持つ化合物を挙げることができる。
例えば、エチレンジアミン、1,2プロピレンジアミ
ン、特開平5−155841号公報に記載されているウ
レア基を有するジアミン類等のジアミン、ヒドロキシル
アミン、水等、また低分子量のグリコール、例えばエチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3
−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3
−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−
ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシ
クロヘキサン等を用いることが出来る。好ましくは、エ
チレンジアミン、1,2プロピレンジアミンである。
【0016】(ニ) 末端停止剤 単官能性活性水素原子を有する末端停止剤としては、例
えばジエチルアミンのようなジアルキルアミン等が用い
られる。これらの鎖伸長剤、末端停止剤は、単独又は、
2種以上混合して用いても良い。
【0017】(iii) 本発明の弾性繊維の特徴 1)弾性繊維のセット率 本発明に用いる弾性繊維は、弾性繊維の20℃でのセッ
ト率が40%以上であることが好ましく、50%以上9
5%以下であることがさらに好ましい。弾性繊維の20
℃でのセット率が40%より低い場合は繊維製品成形時
の型止まり不良が発生しやすく、製品においては洗濯に
よる収縮や型くずれといった形態安定性などが満足され
ないことがある。一方、20℃でのセット率が95%を
越える場合は生地を加工する際の熱による弾性糸が伸び
きった状態となるいわゆるヘタリが発生し、製品のパワ
ー低下、伸長回復機能が十分に発揮されない。従って、
本発明に用いる弾性繊維の20℃でのセット率は40%
以上であることが好ましく、50%以上95%以下であ
ることがさらに好ましい。
【0018】2)弾性繊維のセット温度傾斜率 また、本発明に用いる弾性繊維は、弾性繊維のセット温
度傾斜率が−0.2%/℃以下であることが好ましく、
−0.3〜−1.65%/℃であることがさらに好まし
く、そのような弾性繊維を少なくとも製品全体の3重量
%以上用いた繊維製品であることが好ましい。弾性繊維
のセット温度傾斜率が−0.2%/℃より大きい場合は
繊維製品成形時の型止まり不良が改善されず、製品にお
いては洗濯による収縮や型くずれといった形態安定性も
改善されない。弾性繊維のセット温度傾斜率が−1.6
5%/℃より小さい場合には生地を加工する際の熱によ
って弾性糸が伸びきった状態となるいわゆるヘタリが発
生し、製品のパワー低下、伸長回復機能が十分に発揮さ
れない。
【0019】3)物性の特徴 本発明の20℃でのセット率が40%以上を有する弾性
繊維、或いは−0.2%/℃以下のセット温度傾斜率を
有する弾性繊維、或いは−0.2%/℃以下のセット温
度傾斜率を有する弾性繊維を交編し型板を用いる熱セッ
ト工程において、熱セットされた後の抜き取り直前の繊
維製品の温度が60℃以下で抜き取られた繊維製品を形
成することにより、例えばパンテイーストッキングの場
合、製造過程で付与した繊維製品が成形用型板に沿って
賦形され、セット後のパンテイーストッキングは型板形
状に近い形状の繊維製品を提供することが可能になっ
た。
【0020】(iv) 物性の測定 1)セット率の測定 ここで、上記セット率の測定方法は、無緊張かつ直線状
の状態の弾性糸長さ50mmで10本引き揃えたものを
試料とする。次に、試料を弛緩した状態で沸水に浸漬し
て30分処理する。そして、試料を125mmの長さま
で伸長固定後そのままの状態でスチームボックス内に投
入密閉し、生蒸気を充満させる。スチームボックス内の
温度が120℃に到達した時点から±1℃を維持しなが
ら15秒後、スチームボックス内の蒸気を排出し、直ち
に弾性繊維を取り出し、乾燥機に入れ120℃に到達し
た時点から30秒後に取り出す。その後、20℃×65
%RHの条件で30分放置したのち、伸長固定したまま
の状態で定速伸長型引張試験機にセットし、元の長さ5
0mmになるまで回復させる際の応力を測定し、応力が
0gに到達した長さL1を測定する。このようにして得
られたL1を用い、下記の式によって20℃でのセット
率が算出される。 20℃でのセット率(%)=L1/(125−50)×
100
【0021】2)セット温度傾斜率の測定 また、上記セット温度傾斜率は、上記セット率と乾燥ま
で同様の方法で行った後、定速伸長型引張試験機に80
℃に設定した恒温槽を取り付け、伸長固定したままの状
態で定速伸長型引張試験機にセットし、80℃に到達し
てから長さ50mmになるまで回復させる際の応力を測
定し、応力が0gに到達した長さL2を測定する。この
ようにして得られたL2を用い、下記の式によって80
℃でのセット率が算出される。 80℃でのセット率(%)=L2/(125−50)×
100 このようにして得られた80℃セット率と上記セット率
を用い、下記の式によってセット温度傾斜率が算出され
