JP2000257760A - ホース - Google Patents

ホース

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JP2000257760A
JP2000257760A JP11061637A JP6163799A JP2000257760A JP 2000257760 A JP2000257760 A JP 2000257760A JP 11061637 A JP11061637 A JP 11061637A JP 6163799 A JP6163799 A JP 6163799A JP 2000257760 A JP2000257760 A JP 2000257760A
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JP
Japan
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weight
polyester elastomer
hose
melting point
vicat softening
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Pending
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JP11061637A
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English (en)
Inventor
Koji Kobayashi
幸治 小林
Nobuhiro Ide
伸弘 井出
Shoichi Gyobu
祥一 形舞
Seiji Nakayama
誠治 中山
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のポリアミドエラストマーやポリウレタン
エラストマーを代替することができ、柔軟で且つ、耐熱
性、耐水性、耐熱老化性が優れたポリエステルエラスト
マーからなる耐熱性・耐熱老化性に優れたホースを提供
する。 【解決手段】ホースを構成する管において、実質的にハ
ードセグメントを構成する重量%と、結晶融点およびビ
カット軟化温度が特定の関係にある熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物を使用したホースに関し、120℃以上の高
温領域まで良好な耐熱老化性、柔軟性に優れる特定の構
造を有するポリエステルエラストマーを少なくとも一種
以上用いたホースに関する。
【0002】
【従来の技術】内管、補強層及び外管などからなる管状
に積層してなるホース・チューブや単層からなる管状の
ホース・チューブなどは公知である。これらの内管、外
管又は、単層を加硫ゴムや樹脂で構成し、補強層は繊
維、スチール又はステンレスなどの鋼線をブレード状又
はそれらをスパイラル状に編組し、必要に応じてゴム引
きなどの接着処理を施したものなどが用いられている。
しかしながら、内外管にゴムを使用した場合には、加硫
工程が必要になり製造工程が煩雑となる。また、熱可塑
性樹脂を用いた場合には、柔軟性に乏しく、樹脂によっ
ては融点が低く耐熱性が劣る問題があった。かかる問題
を解決する提案として、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂などの熱可塑性樹脂中に加硫ゴムを分散させた熱可塑
性エラストマーを用いたホース(特開平6−64102
公報)や、ポリアミドエラストマーやポリエステルエラ
ストマー内管/補強材/ウレタンエラストマー外観から
なる油圧配管用ホースなどが知られている。
【0003】しかしながら、従来のポリエステルエラス
トマーでは耐水性、耐熱老化性が乏しく、表面硬度60
A〜60Dの硬さのポリエステルエラストマーでは、高
温の油・薬品による膨潤や劣化が著しい。ポリアミドエ
ラストマーでは、柔軟性が乏しく、高温の油・薬品では
膨潤が著しく、ポリウレタンエラストマーの場合には、
油による膨潤は他のエラストマーと比較してやや低いも
のの、軟化温度が低く、従来の熱可塑性エラストマーで
は、近年の市場の要求を満足することが出来ない問題が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、柔軟で且
つ、耐熱性、耐水性、耐熱老化性が優れたポリエステル
エラストマーからなる耐熱性・耐熱老化性に優れたホー
スを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはポリエステ
ルエラストマーにおいて、特定のハードセグメント及び
複数の特定のソフトセグメントを用いることで、上記課
題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに到
った。すなわち本発明は、結晶融点(y℃)が下記数式
(1)を満たし、ビカット軟化温度(z℃)が下記数式
(2)を満たし、且つ引張伸度が100%以上であるこ
とを特徴とする熱可塑性ポリエステルエラストマーを用
いたホースである。 結晶融点 :y≧200+0.5x (1) ビカット軟化温度:z≧50+1.5x (2) (ここでxは前記熱可塑性ポリエステルエラストマーに
おいて実質的なハードセグメントの含有率を重量%にて
表示した数値であり、結晶融点はDSCにより室温から
20℃/分で昇温し測定した値で、ビカット軟化温度は
ASTM D1525に基づいて測定した値である。ま
た切断時伸びはJIS K6251に基づいて測定した
値である。) 好ましい実施態様としては、前記xが30〜95の範囲
内であり、下記一般式(1)〜(4)で示される繰り返
し単位から構成され、還元粘度が0.5〜4.0である
熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いたホースであ
る。
【0006】
【化5】
【0007】
【化6】
【0008】
【化7】
【0009】
【化8】 (式中Rは炭素数6〜18の芳香族基、Gは分子量40
0〜6000のポリオキシアルキレン基、Dは水添ダイ
マージオール及び/又はその誘導体残基、R’は炭素数
1〜25のアルキレン基を示す。またa、b、cはそれ
ぞれ全ポリマー中の各繰り返し単位が占める重量%を、
dは全ポリマー中のモル%を示し、aは30〜95重量
%、bとcとの和に対するbの割合は0.01〜0.9
9、dは0〜20モル%である。) また、上記のハードセグメントを構成する重量%と、結
晶融点の関係は好ましくは、y≧200+0.55xで
あり、より好ましくはy≧200+0.6xである。ま
た上記のハードセグメントを構成する重量%と、ビカッ
ト軟化点の関係はは、好ましくはz≧50+1.7xで
あり、より好ましくはz≧70+1.7xである。この
上記数式(1)(2)を満足しない場合は、耐熱性が充
分でなく耐熱性が要求される用途に用いることが困難で
ある。また、yとzの上限値は、ハードセグメントを構
成する成分だけで高重合体を形成した場合の結晶融点と
ビカット軟化点の数値部分である。引張伸度が100%
以上を満たす為には、yは300以下が好ましく、zは
250以下が好ましい。またビカット軟化温度はAST
M D1525により測定するが、サンプルの形状によ
っては、溶融成形し測定サンプルを作成し測定する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明で用いられる熱可塑性エラストマーにおい
て、前記数式(1)と(2)を満たすために前記一般式
(1)〜(4)で示される繰り返し単位を構成する酸成
分は、芳香族ジカルボン酸を主体とし、具体的にはテレ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカル
ボン酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸より選ばれる一種もしくは二種以上の組み合わせを
用いることが好ましく、特にテレフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸より選ばれる一種もしくは二種の組み合わ
せを用いることが好ましい。芳香族ジカルボン酸は好ま
しくは全酸成分の70モル%以上、より好ましくは80
モル%以上である。その他の酸成分としては、脂環族ジ
カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸が用いられ、脂環族ジ
カルボン酸としてはシクロヘキサンジカルボン酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。脂肪族ジカル
ボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー
酸、水添ダイマー酸などが挙げられる。これらは樹脂の
融点を大きく低下させない範囲で用いられ、その量は好
ましくは全酸成分の30モル%未満、より好ましくは2
0モル%未満である。
【0011】前記一般式(1)で示される繰り返し単位
(以下エステル単位(1)という)を構成するグリコー
ル成分はシクロヘキサンジメタノールシクロヘキサンジ
メタノールである。1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルにはシス体及びトランス体の二種類の異性体が存在す
るが、トランス体の割合が多い方が好ましい。エステル
単位(1)は全ポリマー中、30〜95重量%、好まし
くは40〜90重量%、特に50〜85重量%が望まし
い。なお該値は数式(1)におけるxの値であり、また
一般式(1)におけるaの値である。95重量%を越え
ると柔軟性に劣り、弾性性能を有するエラストマーが得
られ難く、また30重量%未満では融点が低下し、耐熱
性に劣るようになるので好ましくない。
【0012】前記一般式(2)で示される繰り返し単位
(以下エステル単位(2)という)を構成するグリコー
ル成分は、特に限定しないが、例えばポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール、またはそれらの誘導体である両末端エチ
レンオキサイド付加物が望ましい。ポリアルキレングリ
コールの分子量としては400〜6000、好ましくは
800〜3000、特に1000〜2000が望まし
い。分子量が400未満では弾性性能が不充分であり、
また得られるエラストマーのブロック性が低下する、つ
まりエラストマーのハードセグメントが結晶性を示すの
に充分な長さのセグメントが得られないため、ポリマー
の融点や軟化温度が低下する。また分子量が6000を
越えると相分離しやすくなり、重合する際に他の共重合
成分との相溶性がわるくなり、共重合が困難となり、こ
れも弾性性能が不充分となる原因ともなるので好ましく
ない。
【0013】前記一般式(3)で示される繰り返し単位
(以下エステル単位(3)という)を構成するグリコー
ル成分である水添ダイマージオールとは、もちろんその
製法はこれに限定はしないが、例えば不飽和脂肪酸(炭
素数15〜21)の二量体であるダイマー酸を水素化し
て得られる下記一般式(5)で示される化合物を主成分
(50重量%以上)とする化合物、あるいは下記一般式
(5)で示される化合物と下記一般式(6)で示される
化合物との混合物のことである。
【0014】
【化9】 (前記式中R1、R2、R3、R4は実質的に不飽和基を含
まず、また実質的に直鎖状であり、そのうちR1、R2
アルキル基、R3,R4はアルキレン基であり、R 1〜R4
