JP2000257820A - バーナおよびこれを用いたコンロ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い熱効率、幅広い燃焼量可変範囲を有する
バーナを実現し、それにより良好な調理性能を実現する
コンロを得ること。 【解決手段】 煮零れ防止体１３の外径を、バーナキャ
ップ１７の燃焼面１２の外径よりも大きな寸法とし、煮
零れ防止体１３とバーナキャップ１７の燃焼面１２の一
部を被覆したことにより、高い熱効率の確保と煮汁等の
落下物の炎口部１１内への侵入を防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガス等を燃料とす
るバーナ、およびそのバーナを加熱源とするコンロに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種のバーナとしては、特開平９
−１５９１１９号公報に記載されているものが知られて
いた。このバーナは図５（ａ），図（ｂ）に示されてい
るように、内側に向く多数の炎口５１を内周面の周方向
に列設し、理論燃焼空気量の±３０％以内の空気で燃焼
させる環状バーナ５２であり、さらにその底部を遮蔽板
５３によって閉塞したもので、コンロ等に応用した場
合、遮蔽板５３によって二次空気の供給に抑えて燃焼さ
せて、高い熱効率を確保しながら、低ＮＯｘを実現する
というものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の上
記したバーナをコンロ等に応用した場合、煮零れなどが
発生した時には、あふれた煮汁が遮蔽板５３上に蓄積す
るだけでなく、火炎は内側に集中して形成されるため、
燃焼的には一次空気に依存したものであり、どうしても
二次空気を求めて火炎長が長くなるという課題もあっ
た。

【０００４】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、周囲からの二次空気の拡散を促進して燃焼性を向上
させ、同時に幅広い強弱絞り幅を確保して、火炎長を短
くできるバーナを提供することを第一の目的とする。そ
して、そのバーナをコンロ用バーナとして用いて、鍋な
どの被加熱物との距離を接近させて高い熱効率を確保し
ながら良好な調理性能を確保し、さらに煮零れによる煮
汁の蓄積をも抑制し得るコンロを提供することを第二の
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の第一の目
的を達成するために、燃料予混合ガスの混合室を形成し
たバーナ本体に混合室を貫通する二次空気通路を設け、
前記バーナ本体上に炎口板ならびに筒部を有する煮零れ
防止体と固定リングを備えたバーナキャップを載置し、
前記バーナキャップの側面は上端から下端にかけて外周
方向に傾斜させた傾斜面で形成し、前記バーナキャップ
の前記傾斜面に炎口部を設けて燃焼面とし、前記バーナ
キャップの炎口板の開口部に煮零れ防止体の筒部を挿入
し、前記炎口板の外周部の内側とバーナ本体の外周壁
部、前記煮零防止体の筒部の外側と二次空気通路の内側
部を夫々気密に嵌合してバーナを構成したものである。
さらに煮零れ防止体の外径を、バーナキャップの燃焼面
の外径と同等、もしくは、大きな寸法として煮零れ防止
体でバーナキャップの燃焼面を被覆したものである。

【０００６】上記発明によれば、燃焼面をバーナキャッ
プの上端から傾斜面に設けているため、火炎全体がほぼ
直上向きに発生して熱の集中を促進できるだけでなく、
火力を絞った場合でも、炎口のバーナキャップ上端部で
は外向きと上向きの燃料予混合気の流れがぶつかり合
い、煮零れ防止体とバーナキャップ上端の間で燃料予混
合気の滞留が発生して保炎性が良好になるため、低燃焼
量まで安定燃焼が確保できる。

【０００７】また、炎口部は長スリット孔および短スリ
ット孔を一定間隔毎に設けているため、短スリット孔が
保炎口として機能するだけでなく、長スリット孔で形成
される火炎同士の干渉を抑制して火炎を分割し、バーナ
全体としての短炎化を実現できる。また、煮零れ防止体
の外径を燃焼面に比較して同等以上の外径にして、燃焼
面を被覆したことにより、火炎の直上向きの傾向を損な
うことなく、上方からの落下物，煮汁等が炎口部内に侵
入するのを防止することができる。

