JP2000254233A - カテーテルおよび留置針組立体 - Google Patents

カテーテルおよび留置針組立体

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JP2000254233A
JP2000254233A JP11063899A JP6389999A JP2000254233A JP 2000254233 A JP2000254233 A JP 2000254233A JP 11063899 A JP11063899 A JP 11063899A JP 6389999 A JP6389999 A JP 6389999A JP 2000254233 A JP2000254233 A JP 2000254233A
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catheter
reinforcing material
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Koichi Tachikawa
浩一 立川
Tomonori Okayama
智紀 岡山
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】血管の湾曲、屈曲した部位での追従性を確保す
る柔軟性を維持しながらも、同部位での折れ曲がりが生
じない耐キンク性、および表面平滑性、さらに留置針の
鋭利な刃先による耐破損性に優れたカテーテルおよび留
置針組立体を提供する。 【解決手段】可撓性を有する内層および外層が熱可塑性
樹脂製の線状体51からなる補強材5を介して接合され
てなり、かつ前記補強材5の一部が内層内部に埋設され
てなるカテーテル2である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば輸液等の動
静脈留置に用いられる留置針に適用されるカテーテルお
よび留置針組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】患者に対し輸液等を行う場合は、留置針
(外針)と内針とで構成される留置針組立体が用いられ
ている。この留置針組立体は、外針内に内針が挿通され
一体となった2重針構造をなしており、動静脈穿刺後に
内針のみを抜去し、外針のみを生体内に残して使用する
ものである。そのため外針本体には、血管の湾曲、屈曲
した部位での追従性を確保するために適度な柔軟性が必
要であり、各種エラストマー等の柔軟な素材からなるカ
テーテルが使用されている。
【0003】しかし、留置針組立体の内針はステンレス
などの金属材料から構成され、その先端には、鋭利な刃
先(針先)が形成されているため、内針をカテーテルに
対し挿入または抜去する際に、鋭利な刃先により、カテ
ーテルに、切断、傷付き、削れ、割れ、折れ、剥離、破
断等の破損を与えるおそれがある。特に、このようなカ
テーテルの破損が生体の留置中に生じることは好ましく
はない。さらにカテーテルには、血管の湾曲、屈曲した
部位で折れ曲がりが生じない耐キンク性、および血管の
損傷軽減のためにできるだけ柔軟で肉薄であることが必
要とされる。そのため、柔軟性、耐キンク性及び耐破損
性の全てが必要とされる。さらには、体内での摺動抵抗
低減のために、表面平滑性も必要とされる。
【0004】上述したように、万が一に破損が生じてカ
テーテルの一部が体内に残存することの対策として、カ
テーテルの内部に線状体を交互に1本づつ重なるように
格子状に配したカテーテルが製造されているが、格子状
の凹凸によるカテーテル表面の凹凸が生じ、表面平滑性
の点で好ましくない。また、凹凸低減のために外層の肉
厚を大きくすると、カテーテルの外径が大きくなり好ま
しくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、肉薄
で、表面平滑で、耐切断性および耐キンク性に優れるカ
テーテルおよびそれを用いた留置針組立体を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明により解決される。 (1)本発明は、可撓性を有する内層および外層が補強
材を介して接合されてなり、かつ前記補強材は熱可塑性
樹脂製の線状体にて形成されたものであって、前記補強
材の一部が内層内部に埋設されることを特徴とするカテ
ーテルである。 (2)本発明は、前記カテーテルの軸方向と垂直に交わ
る方向の前記カテーテルの断面において、前記補強材の
