JP2000262455A - 払掃部材及びそれを用いた清掃具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 着塵能力に勝れると共に、適度の剛性と弾性
を保持させることによって広範囲の清掃に使用すること
ができる、使用性に勝れた清掃手段を得る。 【解決手段】 清掃具１のヘッド５に取付ける払掃部材
３を、弾性と保形性とを有する素材で形成された薄板状
の心材に、直径が１〜９μｍの超極細繊維を含む不織布
製の表面材を取付けると共に、幅方向の両側縁に複数の
小片１０を備えたものとして形成し、該払掃部材３を複
数枚重ねて二つ折りにし、上記ヘッド５に取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、清掃用の払掃部材
と、それを用いて形成した清掃具とに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】床面等の清掃に使用する清掃用の拭布と
して従来より、直径が１〜９μｍの超極細繊維を含んだ
不織布製の払拭布は広く知られている。この払拭布は、
細菌レベルの微細な塵埃まで着塵・除去することができ
る非常に着塵能力に勝れたもので、例えばモップのヘッ
ドに取付けて床面や家具等の清掃等に使用される。その
際、集塵能力を向上させるため、その幅方向の両側縁に
複数の切込みを入れて複数の短冊状の小片を形成し、そ
の小片を床面や家具の表面に接触させることにより、綿
ぼこり等の塵埃を絡め取ったり、あるいは掻き取ったり
するようにしている。

【０００３】しかしながら、上記払拭布は、柔軟性が高
いために小片が撓んで垂れ下がり易く、床面や家具等に
付着した塵埃を拭き取るものとしては適しているが、天
井や壁等のようにモップを横向きや上向きにして使用し
なければならない場所を清掃する場合には、垂れ下がっ
た小片を対象部位に押し当てるのが難しいため、その清
掃機能を十分に発揮させることが困難であった。また、
敷居の溝や障子の桟のような凹凸のある部分を清掃する
場合でも、上述したように小片が柔軟であるため、それ
を対象部位に確実かつ必要な力で押し付けるのが難し
く、このような場所の清掃にも適しているとは言えなか
った。さらに、床面上に比較的大きな塵埃が散乱してい
る場合には、それを箒のように掃き集めることも必要に
なるが、上記従来の払拭布は剛性が小さいため、柔軟な
小片でこのような塵埃を掃き集めるのは困難であり、こ
のような使い方にも適していなかった。

【０００４】

【発明が解決しようする課題】本発明の技術的課題は、
着塵能力に勝れると共に、適度の剛性と弾性を保持させ
ることによって広範囲の清掃に使用することができる、
使用性に勝れた清掃手段を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明によれば、弾性と保形性とを有する素材で形
成された薄板状の心材と、該心材の少なくとも片面に取
付けられた直径が１〜９μｍの超極細繊維を含む不織布
製の表面材とからなり、幅方向の両側縁に複数の切込み
によって区画形成された複数の払掃用小片を備えている
ことを特徴とする払掃部材が提供される。上記小片は、
Ｖ字形の切込みを入れることにより先細り状に形成する
と共に、相互間に間隔を保った状態に形成することが望
ましい。

【０００６】また、本発明によれば、上記払掃部材を幅
方向の中央部において左右２つの部片に折曲し、右部片
と左部片との間に小片が撓み易くするための間隔を保っ
た状態で折曲部をヘッドに取付けたことを特徴とする清
掃具が提供される。

【０００７】上記構成を有する清掃具は、箒のように使
用し、比較的大きな塵埃を小片で掃き集めたり、微細な
塵埃を表面材で拭き取るようにする。この場合、払掃部
材が心材によって適度の弾性と剛性とを保持せしめられ
ると共に、２つに折曲して右部片と左部片との間に小片
を撓み易くするための間隔を保った状態でヘッドに取り
付けられているため、各小片が箒として使用するのに適
した弾性と剛性とを保持すると同時に、清掃時の押付力
に応じて適度に撓むことができる。従って、床面の清掃
だけでなく、天井や壁を清掃する場合であっても、敷居
の溝や障子の桟のような凹凸のある部分を清掃する場合
であっても、上記小片を必要な力で対象部位に簡単かつ
確実に押し付けて清掃することができ、使用性に勝れ
る。しかも、表面材が超極細繊維を含んでいるため着塵
能力が非常に高く、微細な塵埃まで簡単かつ確実に拭き
取ることができる。