の炭素数の総和は22〜34である。)
【0015】
【化10】 (前記式中R5、R6、R7、R8は実質的に不飽和基を含
まず、また実質的に直鎖状であり、そのうちR5、R6
アルキル基、R7、R8はアルキレン基であり、R 5〜R8
の炭素数の総和は25〜37である。)
【0016】なお水添ダイマージオール誘導体とは、実
質的に水添ダイマージオールから誘導されるジオール化
合物であり、具体的には水添ダイマージオールのエチレ
ンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物な
どが挙げられる。オキサイド化合物の付加は、水添ダイ
マージオールの両末端でも片末端のみでもよい。また付
加するオキサイド化合物のモル数は、水添ダイマージオ
ールと等モルないし20倍のモル数が好ましい。
【0017】前記一般式(4)で示される繰り返し単位
(以下エステル単位(4)という)を構成するグリコー
ル成分としては、炭素数が1〜25のアルキレングリコ
ールを用いることができる。例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジメチロールヘプタン、ジメチロールペンタン、ト
リシクロデカンジメタノール、ビスフェノールXのエチ
レンオキサイド誘導体(XはA、S、F)などである。
これらのグリコールは各種特性のバランスにより適切な
組み合わせで用いられるが、シクロヘキサンジメタノー
ルと芳香族カルボン酸からなるエステル単位(1)の結
晶性を妨げないことが前提であるため、これらのグリコ
ールの共重合量は全グリコール成分に対して、20モル
%以下であることが望ましい。
【0018】前記エステル単位(2)とエステル単位
(3)の割合は、各種バランスにより適切な組み合わせ
で用いられるため特に限定はしないが、エステル単位
(2)とエステル単位(3)との重量和に対するエステ
ル単位(2)の割合は0.01〜0.99、好ましくは
0.05〜0.95、特に0.1〜0.9が望ましい。
0.01よりも少ないとエラストマーとしての弾性性能
に欠け、0.99よりも多いとハードセグメントとの相
溶性に欠け、これもエラストマーとしての弾性性能に欠
けるようになるので好ましくない。
【0019】本発明熱可塑性ポリエステルエラストマー
において、少量に限って三官能以上のポリカルボン酸や
ポリオール成分を含むこともできる。例えば無水トリメ
リット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメチ
ルプロパン、グリセリン、無水ピロメリット酸などを3
モル%以下使用できる。
【0020】次に本発明熱可塑性ポリエステルエラスト
マーを得る方法としては、公知の任意の方法を採用する
ことができる。例えば、溶融重合法、溶液重合法、固相
重合法などいずれも適宜用いられる。溶融重合法の場
合、エステル交換法でも直接重合法であってもよい。樹
脂の粘度を向上させるため、溶融重合後に固相重合を行
うことはもちろん望ましいことである。反応に用いる触
媒としては、アンチモン触媒、ゲルマニウム触媒、チタ
ン触媒が良好である。特にチタン触媒は、詳しくはテト
ラブチルチタネート、テトラメチルチタネートなどのテ
トラアルキルチタネート、シュウ酸チタンカリなどのシ
ュウ酸金属塩などが好ましい。またその他の触媒として
は公知の触媒であれば特に限定はしないが、ジブチルス
ズオキサイド、ジブチルスズジラウリレートなどのスズ
化合物、酢酸鉛などの鉛化合物が挙げられる。
【0021】また得られたポリエステルエラストマーに
は公知のヒンダードフェノール系、硫黄系、燐系、アミ
ン系などの酸化防止剤、ヒンダートアミン系、トリアゾ
ール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル
系、サリチル系などの光安定剤、帯電防止剤、滑剤、過
酸化物などの分子調整剤、エポキシ系化合物、イソシア
ネート系化合物、カルボジイミド系化合物などの反応基
を有する化合物、金属不活性剤、有機及び無機系の核
剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、ガラス繊
維、カーボン繊維シリカ繊維、アルミナ繊維などの無機
質繊維状物質、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、
ガラスビーズ、ガラス粉、ケイ酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、クレー、珪藻土、ウォラストナイトの如き
ケイ酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナの
如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸バリウムの如
き金属の炭酸塩、その他の各種金属粉などの紛粒状充填
剤、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属粉末などの板
状充填剤、難燃剤、難燃助剤、有機及び無機系の顔料な
どを添加することができる。
【0022】これらの添加物の配合方法としては、加熱
ロール、押出機、バンバリミキサー等の混練機を用いて
配合することができる。また、熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー樹脂組成物を製造する際のエステル交換反応
の前又は重縮合反応前のオリゴマー中に、添加及び混合
することができる。
【0023】本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエ
ラストマーの還元粘度は、好ましくは0.5〜4.0、
より好ましくは0.5〜3.0である。還元粘度が0.
