JP2000261669A - 閾値マトリックス作成方法 - Google Patents

閾値マトリックス作成方法

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JP2000261669A
JP2000261669A JP11064555A JP6455599A JP2000261669A JP 2000261669 A JP2000261669 A JP 2000261669A JP 11064555 A JP11064555 A JP 11064555A JP 6455599 A JP6455599 A JP 6455599A JP 2000261669 A JP2000261669 A JP 2000261669A
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JP11064555A
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Kanya Ishizaka
敢也 石坂
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期性の良いブルーノイズマスクを確実かつ
容易に作成できるようにする。 【解決手段】 工程1では、自己相似タイルおよびこれ
を構成する縮小写像族を決定する。縮小写像族はランダ
ムに決定してもよい。工程2では、工程1で決定した縮
小写像族に基づいて、工程1で作成した自己相似タイル
内の各相似縮小領域に閾値を割り当てる閾値関数を決定
する。各相似縮小領域間の相互距離を考慮して、あるい
は、あらかじめ設定した閾値初期パターンを用いて、閾
値関数を決定することもできる。工程3では、工程2で
決定した閾値関数を用いて、自己相似タイル内の各相似
縮小領域に閾値を割り当てる。工程4では、工程3で割
り当てた各相似縮小領域の閾値を、閾値マトリックスの
1画素に置き換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多階調画像デー
タをハーフトーン画像データに変換する際に用いる閾値
マトリックスの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷の分野では、連続階調画像を再現す
るために、網点を形成して連続階調画像をハーフトーン
化するのが一般的である。網点は、濃度が高い領域では
大きな面積を有し、濃度が低い領域では小さな面積を有
するように生成される。このような網点を規則的に配置
することによって、元画像がハーフトーン化され、肉眼
で観察したとき元画像の階調が良好に再現されるように
なる。
【0003】網点でハーフトーン化された画像は、元画
像の一定領域を一つの網点として再現している。これ
は、出力先の解像度が充分高く、個々の網点が知覚され
ないほど小さくなれば、肉眼では分解能の低下を感知し
ないので、あまり問題はない。しかし、出力先の解像度
が低い場合には、分解能が低下するとともに、個々の網
点が知覚されてしまう。
【0004】カラー画像をハーフトーン化する際には、
通常、元画像の色成分を分解して、CMYKの4色に分
けてハーフトーン化し、これらのハーフトーン化した版
を重ね合わせることによって、階調再現を実現する。こ
の場合、各版の網点配列の角度(スクリーン角度)が等
しいと、印刷の際の微妙な版ずれのために、色の再現性
と安定性が悪くなる。そのため、通常は各版のスクリー
ン角度を変えたものを用いる。しかし、スクリーン角度
を変えると、各版の干渉によってモアレを生じるので、
モアレのうちで最も周波数が高く、目につきにくいロゼ
ッタパターンが得られるような角度が選ばれる。例え
ば、C:15度、M:75度、Y:0度、K:45度の
組み合わせでハーフトーン化すると、このロゼッタパタ
ーンを得ることができる。しかし、それでも、ロゼッタ
パターンの周波数は個々の網点の周波数より高いため、
肉眼で観察すると目立つ。また、単色で出力する場合に
は、元画像に周期模様が含まれていると、この周期模様
とスクリーン網点との間でモアレを生じる場合がある。
【0005】ハーフトーン化の別の方法として、”An
optimum methodfor two−le
vel rendition of continuo
us−tone pictures”Proc.IEE
E.Int.Conf.Commun.,(26−1
1)−(26−15)(1973)に記載されているB
ayer式ディザマトリックスを用いる方法がある。
【0006】このBayer法では、2のべき乗サイズ
のマトリックスに規則的に閾値を配置したディザマトリ
ックス(Bayerマトリックス)を、記憶装置に記憶
しておき、ハーフトーン化の際には、このBayerマ
トリックスで元画像をタイル状に覆って、元画像の画素
値とBayerマトリックスの閾値とを一点ずつ比較
し、元画像の画素値が閾値より大きければ出力ドットを
オン、元画像の画素値が閾値より小さければ出力ドット
をオフとする。
【0007】このBayer法では、ドットを分散させ
て出力させるため、網点法ほどは元画像の分解能を落と
さずにすみ、モアレの問題も、ドット配列の空間周波数
が高いため、網点法ほどは問題にならない。しかし、B
ayer法では、閾値を規則的に配置するため、幾何的
な制約を生じ、閾値ごとの閾値配置の良さが異なる。そ
のため、ハーフトーン化された画像は、疑似輪郭が非常
に目立つものとなる。
【0008】上記の網点法やBayer法の問題を解決
する方法として、FMスクリーニング法(ストキャステ
ィックスクリーニング法)が考案されている。FMスク
リーニング法では、網点法のようにドットの大小で濃淡
を表現する代わりに、ドットの大きさは一定にし、ドッ
トの数を増減させることによって、すなわち、画像の高
濃度部分ではドットを高密度に配置し、低濃度部分では
ドットを低密度に配置することによって、階調表現を実
現する。
【0009】このFMスクリーニング法では、小さなド
ットの集まりで画像を表現するため、網点法より高分解
能な表現が可能である。この点では、FMスクリーニン
