JP2000264612A - 湿式燐酸の製造方法 - Google Patents

湿式燐酸の製造方法

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JP2000264612A
JP2000264612A JP11069827A JP6982799A JP2000264612A JP 2000264612 A JP2000264612 A JP 2000264612A JP 11069827 A JP11069827 A JP 11069827A JP 6982799 A JP6982799 A JP 6982799A JP 2000264612 A JP2000264612 A JP 2000264612A
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Masaaki Yonezawa
正昭 米沢
Akira Ito
朗 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸を用いて燐鉱石を湿式分解し、燐酸を製造
するにあたり、カルシウムを石膏として沈降分離させる
際に、工業的に分離が容易な比表面積2000cm2
g以下を有する石膏を生成させる方法を提供する。 【解決手段】 酸を用いて燐鉱石を湿式分解し、カルシ
ウムを石膏として沈降させて分離する際に、アルミニウ
ムの塩及び/または水酸化物を添加し、あるいは更に、
フッ化物を併せて添加する。また、この際、石膏濃度を
調節し、あるいは比表面積が2000cm2 /g以下の
石膏を種石膏として添加する。 【効果】 この湿式燐酸の製造方法は、副生する石膏を
工業的に分離が容易な比表面積2000cm2 /g以下
とすることができるため、湿式燐酸の製造方法として有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸を用いて燐鉱石
を湿式分解し、燐酸を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】これまで、酸を用いて燐鉱石を湿式分解
し、カルシウムを石膏(硫酸カルシウム)として沈殿さ
せ分離して燐酸を製造する方法に関し、様々な方法が提
案され実施されている。これらの製造方法において重要
なポイントは、酸、特に硝酸及び/または硫酸で燐鉱石
を湿式分解して燐酸を製造する際に、副生する石膏の分
離を工業的に容易ならしめることである。この件に関し
ては、特開昭53−4794に分離が容易な特定の結晶
形状を有する硫酸カルシウム二水和物及びその製造法が
開示されている。しかし、本発明者らは、鋭意検討した
結果、ここで開示されているような特定の結晶形状を有
する硫酸カルシウム二水和物でなくても、特定の比表面
積を有する硫酸カルシウム二水和物であれば、工業的に
容易に分離できることを見い出した。
【0003】また、硫酸を用いた二水ー半水法により、
燐鉱石として燐灰石を用いて湿式燐酸を製造する場合に
ついては、特開昭58−91021に、分解槽で得られ
た燐酸スラリー液相中のAl/F重量比を0.09〜
0.16に調整することを特徴とする湿式燐酸の製造方
法が開示されている。これには、燐鉱石の種類によって
挙動が異なり、燐鉱石が燐灰石であるファラボラ燐鉱石
(南アフリカ)等を原料とした場合には、フロリダ燐鉱
石やモロッコ燐鉱石等の場合と挙動が異なり、前記の条
件を満たさないと半水石膏の結晶が微細となってしまう
という趣旨のことが記載されている。しかし、燐鉱石が
燐灰石以外の場合については、副生する石膏の分離を工
業的に容易ならしめるための湿式燐酸の製造方法に関し
ては特に記載されていない。また、硫酸を用いた二水ー
半水法以外の方法で湿式燐酸を製造する方法についても
何ら触れられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸を用いて
燐鉱石を湿式分解し、燐酸を製造するにあたり、カルシ
ウムを石膏として沈殿させて分離する際に、工業的に分
離が容易な特定の比表面積を有する石膏を生成させるよ
うにした湿式燐酸の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため、フロリダ燐鉱石、モロッコ燐鉱石、福
泉燐鉱石(中国)、開陽燐鉱石(中国)、南アフリカ燐
鉱石等の燐鉱石を原料として、これらを酸、特に硝酸及
びまたは硫酸を用いて湿式分解し、燐酸を製造する方法
を鋭意検討した結果、燐鉱石の産地等による効果の程度