【０００８】また第二の目的を達成するため、本発明は
天板のコンロ開口部に汁受け皿を配置し、汁受け皿のバ
ーナ開口部に前記の長スリット孔と短スリット孔を設け
たバーナを配設し、短スリットの上部に対応する位置に
五徳の爪体を配設したものである。

【０００９】上記発明によれば、五徳上に鍋等を載置し
て調理を行う場合、前記のバーナの短炎化構成により、
鍋とバーナとの距離を短くしても安定燃焼が実現できる
ため、高い熱効率を確保できる。また、短スリット孔の
直上に五徳の爪体が位置するため、爪体が火炎に強くあ
ぶられる事が少なく、それによる熱効率の低下も最小限
にとどめることができる。さらに、鍋からの煮零れも煮
零れ防止体によって遮られ、炎口部が煮汁により目詰ま
りすることを抑制できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明は、各請求項に記載した構
成を実施の形態として達成できるのであり、以下にその
構成と、その構成による作用を併記して実施の形態を説
明することとする。

【００１１】請求項１記載の発明は、燃料予混合ガスの
混合室を形成したバーナ本体の混合室を貫通する二次空
気通路を設け、このバーナ本体上に載置した炎口板と筒
部を有する煮零れ防止体を有するバーナキャップを具備
し、前記バーナキャップの側面を上端から下端にかけて
外周方向に傾斜させた傾斜面で形成し、前記バーナキャ
ップの前記傾斜面に長スリット孔および短スリット孔を
一定間隔毎に設けて炎口とした炎口部を設けて燃焼面と
し、前記バーナキャップの前記炎口板の開口部に燃焼面
に比較して外径を同等、もしくは、大きくした前記煮零
れ防止体の筒部を挿入し、前記炎口板の外周部の内側と
前記バーナ本体の外周壁部、前記煮零れ防止体の筒部の
外周側と二次空気通路の内側部とを夫々気密に嵌合した
ものである。

【００１２】そして、燃焼面をバーナキャップの上端か
ら傾斜面に設けているため、火炎全体がほぼ直上向きに
発生して熱の集中を促進できるだけでなく、低燃焼量の
場合でも、炎口部のバーナキャップ上端部では外向きと
上向きの燃料予混合気の流れが衝突し、煮零れ防止体と
バーナキャップ上端の間で燃料予混合気の滞留が発生し
て保炎性が良好になるため、低燃焼量まで安定燃焼が確
保できる。

【００１３】そして、長スリットおよび短スリットを一
定間隔毎に設けているため、大燃焼量の場合は、短スリ
ットが長スリットで形成される火炎同士の干渉を抑制し
て火炎を分割し、バーナ全体としての短炎化を実現で
き、低燃焼量の場合はバーナキャップ上端では、同様に
燃料予混合気の滞留が発生して保炎性が良好となって安
定燃焼し、さらには各スリット間での火炎の干渉が緩和
されるため、バーナ全体としての火炎長をさらに短くす
ることができる。

【００１４】煮零れ防止体の外径をバーナキャップの燃
焼面の外径よりも同等、または、大きな寸法としたこと
により、直上向き傾向にある火炎方向を大きく変化させ
ることがないため、熱の集中度を大きく損なうことがな
く、同時に上方からの落下物の炎口部内への侵入を防止
することができる。

【００１５】また、請求項２記載の発明は、燃料予混合
ガスの混合室を形成したバーナ本体の混合室を貫通する
二次空気通路を設け、このバーナ本体上に載置した炎口
板と筒部を有する煮零れ防止体及び固定リングを有する
バーナキャップを具備し、前記バーナキャップの側面を
上端から下端にかけて外周方向に傾斜させた傾斜面で形
成し、前記バーナキャップの前記傾斜面に長スリット孔
および短スリット孔を一定間隔毎に設けて炎口とした炎
口部を設けて燃焼面とし、前記バーナキャップの炎口板
の開口部に前記燃焼面に比較して外径を同等、もしく
は、大きくした前記煮零れ防止体の筒部を挿入し、開口
部近傍に固定リングを嵌合して炎口板と煮零れ防止体を
固定し、前記炎口板の外周部の内側とバーナ本体の外周
壁部、前記煮零れ防止体の筒部の外側と前記二次空気通
路の内側部を気密に嵌合したものである。