グ法はBayer法と同様の効果を発揮することができ
る。また、通常、ドットの配置はランダムになるため、
カラー画像をハーフトーン化した場合のモアレやロゼッ
タパターンの問題は生じない。また、一般には、各濃度
間の連続性が良く、疑似輪郭も生じにくい。この方法で
生成されたハーフトーン画像は、ドット分布が均一であ
るほど高画質となり、滑らかに見える。
【0010】このFMスクリーニング法の一つに、ブル
ーノイズマスク法がある。ブルーノイズマスク法では、
ある一定の大きさのマトリックス内に、周波数特性がで
きるだけ高周波になるように閾値を設定したマスク(ブ
ルーノイズマスク)を、記憶装置に記憶しておき、ハー
フトーン化の際には、Bayer法と同様に、このブル
ーノイズマスクで元画像をタイル状に覆って、元画像の
画素値とブルーノイズマスクの閾値とを一点ずつ比較
し、出力ドットのオン、オフを決定する。こうして生成
されたハーフトーン画像の画質は、ブルーノイズマスク
の品質にのみ影響されるため、高画質画像を得るには、
質の良いブルーノイズマスクを作成する必要がある。
【0011】このブルーノイズマスクの作成方法として
は、例えば、Proc.SPIE,1913,332−
343(1993),R.Ulichney”The
Void−and−cluster method f
or dither array generatio
n”に記載されているVoid and cluste
r法が知られている。
【0012】このVoid and cluster法
では、初めに、マトリックス内にドットをランダムに設
定しておき、次に、cluster部分のドットをvo
id部分に移す操作を、一定の状態に収束するまで繰り
返すことによって、初期濃度に対応する初期パターンを
得、次に、この初期パターンのcluster部分から
ドットを間引いていくことにより、初期濃度より薄い濃
度を決定し、初期パターンのvoid部分にドットを配
置していくことにより、初期濃度より濃い濃度を決定す
る、という工程によって、全濃度に対応する閾値を設定
する。
【0013】しかし、ブルーノイズマスク法では、元画
像の画素値とランダムなパターンを繰り返し並べたブル
ーノイズマスクの閾値とを比較して元画像をハーフトー
ン化するため、マスクサイズを周期とする不規則な周期
模様が発生する場合がある。マスクサイズを大きくして
周期を大きくすれば、この周期模様をある程度抑えるこ
とができるが、上記のVoid and cluste
r法のような従来の方法で、大きなサイズのブルーノイ
ズマスクを作成するには、多大な時間がかかるととも
に、記憶装置の容量を多く必要とする。また、高解像度
で出力する場合には、さらにマススサイズを大きくする
必要がある。例えば、ランダムパターンに起因する周期
模様を知覚させないために、600dpiで256×2
56サイズのマトリックスが必要となる場合には、24
00dpiでは1024×1024サイズのマトリック
スを用意しなければならない場合がある。
【0014】したがって、不快な周期パターンにつなが
る問題パターンをマスクから排除することが必要とな
る。このような問題パターンとしては、直線状パター
ン、市松パターン、クラスターパターンなどがあげられ
る。これらがブルーノイズマスクに含まれていると、ハ
ーフトーン化した際に周期模様となって目立ち、ハーフ
トーン画像のざらつき感を増すことになる。
【0015】このような問題パターンを出現させないで
閾値マトリックスを作成する方法として、特開平8−1
84958号に示された方法がある。この方法では、ま
ず、初期パターンとして50%濃度に対応するパターン
を作成する。その際、2×2サイズのマトリックスのう
ちの2画素を点灯させたものを並べていき、直線状パタ
ーン、市松パターン、クラスターパターンが発生した場
合には、別の2×2サイズのパターンと差し替える。こ
のように問題パターンを含まない50%パターンを得て
おいて、マトリックス全体を横方向および縦方向に、そ
れぞれ帰納的に2分割し、分割された各領域に逐次、0
と1の番号をランダムに割り当てていって、分割小領域
のサイズが2×2になるまで帰納的分割を繰り返した
ら、各小領域に割り当てられた0,1の番号と、2×2
サイズ内に割り当てられた優先順位とによって2進数演
算を行って、全ての濃度に対応する最終的な閾値を決定
する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平8−184958号の方法においても、ドットが
ランダムに分布するため、直線状パターンが平行に連続
して続いたり、あるいは直線状でなくてもドットが部分
的に長々とつながることがある。また、これらドットの
つながり量も場所によってばらつく。そして、このよう
なパターンがマスク内に含まれることによって、ハーフ
トーン化された画像にマスクサイズを周期とする不快な
周期パターンが発生する。
【0017】ブルーノイズマスクは、モアレや疑似輪郭
の軽減につながるという点では、ドット配置がランダム
であることが望ましいが、マスクの繰り返しによって不
快な周期模様が発生するのを防止する観点からは、マス
ク内にある程度の周期性がある方が好ましい。
【0018】そこで、この発明は、周期性の良いブルー
ノイズマスクを確実かつ容易に作成することができるよ
うにしたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明は、多階調画像
データをハーフトーン化する際に用いる閾値マトリック
スを作成する方法であって、特に、マトリックス全体
を、同じ形態の複数の部分小領域の集合によって構成
し、その各部分小領域内に、部分小領域と相似し、部分
小領域より小さい相似縮小領域を、再帰的に、あらかじ
め設定した任意の組み合わせによる縮小写像によって埋
め込み、各部分小領域の濃度が互いに等しくなるよう
に、全てのまたは所定の閾値を決定するものである。
【0020】
【作用】上記の方法の、この発明の閾値マトリックス作
成方法においては、同じ形態の複数の部分小領域内に、
