JP2000253599A - 超電導軸受を用いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置 - Google Patents
超電導軸受を用いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置Info
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Abstract
ー貯蔵装置を実現するために、制御なしでも安定浮上を
実現できるという超電導軸受の特徴を活かし、超電導軸
受の支持だけで回転体を安定回転させることができる構
成のフライホイール式エネルギー貯蔵装置を提供する。 【解決手段】 浮上用磁石3と該浮上用磁石3と対向し
て位置する超電導体2から構成される超電導軸受1と、
該超電導軸受1により回転可能に支持されたフライホイ
ール7を含む回転体と、エネルギーの入出力を行う発電
電動機4を備えたエネルギー貯蔵装置において、フライ
ホイール7を含む回転体の軸方向の長さがフライホイー
ル7を含む回転体の最外直径よりも小さいことを特徴と
する。
Description
たフライホイール式エネルギー貯蔵装置に関する。
は、フライホイール(はずみ車)の回転エネルギーの形
でエネルギーを貯蔵するもので、他のエネルギー貯蔵技
術と比較して、原理や構造が単純でありエネルギー貯蔵
密度も高いなどの特徴があるために、核融合試験装置用
の電源、電車の回生電力の貯蔵装置や電炉による周波数
変動の抑制装置のような秒や分単位の短周期の負荷変動
を補償するエネルギー貯蔵装置としては既に実用化して
いる。しかし、フライホイール式エネルギー貯蔵装置
は、軸受損失が大きいために待機中の損失量も大きくな
り、そのため日負荷平準化応用などの日単位の長周期の
エネルギー貯蔵装置としては実用化していない。
効果を利用すると、制御なしでも非接触な安定浮上を実
現できる。この超電導のピンニング効果をフライホイー
ルの支持手段として利用したものが超電導軸受である
が、超電導軸受を用いれば、非接触であるために、軸受
損失はほとんどゼロになる。そのため、超電導体を冷却
する動力を考慮しても、低損失で高効率なエネルギー貯
蔵装置が実現できる可能性が高く、日負荷平準化用のフ
ライホイール式エネルギー貯蔵装置を目指した研究が盛
んに行われるようになった。
用いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置の構造につ
いて、模式的に示したものである。従来開発されてきた
超電導軸受1を用いたフライホイール式エネルギー貯蔵
装置では、超電導軸受だけでは剛性が小さく回転安定性
が低いという理由で、超電導軸受1はフライホイール7
の荷重を支持するために用いられ、制御型磁気軸受6や
機械式軸受が軸振動を抑えるために取り付けられている
(例えば、特開平5−248437号公報、電気学会論
文誌D117巻9号1132頁など)。このように制御
型磁気軸受や機械式軸受を併用すると、制御用電力や摩
擦などによって新たな損失動力が生じることになり、低
損失で高効率であるという超電導軸受の利点を損なうこ
とになる。したがって、制御なしでも安定浮上を実現で
きるという超電導軸受の特徴を活かし、超電導軸受の支
持だけで回転体を安定回転させることができるフライホ
イール式エネルギー貯蔵装置が望まれている。
転体の回転中心と回転体の重心との間にごく僅かなずれ
が存在しており、このずれは偏心と呼ばれる。偏心が存
在するために、回転体には遠心力が作用する。このよう
な偏心による遠心力は回転振動を励起するので、回転不
安定性の原因になり得る。図7のような従来例の構造で
は、回転体は回転軸方向に長い長軸構造であるために、
偏心による遠心力が回転体を傾けようとするモーメント
として働き、その結果回転体が傾くような振動が励起さ
れる。さらに、図7のような従来例の構造では、超電導
軸受1が回転中心軸の近くにあるため、回転体を傾けよ
うとするモーメントに対する剛性が低くなっている。し
たがって、従来例では、偏心による遠心力が回転体を傾
けようとするモーメントとして作用し、そのようなモー
メントに対する超電導軸受の剛性が低いために、回転が
不安定になるという問題が生じていた。
損失で高効率なフライホイール式エネルギー貯蔵装置を
実現するために、制御なしでも安定浮上を実現できると
いう超電導軸受の特徴を活かし、超電導軸受の支持だけ
で回転体を安定回転させることができる構成のフライホ
イール式エネルギー貯蔵装置を提供することである。
