JP2000260595A - プラズマ処理装置 - Google Patents
プラズマ処理装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】エッチングの微細加工および金属汚染の防止に
好適なプラズマ処理装置の提供。 【解決手段】処理室内部にプラズマを発生させるプラズ
マ発生手段と、被処理材に高周波電圧を印加する手段
と、真空排気装置が接続され内部を減圧可能な処理室
と、前記処理室内へのガス供給装置とから成るプラズマ
処理装置において、プラズマ電位Vpに近い正電圧を印加
した電極を有するように構成した。
好適なプラズマ処理装置の提供。 【解決手段】処理室内部にプラズマを発生させるプラズ
マ発生手段と、被処理材に高周波電圧を印加する手段
と、真空排気装置が接続され内部を減圧可能な処理室
と、前記処理室内へのガス供給装置とから成るプラズマ
処理装置において、プラズマ電位Vpに近い正電圧を印加
した電極を有するように構成した。
Description
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマ処理装置に
係り、特に半導体素子基板等の試料を、プラズマを用い
かつ試料に高周波電圧を印加して、エッチング処理を施
すのに好適なプラズマ処理装置に関する。
係り、特に半導体素子基板等の試料を、プラズマを用い
かつ試料に高周波電圧を印加して、エッチング処理を施
すのに好適なプラズマ処理装置に関する。
【従来の技術】従来のエッチング用プラズマ処理装置
は、例えば特願平3−318901号公報に記載のよう
に、被処理材であるウェハを載置する電極には高周波電
圧が印加され、アース電極は接地されていた。しかしな
がら高周波電圧を印加するウェハ載置用電極の面積と接
地されたアース電極の面積との比が大きい場合には、ウ
ェハ載置用電極に効率良く高周波電圧が印加されず、エ
ッチングの微細加工性に問題が生じる。図1に従来のエ
ッチング用プラズマ処理装置の縦断面図を示す。この場
合リング状の電極14は、処理室1に接続され、接地さ
れている。高周波電圧を印加するウェハ載置電極8上に
はカソードシース15が、また接地されている電極14
上には、アノードシース16が形成される。一般にシー
スの厚さdは、シース間電圧をV、電子密度をNe、電子温
度をTe、電荷の素量をe、ボルツマン定数をk、真空の誘
電率をε0とすると、プラズマ基礎工学(堤井信力著、
内田老鶴圃社)を参考に以下のように示すことができ
る。
は、例えば特願平3−318901号公報に記載のよう
に、被処理材であるウェハを載置する電極には高周波電
圧が印加され、アース電極は接地されていた。しかしな
がら高周波電圧を印加するウェハ載置用電極の面積と接
地されたアース電極の面積との比が大きい場合には、ウ
ェハ載置用電極に効率良く高周波電圧が印加されず、エ
ッチングの微細加工性に問題が生じる。図1に従来のエ
ッチング用プラズマ処理装置の縦断面図を示す。この場
合リング状の電極14は、処理室1に接続され、接地さ
れている。高周波電圧を印加するウェハ載置電極8上に
はカソードシース15が、また接地されている電極14
上には、アノードシース16が形成される。一般にシー
スの厚さdは、シース間電圧をV、電子密度をNe、電子温
度をTe、電荷の素量をe、ボルツマン定数をk、真空の誘
電率をε0とすると、プラズマ基礎工学(堤井信力著、
内田老鶴圃社)を参考に以下のように示すことができ
る。
【数1】 図2にウェハ載置用電極8の電位Vcとプラズマ電位Vpの
時間変化波形を示す。ウェハ載置用電極8の電位Vcの高
周波波形は、整合器10に内蔵されているブロッキング
コンデンサのために、直流電圧Vdcだけ0Vよりシフトし
ている。また接地された電極14の電位は、常に0Vであ
る。カソードシース間に印加される電圧は、Vp-Vcであ
り、アノードシース間に印加される電圧は、Vpである。
図3に、図2のt1,t2の時刻に対応したウェハ載置電極
8と接地された電極14間の電位分布を示す。カソード
シース間電圧Ve=Vp-Vcとアノードシース間電圧Vg=Vpの
比は、奥田孝美、核融合研究、第57巻、1987、p16-23を
参考にすると、図4、図5に示す等価回路モデルを用い
て以下のように説明できる。まずウェハ載置用電極8に