相似縮小領域を再帰的に、縮小写像によって埋め込み、
各部分小領域の濃度が互いに等しくなるように、全ての
または所定の閾値を決定するので、周期性の良い閾値マ
トリックスを作成することができ、その作成された閾値
マトリックスによって多階調画像データをハーフトーン
化した場合に、ハーフトーン画像にマトリックスサイズ
を周期とする不快な周期模様が発生するのを防止するこ
とができる。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明は、自己相似集合の理論
を利用したものである。自己相似集合の理論そのものに
ついては、Falconer”Fractal Geo
metry”Wiley,1990などに詳細に示され
ているので、以下では、この発明の理解に必要な範囲で
のみ示す。
【0022】〔閾値マトリックス生成の実施形態〕この
発明の一実施形態では、図1に示すような工程1〜4に
よって、閾値マトリックスを作成する。工程1〜4は、
ディスクなどの記録媒体に記述された処理プログラムに
よってコンピュータ上で行うことができるが、一部の工
程または処理をハードウエアによって行うこともでき
る。
【0023】(工程1…自己相似タイルおよび縮小写像
族の決定)まず、工程1では、自己相似タイルおよびこ
れを構成する縮小写像族を決定する。
【0024】自己相似集合の理論におけるHutchi
nsonの定理(1981)から、2次元平面内の縮小
写像族{fo,…,fm}に対して(便宜上、「o」を
「0(ゼロ)」の意味で用いる)、図2の式1を満たす
ような自己相似集合Aが一意的に存在する。式1の意味
は、AはA自身を縮小したm+1個の縮小写像fo
(A),…,fm(A)の和から構成されているという
ことであり、このことを図示したのが、図3である。図
3は、m=2として、3個の縮小写像f0(A),f1
(A),f2(A)で自己相似集合Aが構成されている
場合を概念的に示したものである。
【0025】自己相似集合Aが自己相似タイルであると
は、A自身を平面内に平行的に配置することによって、
平面全体を覆うことができるような場合を指す。
【0026】この実施形態では、このように定まる自己
相似集合Aのうち、その形態が正方形である自己相似タ
イルを用いる。すなわち、自己相似集合Aは、閉区間
[0,1]の直積集合として、図2の式2で定義する。
【0027】工程1では、このように自己相似タイルA
を決定した後、その自己相似タイルAを構成する縮小写
像族{fo,…,fm}を決定する。自己相似集合の理
論では、通常は、先に縮小写像族を与えておき、それに
よって定まる自己相似集合を扱うが、ここでは逆に、初
めに集合の形態を与えておき、その集合を自己相似集合
として持つような縮小写像族を決定する。これは、集合
の形態によっては可能であり、この実施形態のように、
集合の形態が正方形の場合には、容易に縮小写像族を決
定することができる。
【0028】自己相似集合Aが正方形の自己相似タイル
であるとき、縮小写像によって自己相似タイルA自身
を、その内部に埋め込むには、例えば、図4に示すよう
に、自己相似タイルAを写像する4つの相似縮小写像f
0(A),f1(A),f2(A),f3(A)を用意
すればよい。
【0029】以上のようにして、自己相似タイルAおよ
びこれを構成する縮小写像族{fo,…,fm}を決定
する。ここで、各自然数nに対して、図2の式3の表記
を導入する。式3のSo,…,Snは、それぞれ0から
mまでの値をとり、縮小写像族{fo,…,fm}の各
fの添字(上記のように便宜上、小文字をそのまま添字
として用いている)に相当する。式3の意味は、単に自
己相似タイルAを順にfsn,…,fsoで計n+1
回、写像したものの表記を定義したものである。
【0030】式1の右辺中のAに、式1自身を繰り返し
代入して、式3を用いて書き直すと、自己相似タイルA
は、図2の式4の形に書き表すことができる。この式4
によって、自己相似タイルAは、自分自身を縮小した計
(m+1)n+1個の領域の和に分解される。nの値が
大きければ、自己相似タイルAは、より細かな領域に分
解されるので、nは自己相似タイルAの分割数を決める
数と言える。
【0031】以上によって、自己相似タイルAを構成す
る縮小写像を作成し、自己相似タイルAを相似縮小領域
に分割したら、工程1を終了する。なお、後述するよう
に、工程1では、自己相似タイルAを構成する縮小写像
族をランダムに決定してもよい。
【0032】(工程2…閾値関数の決定)工程2では、
図5に示すような手順で、図6の式5によって、工程1
で決定した縮小写像族に基づいて、工程1で作成した自
己相似タイルA内の各相似縮小領域に閾値を割り当てる
閾値関数を決定する。
【0033】ただし、閾値関数の決め方としては、式5
に限らず、種々の方法をとることができる。また、後述
するように、自己相似タイルA内の各相似縮小領域間の
相互距離を考慮して、あるいは、あらかじめ設定した閾
値初期パターンを用いて、閾値関数を決定することもで
きる。さらに、後述するように、工程1で縮小写像族を
ランダムに決定する場合には、工程2では、このランダ
ムな縮小写像族を用いて閾値関数を決定することができ
る。
【0034】式5中のnは、上述したように自己相似タ
イルAの分割数を決める数であり、So,…,Snは、
それぞれ0からmまでの値をとる、縮小写像族{fo,
…,fm}の各fの添字を意味する。上述したように自
己相似タイルAは(m+1)n+1個の領域に分割され
るが、この総領域数が最終的に得られる閾値マトリック
スの縦×横の画素数と一致する。
【0035】そこで、工程2では、まず工程2aにおい
て、(m+1)n+1の値が所望のマトリックスサイズ
と等しくなるようにnの値を設定し、式5に代入する。
【0036】式5中のkは、閾値の数を制御する数で、
最終的に得られる閾値マトリックスは、図6の式6で定
義されるt(k)+1個の閾値をとることができる。k
の数を増やせば、より多くの閾値をとることができる
が、相似縮小領域の総数を上回る閾値数はとれないの
で、k≦nでなければならない。
【0037】そこで、工程2では、次に工程2bにおい