断面積の合計の30〜80%が内層内部に埋設されるこ
とを特徴とする上記(1)に記載のカテーテルである。
【0007】(3)本発明は、前記補強材がポリアミド
系あるいはポリエステル系樹脂である上記(1)乃至
(2)に記載のカテーテルである。 (4)本発明は、前記内層および外層が熱可塑性エラス
トマーである上記(1)乃至(3)に記載のカテーテル
である。
【0008】(5)本発明は、前記内層および外層が熱
可塑性ポリウレタンエラストマーである上記(1)乃至
(4)に記載のカテーテルである。 (6)本発明は、上記(1)乃至(5)のいずれに記載
のカテーテルからなる留置針と、前記カテーテルの内側
に挿入される内針とを備えることを特徴とする留置針組
立体である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカテーテルおよび
留置針組立体を添付図面に示す好適例に基づいて詳細に
説明する。図1は、本発明の留置針組立体の全体構成例
を示す平面図、図2は、図1に示す留置針組立体の留置
針1に用いるカテーテル2の一部を切り欠いて内部構造
を拡大して示す縦断面図である。なお、図1及び図2で
は、理解を容易にするために、カテーテル2の径方向を
特に拡大して模式的に示してある。
【0010】図1に示す留置針1は、カテーテル2と、
このカテーテル2の基端部21に装着されたカテーテル
ハブ8、および基端部21をカテーテルハブ8にかしめ
て装着するためのかしめピン7とで構成されている。カ
テーテル2は、図2に示すようにその基端部21から先
端にかけて内部に管腔3が形成されている。この管腔3
は、薬液等の流路となるものである。留置針1の血管へ
の挿入は、管腔3内に内針9の内針本体91が挿入さ
れ、かつカテーテルハブ8が内針ハブ10に嵌合された
状態で、刃先(針先)92で皮膚および血管を穿刺する
ことによって行われる。また、カテーテルハブ8は、管
腔3内への薬液等の注入口等として機能し、また、留置
針1を操作する際の把持部としても機能する。
【0011】カテーテル2は、図2に示すように補強材
5を介して、内層4および外層6が接合されている。内
層4および外層6は、それぞれ可撓性(柔軟性)を有す
る材料で構成され、具体的には、それぞれ、例えば、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンフタレート等のポリエス
テル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系
樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の
フッ素系樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリエステル
エラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレ
ンエラストマー、フッ素系エラストマー等の各種エラス
トマー、またはこれらのうち2以上を組み合わせたもの
が使用可能である。
【0012】これらの構成材料のうち、抗血栓性、耐キ
ンク性および経済性等の観点から、ポリウレタンエラス
トマーが特に望ましい。ここで、ポリウレタンエラスト
マーとは、柔軟性に富む他の樹脂とのポリマーアロイ
(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合等)
や、可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混
合物をも含む概念である。なお、内層4および外層6の
構成材料は、同一でも異なっていてもよい。内層4およ
び外層6の構成材料が同一または異なる場合において、
外層6に用いられる材料の硬度は、ショアD硬度が30
〜80程度であるのが望ましい。
【0013】内層4の成形後の厚さは、0.01〜0.0
6mmがよく、さらに0.03〜0.05mmがより望ま
しい。外層6の成形後の厚さは、0.08〜0.17mm
がよく、さらに0.10〜0.14mmがより望ましい。
カテーテル2の成形後の厚さは、0.07〜0.20mm
がよく、さらに0.09〜0.18mmがより望ましい。
【0014】図示の構成では、内層4および外層6の内
径および外径は、それぞれ一定となっているが、これら
はカテーテル2の長手方向に沿って変化してもよい。例
えば、内層4の内径が先端方向に向かって漸増する構成
であってもよい。
【0015】補強材5は、線状体51から構成され、図
3に示すように内層4の外周に線状体51を格子状に巻
