JP2000257774A - 管継ぎ手及び給湯連結構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異径管の連結を容易にした管継ぎ手を提供
し、この管継ぎ手を用いて接続の信頼性を高め、連結作
業の容易化を実現した給湯連結構造を提供する。 【解決手段】 ゴム等の可撓性材料で形成された継ぎ手
本体（２）に径大連結部（４）、径小連結部（５）及び
連通部（７）を備えて異径管（径大管３４、径小管３
６）の連結を行う管継ぎ手を提供するとともに、この管
継ぎ手を用いて径大管からなる浴槽側パイプ（循環パイ
プ６０、６２）と、径小管からなる給湯側パイプ（循環
パイプ７６、７８）とを連通させたので、異径管の連結
の容易化、接続の信頼性の向上、連結作業の簡略化を実
現している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、径が異なる配管等
の連結を行う管継ぎ手及びこの管継ぎ手を用いた給湯連
結構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動風呂釜は、浴槽と給湯・追焚き装置
とを管路で連結し、浴槽に給湯を行い、又は、浴槽内の
湯水を追焚きする給湯・追焚きシステムである。従来、
浴槽側には太い循環パイプ、給湯・追焚き装置側には細
い循環パイプが使用される。給湯・追焚き装置側のパイ
プを細くするのは循環ポンプによる圧送力を高め、浴槽
側に適当な水圧を持つ湯を急送し、浴槽内の湯水の攪拌
等に供するためである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
給湯・追焚き装置側の細い循環パイプと浴槽側の太い循
環パイプとを連結するには、異なる径を持つ連結手段が
必要となる。従来、径の異なる金属管を溶接等によって
結合した金具にそれぞれのパイプを接続する手法が取ら
れてきた。

【０００４】しかしながら、異径の金属パイプを使用し
た場合には、浴槽と給湯・追焚き装置との間隔が狭いと
きには両者の連結作業が厄介であり、しかも、可撓性の
無い又は低いパイプ間の接続にはナットやゴムスリーブ
等を使用し、複数の接続箇所の水密性を高める等、高度
な水漏れ対策が要求される。

【０００５】そこで、本発明は、異径管の連結を容易に
した管継ぎ手を提供することを第１の目的とし、この管
継ぎ手を用いて接続の信頼性を高め、連結作業の容易化
を実現した給湯連結構造を提供することを第２の目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、ゴム等の可撓
性材料で形成された継ぎ手本体（２）に径大連結部
（４）、径小連結部（５）及び連通部（７）を備えて異
径管（径大管３４、径小管３６）の連結を行う管継ぎ手
を提供するとともに、この管継ぎ手を用いて径大管から
なる浴槽側パイプ（循環パイプ６０、６２）と、径小管
からなる給湯側パイプ（循環パイプ７６、７８）とを連
通させたので、異径管の連結の容易化、接続の信頼性の
向上、連結作業の簡略化を実現している。

【０００７】本発明の管継ぎ手は、可撓性材料で形成さ
れた継ぎ手本体（２）と、この継ぎ手本体と一体に形成
されて径大管（３４）が挿入されて連結される径大連結
部（４）と、前記継ぎ手本体と一体に前記径大連結部と
は別の位置に形成されて径小管（３６）が挿入されて連
結される径小連結部（５）と、この径小連結部と前記径
大連結部との間を前記継ぎ手本体内で通じさせる連通部
（７）とを備えたことを特徴とする。

【０００８】このような構成としたことにより、継ぎ手
本体に可撓性を有する径大連結部と径小連結部とが位置
を異にして形成され、接続すべき異径管の位置に対応し
た連結を容易に行うことができる。しかも、径大連結部
及び径小連結部は、継ぎ手本体と同様にゴム等の可撓性
材料で形成されているので、連結すべき異径管の接続部
分に密着させることができ、連結の気密性や水密性を高
め、接続の信頼性の向上に寄与することができる。

