JP2000256658A - 耐摩耗防曇剤及び耐摩耗防曇性皮膜の形成方法 - Google Patents

耐摩耗防曇剤及び耐摩耗防曇性皮膜の形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた保存性の下、安価であるとともに量産
性に優れ、かつ強固な密着力を有して優れた耐摩耗性及
び防曇性を確実に発揮する皮膜を形成する。 【解決手段】 親水基を有する無機−有機ハイブリッド
成分を含み、重合して硬化可能である耐摩耗防曇剤を用
い、基材上に該耐摩耗防曇剤からなる未硬化皮膜を成膜
する成膜工程と、該未硬化皮膜に該紫外線を照射して該
基材上に耐摩耗防曇性皮膜を形成する重合工程と、から
耐摩耗防曇性皮膜を形成する。無機−有機ハイブリッド
成分は、無機成分を含むため皮膜に高い硬度を付与し、
その耐摩耗性を優れたものとする。また、親水基は皮膜
に防曇性を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材に耐摩耗性及
び防曇性を付与可能な耐摩耗防曇剤と、この耐摩耗防曇
剤により耐摩耗性及び防曇性を有する耐摩耗防曇性皮膜
を形成する形成方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、列車等の一般的な窓やミラー等
では、表面の温度が露点以下になった場合、雰囲気中の
水分が凝縮してその表面に無数の微小な水滴を生じ、曇
りが生じる。窓やミラー等においては、この曇りにより
透過像又は反射像を視認することが難しくなってしま
う。このため、窓等の基材の表面に界面活性剤等の防曇
剤を塗布し、基材の表面を親水性にすることがなされつ
つある。親水性にされた基材の表面は、水滴との化学相
互作用が大きくなるため水滴が曇りとして存在しにくく
なり、基材に防曇性を付与できると考えられる。
【0003】他方、一般的な窓には無機ガラス製品が多
く使用されているが、最近、無機ガラス製品に代え、軽
量でかつ加工性に優れた透明樹脂製品を使うことが提案
されている。また、歯車等の機械要素にも、金属製品に
代え、成形性に優れる樹脂製品を使うことが提案されて
いる。しかし、樹脂製品は耐摩耗性において無機ガラス
製品や金属製品に劣るという欠点を有しており、その使
用には限界がある。このため、発明者らは、製造コスト
が安価であるとともに量産性に優れ、かつ強固な密着力
を有して優れた耐摩耗性を確実に発揮する皮膜を樹脂等
からなる基板上に形成可能な耐摩耗性皮膜の形成方法を
提案した(特開平7−118425号)。
【0004】この方法では、まず基板上に有機系耐摩耗
重合硬化組成物と、シラノール基を有するポリシロキサ
ン組成物とからなる未硬化下地層を形成する。また、未
硬化下地層上にシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物か
らなる未硬化上層を形成する。そして、未硬化下地層を
重合させるとともに未硬化上層を重合させる。かかる方
法では、未硬化下地層にシラノール基を有するポリシロ
キサン組成物が含有されているため、樹脂基板上に未硬
化下地層を形成すれば、耐摩耗重合硬化組成物が有機系
のものであるため、ポリシロキサン組成物のシラノール
基が表面側に位置する。次いで、未硬化下地層又は下地
層上に未硬化上層を形成すれば、未硬化下地層又は下地
層にはポリシロキサン組成物のシラノール基を介してシ
リコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物からなる未硬化上層
が被覆される。そして、未硬化上層を重合させれば、未
硬化下地層又は下地層のシラノール基と未硬化上層のシ
ラノール基とが脱水結合反応によりシロキサン結合が形
成され、下地層と上層とが強固に結合する。こうして得
られる皮膜は、表面が有機系耐摩耗重合硬化組成物が硬
化した下地層でなく、この下地層上に形成されたシリコ
ーン系耐摩耗熱重合硬化組成物が硬化した上層である。
したがって、この方法により得られる皮膜は、下地層と
上層とが十分に密着し、シリコーン系耐摩耗熱重合硬化
組成物による本来の優れた耐摩耗性を発揮する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記一般的な
防曇剤では、基材の表面に存在する防曇剤の親水基によ
り基材の表面を親水性にしているにすぎず、基材の表面
から防曇剤が流れ落ちれば基材の表面の親水性ももはや
維持できないことから、防曇性を長期に亘り付与するこ
とができない。
【0006】他方、上記公報記載の有機系耐摩耗重合硬
化組成物、シラノール基を有するポリシロキサン組成物
及びシリコーン系耐摩耗熱重合硬化組成物では、基材上
に耐摩耗性を有する皮膜は形成し得るものの、その皮膜