【００１６】そして、煮零れ防止体と炎口板を固定リン
グを嵌合して、煮零れ防止体と炎口板を固定したので、
煮零れ防止体を剛体で作り（例えば、鍛造品，押し出し
成形品）、炎口板を板金で作り、両者を合体することで
機械的強度の高いバーナができる。また、煮零れ防止体
と炎口板を別物で構成したことにより、煮零れ防止体と
炎口板を別材料で構成することができるために、煮零れ
防止体には低温での耐腐食性能の高い材料、炎口板に
は、高温での耐腐食性能を使用することができるので、
バーナの煮汁等による腐食に対する寿命を飛躍的に向上
することができる。そして、前記同様の燃焼性能の向
上、或いは、煮零れ防止性能の向上等ができる。

【００１７】また、請求項３記載の発明はバーナキャッ
プの前記炎口板の開口部に前記燃焼面に比較して外径を
同等、もしくは、大きくした前記煮零れ防止体の筒部を
圧設挿入して嵌合し、炎口板と煮零れ防止体を固定した
ものである。

【００１８】そして、請求項２記載の発明に比較して固
定リングが不必要になるために、廉価にバーナを提供で
き、さらには、前記請求項２記載の発明と同様の燃焼性
能の向上、或いは、煮零れ防止性能の向上等ができる。

【００１９】また、請求項４記載の発明は燃料予混合ガ
スの混合室を形成したバーナ本体の混合室を貫通する二
次空気通路を設け、このバーナ本体上に載置した炎口板
と筒部を有する煮零れ防止体を有するバーナキャップを
具備し、前記バーナキャップの側面を上端から下端にか
けて外周方向に傾斜させた傾斜面で形成し、前記バーナ
キャップの前記傾斜面に長スリット孔および短スリット
孔を一定間隔毎に設けて炎口とした炎口部を設けて燃焼
面とし、前記バーナキャップの前記炎口板の開口部に前
記燃焼面に比較して外径を同等、もしくは、大きくした
前記煮零れ防止体の筒部を挿入し、前記炎口板と煮零れ
防止体間にガタを持たせて固定し、前記炎口板の外周部
の内側と前記バーナ本体の外周壁部、前記煮零れ防止体
の筒部の外側と二次空気通路の内側部を気密に嵌合した
ものである。

【００２０】そして、炎口板と煮零れ防止体間にガタを
持たせて固定し、炎口板の外周部の内側とバーナ本体の
外周壁部、筒部の外側と二次空気通路の内側部を気密に
嵌合したので、バーナ本体上に載置したバーナキャップ
の炎口板の外周部の内側の気密嵌合部と筒部の外側と二
次空気通路の内側部を気密嵌合部との軸心が多少ズレて
いても、ガタによって互いにズレあって、両気密嵌合部
は嵌合しあって、混合室からの混合気の漏れを防止す
る。

【００２１】また、請求項５記載の発明はバーナキャッ
プの炎口板の上面に凸部を設け、煮零れ防止体に炎口板
の凸部に対応した位置に凹部を設けて、炎口板の開口部
に煮零れ防止体の筒部を挿入して凸部に凹部を嵌合した
ものである。

【００２２】そして、炎口板の開口部に煮零れ防止体の
筒部を挿入して凸部に凹部を嵌合したので、炎口板と煮
零れ防止体の両者が外力によって回転したりすることの
ないように固定されるために、両者間の位置関係は確実
に確保できる。そして、請求項４記載の発明と同様の燃
焼性能の向上、或いは、煮零れ防止性能の向上等ができ
る。その上混合室からの混合気の漏れを防止することが
できる。