の相違はあるが、アルミニウムの塩及び/または水酸化
物を添加することにより、カルシウムを石膏として沈殿
させて分離する際に、工業的に容易に分離可能な特定の
比表面積を有する石膏を生成させ得ることを見い出し
た。また、この際、フッ化物を併せて添加すること、石
膏濃度を調節すること、及び比表面積が2000cm2
/g以下の石膏を種晶として添加することにより、より
容易に分離可能な特定の比表面積を有する石膏を生成さ
せ得ることを見い出し、これらの知見に基づいて本発明
をなすに至った。
【0006】すなわち、本発明は、酸を用いて燐鉱石を
分解し、燐酸を製造するにあたり、アルミニウムの塩及
び/または水酸化物を添加すること、更にフッ化物を併
せて添加すること、また、この際、石膏濃度を調節する
こと、あるいは比表面積が2000cm2 /g以下であ
る石膏を種晶として添加することを特徴とし、これによ
り工業的に容易に分離可能な比表面積を有する石膏を生
成させるようにした湿式燐酸の製造方法に関する。
【0007】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明者らは、本検討を行うにあたり、まず、どのような評
価法で副生する石膏の形状(結晶形状)を評価すれば、
酸を用いて燐鉱石を湿式分解することにより得られた燐
酸スラリー液から、副生する石膏を工業的に分離する際
の容易さの基準になるかを鋭意検討した。その結果、生
成した石膏の比表面積を評価することで、これが副生す
る石膏を工業的に分離する際の容易さの基準になること
を見い出した。本発明でいうところの比表面積とは、セ
メントの粉末度測定方法の規格であるJIS R 52
01−1964によって定められた、ブレーン空気透過
装置・粉末度測定器を用いて測定された値のことであ
る。また、この検討において、副生する石膏の比表面積
が2000cm2 /g以下であれば、工業的に燐酸スラ
リー液からの分離が容易となることを見い出した。
【0008】次に、副生する石膏の比表面積を2000
cm2 /g以下とするための検討を行い、燐鉱石の産地
等による影響の程度の相違はあるものの、燐鉱石を湿式
分解する際の酸の濃度及び量、添加物の種類及び量、カ
ルシウムを石膏として沈降させる際の溶液の温度、硫酸
根の投入の順序及び速度、燐酸スラリー液中の石膏濃
度、種晶石膏の有無等の、燐鉱石を湿式分解し、カルシ
ウムを石膏として沈降させる際の条件を変更すること
で、副生する石膏の比表面積が変動することを確認し
た。
【0009】更に検討を続けた結果、やはり燐鉱石の産
地等による効果に程度の相違はあるものの、アルミニウ
ムの塩及び/または水酸化物を添加することで、副生す
る石膏の比表面積を2000cm2 /g以下にすること
ができることを見い出した。更にこの際、フッ化物を併
せて添加すること、燐酸スラリー液中に生成する石膏濃
度を20重量%以下に調整すること、あるいは比表面積
が2000cm2 /g以下である石膏を種晶として添加
することにより、副生する石膏の比表面積を更に小さく
することが可能であり、なおかつ、燐鉱石を湿式分解
し、カルシウムを石膏として沈降させて分離する際に、
酸の濃度等の石膏の生成に影響を及ぼす条件が多少変動
しても、副生する石膏の比表面積は安定していることを
見い出した。
【0010】したがって、酸を用いて燐鉱石を湿式分解
するにあたり、アルミニウムの塩及び/または水酸化物
を添加すること、更に、フッ化物を併せて添加するこ
と、燐酸スラリー液中に生成する石膏濃度を20%重量
%以下に調整すること、及び比表面積が2000cm2
/g以下である石膏を種晶として添加することにより、
カルシウムを石膏として沈降させて分離する際に、工業
的に微妙で制御が困難な、副生する石膏の比表面積に影
響を及ぼす前述の条件が多少変動しても、安定して比表
面積2000cm2 /g以下を有する石膏を生成させる
ことができるので、副生する石膏を工業的に容易に分離
することができる。
【0011】酸を用いて、燐鉱石を湿式分解し、カルシ
ウムを石膏として沈降させて分離する際に、アルミニウ
ムの塩及び/または水酸化物を添加することにより、副
生する石膏の比表面積が2000cm2 /g以下となる
理由は定かではないが、アルミニウムの塩及び/または
水酸化物の何らかの作用により、副生する石膏の形状が
針状晶から塊状晶及び板状晶に変わると共に、結晶自体
が大きくなるためと考えられる。更に、フッ化物を併せ
て添加すること、燐酸スラリー液中の石膏濃度を調整す
ること、比表面積が2000cm2 /g以下の石膏を種