が防曇性を発揮し得ない。また、上記公報記載の耐摩耗
性皮膜の形成方法では、未硬化下地層を形成するための
塗料中において、シラノール基を有するポリシロキサン
組成物が徐々に縮合して高分子化しやすいことが明らか
となった。このため、かかる塗料を長期にわたって保存
すると、得られる皮膜が充分な特性を発揮し得ないこと
も明らかとなった。
【0007】本発明の解決すべき課題は、優れた保存性
の下、製造コストが安価であるとともに量産性に優れ、
かつ強固な密着力を有して優れた耐摩耗性及び防曇性を
確実に発揮する皮膜を基板上に形成せんとすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の耐摩耗防曇剤
は、親水基を有する無機−有機ハイブリッド成分を含
み、重合して硬化可能であることを特徴とする。本耐摩
耗防曇剤に適当な手段を用いて重合反応を起こさせる
と、無機−有機ハイブリッド成分が重合して硬化する。
この硬化物は、無機成分を含むため高い硬度を有し、優
れた耐摩耗性を有する。
【0009】また、無機−有機ハイブリッド成分の親水
基は、上記のように防曇性を付与することができる。従
って、本耐摩耗防曇剤により基材上に耐摩耗防曇性皮膜
を形成すれば、その耐摩耗防曇性皮膜は、高い硬度を有
して優れた耐摩耗性を発揮するとともに、優れた防曇性
を発揮することができる。
【0010】また、親水基を有する無機−有機ハイブリ
ッド成分として、無機−有機ハイブリッド材料と、親水
基を有する防曇剤とからなるものも採用することができ
る。無機−有機ハイブリッド材料には、珪素又は金属を
中心原子とする四面体シートと金属を中心原子とする八
面体シートとの積層体からなり、四面体シートの中心原
子である珪素又は金属の一部若しくは全部の原子がそれ
ぞれ共有結合により有機系官能基と結合している層状有
機珪素系ポリマを用いることができる。
【0011】この無機−有機ハイブリッド材料は、層状
の結晶構造を有するものに限定されず、無機部がある程
度の大きさを有しておれば足りると考えられる。さら
に、カオリナイト、パイロフィライト、モンモリロナイ
ト等の天然の粘土鉱物に有機基を結合させたものを入手
できれば、それらをも採用し得ると考えられる。親水基
を有する防曇剤は、層状有機珪素系ポリマと重合して硬
化する。
【0012】本発明者らは、上記公報記載の方法を改良
すべく、種々検討を重ねた結果、耐摩耗防曇剤中に無機
−有機ハイブリッド材料を含有すれば、その耐摩耗防曇
剤を長期にわたって保存しても、得られる耐摩耗防曇性
皮膜が十分な特性を発揮し得ることを発見し、本発明を
完成させた。本耐摩耗防曇剤としては、紫外線の照射に
より重合して硬化可能なもの、熱により重合して硬化可
能なもの又は電子線の照射により重合して硬化可能なも
のを採用することができる。中でも、紫外線の照射によ
り重合して硬化可能であるものは、電子線の照射に比べ
て低コストで硬化できること、耐摩耗防曇剤及び基材に
熱的な悪影響を及ぼさずに硬化できることなどから好ま
しい。
【0013】また、無機−有機ハイブリッド材料として
は、親水基を有する防曇剤に対して0.12〜0.18
の固形分比を有するものを採用することが好ましい。本
発明の耐摩耗防曇性皮膜の形成方法は、無機−有機ハイ
ブリッド材料と、親水基を有する防曇剤とを含み、紫外
線の照射により重合して硬化可能な耐摩耗防曇剤を用意
し、基材上に該耐摩耗防曇剤からなる未硬化皮膜を成膜
する成膜工程と、該未硬化皮膜に該紫外線を照射して該
基材上に耐摩耗防曇性皮膜を形成する重合工程と、を有
することを特徴とする。
【0014】基材として、自動車等の窓に使用するので
あれば透明樹脂基板を採用したり、歯車等に使用するの
であれば不透明な樹脂基板を採用したりする場合は本発
明の効果が大きい。例えば、アクリル系樹脂基板、メタ
クリル系樹脂基板、ポリカーボネート(PC)基板等を
基材として採用することができる。成膜工程では、無機
−有機ハイブリッド材料と、親水基を有する防曇剤とを
含む耐摩耗防曇剤を用意し、基材上に耐摩耗防曇剤から
なる未硬化皮膜を成膜する。
【0015】重合工程では、未硬化皮膜に紫外線を照射
し、未硬化皮膜を重合して硬化した耐摩耗防曇性皮膜を
形成する。こうして本形成方法により、優れた保存性の
下、製造コストが安価であるとともに量産性に優れ、か
つ強固な密着力を有して優れた耐摩耗性及び防曇性を確
実に発揮する皮膜を基板上に形成することができる。
【0016】重合工程における紫外線の照射量が4J/
cm2以上であれば、耐摩耗防曇剤の重合を十分効果的
に促進することができるため、耐摩耗性に十分に優れた
耐摩耗防曇性皮膜を確実に形成することができる。重合
工程における紫外線の照射量が8J/cm2以上であれ