【００２３】また、請求項６記載の発明はコンロ開口部
を有する天板と、バーナ開口部を有し前記コンロ開口部
に設けた汁受け皿と、前記汁受け皿の上方に設けた五徳
と、前記バーナ開口部に設けた請求項１ないし５のいず
れかに記載のバーナとを備え、前記バーナの短スリット
の上部に対応する位置に前記五徳の爪体を配設したもの
である。

【００２４】そして、五徳上に鍋などを載置して調理を
行う場合、前述のようにバーナで形成される火炎は短炎
化されるため、鍋とバーナとの距離を短くしてもＣＯ等
が発生しにくく、同時に短スリットの直上に五徳の爪体
が位置するため、爪体と火炎の接触による熱ロスが少な
く、これらによって低ＣＯ燃焼と高い熱効率を実現でき
る。さらに低燃焼量においては、前述のように保炎性が
高くかつ小量の火炎となるため、低火力で調理する場合
に適した状態を実現できる。さらに、鍋から煮零れが発
生した場合は、煮零れ防止体によって、直下の炎口内に
煮汁が落下する事を防止することができる。

【００２５】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。

【００２６】（実施例１）図１，図２は本発明の実施例
１におけるバーナの上面ならびに、部分断面図を示すも
のである。

【００２７】図において、１はバーナ本体で、燃料予混
合ガスの混合管部２と、内周壁部３と外周壁部４で形成
した環状の混合室５を一体に構成したもので、内周壁部
３で囲まれた空間は貫通した二次空気通路６を形成して
いる。また、７は略円錐台形状の炎口板で、中央に二次
空気通路６と対応する開口部８があり、炎口板７の上端
部から下端部にかけて外周方向に傾斜させた傾斜面７ａ
を構成し、炎口板７の上端部から傾斜面７ａに至って連
続し、傾斜面７ａを貫通する長スリット孔９と短スリッ
ト孔１０を放射状に分散配置した炎口部１１を設けて燃
焼面１２としたものである。なお燃焼面１２の領域は、
傾斜面７ａのうち長スリット孔９と短スリット孔１０の
炎口を設けていない外周部近傍を除いた部分である。１
３は炎口板７の上端部１４に載置した環状の煮零れ防止
体で、筒部１３ａと中央に二次空気上方通路１５を有
し、煮零れ防止体１３の外径を炎口板７の上端部１４の
外径と同等あるいは、下端部１６の外径と同等あるいは
１〜２ｍｍ程度大きくし、炎口板７の一部を閉塞してバ
ーナキャップ１７を構成し、炎口板７の外周部１８の内
側とバーナ本体１の外周壁部４とが接する部分、及び筒
部１３ａの外側１９と二次空気通路６の内側部２０を気
密に嵌合して構成したものである。

【００２８】次に動作，作用について説明すると、燃料
予混合ガスは混合管部２を通じて吸引され、混合室５内
に均一に拡散し、炎口部１１で火炎を形成する。この時
炎口部１１で形成される火炎は、燃焼面１２のテーパー
に沿って斜め上方に発生するが、バーナキャップ１７の
外周部、及びバーナ本体１の二次空気通路６を通じ、バ
ーナキャップ１７の二次空気通路６から、上昇気流とな
って流入する二次空気によって挟まれることにより、燃
焼面１２近傍で燃焼が促進されて高温火炎となり、同時
に直上方向に向くようになる。また、煮零れ防止体１３
の下部とバーナキャップ１７の上端部の間では、煮零れ
防止体１３に衝突して発生する外向きの燃料予混合気の
流れと、燃焼面１２を通過する上向きの燃料予混合気の
流れが衝突し、煮零れ防止体１３とバーナキャップ１７
の上端の間で燃料予混合気の滞留が発生して保炎性が良
好になるため、吹き飛びを起こしやすいガスにおいても
安定した一次炎が形成される。また低燃焼量において
は、煮零れ防止体１３の外周端下部とバーナキャップ１
７の上端部近傍に火炎が形成されるため、保炎性が高ま
り滅火現象を防止することができる。したがって、大燃
焼量から小燃焼量の広い範囲で直上方向へ火炎を集中さ
せることにより熱放散を防止できるため、効率の良い熱
伝達と幅広い火力可変範囲を有する調理器用のバーナが
実現できる。

