JP2000258735A - コンタクトレンズ用液剤 - Google Patents

コンタクトレンズ用液剤

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智子 大原
Ikuo Komura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消毒作用(抗菌作用)、目に対する安全性、
保存安定性に優れ、コンタクトレンズの消毒、保存、す
すぎなどに好適に用いることができかつ輸送条件、保存
環境に制限を受けることが少ないコンタクトレンズ用液
剤を提供する。 【解決手段】 下記の一般式(I): 【化1】 で示されるヘキサメチレンビグアニド誘導体、セルロー
ス系水溶性高分子、金属イオン封鎖剤および緩衝剤を含
む水溶液からなるコンタクトレンズ用液剤であって;ヘ
キサメチレンビグアニド誘導体を0.01〜50pp
m、セルロース系水溶性高分子を0.005〜5重量%
含みかつ該セルロース系水溶性高分子の2重量%水溶液
の20℃における粘度が2000mPa・s以下である
ことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤により上記の
課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンタクトレンズ
用液剤に関する。本発明のコンタクトレンズ用液剤は、
殺菌作用(消毒作用)および眼に対する安全性に優れる
ことから、コンタクトレンズの消毒、保存、すすぎなど
に好適に用いられ、その上保存安定性に優れることか
ら、輸送条件、保存環境に制限を受けることが少ない。
【0002】
【従来の技術】現在、コンタクトレンズとしては、装用
感に優れた含水性ソフトコンタクトレンズ、高酸素透過
性を有するハードコンタクトレンズなどが一般に広く用
いられている。これらのコンタクトレンズは、いずれも
装用後に洗浄などの手入れを必要とし、特に含水性ソフ
トコンタクトレンズは、細菌、黴等の微生物による汚染
を防ぐために消毒処理を必要とする。
【0003】含水性ソフトコンタクトレンズを消毒する
方法としては、コンタクトレンズをコンタクトレンズ用
処理液中で煮沸する加熱消毒方法と、過酸化水素や殺菌
消毒剤で消毒する、コールド消毒法と呼ばれる非加熱消
毒方法とがある。しかしながら、これらの方法はいずれ
もその操作および取扱いが煩雑であり、特に非加熱消毒
方法において過酸化水素を用いた場合には、中和処理を
施す必要があり、その操作が煩雑となる。また殺菌消毒
剤を用いた場合には、殺菌消毒剤がコンタクトレンズ内
に浸透し、角膜の損傷、粘膜刺激等の眼障害、アレルギ
ーなどを引き起こすことがある。
【0004】殺菌消毒剤のコンタクトレンズ内への浸透
を防ぎ、殺菌消毒剤を用いた場合の上記の問題点を解決
するために、殺菌消毒剤としてビグアニド誘導体を用い
たコンタクトレンズ消毒保存用溶液が提案され(特開昭
49−18043号公報および特開昭61−85301
号公報参照)、普及しつつある。しかしながら、ビグア
ニド誘導体を含有した上記のコンタクトレンズ消毒保存
用溶液においては、ビグアニド誘導体の濃度が高い場
合、コンタクトレンズの種類によっては、コンタクトレ
ンズにビグアニド誘導体が多量に吸着して角膜や眼粘膜
に刺激や損傷を与えることがあり、目に対する安全性が
充分に確保されていない。また、コンタクトレンズの消
毒保存用溶液は輸送・保存時にしばしば高い温度環境下
に置かれることがあり、消毒性能が低下することがあ
る。このため輸送条件や保存環境に制限を受けるなど取
り扱い上の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明の目
的は、消毒作用(抗菌作用)、目に対する安全性、保存
安定性に優れ、コンタクトレンズの消毒、保存、すすぎ
などに好適に用いることができかつ輸送条件、保存環境
に制限を受けることが少ないコンタクトレンズ用液剤を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、下記の一般式(I):
【化2】 で示されるヘキサメチレンビグアニド誘導体[以下、こ
れをヘキサメチレンビグアニド誘導体(I)ということ
がある]、セルロース系水溶性高分子、金属イオン封鎖
剤および緩衝剤を含む水溶液からなるコンタクトレンズ
用液剤であって;ヘキサメチレンビグアニド誘導体を
0.01〜50ppm、セルロース系水溶性高分子を
0.005〜5重量%含みかつ該セルロース系水溶性高
分子の2重量%水溶液の20℃における粘度が2000
mPa・s以下であることを特徴とするコンタクトレン
ズ用液剤を提供することによって達成される。
【発明の実施の形態】
【0007】上記の一般式(I)において、XおよびY
