JP4640939B2 - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法であり、特に半導体素子基板等の試料を、プラズマを用いかつ試料に高周波電圧を印加して、エッチング処理を施すのに好適なプラズマ処理装置に関するものである。
従来のエッチング処理装置は、高周波電源と整合器を用い、被処理材であるウエハを載置する電極には正弦波形の高周波電圧が印加されていた(例えば、特許文献1参照)。従来のプラズマ処理装置を図1に示す。従来のプラズマ処理装置は、真空容器101と、シャワープレート102と、誘電体窓103と、処理室104と、ガス供給装置105と、真空排気口106と、円筒壁107と、天板108と、円筒空洞部109と、円矩形変換導波管110と、矩形導波管111と、電磁波発生用電源(マグネトロン)112と、磁場発生コイル113と、被処理材(ウエハ)114と、ウエハ載置用電極115と、コンデンサー116と、整合器117と、高周波電源118と、直流電源119とを有している。非処理材(ウエハ)114のエッチング形状を制御するため、ウエハ載置用電極115には整合器117を介して高周波電源118が接続され、被処理材(ウエハ)114に高周波電圧を印加することが可能となっている。従来のプラズマ処理装置では、高周波電源118として正弦波電圧波形が出力される電源が使用されてきた。
図2に、ウエハ載置用電極115に接続される整合器117と高周波電源118の回路構成の一例を示す。
従来の高周波電源118を用いる場合、整合器117を構成する可変インダクタンス201(または、可変コンデンサー)によってプラズマの負荷インピーダンスを高周波電源118の内部インピーダンスと一致させ、さらに電流と電圧の位相差を0とする必要があった。つまり、電源出力から見た場合の負荷の複素インピーダンスを、整合器117を用いて消去する必要があり、インピーダンスと位相差を常にモニターし、整合器117内部の可変インダクタンス201(または可変コンデンサー)のフィードバック制御を行わなければならなかった。一般に、このようなフィードバック制御は構造が複雑となる。
また、プラズマ処理を行う場合、被処理材(ウエハ)114に従来の高周波電源118を用いて正弦波電圧波形を印加した場合、被処理材(ウエハ)114に発生する正弦波電圧波形において、負電圧のときにプラズマから被処理材(ウエハ)114へ高エネルギーのイオンが入射し、正電圧のときに低エネルギーのイオンが入射する。一般に高エネルギーのイオンはエッチングに寄与するが、低エネルギーのイオンはエッチングにほとんど寄与しない。よって、正弦波形の負電圧の時間が長いほどエッチング速度は増加するが、正弦波の高周波電圧の波形を出力する従来の高周波電源118の場合、正電圧の時間と負電圧の時間の比(以下デューティ比と呼ぶ)を変化させることはできず、エッチング効率が良くないという問題があった。特に、最大の負電圧の時間が長いほど、ウエハに入射する高エネルギーのイオンの比率は増加するが、通常の正弦波の高周波電圧波形を印加した場合には、ウエハに入射するイオンエネルギー分布の高エネルギーイオンと低エネルギーイオンの比率は、ほぼ1:1で変化させることができなかった。また、従来の高周波電源118では正弦波を出力するため、デューティー比を変化させることができなかった。
特開平5−174995号公報
本発明の目的は、高速で高精度のエッチング処理に好適なプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、高周波パルス電源(矩形波電源)と波形切替器とフィルター回路を用い、被処理材(ウエハ)に高周波電圧波形が発生する高周波印加手段を有するようにしたものである。すなわち。本発明は、高周波パルス電圧波形(矩形波電圧波形)が出力できる高周波パルス電源を波形切替器とフィルター回路とを介して被処理材(ウエハ)を載置する電極に接続して、高周波パルス電圧または高周波正弦波電圧を印加する。
すなわち、本発明は、真空排気装置が接続され内部を減圧可能な処理室と、該処理室内へのガス供給装置と、処理室内部にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、被処理材に高周波電圧を印加する手段とから成るプラズマ処理装置において、前記高周波電圧を印加する手段が、パルス波形の電圧を出力する手段と、パルス波形の電圧を正弦波波形の電圧に変換して出力する手段と、パルス波形または正弦波波形の高周波電圧のいずれかを選択して被処理材に印加する手段を備えた高周波電圧印加手段であることを特徴とする。