印加する電圧が低周波数の場合、図4に示すようにシー
スは抵抗として近似できる。カソードシースにおける抵
抗をre、カソードシースの厚さをde、ウェハ載置用電極
8の面積をAeとし、同様にアノードシースにおける抵抗
をrg、カソードシースの厚さをdg、アース電極14の面
積をAgとすると、カソードシース間電圧Veとアノードシ
ース間電圧Vgの比は、以下のように示すことができる
(アース電極14以外にもプラズマが、処理室1の導電
部に接する場合は、この部分も実効的にアースとなり得
る)。
時間変化波形を示す。ウェハ載置用電極8の電位Vcの高
周波波形は、整合器10に内蔵されているブロッキング
コンデンサのために、直流電圧Vdcだけ0Vよりシフトし
ている。また接地された電極14の電位は、常に0Vであ
る。カソードシース間に印加される電圧は、Vp-Vcであ
り、アノードシース間に印加される電圧は、Vpである。
図3に、図2のt1,t2の時刻に対応したウェハ載置電極
8と接地された電極14間の電位分布を示す。カソード
シース間電圧Ve=Vp-Vcとアノードシース間電圧Vg=Vpの
比は、奥田孝美、核融合研究、第57巻、1987、p16-23を
参考にすると、図4、図5に示す等価回路モデルを用い
て以下のように説明できる。まずウェハ載置用電極8に
印加する電圧が低周波数の場合、図4に示すようにシー
スは抵抗として近似できる。カソードシースにおける抵
抗をre、カソードシースの厚さをde、ウェハ載置用電極
8の面積をAeとし、同様にアノードシースにおける抵抗
をrg、カソードシースの厚さをdg、アース電極14の面
積をAgとすると、カソードシース間電圧Veとアノードシ
ース間電圧Vgの比は、以下のように示すことができる
(アース電極14以外にもプラズマが、処理室1の導電
部に接する場合は、この部分も実効的にアースとなり得
る)。
【数2】 一方、ウェハ載置用電極8に印加する電圧が高周波数の
場合、図5に示すようにシースはダイオードとコンデン
サの並列回路として近似できる。カソードシースにおけ
るコンデンサ容量をCeとすると、概略以下の関係があ
る。
場合、図5に示すようにシースはダイオードとコンデン
サの並列回路として近似できる。カソードシースにおけ
るコンデンサ容量をCeとすると、概略以下の関係があ
る。
【数3】 アノードシースにおけるコンデンサ容量をCgとした場合
も同様の関係がある。また空間電荷制限電流の式から次
式が導出される。
も同様の関係がある。また空間電荷制限電流の式から次
式が導出される。
【数4】 したがって、カソードシース間電圧Veとアノードシース
間電圧Vgの比は、以下のように示すことができる。
間電圧Vgの比は、以下のように示すことができる。
【数5】 (2)式、(5)式より明らかなように、ウェハ載置用電極8
に印加する電圧が低周波数、高周波数のどちらの場合
も、ウェハ載置用電極8とアース電極14の面積比が大
きくなると、カソードシース間電圧とアノードシース間
電圧の比が小さくなる。つまり、ウェハが8インチから
12インチへと大口径化されると、ウェハ載置用電極8
とアース電極14の面積比が大きくなり、ウェハ載置用
電極8に効率良く高周波電圧が印加されず、エッチング
の微細加工性に問題が生じる。また逆にアース電極14
に効率良く高周波電圧が印加されるため、アース電極1
4がエッチングされ、金属汚染等の問題も生じる。
に印加する電圧が低周波数、高周波数のどちらの場合
も、ウェハ載置用電極8とアース電極14の面積比が大
きくなると、カソードシース間電圧とアノードシース間
電圧の比が小さくなる。つまり、ウェハが8インチから
12インチへと大口径化されると、ウェハ載置用電極8
とアース電極14の面積比が大きくなり、ウェハ載置用
電極8に効率良く高周波電圧が印加されず、エッチング
の微細加工性に問題が生じる。また逆にアース電極14
に効率良く高周波電圧が印加されるため、アース電極1
4がエッチングされ、金属汚染等の問題も生じる。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エッ
チングの微細加工および金属汚染の防止に好適なプラズ
マ処理装置に提供することにある。
チングの微細加工および金属汚染の防止に好適なプラズ
マ処理装置に提供することにある。
