JP2000252583A - 半導体レーザーおよび光波長変換装置 - Google Patents

半導体レーザーおよび光波長変換装置

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JP2000252583A
JP2000252583A JP11056182A JP5618299A JP2000252583A JP 2000252583 A JP2000252583 A JP 2000252583A JP 11056182 A JP11056182 A JP 11056182A JP 5618299 A JP5618299 A JP 5618299A JP 2000252583 A JP2000252583 A JP 2000252583A
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optical wavelength
optical
waveguide
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JP11056182A
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Shinichiro Sonoda
慎一郎 園田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振器を構成する相互に対向する端面の間に、
屈折率差を設けることにより導波路が形成され、片側の
端面からレーザービームを出射する半導体レーザーにお
いて、外部共振器からの戻り光による影響を排して、横
モードを安定化する。 【解決手段】p型の第2上部クラッド層20のレーザビー
ム出射側とは反対側の端部30の幅をミラーの方向に向か
ってテーパ状に狭めた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部共振器が設け
られた屈折率導波構造を有する半導体レーザーとこの半
導体レーザーを用いた光波長変換装置に関し、詳しく
は、外部共振器からの戻り光による悪影響を抑制し横モ
ードの安定性を高めた半導体レーザーと、その半導体レ
ーザーを光源として用い光出力の安定した光波長変換装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形光学効果を有する強誘電体の自発
分極(ドメイン)を周期的に反転させた領域を設けた光
波長変換素子を用いて、基本波を第2高調波に波長変換
する方法が既にBleombergenらによって提案されている
(Phys.Rev.,vol.127,No.6,1918(1962)参照)。
この方法においては、ドメイン反転部の周期Λを、 Λc=2π/{β(2ω)−2β(ω)} ただし、β(2ω)は第2高調波の伝搬定数 β(ω)は基本波の伝搬定数 で与えられるコヒーレント長Λcの整数倍になるように
設定することで、基本波と第2高調波との位相整合(い
わゆる疑似位相整合)を取ることができる。そして、例
えば、特開平5−29207号公報に示されるように、
非線形光学材料からなる光導波路を有し、そこを導波さ
せた基本波を波長変換する光導波路型の光波長変換素子
において、上述のような周期ドメイン反転構造を形成し
て、効率良く位相整合を取る試みもなされている。
【0003】上記の周期ドメイン反転構造を有する光導
波路型の光波長変換素子は、半導体レーザーから発せら
れたレーザービームを波長変換するためにも多く用いら
れている。その場合、半導体レーザーの発振波長がドメ
イン反転部の周期と位相整合する波長と一致していない
と、波長変換効率は著しく低いものとなり、実用性のあ
る短波長光源を得ることは困難となる。
【0004】このため、基板に周期ドメイン反転構造を
形成してなる光導波路型の光波長変換素子により半導体
レーザーから発せられたレーザービームを波長変換する
光波長変換装置において、外部共振器等の波長ロック機
構を設け、半導体レーザーの発振波長をドメイン反転部
の周期と位相整合する波長に正確にロックし、半導体レ
ーザーを安定して発振させるという提案がなされてい
る。
【0005】このような光波長変換装置には、一般に、
ファブリペロー型(FP型)の単峰性の空間モード(横
シングルモード)を有する通常の半導体レーザー(レー
ザーダイオード)が使用されている。
【0006】図9はリッジ構造のFP型半導体レーザー
の概略断面図である。リッジ構造のFP型半導体レーザ
ーは、Electronics Letters Vol.22 pp.1081-1082,1986
にも記載されているように、基板10上に、n型クラッド
層12、下部光導波層14、量子井戸(QW)活性層16、上
部光導波層18、およびp型クラッド層20がこの順に積層
されてなり、p型クラッド層20はリッジを形成してお