【０００９】また、本発明の管継ぎ手は、前記径小連結
部に継ぎ手部（２４）を取り付け、この継ぎ手部に前記
径小管を連結させたことを特徴とする。即ち、接続すべ
き径小管の形態は任意であり、例えば、径小管側にねじ
部が形成されている場合には、径小連結部に接続治具と
しての継ぎ手部を取り付け、この継ぎ手部に径小管を連
結して径大管との連結を行うことができる。このような
形態を取ることにより、連結構造の簡略化、連結作業の
容易化を図ることができる。

【００１０】そして、本発明の給湯連結構造は、浴槽
（５２）側に固定された浴槽側パイプ（循環パイプ６
０、６２）と、前記浴槽に給湯し又は浴槽側からの湯を
循環させて加熱する給湯・追焚き手段（給湯・追焚き装
置５８）から引き出されて前記浴槽側パイプより径小な
給湯側パイプ（循環パイプ７６、７８）と、可撓性材料
で形成された継ぎ手本体（２）に一体に径大連結部
（４）及び径小連結部（５）が形成され、前記径大連結
部に前記浴槽側パイプ、前記径小連結部に前記給湯側パ
イプがそれぞれ連結されて前記浴槽側パイプと前記給湯
側パイプとを連通させた可撓性を有する管継ぎ手（８
０）とを備えたことを特徴とする。

【００１１】このような給湯連結構造では、浴槽と給湯
・追焚き手段との隙間が小さい場合にも可撓性を有する
管継ぎ手を以て容易に給湯側パイプと浴槽側パイプとを
連結することができ、両者の位置ずれに対応することが
でき、連結構造の簡略化とともに連結作業の容易化、迅
速化が実現できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
の形態を参照して詳細に説明する。

【００１３】図１ないし図４は、本発明の管継ぎ手の一
実施形態を示し、図１はその斜視図、図２はその正面
図、図３は連結形態を示す側面図、図４は連結形態を示
す縦断面図である。

【００１４】この管継ぎ手には、中空に形成された継ぎ
手本体２が形成され、この継ぎ手本体２には径大連結部
４、径小連結部５が直交方向に形成されており、継ぎ手
本体２、径大連結部４及び径小連結部５は、ゴム等の可
撓性材料で一体に成形加工されたものであって、径大連
結部４及び径小連結部５は継ぎ手本体２内の連通部７を
以て通じている。

【００１５】継ぎ手本体２には、径大連結部４の後部側
を閉じる半球形状の閉塞部６が形成されている。また、
径大連結部４の周面部には緊締手段である締付けバンド
を取り付けるためのフラット部８が形成され、このフラ
ット部８を仕切るとともに締付けバンドの脱落を防止す
るためのリブ１０、１２が全周に亘って形成されてい
る。径大連結部４の開口部には連結すべき径大管の挿入
を容易にするためのテーパ面１３が形成されている。

【００１６】また、継ぎ手本体２の閉塞部６側の内面部
には、内部容積を確保しながら、可撓性材料で形成され
たことによる強度を補強するため、複数のリブ１５が形
成され、この実施形態では、半球形を成す閉塞部６の中
心から９０度の角度間隔を以て放射状に形成されてい
る。

【００１７】径小連結部５及び継ぎ手本体２の外面部に
は、両者間の強度を増強するための複数のリブ１４が９
０度間隔で形成されている。径小連結部５の周面部に
は、緊締手段である締付けバンド１６を取り付けるため
のフラット部１８が形成され、このフラット部１８を仕
切るとともに締付けバンド１６の脱落を防止するための
リブ２０、２２が全周に亘って形成されている。

【００１８】この実施形態では、径小連結部５に径小管
又は連結治具としての継ぎ手部２４が取り付けられてお
り、この継ぎ手部２４にはスパナと係合させる六角形状
を成す操作部２６とともにねじ部２８が形成されてい
る。

