JP2000253499A - インパルス応答測定装置 - Google Patents

インパルス応答測定装置

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JP2000253499A
JP2000253499A JP11050194A JP5019499A JP2000253499A JP 2000253499 A JP2000253499 A JP 2000253499A JP 11050194 A JP11050194 A JP 11050194A JP 5019499 A JP5019499 A JP 5019499A JP 2000253499 A JP2000253499 A JP 2000253499A
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JP
Japan
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impulse
response
unit
signal
speaker
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Application number
JP11050194A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Fujinami
喜久 藤浪
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピーカの高調波歪みや混変調歪みの原因と
なる非線形歪みを除去するために、二次歪み成分の無い
線形成分のみのインパルス応答を効率良く測定できる装
置を提供する。 【解決手段】 インパルスδ(n)とこの2倍の振幅を有
するインパルス2δ(n)とがスピーカ6に入力され、測
定マイク7にて取り込まれたインパルス応答H[δ(n)]
を2倍したものからインパルス応答H[2δ(n)]を1/
2倍したものが減算されて、二次成分を含まないインパ
ルス応答を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】オーディオ信号を再生するス
ピーカシステムにおいて、二次歪み成分の無い線形成分
のみのインパルス応答を効率良く測定することのできる
インパルス応答測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ信号を再生するスピーカシス
テムは、電気信号から機械振動、そして、音響放射とい
った複雑な変換を行うシステムであり、このようなシス
テムでは周波数応答を広い帯域にわたり平坦に設計する
ことは困難である。
【0003】一方、近年のディジタル信号処理技術の発達に
より、周波数応答をきめ細かく制御することが可能にな
ってきており、スピーカの周波数応答についても、スピ
ーカのインパルス応答の逆特性を有する逆フィルタを用
いてスピーカのインパルス応答特性を補正することによ
り、特性を平坦にすることが可能である。
【0004】図5は、このような逆フィルタによるスピーカ
の特性補正処理について説明するための図であり、スピ
ーカ33のインパルス応答の逆特性を有する逆フィルタ
31を通過させた信号をアンプ32で増幅し、スピーカ
33に入力することによりスピーカの特性補正処理を行
っている。
【0005】なお、逆フィルタ係数入力手段34における逆
フィルタ係数は、通常、最小二乗法・適応による逆シス
テム同定といったオフライン処理により計算機上で算出
される。そして、精度の良い逆フィルタ係数を得るため
には、スピーカのインパルス応答を精度良く測定する必
要がある。
【0006】そして、広帯域信号を使ってインパルス応答を
測定する方法としては、例えばインパルス法、TSP
(Time Stretched Pulse)法、M系列ノイズ法、ホワイ
トノイズ法等が知られており、また、狭帯域信号を使っ
てインパルス応答を測定する方法としては、例えばスイ
ープサイン法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、広帯域信号
を使ってインパルス応答を測定する方法では、スピーカ
の線形成分(一次成分)だけでなく、非線形成分(二次
以降の成分)が同時に測定されてしまう。これは、図6
で示すように、スピーカのような非線形システムは、一
次からN次システムの和で構成されていると考えられる
からである。
【0008】即ち、このシステムに単一正弦波を入力すれば
その高調波が発生し、また広帯域信号を入力すれば、各
々の周波数成分どうしの混変調歪みが発生する。従っ
て、広帯域信号を使ってインパルス応答を測定した場合
には、その測定値に二次以降の非線形成分が含まれるこ
ととなる。
【0009】通常、これらの非線形成分は微少なものとして
無視され、測定された応答はそのままインパルス応答と
して逆特性の計算等に利用される。しかし、スピーカの
非線形成分が無視できないようなフルレンジの小型スピ
ーカ等では、特に混変調歪みが耳につきやすく、低音域