はそれぞれ式:−(CH23NH2で示される基または
式:−(CH23NHC(=NH)NHCNで示される
基を表し、XおよびYの両方が式:−(CH23NH2
で示される基または式:−(CH23NHC(=NH)
NHCNで示される基を表しても、XおよびYの一方が
式:−(CH23NH2で示される基を表し、他方が
式:−(CH23NHC(=NH)NHCNで示される
基を表してもよい。
【0008】ヘキサメチレンビグアニド誘導体(I)と
しては、ヘキサメチレンビグアニドおよびヘキサメチレ
ンビグアニドのポリマーが含まれ、これらは塩酸塩、ホ
ウ酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸
塩、クエン酸塩等の塩であってもよい。ヘキサメチレン
ビグアニド誘導体の重合度を表すnは1〜500の範囲
内であり、ヘキサメチレンビグアニド誘導体のコンタク
トレンズ内部への浸透や蓄積を防ぐ観点および充分な殺
菌性能を得る観点から、nは2〜300の範囲内である
のが好ましく、4〜200の範囲内であるのがより好ま
しい。nが500を超えると殺菌性能が低下する。ヘキ
サメチレンビグアニド誘導体(I)としては、例えば、
「Arlagard E」、「Cosmocil C
Q」、「ProxelIB」、「Vantocil I
B」[以上、ゼネカ(株)製、商品名]、「Mikro
kill」、「Mikrokill 20」[以上、ブ
ルックス(Brooks)社製、商品名]などとして市
販されているものを用いることができる。
【0009】本発明におけるヘキサメチレンビグアニド
誘導体(I)の含有量は0.01〜50ppmの範囲内
であり、0.1〜20ppmの範囲内が好ましく、0.
5〜10ppmの範囲内がより好ましい。ヘキサメチレ
ンビグアニド誘導体(I)の含有量が0.01ppm未
満の場合には、殺菌作用、静菌作用が充分ではなく、5
0ppmを超える場合には目に対する安全性が低下す
る。
【0010】本発明におけるセルロース系水溶性高分子
としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のノニオ
ン性セルロース誘導体、カルボキシメチルセルロース等
のアニオン性セルロース誘導体などが挙げられる。これ
らの中でも、コンタクトレンズ用液剤の殺菌性能、コン
タクトレンズ用液剤で処理したコンタクトレンズの安全
性の観点から、ノニオン性セルロース誘導体が好まし
く、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースがより好ましく、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースがさらに好まし
い。これらのセルロース系水溶性高分子は、1種のみを
用いても、2種以上を用いてもよい。
【0011】また、本発明におけるセルロース系水溶性
高分子としては、該セルロース系水溶性高分子の2重量
%水溶液の20℃における粘度が2000mPa・s以
下であるものを用いる。この粘度が2000mPa・s
を超えると、コンタクトレンズ用液剤の殺菌力を十分に
増強できなかったり、コンタクトレンズ用液剤の曇点が
低下し、該コンタクトレンズ用剤の保存安定性が低下す
る。上記の粘度としては、1000mPa・s以下であ
るのが好ましく、100mPa・s以下であるのがより
好ましい。上記の粘度の下限は特に制限されない。
【0012】本発明のコンタクトレンズ用液剤における
セルロース系水溶性高分子の含有量は0.005〜5重
量%の範囲内である。この範囲内のセルロース系水溶性
高分子を含むことにより、コンタクトレンズ用液剤の抗
菌性を増強し、さらに該液剤で処理したコンタクトレン
ズの目に対する安全性を高めることができる。セルロー
ス系水溶性高分子の含有量が0.005重量%未満にな
ると、抗菌性の増強や目に対する安全性に十分な効果が
得られず、5重量%を越えると、かえって抗菌性が低下
したり、該コンタクトレンズ用液剤の粘度が高くなって
取り扱いが困難となる。抗菌性の増強、コンタクトレン
ズ用液剤で処理したコンタクトレンズの目に対する安全
性、取り扱い性などの観点から、セルロース系水溶性高
分子の含有量は0.01〜5重量%の範囲内であるのが
好ましく、0.05〜1重量%の範囲内であるのがより
好ましい。
【0013】本発明のコンタクトレンズ用液剤は、涙液
中の多価金属イオンをキレート化するために、金属イオ
ン封鎖剤を含有する。コンタクトレンズの装用時に涙液
中のカルシウムイオンなどの多価金属イオンがコンタク
トレンズに沈着し、汚れの原因となる。沈着した多価金
属イオンがコンタクトレンズ用液剤に含有された金属イ
オン封鎖剤により取り除かれて、コンタクトレンズが清
浄に保たれる。金属イオン封鎖剤としては、眼科的に許