き付け形成されている。図3の構成では、補強材5はカ
テーテル2の全長にわたって配設されているが、本発明
ではこのような構成に限らず、補強材5が先端部22を
除く部分に配設されているものであってもよい。また、
図3の構成では、1種類の線状体51が配設されている
が、本発明ではこのような構成に限らず、2種類以上の
線状体を用いて組み合わせてもよい。
【0016】補強材5を形成する線状体51の構成材料
としては、十分な耐破損性と耐キンク性が得られる程度
の剛性を有するものであればいかなるものでもよい。例
えば、先端部22の熱加工時溶融可能な熱可塑性を有す
るものがよく、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のような
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンのような
ポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリ
カーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(P
A)、ポリアリレート、ポリオキシメチレン(PO
M)、高張力ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリ
フッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエ
チレン、エチレン−酢酸ビニルケン化物(EVOH)、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケ
トン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスル
フィド、これらのうちのいずれかを含むポリマーアロ
イ、あるいはこれらのうちの2以上を組み合わせたもの
が挙げられる。さらには、これらに造影物質を混合させ
たものであってもよい。
【0017】これらの構成材料のうち、内層の融点以下
の温度で一定の熱収縮性を有するため、ポリアミドが特
に望ましい。ここで、ポリアミドとは、例えば、ナイロ
ン6、ナイロン64、ナイロン66、ナイロン610、
ナイロン612、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン
11、ナイロン12、N−アルコキシメチル変成ナイロ
ン、ヘキサメチレンジアミンーイソフタル酸縮重合体、
メタキシロイルジアミンーアジピン酸縮重合体のような
各種脂肪族または芳香族ポリアミドが代表的であり、そ
の他、前記ポリアミドと他の樹脂とのポリマーアロイ
(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合
等)、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
【0018】なお、線状体51は、上記材料等による単
繊維または繊維の集合体(例えば単繊維を縒ったもの)
のいずれでもよいが、カテーテルの先端部22の後加工
性から、単繊維が望ましい。さらには、単繊維は複合繊
維であっても良く、上述した構成材料と造影性材料とを
複合繊維としたものなどがあげられる。また、線状体5
1の太さは、その構成材料との関係で必要かつ十分な補
強効果および柔軟性が得られる程度のものであり、かつ
カテーテルの先端部の後加工が容易なものとされ、たと
えば上記ポリアミド単繊維による場合は、直径20〜5
0μm程度とするのが望ましい。なお、線状体51は、
単一で用いても、複数本を束ねた状態で用いてもよい。
【0019】また、線状体51は、カテーテルの先端部
22を加熱処理によりテーパ状に加工したり、また、カ
テーテルの基端部21をかしめピンを嵌めるために加熱
処理により予めラッパ状に加工したりする際に、カテー
テル2と同時に溶融または軟化することが好ましい。実
際、線状体51とカテーテル2の溶融または軟化温度の
差が60℃以内であれば加工が容易であり、またその差
が30℃以内であればさらに加工が容易となる。
【0020】次に、本発明のカテーテルの製造方法の好
適例について説明する。まず、定法に従い、内層4を成
形する。次に、この内層4の外周面に線状体51を格子
状に形成するように巻き付ける。この巻き付け方法は、
例えばブレーダーと呼ばれる装置(図示せず)を用い、
その線状体供給部を内層4を軸に内層4の外周回りを左
右両回りに回転させばがら線状体51を繰り出し、かつ