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、従来接地されていた電極14に直流電源を接続し、
プラズマ電位Vpに近い正電圧を印加するようにしたもの
である。電極14の電位をプラズマ電位Vpに近くするこ
とにより、アノードシース間電圧Vgが小さくなるため、
アノードシースの厚さdgが小さくなる。したがって(2)
式および(5)式より、ウェハ載置用電極8に印加する電
圧が低周波数、高周波数のどちらの場合も、カソードシ
ース間電圧Veとアノードシース間電圧Vgの比が大きくな
る。このため、たとえウェハ載置用電極8とアース電極
14の面積比が大きくても、ウェハ載置用電極8に効率
良く高周波電圧を印加することが可能となり、良好なエ
ッチングの微細加工が可能となる。またアース電極14
にはほとんど高周波電圧が印加されないため、アース電
極14がエッチングされることによる金属汚染等の問題
も防止できる。
に、従来接地されていた電極14に直流電源を接続し、
プラズマ電位Vpに近い正電圧を印加するようにしたもの
である。電極14の電位をプラズマ電位Vpに近くするこ
とにより、アノードシース間電圧Vgが小さくなるため、
アノードシースの厚さdgが小さくなる。したがって(2)
式および(5)式より、ウェハ載置用電極8に印加する電
圧が低周波数、高周波数のどちらの場合も、カソードシ
ース間電圧Veとアノードシース間電圧Vgの比が大きくな
る。このため、たとえウェハ載置用電極8とアース電極
14の面積比が大きくても、ウェハ載置用電極8に効率
良く高周波電圧を印加することが可能となり、良好なエ
ッチングの微細加工が可能となる。またアース電極14
にはほとんど高周波電圧が印加されないため、アース電
極14がエッチングされることによる金属汚染等の問題
も防止できる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図6、
図7および図8により説明する。図6は、本発明のプラ
ズマ処理装置の一実施例である空洞共振方式の有磁場マ
イクロ波ドライエッチング装置を示す。容器1a、放電
管1b及び石英窓2で区画された処理室1の内部を真空
排気装置(図示省略)により減圧した後、ガス供給装置
(図示省略)によりエッチングガスを処理室1内に導入
し、所望の圧力に調整する。また、処理室1は、コイル
3とヨーク4により生成される磁場領域内にある。マグ
ネトロン5から発振された、この場合2.45GHzのマイク
ロ波は、アイソレータ、パワーモニタ(図示省略)を経
由して導波管6a,6b内を伝播し、空洞共振器7内に導
入される。マイクロ波は空洞共振器7内で特定のモード
を形成した後、石英窓2を透過して処理室1内に入射さ
れる。このマイクロ波によって生成されたプラズマよ
り、ウェハ載置用電極8に配置されたウエハ9がエッチ
ング処理される。またウエハ9のエッチング形状を制御
するため、ウェハ載置用電極8には整合器10を介して
高周波電源11が接続され、高周波電圧を印加すること
が可能になっている。また処理室1内部には、汚染防止
のため石英カバー12が設けられ、直流電源13により
正電圧が印加されたリング状の電極14が、処理室1と
の間に絶縁材を介して設けられている。図7に、電極1
4にプラズマ電位Vpに近い正電圧を印加した本実施例の
場合における、ウェハ載置用電極8の電位Vcとプラズマ
電位Vpの時間変化波形を示す。図8に、図7のt1,t2の
時刻に対応したウェハ載置電極8と接地された電極14
間の電位分布を示す。前述したように、電極14の電位
をプラズマ電位Vpに近い正電圧を印加することにより、
アノードシース間電圧Vgが小さくなるため、アノードシ
ースの厚さdgが小さくなる。したがって(2)式および(5)
式より、ウェハ載置用電極8に印加する電圧が低周波
数、高周波数のどちらの場合も、カソードシース間電圧
Veとアノードシース間電圧Vgの比が大きくなる。この結
果、ウェハ載置用電極8に印加される高周波電圧のDCシ
フト量Vdcが大きくなる。このため本実施例によれば、
たとえウェハ載置用電極8とアース電極14の面積比が
大きくても、ウェハ載置用電極8に効率良く高周波電圧
を印加することが可能となり、良好なエッチングの微細
加工が可能となる効果がある。またアース電極14には