【００１９】この径小連結部５の周面部に取り付けられ
た締付けバンド１６は、径小連結部５の周面に沿って湾
曲したＵ字形のワイヤで形成されており、その終端部を
ボルト２９に係合するナット３０に係合させ、その中間
部をボルト２９の端部側に懸け回し、円形のストッパ３
２によって係止させたものである。即ち、ボルト２９を
ドライバ等で回転させてナット３０とストッパ３２との
間を拡開させることにより緊締力が得られ、ナット３０
とストッパ３２との間を縮小させることで緊締力を解除
することが可能である。

【００２０】そして、図３及び図４に示すように、径大
連結部４には径大管３４が挿入されて固定されている。
即ち、フラット部８の周面部には締付けバンド４０が取
り付けられており、この締付けバンド４０は締付けバン
ド１６と同様に径大連結部４の周面に沿って湾曲したＵ
字形のワイヤで形成されており、その終端部をボルト４
２に係合するナット４３に係合させ、その中間部をボル
ト４２の端部側に懸け回し、円形のストッパによって係
止させたものである。

【００２１】径小連結部５には治具ないし径小管として
の継ぎ手部２４が挿入されて固定され、継ぎ手部２４に
は径小管３６の端部に形成されたフランジ部３７と継ぎ
手部２８との間にパッキン３９を挟み込んで袋ナット３
８を以て固定されている。したがって、径大管３４と径
小管３６とが継ぎ手本体２及び継ぎ手部２４を以て連結
され、両者間は連通部７を以て連通され、水等の流体を
通流させることができる。

【００２２】また、径大管３４と径小管３６との間に位
置ずれが生じている場合には、継ぎ手本体２、径大連結
部４及び径小連結部５が可撓性材料で形成されているの
で、素材が持つ柔軟性でその位置ずれに対応することが
可能である。その場合、リブ１４は径大連結部４と径小
連結部５との間の機械的な強度を補強することができ、
従来使用されていた金属パイプと同等の信頼性を維持す
ることができる。

【００２３】そして、径大管３４と径小管３６との連結
の結果、閉塞部６の内部には高い内圧が作用する場合が
予想されるが、閉塞部６の内部に形成されたリブ１５が
閉塞部６の肉厚を補完し、内圧上昇に伴う強度低下等の
不都合を防止できる。

【００２４】次に、図５は、本発明の給湯連結構造の一
実施形態を示している。

【００２５】家屋５０の内部には浴槽５２が設置されて
いるとともに、家屋５０の外部には給湯・追焚き装置５
８が設置されている。家屋５０の壁部５４には開口５６
が形成され、浴槽５２の内部に開口させた浴槽側パイプ
としての循環パイプ６０、６２が家屋５０の外部に引き
出されている。

【００２６】また、給湯・追焚き装置５８は、家屋５０
の壁部５４との間に間隔を設けて基台６４上に固定、設
置されており、６６は水パイプ、６８は給湯パイプ、７
０はガス管である。そして、この給湯・追焚き装置５８
の壁面部には給湯側連結部７２、７４が形成され、これ
ら給湯側連結部７２、７４には給湯側パイプとしての循
環パイプ７６、７８が連結されている。循環パイプ７
６、７８はＵ字形に屈曲させて循環パイプ６０、６２側
に臨ませられている。循環パイプ６０、６２は径大管
（３４）、循環パイプ７６、７８は径小管（３６）であ
る。

【００２７】そこで、これら循環パイプ６０と循環パイ
プ７８、循環パイプ６２と循環パイプ７６とはそれぞれ
可撓性材料で形成された管継ぎ手８０（図１ないし図
４）を以て連結され、その径大連結部４には径大管であ
る循環パイプ６０、６２、径小連結部５には径小管であ
る循環パイプ７６、７８がそれぞれ連結され、給湯連結
構造が実現されている。このように管継ぎ手８０を用い
た給湯連結構造は、従来の金属連結具を用いた連結構造
に比較して簡略化されており、その連結作業の容易化を
図ることができる。