の明瞭度が下がってしまう。
【0010】一方、図7はスイープサイン法による測定装置
の構成を示すものであり、スイープサイン波発生部41
で発生させた単一の正弦波をアンプ42を介してスピー
カ43に入力し、測定マイク44で集音した応答の高調
波成分をバンドパスフィルタ45で除去することにより
一次成分のみを抽出している。
【0011】しかし、この方法では非線形成分(二次以降の
成分)が同時に測定されてしまうことはないものの、周
波数を可変できるスイープサイン波発生器、バンドパス
フィルタ等の構成や、周波数分析といった複雑なポスト
処理が必要であり、測定システムの規模が大きくなって
しまう。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明に係るインパルス応答測定装置は、単位振
幅を有する第1のインパルスと、前記単位振幅の2倍の
振幅を有する第2のインパルスとを発生することのでき
るインパルス発生部と、前記インパルス発生部からのイ
ンパルスをアナログ信号に変換した後に被測定物に出力
する出力手段と、前記出力手段の出力に対する前記被測
定物の応答を取り込む取り込み手段と、前記取り込み手
段で取り込まれたアナログ信号をディジタル信号に変換
した後に外来雑音を除去する同期加算手段と、前記イン
パルス発生部が前記第1のインパルスを発生した際に前
記取り込み手段で取り込まれる第1のインパルス応答
と、前記インパルス発生部が前記第2のインパルスを発
生した際に前記取り込み手段で取り込まれる第2のイン
パルス応答とに基づき2次応答の影響を除去する2次応
答除去手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係るインパルス応答測定
装置は、被測定物となるスピーカシステムの一次成分の
みのインパルス応答を測定する装置であり、ここでは、
まずその原理について説明する。
【0014】非線形システムは、図6を用いて説明した如く
一次からN次システムの和であると考えられ、ボルテラ
級数展開によって多項式に展開することができる。な
お、三次以降の成分は微少であるため無視でき、ここで
は展開を二次までで打ち切った場合のボルテラ級数を式
(1)として数1に示す。
【0015】
【数1】
【0016】ここで、H[・]はトータルシステム、H1[・]
は一次システム、H2[・]は二次システム処理を夫々示
しており、また、h1(k)は一次のボルテラインパルス応
答、h2(k1,k2)は二次のボルテラインパルス応答を表し
ている。
【0017】そして、このような非線形システムに単位振幅
をもつ一本のインパルスδ(n)を入力した時の応答は、
式(1)より数2に示す如く式(2)となる。
【0018】
【数2】
【0019】式(2)から明らかなように、非線形システム
における応答には、一次成分h1(n)の他に二次成分h2(n,
n)が存在する。次に、同システムに単位振幅の2倍の振
幅をもつインパルス2δ(n)を入力すると、その応答は
数3に示す如く式(3)となる。
【0020】
【数3】
【0021】この時、応答の一次成分は線形であるので、h1
(n)を2倍したものとなるが、二次成分はh2(n,n)を4倍
したものとなる。従って、式(2)と式(3)よりh
2(n,n)は数4に示す如く式(4)となり、h1(n)は数5
に示す如く式(5)となる。
【0022】
【数4】
【0023】
【数5】
【0024】以上のことから、振幅の異なるインパルス応答
を2回測定することにより2次成分を除去し、一次成分
のみを抽出可能であることがわかる。
【0025】さて、本発明に係るインパルス応答測定装置
は、このような振幅の異なるインパルス応答を2回測定
することにより、二次成分の無い線形成分のみのインパ
ルス応答を効率良く測定するインパルス応答測定装置で
あり、その構成を図1を用いて説明する。
【0026】ここでは、まず、単位振幅インパルス応答の測
定について説明すると、ディジタルシグナルプロセッサ
(以下、DSPと記す)内部に設けられたインパルス発
生部1で生成された単位振幅インパルスは、ゲイン切替
え部2内で増幅されることなく、帯域制限部3にてD/
A変換器4のサンプリング周波数(FS)の1/4の帯
域に帯域制限される。
【0027】そして、帯域制限されたインパルスは、D/A
変換器4でD/A変換処理された後にアンプ5で増幅さ
れ、スピーカ6に入力される。スピーカ6の出力は、測
定マイク7にて集音され、マイクアンプ7aで増幅され
た後にA/D変換器8でディジタル信号に変換される。
【0028】その後、ディジタル信号は、同期加算部9にて
インパルス発生部1からの同期信号に合わせて同期加算
されて外来ノイズが除去される。そして、同期加算結果
が単位振幅応答記憶手段11に出力されるよう、記憶手
段切替え部10が切替えられ、この同期加算結果が単位
振幅応答記憶手段11に記憶される。なお、図2は、こ
の単位振幅応答の測定値の一例である。
【0029】次に、2倍振幅インパルス応答の測定について
説明すると、インパルス発生部1で生成された単位振幅
インパルスは、ゲイン切替え部2内で2倍の振幅に増幅