て、式6で定義されるt(k)+1の値が所望の閾値数
と等しくなるように(t(k)+1の値が所望の階調数
と等しくなるように)kの値を設定し、式6および式5
に代入する。
【0038】式5中の関数ψは、図6の式7で表される
1対1写像であり、式7中のt(k)は、式6で定義さ
れる閾値数である。
【0039】自己相似タイルA内の各相似縮小領域間の
相互距離を考慮して閾値マトリックスを作成する場合に
は、図5に示すように、工程2bから工程2cに進ん
で、各相似縮小領域間の相互距離に応じて、式7により
関数ψを定めて、工程2を終了する。各相似縮小領域間
の相互距離を考慮しないで閾値マトリックスを作成する
場合には、実質上、式7を使用しないで、図6の式8で
表されるjの各々に対して、ψ(j)=jでψを定義し
て、工程2bの終了をもって工程2を終了する。
【0040】(工程3…閾値の割り付け)工程3では、
工程2で決定した閾値関数を用いて、自己相似タイルA
内の各相似縮小領域に閾値を割り当てる。この場合、S
o,…,Snは{0,…,m}の全ての組み合わせ(計
(m+1)n+1通り)をとり、n段階目の全ての相似
縮小領域に閾値を割り当てる。
【0041】(工程4…画素への置き換え)最後に、工
程4では、工程3で割り当てた各相似縮小領域の閾値
を、閾値マトリックスの1画素に置き換える。すなわ
ち、自己相似タイルA内の各相似縮小領域と、これに割
り当てられた閾値との関係を、マトリックス上に移す。
自己相似タイルAは正方形であり、各相似縮小領域も正
方形であるので、自己相似タイルA全体を見たとき、左
上(画像の主走査方向および副走査方向において始点
側)から見て(x,y)番目に位置する相似縮小領域の
閾値を、マトリックスの(x,y)座標の画素に移せば
よい。以上の工程によって、最終的に閾値マトリックス
が得られる。
【0042】(縮小写像族のランダム決定)自己相似タ
イルAを構成する縮小写像族は、ランダムに決定するこ
とができる。その場合には、まず、工程1において、自
己相似タイルAを構成する縮小写像族をw+1個、用意
する。自己相似タイルAを部分小領域に分ける規則とし
ては、全て同じものを用いなくてもよいが、以下の例と
しては、全て同じものを用いる場合を示す。
【0043】具体的には、例えば、図4のように自己相
似タイルAを4つの領域に写像する縮小写像族をw+1
個、用意すればよい。この場合の縮小写像族は、Fo=
{foo,…,fom},…,{fwo,…,fwm}
で表すことができる。このとき、自己相似タイルAは、
図7の式9で表すことができる。
【0044】ここで、式4の表記を導入するが、初め
に、最終的に得ようとする閾値マトリックスの大きさか
らnの値を設定し、次いで、図7の式10で示すn+1
個のランダム数列を用意して、このランダム数列によっ
て、縮小写像族をランダムに選ぶ。Po,…,Pnを、
それぞれ式9のjに代入すると、図7の式11が得られ
る。
【0045】さらに、図7の式12の表記を導入して、
式11を、以下の要領で逐次代入する。まず、j=nと
した式11を、j=n−1とした式11に代入し、得ら
れた数を、j=n−2とした式11に代入する。これを
繰り返して、式12の表記を用いると、式4と同じよう
に自己相似タイルAをランダムな縮小写像族で分解し
た、図7の式13が得られる。
【0046】工程2におけるn,k,ψの決定は、縮小
写像族をランダムでなく決定する場合と同じである。式
5に対応する閾値関数は、図7の式14の形で与えら
れ、各相似縮小領域に閾値を割り当てることができる。
【0047】以上のようにして得られた相似縮小領域と
閾値との関係をマトリックス上に移すことによって、ラ
ンダム縮小写像族による閾値マトリックスを得ることが
できる。
【0048】(閾値初期パターンの利用)さらに、あら
かじめ設定した閾値初期パターンを閾値マトリックスの
閾値配置に反映させることができる。
【0049】この場合には、工程1の前に、あらかじめ
自己相似タイルAを、これと相似し、これより小さい複
数の初期領域に分割する。自己相似タイルAが正方形の
場合、例えば、図8(A)または(B)に示すように、
4×4または3×3の初期領域に分割すればよい。この
分割は、自己相似タイルAを自己相似集合として持つよ
うな縮小写像族を別に定め、これに基づいて工程1のよ
うな方法によって行ってもよい。
【0050】このように自己相似タイルAを複数の初期
領域に分割したら、{0,…,m}の数字を用いてm+
1進法で、これら初期領域にAの添字としての番号を与
える。ただし、番号として使う数字の数cは一定とす
る。このとき、(m+1)は自己相似タイルAの総分
割量を超えることはできない。総分割量が(m+1)
と等しければ、各初期領域に全て異なる番号を割り当て
ることができるが、そうでない場合には、一部の領域で
番号の重複を認めてもよい。あるいは、番号の重複を認
めないで、番号が重複してしまう領域には番号を割り当
てないようにしてもよい。
【0051】図9(A)は、図8(A)のように分割さ
れた4×4の初期領域の全てに互いに重複しない番号を
与えた例を示し、図9(B)は、図8(B)のように分
割された3×3の初期領域の一部にのみ番号を与えた例
を示す。図9(B)の黒丸を付した初期領域は、番号が
割り当てられない領域である。
【0052】このように番号が付与された各初期領域全
体を改めて自己相似タイルとみなして、工程1〜4を実
行する。ただし、工程1において、自己相似タイルとみ
なした初期領域を相似縮小領域に分割して番号を与える
際には、あらかじめその初期領域に与えた番号を、縮小
写像族によって分割された相似縮小領域に加える。例え
ば、図9(A)の初期領域A20をf2,f3,f0,
f1で写像した相似縮小領域は、A103220とす
る。また、工程2,3でのn,kの値は、初期領域数と
上記の一定数cに応じて設定する。初期領域のうち、番
号が割り当てられていない領域については、工程2にお
いて閾値関数の決定を行わない。そのため、最終的に得
られる閾値マトリックスには閾値が決定されない座標が
現れるが、この座標には例えば255などの値を一意的
