JP2000264607A - 窒化タンタルの製造方法 - Google Patents
窒化タンタルの製造方法Info
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Abstract
窒化タンタル粉末を得るための効果的な方法を提供する
こと。 【解決手段】 窒化炉中においてタンタル金属からなる
原料を窒素ガスによって窒化する方法であって、窒化炉
に導入する窒素ガスの流量を制御しながらタンタル金属
原料の窒化を行う工程を含むことを特徴とする窒化タン
タルの製造方法。
Description
として有用な窒化タンタルの製造方法に関し、特にタン
タル金属を窒素ガスと反応させることによって窒化する
方法に関するものである。
来、窒化タンタルの製造方法としては、粉末状、ペレッ
ト状などのタンタル金属を原料とし、窒素雰囲気下でこ
れを800〜1100℃の温度で加熱することによって
下記の反応により窒化タンタルを生成させる方法が知ら
れている。
窒化炉中で行わせた場合、窒化炉中で発熱反応が急激に
進む場合があり、このため窒化炉内のタンタル金属原料
の反応温度は2千数百度以上に達し、未反応のタンタル
金属を含む原料が融解し、窒化タンタルの粒成長ならび
に粒子相互の凝結が起こり、これが団塊を形成する現象
が不可避的に生じていた。このため反応生成物中に粗大
粒子が発生し、これを粉砕したとしても微粒子を得るこ
とは困難となる。また、粗大粒子の生成は、生成物の平
均粒径を増大させ、粉砕、分級などの煩雑な後工程が必
要となり、これが回収率の低下、製造時間および製造コ
ストの上昇をもたらす。さらに上記のような異常反応の
発生にともなう不安定な窒化反応ならびに反応原料の融
解や団塊化に起因する窒化度の低下も問題となってい
た。
に鑑みてなされたものであって、窒化度が高く、粒度が
均一で微細な高純度の窒化タンタル粉末を得るための効
果的な方法を提供することを目的とする。
に、本発明に係る窒化タンタルの製造方法は、窒化炉中
においてタンタル金属からなる原料を窒素ガスによって
窒化する方法であって、窒化炉に導入する窒素ガスの流
量を制御しながらタンタル金属原料の窒化を行う工程を
含むことを特徴とする。
化工程が、500〜1000℃、更に好ましくは600
〜800℃の温度条件における一次窒化と、1400〜
1800℃、さらに好ましくは1400〜1600℃の
温度条件における二次窒化とからなる。
は、上記一次窒化において、窒化炉の雰囲気温度が、予
め定めた昇温プロファイルの上限値ないしその近傍にな
ったとき窒素ガスの流量を減少させ、下限値ないしその
近傍になったとき窒素ガスの流量を増加させることによ
り前記窒素ガス流量の制御を行い、これにより窒化反応
を安定的に進行させるようにする工程を含む。
窒化により窒化度5.0〜6.5%の窒化タンタルを生
成させ、上記二次窒化により最終的に窒化度6.8〜
7.1%の窒化タンタルを得ることができる。
方法は、窒化炉中においてタンタル金属からなる原料を
窒素ガスによって窒化する方法において、窒化炉に導入
する窒素ガスの流量を制御しながら窒化を行うことを特
徴とするものである。
ば、タンタルが窒化する際に比較的窒化反応が活発化す
る期間があり、この間に急激な発熱反応が進行して製造
原料の融解および団塊化が生じることが判明した。この
ような異常反応を抑制するためには、反応温度を低下さ
せるために反応炉を冷却することが考えられるが、この
方法は、有効ではあるものの効率的ではなく、また温度
の効果的な制御は必ずしも容易ではない。
ガスの流量に着目し、これを特定の方法で制御するよう
にしたので、比較的簡単な操作で安定的な窒化反応を進
行させることができ、これによって原料タンタルの融解
や団塊化を防止して、均質かつ高窒化度の窒化タンタル
を得ることができる。
は特に限定されるものではないが、粒状、ペレット状あ
るいは線材状のものを用いることができ、リサイクルに
よって回収された金属タンタルを用いることもできる。
ス流量の制御を行う一次窒化と、さらに窒化を進めて完
全なものとする二次窒化の2段階に分けて行うことが好
ましい。この2段階の窒化工程は同一の反応炉または異
なる反応炉で行うことができる。
00℃、さらに好ましくは600〜800℃の温度条件
で行う。この一次窒化において、窒化炉の雰囲気温度
が、予め定めた昇温プロファイルの上限値ないしその近
傍になったとき窒素ガスの流量を減少させ、下限値ない
しその近傍になったとき窒素ガスの流量を増加させるこ
とにより窒素ガス流量の制御を行い、これにより窒化反
応を安定的に進行させることができる。