また、本発明は、上記プラズマ処理装置において、上記高周波電圧印加手段が、パルス波形または矩形波波形の高周波電圧を出力する高周波パルス電源と、フィルター回路と、波形切替器とを有することを特徴とし、上記高周波パルス電源が、デューティー比可変のパルス波形の高周波電圧を出力する高周波パルス電源であることを特徴とし、上記高周波パルス電源が、概略パルス波形(概略矩形波形)の高周波電圧を出力する高周波パルス電源であることを特徴とする。
さらに、本発明は、上記プラズマ処理装置において、上記フィルター回路が、高周波パルス電源の高周波電圧出力に含まれる周波数成分から被処理材に印加する所望の正弦波の周波数に変換するためローパスフィルター、バンドパスフィルター、あるいはハイパスフィルターを有することを特徴とし、記フィルター回路が、高周波パルス電源の高周波電圧出力を変換するトランスを含むフィルター回路であることを特徴とする。加えて、本発明は、上記波形切替器が、リレースイッチにて構成されることを特徴とする。
本発明は、処理室内部を減圧し、該処理室内部にプラズマを発生させ、被処理材に高周波電圧を印加して該被処理材にプラズマ処理を行う方法において、デューティー比可変のパルス波形の高周波電、またはパルス波形の高周波電圧を正弦波波形に変換した高周波電圧を、被処理材に選択的に印加することを特徴とし、上記パルス波形の高周波電圧と正弦波波形の高周波電圧を、被処理材の処理条件に応じて選択することを特徴とする。
本発明は、処理室内部を減圧し、該処理室内部にプラズマを発生させ、被処理材に高周波電圧を印加して、あらかじめ決められた順序に従い、該被処理材にプラズマ処理を進の各段階(たとえばステップ)を逐次、進めていくプラズマ処理方法(たとえばステップエッチ)において、デューティー比可変のパルス波形の高周波電圧、またはパルス波形の高周波電圧を正弦波波形に変換した高周波電圧を、被処理材に選択的に印加することを特徴とし、上記パルス波形の高周波電圧と正弦波波形の高周波電圧を、被処理材の処理条件に応じて選択することを特徴とする。
上記構成をとることによって、本発明は、被処理材(ウエハ)には正弦波電圧波形または矩形波電圧波形を選択的に印加することが可能となる。さらに、本発明は、高周波パルス電源は、低インピーダンスで出力が可能であり負荷インピーダンスによらず出力できるため、整合器が不要になり構成を簡便にすることができる。
また、本発明は、波形切替器により、高周波パルス電源からデューティー比を可変としたパルス電圧波形を被処理材(ウエハ)に印加することができ、したがって、高周波パルス電源のデューティー比を変化させることにより、ウエハに入射する高エネルギーのイオン量を変化させることができる。これにより、本発明は、高速で高精度のエッチング処理を行うことが可能である。
また、本発明は、波形切替器によって、パルス電圧波形と正弦波電圧波形とを選択して被処理材(ウエハ)に印加することができ、パルス電圧波形の印加による高速で高精度のエッチング処理だけでなく、正弦波電圧波形の印加による従来の正弦波電圧波形を印加した場合と同様のエッチング性能を得ることもできる。したがって、本発明は、所望のエッチング形状を得るとき、あらかじめ決められた順序に従い、エッチング処理の各段階(以下ステップと呼ぶ)を逐次、進めていくエッチング処理(以下ステップエッチと呼ぶ)において、各ステップにおいて被処理材(ウエハ)に印加する電圧波形を、正弦波電圧波形と矩形波電圧波形とから、最適な波形を選択することが可能となる。
本以上のように、発明によれば、パルス電圧波形をフィルター回路出力部で正弦波電圧波形とし、被処理材(ウエハ)114に正弦波電圧波形を発生させることにより、装置が小型化かつ簡便となり、また、波形切替器によりデューティー可変の矩形波電圧波形を印加できることから、高効率で高精度のエッチング加工が可能となり、材料選択比が向上するという効果を得ることができる。
本発明を実施するための最良の形態を説明する。以下、本発明のプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法の一実施例を図3〜図13を用いて説明する。図3は、本発明のプラズマ処理装置の一実施例であるマイクロ波ECRエッチング装置を示す。マイクロ波ECRエッチング装置は、上部が開放された真空容器101の上部に、真空容器101内にエッチングガスを導入するためのシャワープレート102(例えば石英製)、誘電体窓103(例えば石英製)を設置し、密封することにより処理室104を形成する。シャワープレート102は、エッチングガスを流すための多孔構造となっておりガス供給装置105に接続されている。また、真空容器101には真空排気口106を介し真空排気装置(図示省略)が接続されている。真空排気装置により処理室104内を減圧した後、エッチングガスを処理室104内に導入し、所望の圧力に調整する。