に割り当てればよい。
【0053】以上のような方法によって、あらかじめ設
定した閾値初期パターンを閾値マトリックスの全領域に
反映させることができる。
【0054】(実施例1)実施例1として、自己相似タ
イルA内の各相似縮小領域間の相互距離を考慮しないで
閾値マトリックスを作成する場合の具体例を示す。
【0055】図2の式2で定義されるように、自己相似
タイルAを閉区間[0,1]の直積集合とした場合、自
己相似タイルAを構成する縮小写像族の決定方法として
は、多数の組み合わせが可能であるが、最も単純には、
図4のように自己相似タイルAを4つの領域に分け、こ
れら領域に自己相似タイルAを写像する4つの相似縮小
写像f0(A),f1(A),f2(A),f3(A)
を設定すればよい。例えば、図10の式15で表される
4つの相似縮小写像を設定する。この場合、縮小写像そ
のものだけでなく、縮小写像に与える{0,1,2,
3}の番号付けによっても、後に決定する閾値関数が変
化し、最終的に得られる閾値配列が変化する。
【0056】式15の相似縮小写像に対して、自己相似
タイルAは、図2の式1でm=3として、図10の式1
6で表される。帰納的に図2の式3を用いることによっ
て、自己相似タイルAは、図10の式17のように相似
縮小領域の和に分解することができる。図11(A)
は、式17でn=0としたとき((m+1)n+1=4
のとき)の、図11(B)は、式17でn=1としたと
き((m+1)n+1=16のとき)の、それぞれ各相
似縮小領域を示す。
【0057】各相似縮小領域に付与される番号は、初め
に設定した相似縮小写像によって一意的に定められる。
また、nの値を大きくすることによって、自己相似タイ
ルAを、さらに細かい相似縮小領域に分割することがで
きる。その際には、各相似縮小領域には、その位置を特
定する縮小写像によって一意的に番号が付与されてい
く。実施例1では、以上のように工程1を実行する。
【0058】次に、工程2では、分割した各相似縮小領
域に閾値を割り当てる閾値関数を決定するが、実施例1
では、閾値関数として図6の式5を用いる。この場合に
は、まず、式5で未定のn,kの値を設定する。
【0059】nの値は、最終的に得ようとする閾値マト
リックスのサイズに合わせて設定する。ここでは、64
×64(=4096)サイズの閾値マトリックスを作成
する場合として、n=5とする。この例では、m=3で
あるので、n=5とすると、得られる相似縮小領域の総
数は(3+1)5+1=4096となり、64×64サ
イズの閾値マトリックスを得ることができる。
【0060】n=5を式17に代入すると、図10の式
18が得られ、自己相似タイルAは64×64個の相似
縮小領域に分解される。図12に、自己相似タイルAの
左上部分の各相似縮小領域を示す。各相似縮小領域には
一意的に{0,1,2,3}の数字6個の並びによって
番号が付与される。
【0061】このように、この例では前もってnの値を
設定しておくが、nの値を初めに設定しないで、工程4
の後に設定して、マトリックスサイズを調整することも
可能である。
【0062】次に、m,kの値を図6の式6に代入する
ことによって、階調数t(k)+1を決定する。そのた
め、kの値を決定する。この例では、階調数は最も一般
的な256階調とし、そのため、k=3とする。m=
3,k=3を式6に代入すると、t(k)=3+3・4
+3・4+3・4=255となり、t(k)+1=
256となる。
【0063】次に、式5中の関数ψを決定するが、実施
例1は、自己相似タイルA内の各相似縮小領域間の相互
距離を考慮しないで閾値マトリックスを作成する場合で
ある。そのため、この例では、実質上、図6の式7を使
用しないで、図10の式19によって関数ψを定義す
る。
【0064】以上のようにして、閾値関数の決定に必要
な定数m,kおよび関数ψが全て定められ、工程2が終
了する。このとき、自己相似タイルA内の各相似縮小領
域に閾値を割り当てる閾値関数は、図10の式20で与
えられる。
【0065】工程3では、この式20で与えられる閾値
関数によって、自己相似タイルA内の各相似縮小領域に
閾値を割り当てる。図13は、図12に示した各相似縮
小領域に割り当てられた閾値を示す。
【0066】最後に、工程4で、自己相似タイルA内の
各相似縮小領域と、これに割り当てられた閾値との関係
を、マトリックス上に移す。この例では、64×64サ
イズのマトリックスを用意して、自己相似タイルA内の
(x,y)座標の相似縮小領域の閾値を、マトリックス
の(x,y)座標の画素に移せばよい。
【0067】以上によって、最終的に64×64サイズ
の閾値マトリックスが得られる。図17(A)に、この
実施例1により得られる閾値マトリックスの閾値62の
配列パターンを示す。これは、図13に示した閾値配列
中の、閾値が62以下の座標のドットをオン(黒点),
閾値が63以上の座標のドットをオフ(白点)にしたも
のである。
【0068】以上の方法によって作成された閾値マトリ
ックスは、各相似縮小領域の濃度が互いに等しく、しか
も周期性の良いものとなる。すなわち、実施例1では、
64×64サイズの閾値マトリックスは、16×16サ
イズの単位マトリックス内の閾値配列が、単位マトリッ
クスの回転や鏡像によって繰り返し配置されたものとな
り、16×16サイズの周期を有するものとなる。した
がって、この閾値マトリックスによりハーフトーン化さ
れた画像に、マトリックスサイズを周期とする不快な周
期模様がほとんど現れず、600dpiで用いても、2
400dpiで用いても、周期模様が現れないという点
で同等の効果を期待することができる。
【0069】Bayerマトリックスでも、16×16
サイズの周期で閾値配列が繰り返されるが、実施例1で
は、その繰り返し配置に回転や鏡像が加えられるため、
Bayerマトリックスよりランダムさが加えられた閾
値マトリックスが得られる。したがって、この閾値マト
リックスによりハーフトーン化された画像は、疑似輪郭
が現れにくいものとなる。
【0070】実施例1では、一般に、最初に、自己相似