イホイール式エネルギー貯蔵装置は、浮上用磁石と該浮
上用磁石と対向して位置する超電導体から構成される超
電導軸受と、該超電導軸受により回転可能に支持された
フライホイールを含む回転体と、エネルギーの入出力を
行う発電電動機を備えたエネルギー貯蔵装置において、
フライホイールを含む回転体の軸方向の長さがフライホ
イールを含む回転体の最外直径よりも小さいことを特徴
とするフライホイール式エネルギー貯蔵装置である。
式エネルギー貯蔵装置は、浮上用磁石と該浮上用磁石と
対向して位置する超電導体から構成される超電導軸受
と、該超電導軸受により回転可能に支持されたフライホ
イールを含む回転体と、エネルギーの入出力を行う発電
電動機を備えたエネルギー貯蔵装置において、フライホ
イール部分に該浮上用磁石を組み込み、該超電導軸受の
フライホイールを含む回転体の重量を支持する位置がフ
ライホイール部分であることを特徴とするフライホイー
ル式エネルギー貯蔵装置である。
式エネルギー貯蔵装置は、フライホイールを含む回転体
の軸方向の長さがフライホイールを含む回転体の最外直
径よりも小さいことを特徴とする本発明による上記第2
のフライホイール式エネルギー貯蔵装置である。
式エネルギー貯蔵装置は、フライホイールを含む回転体
が回転軸を持たない円環形状であることを特徴とする本
発明による上記第3のフライホイール式エネルギー貯蔵
装置である。
式エネルギー貯蔵装置は、浮上用磁石と該浮上用磁石と
対向して位置する超電導体から構成される超電導軸受
と、該超電導軸受により回転可能に支持されたフライホ
イールを含む回転体と、エネルギーの入出力を行う発電
電動機を備えたエネルギー貯蔵装置において、フライホ
イールを含む回転体の回転対称軸まわりの慣性モーメン
トが、フライホイールを含む回転体の回転対称軸に直交
し、かつ重心を通る軸まわりの慣性モーメントよりも大
きいことを特徴とするフライホイール式エネルギー貯蔵
装置である。
きた超電導軸受を用いたフライホイール式エネルギー貯
蔵装置では、偏心による遠心力が回転体を傾けようとす
るモーメントとして作用し、そのようなモーメントに対
する超電導軸受の剛性が低いために、回転が不安定にな
ると考えられる。したがって、超電導軸受を用いたフラ
イホイール式エネルギー貯蔵装置で回転安定性を高める
ためには、回転体を傾けようとするモーメントの大きさ
を小さくすることと、回転体を傾けようとするモーメン
トに対する剛性を高くすることが必要である。
いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置は、偏心によ
る遠心力が回転体を傾けようとするモーメントの大きさ
を小さくすることによって、回転安定性を高めるもので
ある。偏心による遠心力が回転体を傾けようとするモー
メントの大きさは、遠心力の大きさと支持点と重心との
間の距離の積に比例する。したがって、遠心力の大きさ
が同じでも、支持点と重心との間の距離が小さくなれ
ば、回転体を傾けようとするモーメントの大きさを小さ
くできる。本発明によるフライホイール式エネルギー貯
蔵装置は、回転体の軸方向の長さを回転体の最外直径よ
りも小さくしたことを特徴とするフライホイール式エネ
ルギー貯蔵装置であるので、回転体の構造が回転軸の方
向に短い短軸構造になっている。そのため、支持点と重
心との間の距離が小さくなり、回転体を傾けようとする
モーメントの大きさを小さくできる。その結果、回転安
定性が高くなる。
イール式エネルギー貯蔵装置でも偏心による遠心力は存
在するが、この場合、偏心による遠心力は、回転体を傾
けるのではなく、回転体を水平方向に振れ回わそうとす
る。このような回転体の水平方向の振れ回りによる振動
では、回転体の角運動量の向きが変化しないために回転
体が傾く振動のような複雑な振る舞いはしないので、回
転体の動バランスを計測し、偏心の大きさを調整するこ
とで、振れ回りの大きさを実用レベルで問題となる大き
さ以下に小さくすることが容易にできる。
用いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置の実施例を
図1に示す。図1の実施例では、回転体は、フライホイ
ール7、回転軸5、フライホイール7と回転軸5を接続
するハブまたはスポーク9、および回転軸5にフライホ
イール7とは別に取り付けられた永久磁石3から構成さ
れる。回転体に組み込まれた永久磁石3は、永久磁石3
と対向する位置に設けられた超電導体2とともに超電導
軸受1を構成し、フライホイール7を含む回転体を回転
可能に支持する。超電導体2は、冷却容器10内に設置