【００２９】（実施例２）実施例１と異なる点は、炎口
板７の開口部近傍に固定リング２１を嵌合して炎口板７
と煮零れ防止体１３を固定した点である。

【００３０】なお、実施例１と同一符号の部分は同一構
造を有し、説明は省略する。

【００３１】次に動作，作用について説明すると、炎口
板７と煮零れ防止体１３は確実に固定され、両者は分離
することがない。そして、煮零れ防止体１３と炎口板７
を固定リング２１を嵌合して、煮零れ防止体１３と炎口
板７を固定したので、煮零れ防止体１３を剛体で作り
（例えば、鍛造品，押し出し成形品）、炎口板７を板金
で作り、両者を合体することで機械的強度の高いバーナ
ができる。また、煮零れ防止体１３と炎口板７を別物で
構成したことにより、煮零れ防止体１３と炎口板７を別
材料で構成することができるために、煮零れ防止体１３
には低温での耐腐食性能の高い材料、炎口板７には、高
温での耐腐食性能を使用することができるので、バーナ
の煮汁等による腐食に対する寿命を飛躍的に向上するこ
とができる。そして、前記同様の燃焼性能の向上、或い
は、煮零れ防止性能の向上等ができる。

【００３２】（実施例３）実施例２と異なる点は、バー
ナキャップ１７の炎口板７の開口部８に燃焼面１２に比
較して外径を同等、もしくは、外径より大きくした煮零
れ防止体１３の筒部を圧設挿入して嵌合し、炎口板７と
煮零れ防止体１３を固定して構成したものである。

【００３３】なお、実施例１，２と同一符号の部分は同
一構造を有し、説明は省略する。

【００３４】次に動作，作用について説明すると、炎口
板７と煮零れ防止体１３は確実に固定され、両者は分離
することがない。そして、実施例２に比較して固定リン
グ２１が不必要になるために、廉価にバーナを提供で
き、さらには、実施例２と同様の燃焼性能の向上、或い
は、煮零れ防止性能の向上ができる。

【００３５】（実施例４）前記した実施例と異なる点
は、炎口板７と煮零れ防止体間１３との間にガタを持た
せて固定し、炎口板７の外周部の内側とバーナ本体１の
外周壁部４、煮零れ防止体１３の筒部１３ａの外側１９
と二次空気通路６の内側部２０を気密に嵌合した点であ
る。

【００３６】なお、実施例１，２，３と同一符号の部分
は同一構造を有し、説明は省略する。

【００３７】次に動作，作用について説明すると、炎口
板７と煮零れ防止体１３との間にガタを持たせて固定
し、炎口板７の外周部１８の内側とバーナ本体１の外周
壁部４、筒部１３ａの外側１９と二次空気通路６の内側
部２０を気密に嵌合したので、バーナ本体１上に載置し
たバーナキャップ１７の炎口板７の外周部１８の内側の
気密嵌合部と筒部１３ａの外側１９と二次空気通路６の
内側部２０を気密嵌合部との軸心が多少ズレていても、
ガタによって互いにズレあって、両気密嵌合部は嵌合し
あって、混合室５からの混合気の漏れを防止する。

【００３８】（実施例５）図３は本発明の実施例５にお
けるバーナの部分断面図である。

【００３９】他の実施例と異なる点は、バーナキャップ
１７の炎口板７の上面に凸部２２を設け、煮零れ防止体
１３に炎口板７の凸部２２に対応した位置に凹部２３を
設けて、炎口板７の開口部８に煮零れ防止体１３の筒部
１３ａを挿入して凸部２２に凹部２３を嵌合したもので
ある。