タイルAをm個の領域に分割して、m個の縮小写像を用
意するようにしてもよい。例えば、最初に、自己相似タ
イルAを4×4=16個の領域に分割して、16個の縮
小写像を用意し、あるいは最初に、自己相似タイルAを
3×3=9個の領域に分割して、9個の縮小写像を用意
する。前者の場合には、m=16となり、後者の場合に
は、m=9となる。そして、工程1,2では、n,kの
値、さらには閾値数t(k)を、その分割数mに応じて
設定し直す。
【0071】また、図4の例でf1(A)とf2(A)
の位置を入れ替えるなど、各相似縮小領域への初めの番
号付けの位置を変えるようにしてもよい。
【0072】これらの方法を単独で、または組み合わせ
て用いて、各相似縮小領域に閾値を割り当てることがで
きる。定数や関数の設定が変わるだけで、工程そのもの
は上述した例と全く同じである。
【0073】(実施例2)実施例2として、あらかじめ
所定サイズのマトリックスに閾値を設定した閾値初期パ
ターンを作成し、これを各相似縮小領域に写像すること
によって、閾値初期パターンの閾値配置を閾値マトリッ
クスに反映させる場合の具体例を示す。
【0074】例えば、以下に具体例として示すように、
閾値初期パターンとして、図9(A)に示すような4×
4サイズのマトリックスに4進法で値を設定しておき、
その値を閾値関数に組み込むようにする。
【0075】あるいはまた、詳細を省略するが、閾値初
期パターンとして、例えば図9(B)に示すような3×
3サイズのマトリックスの一部分にだけ値を設定してお
き、その値を閾値関数に組み込むようにしてもよい。こ
の方法により作成された閾値マトリックスは、各相似縮
小領域の一部に閾値が設定されず、ハーフトーン化され
た画像において多階調画像データの値のいかんにかかわ
らずドットが乗らない領域を生じる。
【0076】具体的に、4×4サイズの閾値初期パター
ンを用いる例では、閾値初期パターンを形成するための
図9(A)に示すような4×4集合と、実施例1と同様
の正方形の自己相似タイルA、およびこれを構成する図
10の式15で表される4つの相似縮小写像を用意す
る。
【0077】工程1では、その4×4集合の全体をBと
おき、実施例1で自己相似タイルAにつき行うのと同様
に、全体集合Bにつき工程1〜4の方法を行う。このと
き、全体集合Bは図14の式21で記述される。式21
中のS4,S5の4,5は、便宜的に与えた番号であ
る。ただし、nの値は、実施例1と異なり、n=5−2
=3とする。これは、全体集合B自身が、あらかじめ4
×4=16個の領域に分割されているためである。kの
値は、実施例1と同じく、k=3とし、256階調が得
られるようにする。その他の設定も、実施例1と同じで
ある。
【0078】工程1で、自己相似タイルAを相似縮小領
域に分割し、各相似縮小領域に番号を与える際には、あ
らかじめ初期領域に与えた番号を、縮小写像で変換した
領域番号に加える。例えば、初期領域A20をf2,f
3,f0,f1で写像した相似縮小領域は、図14の式
22のように表記すると定義する。この定義を用いて、
全体集合Bを、図2の式3の形で表記し、式21を用い
て変形して、まとめると、全体集合Bは、図14の式2
3で記述できるように、図7の式13と全く同じ形で記
述される。
【0079】後の工程2〜4は、実施例1と同様であ
る。ただし、この例では、上記のように工程1でn=3
としたが、工程2の段階では、これに初期領域の2分割
分の2が加えられて、自己相似タイルAは実質上、式1
3の形になっているので、工程2〜4では、n=5に設
定し直して、実施例1と同様の演算を行う。
【0080】以上のようにして、あらかじめ設定された
閾値初期パターンの閾値配列が全ての領域に反映された
64×64サイズの閾値マトリックスが得られる。図1
7(B)に、この実施例2により得られる閾値マトリッ
クスの閾値63の配列パターンを示す。これは、閾値が
63以下の座標のドットをオン,閾値が64以上の座標
のドットをオフにしたものである。
【0081】実施例2によれば、あらかじめ閾値初期パ
ターンを設定して、これを各相似縮小領域に写像するこ
とによって、閾値マトリックスの全ての領域に閾値初期
パターンの閾値配置を反映させることができる。閾値初
期パターンの閾値配置をある程度、ランダムにしても、
後に相似縮小写像によって規則的に相似縮小領域に分配
されるので、実施例1と同様に周期性のよい閾値マトリ
ックスを得ることができる。さらに、この方法によれ
ば、閾値初期パターンを少しずつ変えることによって、
縮小写像族を変更させないで、閾値配置がより均等にな
るように改良させていくことができる。
【0082】(実施例3)実施例3として、実施例1と
同様に、自己相似タイルAが正方形で、図10の式15
で表される4つの相似縮小写像から構成される場合にお
いて、実施例1と異なり、自己相似タイルA内の各相似
縮小領域間の相互距離を考慮して閾値マトリックスを作
成する場合の具体例を示す。
【0083】この例では、実施例1との相違点は、閾値
関数を決定する図6の式5において、関数ψとして自明
でないものを用いる点のみである。したがって、以下で
は、関数ψの決定についてのみ示す。
【0084】自己相似タイルA内の各相似縮小領域間の
相互距離を考慮して関数ψを定義し、閾値関数を決定す
る方法としては、種々の方法が可能であるが、ここで
は、後述するようなfilter functionを
用いる。
【0085】ψ:{0,…,255}→{0,…,25
5}の定義を行うためには、一度、閾値をマトリックス
に写像しておいた方が都合が良い。そこで、工程4の方
法によって、一旦、マトリックスに閾値を写像する。
【0086】次に、そのマトリックスの(x,y)座標
の閾値をp(x,y)で表して、図15の式24で集合
Λiを定義する。集合Λiは、マトリックスの閾値p
(x,y)がiである座標全体を表し、マトリックスサ
イズは実施例1と同様に64×64であるので、それぞ
れの集合Λiの元の個数は64である。これら集合Λi
のうち、相互距離が離れているもの同士を選択し、順に
濃度を決定する。
【0087】この例では、関数ψの定義に、Proc.