晶として添加することにより、比表面積がアルミニウム
の塩及び/または水酸化物を添加しただけの場合に比
べ、更に石膏の比表面積が小さくなるのは、アルミニウ
ムの塩及び/または水酸化物とこれらの何らかの相乗効
果により、石膏の結晶自体が更に大きくなるためと考え
られる。
【0012】本発明で用いられる酸は特に規定しない
が、硝酸、硫酸、燐酸、塩酸などの鉱酸が好ましく、硝
酸及び/または硫酸が特に好ましい。更に、数種類の酸
を併用することも可能である。本発明で用いられる燐鉱
石は特に規定しないが、燐鉱石の産地等により、本発明
の効果の程度が多少異なる。この理由は、燐鉱石中に含
まれる微量不純物の量が異なるためではないかと推察さ
れる。本発明で用いられるアルミニウム塩は、硝酸アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、燐酸アルミニウム、塩化
アルミニウムなどが挙げられるが、特に硝酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウムが好ましい。また、複塩の形で用
いることも可能である。
【0013】本発明で用いられるアルミニウムの水酸化
物とは、水酸化アルミニウムのことである。本発明で用
いられるフッ化物は特に規定しないが、具体例として、
フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化水素酸など
が挙げられる。本発明で用いられる石膏の種晶は、比表
面積が2000cm2 /g以下であれば結晶形状には拘
らない。
【0014】アルミニウムの塩及び/または水酸化物の
添加量は、添加する燐酸スラリー液の重量に対して0.
1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%、
更に好ましくは1.0〜2.5重量%である。添加量が
0.1重量%未満では効果が認められない。また、添加
量が5.0重量%を越えると比表面積は大きくなる。フ
ッ化物の添加量は、添加する燐酸スラリー液の重量に対
して0.1〜3.0重量%、好ましくは0.3〜2.5
重量%、更に好ましくは0.5〜1.5重量%である。
添加量が0.1重量%未満では効果が認められない。ま
た、添加量が3.0重量%以上では石膏形状は細粒化
し、比表面積が逆に大きくなる。
【0015】種晶の添加量は、添加する燐酸スラリー液
の重量に対して0.1〜5.0重量%、好ましくは1.
0〜4.0重量%である。添加量が0.1重量%未満で
は効果は認められない。また、添加量5.0重量%を越
えて添加しても効果は変わらないので、添加及び分離の
手間を考えると好ましくない。燐酸スラリー液中の石膏
濃度は、燐酸スラリー液の重量に対して20.0重量%
以下、好ましくは15.0重量%以下である。燐酸液中
の石膏濃度が20.0重量%を越えると比表面積は大き
くなってくる。
【0016】次に、本発明を実施する際の概略行程の例
を説明する。まず、分解行程にて、分解槽で燐鉱石を酸
により分解する。通常、分解槽を数槽直列に連結し、燐
酸スラリー液が順次溢流するようにする場合が多い。ア
ルミニウムの塩及び/または水酸化物の添加方法、及び
フッ化物の添加方法については、予備的に燐鉱石の分解
に用いる酸に溶解させる形で添加してもよいし、直接分
解槽に固体あるいは溶液の形で添加してもよい。また、
必要に応じて硫酸カリウム等の可溶性硫酸塩の一種また
は二種以上を、予備的に燐鉱石の分解に用いる酸に溶解
させておいてもよいし、分解槽に固体あるいは溶液の形
で添加してもかまわないが、燐鉱石を分解した後に添加
する方が好ましい。種石膏の添加方法については、分解
槽に直接添加し、燐鉱石の分解に用いられる酸でスラリ
ー化しておく。得られた燐酸スラリー液は分離工程で石
膏を分離する。上記の燐鉱石分解行程及び石膏の分離工
程において、燐鉱石分解行程で得られた燐酸スラリー液
の一部及びまたは分離工程で得られた石膏を分離した後
の燐酸溶液の一部を、燐鉱石の分解液に循環使用するこ
とも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例により本
発明を更に具体的に説明する。
【実施例1】工場にて石膏を分離した後の燐酸溶液のモ
デル液として、燐酸27.6g、石膏1.0g、硝酸
1.3g、硝酸カリウム18.3g、硝酸カルシウム
0.1g、水49g、フッ化カリウム1.0gを60℃
にて撹拌、溶解した液86.9gを300mlトールビ
ーカーに計量した。この計量液中に硝酸アルミニウム
