JP2000262893A - 陰イオン除去剤及び陰イオン除去ケミカルフィルタ - Google Patents

陰イオン除去剤及び陰イオン除去ケミカルフィルタ

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JP2000262893A
JP2000262893A JP11069935A JP6993599A JP2000262893A JP 2000262893 A JP2000262893 A JP 2000262893A JP 11069935 A JP11069935 A JP 11069935A JP 6993599 A JP6993599 A JP 6993599A JP 2000262893 A JP2000262893 A JP 2000262893A
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chemical
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巌 吉澤
Shinji Hattori
進司 服部
Yuichiro Hanayama
勇一郎 花山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アミン臭の発生しない陰イオン除去剤及び陰
イオン交換基由来のアミンの通過を抑制した陰イオン除
去ケミカルフィルタを提供する。 【解決手段】 陰イオン交換反応を行なうアンモニウム
基に対して、陽イオン交換基が1.0〜15.0%混在
している陰イオン除去剤。又は、陰イオン交換反応を行
なうアンモニウム基を有する繊維状陰イオン交換体に対
して、陽イオン交換基を有する繊維状陽イオン交換体を
1.0〜15.0%となるように均一に混合してシート
状に形成してある陰イオン除去ケミカルフィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体産業等で使
用されるクリーンルームの陰イオン除去剤及び陰イオン
除去ケミカルフィルタに関するものであって、特に、陰
イオン交換基にアンモニウム基を有する陰イオン除去剤
及び陰イオン除去ケミカルフィルタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なクリーンルーム1は、図
1に示すように、室内にワーキングエリア21を有し、
室上にHEPAフィルタ22の天井と天井チャンバー2
3を、又、室下に通風床24と床下リターンスペース2
5を備えている。又、室外には、空気調和機26とケミ
カルフィルタ27とを付設してあって、該空気調和機2
6の上流側は循環ダクト28を介して床下リターンスペ
ース25と連絡すると共に、下流側は天井チャンバー2
3に連絡している。ケミカルフィルタ27で汚染物質の
除去を行なって、前記空気調和機26で温度制御を行な
った空気を、天井チャンバー23に送り、これをHEP
Aフィルタ22で更に浄化した後、室内のワーキングエ
リア21へと供給する。そして、該ワーキングエリア2
1をを通過した空気は、床下リターンスペース25を介
して空気調和機26へ帰還する。以下、この空気の循環
経路をクリーンルーム循環系という。更に、室外には、
ケミカルフィルタ30、外気調和機31及び吸入孔32
とを付設しており、外気調和機31の下流側は前記床下
リターンスペース25に接続されている。吸入孔32か
ら取り入れられた外気は、ケミカルフィルタ30で浄化
され、更に外気調和機31で温度、湿度等を調整された
後に、前記床下リターンスペース25へと供給され、前
記循環系と合流する。以下、この空気流通経路をクリー
ンルーム導入系という。
【0003】半導体産業等で使用されるクリーンルーム
の化学汚染除去方法としては、空気の流通経路に薬品添
着活性炭層を含むケミカルフィルタを設けて、汚染物質
を吸着する方法が主流であった。これは、該薬品添着活
性炭層の活性炭に添着された酸又は塩基性の薬品と、気
相中の化学汚染物質とが中和反応を起こして生じる中性
塩を、前記活性炭表面に物理的に吸着して捕捉するもの
である。具体的には、アンモニウムイオン、カリウムイ
オン又はナトリウムイオンの様な陽イオンの除去を目的
とする場合、活性炭にリン酸を8〜20%となるように
含浸乾焼したものをフィルタケースに充填した薬品添着
活性炭層を含むケミカルフィルタを前記クリーンルーム
の導入系や循環系に設ける。又、塩化物イオン、硫酸イ
オン、リン酸イオン等の陰イオンが除去対象の場合、苛
性カリ等の塩基性薬品を添着した薬品添着活性炭層を含
むケミカルフィルタを設ける。ところが、前記中性塩
は、前記薬品添着活性炭の表面に物理的に付着するた
め、過度に蓄積すると、前記ケミカルフィルタの圧力損
失の増加を招く。又、風速の変化、振動等のあらゆる物
理的要因によって、該中性塩が前記薬品添着活性炭から
離脱して前記循環系に飛散すると、後続のHEPAフィ
ルタ等を汚染することとなる。更に、前記薬品添着活性
炭に添着された薬品の中には、クリーンルームの運転状
態において蒸発し得るものもあり、前記ケミカルフィル