誘電体窓103上部には、処理室104と略同径に構成された円筒壁107が処理室104と電気的に接続されて設けられ、円筒壁107の上部開口部には中央に円形の開口部を有する天板108が円筒壁107と電気的に接続されて設けられ、誘電体窓103と円筒壁107と天板108とで囲まれた円筒空洞部109が設けられている。円筒空洞部109は、円矩形変換導波管110を介して矩形導波管111、電磁波発生用電源112(例えばマグネトロン)と接続されている。電磁波発生用電源112から発振された電磁波(例えば、マイクロ波)は、矩形導波管内111を伝播した後、円矩形変換導波管110を介して円筒空洞部109に導入される。処理室104の外周部には、処理室104内に磁場を形成する磁場発生コイル113が設けてある。電磁波発生用電源112より発振された、例えば、マイクロ波帯の周波数2.45GHzのマイクロ波電力は、矩形導波管111を経由し、円矩形変換導波管110、円筒空洞部109、誘電体窓103、シャワープレート102を介して処理室104内に導入され、磁場発生コイル113(例えばソレノイドコイル)により形成された磁場との相互作用により、処理室104内に高密度プラズマを生成する。特に、磁場発生用コイル113によって電子サイクロトロン共鳴を起こす磁場強度(例えば、0.0875T)を処理室104内に形成した場合、効率良く高密度プラズマを生成することができる。この電磁波(例えばマイクロ波)によって生成されたプラズマより、ウエハ載置用電極115に載置された被処理材(ウエハ)114がエッチング処理される。
また、被処理材(ウエハ)114のエッチング形状を制御するため、ウエハ載置用電極115には、コンデンサー116を介して波形切替器301、フィルター回路302、高周波パルス電源(矩形波電源)303が接続され、正弦波電圧波形または矩形波電圧波形を印加することが可能となっている。波形切替器301とウエハ載置用電極115の間には、直流電流をブロッキングするコンデンサー116が挿入してある。ウエハ載置用電極115は電極表面が溶射膜(図示省略)で被覆されており、直流電源119が載置されている。これにより被処理材(ウエハ)114は、溶射膜を介してウエハ載置用電極に静電吸着により固定される。
図4に、ウエハ載置用電極115にコンデンサー116を介して接続される波形切替器301、フィルター回路302、高周波パルス電源303の回路構成の一例を示す。高周波パルス電源303から出力されたパルス電圧波形は、波形切替器301に導入される。切替スイッチ(例えばリレースイッチ2)402を選択すると、パルス電圧波形はコンデンサーおよびインダクタンスにより構成されるフィルター回路302に印加される。フィルター回路302がローパスフィルター、バンドパスフィルター、あるいはハイパスフィルターを構成することで、フィルター回路302の出力電圧波形を正弦波電圧波形とすることができ、ウエハ載置用電極115に正弦波電圧波形を印加できる。
フィルター回路302から出力された正弦波電圧波形は、直流電圧をブロッキングするコンデンサー116を介して、ウエハ載置用電極115に印加される。静電吸着用の直流電源119は、高周波フィルター(図示省略)を介してウエハ載置用電極115に接続されている。高周波フィルターは、直流電源119への高周波電圧の流入を防止している。
図5に高周波パルス電源303から出力されるパルス電圧波形501を、図6に被処理材(ウエハ)114での正弦波電圧波形601を示す。この場合、パルス電圧波形のデューティー比は50%であり、周波数は400kHzである。高周波パルス電源303は、ハーフブリッジインバータ方式、フルブリッジインバータ方式、またはフライバック方式のパルス電源を使用することで、プラズマのインピーダンスが変化してもパルス電圧波形を出力することができ、整合器を必要としない。コンデンサー403は、高周波パルス電源303が出力するパルス電圧波形のDC成分をカットするために用いる。高周波パルス電源303の出力するパルス電圧波形にDC成分が含まれないときには、コンデンサー403は省略することができる。また、フィルター回路302は、可変インダクタンスおよび可変容量コンデンサーを用いることができ、フィルター回路302は図示した構成に限らず、パルス電圧波形から所望の正弦波電圧波形を取り出すことができる構成であればよい。
また、例えば、図7のようにフィルター回路302内にトランス701を挿入し昇圧した後、インダクタンスおよびコンデンサーにより構成されるフィルター部に印加してもよい。また、静電吸着膜およびイオンシース等の容量成分をキャンセルするために、可変インダクタンス702を設けてもよい。この場合は、高周波パルス電源303の負担が軽減され信頼性がより向上するという効果がある。