ほとんど高周波電圧が印加されないため、アース電極1
4がエッチングされることによる金属汚染等の問題も防
止できるという効果もある。プラズマ電位Vpは時間的に
変動している。図9は、電極14に時間的に変動するプ
ラズマ電位Vpの平均電圧に近い正電圧を印加した場合に
おける、ウェハ載置用電極8の電位Vcとプラズマ電位Vp
の時間変化波形を示す。図10に、図9のt1,t2の時刻
に対応したウェハ載置電極8と接地された電極14間の
電位分布を示す。この場合はアノードシースとして、イ
オンシースばかりでなく電子シースがt1の時刻に形成さ
れているが、図7、図8の場合よりアノードシースの平
均的厚さを薄くできるので、更にウェハ載置用電極8に
印加される高周波電圧のDCシフト量Vdcが大きくなり、
良好なエッチングの微細加工が可能となる効果および金
属汚染等の問題が防止できるという効果がある。図11
に本発明の第2の実施例である空洞共振方式の有磁場マ
イクロ波ドライエッチング装置を示す。本実施例では、
電極14に直流電圧と高周波電圧が印加されている。こ
のため電極14には、整合器15を介して高周波電源1
6が接続されている。本実施例によれば、電極14には
高周波電圧が重畳されたプラズマ電位Vpに近い直流正電
圧が印加されているので、電極14に絶縁性のプラズマ
重合膜が堆積しても、高周波電圧により形成されるシー
スにより除去できるので、第1の実施例の効果が安定し
て得られるという効果がある。ウェハ載置電極8に印加
する高周波電源11の周波数と電極14に印加する高周
波電源16の周波数とは異なっている方が望ましい。し
かし同一周波数の電源を使用する場合には、位相シフタ
17を使用することもできる。また図12に示す本発明
の第3の実施例である空洞共振方式の有磁場マイクロ波
ドライエッチング装置のようにウェハ載置電極8に印加
する高周波電力をパワースプリットし、電極14に供給
することもできる。さらに図13に示す本発明の第4の
実施例である、空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライ
エッチング装置のように、電極14を可変インダクタ1
8を介して直流電源13に接続することにより、ウェハ
載置用電極11に印加される高周波電圧を利用し、電極
14に高周波電圧が重畳されたプラズマ電位Vpに近い直
流正電圧を印加することができる。これらの第3、第4
実施例によれば、第2の実施例の効果に加えて、高周波
電源が1台ですむのでコスト低減に効果がある。図14
に本発明の第5の実施例である空洞共振方式の有磁場マ
イクロ波ドライエッチング装置を示す。本実施例では、
電極14を接地し、ウェハ載置用電極8の外周部に絶縁
材を介して、プラズマ電位Vpに近い正電圧を印加可能な
平板電極19を設けている。本実施例によれば、電極1
4によりプラズマ電位を明確に定め、電極19によりア
ノードシースに印加される電圧を小さくし、結果的にウ
ェハ載置用電極8に効果的に印加されるため、良好なエ
ッチングの微細加工が可能となる効果および金属汚染等
の問題が防止できるという効果がある。本実施例の場合
は、リング状電極14を接地し、平板電極19に正電圧
を印加したが、逆に平板電極19を接地し、リング状電
極14に正電圧を印加しても良い。またこれら2つの電
極形状についても制限はない。以上の実施例では有磁場
マイクロ波放電を利用したドライエッチング装置を例に
説明したが、他の放電(容量結合型放電、誘導結合型放
電、マグネトロン放電、表面波励起放電、トランスファ
ー・カップルド放電)を利用したドライエッチング装置
においても同様の作用効果がある。この中で図15に、
本発明のプラズマ処理装置の第6の実施例である誘導結
合放電プラズマ式ドライエッチング装置の縦断面図を示
す。また図16に本発明のプラズマ処理装置の第7の実
施例である450MHzのVHF帯の周波数の高周波電源を使
用したVHF放電プラズマ式ドライエッチング装置の縦断
面図を示す。また上記各実施例では、ドライエッチング
装置について述べたが、ウェハ9に高周波電圧を印加す
ることによりプラズマ処理を行うその他のプラズマ処理
装置、例えばプラズマCVD装置、アッシング装置、表面
改質装置等についても同様の作用効果がある。
図7および図8により説明する。図6は、本発明のプラ