り、このリッジの頂部には、電極とのコンタクトをとる
ためのコンタクト部としてp型コンタクト層22が設けら
れ、このp型コンタクト層22の上にはp側電極26が形成
されている。また、基板10の裏面にはn側電極28が形成
され、p型クラッド層20のうちp型コンタクト層22が設
けられていない部分には絶縁膜24が形成されている。
【0007】このリッジ構造のFP型半導体レーザー
は、p型クラッド層20の側面をエッチング等により除き
リッジを形成したことにより、リッジが形成されている
領域の等価屈折率(実効屈折率)をその周辺の領域より
も大きくして屈折率導波構造を得ることができ、横モー
ドを安定化することができる。さらに、このリッジ底部
の幅を狭くすることで、高次モードの発振を効果的に抑
制することができ、横シングルモードのレーザーを得る
ことができる。
【0008】外部共振器を設けて波長をロックした場
合、通常は横モードがシングルモードで発振するFP型
半導体レーザーであっても、外部共振器からの戻り光に
よって横モードが高次モードになる場合がある。このよ
うに高次モードで発振するFP型半導体レーザーを前述
の光波長変換装置に用いると、光波長変換素子と半導体
レーザーとの結合効率が変動したり、半導体レーザーの
発光効率が変動することによって、波長変換された光の
出力が不安定になるという問題がある。また、出力が10
0mWを超える高出力タイプのFP型半導体レーザーで
は、光密度を低減する必要があり、リッジ底部の幅を3
μm以上に設計する場合が多い。この時、戻り光がある
と横モードが高次モードになり易い。横モードが高次モ
ードになると発光効率が著しく低下するおそれがある。
【0009】リッジ構造のFP型半導体レーザーにおい
て、外部共振器からの戻り光により横モードが高次モー
ドになるのを防止するためには、コアとなる部分の実効
屈折率を大きくするためにリッジ底部の幅を2〜1.5
μm程度にまで狭くすればよいが、例えば、通常のウエ
ット・エッチングを用いてリッジを形成する場合、リッ
ジ高さ1μmでリッジ底部全体の幅を2〜1.5μm程
度に小さくしようとするとリッジ頂部の幅が0.2〜
0.7μmとなり、リッジ頂部の面積はリッジ底部の幅
を3μmに設定した場合の面積の1/9から1/2となる。こ
れは、p側電極26とコンタクトをとるためのp型コンタ
クト層22が設けられる領域が小さくなることを意味し、
p型コンタクト層22とp側電極26との間の抵抗は2〜9
倍まで大きくなる。従って、リッジ底部全体の幅を狭く
すると、この抵抗による発熱のために素子が破壊される
か、または、素子が正常な動作をしなくなってしまうお
それがある。そこで、通常は、コアとなる部分の実効屈
折率は小さくなるが、リッジ底部の幅を3μm以上と設
計している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的
は、外部共振器が設けられた場合にも、外部共振器から
の戻り光による影響を受けることなく、横モードの安定
性に優れる半導体レーザーを提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、本発明の半導体レーザーを用
い、光出力の安定性に優れる光波長変換装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を行った結果、外部共振器からの戻り光が入射する側の
導波路の径を小さくすることで、横モードが高次モード
になるのを防止できることを見出し本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明の半導体レーザーは、共振器
を構成する相互に対向する端面の間に、屈折率差を設け
ることにより導波路が形成され、片側の端面からレーザ
ービームを出射する半導体レーザーにおいて、該出射側
とは反対側には反射部材が設けられ、該反射部材と出射
側の端面との間でレーザービームの波長をロックするた
めの外部共振器が形成され、前記導波路の前記出射側と
は反対側の端部の幅が、前記反射部材の方向に向かって
テーパ状に狭められたことを特徴とする。
【0012】前記導波路の出射側端部の幅も、レーザー
ビームの出射方向に向かってテーパ状に狭められている
ことが好ましい。
【0013】前記導波路のテーパ状に狭められたテーパ
状部には、電極とのコンタクトをとるためのコンタクト
部を設けずに、前記導波路のテーパ状部以外の部分にコ
ンタクト部を設けることもできる。
【0014】本発明の半導体レーザーは、下部電極が設
けられたGaAs基板上に、AlGaAsからなるn型
クラッド層、InGaAsPからなる下部光導波層、I
nGaAsからなる活性層、InGaAsPからなる上
部光導波層、およびAlGaAsからなるp型クラッド
層がこの順に積層されてなり、該p型クラッド層上に、