図6の被処理材(ウエハ)における電圧波形601は、従来のエッチング装置での整合器117を介して高周波電源118を接続した場合と同様であり、高周波パルス電源303を用いても、従来の高周波電源118を用いた場合と同様の電圧波形を得ることができる。また、高周波パルス電源303を用いた場合、整合器を接続する必要がないため、装置を簡便にすることができる。特に、高周波パルス電源303を低インピーダンス出力とし、負荷インピーダンスによらず出力可能な高周波パルス電源とすることで、整合器が不要となり構成を簡便にすることができる。さらに、電源の動作原理の点から従来の高周波電源118と比較して、インバータ方式およびフライバック方式の高周波パルス電源303は、電源の回路構造を簡略化でき電源のコストを低減できる。よって、本実施例の場合、波形切替器301、フィルター回路302、高周波パルス電源303を用いることでプラズマ処理装置を簡便にできるという効果がある。
また、図4において波形切替器301内の切替スイッチ(例えばリレースイッチ1)401を選択すると、高周波パルス電源303から出力されたパルス電圧波形は、波形切替器301に導入され、フィルター回路302を介さずに、ウエハ載置用電極115へ印加される。つまり、波形切替器301によりデューティー比可変のパルス電圧波形を被処理材(ウエハ)114へ印加することが可能となる。図8にデューティー比50%とした高周波パルス電源303から出力されるパルス電圧波形801を、図9にそのときの被処理材(ウエハ)114でのパルス電圧波形901を示す。また、図10にデューティー比20%とした高周波パルス電源303から出力されるパルス電圧波形1001を、図11にそのときの被処理材(ウエハ)114でのパルス電圧波形1101を示す。
高周波パルス電源303の出力においてデューティー比を変化させることで、図9、図11に示すような負電圧の底部が概略フラットな波形を得ることができる。負電圧の時間が増加すると、プラズマから被処理材(ウエハ)114に入射する高エネルギーのイオンの量が増加する。イオンのエネルギーが増加するほど、エッチングの反応効率(化学スパッタ率)が増加するため、高エネルギー側のイオン量が増加するほどエッチレートが増加する。また、言い換えるとイオンエネルギー分布が単色化されるため、エッチング形状が垂直で高精度の加工ができる。例えば、ゲートエッチングにおける垂直、高精度加工である。さらに、被エッチング材料により、イオンエネルギーと化学スパッタ率との関係が異なるため、最適なイオンエネルギーを選択することにより、複数の被エッチング材のエッチング選択比を向上させることができる。例えば、低誘電率(Low−K)絶縁膜エッチングにおけるハードマスク選択比向上やゲートエッチングにおける下地の極薄酸化膜との選択比向上である。以上のように、デューティー比を変化させたパルス電圧波形を波形切替器301により被処理材(ウエハ)114に印加させることによって、高効率で高精度のエッチング加工が可能となり、材料選択比が向上するという効果がある。
図12に高周波パルス電源303から出力されるデューティー比80%としたパルス電圧波形1201を、図13にそのときの被処理材(ウエハ)114でのパルス電圧波形1301を示す。デューティー比が増加するほど、被処理材(ウエハ)114での高周波電圧の直流電圧成分の絶対値Vdcが増加する。つまり正電圧が減少する。
一般にプラズマ電位は正電圧となり、被処理材(ウエハ)114が正電圧のときのプラズマ電位は、被処理材(ウエハ)114の電位より約10〜20V程度高く、負電圧のときのプラズマ電位は約10〜20Vである。処理室104は接地されているので処理室104内面の実効的なアース部近傍にはイオンシースが形成され、イオンシースにはプラズマ電位に相当する高周波電圧が印加される。このイオンシースの電界により加速されたイオンが処理室内壁面をスパッタするために、被処理材(ウエハ)114が金属汚染され、最終的にはデバイスの電気特性が劣化するという問題を生じる。この他にも処理室内壁のアルミアルマイト製のアースを同様にスパッタするため、フッ素系ガスを含むエッチングガスを使用する場合には、AlFデポがシャワープレート102等に付着する。このAlFデポは、堆積量が増加すると遂には剥離し、被処理材(ウエハ)114上に落下して異物となるため、デバイスの歩留まりが低下する等の問題を引き起こす。また、一般に高周波電圧が印加される被処理材(ウエハ)114の面積と実効的アース面積の比(ウエハ面積/アース面積)が小さいほど、高周波電圧の印加効率の指標となるVdc/Vpp比(ここでVppは図9に示すように、高周波電圧のピーク・トゥ・ピーク電圧)は大きい。被処理材(ウエハ)114の直径がφ200mmからφ300mmと大口径化されることにより、ウエハ面積/アース面積の比が大きくなり、プラズマ電位が増加するため、金属汚染対策が重要となっている。本実施例の場合、デューティー比が増加するほどプラズマ電位を減少できるので、金属汚染の抑制や異物低減・歩留まり向上に効果がある。