【００４０】なお他の実施例と同一符号の部分は説明を
省略する。

【００４１】次に動作，作用について説明すると、炎口
板７の開口部８に煮零れ防止体１３の筒部１３ａを挿入
して凸部２２に凹部２３を嵌合したので、炎口板７と煮
零れ防止体１３の両者が外力によって回転したりするこ
とのないように固定され、両者間の位置関係は確実に確
保できる。そして、実施例４と同様の燃焼性能の向上、
或いは、煮零れ防止性能の向上等ができる。加えて混合
室からの混合気の漏れを防止することもできる。

【００４２】（実施例６）図４は、本発明の実施例６に
おけるコンロの要部断面図である。

【００４３】図４において、コンロ２４は、天板２５の
コンロ開口部２６に、中央にバーナ開口部２７を設けた
汁受け皿２８を載置し、バーナ開口部２７に実施例１に
示したバーナ本体１を臨ませ、汁受け皿２８の外周近傍
には枠体に被加熱物を載置する爪体２９を設けた五徳３
０を設け、短スリット孔１０群の上部に対応する位置に
五徳３０の爪体２９を配置したものである。

【００４４】なお、他の実施例と同一符号の部分は同一
構造を有し、説明を省略する。

【００４５】次に動作，作用について説明すると、五徳
３０の爪体２９上に鍋などを載置して調理を行う場合、
前述のようにバーナ本体１Ａの燃焼面１２で形成される
火炎は短炎化されており、鍋とバーナ本体１Ａとの距離
を短くしてもＣＯ等が発生しにくく、同時に炎口部１１
の内、短スリット孔１０群の直上に五徳３０の爪体２９
が位置するため、爪体２９が火炎に強くあぶられる事が
ないため、爪体２９が火炎帯の破壊と熱ロスを抑制でき
ることにより、低ＣＯ燃焼と高い熱効率を実現できる。
さらに小燃焼量においては、前述のように保炎性が高く
かつ小量の火炎となるため、低火力で調理する場合に適
した状態を実現できる。したがって、大燃焼量から小燃
焼量まで、高効率かつ安定燃焼が実現でき、調理性能に
優れた調理器を提供することができる。さらに、鍋から
煮零れが発生した場合は、煮零れ防止体１３によって、
直下の炎口部１１内に煮汁が落下する事を防止すること
ができる。

【００４６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、下記の効
果が得られる。

【００４７】すなわち請求項１に記載の発明によれば、
バーナキャップ上端から傾斜面に沿って連続する炎口部
を設けて燃焼面とし、バーナキャップの上部に煮零れ防
止体を設けて炎口部の一部を閉塞したことにより、火炎
全体がほぼ直上向きに発生して熱の集中を促進できるだ
けでなく、低燃焼量の場合でも、煮零れ防止体とバーナ
キャップ上端の間で燃料予混合気の滞留が発生して保炎
性が良好になるため、低燃焼量まで安定燃焼が確保でき
る。

【００４８】また、炎口部は長スリット孔および短スリ
ット孔を一定間隔毎に設けているため、短スリット孔が
保炎口として機能するだけでなく、長スリット孔で形成
される火炎同士の干渉を抑制して火炎を分割し、バーナ
全体としての短炎化を実現できる。また、煮零れ防止体
の外径を燃焼面に比較して同等以上の外径にして、燃焼
面を被覆したことにより、火炎の直上向きの傾向を損な
うことなく、上方からの落下物，煮汁等が炎口部内に侵
入するのを防止することができる。

【００４９】また、請求項２に記載の発明によれば、煮
零れ防止体と炎口板を固定リングを嵌合して、煮零れ防
止体と炎口板を固定したので、煮零れ防止体を剛体で作
り（例えば、鍛造品，押し出し成形品）、炎口板を板金
で作り、両者を合体することで機械的強度の高いバーナ
ができる。また、煮零れ防止体と炎口板を別物で構成し
たことにより、煮零れ防止体と炎口板を別材料で構成す
ることができるために、煮零れ防止体には低温での耐腐
食性能の高い材料、炎口板には、高温での耐腐食性能を
使用することができるので、バーナの煮汁等による腐食
に対する寿命を飛躍的に向上することができる。