ば、耐摩耗防曇剤の重合を極めて効果的に促進すること
ができるため、耐摩耗性に極めて優れた耐摩耗防曇性皮
膜を確実に形成することができる。
【0017】また、本形成方法では、無機−有機ハイブ
リッド材料として、紫外線照射により重合が可能な有機
基を含有するものを採用することができる。こうした有
機基として、例えばメタクリロキシ基が挙げられる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施例
を図面を参照しつつ説明する。 (実施例1)先ず、イオン交換水200gに塩化アルミ
ニウム・6水和物1.99gを溶かし、これにメタノー
ル50gで希釈した3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン2.73gを加え、1時間良く攪拌した。
ここへ1Nの水酸化ナトリウム水溶液24.7ml/分
の割合で加えてゲル化を生じさせ、室温で2日間放置し
た。その後、ろ過、水洗及び真空乾燥を行った。こうし
て、シラノール基を有する層状有機珪素ポリマ(無機−
有機ハイブリッド材料)として、Si:Al=4:3
(モル比)のアクリル−Alハイブリッド粘土を得た。
以下、これを第1粘土という。
【0019】分散媒として1−メトキシ−2−プロパノ
ールを用意し、この分散媒中に第一粘土をよく分散させ
て分散液を得た。なお、この分散液の全体量を100重
量%とすると、第一粘土が分散液に20.2重量%含ま
れるようにした。他方、親水基を有する有機質の防曇剤
としては、(A)微粉シリカと、(B)2以上のオレフ
ィン部分と1以上の化学式1に示される二価オキシアル
キレン基とを有する多官能性オレフィンと、(C)オレ
フィン官能化トリアルコキシシランとを含んでなる防曇
剤などが挙げられる。
【0020】
【化1】 −((CR2nO)x((CR2mO)y− 特に、化学式1に示される二価オキシアルキレン基に
は、次の3つの条件を満たすものとすることが好まし
い。 それぞれの二価オキシアルキレン基についての化学量
論的符号xと、それぞれの二価オキシアルキレン基につ
いての化学量論的符号yとの合計が10以上である。
化学量論的符号n及びmは異なっていて、それぞれ独立
に1〜10の値を有する。各Rは、水素、炭素数1〜
40の一価炭化水素基及び炭素数6〜40の一価芳香族
炭化水素基からなる群から独立に選択される。
【0021】本実施例では、上記防曇剤として、東芝シ
リコーン(株)社製の5種類の防曇剤(B3764、B
3765、B4685、B1207及びB1209)を
それぞれ用意した。各防曇剤をそれぞれイソプロピルア
ルコール(IPA)で希釈して、5種類の防曇剤含有液
を得た。なお、防曇剤含有液の全体量を100重量%と
すると、ここではB3764及びB3765が各防曇剤
含有液に55重量%含まれるようにそれぞれ希釈した。
B4685は、それぞれ50重量%含まれるように希釈
した。B1207及びB1209は、それぞれ50重量
%含まれるように希釈した。
【0022】以上でそれぞれ得られた第一粘土を含む分
散液と5種類の防曇剤含有液とにより、分散液と防曇剤
含有液とを混合して、上記耐摩耗防曇剤を5種類調製し
た。この際、一種類の耐摩耗防曇剤につき、第一粘土と
防曇剤との固形分比(第一粘土/防曇剤)が0.07、
0.09、0.12、0.18及び0.37となるよう
にした。 (実施例2)先ず、イオン交換水100gに塩化第二ス
ズ1.74gを溶かし、これにメタノール50gで希釈
した3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
2.5gを加え、1時間良く攪拌した。ここへ1Nの水
酸化ナトリウム水溶液20ml/分の割合で加えてゲル
化を生じさせ、室温で2日間放置した。その後、ろ過、
水洗及び真空乾燥を行った。こうして、シラノール基を
有する層状有機珪素ポリマ(無機−有機ハイブリッド材
料)として、Si:Sn=2:1(モル比)のアクリル
−Snハイブリッド粘土を得た。以下、これを第二粘土
という。
【0023】分散媒として1−メトキシ−2−プロパノ
ールを用意し、この分散媒中に第二粘土をよく分散させ
て分散液を得た。なお、この分散液の全体量を100重
量%とすると、第二粘土が分散液に20.2重量%含ま
れるようにした。他方、東芝シリコーン(株)社製の3
種類の防曇剤(B3764、B3765及びB468
5)をそれぞれイソプロピルアルコール(IPA)で実
施例1と同様に希釈して、3種類の防曇剤含有液を得
た。
【0024】以上でそれぞれ得られた第二粘土を含む分
散液と3種類の防曇剤含有液とにより、分散液と防曇剤
含有液とを混合して、上記耐摩耗防曇剤を3種類調製し
た。この際、一種類の耐摩耗防曇剤につき、第二粘土と
防曇剤との固形分比(第二粘土/防曇剤)が0.07、