され、液体窒素あるいは冷凍機により冷却される。回転
軸5には、発電電動機4が取り付けられており、フライ
ホイール7を含む回転体を加速あるいは減速させること
ができる。
ホイール7の回転エネルギーの形でエネルギーを貯蔵で
き、発電電動機4でエネルギーの入出力を行うことがで
きる。また、非接触の超電導軸受1によってフライホイ
ール7を含む回転体を支持しているので、摩擦による軸
受損失がなく、低損失で高効率なエネルギー貯蔵装置を
実現できる。
ー貯蔵装置は、効率をさらに向上させるために、真空容
器11内に設置され、真空中でフライホイール7を含む
回転体を回転させ風損を低減させることになるが、超電
導軸受1は非接触な支持方式であるので、超電導体2の
冷却系を密閉式にしていれば真空にすることに対して何
の支障もない。
7を含む回転体の軸方向の長さがフライホイール7を含
む回転体の最外直径よりも小さくなっている。そのた
め、フライホイール7を含む回転体の重心8の位置が、
超電導軸受1がフライホイール7を含む回転体を支持し
ている位置に対してほとんど同じ高さにあり、偏心によ
る遠心力が存在したとしても、回転体を傾けるモーメン
トとしては作用せずに、回転体を水平方向に振れ回そう
とするだけである。したがって、動バランスを計測し、
偏心の大きさを調整し振れ回りの大きさを実用レベルで
問題とならない大きさ以下に小さくすることで、超電導
軸受1の支持だけでフライホイール7を含む回転体を安
定回転させることができる。
発揮し得るものであれば特に制限されるものではない
が、好ましくは、ピンニング力の強い超電導体が望まし
い。本実施例で用いた超電導体2は、QMG材と呼ばれ
るもので、単結晶状のREBa 2 Cu3 Ox 相(REは
Yまたは希土類元素およびその組合せ)中にRE2 Ba
CuO5 相が微細分散している酸化物超電導体で、液体
窒素温度でピンニング力の強い材料である(特許登録第
1869884号)。また、本発明の永久磁石3は、超
電導体2と対向する表面の磁束密度が大きいほど浮上力
も大きくなるので、希土類系の永久磁石のように表面磁
束密度の大きい材料、例えば、Nd−Fe−B系、Pr
−Fe−B系やSm−Co系等の永久磁石が望ましい。
いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置は、回転体を
傾けようとするモーメントに対する剛性の大きさを小さ
くすることによって、回転安定性を高めるものである。
回転体を傾けようとするモーメントに対する剛性の大き
さは、浮上力の大きさと支持点の回転中心軸からの距離
の積に比例する。したがって、浮上力の大きさが同じで
も、支持点の回転中心軸からの距離が大きくなれば、回
転体を傾けようとするモーメントに対する剛性を高くす
ることができる。
貯蔵装置は、フライホイール部分に浮上用磁石を組み込
み、超電導軸受がフライホイールを含む回転体の重量を
支持する位置をフライホイール部分にしたことを特徴と
するフライホイール式エネルギー貯蔵装置であるが、フ
ライホイールは回転体を構成する部材の中で最も径が大
きい。そのため、支持点の回転中心軸からの距離が大き
くなり、回転体を傾けようとするモーメントに対する剛
性を高くすることができる。その結果、回転安定性が高
くなる。
用いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置の実施例を
図2に示す。図2の実施例では、浮上用永久磁石3をフ
ライホイール部分に組み込み、超電導軸受1がフライホ
イール7を含む回転体を支持する位置をフライホイール
部分にしている。そのため、超電導軸受1の支持位置が
回転中心軸から遠く離れており、回転体を傾けようとす
るモーメントに対する剛性が、超電導軸受1の支持位置
が回転中心軸から近い場合と比べて、大きくなってい
る。その結果、超電導軸受1の支持だけでフライホイー
ル7を含む回転体を安定回転させることができる。な
お、図2では、図1で記載した冷却容器10や真空容器
11は省略してある。
いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置は、偏心によ
る遠心力が回転体を傾けようとするモーメントの大きさ
を小さくすること、かつ回転体を傾けようとするモーメ
ントに対する剛性の大きさを小さくすることの両方の効
果によって、回転安定性を高めるものである。すなわ
ち、請求項1に示した本発明の超電導軸受を用いたフラ
イホイール式エネルギー貯蔵装置の構造と、請求項2に
示した本発明の超電導軸受を用いたフライホイール式エ