SPIE,1913,332−343(1993),
R.Ulichney”The Void−and−c
luster method for dither
array generation”に記載されてい
る、Void and cluster法で提案され
た、図15の式25に示すfilter functi
onを用いる。ただし、その他のfilter fun
ctionを用いることもできる。
【0088】初めに、新しい閾値設定用の64×64サ
イズのマトリックスMを用意する。マトリックスMの各
座標には、仮の閾値として128を入れておく。このと
き、マトリックスMの(x,y)座標の閾値をq(x,
y)と記述する。もちろん、最初はq(x,y)=12
8である。
【0089】関数ψの値域は、図15の式26に示す順
番で決定する。0≦i≦255の値域に対して、ψ
(j)=iなるjを決定するには、まず、iの定義域の
0から255までのうちで、いまだ値域を決定するのに
使われていない数全体Φiを選択する。そして、図15
の式27で表されるΛkの全ての点に対して、式25で
表されるfilter functionで近隣の座標
を走査する。走査範囲は、点(x,y)から見て1画素
の距離を1としたとき、半径16以内などとする。この
とき、便宜的に、走査範囲の相対座標を、図15の式2
8で表す。Kは走査点の総数である。ここでの走査は、
iが0〜127の場合には、走査画素がiより小さいと
き、式25の値を加えていき、iが128〜255の場
合には、走査画素がiより大きいとき、式22の値を加
えていく、という方法による。以上の演算を式で表す
と、図15の式29,30となる。
【0090】図16の式31で表されるjの各々に対し
て、式29,30によりSi(j)を計算したら、Si
(j)を最も小さくするjである、図16の式32で表
されるjminを選択して、図16の式33のように定
義する。そして、このとき、マトリックスMの、図16
の式34で表される各座標の閾値を、iに設定する。す
なわち、式34で表される各座標に対して、図16の式
35のように定義する。
【0091】以上により、値域iの決定が終了する。こ
の操作を全ての値域に対して行うことによって、最終的
に1対1写像の関数ψが求められる。
【0092】このように関数ψを定義したら、これを図
7の式14に従って、図10の式20に組み合わせる。
これによって、閾値関数は図16の式36で記述するこ
とができる。あとは、実施例1と同様に、この閾値関数
によって自己相似タイルA内の各相似縮小領域に閾値を
割り当て、得られた各相似縮小領域と閾値との関係を6
4×64サイズのマトリックス上に移せばよい。図17
(C)に、この実施例3により得られる閾値マトリック
スの閾値63の配列パターンを示す。これは、閾値が6
3以下の座標のドットをオン,閾値が64以上の座標の
ドットをオフにしたものである。
【0093】以上の方法によって作成された閾値マトリ
ックスは、実施例1と同様に周期性が良いが、さらに、
これによりハーフトーン化された画像において、ドット
の偏りがより少なくなって、ざらつき感が無くなるとと
もに、疑似輪郭が現れにくい。
【0094】(実施例4)この発明の方法は、各濃度値
に対応する各閾値パターンを独立に決定するものであ
る。したがって、例えば、全閾値のうち、ざらつき感が
無く、特に周期性に優れている閾値パターンのみを、こ
の発明の方法によって決定し、残りの閾値パターンを、
ブルーノイズマスクを作成する他の方法、例えばVoi
d andcluster法などによってランダムに決
定することもできる。
【0095】そこで、実施例4として、閾値マトリック
スの所定の閾値パターンのみを、この発明の方法によっ
て決定した後、残りの閾値パターンを他の方法によって
決定する場合の具体例を示す。
【0096】この例では、実施例2の方法によって得ら
れる、64×64サイズの閾値マトリックスの濃度25
%、50%、75%に対応する閾値63,127,19
1のパターンを、そのまま利用し、その他の濃度値に対
応する閾値パターンを、Void and clust
er法によって決定する。ただし、初めに決定する閾値
パターンの閾値の数や組み合わせは任意である。
【0097】なお、実施例1,2では、それぞれ、上述
した方法によって全閾値のパターンを定めずに、一部の
閾値のパターンだけを定め、あるいは、あらかじめ上述
した方法によって全閾値のパターンを定めた後、一部の
閾値のパターンを選び出すことができるが、実施例3で
は、あらかじめ上述した方法によって全閾値のパターン
を定めた後、一部の閾値のパターンを選び出す。
【0098】この例では、まず、実施例2で得られる6
4×64サイズの閾値マトリックスの閾値を、以下のよ
うに変換する。
【0099】(1)閾値が0から63までの値の座標全
体をΛ(0-63)とおき、その各座標の閾値を63に変え
る。
【0100】(2)閾値が64から127までの値の座
標全体をΛ(64-127)とおき、その各座標の閾値を12
7に変える。
【0101】(3)閾値が128から191までの値の
座標全体をΛ(128-191)とおき、その各座標の閾値を1
28に変える。
【0102】(4)閾値が192から255までの値の
座標全体をΛ(192-255)とおき、その各座標の閾値を1
92に変える。
【0103】こうして得られる閾値マトリックスは4階
調であり、その閾値63,127,191のパターン
は、実施例2で得られる閾値パターンと同じである。
【0104】この4階調の閾値マトリックスに対して、
Void and cluster法を適用する。ここ
では、Void and cluster初期パターン
として、閾値127を用い、以下、128,126,1
29,125,…,1,254,0,255の順で、V
oid and clusterアルゴリズムによっ
て、閾値を定める。その際、ある閾値jを決定するとき
には、上記4つの集合Λ(0-63),Λ(64-127),Λ(1
28-191),Λ(192-255)のうちで、a≦j≦bとなる集
合Λ(a−b)を選び、その中から座標を選択する。例
えば、閾値75を決定するときには、集合Λ(64-127)
中から座標を選択する。
【0105】以上のようにして、全閾値をVoid a
nd cluster法で決定すると、濃度25%、5
0%、75%に対応する閾値63,127,191は、
実施例2の方法で決定された閾値パターンで、その他の
濃度値に対応する残りの閾値は、Void and c
luster法でランダムに決定された閾値パターン
の、閾値マトリックスが得られる。
【0106】この例では、ランダムに決定される閾値部
分も、この発明の方法で作成された所定閾値部分の規則
パターンの影響を受けるので、通常のブルーノイズマス
クより周期性の良い閾値マトリックスを得ることができ
る。したがって、この例で得られた閾値マトリックスに
よりハーフトーン化された画像には、マトリックスサイ
ズを周期とする不快な周期模様がほとんど現れない。
【0107】〔閾値マトリックス作成の他の実施形態〕