0.09、0.12、0.18及び0.37となるよう
にした。 (比較例1)実施例1と同様にして、東芝シリコーン
(株)社製の3種類の防曇剤(B3764、B3765
及びB4685)を含む防曇剤含有液をそれぞれ得た。
しかし、本比較例では、これらの防曇剤含有液を、第一
粘土を含む分散液及び第二粘土を含む分散液のいずれと
も混合せずに耐摩耗防曇剤として供した。 (比較例2)実施例1と同様にして、第一粘土を含む分
散液を得た。しかし、本比較例では、その分散液を、防
曇剤を含む防曇剤液含有とは混合せずに耐摩耗防曇剤と
して供した。 (比較例3)実施例2と同様にして、第二粘土を含む分
散液を得た。しかし、本比較例では、その第二粘土を、
防曇剤を含む防曇剤含有液とは混合せずに耐摩耗防曇剤
として供した。 (耐摩耗防曇性皮膜の形成)上記実施例1、実施例2及
び比較例1で得られた各耐摩耗防曇剤を用い、本発明の
耐摩耗防曇性皮膜の形成方法によって、以下のようにP
Cフィルムの表面上に耐摩耗防曇性皮膜を形成した。 [成膜工程]基材として、所定の形状(厚さ5mm)を
有するPCフィルムを所定の数量用意した。各耐摩耗防
曇剤をフローコート法によりPCフィルムにそれぞれ所
定の厚さで一様に塗布して、未硬化皮膜を成膜した。続
いて、未硬化皮膜を60℃の温度で0.5分乾燥させ
た。 [重合工程]成膜工程で得られた未硬化皮膜に次のよう
にして紫外線を照射し、PCフィルム上に耐摩耗防曇性
皮膜を形成した。
【0025】紫外線を任意の強度でかつ対向するように
発生させることが可能な高圧水銀ランプ(80W×2
灯)を用意し、このランプに所定の強度で紫外線を発生
させた。続いて、そのランプの前を、未硬化皮膜を所定
の速度で所定の回数通過させて、未硬化皮膜に紫外線を
照射した。先ず、実施例1の耐摩耗防曇剤であり、第一
粘土と防曇剤(B3765)との固形分比(第一粘土/
防曇剤)が0.07である耐摩耗防曇剤を用いて、上記
成膜工程で未硬化皮膜を6サンプル成膜した。次いで、
ランプにこれらの未硬化皮膜を直面させて、通過速度を
1.5m/minとして未硬化皮膜に所定回数紫外線を
照射した。こうして形成された耐摩耗防曇性皮膜につい
て、後述する耐摩耗性試験と同様にしてヘーズ変化量
(ΔH%)をそれぞれ測定した。その測定結果を図1に
示す。なお、紫外線の照射量は、UVチェッカー(TO
PCON製)を用いて測定した。
【0026】図1より、未硬化皮膜を6回以上通過させ
たもの、すなわち4J/cm2以上のエネルギーの紫外
線が照射されて形成された耐摩耗防曇性皮膜では、いず
れもヘーズ変化量が20%を下回っていることがわか
る。従って、4J/cm2以上のエネルギーの紫外線を
照射することにより、耐摩耗性に十分に優れた耐摩耗防
曇性皮膜を確実に形成することができることがわかる。
その主な理由として、耐摩耗防曇剤に含まれる第一粘土
のアクリル成分と、防曇剤(B3765)のアクリル成
分との重合が十分効果的に促進されたことが考えられ
る。
【0027】また、図1より、未硬化皮膜を10回以上
通過させたもの、すなわち8J/cm2以上のエネルギ
ーの紫外線が照射されて形成された耐摩耗防曇性皮膜で
は、いずれもヘーズ変化量が15%を下回っていること
がわかる。従って、8J/cm2以上のエネルギーの紫
外線を照射することにより、耐摩耗性に極めて優れた耐
摩耗防曇性皮膜を確実に形成することができることがわ
かる。その主な理由として、耐摩耗防曇剤に含まれる第
一粘土のアクリル成分と、防曇剤(B3765)のアク
リル成分との重合が極めて効果的に促進されたことが考
えられる。
【0028】他の未硬化皮膜についても、紫外線の照射
量による耐摩耗性への影響を調べることを目的として、
次の2条件で紫外線を照射した。1つの照射条件は、1
本のランプのみを用い、未硬化皮膜をランプに直面させ
て、通過速度を1.5m/minとして未硬化皮膜に1
2回紫外線を照射するものである。この照射条件では、
9.8J/cm2に相当するエネルギーの紫外線を未硬
化皮膜に照射することになる。これを照射条件(1)と
する。
【0029】もう一つの照射条件は、2本のランプを用
い、通過速度を2.5m/minとして未硬化皮膜に厚
さ方向の表側及び裏側の2方向側から2回紫外線を照射
するものである。この照射条件では、1.9J/cm2
に相当するエネルギーの紫外線を未硬化皮膜に照射する
ことになる。これを照射条件(2)とする。 [評価法]以上のようにして、実施例1、実施例2及び
比較例1の各耐摩耗防曇剤を用いて形成された各種の耐
摩耗防曇性皮膜(以下、実施例1の皮膜、実施例2の皮
膜及び比較例1の皮膜と略して呼び分けることにす
る。)について、それぞれ次のようにして各種の試験を
行った。 耐摩耗性試験 テーバ摩耗試験機(Taber Industries