ネルギー貯蔵装置の構造を兼ね備えることによって、相
乗的な効果が期待でき、回転安定性は非常に高くなる。
用いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置の実施例を
図3に示す。図3の実施例では、フライホイール7を含
む回転体の軸方向の長さがフライホイール7を含む回転
体の最外直径よりも小さくなっている。そのため、フラ
イホイール7を含む回転体の重心8の位置が、超電導軸
受1がフライホイール7を含む回転体を支持している位
置に対してほとんど同じ高さにあり、偏心による遠心力
が存在したとしても、回転体を傾けるモーメントとして
は作用しない。
石3をフライホイール部分に組み込み、超電導軸受1が
フライホイール7を含む回転体を支持する位置をフライ
ホイール部分にしている。そのため、超電導軸受1の支
持位置が回転中心軸から遠く離れており、回転体を傾け
ようとするモーメントに対する剛性が、超電導軸受1の
支持位置が回転中心軸から近い場合と比べて、大きくな
っている。
の支持だけでフライホイール7を含む回転体をさらに安
定回転させることができる。なお、図3では、図1で記
載した冷却容器10や真空容器11は省略してある。
いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置は、請求項3
に示した本発明による装置と同様に、偏心による遠心力
が回転体を傾けようとするモーメントの大きさを小さく
すること、かつ回転体を傾けようとするモーメントに対
する剛性の大きさを小さくすることの両方の効果によっ
て、回転安定性を高めるものであるが、さらにフライホ
イール7を含む回転体が回転軸5を持たない円環形状に
することによりフライホイール7を含む回転体の構造を
簡単化したものである。超電導体2と永久磁石3との間
の磁束のピンニング効果を利用した超電導軸受1は、制
御なしでも安定浮上を実現できるので、このような回転
軸5を持たない円環形状のフライホイール7でも安定回
転させることができる。
用いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置の実施例を
図4に示す。図4の実施例では、回転軸5をなくし、フ
ライホイール7を含む回転体を円環形状あるいはリング
形状にしている。回転軸5をなくしているので、浮上用
永久磁石3はフライホイール部分に組み込むことにな
る。さらに、回転軸5をなくしているので、発電電動機
4は回転軸5に取り付けることはできないので、フライ
ホイール7の上部、あるいは側面部に設けることにな
る。なお、図4では、図1で記載した冷却容器10や真
空容器11は省略してある。
対する、回転数と水平方向の振動振幅の測定例を示す。
実験装置は、鋼材(SS材)を用いて直径280mm、高
さ25mmのフライホイール7を作製し、永久磁石3とし
てNd−Fe−B磁石を組み込んだ。超電導体2は、直
径46mmの円盤形状のQMG材16個をフライホイール
7とほぼ同じサイズにリング状に配置した。超電導体2
は、液体窒素により冷却した。フライホイール7の振動
振幅は、フライホイール7の側方部にレーザ変位計を設
置し計測した。図5では、低速回転領域で0.5mm程度
の振動振幅が見られるが、これはフライホイール7の形
状の凹凸を反映している。フライホイール7は、低速回
転領域では非常に小さな振動振幅であるが、ある回転数
(回転体に固有の危険速度と思われ、本実験の場合は
4.2rps付近であった)で振動振幅は急に大きくな
った。しかし、フライホール7は、超電導軸受1の支持
から外れることなく、危険速度以上の高速回転領域では
再び小さな振動振幅で安定に回転した。本実験データ
は、本発明の有効性を示すものである。
4では、フライホイール7を含む回転体の軸方向の長さ
をフライホイール7を含む回転体の最外直径よりも小さ
くなるように設定した。偏心による遠心力が回転体を傾
けようとするモーメントを小さくするだけならば、フラ
イホイール7を含む回転体の軸方向の長さをできるだけ
短くすればよい。しかし、フライホイール7を含む回転
体の軸方向の長さを短くしすぎると、フライホイール7
に貯蔵されるエネルギー量も小さくなり、実用的でな
い。貯蔵エネルギー量を大きくするには、フライホイー
ル7を含む回転体の軸方向の長さを回転安定性を保てる
範囲内でできるだけ大きくした方がよい。
用い、フライホイール7の最外直径に対する高さの比を
変化させて、回転安定性を評価した。実験装置は、図5
のデータを測定したものと同じものである。フライホイ