電極とのコンタクトをとるためのコンタクト部としてp
型コンタクト層が設けられ、該p型コンタクト層を介し
て上部電極が形成された層構成を有していることが好ま
しい。
【0015】本発明の光波長変換装置は、非線形光学効
果を有する強誘電体からなる基板上に形成された光導波
路を導波する基本波の波長を変換するための光波長変換
素子と、前記基本波としてこの光波長変換素子に入射す
るレーザービームを出射する半導体レーザーと、を有す
る光波長変換装置であって、半導体レーザーとして、本
発明の半導体レーザーを用いたことを特徴とする。
【0016】前記強誘電体が、LiNbxTa1-x3
(0≦x≦1)であることが好ましく、MgO、ZnO、
またはScでドープされたLiNbxTa1-x3で(0≦
x≦1)であることがより好ましい。
【0017】前記光波長変換素子の光導波路において、
前記レーザービームがTEモードで導波するように構成
されていることが好ましく、前記基板として、自発分極
の向きが基板表面に対して0度から20度までの角度で
傾いているものを用いることが好ましい。
【0018】また、前記光波長変換素子と前記半導体レ
ーザーとの間に電気光学変調素子を設けることもでき
る。
【0019】本発明の半導体レーザーは、外部共振器が
形成されることにより、半導体レーザーの発振波長を特
定の波長に正確にロックし、半導体レーザーを安定して
発振させることができる。また、屈折率差を設けること
により半導体レーザー内に形成された導波路において、
その端部の幅のみが反射部材の方向に向かってテーパ状
に狭められたことにより、低いコンタクト抵抗を維持し
たまま、外部共振器からの戻り光による影響を低減する
ことができ、横モードの安定と高い光出力とを得ること
ができる。
【0020】また、本発明の光波長変換装置は、波長が
ロックされ横モードが安定した本発明の半導体レーザー
を用いることにより、波長変換された高出力の光を安定
して得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図面を参
照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施
形態にかかる光波長変換装置の概略側面図である。この
第1の実施形態においては、光波長変換素子115に向か
わないレーザビーム111R(後方出射光)が、コリメー
ターレンズ112によって平行光化される。平行光化され
たレーザビーム111Rは狭帯域バンドパスフィルター114
を透過した後、集光レンズ113により集光されてミラー1
85上において収束する。
【0022】ミラー185で反射したレーザービーム111R
は、それまでの光路を逆に辿って半導体レーザー素子11
0にフィードバックされる。つまりこの装置では、上記
ミラー185と半導体レーザー素子110の前方端面(図1中
の左方の端面)によって半導体レーザー素子110の外部
共振器が構成されている。
【0023】そして、この外部共振器の中に配された狭
帯域バンドパスフィルター114により、フィードバック
されるレーザービーム111Rの波長が選択される。半導
体レーザー素子110はこの選択された波長で発振し、選
択波長は狭帯域バンドパスフィルター114の回転位置
(図1中の矢印A方向の回転位置)に応じて変化するの
で、この狭帯域バンドパスフィルター114を適宜回転さ
せることにより、半導体レーザー素子110の発振波長
を、光波長変換素子115と位相整合する波長に選択し、
ロックすることができる。
【0024】次に、半導体レーザ素子110について説明
する。図2に示すように、半導体レーザ素子110は、n型
のGaAs基板10上に、n型のAl0 .3Ga0.7Asからなる下部ク
ラッド層12と、n型またはi型のIn0.2Ga0.8As0.59P0.4 1
からなる下部光導波層14と、i型のIn0.2Ga0.8Asからな
る圧縮歪量子井戸活性層16と、p型またはi型のIn0.2G
a0.8As0.59P0.41からなる上部光導波層18と、p型のAl
0.3Ga0.7Asからなる第1上部クラッド層19と、In0.48Ga
0.52Pからなるエッチングストップ層21とが順次積層さ
れている。エッチングストップ層21の上には、p型のAl
0.3Ga0.7Asからなるリッジ形状の第2上部クラッド層20
が設けられ、p型の第2上部クラッド層20のリッジ頂部
にはp型の GaAsコンタクト層22が設けられている。p型
の第2上部クラッド層20のリッジ側部及びエッチングス
トップ層21のうちp型の第2上部クラッド層20が設けら
れていない部分は、Si02からなる絶縁膜24で覆われてい
る。p型の GaAsコンタクト層22及び絶縁膜24の上には、
Ti-Pt-Auからなるp側電極26が形成され、n型のGaAs基板
10の裏面にはGe-Au-Niからなるn側電極28が形成されて