社製:5130ABRASER)を用い、摩耗輪がCS
−10F、荷重が500gであるときの500サイクル
後のヘーズ変化量(ΔH%)をヘーズメータ(スガ試験
機社製:HGM−3DP)により測定した。 防曇性試験 ビーカーに50℃の温水を作り、その上方に耐摩耗防曇
性皮膜が形成された基材を、温水の水面側に耐摩耗防曇
性皮膜が向くように設置した。このとき、基材(耐摩耗
防曇性皮膜)が曇り始める時間を測定した。また、曇り
始めてからさらに30秒間放置してほぼ完全に曇らせた
後、耐摩耗防曇性皮膜を雰囲気温度が20℃でかつ相対
湿度(R.H)が50%に保たれた環境下に放置して、
曇りが退けるまでの時間(以下、単に曇りが退ける時間
ということにする)を測定した。なお、本試験は、重合
工程において照射条件(2)で形成された耐摩耗防曇性
皮膜のみに行った。 耐温水性試験 各耐摩耗防曇性皮膜を40℃の温水中に10日間浸漬し
た。その後、JISK5400に準じて次のように各耐
摩耗防曇性皮膜の密着性を調べた。
【0030】各耐摩耗防曇性皮膜の表面をカッターナイ
フにより傷付けた。傷は1mm間隔に縦横直交する各々
10本であり、これにより1mm角の升目計100個か
らなる碁盤目をそれぞれの耐摩耗防曇性皮膜に形成し
た。各耐摩耗防曇性皮膜の碁盤目全てを覆うように粘着
テープ(ニチバン社製:セロハンテープ)を付着した
後、一気に粘着テープを引き剥がした。粘着テープに付
着した耐摩耗防曇性皮膜の升目の有無を観察した。
【0031】本試験では、特に粘着テープに付着した耐
摩耗防曇性皮膜の升目の数がゼロであれば、耐温水性に
極めて優れるとして評価することができる。 恒温・恒湿試験 雰囲気温度が50℃でかつ相対湿度(R.H)が95%
に保たれた恒温槽の中に、各耐摩耗防曇性皮膜を240
時間放置した。その後、上記密着性の試験条件に従い、
粘着テープに付着した耐摩耗防曇性皮膜の升目の有無を
観察した。
【0032】また、恒温・恒湿性の限界を調べるため、
耐摩耗防曇性皮膜をさらにその恒温槽中に放置し続け、
全時間にして1000時間放置した。1000時間放置
した後だけでなく、放置の途中で480時間及び720
時間経過したところでも、上記密着性の試験条件に従
い、粘着テープに付着した耐摩耗防曇性皮膜の升目の有
無を観察した。
【0033】本試験では、特に粘着テープに付着した耐
摩耗防曇性皮膜の升目の数がゼロであれば、耐恒温・恒
湿性に極めて優れるとして評価することができる。 [実施例1及び実施例2の皮膜についての評価] 耐摩耗性試験による評価 実施例1の皮膜について、各試料のヘーズ変化量の測定
結果をそれぞれ図2〜図4に示す。なお、図2及び図3
は、防曇剤として東芝シリコーン(株)社製B3764
及びB3765が用いられた皮膜の測定結果を示したも
のであり、図4は、防曇剤として東芝シリコーン(株)
社製B1207及びB1209が用いられた皮膜の測定
結果を示したものであり、紫外線が照射条件(1)で照
射されて形成された皮膜の測定結果を示した。
【0034】また、実施例2の皮膜について、各試料の
ヘーズ変化量の測定結果をそれぞれ図5〜図7に示す。
比較として、比較例1の皮膜の測定結果も図2〜図7に
併せて示した(固形分比がゼロにおいてプロットされて
いるもの)。図2〜図7より、実施例1及び実施例2の
皮膜のいずれの試料においても、比較例1の皮膜と比較
してヘーズ変化量が小さくなっていることがわかる。従
って、実施例1及び実施例2の皮膜は、比較例1の皮膜
と比較して耐摩耗性に優れると言える。
【0035】また、実施例1及び実施例2の皮膜では、
固形分比が増加するに従ってヘーズ変化量が小さくなっ
ており、特に固形分比が0.12以上のものにおいて比
較的優れた耐摩耗性が得られることがわかる。さらに、
図2及び図5〜図7より、重合工程における紫外線の照
射量を9.8J/cm2として形成した実施例1及び実
施例2の皮膜は、いずれの試料もヘーズ変化量が15%
以下にあることもわかる。従って、重合工程における紫
外線の照射量を8J/cm2以上とすることにより、耐
摩耗性に極めて優れた耐摩耗防曇性皮膜を確実に形成で
きることもわかる。 防曇性試験による評価 実施例1の皮膜の各試料の曇り始める時間、及び曇りが
退けるまでの時間の測定結果をそれぞれ図8〜図12に
示す。また、実施例2の皮膜の各試料の曇り始める時
間、及び曇りが退けるまでの時間の測定結果をそれぞれ
図13〜図15に示す。
【0036】その比較として、比較例1の皮膜の測定結
果も図8〜図15に併せて示した(固形分比がゼロにお
いてプロットされているもの)。また、比較例2の皮膜
では、曇り始める時間が2秒であり、曇りが退ける時間
が33秒であった。比較例3の皮膜では、曇り始める時
間が2秒であり、曇りが退ける時間が32秒であった。