それとともに内層4を軸方向に移動して、内層4の外周
面に線状体51を連続的に巻き付けて行く。
【0021】この時、線状体51はカテーテル2の軸方
向に対して一定の角度(θ)及びピッチで連続的に巻き
付けて行く。なお、ピッチの間隔は、カテーテル2の部
分によって所定の範囲内で変化するものであっても良
い。角度(θ)は、15〜65度が望ましく、ピッチは
1〜7mm間隔が望ましい。
【0022】以上のようにして内層4の外周面に補強材
5が形成されたら、補強材5を収縮或いは外部から加圧
することにより、補強材5の一部乃至全部を内層4の内
部に埋設させる。埋設の程度は、望ましくは、カテーテ
ル2の軸方向と垂直に交わる方向のカテーテル2の断面
において、補強材5の断面積の合計が平均して30〜8
0%が内層内部に埋設される程度、さらに望ましくは補
強材5の断面積の合計が平均して50%前後が内層内部
に埋設される程度とする。図4は、埋設の状態の一例を
拡大して示す横断面図である。
【0023】補強材5の断面積の合計が平均して20%
以下が内層内部に埋設される程度であると補強材5の外
層内部に埋設される割合が大きくなり、内層4、外層
6、カテーテル2の厚さ、および線状体51の太さを上
述した範囲内に設定すると、カテーテル2の外表面に補
強材5の格子状の凹凸が表われるおそれがある。また、
そのようなものを補強材5そのものがカテーテル2の外
表面に少しも表われずに作製することは、カテーテル2
が肉薄でかつ長いため困難である。カテーテル2の外表
面に補強材5の格子状の凹凸または補強材5そのものが
表われると、穿刺時や留置時に痛みを伴うおそれがあ
る。
【0024】逆に補強材5の断面積の合計が平均して8
0%以上が内層内部に埋設される程度であると補強材5
の内層内部に埋設される割合が大きくなり、内層4、外
層6、カテーテル2の厚さ、および線状体51の太さを
上述した範囲内に設定すると、カテーテル2の管腔面に
補強材5の格子状の凹凸が表われるおそれがある。ま
た、そのようなものを補強材5そのものがカテーテル2
の管腔面に少しも表われずに作製することは、カテーテ
ル2が肉薄でかつ長いため困難である。カテーテル2の
管腔面に補強材5の格子状の凹凸または補強材5そのも
のが表われると、内針本体を挿入する際にその部分が外
表面方向に押されて外表面の凹凸が表われたり、内針本
体よりその部分が削られるおそれもある。さらに、埋設
時に補強材5の格子状の隙間から内層が外層方向に盛り
上がりやすく、そのためカテーテル2の外表面にその盛
り上がりによる凹凸が表われるおそれがある。
【0025】埋設の方法としては、補強材5の機械的強
度の低下及び補強材5の位置ずれを防止するために、非
接触的に収縮させる方法が好ましい。さらには、同時に
内層を柔軟化して埋設させることが好ましい。例えばポ
リアミドからなる補強材5の場合、補強材5の外表面よ
り加熱し、内層4を柔軟化すると共に補強材5を収縮さ
せることにより、容易に補強材5の一部乃至全部を内層
4の内部に埋設させることができる。
【0026】以上のようにして内層4の外周面に補強材
5が形成されたら、その外周を外層6で被覆する。外層
6の接合は、外層6の内周面が内層4の外周面および線
状体51と密着するようになされ、その方法としては、
例えば、接着剤または溶剤により接着する方法、内層4
等と融着(例えば、熱融着、高周波融着)する方法、外
層6を加熱または溶剤により膨潤させて内層4を挿入
し、その後収縮させる方法、溶融した外層材料または液
状化した外層材料を被着させ、冷却または脱溶媒処理に
より固化させて外層6を形成する方法等が挙げられる
が、この中で溶融した外層材料を被着させ、冷却により
固化させて外層6を形成する方法が製造工程が簡単であ
り、かつ産業分野において一般的な方法である。これら
の製造工程において、補強材5の一部乃至全部が内層4
の内部に埋設されていることにより、補強材5の位置ず
れが発生し難い。
【0027】なお、上記外層形成方法において、溶融し
た外層材料を被着させる前に補強材5の表面を適度に予
備加熱した後、溶融した外層材料を被着させ、冷却によ
り固化させて外層6を形成させることが好ましい。以上
の製造方法によれば、カテーテル2の肉厚が薄く、表面
が平滑で、優れた耐切断性及び耐キンク性が得られ、し
かも柔軟なカテーテル2が得られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の留置針本体のカテーテル2の
具体的実施例を示す。各実施例にその条件を示す図2〜