2.3gを添加し、320rpmで撹拌しながら湯浴に
て60℃に加熱した。硫酸カリウム4.0g、53%硝
酸32.0g、65%硫酸70.3gからなる硫酸カリ
ウム溶解液3.5gを試験管に5本計量した。モロッコ
燐鉱石2.2gと硫酸カリウム0.5gを均一に混合し
たものを5本計量した。トールビーカーに計量した硫酸
カリウムの溶解液の1本を添加し、その15秒後に燐鉱
石と硫酸カリウムの混合物の1本を添加した後、1時間
撹拌を継続した。このようにして得られたスラリーをグ
ラスフィルターにて減圧濾過し石膏を分離し、分離した
石膏を60℃飽和石膏水にて洗浄した後、減圧下で常温
にて乾燥した。この石膏の比表面積をJIS R 52
01−1964によって定められた方法で、ブレーン空
気透過装置・粉末度測定器を用いて測定したところ、1
510cm2 /gであった。
【0018】
【実施例2】硝酸アルミニウム2.3gの代わりに硫酸
アルミニウム4.7gを添加した以外は、実施例1と同
様にして実験を行った。得られた石膏の比表面積は14
00cm2 /gであった。
【実施例3】硝酸アルミニウム2.3gの代わりに水酸
化アルミニウム0.6gを添加した以外は、実施例1と
同様に実験を行った。得られた石膏の比表面積は185
0cm2 /gであった。
【0019】
【実施例4】比表面積1520cm2 /gの石膏3.5
gを予め種晶として添加した以外は、実施例1と同様に
して実験を行った。得られた石膏の比表面積は1300
cm 2 /gであった。
【実施例5】燐鉱石をフロリダに変更した以外は、実施
例1と同様にして実験を行った。得られた石膏の比表面
積は1440cm2 /gであった。
【0020】
【実施例6】燐鉱石をブクラに変更した以外は、実施例
1と同様にして実験を行った。得られた石膏の比表面積
は1310cm2 /gであった。
【実施例7】燐鉱石を開陽(中国)に変更した以外は、
実施例1と同様にして実験を行った。得られた石膏の比
表面積は1550cm2 /gであった。
【0021】
【実施例8】燐鉱石をオウ福(中国)に変更した以外
は、実施例1と同様にして実験を行った。得られた石膏
の比表面積は1370cm2 /gであった。
【実施例9】燐鉱石を福泉(中国)に変更した以外は、
実施例1と同様にして実験を行った。得られた石膏の比
表面積は1550cm2 /gであった。
【0022】
【実施例10】燐鉱石を南アフリカに変更した以外は、
実施例1と同様にして実験を行った。得られた石膏の比
表面積は1980cm2 /gであった。
【実施例11】硝酸アルミニウムの添加時に、更にフッ
化カリウム0.5gを追加添加した以外は、実施例10
と同様にして実験を行った。得られた石膏の比表面積は
1120cm2 /gであった。
【0023】
【実施例12】15%硝酸112.2g、硝酸アルミニ
ウム9水塩4.7g、フッ化カリウム1.1gを300
mlトールビーカーに計量し、320rpmで撹拌しな
がら60℃湯浴中にて加熱した。モロッコ燐鉱石2.0
gを5本、及び硫酸カリウム3.1gを5本計量した。
トールビーカーに計量した燐鉱石の1本を添加し、30
秒後に再度1本添加、これを繰り返し燐鉱石の全量を添
加する。15分経過後、計量した硫酸カリウムの1本を
添加し、20秒後に再度1本添加、これを繰り返し硫酸
カリウムの全量を添加後、30分撹拌を継続した。この
ようにして得られたスラリーを、グラスフィルターで減
圧濾過して石膏を分離し、分離した石膏を60℃飽和石
膏水にて洗浄した後、減圧下で常温にて乾燥した。得ら
れた石膏の比表面積は1400cm2 /gであった。
【0024】
【実施例13】40%硝酸112.2g、硝酸カリウム
28.1g、硝酸アルミニウム9水塩4.0g、フッ化
カリウム1.7gに変更した以外は、実施例12と同様
にして実験を行った。得られた石膏の比表面積は740
cm2 /gであった。
【0025】
【実施例14】40%硝酸112.2g、硝酸アルミニ
ウム9水塩4.7g、フッ化カリウム1.7gを300
mlトールビーカーに計量し、320rpmで撹拌しな
がら60℃湯浴中にて加熱した。モロッコ燐鉱石2.0
gを5本、及び硫酸カリウム3.1gを5本計量した。
消泡剤としてクリレスF−320を水にて60倍に希釈
したものを調製した。トールビーカーに計量した燐鉱石
の1本を添加後、消泡剤を1〜2滴添加し、その30秒
後に再度1本添加、これを繰り返し燐鉱石の全量を添加
する。15分経過後、計量した硫酸カリウムの1本を添
加し、20秒後に再度1本添加、これを繰り返し硫酸カ