【０００８】本発明においては、複数の払掃部材を重合
して使用することができる。この場合、内外の払掃部材
における小片の位置を完全には重ならないようにずらし
ておくことが望ましい。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る清掃具の一実
施例を示すもので、この清掃具１は、伸縮自在の柄４と
その先端に回動可能に取付けられたヘッド５とからなる
清掃具本体２と、上記ヘッド５に着脱自在に取付けられ
た払掃部材３とで構成されている。

【００１０】上記払掃部材３は、図２及び図３に示すよ
うに、合成樹脂発泡体（スポンジ体）やゴム等のような
弾性と圧縮性と保形性とを有する素材で形成された薄板
状の心材７と、該心材７の表裏両面に接着や縫着等の任
意の手段によって取付けられた不織布製の表面材８，８
とからなっており、該表面材８は、それを構成する繊維
の少なくとも一部に直径が１〜９μｍの超極細繊維を含
んでいる。

【００１１】上記表面材８は、上記心材７よりも薄手に
形成されていて、例えばポリプロピレン、ポリエステ
ル、アクリルのような親油性の繊維や、レーヨンやナイ
ロン（登録商標）のような親水性の繊維を単独で用いる
か、あるいは、これらの親油性繊維と親水性繊維とを適
当な比率で混合して構成されたものである。特に、親油
性繊維と親水性繊維とを混合して構成すると、水性の汚
れであっても油性の汚れであっても確実に除去すること
ができる。

【００１２】また、この表面材８を構成する繊維は、全
てが超極細繊維であっても良いが、一部に超極細繊維を
使用して、残りにそれより繊維径の大きい直径１０〜３
０μｍ程度の極細繊維を使用することもできる。

【００１３】上記払掃部材３の幅方向の両端縁には、複
数の切込み１１を入れることによって形成された複数の
小片１０が設けられ、幅方向の中央部には、２つの取付
孔１２，１２が設けられている。上記小片１０は、切込
み１１をＶ字形とすることによって先端側に行くに従っ
て次第に先細りになるように形成され、これにより、清
掃対象部位に応じて各小片１０が個別に弾性変形するの
を容易にすると共に、これらの小片１０で細溝や隙間内
にたまっている塵埃を掻き取ったり、あるいは掻き出し
たりするのに適した形状としている。

【００１４】上記清掃具本体のヘッド５は、図４及び図
５から分かるように、合成樹脂や硬質ゴム等の硬質素材
で断面溝形に形成されたもので、その長手方向の両端部
に形成された凹部５ａの位置に、取付部材６のフック６
ａを係止させるための係止孔５ｂを有している。このヘ
ッド５に対して払掃部材３は次のようにして取付けられ
ている。即ち、該払掃部材３を二枚重ねた状態で幅方向
の中央部において左右２つの部片３ａ，３ａに折曲し、
その折曲部３ｂ内に取付部材６を挿入すると共に、該取
付部材６のフック６ａを取付孔１２から突出させた状態
で、該払掃部材３の折曲部３ｂを上記ヘッド５内に挿入
し、取付部材６のフック６ａを係止孔５ｂに弾力的に係
止させている。

【００１５】これにより上記払掃部材３は、左右２つの
部片３ａ，３ａがやや先開き状をなすことにより、これ
ら両部片の間に小片１０が撓み易くするための間隔１４
を保った状態でヘッド５に取付けられている。

【００１６】上記のように払掃部材３を複数枚重ねて使
用する場合、図５に示すように、内外の払掃部材３，３
における小片１０の位置を、それらが完全には重ならな
いように横にずらしておくことが望ましい。その場合、
図示したように、内外の払掃部材３，３の小片１０が全
体としてほぼ等間隔で並ぶようにずらすのが望ましい
が、必ずしも等間隔でなくても構わない。