され、以後、単位振幅インパルス応答の測定の時と同様
に、帯域制限部3から同期加算部9までの処理が行わ
れ、同期加算部9からの同期加算結果が2倍振幅応答記
憶手段12に出力されるよう、記憶手段切替え部10が
切替えられる。そして、この同期加算結果が2倍振幅応
答記憶手段12に記憶される。なお、図3は、この2倍
振幅応答の測定値の一例である。
【0030】そして、単位振幅応答記録手段11からの測定
結果はアンプ13で2倍され、2倍振幅応答記録手段1
2からの測定結果はアンプ14で1/2倍される。その
後、アンプ13が出力する2倍された測定結果からアン
プ14が出力する1/2倍された測定結果が減算器15
で減算されて一次応答記憶手段16に保存される。
【0031】このようにして、前記一次応答記憶手段16に
保存された測定結果は、二次応答成分を含まない一次応
答成分として逆フィルタによるスピーカの特性補正やス
ピーカの音響解析に利用可能である。なお、図4は図2
に示す単位振幅応答から除去された二次成分の一例であ
る。
【0032】なお、以上の実施例では、帯域制限部3で入力
インパルスをFS/4に帯域制限しているが、これは、
入力インパルスにFS/4〜FS/2の成分が存在する
とインパルス応答にはFS/2〜FSの成分が現れ、折
り返しノイズが発生してしまうからである。従って、F
S/4〜FS/2の入力周波数に対する応答の二次成分
(FS/2〜FS)が無視できるほど小さいものであれ
ば、帯域制限部を省略することも可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明に係るインパルス応答測定装置に
よれば、精度の良い二次成分を含まないインパルス応答
を安価なDSPで測定することができる。また、得られ
たインパルス応答を用いて逆フィルタの係数を計算して
逆フィルタを構成すれば、スピーカの低域特性を精度良
く補正でき、クリアな音楽を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るインパルス応答測定装置
の構成を示す図である。
【図2】単位振幅のインパルス応答の一例を示す図であ
る。
【図3】2倍振幅のインパルス応答の一例を示す図であ
る。
【図4】除去された二次成分の一例を示す図である。
【図5】逆フィルタによるスピーカの特性補正について
説明する図である。
【図6】非線形システムを一次からN次システムの和と
して示した図である。
【図7】スイープサイン法による測定を説明するための
図である。
【符号の説明】
1…インパルス発生部 2…ゲイン切替え部 3…帯域制限部 4…D/A変換部 5、13、14、32、42…アンプ 6、33、43…スピーカ 7、44…測定マイク 8…A/D変換部 9…同期加算部 10…記憶手段切替え部 11…単位振幅応答記憶手段 12…2倍振幅応答記憶手段 15…減算器 16…一次応答記憶手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単位振幅を有する第1のインパルスと、前
    記単位振幅の2倍の振幅を有する第2のインパルスとを
    発生することのできるインパルス発生部と、 前記インパルス発生部からのインパルスをアナログ信号
    に変換した後に被測定物に出力する出力手段と、 前記出力手段の出力に対する前記被測定物の応答を取り
    込む取り込み手段と、 前記取り込み手段で取り込まれたアナログ信号をディジ
    タル信号に変換した後に外来雑音を除去する同期加算手
    段と、 前記インパルス発生部が前記第1のインパルスを発生し
    た際に前記取り込み手段で取り込まれる第1のインパル
    ス応答と、前記インパルス発生部が前記第2のインパル
    スを発生した際に前記取り込み手段で取り込まれる第2
    のインパルス応答とに基づき2次応答の影響を除去する
    2次応答除去手段とを備えたことを特徴とするインパル
    ス応答測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002025998A1 (en) * 2000-09-20 2002-03-28 Leonhard Research A/S A method of measuring the impulse response capability of a system
JP2009531901A (ja) * 2006-03-28 2009-09-03 ジェネレック オーワイ 音響システムにおける方法および装置

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WO2002025998A1 (en) * 2000-09-20 2002-03-28 Leonhard Research A/S A method of measuring the impulse response capability of a system
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