容される化合物であれば特に制限はなく、例えばエチレ
ンジアミン四酢酸、グルコン酸、クエン酸、酒石酸等の
多価カルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム
塩等の塩などを挙げることができる。
【0014】本発明のコンタクトレンズ用液剤のpH
は、目に対する安全性の観点から、6.0〜8.0の範
囲内に調整されているのが好ましく、6.5〜7.5の
範囲内に調整されているのがより好ましい。コンタクト
レンズ用液剤のpHを上記の範囲内に保つためには、一
般に、少なくとも1種の緩衝剤が添加されるが、その緩
衝剤としては、特に制限はなく、従来から公知のものの
中から適宜選択される。緩衝剤としては、ホウ酸緩衝
剤、クエン酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、トリス緩衝剤
[トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤]、
リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤等が挙げられる。これらの中
でも目に対する刺激が低いことおよびコンタクトレンズ
への影響が少ないことからリン酸緩衝剤が好ましい。リ
ン酸緩衝剤としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸
水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素
二カリウムが、一般に広く用いられており、入手が容易
であるので、本発明において好適に使用される。
【0015】コンタクトレンズ用液剤における上記のリ
ン酸緩衝剤の濃度が低すぎると、緩衝能が低下し、一方
リン酸緩衝剤の濃度が高すぎると、リン酸緩衝剤とノニ
オン性のセルロース系水溶性高分子とを組み合わせた場
合、コンタクトレンズ用液剤の曇点が低下し、該コンタ
クトレンズ用液剤の保存安定性が低下することがあるこ
とから、リン酸緩衝剤の濃度としては、1〜75mMの
範囲内が好ましく、3〜60mMの範囲内がより好まし
い。
【0016】本発明のコンタクトレンズ用液剤の曇点と
しては、保存安定性の観点から、45℃以上が好まし
く、50℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好
ましい。ここでいう曇点は、透明な液体が温度の上昇に
より曇り始める(不透明となり始める)温度を意味し、
曇り点またはクラウドポイント(cloud poin
t)とも呼ばれる。一般にこの曇点現象は両親媒性化合
物、高分子化合物などを含有する溶液にみられ、熱履歴
に対して可逆的な現象であり、温度上昇により不透明と
なった溶液は冷却されるにつれて次第に透明になる。し
かしながら、温度の上昇により一旦曇点現象を起こした
コンタクトレンズ用液剤は、殺菌力が低下し、冷却され
て透明になっても、殺菌力が回復しない場合が多く、コ
ンタクトレンズ用液剤の輸送・保存方法に制限を与えて
いた。本発明者らは、前記した特定のセルロース系水溶
性高分子を用いることにより、コンタクトレンズ用液剤
の曇点を高くし、該液剤の保存安定性を高めることに成
功したのである。コンタクトレンズ用液剤の曇点を高く
する観点から、セルロース系水溶性高分子としては、そ
の2重量%水溶液の曇点が50℃以上であるものが好ま
しく、該曇点が70℃以上であるものがより好ましい。
【0017】所定量の上記したヘキサメチレンビグアニ
ド誘導体(I)、セルロース系水溶性高分子、金属イオ
ン封鎖剤および緩衝剤を滅菌精製水に溶解させることに
より、本発明のコンタクトレンズ用液剤が得られる。そ
の際に、等張化剤を配合し、コンタクトレンズ用液剤の
浸透圧を涙液と同じ程度の浸透圧にしておくのが好まし
い。等張化剤としては、眼科的に許容できる化合物であ
れば特に制限はなく、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
重炭酸ナトリウム等の無機塩類;グリセリン、プロピレ
ングリコール、エチレングリコール等のグリコール類、
これらのグリコール類の平均分子量1000以下の重合
体などの非イオン性有機化合物およびこれらを組み合わ
せたものが好ましく用いられる。得られたコンタクトレ
ンズ用液剤は澄明であり、さらに必要に応じて無菌濾過
などを行なうことができる。
【0018】このようにして得られるコンタクトレンズ
用液剤中に、コンタクトレンズを浸漬することにより、
該コンタクトレンズを消毒および保存することができ
る。また本発明のコンタクトレンズ用液剤を用いて、す
すぎ洗い、手指によるこすり洗いなどをすることによ
り、該コンタクトレンズのすすぎ、洗浄および消毒を行