いる。
【0025】この半導体レーザ素子110においては、p
型の第2上部クラッド層20の側面をエッチング等により
除きリッジを形成したことにより、リッジが形成されて
いる領域の等価屈折率(実効屈折率)をその周辺の領域
よりも大きくすることができ、対応する下部光導波層14
及び上部光導波層18内に導波路が形成される。
【0026】この半導体レーザ素子110を上から見る
と、図3に示すように、p型の第2上部クラッド層20は
半導体レーザ素子110の幅方向中央部分にのみストライ
プ状に設けられ、p型の第2上部クラッド層20のレーザ
ビーム出射側とは反対側の端部30の幅が、ミラー185の
方向に向かってテーパ状に狭められている。p型の第2
上部クラッド層20のリッジ頂部に設けられたp型の GaAs
コンタクト層22もまたレーザビーム出射側とは反対側の
端部32の幅が、ミラー185の方向に向かってテーパ状に
狭められている。
【0027】半導体レーザ素子110の長さL1は約500
μmであり、これに対しテーパ状部(すなわち端部30)
の長さL2は30〜200μmとすることが好ましい。
共振器中央部でのリッジ底部(すなわちp型の第2上部
クラッド層20底部)の幅W1は3〜5μmであり、出射
側とは反対側の端面での幅W2は1.5〜3μmとする
ことが好ましい。
【0028】また、半導体レーザ素子110は劈開によっ
て得られた端面34、36を有し、その端面上には反射率調
整のためのコート38、40がそれぞれ設けられている。
【0029】次に、この半導体レーザ素子110の製造方法
について説明する。n型のGaAs基板10上に、n型のAl0.3G
a0.7Asからなる下部クラッド層12と、n型またはi型のI
n0.2Ga0.8As0.59P0.41からなる下部光導波層14と、i型
のIn0.2Ga 0.8Asからなる圧縮歪量子井戸活性層16と、p
型またはi型のIn0.2Ga0.8As0.59P 0.41からなる上部光
導波層18と、p型のAl0.3Ga0.7Asからなる第1上部クラ
ッド層19と、In0.48Ga0.52Pからなるエッチングストッ
プ層21と、p型のAl0.3Ga0.7Asからなる第2上部クラッ
ド層20と、p型の GaAsコンタクト層22とを、有機金属気
相成長(MOCVD)法などを用いた半導体結晶成長技
術により順次積層する。
【0030】p型またはi型のIn0.2Ga0.8As0.59P0.41
からなる上部光導波層18とp型のAl0 .3Ga0.7Asからなる
第1上部クラッド層19の厚みは、リッジ構造により共振
器中央部に形成された導波路において単一基本モードに
よる屈折率導波が高出力で達成できる厚みとする。ま
た、In0.48Ga0.52Pからなるエッチングストップ層21の
厚みは10nmである。
【0031】基板を成長室から取り出し、フォトリソグ
ラフィ技術により、半導体レーザ素子110の幅方向中央
部分に、幅1.5μmであり、出射側と反対側の端面で
の幅が0.5〜1.0μmに狭められたストライプ状の
レジストマスクを形成し、このマスクを使って硫酸+過
酸化水素水系のエッチング選択比の高いエッチャントに
より、p型のAl0.3Ga0.7Asからなる第2上部クラッド層
20と、p型の GaAsコンタクト層22とを、In0.48Ga0.8As
0.59P0.41からなるエッチングストップ層21が露出する
までエッチング除去してリッジ構造を形成する。リッジ
底部の幅W1は約3μmであり、出射側とは反対側の端
面での幅W2は2μm以下であった。
【0032】次に、プラズマCVDでSiO2からなる
絶縁膜24を全面に形成した後に、フォトリソグラフィに
よりレジストパターンをリッジ頂部にアラインメントし
て形成した。この後フッ酸系のエッチャントでコンタク
ト層22上の絶縁膜24を除去する。レジストマスクを剥離
した後の積層体の上面全面にp側電極26を形成し、基板
裏面には研磨後その全面にn側電極28を形成する。最後
に、積層体を劈開して共振器を形成する端面34、36を形
成し、各端面に反射率を調製するためのコート38、40を
それぞれ形成し、チップ化して、半導体レーザ素子110
が完成する。
【0033】上記の素子は、p型の第2上部クラッド層
20の端部30の幅がミラー185の方向に向かってテーパ状
に狭められたことにより、対応する導波路の幅も狭めら
れ、外部共振器からの戻り光による影響を受け難くなり
横モードを安定させることができる。
【0034】なお、半導体レーザー素子の基板としてn
型GaAs基板を用いたが、これに限定されることなく導電
型を反対にすることも可能である。また、活性層は単一
の量子井戸活性層を有するSQW(Single Quntam Wel
l)構造としたが、これに限定されることなく複数の量子
井戸活性層を有するMQW(Multi Quntam Well)構造