【００５０】また、請求項３に記載の発明によれば、前
記請求項２記載の発明に比較して固定リングが不必要に
なるために、廉価にバーナを提供でき、さらには、前記
請求項２記載の発明と同様の燃焼性能の向上、或いは、
煮零れ防止性能の向上等ができる。

【００５１】また、請求項４に記載の発明によれば、炎
口板と煮零れ防止体間にガタを持たせて固定し、炎口板
の外周部の内側とバーナ本体の外周部、煮零れ防止体の
筒部の外側と二次空気通路の内側部を気密に嵌合したの
で、バーナ本体上に載置したバーナキャップの炎口板の
外周部の内側の気密嵌合部と筒部の外側と二次空気通路
の内側部を気密嵌合部との軸心が多少ズレていても、ガ
タによって互いにズレあって、両気密嵌合部は嵌合しあ
って、混合室からの混合気の漏れを防止を実現できる。

【００５２】また、請求項５に記載の発明によれば、炎
口板の開口部に煮零れ防止体の筒部を挿入して凸部に凹
部を嵌合したので、炎口板と煮零れ防止体の両者が外力
によって回転したりすることのないように固定されるた
めに、両者間の位置関係は確実に確保できる。

【００５３】また請求項６に記載の発明によれば、コン
ロ開口部に汁受け皿を配置し、バーナ開口部に請求項１
ないし５のバーナを設け、短スリットの上部に対応する
位置に五徳の爪体を配置したことにより、短炎化により
鍋とバーナとの距離を短くでき、同時に短スリットの直
上に五徳の爪体が位置し、爪体が火炎に強くあぶられる
事が少なく、高い熱効率を実現でき、さらに、鍋から煮
零れが発生した場合は、煮零れ防止体によって、直下の
炎口部内に煮汁が落下する事を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１と２におけるバーナの要部部
分断面図

【図２】同上図面

【図３】本発明の実施例５におけるバーナの部分断面図

【図４】本発明の実施例６におけるコンロの側断面図

【図５】（ａ）従来例のバーナの上面図 （ｂ）同バーナの断面図

【符号の説明】

１ バーナ本体 ３ 内周壁部 ４ 外周壁部 ５ 混合室 ６ 二次空気通路 ７ 炎口板 ７ａ 傾斜面 ８ 開口部 ９ 長スリット孔 １０ 短スリット孔 １１ 炎口部 １２ 燃焼面 １３ 煮零れ防止体 １３ａ 筒部 １４ 上端部 １５ 二次空気上方通路 １６ 下端部 １７ バーナキャップ １８ 外周部 １９ 外側 ２０ 内側部 ２１ 固定リング ２２ 凸部 ２３ 凹部 ２４ コンロ ２５ 天板 ２６ コンロ開口部 ２７ バーナ開口部 ２８ 汁受け皿 ２９ 爪体 ３０ 五徳

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後梶谷 嘉之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 島田 良治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 麻生 智倫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 3K017 AA01 AA06 AB04 AB05 AC02 AC03