5未満だと機械特性に劣り、4.0を越えると成形性に
劣るので好ましくない。なお、本発明熱可塑性ポリエス
テルエラストマー組成物の融点の下限は特に限定ない
が、一般的には150℃以上が好ましい。耐熱性を必要
とする用途には、200℃以上が好ましいが、特に耐熱
性を必要とする用途には、230℃以上が好ましい。と
ころで、Adv.Chem..Ser.,176,12
9(1979).によると、ポリシクロヘキサンジメチ
レンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールの
みからなるポリエステルエラストマーでは、ポリシクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレートを50重量%以上含
有すると相分離し、エラストマーとしての弾性性能は発
現しないと記載されている。しかしながら、驚くべきこ
とに、本発明では、ソフトセグメントをポリアルキレン
グリコールのみから、ポリアルキレングリコール及び水
添ダイマージオール及び/又はその誘導体の併用系に変
えることで、50重量%以上のハードセグメント量にお
いても、充分な弾性性能を発現することが本発明者など
により見いだされた。この理由は定かでないが、シクロ
ヘキサン骨格を有する水添ダイマージオール及び/又は
その誘導体がポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ートとポリアルキレングリコールの相溶化剤として働い
ているために、両者の相溶性が改善されていると推定さ
れる。
【0024】上記記載のポリエステルエラストマー組成
物は、本発明のホースにおいて、内管、外管又は単層の
いずれで用いても特に問題はなく、ポリオレフィン系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂などと上記記
載のポリエステルエラストマー組成物の組合せを任意に
選ぶこともできる。本発明の硬さの異なったポリエステ
ルエラストマー同士を内管、外管と用いても良い。これ
らの内管と外管の接着性改良にアロイ材やイソシアネー
ト系、フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン系
などの接着剤を用いても問題はない。また、ホースの寸
法精度を厳密とする場合は、マンドレルを使用してもよ
く、使用しなくても特に限定されない。
【0025】本発明のホースにおいては、その補強材の
有無は特に限定されない。補強剤としては、ブレード状
で形成されたものでもスパイラル状で形成されたもので
もいずれでもよく、用いる材料は糸でもワイヤでもよ
い。補強糸としては、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ポ
リエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維
などで製造された糸が例示される。補強ワイヤとして
は、硬鋼線が例示され、さらに具体的には防錆および接
着性付与のため真鍮や亜鉛などのメッキを施した鋼線が
挙げられる。これらの補強材に接着性を改良する目的
で、接着剤も用いても特に問題はなく、接着剤としてイ
ソシアネート系、フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、
ウレタン系などの接着剤を挙げることができる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。なお、これらの実施例において各測定項目は、以
下の方法に従った。また得られたポリマー中のポリシク
ロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリテトラメチ
レングリコールなどの重量%はプロトンNMRによって
測定した値である。 還元粘度:ポリマー0.05gを25mlの混合溶媒
(フェノール/テトラクロロエタン=60/40(wt
/wt))に溶かして、オストワルド粘度計を用いて3
0℃で測定した。 結晶融点:結晶融点はDSCにて室温から20℃/分で
昇温し測定した。 曲げ弾性率:ASTM D790により測定した。 引張強さ、切断時伸び:JIS K6251により測
定した。 ビカット軟化温度:ASTM D1525により測定
した。 熱変形:200mm長のホースを220℃のギアー式
老化試験機で10分間加熱処理を行い、その後取り出
し、亀裂や破断の有無を観察した。 耐水性:200mm長のホースを100℃の沸水に2
0日間浸漬させ、その後取り出し直径80mmの曲げ試
験を行い、亀裂や破断の有無を観察した。 耐熱老化性:200mm長のホースを150℃のギア
ー式老化試験機で30日加熱処理を行い、老化試験を行