自己相似タイルは、正方形以外の形態でもよい。2次元
平面内に数多く存在する自己相似タイルのうちの一部を
得るための方法としては、C.Bandt,”Self
−similar sets 5.Integer m
atricesand fractal tiling
s of R^{n}”Proc.Amer.Mat
h.Soc.112(1991)549−562に記載
された方法などが知られている。例えば、2次元平面内
の自己相似タイルの例である、図18に示すtwin
dragonは、この方法によって作成することができ
る。
【0108】そして、この発明は、自己相似タイルを正
方形ではなく、twin dragonのような形態の
ものとして構成する場合にも適用することができる。
【0109】〔ハーフトーン画像生成の実施形態〕この
発明のハーフトーン画像生成方法では、多階調画像デー
タの値を、この発明の閾値マトリックス作成方法により
作成された閾値マトリックスの閾値と比較することによ
って、ハーフトーン画像データを生成する。
【0110】また、図を省略するが、この発明のハーフ
トーン画像生成装置は、この発明の閾値マトリックス作
成方法によって作成された閾値マトリックスが、あらか
じめ格納された、または格納されるメモリを備え、その
メモリから閾値マトリックスの閾値を読み出して、多階
調画像データの値と比較することによって、ハーフトー
ン画像データを生成するものである。
【0111】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、周
期性の良い閾値マトリックスを確実かつ容易に作成する
ことができ、その作成された閾値マトリックスによって
多階調画像データをハーフトーン化した場合に、ハーフ
トーン画像にマトリックスサイズを周期とする不快な周
期模様が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の工程を示す図である。
【図2】工程1の説明に供する式を示す図である。
【図3】自己相似集合を概念的に示す図である。
【図4】自己相似タイル内に縮小写像を埋め込む状態を
示す図である。
【図5】工程2の各工程を示す図である。
【図6】工程2の説明に供する式を示す図である。
【図7】縮小写像族のランダム決定の説明に供する式を
示す図である。
【図8】自己相似タイルの分割の例を示す図である。
【図9】閾値初期パターンの例を示す図である。
【図10】実施例1の説明に供する式を示す図である。
【図11】自己相似タイル内の相似縮小領域の配置例を
示す図である。
【図12】具体例の各相似縮小領域の配置を示す図であ
る。
【図13】具体例の各相似縮小領域の閾値を示す図であ
る。
【図14】実施例2の説明に供する式を示す図である。
【図15】実施例3の説明に供する式を示す図である。
【図16】実施例3の説明に供する式を示す図である。
【図17】各実施例の閾値62または閾値63の配列パ
ターンを示す図である。
【図18】twin dragonを示す図である。
【符号の説明】
1〜4…工程 A…自己相似タイル(自己相似集合)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多階調画像データをハーフトーン化する際
    に用いる閾値マトリックスを作成する方法であって、 マトリックス全体を、同じ形態の複数の部分小領域の集
    合によって構成し、その各部分小領域内に、部分小領域
    と相似し、部分小領域より小さい相似縮小領域を、再帰
    的に、あらかじめ設定した任意の組み合わせによる縮小
    写像によって埋め込み、各部分小領域の濃度が互いに等
    しくなるように全ての閾値を決定する閾値マトリックス
    作成方法。
  2. 【請求項2】多階調画像データをハーフトーン化する際
    に用いる閾値マトリックスを作成する方法であって、 マトリックス全体を、同じ形態の複数の部分小領域の集
    合によって構成し、その各部分小領域内に、部分小領域
    と相似し、部分小領域より小さい相似縮小領域を、再帰
    的に、あらかじめ設定した任意の組み合わせによる縮小
    写像によって埋め込み、各部分小領域の濃度が互いに等
    しくなるように所定の閾値を決定し、残りの閾値を他の
    ブルーノイズマスク作成アルゴリズムによって決定する
    閾値マトリックス作成方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2の方法において、 前記複数の部分小領域の集合としての自己相似タイル、
    およびこれを構成する縮小写像族を決定する工程と、 その決定された縮小写像族に基づいて、その決定された
    自己相似タイル内の各相似縮小領域に閾値を割り当てる
    閾値関数を決定する工程と、 その決定された閾値関数を用いて、前記決定された自己
    相似タイル内の各相似縮小領域に閾値を割り当てる工程
    と、 その割り当てられた各相似縮小領域の閾値を閾値マトリ
    ックスの1画素に置き換える工程と、 を備えることを特徴とする閾値マトリックス作成方法。
  4. 【請求項4】請求項3の方法において、 前記決定された縮小写像族、および前記決定された自己
    相似タイル内の各相似縮小領域間の相互距離に基づい
    て、前記閾値関数を決定することを特徴とする閾値マト
    リックス作成方法。
  5. 【請求項5】請求項3の方法において、 あらかじめ設定した閾値初期パターン、および前記決定
    された縮小写像族に基づいて、前記閾値関数を決定する
    ことを特徴とする閾値マトリックス作成方法。
  6. 【請求項6】請求項3〜5のいずれかの方法において、 前記縮小写像族をランダムに決定することを特徴とする
    閾値マトリックス作成方法。
  7. 【請求項7】請求項3〜6のいずれかの方法において、 前記自己相似タイルの形態を正方形とすることを特徴と
    する閾値マトリックス作成方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかの方法を実行する
    処理プログラムが記述された記録媒体。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかの方法によって閾
    値マトリックスを作成する閾値マトリックス作成装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれかの方法により作
    成された閾値マトリックスによって多階調画像データを
    ハーフトーン化するハーフトーン画像生成方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜7のいずれかの方法により作
    成された閾値マトリックスによって多階調画像データを
    ハーフトーン化するハーフトーン画像生成装置。
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