また、本実施例の場合、波形切替器301の切替スイッチ401、402により、デューティー比可変のパルス電圧波形と正弦波電圧波形を選択的に被処理材(ウエハ)114に印加することができる。これにより、所望のエッチング形状を得るとき、あらかじめ決められた順序に従い、エッチング処理の各段階(以下ステップと呼ぶ)を逐次進めていくエッチング処理(以下ステップエッチングと呼ぶ)において、各ステップにおいて被処理材(ウエハ)114に印加する電圧波形を正弦波電圧波形と矩形波電圧波形とから選択することが可能となる。たとえば、エッチレートを増加させたいステップではデューティー比20%のパルス電圧波形を印加し、フッ素系ガスを含むエッチングガスを使用しAlFデポが増加するステップではデューティー比80%のパルス電圧波形を印加し、従来と同じエッチング性能を得たい場合は、正弦波電圧波形を印加するステップエッチングが可能となる。また、高密度プラズマにおいて被処理剤載置用電極115にパルス電圧波形を印加すると、被処理材(ウエハ)114上ではフラット電圧の絶対値が時間とともに減少する「サグ」が発生する。このためウエハ上でのサグを補正するため、フラット部の電圧の絶対値が時間とともに増加する波形を印加することが望ましい。しかし、簡便には、この高密度プラズマの条件のエッチングステップの場合のみ、従来どおり正弦波電圧波形を印加してもよい。
以上のように、波形切替器301により、ステップエッチにおいて各ステップに最適の電圧波形を被処理材(ウエハ)114に印加することができ、高精度のエッチング処理が可能となり、異物低減、装置稼働率向上、デバイスの歩留まりを向上できるという効果がある。
以上の実施例ではマイクロ波ECR放電を利用したエッチング装置を例に説明したが、他の放電(有磁場UHF放電、容量結合型放電、誘導結合型放電、マグネトロン放電、表面波励起放電、トランスファー・カップルド放電)を利用したドライエッチング装置においても同様の作用効果がある。また、上記各実施例では、エッチング装置について述べたが、プラズマ処理を行うその他のプラズマ処理装置、例えば、プラズマCVD装置、アッシング装置、表面改質装置等についても同様の作用効果がある。また、上記実施例では高周波パルス電源303を使用したが、スイッチング電源方式、任意電圧発生器+高周波パワーアンプ等、電源回路方式には特に制限はない。上記実施例では、理想的な場合としてパルス電圧波形を出力できる高周波パルス電源を用いて説明した。台形波や周波数特性のために多少の波形が乱れた類似の波形を用いてもほぼ同様の作用効果が得られるが、イオンエネルギー制御の観点からは、ウエハ上のサグを補正した時間とともに電圧フラット部の絶対値が増加する波形が望ましい。
従来のプラズマ処理装置におけるマイクロ波ECRエッチング装置の縦断面図。 従来のプラズマ処理装置におけるウエハ載置用電極115に接続される整合器117と高周波電源118の回路構成例の説明図。 本発明のプラズマ処理装置の一実施例であるマイクロ波ECRエッチング装置の縦断面図。 本実施例におけるウエハ載置用115に接続される波形切替器301、フィルター回路302、高周波パルス電源303の回路構成例の説明図。 実施例における高周波パルス電源303の出力である高周波電圧波形の一例の説明図。 実施例における被処理材(ウエハ)114での高周波電圧波形の一例の説明図。 実施例におけるウエハ載置用電極115に接続されるフィルター回路302の回路構成例の説明図。 実施例においてデューティー比を50%とした高周波パルス電源303の出力の高周波電圧波形の一例の説明図。 実施例において高周波パルス電源303のデューティー比を50%としたときの被処理材(ウエハ)114での電圧波形の一例の説明図。 実施例においてデューティー比を20%とした高周波パルス電源303の出力の高周波電圧波形の一例の説明図。 実施例において高周波パルス電源303のデューティー比を20%としたときの被処理材(ウエハ)114での電圧波形の一例の説明図。 実施例においてデューティー比を80%とした高周波パルス電源303の出力の高周波電圧波形の一例の説明図。 実施例において高周波パルス電源303のデューティー比を80%としたときの被処理材(ウエハ)114での電圧波形の一例の説明図。
符号の説明