図3に示す構成のカテーテル2を前述した方法により製
造した。なお、補強材の作製には電気モーター駆動によ
るブレーダーを用いて線状体を巻き付けた。
【0029】この巻き付け方法は、ブレーダーの線状体
供給部から線状体51を繰り出し、かつ前記線状体供給
部を内層4を軸に内層4の外周回りを左右両回りに回転
させながら線状体51を繰り出し、かつそれとともに内
層4を軸方向に移動して、内層4の外周面に線状体51
を連続的に巻き付ける。これにより、カテーテル2の軸
方向に対して一定の角度及びピッチで連続的に巻き付け
て行く。これにより、線状体51どうしが交差し、線状
体51どうしの組合せで格子点が形成される。この巻き
付け時に、前記線状体供給部の交差タイミングを適宜設
定することにより一方の回転方向の線状体が他方の回転
方向の線状体と交差する部位の交差本数が決定される。
また、予めセッティングされる線状体数および内層4の
軸方向移動速度により、前記ピッチ間の各線状体数すな
わち各線状体密度が決定される。
【0030】線状体51を連続的に巻き付けた後、補強
材5の表面を200〜220℃で加熱し、内層4の内部
に埋設させた。この時、埋設の程度は、カテーテル2の
軸方向と垂直に交わる方向のカテーテル2の断面におい
て、補強材5の断面積の合計の30〜50%が内層4内
部に埋設される程度とした。
【0031】上記の補強材5の表面を加熱する時、加熱
温度が240℃だと温度が高すぎて線状体51も溶融し
てしまい、補強材5の補強効果が殆ど消失する。また、
加熱温度が170℃だと温度が低すぎて線状体51が殆
ど埋設されない。
【0032】(実施例1)下記にその条件を示すカテー
テル2を前述した方法により製造した。 カテーテル2の全長:32mm 外層6の外径:0.86mm 内層4の外径:0.75mm 内層4の内径:0.64mm 外層6の構成材料:熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(ショアD硬度:67、融点:170℃) 内層4の構成材料:外層6に同じ 線状体51の構成材料:ポリアミド(ナイロン6、融
点:210℃)の単繊維 線状体51の直径:41μm 線状体51のカテーテル2の軸方向に対する傾斜角度
(θ):30度 線状体51の本数:16本 補強材5の表面の加熱条件:200℃ 補強材5の埋設の程度:30%
【0033】(試験例)得られたカテーテル2の耐キン
ク性を調べるために、カテーテル2を5mmの曲率で9
0度に50回繰り返し曲げた時の、カテーテル2の折れ
の有無を調べた。また、300mm/分の速度でカテー
テル2を軸方向に真直に引張した際の破断時の荷重を測
定した。さらに、カテーテル2の表面平滑性についても
指で触れた感触によって調べた。これらの結果を下記表
1に示す。なお、測定は、室温下(20℃)で行った。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例2)線状体51の本数を各12本
とした以外は実施例1と同様のカテーテル2を製造し、
上記試験例と同様の測定を行った結果を下記表2に示
す。
【0036】
【表2】
【0037】(実施例3)補強材5の表面を220℃で
加熱した以外は実施例1と同様のカテーテル2を製造
し、上記試験例と同様の測定を行った結果を下記表3に
示す。
【0038】
【表3】
【0039】(実施例4)補強材5の埋設の程度を補強
材5の断面積の合計の50%が内層内部に埋設される程
度とした以外は実施例1と同様のカテーテル2を製造
し、上記試験例と同様の測定を行った結果を下記表4に
示す。
【0040】
【表4】
【0041】(比較例1)線状体51を配設しないこと
以外は実施例1と同様のカテーテルを製造し、上記試験
例と同様の測定を行った結果を下記表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】(比較例2)補強材5の表面を加熱しない
で、補強材5が内管内部に埋設されないこと以外は実施
例1と同様のカテーテルを製造し、上記試験例と同様の
測定を行った結果を下記表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】(比較例3)補強材5の埋設の程度を補強
材5の断面積の合計の20%が内管内部に埋設される程
度とした以外は実施例1と同様のカテーテルを製造し、
上記試験例と同様の測定を行った結果を下記表7に示
す。
【0046】
【表7】
【0047】(比較例4)補強材5の埋設の程度を補強
材5の断面積の合計の90%が内管内部に埋設される程