ズマ処理装置の一実施例である空洞共振方式の有磁場マ
イクロ波ドライエッチング装置を示す。容器1a、放電
管1b及び石英窓2で区画された処理室1の内部を真空
排気装置(図示省略)により減圧した後、ガス供給装置
(図示省略)によりエッチングガスを処理室1内に導入
し、所望の圧力に調整する。また、処理室1は、コイル
3とヨーク4により生成される磁場領域内にある。マグ
ネトロン5から発振された、この場合2.45GHzのマイク
ロ波は、アイソレータ、パワーモニタ(図示省略)を経
由して導波管6a,6b内を伝播し、空洞共振器7内に導
入される。マイクロ波は空洞共振器7内で特定のモード
を形成した後、石英窓2を透過して処理室1内に入射さ
れる。このマイクロ波によって生成されたプラズマよ
り、ウェハ載置用電極8に配置されたウエハ9がエッチ
ング処理される。またウエハ9のエッチング形状を制御
するため、ウェハ載置用電極8には整合器10を介して
高周波電源11が接続され、高周波電圧を印加すること
が可能になっている。また処理室1内部には、汚染防止
のため石英カバー12が設けられ、直流電源13により
正電圧が印加されたリング状の電極14が、処理室1と
の間に絶縁材を介して設けられている。図7に、電極1
4にプラズマ電位Vpに近い正電圧を印加した本実施例の
場合における、ウェハ載置用電極8の電位Vcとプラズマ
電位Vpの時間変化波形を示す。図8に、図7のt1,t2の
時刻に対応したウェハ載置電極8と接地された電極14
間の電位分布を示す。前述したように、電極14の電位
をプラズマ電位Vpに近い正電圧を印加することにより、
アノードシース間電圧Vgが小さくなるため、アノードシ
ースの厚さdgが小さくなる。したがって(2)式および(5)
式より、ウェハ載置用電極8に印加する電圧が低周波
数、高周波数のどちらの場合も、カソードシース間電圧
Veとアノードシース間電圧Vgの比が大きくなる。この結
果、ウェハ載置用電極8に印加される高周波電圧のDCシ
フト量Vdcが大きくなる。このため本実施例によれば、
たとえウェハ載置用電極8とアース電極14の面積比が
大きくても、ウェハ載置用電極8に効率良く高周波電圧
を印加することが可能となり、良好なエッチングの微細
加工が可能となる効果がある。またアース電極14には
ほとんど高周波電圧が印加されないため、アース電極1
4がエッチングされることによる金属汚染等の問題も防
止できるという効果もある。プラズマ電位Vpは時間的に
変動している。図9は、電極14に時間的に変動するプ
ラズマ電位Vpの平均電圧に近い正電圧を印加した場合に
おける、ウェハ載置用電極8の電位Vcとプラズマ電位Vp
の時間変化波形を示す。図10に、図9のt1,t2の時刻
に対応したウェハ載置電極8と接地された電極14間の
電位分布を示す。この場合はアノードシースとして、イ
オンシースばかりでなく電子シースがt1の時刻に形成さ
れているが、図7、図8の場合よりアノードシースの平
均的厚さを薄くできるので、更にウェハ載置用電極8に
印加される高周波電圧のDCシフト量Vdcが大きくなり、
良好なエッチングの微細加工が可能となる効果および金
属汚染等の問題が防止できるという効果がある。図11
に本発明の第2の実施例である空洞共振方式の有磁場マ
イクロ波ドライエッチング装置を示す。本実施例では、
電極14に直流電圧と高周波電圧が印加されている。こ
のため電極14には、整合器15を介して高周波電源1
6が接続されている。本実施例によれば、電極14には
高周波電圧が重畳されたプラズマ電位Vpに近い直流正電
圧が印加されているので、電極14に絶縁性のプラズマ
重合膜が堆積しても、高周波電圧により形成されるシー
スにより除去できるので、第1の実施例の効果が安定し
て得られるという効果がある。ウェハ載置電極8に印加
する高周波電源11の周波数と電極14に印加する高周
波電源16の周波数とは異なっている方が望ましい。し
かし同一周波数の電源を使用する場合には、位相シフタ
17を使用することもできる。また図12に示す本発明
の第3の実施例である空洞共振方式の有磁場マイクロ波
ドライエッチング装置のようにウェハ載置電極8に印加
する高周波電力をパワースプリットし、電極14に供給
することもできる。さらに図13に示す本発明の第4の
実施例である、空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライ
エッチング装置のように、電極14を可変インダクタ1
8を介して直流電源13に接続することにより、ウェハ
載置用電極11に印加される高周波電圧を利用し、電極
14に高周波電圧が重畳されたプラズマ電位Vpに近い直
流正電圧を印加することができる。これらの第3、第4
実施例によれば、第2の実施例の効果に加えて、高周波
電源が1台ですむのでコスト低減に効果がある。図14
に本発明の第5の実施例である空洞共振方式の有磁場マ
イクロ波ドライエッチング装置を示す。本実施例では、
電極14を接地し、ウェハ載置用電極8の外周部に絶縁
材を介して、プラズマ電位Vpに近い正電圧を印加可能な
平板電極19を設けている。本実施例によれば、電極1
4によりプラズマ電位を明確に定め、電極19によりア
ノードシースに印加される電圧を小さくし、結果的にウ
ェハ載置用電極8に効果的に印加されるため、良好なエ
ッチングの微細加工が可能となる効果および金属汚染等
の問題が防止できるという効果がある。本実施例の場合
は、リング状電極14を接地し、平板電極19に正電圧
を印加したが、逆に平板電極19を接地し、リング状電
極14に正電圧を印加しても良い。またこれら2つの電
極形状についても制限はない。以上の実施例では有磁場
マイクロ波放電を利用したドライエッチング装置を例に
説明したが、他の放電(容量結合型放電、誘導結合型放
電、マグネトロン放電、表面波励起放電、トランスファ
ー・カップルド放電)を利用したドライエッチング装置
においても同様の作用効果がある。この中で図15に、
本発明のプラズマ処理装置の第6の実施例である誘導結
合放電プラズマ式ドライエッチング装置の縦断面図を示
す。また図16に本発明のプラズマ処理装置の第7の実
施例である450MHzのVHF帯の周波数の高周波電源を使
用したVHF放電プラズマ式ドライエッチング装置の縦断
面図を示す。また上記各実施例では、ドライエッチング
装置について述べたが、ウェハ9に高周波電圧を印加す
ることによりプラズマ処理を行うその他のプラズマ処理
装置、例えばプラズマCVD装置、アッシング装置、表面
改質装置等についても同様の作用効果がある。
【発明の効果】本発明によれば、ウェハに入射するイオ
ン量を0.4〜4mA/cm2とすることにより、プラズマの生
成に影響を及ぼさない小出力の高周波電力で、エッチン
グの形状制御に好適な所望の高周波電圧をウェハに印加
することができるため、エッチングの微細加工性が向上
するという効果がある。
ン量を0.4〜4mA/cm2とすることにより、プラズマの生
成に影響を及ぼさない小出力の高周波電力で、エッチン
グの形状制御に好適な所望の高周波電圧をウェハに印加
することができるため、エッチングの微細加工性が向上
するという効果がある。
【図1】従来のエッチング用プラズマ処理装置を示す縦
断面図である。
断面図である。
【図2】ウェハ載置用電極8の電位Vcとプラズマ電位Vp
の時間変化波形を示す図である。
の時間変化波形を示す図である。
【図3】図2のt1,t2の時刻に対応したウェハ載置電極
8と接地された電極14間の電位分布を示す図である。
8と接地された電極14間の電位分布を示す図である。
【図4】ウェハ載置用電極8に印加する電圧が低周波数
の場合の等価回路モデルを示す図である。
の場合の等価回路モデルを示す図である。
【図5】ウェハ載置用電極8に印加する電圧が高周波数
の場合の等価回路モデルを示す図である。
の場合の等価回路モデルを示す図である。
【図6】本発明のプラズマ処理装置の第1の実施例であ
る空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライエッチング装
置を示す縦断面図である。
る空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライエッチング装
置を示す縦断面図である。
【図7】電極14にプラズマ電位Vpに近い正電圧を印加
した第1の実施例の場合における、ウェハ載置用電極8
の電位Vcとプラズマ電位Vpの時間変化波形を示す図であ
る。
した第1の実施例の場合における、ウェハ載置用電極8
の電位Vcとプラズマ電位Vpの時間変化波形を示す図であ
る。
【図8】図7のt1,t2の時刻に対応したウェハ載置電極