る。 セット温度傾斜率(%/℃)=(80℃でのセット率−
20℃でのセット率)/(80−20)
【0022】3)弾性糸のデニール測定方法 弾性糸を無緊張且つ直線状態にして90.0cmの長さ
に切断した。これら90.0cmの長さに切断された弾
性糸10本、即ち900.0cm長さ分の重量を小数点
以下4桁gの電子天秤にて測定し、更にそれらの重量を
1000倍、即ち9000mの重量に換算したグラム数
をデニールとした。
【0023】(v) その他 1)繊維製品を構成する糸条形態 本発明の弾性繊維の糸条形態としては弾性繊維をそのま
ま使用しても良く、ポリトリメチレンテレフタレート繊
維やナイロン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、
アクリル繊維、ポリプロピレンなどの合成繊維、銅アン
モニアレーヨン、ビスコースレーヨン、精製セルロース
繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊
維、綿、ウール、絹などの天然繊維といった弾性繊維以
外の繊維の長繊維或いは短繊維と複合しても良い。その
複合形態としては例えばカバーリング、コアスパンヤー
ン、インターレース交絡糸、エアーカバーリング糸、交
撚などの形態で使用することもでき、実施例で限定され
るものではない。
【0024】2)繊維製品の製造 ・本発明の繊維製品を製造に用いる編機としては、トリ
コット編機、ラッセル編機、丸編機等が使用できる。 ・また、使用する糸のデニールや商品の狙いにより適宜
使用デニール、編機種、ゲージを選択すればよい。 3)編組織 編組織としては、例えば (イ)トリコット編機によると、
2枚筬組織のハーフ組織、サテン組織、またこれらの組
織の組み合わせによる変化組織が挙げられる。
【0025】(ロ)ラッセル編機ではパワーネット組織、
サテンネット組織を用いる方法が挙げられる。 (ハ)丸編機では天竺、スムース、フライス組織の同一給
糸口で弾性繊維を複合給糸する方法が挙げられるがこれ
に限定されるものではない。
【0026】
【発明の実施の態様】以下、本発明を実施例にて具体的
に説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。 (実施例1)まず、ポリウレタン繊維、即ち旭化成工業
(株)製商品名「ロイカFCSロット607」(15デ
ニール、20℃でのセット率が50%、セット温度傾斜
率が−0.22)、旭化成工業(株)製商品名「ロイカ
FCSロット651」(15デニール、20℃でのセッ
ト率が78%、セット温度傾斜率が−0.66)、旭化
成工業(株)製商品名「ロイカSC」(15デニール、
20℃でのセット率が37%、セット温度傾斜率が−
0.11)、日清紡(株)製商品名「モビロン」(15
デニール、20℃でのセット率が65%、セット温度傾
斜率が−0.17)、帝人(株)製製商品名「レクセ」
(20デニール、20℃でのセット率が77%、セット
温度傾斜率が−0.17)、東レ・デュポン製商品名
「オペロンT−178C」(14デニール、20℃での
セット率66%、セット温度傾斜率が−0.13)、東
洋紡(株)製商品名「エスパM」(18デニール、20
℃でのセット率が94%、セット温度傾斜率が−0.1
6)等を準備する。
【0027】該ポリウレタン繊維にナイロン66繊維
(旭化成工業(株)製商品名「レオナ」;7d/5f)
を下記条件でカバーリングし、編み立て、図1のヒール
付き平板型板でセットした後、125℃で35秒間乾燥
機で乾燥させた。乾燥後に製品を抜き出すまでにスポッ
トクーラで冷風を吹き付けて冷却し、抜き出し直前の生
地温度が55℃で抜き出したパンティ−ストッキングを
作成した。できたパンティ−ストッキングのパンストサ
イズ(ヒールを除いたレッグ部の長さ+レッグウエルト
部より5cm下の幅)はいずれのポリウレタン繊維を使
用したパンティ−スットッキングでも表1に示すように
比較例1よりも大きく、型板形状に近い製品形状に仕上
がっており、見た目の審美性も向上していることを示し
ていた。特に、セット温度傾斜率が−0.2%/℃以下
であるロイカFCSロット607及びロイカFCSロッ
ト651は、表2に示すように比較例1とのパンストサ
イズの差が大きく、高い効果が見られた。また、型板へ
パンティ−ストッキングの装着時や装着後の装着状態の
検査にあたって型板が冷えているため、作業性が改善さ
れた。
【0028】<カバーリング条件> 弾性繊維ドラフト 2.79倍 巻き糸撚り数 2318ターン/メートルm <編み立て条件> 針本数 400本 釜経 直径4インチ レッグ部編み立てコース数 2540コース <セット条件> セット温度 120℃蒸気 セット時間 15秒
【0029】(実施例2)図2に示す厚み方向に冷却管
を配した構造のヒール付き平板型板を用いてセットし、
セット後製品を抜き出すまでに冷却水を流して冷却し、
抜き出し直前の生地温度が22℃で抜き出した以外は実
施例1と同様にしてパンティ−ストッキングを作成し