【0037】図8〜図12より、実施例1の皮膜のいず
れの試料においても、曇り始める時間が2秒を超え、か
つ曇りが退けるまでの時間が33秒より短くなっている
ことがわかる。また、図13〜図15より、実施例2の
皮膜のいずれの試料においても、曇り始める時間が2秒
を超え、かつ曇りが退けるまでの時間が32秒より短く
なっていることがわかる。従って、実施例1及び実施例
2の皮膜は、比較例2の皮膜に対して防曇性に優れるこ
とがわかる。
【0038】また、実施例1及び実施例2の皮膜では、
固形分比が増加するに従って、曇り始める時間が低下
し、かつ曇りの退ける時間が増加していることがわか
る。すなわち、固形分比が増加するに従って防曇性が低
下しているが、固形分比が0.18以下のものにおいて
は、曇り始める時間の低下の度合いが比較的小さく、か
つ曇りの退ける時間の増加の度合いが比較的小さいこと
から、その防曇性の低下の度合いが小さいことがわか
る。従って、固形分比が0.18以下のものにおいて
は、比較的良好な防曇性が得られたと言える。
【0039】以上の耐摩耗性試験及び防曇性試験より、
実施例1及び実施例2の各耐摩耗防曇剤を用いて形成さ
れた各種の耐摩耗防曇性皮膜は、耐摩耗性及び防曇性の
両方に優れることがわかった。また、無機−有機ハイブ
リッド材料(第一粘土や第二粘土)と防曇剤との固形分
比を0.12〜0.18の範囲にすることにより、耐摩
耗性及び防曇性の両方の特性をバランス良く優れたもの
とすることができることもわかった。
【0040】さらに、それらの耐摩耗防曇性皮膜の形成
方法において、重合工程における紫外線の未硬化皮膜の
照射量を8J/cm2以上で選択することにより、耐摩
耗性及び防曇性の両方に優れる耐摩耗防曇性皮膜を確実
に形成できることがわかった。 耐温水性試験による評価 実施例1及び実施例2の皮膜のいずれの試料において
も、粘着テープに付着した耐摩耗防曇性皮膜の升目の数
はゼロであった。従って、実施例1及び実施例2の皮膜
は、耐温水性に極めて優れると言える。 恒温・恒湿試験による評価 実施例1の皮膜の各試料についての粘着テープに付着し
た耐摩耗防曇性皮膜の升目の数の測定結果をそれぞれ表
1に示す。なお、表1には、防曇剤として東芝シリコー
ン(株)社製B3764、B3765及びB4685が
用いられた皮膜の測定結果を示した。
【0041】また、実施例2の皮膜の各試料についての
粘着テープに付着した耐摩耗防曇性皮膜の升目の数の測
定結果をそれぞれ表2に示す。これらの表では、その升
目の数がゼロであれば、耐恒温・恒湿性に極めて優れる
として○を付した。また、その升目の数が10〜20で
あれば、優れるとは言えずとも十分な耐恒温・恒湿性が
得られたとして△を付し、50以上であれば、十分な耐
恒温・恒湿性が得られなかったとして×を付した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】 表1及び表2から、実施例1及び実施例2の皮膜の試料
は、240時間の放置に対しては概ね優れた耐恒温・恒
湿性を維持しており、480時間及び720時間の放置
に対しても、依然として優れた耐恒温・恒湿性を維持し
ていることがわかる。
【0044】1000時間の放置に対しては、固形分比
が0.12以上である試料が、依然として優れた耐恒温
・恒湿性を維持していることがわかる。従って、固形分
比を0.12以上にすれば、高温及び高湿の環境下で1
000時間以上の長時間、優れた耐恒温・恒湿性を維持
できる耐摩耗防曇性皮膜を確実に得ることができる。以
上の耐温水性試験及び恒温・恒湿試験により、実施例1
及び実施例2の皮膜は、耐温水性及び恒温・恒湿性にも
優れることがわかった。また、無機−有機ハイブリッド
材料(第一粘土や第二粘土)と防曇剤との固形分比が
0.12以上である皮膜においては、耐温水性及び恒温
・恒湿性でも比較的良好な特性を得ることができること
もわかった。 (付記)第一粘土及び第二粘土はいずれもシラノール基
を含む層状有機珪素ポリマである。本耐摩耗性皮膜の形
成では、重合工程で紫外線を未硬化皮膜に照射するのに
用いた高圧水銀ランプは、紫外線だけでなく熱線も発生
する。また、紫外線の強度が増加するにしたがって熱線
の強度も増加する。
【0045】本実施例での紫外線の照射では、未硬化皮
膜及び基材に熱的な悪影響が及ばない範囲の強度で未硬
化皮膜に紫外線を照射した。紫外線を照射しているとき
の未硬化皮膜の温度の測定は行っていないが、未硬化皮
膜が加熱されていることが考えられる。そのため、層状
有機珪素ポリマのシラノール基どうしが、その加熱によ
り脱水反応してシロキサン結合していることも考えられ
る。このようなシラノール基間の脱水反応により形成さ
れるシロキサン結合は、その結合が強固であるため、耐