8と接地された電極14間の電位分布を示す図である。
8と接地された電極14間の電位分布を示す図である。
【図9】電極14に時間的に変動するプラズマ電位Vpの
平均電圧に近い正電圧を印加した場合における、ウェハ
載置用電極8の電位Vcとプラズマ電位Vpの時間変化波形
を示す図である。
平均電圧に近い正電圧を印加した場合における、ウェハ
載置用電極8の電位Vcとプラズマ電位Vpの時間変化波形
を示す図である。
【図10】図9のt1,t2の時刻に対応したウェハ載置電
極8と接地された電極14間の電位分布を示す図であ
る。
極8と接地された電極14間の電位分布を示す図であ
る。
【図11】本発明のプラズマ処理装置の第2の実施例で
ある空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライエッチング
装置を示す縦断面図である。
ある空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライエッチング
装置を示す縦断面図である。
【図12】本発明のプラズマ処理装置の第3の実施例で
ある空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライエッチング
装置を示す縦断面図である。
ある空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライエッチング
装置を示す縦断面図である。
【図13】本発明のプラズマ処理装置の第4の実施例で
ある空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライエッチング
装置を示す縦断面図である。
ある空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライエッチング
装置を示す縦断面図である。
【図14】本発明のプラズマ処理装置の第5の実施例で
ある空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライエッチング
装置を示す縦断面図である。
ある空洞共振方式の有磁場マイクロ波ドライエッチング
装置を示す縦断面図である。
【図15】本発明のプラズマ処理装置の第6の実施例で
ある誘導結合放電プラズマ式ドライエッチング装置を示
す縦断面図である。
ある誘導結合放電プラズマ式ドライエッチング装置を示
す縦断面図である。
【図16】本発明のプラズマ処理装置の第7の実施例で
あるVHF放電プラズマ式ドライエッチング装置を示す縦
断面図である。
あるVHF放電プラズマ式ドライエッチング装置を示す縦
断面図である。
1…処理室、1a…容器、1b…放電管、2…石英窓、3
…コイル、4…ヨーク、5…マグネトロン、6a…矩形
導波管、6b…円形導波管、7…空洞共振器、8…ウェ
ハ載置用電極、9…ウェハ、10…整合器、11…高周
波電源、12…石英カバー、13…直流電源、14…電
極、15…整合器、16…高周波電源、17…位相シフ
タ、18…可変インダクタ、19…電極、20…誘導コ
イル、21…石英(アルミナセラミックス)ベルジャ、
22…整合器、23…高周波電源、24…アンテナ、2
5…整合器、26…高周波電源。
…コイル、4…ヨーク、5…マグネトロン、6a…矩形
導波管、6b…円形導波管、7…空洞共振器、8…ウェ
ハ載置用電極、9…ウェハ、10…整合器、11…高周
波電源、12…石英カバー、13…直流電源、14…電
極、15…整合器、16…高周波電源、17…位相シフ
タ、18…可変インダクタ、19…電極、20…誘導コ
イル、21…石英(アルミナセラミックス)ベルジャ、
22…整合器、23…高周波電源、24…アンテナ、2
5…整合器、26…高周波電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 仁 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 4K057 DA11 DB06 DD01 DG15 DM03 DM20 DM29 DN01 5F004 AA01 AA05 BA04 BA09 BB14 BD03 CA03 DB01 DB02 EB02 5F045 DQ10 EH03 EH13 EH17 HA03
Claims (4)