〜4℃/分が好ましく、さらに好ましくは2〜3℃/分
である。この範囲で予め定めた昇温プロファイルから高
温側に逸脱する温度上昇の上限値は、好ましくは20〜
100℃、さらに好ましくは30〜70℃の範囲に設定
する。さらに、この昇温プロファイルから低温側に逸脱
する温度低下の下限値は、好ましくは20〜100℃、
さらに好ましくは40〜60℃の範囲に設定する。本発
明においては、上記上限値と下限値の温度範囲内に反応
炉内の温度が保持されるように導入する窒素ガス流量を
制御することが肝要である。この温度範囲内でのガス流
量の具体的制御方法は特に制限されるものではなく、2
段階ないしそれ以上の多段階の流量制御方法の他、連続
的な流量制御を行うこともできる。通常は、上記のよう
な高流量および低流量の2段階の流量制御で十分であ
り、工程の簡素化の点でも好ましい。本発明者らの研究
によれば、上記逸脱温度の上限値と下限値の範囲内でガ
ス流量を上下に振動させることによって窒化反応が安定
化するという効果以外に原料タンタルの窒化率を顕著に
向上させることができるという予想外の知見を得てい
る。この場合の窒素ガス流量は、窒化炉の規模や反応物
充填量によって適宜最適値が設定され得るが、通常、高
流量側では、充填量1kg当たり、好ましくは0.5〜
2リットル/分、さらに好ましくは0.5〜1リットル
/分であり、さらに低流量側では、好ましくは0〜0.
5リットル/分、さらに好ましくは0〜0.2リットル
/分である。上記の流量制御は、一次窒化反応の初期に
おける比較的反応が不安定で異常反応が進行しやすい昇
温時間帯において行うことが肝要であり、窒化反応が安
定化ないし緩慢化したのちにおいては、流量制御は必ず
しも必要ではない。一次窒化反応の終了後、放冷し一次
窒化物を得る。一次窒化工程に要する時間は、通常、2
0〜30時間である。
6.5%の窒化タンタルを生成させることができる。
しくは1400〜1800℃、さらに好ましくは140
0〜1600℃の範囲で二次窒化処理を行う。この二次
窒化によって窒化はさらに均質かつ完全なものとなる。
この二次窒化は上記の一次窒化と同一反応炉において連
続的な工程で行うこともできるが、それぞれ分離した窒
化炉でバッチ処理によって行うことも可能である。この
二次窒化においては、通常異常反応は生じないので流量
制御は必要ではない。二次窒化反応でのガス流量は、充
填量1kg当たり、好ましくは0.1〜0.5リットル
/分、さらに好ましくは0.2〜0.3リットル/分で
ある。二次窒化工程に要する時間は、通常、30〜40
時間である。
〜7.1%の窒化タンタルを得ることができる。
ールミル等の粉砕手段ならびに篩等の分級手段により粒
径を揃えて、所望の粒度分布を有する窒化タンタル粉末
とすることができる。
9.9%)65kgを用意し、これを7つの容器に分配
し一次窒化用の窒化炉に装入した。図1に示す流量変化
ならびに図2に示す温度変化に従うように導入する窒素
ガスを制御しながら一次窒化を行った。
で昇温させながら2リットル/分の割合で窒素ガスを導
入したのち、さらに図2に示す昇温プロファイルの上限
温度Aおよび下限温度Bの2段階の間で窒素ガス流量を
変化させた。図2に示す温度プロファイルの上限値Aに
達する温度まで35リットル/分の流量で窒素ガスを導
入し、上限値Aないしその近傍に達する前にガス流量を
12リットル/分に絞り、さらに炉内温度が下限値Bな
いしその近傍に達した段階でガス流量を35リットル/
分に増大させ、これを窒化反応が比較的活発な間(ゾー
ンI)(約5〜6時間)繰り返した。その後、ガス流量
2リットル/分で約6時間安定な後反応(ゾーンII)
を行い、反応終了後(16時間経過後)、放冷し一次窒
化が終了した。この一次窒化反応で得られた窒化物の窒
化度(窒素含有量)は6.1%であった。また、得られ
た窒化物には融解や凝集に起因する団塊等の粗大粒子の
存在は認められなかった。
化のための窒化炉に装入し、1500℃で6時間二次窒
化反応を行った。窒素ガス流量は、15リットル/分で
あった。得られた二次窒化生成物を粉砕し、平均粒子径
1.2μmの窒化タンタルを得た。この二次窒化物の窒
化度(窒素含有量)は7.1%であり、酸素含有量は
0.3%であった。得られた窒化タンタルの窒化度は理
論値7.18%に近いものであった。
り一次窒化を行った。ただし、炉内温度が600℃に達
するまで昇温させながら2リットル/分の割合で窒素ガ
スを導入したのち、窒素ガス流量を35リットル/分に
一定に保持したまま窒化反応を進行させた。約10時間
経過後、反応は安定化し、安定化したのち、実施例と同
様に、ガス流量2リットル/分で約6時間安定な後反応