摩耗防曇性皮膜の硬度をさらに大きくすることが可能で
ある。従って、層状有機珪素ポリマのシラノール基どう
しがシロキサン結合していれば、本実施例の耐摩耗防曇
性皮膜で優れた耐摩耗性が得られたことの一要因となっ
ている可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の耐摩耗防曇剤を用いて形成された耐
摩耗防曇性皮膜について、重合工程において照射された
紫外線の照射量と、ヘーズ変化量との関係を示すグラフ
である。
【図2】実施例1及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用いて
形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比と、
ヘーズ変化量との関係を示すグラフである。
【図3】実施例1及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用いて
形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比と、
ヘーズ変化量との関係を示すグラフである。
【図4】実施例1及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用いて
形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比と、
ヘーズ変化量との関係を示すグラフである。
【図5】実施例2及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用いて
形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比と、
ヘーズ変化量との関係を示すグラフである。
【図6】実施例2及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用いて
形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比と、
ヘーズ変化量との関係を示すグラフである。
【図7】実施例2及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用いて
形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比と、
ヘーズ変化量との関係を示すグラフである。
【図8】実施例1及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用いて
形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比と、
防曇性試験で測定された曇り始める時間並びに曇りの退
ける時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図9】実施例1及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用いて
形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比と、
防曇性試験で測定された曇り始める時間並びに曇りの退
ける時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図10】実施例1及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用い
て形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比
と、防曇性試験で測定された曇り始める時間並びに曇り
の退ける時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図11】実施例1及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用い
て形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比
と、防曇性試験で測定された曇り始める時間並びに曇り
の退ける時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図12】実施例1及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用い
て形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比
と、防曇性試験で測定された曇り始める時間並びに曇り