ール7の直径は280mmであるが、フライホイール7の
高さ(軸方向長さ)が25mm、75mm、125mm、17
5mm、225mm、275mm、325mm、375mmの異な
るものを8種類用意した。図6に、実験結果を示す。図
6の横軸はフライホイールの高さ(軸方向長さ)の最外
直径に対する比、図6の縦軸は最大振幅の大きさ、すな
わち図5のデータで振動振幅が最大になったときの値で
ある。
m、125mm、175mm、225mm、275mmに対して
は、すなわちフライホイール7の高さの最外直径に対す
る比の値が1になるまでは、フライホイール7は水平方
向に振動しており、図5のような回転数と水平方向の振
動振幅の測定データが得られ、危険速度の回転数で振動
振幅が最大になるが、回転安定性は保たれた。最大振幅
の値がばらついているのは、高さの異なるフライホイー
ル7それぞれの間でフライホイール7の偏心の大きさが
微妙に違っているためと考えられる。このようにフライ
ホイール7の高さの最外直径に対する比の値が1になる
までは、回転安定性は保たれていることが実証された。
mm、375mmに対しては、すなわちフライホイール7の
高さの最外直径に対する比の値が1を超えるフライホイ
ール7に対しては、低速回転領域では安定に回転したも
のの、危険速度の回転数に近付くつれて、フライホール
7が水平方向に振動するというよりは傾きながら振動し
始め、ついには超電導軸受1の支持から外れてしまっ
た。
回転体が回転安定性を保てる条件は、フライホイール7
を含む回転体の軸方向の長さがフライホイール7を含む
回転体の最外直径よりも小さいということが分かる。
いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置は、フライホ
イール7を含む回転体が比重の大きく異なる複数種類の
材料で構成されている場合でも、回転安定性が高くなる
ものである。慣性モーメントは、力学の教科書的な本
(例えば、原島鮮著「力学」(裳華房出版)の159
頁)に記載してあるように、I=∫∫∫r2 ρdxdy
dzで定義されるものである。ここで、Iはある軸まわ
りの慣性モーメント、rはある軸からの距離、ρは回転
体を構成する材料の密度であり、積分は回転体の全体積
に対して行う。図8に示すように、回転体の回転軸まわ
りの慣性モーメントをIpとし、回転体の回転軸と直角
な軸まわりの慣性モーメントをIrとする。フライホイ
ール7を含む回転体の軸方向の長さがフライホイール7
を含む回転体の最外直径以下であるというフライホイー
ル7を含む回転体が回転安定性を保てる条件は、慣性モ
ーメントIpとIrの大小関係でも判断でき、Ip>I
rとなる。例えば、直径D、高さHの中実円盤の場合、
Ip>Irという条件は、H<0.87Dとなり、回転
体の回転軸方向の長さが回転体の最外直径よりも小さい
という条件とほぼ一致する。このように一致するのは、
回転体の回転軸と直角な軸まわりの慣性モーメントが、
回転体の傾き易さを示す有効な指標になっているためで
あると考えられる。
回転体が複数の材料から構成されている場合に有効にな
る。例えば、フライホイール式エネルギー貯蔵装置にお
いて、回転軸5が比重の大きい鋼製材料でフライホイー
ル7が比重の小さいCFRP材料から構成されている場
合、フライホイール7を含む回転体全体がほぼ同じ比重
の材料で構成されている場合と比べて、フライホイール
7を含む回転体の重心8が高い位置にくる可能性があ
る。その場合、フライホイール7を含む回転体の軸方向
長さがフライホイール7を含む回転体の最外直径よりも
若干小さいときには、請求項1の条件は満たすが、偏心
による遠心力が回転体を傾けようとするモーメントが大
きくなり、回転不安定性が生じる可能性が考えられる。
このような場合には、慣性モーメントによる回転安定性
の判断が重要になると考えられる。
ール式エネルギー貯蔵装置によれば、制御なしでも安定
浮上を実現できるという超電導軸受の特徴を活かし、超
電導軸受の支持だけで回転体を安定回転させることがで
きるので、低損失で高効率なフライホイール式エネルギ
ー貯蔵装置を実現できる。
たフライホイール式エネルギー貯蔵装置の概略図であ
る。
たフライホイール式エネルギー貯蔵装置の概略図であ
る。
たフライホイール式エネルギー貯蔵装置の概略図であ
る。
たフライホイール式エネルギー貯蔵装置の概略図であ
る。
である。
径に対する比と最大の振動振幅の大きさとの関係を示す
測定例である。
ネルギー貯蔵装置の概略図である。
p)と、回転体の回転軸と直角な軸まわりの慣性モーメ
ント(Ir)のそれぞれの回転軸方向を示す概念図であ