リウムの全量を添加後、30分撹拌を継続した。このよ
うにして得られたスラリーを、グラスフィルターで減圧
濾過して石膏を分離し、分離した石膏を60℃飽和石膏
水にて洗浄した後、減圧下で常温にて乾燥した。得られ
た石膏の比表面積は900cm2 /gであった。また、
このときの石膏濃度は9.1%であった。
【0026】
【実施例15】モロッコ燐鉱石6.1gを5本、硫酸カ
リウム9.5gを5本計量した以外は、実施例14と同
様にして実験を行った。得られた石膏の比表面積は19
60cm2 /gであった。また、このときの石膏濃度は
25.0%であった。
【比較例1】硝酸アルミニウムを添加しなかった以外
は、実施例1と同様にして実験を行った。得られた石膏
の比表面積は3500cm2 /gであった。
【0027】
【比較例2】フロリダ燐鉱石にて硝酸アルミニウムを添
加しなかった以外は、実施例1と同様にして実験を行っ
た。得られた石膏の比表面積は4450cm2 /gであ
った。
【比較例3】ブクラ燐鉱石にて硝酸アルミニウムを添加
しなかった以外は、実施例1と同様にして実験を行っ
た。得られた石膏の比表面積は4390cm2 /gであ
った。
【0028】
【比較例4】開陽(中国)燐鉱石にて硝酸アルミニウム
を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして実験を
行った。得られた石膏の比表面積は4800cm2 /g
であった。
【比較例5】オウ福(中国)燐鉱石にて硝酸アルミニウ
ムを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして実験
を行った。得られた石膏の比表面積は3870cm2
gであった。
【0029】
【比較例6】福泉(中国)燐鉱石にて硝酸アルミニウム
を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして実験を
行った。得られた石膏の比表面積は3950cm2 /g
であった。
【比較例7】南アフリカ燐鉱石にて硝酸アルミニウムを
添加しなかった以外は、実施例1と同様にして実験を行
った。得られた石膏の比表面積は5150cm2 /gで
あった。
【0030】
【比較例8】硝酸アルミニウム及びフッ化カリウムを添
加しない以外は、実施例12と同様にして実験を行っ
た。得られた石膏の比表面積は10000cm2 /gで
あった。
【比較例9】硝酸アルミニウム及びフッ化カリウムを添
加しない以外は、実施例13と同様にして実験を行っ
た。得られた石膏の比表面積は1800cm2 /gであ
った。
【0031】
【発明の効果】上記実施例、比較例より明らかなよう
に、本発明の湿式燐酸の製造方法は、酸を用いて燐鉱石
を湿式分解して、燐酸を製造するにあたり、カルシウム
を石膏として沈降させて分離する際に、工業的に分離が
容易な比表面積2000cm2 /g以下の石膏を生成さ
せることができるため、湿式燐酸の製造方法として極め
て優れている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸を用いて燐鉱石を分解する際に、アル
    ミニウムの塩及び/または水酸化物を添加することを特
    徴とする湿式燐酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 フッ化物を併せて添加することを特徴と
    する請求項1に記載の湿式燐酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 種晶として比表面積が2000cm2
    g以下の石膏を併せて添加することを特徴とする請求項
    1に記載の湿式燐酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 生成する石膏濃度を20重量%以下とす
    ることを特徴とする請求項1に記載の湿式燐酸の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1292982C (zh) * 2005-07-05 2007-01-03 宜昌市仁和矿业有限责任公司 盐酸分解中低品位磷矿制造工业磷酸的方法
JP2014516908A (ja) * 2011-06-01 2014-07-17 プレイオン テクノロジーズ 二水和物/半水和物型のリン酸生成方法

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