った。その後取り出し直径80mmの曲げ試験を行い、
亀裂や破断の有無を観察した。
【0027】ポリエステル合成例1 ジメチルテレフタレート460重量部、シクロヘキサン
ジメタノール460重量部、水添ダイマージオール(東
亞合成社製;HP1000)50重量部、ポリテトラメ
チレングリコール(分子量1000)300重量部、G
A−80(住友化学工業(株)製)2重量部、テトラブ
チルチタネート0.9重量部を仕込み、室温から260
℃まで2時間かけて昇温し、その後260℃で1時間加
熱しエステル交換反応を行った。次いで缶内を徐々に減
圧にすると共に昇温し、45分かけて275℃、1to
rr以下にして初期重縮合反応を行った。さらに275
℃、1torr以下の状態で4時間重合反応を行い、ポ
リマーをペレット状に取り出しポリマーAを得た。得ら
れたポリマーの還元粘度は1.04であり、ポリマー中
のポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート成分、
ポリテトラメチレングリコール成分、水添ダイマージオ
ール成分の重量%はそれぞれ65%、30%、5%であ
った。
【0028】ポリエステル合成例2 ジメチルテレフタレート530重量部、シクロヘキサン
ジメタノール750重量部、水添ダイマージオール(東
亞合成社製;HP1000)50重量部、ポリテトラメ
チレングリコール(分子量1000)200重量部、G
A−80(住友化学工業(株)製)2重量部、テトラブ
チルチタネート0.9重量部を仕込み、室温から260
℃まで2時間かけて昇温し、その後260℃で1時間加
熱しエステル交換反応を行った。次いで缶内を徐々に減
圧にすると共に昇温し、45分かけて275℃、1to
rr以下にして初期重縮合反応を行った。さらに275
℃、1torr以下の状態で4時間重合反応を行い、ポ
リマーをペレット状に取り出しポリマーBを得た。得ら
れたポリマーの還元粘度は1.10であり、ポリマー中
のポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート成分、
ポリテトラメチレングリコール成分、水添ダイマージオ
ール成分の重量%はそれぞれ75%、20%、5%であ
った。
【0029】ポリエステル合成例3 ジメチルナフタレート590重量部、1,4−ブタンジ
オール400重量部、ポリテトラメチレングリコール
(分子量1000)350重量部、GA−80(住友化
学工業(株)製)2重量部、テトラブチルチタネート
0.9重量部を仕込み、室温から220℃まで2時間か
けて昇温し、その後220℃で1時間加熱しエステル交
換反応を行った。次いで缶内を徐々に減圧にすると共に
昇温し、45分かけて250℃、1torr以下にして
初期重縮合反応を行った。さらに250℃、1torr
以下の状態で3時間重合反応を行い、ポリマーをペレッ
ト状に取り出しポリマーCを得た。得られたポリマーの
還元粘度は1.78であり、ポリマー中のポリブチレン
ナフタレート成分、ポリテトラメチレングリコール成分
の重量%はそれぞれ65%、35%であった。
【0030】ポリエステル合成例4 ジメチルテレフタレート570重量部、1,4−ブタン
ジオール580重量部、ポリテトラメチレングリコール
(分子量1000)350重量部、GA−80(住友化
学工業(株)製)2重量部、テトラブチルチタネート
0.9重量部を仕込み、室温から200℃まで2時間か
けて昇温し、その後200℃で1時間加熱しエステル交
換反応を行った。次いで缶内を徐々に減圧にすると共に
昇温し、45分かけて245℃、1torr以下にして
初期重縮合反応を行った。さらに245℃、1torr
以下の状態で3時間重合反応を行い、ポリマーをペレッ
ト状に取り出しポリマーDを得た。得られたポリマーの
還元粘度は1.94であり、ポリマー中のポリブチレン
テレフタレート成分、ポリテトラメチレングリコール成
分の重量%はそれぞれ65%、35%であった。
【0031】実施例1〜4、比較例1〜4 ポリマー合成例1〜4で得られたポリマーA〜Dの各物
性値を表1に示す。このポリマーA〜Dそれぞれ100
重量部に対して、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3
−(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕を0.5重量部、ペンタエリスリ
トールテトラキスー(3−ラリルチオプロピオネート)
を0.3重量部、2−(3−t−ブチル−5−メチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチリアゾールを0.5
重量部、ビスフェノールAを0.5重量部、トリフェニ
ルフォスフィンを0.3重量部配合し、押出機を用い
て、ペレット状に取り出し、熱風乾燥機にて水分率0.