101…真空容器、102…シャワープレート、103…誘電体窓、104…処理室、105…ガス供給装置、106…真空排気口、107…円筒壁、108…天板、109…円筒空洞部、110…矩形変換導波管、111…矩形導波管、112…電磁波発生用電源(マグネトロン)、113…磁場発生コイル、114…被処理材(ウエハ)、115…ウエハ載置用電極、116…コンデンサー、117…整合器、118…高周波電源、119…直流電源、201…可変インダクタンス、301…波形切替器、302…フィルター回路、303…高周波パルス電源、401…切替スイッチ、402…切替スイッチ、403…コンデンサー、501…パルス電圧波形、601…被処理材(ウエハ)での正弦波電圧波形、701…トランス、702…可変インダクタンス、801…パルス電圧波形、901…被処理材(ウエハ)でのパルス電圧波形、1001…パルス電圧波形、1101…被処理材(ウエハ)でのパルス電圧波形、1201…パルス電圧波形、1301…被処理材(ウエハ)でのパルス電圧波形。

Claims (9)

  1. 真空排気装置が接続され内部を減圧可能な処理室と、該処理室内へのガス供給装置と、処理室内部にプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、被処理材に高周波電圧を印加する高周波電圧印加手段とを具備するプラズマ処理装置において、
    前記高周波電圧印加手段は、パルス波形の電圧を出力する手段と、前記パルス波形の電圧を正弦波波形の電圧に変換して出力する手段と、パルス波形または正弦波波形の高周波電圧のいずれかを選択して前記被処理材に印加する手段備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    上記高周波電圧印加手段が、パルス波形または矩形波波形の高周波電圧を出力する高周波パルス電源と、フィルター回路と、波形切替器とを有することを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項2記載のプラズマ処理装置において、
    上記高周波パルス電源が、デューティー比可変のパルス波形の高周波電圧を出力する高周波パルス電源であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項記載のプラズマ処理装置において、
    上記フィルター回路が、高周波パルス電源の高周波電圧出力に含まれる周波数成分から被処理材に印加する所望の正弦波の周波数に変換するためローパスフィルター、バンドパスフィルター、あるいはハイパスフィルターを有することを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項2記載のプラズマ処理装置において、
    上記フィルター回路が、高周波パルス電源の高周波電圧出力を変換するトランスを含むフィルター回路であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 請求項2記載のプラズマ処理装置において、
    上記波形切替器が、リレースイッチにて構成されることを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 処理室内部を減圧し、該処理室内部にプラズマを発生させ、被処理材に高周波電圧を印加して該被処理材にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法において、
    前記被処理材に高周波電圧を印加する工程を有し、
    前記被処理材に高周波電圧を印加する工程は、
    パルス波形の電圧を出力する工程と、該工程により出力された前記パルス波形の電圧を正弦波波形の電圧に変換して出力する工程とを有し、
    パルス波形または正弦波波形の高周波電圧のいずれかを、処理条件または処理ステップに応じて選択して印加することを特徴とするプラズマ処理方法。
  8. 請求項7記載のプラズマ処理方法において、
    前記被処理材に高周波電圧を印加する工程は、前記パルス波形または正弦波波形の高周波電圧のいずれかを、被処理材のプラズマ処理条件に応じて選択し、前記被処理材に印加することを特徴とするプラズマ処理方法。
  9. 請求項記載のプラズマ処理方法において、
    前記被処理材に高周波電圧を印加する工程は、前記パルス波形または正弦波波形の高周波電圧のいずれかを、被処理材のプラズマ処理条件を構成する各プラズマ処理ステップに応じて選択し、前記被処理材に印加することを特徴とするプラズマ処理方法。
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