なうことができる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0020】セルロース系水溶性高分子の水溶液の粘
度、コンタクトレンズ用液剤の曇点、殺菌力および安全
性を以下の方法にしたがって測定または評価した。 [粘度の測定方法]セルロース系水溶性高分子を2重量
%となるように蒸留水に溶解し、B型粘度計を用いて2
0℃における粘度を測定した。 [曇点の測定方法]コンタクトレンズ用液剤を30℃に
静置し、2℃/hrの速度で昇温して、白濁し始める温
度を曇点とした。
【0021】[殺菌力の評価方法]米国FDAのガイド
ライン「Guidance for Industry
REMARKET NOTIFICATION(510
(k)) GUIDANCE DOCUMENT FO
R CONTACT LENS CARE PRODU
CTS」の「MICROBIOLOGY APPEND
IX B DISINFECTION EFFICAC
Y TESTING STAND−ALONE PRO
CEDURE FOR DISINFECTING P
RODUCTS」にしたがい、コンタクトレンズ用液剤
調製直後および40℃で3ヶ月加熱処理後の液剤につい
て、黄色ブドウ球菌に対する殺菌力(消毒効果)を、生
菌数の対数減少により評価した。以下にその方法を示
す。 A.使用した試験微生物及び培地:以下に示す微生物と
培地を用いて試験した。 1)微生物:黄色ブドウ球菌(Staphylococ
cus aureus ATCC6538) 2)試験培地:DPBST(0.05%w/vのポリソ
ルベート80を添加したダルベッコ・リン酸緩衝生理食
塩液(宝酒造製))を微生物の希釈剤として、またSC
DLP培地(日本製薬株式会社製)を殺菌成分の中和
剤、SCDLP寒天培地(日本製薬株式会社製)を増殖
用培地として用いた。 B.試験手順 以下の手順で殺菌効果を生菌の対数減少として計測し
た。 1)コンタクトレンズ用液剤10mlを入れた試験管に
微生物数が1.0×105〜1.0×106cfu/ml
となるように微生物(黄色ブドウ球菌)のDPBST懸
濁液を添加し、充分に混和して微生物を分散させた。 2)前記の微生物を添加したコンタクトレンズ用液剤を
20〜25℃で4時間保存した後、この中から溶液1m
lを分取し、SCDLP培地を用いて106倍まで連続
的に10倍希釈を行った。 3)SCDLP寒天培地プレート上にSCDLP培地で
希釈した前記溶液を平板混釈法で展開し、30〜35℃
で2〜4日間インキュベートした後、コロニー数を計測
し、微生物数の対数減少を算出した。
【0022】[コンタクトレンズ用液剤で処理したレン
ズの目に対する安全性]目に対する安全性を評価するた
め、感度の高い代替評価法として細胞毒性試験による評
価法を実施した。含水率38%のポリヒドロキシエチル
メタクリレート(PHEMA)を主成分とするコンタク
トレンズ材料をコンタクトレンズ用液剤に4時間以上浸
漬した後、該液剤を交換し再び4時間以上浸漬した。こ
の操作を30回繰り返した。30回浸漬処理したコンタ
クトレンズ材料を用いて、「医療用具および医用材料の
基礎的な生物学的試験のガイドライン1995解説」
(株式会社薬事日報社発行、厚生省薬務局医療機器開発
課監修)の「細胞毒性試験−医療用具又は材料と細胞と
の直接接触法による試験−」にしたがい、コロニーの形
成率を観察した。以下にその方法を示す。 A.試験に使用した細胞株および培地 細胞株としてV79(チャイニーズハムスター肺由
来)、培地としてME10を使用した。 B.試験方法 1)生理食塩液で膨潤した直径16mm、厚み0.5m
mのPHEMAからなる含水率38%のコンタクトレン
ズ用材料をコンタクトレンズ用液剤3mlに4時間以上
静置・浸漬した後、液剤を新しい液剤と入れ替え、4時
間以上静置・浸漬した。この操作を浸漬回数が30回と
なるまで繰返し行ったものを試験用試料とした。 2)30回浸漬処理した前記コンタクトレンズ用材料を
12穴プレートに入れ、細胞数が40〜50cellと
なるように細胞株のME10培地液を入れた。 3)プレートを37℃の炭酸ガス培養器内に入れ、7日
間静置して培養した。培養終了後、培地を捨て、平衡塩
類溶液で洗った後、固定液(メタール)で細胞を固定し
た。 4)ギムザ染色液でコロニーを染色し、コロニー数を計
測した。培養用プレートに直接細胞をまいた時に形成し
たコロニー数をコントロールとし、これを100%とし
た時の各コンタクトレンズ材料のコロニー数の割合
(%)をコロニー形成率とした。
【0023】実施例1〜6および比較例1〜6 下記の表1に示した組成のコンタクトレンズ用液剤を調
製し、曇点、殺菌力および安全性を測定または評価し
た。結果を表3に示す。なお、表1における水溶性高分