1%以下に乾燥を行った。内管用樹脂、外管用樹脂は表
2、3に従い、またポリエステル糸(1500d、厚み
1mm)を補強材に用いて外径17.5mmの樹脂ホー
スを製造し、各測定を実施した。
【0032】表1中のxはポリエステルエラストマーの
実質的にハードセグメントを構成する重量%である。
【表1】
【0033】
【表2】 ポリマーE:表面硬度98Aのポリエーテル型ウレタン
エラストマー ポリマーF:ポリアミドエラストマー(ペバックス55
33(東レ(株)製))
【0034】
【表3】 ポリマーE:表面硬度98Aのポリエーテル型ウレタン
エラストマー ポリマーF:ポリアミドエラストマー(ペバックス55
33(東レ(株)製))
【0035】
【発明の効果】以上よりなる本発明のホースは、ホース
を構成する管を従来の同程度の弾性率を有するポリエス
テルエラストマーと比べると融点が約60℃、ビカット
軟化温度が約50℃も高く、耐熱性に優れたポリエステ
ルエラストマーを用いる設計を行うことで、耐熱性、耐
水性、耐熱老化性が良好であり、過酷な環境下での安定
性、柔軟性などが優れるホースを提供することが可能と
なり、産業界に寄与すること大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 誠治 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA15 BA34 DA11 4F207 AA24 AA45 AB11 AC01 AG08 KA01 KA17 KF01 4J002 CF041 CF051 CF091 CF101

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶融点(y℃)が下記数式(1)を満
    たし、ビカット軟化温度(z℃)が下記数式(2)を満
    たし、且つ引張伸度が100%以上であることを特徴と
    する熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いたホー
    ス。 結晶融点 :y≧200+0.5x (1) ビカット軟化温度:z≧50+1.5x (2) (ここでxは前記熱可塑性ポリエステルエラストマーに
    おいて実質的なハードセグメントの含有率を重量%にて
    表示した数値であり、結晶融点はDSCにより室温から
    20℃/分で昇温し測定した値で、ビカット軟化温度は
    ASTM D1525に基づいて測定した値である。ま
    た切断時伸びはJIS K6251に基づいて測定した
    値である。)
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性ポリエステルエラストマー
    において前記xが30〜95の範囲内である請求項1記
    載のホース。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性ポリエステルエラストマー
    の前記実質的なハードセグメントが下記一般式(1)で
    示される繰り返し単位から構成されるものである請求項
    1又は2に記載のホース。
  4. 【請求項4】 下記一般式(1)〜(4)で示される繰
    り返し単位から構成され、還元粘度が0.5〜4.0で
    ある熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いたホー
    ス。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式中Rは炭素数6〜18の芳香族基、Gは分子量40
    0〜6000のポリオキシアルキレン基、Dは水添ダイ
    マージオール及び/又はその誘導体残基、R’は炭素数
    1〜25のアルキレン基を示す。またa、b、cはそれ
    ぞれ全ポリマー中の各繰り返し単位が占める重量%を、
    dは全ポリマー中のモル%を示し、aは30〜95重量
    %、bとcとの和に対するbの割合は0.01〜0.9
    9、dは0〜20モル%である。)
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