タを通過した空気に前記添着薬品が移行して、クリーン
ルーム内を汚染することも認められている。従って、近
頃では、上記問題点を解決するクリーンルームの化学汚
染除去方法として、イオン交換法が提案されている。
【0004】前記イオン交換法とは、イオン性の化学汚
染物質を、イオン交換体に電気的に吸着させることによ
って除去する方法である。気相中のイオン性化学汚染物
質は、前記イオン交換体の保有する水分に溶解してイオ
ン化する。そして、該イオン化した化学汚染物質と、前
記イオン交換体に存在するイオン交換基とが結合するこ
とによって、該化学汚染物質は導入系や循環系を流れる
空気から除去される。図2は、例として、強塩基性陰イ
オン交換繊維の水分率と相対湿度の関係を表わしたもの
である。この図に示すように、イオン交換体の水分率
は、雰囲気の相対湿度と比例関係にあり、イオン交換反
応に、雰囲気、ここでは導入系や循環系の湿度が影響す
ることがわかる。上述の作用機構によって、例えば、陰
イオン交換繊維又は陽イオン交換繊維を含む濾布から構
成されるケミカルフィルタを前記導入系や循環系に設け
ることによって、気相中の化学汚染物質を除去すること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クリー
ンルームの化学汚染物質除去剤として、強塩基性陰イオ
ン交換体を含むケミカルフィルタを用いた場合に、ケミ
カルフィルタを通過した空気に該イオン交換体由来のア
ミン類が混入して、特有のアミン臭が発生するという問
題点があった。特に、気相中の陰イオン性物質の除去に
優れている強塩基性(I型)陰イオン交換体からは、ト
リメチルアミンが発生するという問題点があった。
【0006】この現象は、化1に示すように、水存在下
で、強塩基性陰イオン交換体のイオン交換基であるトリ
メチルアミン基と陰イオン(ここでは陰イオンを代表し
て、水酸化物イオン(OH-)を示す。)とが平衡関係に
あり、該平衡が温度や湿度の影響によって変動すること
に由来する。
【0007】
【化1】
【0008】化1に示すように、水酸化物イオンとの交
換反応によって、前記陰イオン交換体から遊離したトリ
メチルアミンの一部は、該陰イオン交換体が保持する水
に溶解して存在する。ここで、外気の影響を受けて温度
及び相対湿度が変化しやすいクリーンルーム導入系で
は、図2に示すように、前記陰イオン交換繊維に保持さ
れる水分量が変化して、該陰イオン交換繊維と気相との
間で、水分の吸収、放出(蒸発)を繰り返すこととな
る。このとき、該陰イオン交換繊維から保有水分が蒸発
するにつれて、該保有水分に溶解していたトリメチルア
ミンも同時に蒸発することとなる。こうして、ケミカル
フィルタを通過した空気にトリメチルアミンが混入し、
クリーンルーム内でトリメチルアミン臭が生じる。
【0009】本発明の目的は、上記欠点に鑑み、アミン
臭の発生しない陰イオン除去剤及び陰イオン交換基由来
のアミンの通過を抑制した陰イオン除去ケミカルフィル
タを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る陰イオン除去剤の特徴構成は、陰イオン
交換反応を行なうアンモニウム基に対して、陽イオン交
換基が1.0〜15.0%混在していることにある。
又、この目的を達成するための本発明に係る陰イオン除
去ケミカルフィルタの特徴構成は、陰イオン交換反応を
行なうアンモニウム基を有する繊維状陰イオン交換体に
対して、陽イオン交換基を有する繊維状陽イオン交換体
を1.0〜15.0%となるように均一に混合してシー
ト状に形成してあることにある。そして、これらの作用
効果は、以下の通りである。
【0011】遊離したアミンが、水に溶解するとアンモ
ニウムイオンが生成する。該アンモニウムイオンは、陽
イオンであるために、前記陽イオン交換体で捕捉するこ
とができる。従って、陰イオン交換反応を行なうアンモ
ニウム基を有する陰イオン交換体に陽イオン交換体を混
合した陰イオン除去剤は、アミン臭の発生を抑制するこ
とができる。更に、前記陰イオン交換体の陰イオン交換
基であっても、陰イオンと反応して塩を形成したもの
は、前記アミンを捕捉し得る。これは、前記陰イオン交
換基とアンモニウムイオンとの交換反応により、前記陰
イオンとアンモニウムイオンとが結合することによっ
て、中性塩を生成するためであると考えられる。従っ
て、前記陽イオン交換体が貫流点に達した後も、遊離ア
ミンは陰イオン交換体に吸着し、これによって、アミン
臭の発生を抑制することができると考えられる。尚、発
明者らの経験的知見により、陰イオン交換反応を行なう
アンモニウム基に対して、陽イオン交換基の混合率は、
1.0〜15.0%であると、陰イオン交換能を低下さ
せることなく目的を達成することができるので好ましい
ことが明らかにされている。更に、後述する実施例に示
すように、前記混合率が1.0〜5.0%であることが
より好ましいことが明らかとなっている。
【0012】又、陰イオン交換反応を行なうアンモニウ
ム基を有する繊維状陰イオン交換体に対して、陽イオン
交換基を有する繊維状陽イオン交換体を1.0〜15.