の退ける時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図13】実施例2及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用い
て形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比
と、防曇性試験で測定された曇り始める時間並びに曇り
の退ける時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図14】実施例2及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用い
て形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比
と、防曇性試験で測定された曇り始める時間並びに曇り
の退ける時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図15】実施例2及び比較例1の耐摩耗防曇剤を用い
て形成された各耐摩耗防曇性皮膜について、固形分比
と、防曇性試験で測定された曇り始める時間並びに曇り
の退ける時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390041542 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ GENERAL ELECTRIC CO MPANY アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スケネ クタデイ、リバーロード、1番 (72)発明者 穂積 篤 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 加藤 祥文 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 矢野 一久 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡本 一夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 福嶋 喜章 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 則夫 東京都港区六本木六丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内 Fターム(参考) 4F006 AA22 AA36 AB39 AB54 AB76 BA10 CA05 DA01 EA03 4G059 AA01 AC21 EA16 EB05 FA09 FA22 FB05 4H020 AA03 AB02 AB06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水基を有する無機−有機ハイブリッド成
    分を含み、重合して硬化可能であることを特徴とする耐
    摩耗防曇剤。
  2. 【請求項2】親水基を有する無機−有機ハイブリッド成
    分は、無機−有機ハイブリッド材料と、親水基を有する
    防曇剤とからなることを特徴とする請求項1記載の耐摩
    耗防曇剤。
  3. 【請求項3】紫外線の照射により重合して硬化可能であ
    ることを特徴とする請求項2記載の耐摩耗防曇剤。
  4. 【請求項4】無機−有機ハイブリッド材料は、親水基を
    有する防曇剤に対して0.12〜0.18の固形分比を
    有することを特徴とする請求項2に記載の耐摩耗防曇
    剤。
  5. 【請求項5】無機−有機ハイブリッド材料と、親水基を
    有する有機質の防曇剤とを含み、紫外線の照射により重
    合して硬化可能な耐摩耗防曇剤を用意し、基材上に該耐
    摩耗防曇剤からなる未硬化皮膜を成膜する成膜工程と、 該未硬化皮膜に該紫外線を照射して該基材上に耐摩耗防
    曇性皮膜を形成する重合工程と、を有することを特徴と
    する耐摩耗防曇性皮膜の形成方法。
  6. 【請求項6】重合工程における紫外線の照射量は4J/
    cm2以上であることを特徴とする請求項5記載の耐摩
    耗防曇性皮膜の形成方法。
  7. 【請求項7】重合工程における紫外線の照射量は8J/
    cm2以上であることを特徴とする請求項6記載の耐摩
    耗防曇性皮膜の形成方法。
  8. 【請求項8】無機−有機ハイブリッド材料は、紫外線照
    射により重合が可能な有機基を含有することを特徴とす
    る請求項5に記載の耐摩耗防曇性皮膜の形成方法。
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