た。できたパンティ−ストッキングのパンストサイズは
いずれのポリウレタン繊維を使用したパンティ−スット
ッキングでも表1に示すように比較例1よりも大きく、
型板形状に近い製品形状に仕上がっており、見た目の審
美性も向上していることを示していた。特に、セット温
度傾斜率が−0.2%/℃以下であるロイカFCSロッ
ト607及びロイカFCSロット651は表2に示すよ
うに比較例1とのパンストサイズの差が大きく、高い効
果が見られた。また、型板へパンティ−ストッキングの
装着時や装着後の装着状態の検査にあたって型板が冷え
ているため、作業性が改善された。
【0030】(実施例3)図3に示すフレーム形状型板
を用いてセットし、抜き出し直前の生地温度が29℃で
抜き出した以外は実施例1と同様にしてパンティ−スト
ッキングを作成した。できたパンティ−ストッキングの
パンストサイズはいずれのポリウレタン繊維を使用した
パンティ−スットッキングでも表1に示すように比較例
1よりも大きく、型板形状に近い製品形状に仕上がって
おり、見た目の審美性も向上していることを示してい
た。特に、セット温度傾斜率が−0.2%/℃以下であ
るロイカFCSロット607及びロイカFCSロット6
51は表2に示すように比較例1とのパンストサイズの
差が大きく、高い効果が見られた。また、型板へパンテ
ィ−ストッキングの装着時や装着後の装着状態の検査に
あたって型板が冷えているため、作業性が改善された。
さらに、線状体型板としたことにより、型板の熱効率が
向上し、型板を加熱する際に消費される熱エネルギ−を
減少させることができた。
【0031】(比較例1)図1のヒール付き平板型板を
用いてセットし、セット後の抜き出し直前の生地温度が
93℃で抜き出した以外は実施例1と同様にしてパンテ
ィ−ストッキングを作成した。できたパンティ−ストッ
キングのパンストサイズはいずれのポリウレタン繊維を
使用したパンティ−ストッキングでも表1に示すように
実施例1から3よりも小さく、見た目の審美性も良好な
ものは得られなかった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、成形さ
れた繊維製品は、繊維製品用型板に沿って鮮明に賦形さ
れ、セット後の繊維製品が型板形状に近い形状の製品を
得ることができる。また、作業者の手作業が要求される
型板への繊維製品の装着時や装着後の装着状態の検査に
あたって、熱い型板との度重なる指先の接触がなくな
り、肉体的・精神的な苦痛を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1の型板で、側面から見た
図を示す。
【図2】実施例2の型板で、側面から見た図を示す。
【図3】実施例3の型板で、側面から見た図を示す。
【図4】本発明に係る仕上機の一実施例の簡略図を示
す。
【符号の説明】
A セット室 B 乾燥室 C 繊維製品抜き取り部(繊維製品抜き取り装置) D 繊維製品仮装着部(繊維製品仮装着装置) E 繊維製品増装着装置(繊維製品増装着装置) F セット室の手前位置 1 型板 2 冷却管 3 フレーム 4 軌道 5 キャリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B154 AA06 AA07 AA08 AA16 AB21 AB32 BA32 BB12 BB15 BC41 BF01 BF12 BF17 BF20 DA18 DA28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型板を用いる熱セット工程において、熱
    セットされた後の抜き取り直前の繊維製品の温度が60
    ℃以下で抜き取られたことを特徴とする繊維製品の成形
    方法。
  2. 【請求項2】 弾性繊維の20℃でのセット率が40%
    以上で、その弾性繊維を少なくとも製品全体の3重量%
    以上用いた繊維製品を、請求項1記載の成形方法で成形
    した繊維製品であることを特徴とする繊維製品。
  3. 【請求項3】 弾性繊維のセット温度傾斜率が−0.2
    %/℃以下の弾性繊維を少なくとも製品全体の3重量%
    以上用いた繊維製品を、請求項1記載の成形方法で成形
    した繊維製品であることを特徴とする繊維製品。
  4. 【請求項4】 弾性繊維の20℃でのセット率が40%
    以上を有し、且つセット温度傾斜率が−0.2%/℃以
    下の弾性繊維を少なくとも製品全体の3重量%以上用い
    た繊維製品を、請求項1記載の成形方法で成形した繊維
    製品であることを特徴とする繊維製品。
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US8165634B2 (en) 2003-04-25 2012-04-24 Apple Inc. Female receptacle connector
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