0%となるように均一に混合してシート状に形成してあ
る陰イオン除去ケミカルフィルタであっても、同様の結
果が得られる。この場合、イオン交換体が繊維状である
ために、シート状に成型する過程で、前記陰イオン交換
体と陽イオン交換体とを均一に分散させる技術が確立さ
れている。又、シート状であると、取り扱いも容易であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明に係る陰イオン除去剤は、陰イオン交換反
応を行なうアンモニウム基に対して、陽イオン交換基
が、1.0〜15.0%の混合比で均一に混在している
陰イオン除去剤である。前記アンモニウム基と陽イオン
交換基の存在形態は、イオン交換繊維であっても良く、
又、イオン交換樹脂であっても良い。更に、前記アンモ
ニウム基と陽イオン交換基は、夫々独立した繊維や粒子
に存在していても良く、同一繊維内又は同一樹脂粒子内
に混在していても良い。前記陰イオン除去剤がイオン交
換繊維であれば、シート状に成型して、陰イオン除去ケ
ミカルフィルタを構成する濾布として使用することが可
能である。又、前記陰イオン除去剤がイオン交換樹脂で
あれば、中空の容器に充填することによって、陰イオン
除去ケミカルフィルタを形成することが可能である。
【0014】これらの陰イオン除去ケミカルフィルタ
は、クリーンルーム導入系に設置することは勿論のこ
と、クリーンルーム循環系に設置することも可能であ
り、陰イオン交換体特有のアミン臭を生じることなく、
導入系や循環系内の陰イオン性化学汚染物質を除去する
ことができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0016】〔実施例1〕表1に示すように、強塩基性
陰イオン交換繊維の水酸化物型(OH型)を6g用意
し、これをサンプルA1とした。同様に、重炭酸型(H
CO3 型)を6g用意し、これをA2とした。又、水酸
化物型強塩基性陰イオン交換繊維を6gと、強酸性陽イ
オン交換繊維とを夫々3.0g、2.0g、1.5g、
1.0g、0.5g、0.2g混合したものを、夫々サ
ンプルB1〜B6とした。又、水酸化物型強塩基性陰イ
オン交換繊維を6gと、弱酸性陽イオン交換繊維とを夫
々6.0g、3.0g、2.0g、1.5g、1.0
g、0.5g、0.2g混合したものを、夫々サンプル
C1〜C7とした。
【0017】前記15種のサンプルの夫々を、容量2L
のテドラーバック内に収容した後に、該テドラーバック
内の雰囲気を窒素ガスで置換して、一晩放置した。その
後、該テドラーバック内のガスを1L採取し、これを液
体窒素で冷却することによって濃縮して得た試料に含ま
れるトリメチルアミンを、ガスクロマトグラフ法(FI
D)で分析した。その結果を、表1に示す。又、合わせ
て、アミン臭の官能試験も行なったので、その結果も表
1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示すように、強塩基性陰イオン交換
繊維のみからなるサンプルA1及びA2を封入したテド
ラーバックから採取した気体は、官能試験においてアミ
ン臭が認められた。そして、ガスクロマトグラフ法にお
いてもトリメチルアミンが、相対値で、夫々350及び
96存在することが確認された。又、前記強塩基性陰イ
オン交換繊維に弱酸性陽イオン交換繊維を混合したサン
プルC6及びC7から採取した気体は、官能試験におい
てアミン臭が認められたが、トリメチルアミンの含有量
は、相対値で、夫々28及び51であり、弱酸性陽イオ
ン交換繊維を混合したことによって、アミン臭の発生は
部分的に抑制された。そして、前記弱酸性陽イオン交換
繊維の混合比率を増やしたサンプルC1〜C5及び前記
強塩基性陰イオン交換繊維に強酸性陽イオン交換繊維を
混合したサンプルB1〜B6では、官能試験においてア
ミン臭が認められず、又、ガスクロマトグラフ法におい
てもトリメチルアミンはほとんど検出されなかった。以
上の結果から、本発明に係る陰イオン除去剤は、アミン