る。
受 7 フライホイール 8 回転体の重心 9 ハブあるいはスポーク 10 冷却容器 11 真空容器
Claims (5)
- 【請求項1】 浮上用磁石と該浮上用磁石と対向して位
置する超電導体から構成される超電導軸受と、該超電導
軸受により回転可能に支持されたフライホイールを含む
回転体と、エネルギーの入出力を行う発電電動機を備え
たエネルギー貯蔵装置において、フライホイールを含む
回転体の軸方向の長さがフライホイールを含む回転体の
最外直径よりも小さいことを特徴とするフライホイール
式エネルギー貯蔵装置。 - 【請求項2】 浮上用磁石と該浮上用磁石と対向して位
置する超電導体から構成される超電導軸受と、該超電導
軸受により回転可能に支持されたフライホイールを含む
回転体と、エネルギーの入出力を行う発電電動機を備え
たエネルギー貯蔵装置において、フライホイール部分に
該浮上用磁石を組み込み、該超電導軸受のフライホイー
ルを含む回転体の重量を支持する位置がフライホイール
部分であることを特徴とするフライホイール式エネルギ
ー貯蔵装置。 - 【請求項3】 フライホイールを含む回転体の軸方向の
長さがフライホイールを含む回転体の最外直径よりも小
さいことを特徴とする請求項2に記載のフライホイール
式エネルギー貯蔵装置。 - 【請求項4】 フライホイールを含む回転体が回転軸を
持たない円環形状であることを特徴とする請求項3に記
載のフライホイール式エネルギー貯蔵装置。 - 【請求項5】 浮上用磁石と該浮上用磁石と対向して位
置する超電導体から構成される超電導軸受と、該超電導
軸受により回転可能に支持されたフライホイールを含む
回転体と、エネルギーの入出力を行う発電電動機を備え
たエネルギー貯蔵装置において、フライホイールを含む
回転体の回転対称軸まわりの慣性モーメントが、フライ
ホイールを含む回転体の回転対称軸に直交し、かつ重心
を通る軸まわりの慣性モーメントよりも大きいことを特
徴とするフライホイール式エネルギー貯蔵装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11056066A JP2000253599A (ja) | 1999-03-03 | 1999-03-03 | 超電導軸受を用いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11056066A JP2000253599A (ja) | 1999-03-03 | 1999-03-03 | 超電導軸受を用いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000253599A true JP2000253599A (ja) | 2000-09-14 |
Family
ID=13016722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11056066A Pending JP2000253599A (ja) | 1999-03-03 | 1999-03-03 | 超電導軸受を用いたフライホイール式エネルギー貯蔵装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000253599A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011112068A (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-09 | Kyushu Institute Of Technology | 高速回転装置 |
CN108880087A (zh) * | 2018-08-15 | 2018-11-23 | 中国电子科技集团公司第十六研究所 | 一种高温超导磁悬浮储能系统中的储能飞轮 |
JP2020078243A (ja) * | 2012-04-03 | 2020-05-21 | ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company | 入れ子型ロータオープンコアフライホイール |
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-
1999
- 1999-03-03 JP JP11056066A patent/JP2000253599A/ja active Pending
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