【００２８】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。

【００２９】管継ぎ手の形成材料にゴムを用いた場合に
ついて説明したが、可撓性材料であればどのようなもの
でもよく、適当な弾性、伸縮性を持ち、水密性、気密性
がある合成樹脂その他の材料を用いてもよい。

【００３０】径小連結部側に連結治具としての継ぎ手部
を取り付けた例を示したが、径小連結部に径小管を直接
連結してもよく、また、径大管側にねじ部がある場合に
は径大連結部側に継ぎ手部を取り付けて対応することが
可能である。

【００３１】径小連結部と径大連結部とを直交方向に形
成したが、両者は直交方向に形成する必要はなく、両者
の成す角度は鋭角又は鈍角でもよく、任意である。

【００３２】また、径小連結部及び径大連結部は、それ
ぞれ単一の場合について説明したが、２以上でもよく、
３以上の異径としてもよい。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果が得られる。 ａ．異径管の連結を容易に行うことができ、連結構造の
簡略化とともに連結作業の容易化を図ることができ、連
結部の信頼性を高めることができる。 ｂ．径小管側の接続に継ぎ手部を介在させ、連結構造を
補完することができるので、ねじ部を有する径小管側の
形態に即座に対応することができる。 ｃ．浴槽と給湯・追焚き手段との異径管の連結構造を簡
略化でき、両者の隙間が小さい場合にも可撓性を有する
管継ぎ手を以て容易に給湯側パイプと浴槽側パイプとを
連結することができ、両者の位置ずれに対応することが
でき、連結構造の簡略化とともに連結作業の容易化、迅
速化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の管継ぎ手の一実施形態を示す斜視図で
ある。

【図２】本発明の管継ぎ手の一実施形態を示す正面図で
ある。

【図３】本発明の管継ぎ手の一実施形態を示す側面図で
ある。

【図４】本発明の管継ぎ手の一実施形態を示す縦断面図
である。

【図５】本発明の給湯連結構造を示す図である。

【符号の説明】

２ 継ぎ手本体 ４ 径大連結部 ５ 径小連結部 ７ 連通部 ２４ 継ぎ手部 ３４ 径大管 ３６ 径小管 ５２ 浴槽 ５８ 給湯・追焚き装置（給湯・追焚き手段） ６０、６２ 循環パイプ（浴槽側パイプ） ７６、７８ 循環パイプ（給湯側パイプ） ８０ 管継ぎ手

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１１年３月８日（１９９９．３．８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図５

【補正方法】変更

【補正内容】

【図５】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 勝也 大阪府大阪市中央区平野町四丁目１番２号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 稲垣 修司 静岡県富士市西柏原新田201番地 高木産 業株式会社内 Ｆターム(参考） 3H016 DA03 3H019 EA11 3L037 DA02 DB08 DC02

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性材料で形成された継ぎ手本体と、 この継ぎ手本体と一体に形成されて径大管が挿入されて
   連結される径大連結部と、 前記継ぎ手本体と一体に前記径大連結部とは別の位置に
   形成されて径小管が挿入されて連結される径小連結部
   と、 この径小連結部と前記径大連結部との間を前記継ぎ手本
   体内で通じさせる連通部と、 を備えたことを特徴とする管継ぎ手。
2. 【請求項２】 前記径小連結部に継ぎ手部を取り付け、
   この継ぎ手部に前記径小管を連結させたことを特徴とす
   る請求項１記載の管継ぎ手。
3. 【請求項３】 浴槽側に固定された浴槽側パイプと、 前記浴槽に給湯し又は浴槽側からの湯を循環させて加熱
   する給湯・追焚き手段から引き出されて前記浴槽側パイ
   プより径小な給湯側パイプと、 可撓性材料で形成された継ぎ手本体に一体に径大連結部
   及び径小連結部が形成され、前記径大連結部に前記浴槽
   側パイプ、前記径小連結部に前記給湯側パイプがそれぞ
   れ連結されて前記浴槽側パイプと前記給湯側パイプとを
   連通させた可撓性を有する管継ぎ手と、 を備えたことを特徴とする給湯連結構造。