を発生しにくいことが明らかとなった。又、本発明に係
る陰イオン除去剤からは、特有のアミン臭は認められな
いために、ケミカルフィルタ製造過程における環境衛生
上の問題も解決することができると考えられる。
【0020】〔実施例2〕強塩基性陰イオン交換繊維を
OH型とした後、これを、約20〜40mmの長さに切
断して、カット繊維を得た。又、同様に、強酸性陽イオ
ン交換繊維、弱酸性陽イオン交換繊維、及び、バインダ
である低融点ポリエステルのカット繊維も夫々作成し
た。そして、表2に示すように、前記陰イオン交換繊維
のカット繊維と、前記2種の陽イオン交換繊維のカット
繊維のうち何れかと、バインダのカット繊維とを均一混
合した混合物を6種類調製した。又、比較例として、前
記強塩基性陰イオン交換樹脂と前記バインダのみを均一
混合した混合物も作成した。これら7種の混合物を原料
とし、乾式不織布製造機を用いて、ニードルパンチ法に
よって7種の不織布を作成した。続いて、夫々の不織布
のバインダの一部を片面熱ロールで熱溶解させて、該不
織布に発塵防止処理を施した。こうして、表2に示すよ
うに、目付量が300g/m2 である7種のクリーンル
ーム用濾布D1〜D6及びEを得た。
【0021】
【表2】
【0022】前記7種のクリーンルーム用濾布から構成
されるケミカルフィルタに、風速0.08m/秒で通風
を行なった。そして、該ケミカルフィルタ中の陽イオン
交換繊維が貫流点に達したところで、ケミカルフィルタ
通過前後の空気に含まれる成分について分析した。その
結果を、表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3に示すように、陰イオン交換繊維とバ
インダのみからなる濾布Eを用いたケミカルフィルタで
は、該ケミカルフィルタを通過した空気から、トリメチ
ルアミンが0.48μg/m3 検出された。しかし、前
記陰イオン交換繊維に強酸性陽イオン交換繊維又は弱酸
性陽イオン交換繊維を1.0〜5.0%の比率で混入し
た濾布D1〜D6から構成されるケミカルフィルタを通
過した空気からは、トリメチルアミンはほとんど検出さ
れなかった。又、夫々のケミカルフィルタを通過した空
気からは、硫酸イオン(SO4 2-)及び塩素イオン(C
-)は、ほとんど検出されず、前記夫々のケミカルフ
ィルタに吸着されたものと考えられる。従って、陰イオ
ン交換繊維に、陽イオン交換繊維を1.0〜5.0%の
比率で混入することによって、陰イオン除去ケミカルフ
ィルタとしての機能を損なわずに、アミン臭の発生を抑
制することができることがわかる。更に、該ケミカルフ
ィルタを通過した空気からも、該ケミカルフィルタ通過
前と同レベルのアンモニウムイオンが検出されることか
ら明らかなように、前記陽イオン交換繊維が貫通点に達
しているにもかかわらず、前記ケミカルフィルタ通過後
の空気からは、トリメチルアミンは検出されていない。
このとき、前記陽イオン交換繊維がアンモニアで破過さ
れていてもトリメチルアミンを選択的に捕捉できるの
は、トリメチルアミンの方がアンモニアと比較して塩基
性が強いためであると考えられる。従って、本発明に係
る陰イオン除去ケミカルフィルタをクリーンルーム導入
系に採用することによって、ケミカルフィルタ由来のア
ミン臭がクリーンルーム内に発生することを長期にわた
って抑制することができると考えられる。
【0025】〔実施例3〕本実施例は、クリーンルーム
導入系にある外気調和機(OAC1−1)の吸入側に、
前記実施例2の濾布D3から構成されるケミカルフィル
タを設置して、実際に6ヶ月間、クリーンルームを運転
させたものである。そして、前記実施例2と同様に、前
記ケミカルフィルタ通過前後の空気を採取し、夫々の空
気に含まれる成分について分析した。その結果を、表4
に示す。
【0026】
【表4】
【0027】表4に示すように、濾布D3から構成され
るケミカルフィルタを通過した空気からは、トリメチル
アミンはほとんど検出されなかった。又、夫々のケミカ
ルフィルタを通過した空気からは、フッ素イオン