- 【請求項1】 処理室内部にプラズマを発生させるプラ
ズマ発生手段と、被処理材に高周波電圧を印加する手段
と、真空排気装置が接続され内部を減圧可能な処理室
と、前記処理室内へのガス供給装置とから成るプラズマ
処理装置において、正電圧を印加した電極を有すること
を特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項2】 処理室内部にプラズマを発生させるプラ
ズマ発生手段と、被処理材に高周波電圧を印加する手段
と、真空排気装置が接続され内部を減圧可能な処理室
と、前記処理室内へのガス供給装置とから成るプラズマ
処理装置において、正電圧に高周波電圧を重畳した電圧
を印加した電極を有することを特徴とするプラズマ処理
装置。 - 【請求項3】 処理室内部にプラズマを発生させるプラ
ズマ発生手段と、被処理材に高周波電圧を印加する手段
と、真空排気装置が接続され内部を減圧可能な処理室
と、前記処理室内へのガス供給装置とから成るプラズマ
処理装置において、プラズマ電位と同電位の電圧を印加
した電極を有することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項4】 処理室内部にプラズマを発生させるプラ
ズマ発生手段と、被処理材に高周波電圧を印加する手段
と、真空排気装置が接続され内部を減圧可能な処理室
と、前記処理室内へのガス供給装置とから成るプラズマ
処理装置において、プラズマ電位と同電位の直流電圧に
高周波電圧を重畳した電圧を印加した電極を有すること
を特徴とするプラズマ処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11064751A JP2000260595A (ja) | 1999-03-11 | 1999-03-11 | プラズマ処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11064751A JP2000260595A (ja) | 1999-03-11 | 1999-03-11 | プラズマ処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000260595A true JP2000260595A (ja) | 2000-09-22 |
Family
ID=13267198
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11064751A Pending JP2000260595A (ja) | 1999-03-11 | 1999-03-11 | プラズマ処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000260595A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007335875A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Applied Materials Inc | プラズマ特性を求める方法 |
US9659756B2 (en) | 2008-12-09 | 2017-05-23 | Tokyo Electron Limited | Plasma etching apparatus and plasma cleaning method |
-
1999
- 1999-03-11 JP JP11064751A patent/JP2000260595A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007335875A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Applied Materials Inc | プラズマ特性を求める方法 |
US9659756B2 (en) | 2008-12-09 | 2017-05-23 | Tokyo Electron Limited | Plasma etching apparatus and plasma cleaning method |
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