【００１７】このように、内外の払掃部材３，３の小片
１０の位置を相互に重ならないようにずらすことによ
り、清掃時に各小片１０が撓み易くなると同時に、隣接
する小片１０間の無駄な隙間がなくなるために払掃効率
及び集塵能力が向上する。

【００１８】上記構成を有する清掃具１は、箒のように
使用し、比較的大きな塵埃を小片１０で掃き集めたり、
微細な塵埃を表面材８で拭き取るようにする。

【００１９】この場合、払掃部材３が心材７によって適
度の弾性と剛性とを保持せしめられると共に、２つに折
曲して右部片３ａと左部片３ａとの間に小片１０を撓み
易くするための間隔１４を保った状態でヘッド５に取り
付けられているため、各小片１０が箒として使用するの
に適した弾性と剛性とを保持すると同時に、清掃時の押
付力に応じて適度に撓むことができる。従って、床面の
清掃だけでなく、天井や壁を清掃する場合であっても、
敷居の溝や障子の桟のような凹凸のある部分を清掃する
場合であっても、上記小片１０を必要な力で対象部位に
簡単かつ確実に押し付けて清掃することができ、使用性
に勝れる。しかも、表面材８が超極細繊維を含んでいる
ため着塵能力が非常に高く、微細な塵埃まで簡単かつ確
実に拭き取ることができる。

【００２０】表面材８に付着した塵埃は、真空掃除機で
吸い取るか、又は払掃部材３を取り外して水洗いするこ
とにより除去することができる。

【００２１】上記実施例では、払掃部材３が心材７の表
裏両面に表面材８を取付けた構成を有しているが、心材
７の片面だけに表面材８を取付けたものとしても良い。
また、上記小片１０は、先細りの形状に限らず、均一幅
を持つ短冊状等の任意の形状とすることができる。

【００２２】更に上記清掃具１は、払掃部材３を２枚重
ねて使用しているが、払掃部材３は１枚であっても、あ
るいは３枚以上であっても良い。また、清掃具本体２に
おけるヘッド５の構造は、上記実施例に示すものに限ら
ず、払掃部材３を２つに折曲した状態で取付けることが
できる構成であれば、上記以外の構造であっても良い。

【００２３】

【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれ
ば、着塵能力に勝れると共に、適度の剛性と弾性を保持
させることによって広範囲の清掃に使用することができ
る、使用性に勝れた清掃手段を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る清掃具の一実施例を示す斜視図で
ある。

【図２】本発明の払掃部材の平面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ拡大断面図である。

【図４】図１の要部拡大断面図である。

【図５】図４の要部縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 清掃具 ３ 払掃部材 ３ａ 部片 ３ｂ 折曲部 ５ ヘッド ７ 心材 ８ 表面材 １０ 小片 １１ 切込み １４ 間隔

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】弾性と保形性とを有する素材で形成された
   薄板状の心材と、該心材の少なくとも片面に取付けられ
   た直径が１〜９μｍの超極細繊維を含む不織布製の表面
   材とからなり、幅方向の両側縁に、複数の切込みによっ
   て区画形成された複数の払掃用小片を備えていることを
   特徴とする払掃部材。
2. 【請求項２】請求項１に記載の払掃部材において、Ｖ字
   形の切込みを入れることにより、先細り状の小片を相互
   間に間隔を保って形成したことを特徴とするもの。
3. 【請求項３】請求項１又は２に記載の払掃部材を幅方向
   の中央部において左右２つの部片に折曲し、右部片と左
   部片との間に小片が撓み易くするための間隔を保った状
   態で折曲部をヘッドに取付けたことを特徴とする清掃
   具。
4. 【請求項４】請求項３に記載の清掃具において、複数の
   払掃部材を重合してあることを特徴とするもの。
5. 【請求項５】請求項４に記載の清掃具において、内外の
   払掃部材における小片の位置を完全には重ならないよう
   にずらしてあることを特徴とするもの。