度とした以外は実施例1と同様のカテーテルを製造し、
上記試験例と同様の測定を行った結果を下記表8に示
す。
【0048】
【表8】
【0049】(結果)以上、本発明の各実施例及び比較
例に示すように、折れ発生頻度、耐破断(破損)性、表
面平滑性のすべてにおいて、本発明に係るカテーテルで
ある各実施例は優れた効果を示した。また、線状体51
のカテーテル2の軸方向に対する傾斜角度や線状体51
の本数を変更する他は各実施例と同じ条件のカテーテル
についても同様な試験を行った結果、各実施例と同様の
優れた効果を示した。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のカテーテル
は補強材により十分な破断強度が得られるため、高い耐
破損性を有し、また、優れた耐キンク性と追随性が発揮
される。また、補強材の一部が内層の内部に埋設されて
いることにより、表面平滑性が高くなるとともに、内層
および外層の密着性が向上し優れた耐キンク性が得られ
る。さらには、補強材の位置ずれが発生し難い。この結
果、カテーテルの切断や折れ曲がり等の事故を防止する
他、血管損傷を低減することができる。
【0051】つまり本発明は、カテーテルの一部を内層
内部に埋設された線状体の存在により、優れた耐キンク
性および耐破損性が得られると同時に、優れた表面平滑
性も得られる。そのため、血管の湾曲、屈曲した部位で
の追従性を確保しながら、同部位での折れ曲がりが生じ
ない耐キンク性、および良好な摺動性を有する。
【0052】本発明のカテーテルを留置針として用いる
留置針組立体は、上述したカテーテルの効果を有する
他、カテーテルの管腔に内針本体を挿入する時にその鋭
利な刃先によりカテーテルを破損するおそれがなく使用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の留置針組立体の構成例を示す平面図
である。
【図2】 図1に示す留置針のカテーテル2の内部構造
を示す一部切り欠き断面図である。
【図3】 図1に示す留置針のカテーテル2における補
強材5の構成を示す斜視図である。
【図4】 図1に示す留置針のカテーテル2の補強材5
の埋込み状態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 留置針 2 カテーテル 21 基端部 22 先端部 3 管腔 4 内層 5 補強材 51 線状体 6 外層 7 かしめピン 9 内針 91 内針本体 92 刃先(針先) 10 内針ハブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性を有する内層および外層が補強材を
    介して接合されてなり、かつ前記補強材は熱可塑性樹脂
    製の線状体にて形成されたものであって、 前記補強材の一部が内層内部に埋設されることを特徴と
    するカテーテル。
  2. 【請求項2】前記カテーテルの軸方向と垂直に交わる方
    向の前記カテーテルの断面において、前記補強材の断面
    積の合計の30〜80%が内層内部に埋設されることを
    特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  3. 【請求項3】前記補強材がポリアミド系あるいはポリエ
    ステル系樹脂である請求項1乃至2に記載のカテーテ
    ル。
  4. 【請求項4】前記内層および外層が熱可塑性エラストマ
    ーである請求項1乃至3に記載のカテーテル。
  5. 【請求項5】前記内層および外層が熱可塑性ポリウレタ
    ンエラストマーである請求項1乃至4に記載のカテーテ
    ル。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれに記載のカテーテ
    ルからなる留置針と、前記カテーテルの内側に挿入され
    る内針とを備えることを特徴とする留置針組立体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012249811A (ja) * 2011-06-02 2012-12-20 Goodman Co Ltd 医療用器具
JP2015029517A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 ニプロ株式会社 医療用チューブとそれを用いた経鼻カテーテル

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