(F-)、塩素イオン(Cl-)、硝酸イオン(NO3 -)及
び硫酸イオンはほとんど検出されず、前記夫々のケミカ
ルフィルタに吸着されたものと考えられる。従って、陰
イオン交換繊維に、陽イオン交換繊維を5%の比率で混
入することによって、陰イオン除去ケミカルフィルタと
しての機能を損なわずに、アミン臭の発生を抑制するこ
とができることがわかる。更に、前記実施例2と同様
に、前記陽イオン交換繊維が貫通点に達しているにもか
かわらず、前記ケミカルフィルタ通過後の空気からは、
トリメチルアミンは検出されていない。
【0028】従って、本発明に係る陰イオン除去ケミカ
ルフィルタを、実際にクリーンルーム導入系に採用する
ことによって、ケミカルフィルタ由来のアミン臭がクリ
ーンルーム内に発生することを、長期にわたって抑制し
うることが実証された。
【0029】〔別実施形態〕以下に別実施形態を説明す
る。発明者らの経験的知見より、前記陰イオン交換体と
しては、I型強塩基性陰イオン交換体以外にも、II型強
塩基性陰イオン交換体を用いることが可能であると考え
られる。又、前記ケミカルフィルタのバインダとして
は、前記低融点ポリエステル以外にも、低融点ポリプロ
ピレン、ポリエチレンを用いることも可能であると考え
られる。更に、前記陰イオン除去剤としては、イオン交
換繊維以外にも、イオン交換樹脂であっても良いと考え
られる。従って、該イオン交換樹脂をケミカルフィルタ
容器に充填したものを陰イオン除去ケミカルフィルタと
して使用しても、同様の効果が得られると考えられる。
尚、本実施例においては、濾布の目付量は、300g/
2 としたが、目付量は、気相中の化学汚染物質の濃
度、濾布の圧力損失等の要因を考慮して設定されるべき
ものであって、この値に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリーンルームの構造を表す断面図
【図2】強塩基性陰イオン交換繊維の水分率と相対湿度
の関係を表すグラフ
【符号の説明】
1 クリーンルーム 27,30 ケミカルフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花山 勇一郎 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号 株 式会社タクマ内 Fターム(参考) 4D012 CA10 CA20 CB01 CB03 CE03 CF10 CG01 CG04 CH01 4G066 AC13D AC23D AE10B BA16 CA23 CA27 CA28 CA31 DA03 DA05 FA02 FA37

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰イオン交換反応を行なうアンモニウム
    基に対して、陽イオン交換基が1.0〜15.0%混在
    している陰イオン除去剤。
  2. 【請求項2】 陰イオン交換反応を行なうアンモニウム
    基を有する繊維状陰イオン交換体に対して、陽イオン交
    換基を有する繊維状陽イオン交換体を1.0〜15.0
    %となるように均一に混合してシート状に形成してある
    陰イオン除去ケミカルフィルタ。
JP11069935A 1999-03-16 1999-03-16 陰イオン除去剤及び陰イオン除去ケミカルフィルタ Pending JP2000262893A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004181368A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Nippon Muki Co Ltd ガス除去フィルタ用ろ材及びガス除去フィルタ
CN111527051A (zh) * 2018-06-01 2020-08-11 伍德依文达菲瑟有限责任公司 回收聚酰胺6的生产中的萃取水的方法

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