を行い、反応終了後、放冷し一次窒化が終了した。この
一次窒化反応で得られた窒化物の窒化度(窒素含有量)
は6.5%であり、また、得られた窒化物には融解や凝
集に起因する団塊等の粗大粒子が認められた。
化のための窒化炉に装入し、1500℃で6時間二次窒
化反応を行った。窒素ガス流量は、15リットル/分で
あった。得られた二次窒化生成物を粉砕したが、粉砕に
は長時間を要し、均質な窒化タンタルを得ることは困難
であった。この二次窒化物の窒化度(窒素含有量)は
6.5%であり、酸素含有量は0.5%であった。
り一次窒化を行った。ただし、炉内温度が600℃に達
するまで昇温させながら2リットル/分の割合で窒素ガ
スを導入したのち、窒素ガス流量を10リットル/分に
一定に保持したまま窒化反応を進行させた。約16時間
経過後、反応は終了し、反応終了後、放冷した。この一
次窒化反応で得られた窒化物の窒化度(窒素含有量)は
4.3%であった。
化のための窒化炉に装入し、1500℃で6時間二次窒
化反応を行った。窒素ガス流量は、30リットル/分で
あった。この二次窒化反応において異常反応にともなう
融解や凝集に起因する団塊等の粗大粒子が認められた。
得られた二次窒化生成物を粉砕したが、粉砕には長時間
を要し、均質な窒化タンタルを得ることは困難であっ
た。この二次窒化物の窒化度(窒素含有量)は6.7%
であり、酸素含有量は0.5%であった。
ながらタンタル金属の窒化反応を行うようにしたので、
比較的簡単な操作によって、原料の融解や凝集に起因す
る団塊等の粗大粒子を生じさせることなく、しかも理論
値に近い窒化度を有する高純度の均粒微細な窒化タンタ
ル粉末を効率的に得ることが可能となり、産業上すこぶ
る有用である。
における窒素ガス流量の変化を示すグラフ。
における温度プロファイルのグラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】窒化炉中においてタンタル金属からなる原
料を窒素ガスによって窒化する方法であって、前記窒化
炉に導入する窒素ガスの流量を制御しながら前記タンタ
ル金属原料の窒化を行う工程を含むことを特徴とする、
窒化タンタルの製造方法。 - 【請求項2】前記窒化工程が、500〜1000℃の温
度条件における一次窒化と、1400〜1800℃の温
度条件における二次窒化とからなる、請求項1に記載の
方法。 - 【請求項3】前記一次窒化において、窒化炉の雰囲気温
度が、予め定めた昇温プロファイルの上限値ないしその
近傍になったとき窒素ガスの流量を減少させ、下限値な
いしその近傍になったとき窒素ガスの流量を増加させる
ことにより前記窒素ガス流量の制御を行い、これにより
窒化反応を安定的に進行させるようにした、請求項2に
記載の方法。 - 【請求項4】前記一次窒化により窒化度5.0〜6.5
%の窒化タンタルを生成させ、前記二次窒化により窒化
度6.8〜7.1%の窒化タンタルを得る、請求項2に
記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06635799A JP3776250B2 (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 窒化タンタルの製造方法 |
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JP3776250B2 JP3776250B2 (ja) | 2006-05-17 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100415640C (zh) * | 2005-05-24 | 2008-09-03 | 株洲硬质合金集团有限公司 | 超细高氮氮化钽粉末及其制备方法 |
JP2018162189A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | 太平洋セメント株式会社 | 窒化タンタル粒子 |
US10954166B2 (en) | 2015-03-09 | 2021-03-23 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Ceramic powder and boron nitride sintered material |
-
1999
- 1999-03-12 JP JP06635799A patent/JP3776250B2/ja not_active Expired - Fee Related
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