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料予混合ガスの混合室を形成したバー
   ナ本体の前記混合室を貫通する二次空気通路を設け、こ
   のバーナ本体上に載置した炎口板と筒部を有する煮零れ
   防止体を有するバーナキャップを具備し、前記バーナキ
   ャップの側面を上端から下端にかけて外周方向に傾斜さ
   せた傾斜面で形成し、前記バーナキャップの前記傾斜面
   に長スリット孔および短スリット孔を一定間隔毎に設け
   て炎口とした炎口部を設けて燃焼面とし、前記バーナキ
   ャップの前記炎口板の開口部に前記燃焼面に比較して外
   径を同等、もしくは、大きくした前記煮零れ防止体の筒
   部を挿入し、前記炎口板の外周部の内側と前記バーナ本
   体の外周壁部、前記煮零防止体の筒部の外側と前記二次
   空気通路の内側部とを夫々気密に嵌合したバーナ。
2. 【請求項２】 燃料予混合ガスの混合室を形成したバー
   ナ本体の前記混合室を貫通する二次空気下方通路を設
   け、このバーナ本体上に載置した炎口板と筒部を有する
   煮零れ防止体及び固定リングとを有するバーナキャップ
   を具備し、前記バーナキャップの側面を上端から下端に
   かけて外周方向に傾斜させた傾斜面で形成し、前記バー
   ナキャップの前記傾斜面に長スリット孔および短スリッ
   ト孔を一定間隔毎に設けて炎口とした炎口部を設けて燃
   焼面とし、前記バーナキャップの前記炎口板の開口部に
   前記燃焼面に比較して外径を同等、もしくは、大きくし
   た前記煮零れ防止体の筒部を挿入し、前記開口部近傍に
   固定リングを嵌合して炎口板と煮零れ防止体を固定し、
   前記炎口板の外周部の内側と前記バーナ本体の外周壁
   部、前記煮零防止体の筒部の外側と前記二次空気通路の
   内側部を気密に嵌合したバーナ。
3. 【請求項３】 燃料予混合ガスの混合室を形成したバー
   ナ本体の前記混合室を貫通する二次空気下方通路を設
   け、このバーナ本体上に載置した炎口板と筒部を有する
   煮零れ防止体を有するバーナキャップを具備し、前記バ
   ーナキャップの側面を上端から下端にかけて外周方向に
   傾斜させた傾斜面で形成し、前記バーナキャップの前記
   傾斜面に長スリット孔および短スリット孔を一定間隔毎
   に設けて炎口とした炎口部を設けて燃焼面とし、前記バ
   ーナキャップの前記炎口板の開口部に前記燃焼面に比較
   して外径を同等、もしくは、大きくした前記煮零れ防止
   体の筒部を圧設挿入して嵌合し、炎口板と煮零れ防止体
   を固定したバーナ。
4. 【請求項４】 燃料予混合ガスの混合室を形成したバー
   ナ本体の前記混合室を貫通する二次空気通路を設け、こ
   のバーナ本体上に載置した炎口板と筒部を有する煮零れ
   防止体を有するバーナキャップを具備し、前記バーナキ
   ャップの側面を上端から下端にかけて外周方向に傾斜さ
   せた傾斜面で形成し、前記バーナキャップの前記傾斜面
   に長スリット孔および短スリット孔を一定間隔毎に設け
   て炎口とした炎口部を設けて燃焼面とし、前記バーナキ
   ャップの前記炎口板の開口部に前記燃焼面に比較して外
   径を同等、もしくは、大きくした前記煮零れ防止体の筒
   部を挿入し、前記炎口板と煮零れ防止体間にガタを持た
   せて固定し、前記炎口板の外周部の内側と前記バーナ本
   体の外周壁部、前記煮零防止体の筒部の外側と前記二次
   空気通路の内側部を気密に嵌合したバーナ。
5. 【請求項５】 燃料予混合ガスの混合室を形成したバー
   ナ本体の前記混合室を貫通する二次空気下方通路を設
   け、このバーナ本体上に載置した炎口板と筒部を有する
   煮零れ防止体を有するバーナキャップを具備し、前記バ
   ーナキャップの側面を上端から下端にかけて外周方向に
   傾斜させた傾斜面で形成し、前記バーナキャップの前記
   傾斜面に長スリット孔および短スリット孔を一定間隔毎
   に設けて炎口とした炎口部を設けて燃焼面とし、前記バ
   ーナキャップの前記炎口板の上面に凸部を設け、前記煮
   零れ防止体に前記凸部に対応した位置に凹部を設けて、
   前記開口部に前記煮零れ防止体の筒部を挿入して前記凸
   部に前記凹部を嵌合した請求項１〜４のいずれか１項記
   載のバーナ。
6. 【請求項６】 コンロ開口部を有する天板と、バーナ開
   口部を有し前記コンロ開口部に設けた汁受け皿と、前記
   汁受け皿の上方に設けた五徳と、前記バーナ開口部に設
   けた請求項１ないし５のいずれかに記載のバーナとを備
   え、前記バーナの短スリットの上部に対応する位置に前
   記五徳の爪体を配設したコンロ。