子の略号の内容を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】上記の表3から、実施例1〜6の本発明の
コンタクトレンズ用液剤は、殺菌力が高く、また細胞毒
性試験におけるコロニー形成率が高く、安全性に優れる
ことがわかる。さらにこの殺菌力は、コンタクトレンズ
用液剤を40℃で3ヶ月保存した後でもほとんど低下し
ておらず、本発明のコンタクトレンズ用液剤は保存安定
性に極めて優れていることがわかる。
【0028】これに対して、セルロース系水溶性高分子
を含まない比較例1および2の液剤は、細胞毒性試験に
おけるコロニー形成率が低く、毒性が高いことがわか
る。また、セルロース系水溶性高分子を含むが、該セル
ロース系水溶性高分子の2重量%水溶液の20℃におけ
る粘度が4200mPa・sである比較例3および該粘
度が8500mPa・sである比較例6の液剤は、細胞
毒性試験によるコロニー形成率は比較的高いが、3ヶ月
加熱処理後の殺菌力が溶液調製直後に比べて著しく低下
し、保存安定性が悪いことがわかる。そして、セルロー
ス系水溶性高分子を含まず、水溶性高分子としてポリエ
チレングリコールまたはポリオキシエチレン−ポリオキ
シプロピレン・ブロックポリマーを含む比較例4および
5の液剤は、殺菌力が低く、また毒性が高いことがわか
る。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、消毒作用(抗菌作
用)、目に対する安全性、保存安定性に優れ、コンタク
トレンズの消毒、保存、すすぎなどに好適に用いること
ができかつ輸送条件、保存環境に制限を受けることが少
ないコンタクトレンズ用液剤が提供される。本発明のコ
ンタクトレンズ用液剤を用いると、コンタクトレンズの
殺菌・消毒を効果的に行なうことができ、また本発明の
コンタクトレンズ用液剤は保存安定性が高く、コンタク
トレンズを繰り返し処理しても眼組織に対して有害な影
響を与えることがなく、目に対する安全性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 7/32 C11D 7/32 7/60 7/60 17/00 17/00 (72)発明者 小村 育男 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 2H006 DA08 DA09 4C058 AA09 BB07 JJ06 JJ21 4H003 BA12 DA16 EA11 EB12 EB16 EB42 ED02 FA01 FA16 FA34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I): 【化1】 で示されるヘキサメチレンビグアニド誘導体、セルロー
    ス系水溶性高分子、金属イオン封鎖剤および緩衝剤を含
    む水溶液からなるコンタクトレンズ用液剤であって;ヘ
    キサメチレンビグアニド誘導体を0.01〜50pp
    m、セルロース系水溶性高分子を0.005〜5重量%
    含みかつ該セルロース系水溶性高分子の2重量%水溶液
    の20℃における粘度が2000mPa・s以下である
    ことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤。
  2. 【請求項2】 曇点が45℃以上であることを特徴とす
    る請求項1に記載のコンタクトレンズ用液剤。
  3. 【請求項3】 セルロース系水溶性高分子が、メチルセ
    ルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキ
    シプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる少
    なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1
    または2に記載のコンタクトレンズ用液剤。
  4. 【請求項4】 緩衝剤がリン酸緩衝剤でありかつその濃
    度が1〜75mMであることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ用液剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006282586A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 眼科用組成物
WO2013129319A1 (ja) * 2012-02-27 2013-09-06 ロート製薬株式会社 眼科用組成物

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