とすることもできる。
【0035】また、本実施形態ではリッジ構造の半導体
レーザー素子としたが、これに限定されることなく埋め
込み構造の屈折率導波型の半導体レーザー素子とするこ
ともできる。
【0036】次に、光波長変換素子115について説明す
る。本発明の光波長変換素子115は、非線形光学効果を
有する強誘電体であるLiNbO3にMgOが例えば5m
ol%ドープされたもの(以下、MgO−LNと称する)
の結晶からなる基板116に、そのZ軸と平行な自発分極
の向きを反転させたドメイン反転部117が周期的に形成
されてなる周期ドメイン反転構造と、この周期ドメイン
反転構造に沿って延びるチャンネル光導波路118が形成
されてなるものである。周期ドメイン反転構造は、基板
116のY軸方向にドメイン反転部117が並ぶように形成さ
れ、その周期Λは、MgO−LNの屈折率の波長分散を
考慮して決定される。
【0037】一方、チャンネル光導波路118は、周期ド
メイン反転部117を形成した後、基板116の表面上に公知
のフォトリソグラフィーとリフトオフにより金属マスク
パターンを形成し、この基板116をピロリン酸中に浸漬
してプロトン交換処理を行ない、マスクを除去した後に
アニール処理する、等の方法によって作成することがで
きる。その後このチャンネル光導波路118の両端面118
a、118bを光学研磨し、出射端面118aに基本波に対す
る無反射コート(ARコート)120を形成し、入射端面118
bに基本波と第2高調波に対するARコート121を形成
すると、光波長変換素子115が完成する。
【0038】この光波長変換素子は、基本波としてのレ
ーザービームが、光導波路においてTEモードで導波す
るように構成されているのが望ましい。
【0039】基板は、図4に示すように、MgO−LN
のインゴットをZ軸に対して角度θ=3°をなす方向に
カット、研磨して得られたものであり、単分極化処理が
なされて厚さ0.4mmに形成されている。なお、この
研磨角度θ=3°の精度は±0.1°である。このよう
に自発分極の向きが基板表面に対してθ=3°傾くこと
によりドメイン反転部117の分極の向きも基板表面に対
して同様に傾くことになる。
【0040】プロトン交換処理は、深さ方向のビーム径
が1.5〜3.0μmとなるように、120〜200℃で30〜
90分間の範囲で行った。アニール処理は、ビーム径と光
伝搬損失が最適値となるように、300〜410℃で30分〜2
時間の範囲で行った。また、プロトン交換の際のマスク
の幅は、目的とする波長(基本波で0.9〜1.1μm
の範囲)でシングルモード条件となるように、3〜12
μmの範囲で行った。
【0041】このような波長変換素子の作製方法は、例
えば、特開平9−218431号公報等に詳細に記載さ
れている。
【0042】また、本実施形態では、基板を構成する強
誘電体としてMgOドープのLiNbO3を用いたが、
これに限らず、LiNbxTa1-x3(0≦x≦1)、ま
たはMgO、ZnO、またはScでドープされたLiN
xTa1-x3(0≦x≦1)を好適に用いることができ
る。MgOがドープされたLiNbO3基板は、光損傷
に強いので、ノンドープのLiNbxTa1-x3板等よ
りも好ましい。また、Sc、MgOがドープされたLi
NbxTa1-x3や、KTiOPO4 、KNbO3等のそ
の他の材料からなる基板を用いることも可能である。
【0043】本実施形態では、基板の自発分極の向きと
基板表面とがなす角度θをθ=3°としたが、一般に、
プロトン交換とアニールにより形成された光導波路をレ
ーザービームがTEシングルモードで導波するには角度
θが0°<θ<20°の場合であり、角度θをこの範囲に
設定するのが望ましい。角度θをθ<20°の範囲に設定
すると、波長変換が効率よくなされるようになる。
【0044】また、強誘電体結晶基板として、結晶のY
軸をYZ面内でZ軸側に3°回転させた軸に対して垂直
な面でカットされたものや、Z軸をZX面内でX軸側に
87°回転させた軸に対して垂直な面でカットされたもの
も好適に使用される。
【0045】このこの波長変換素子115と半導体レーザ
ー110とを用いて、図1に示す光波長変換装置を構成し
た。この場合の波長変換の換算効率は300%/Wcm2
あり、従来の光波長変換素子の換算効率と比べて著しく
高いものとなっている。
【0046】次に、この光波長変換装置の環境依存性を
調べた。環境依存性の評価は、種々の温度条件、パワー
条件を設定し、その条件下で、第2高調波の光強度10
mWに対してオート・パワー・コントロール(APC)
をかけて半導体レーザーの出力が約100mWとなるよ
うに駆動し、第2高調波の光出力の経時変化を見ること
により行った。図5示すように、本実施形態にかかる光
波長変換装置は、光出力が一定に保たれ、リッジ構造の
FP型半導体レーザーを用いた従来の光波長変換装置よ
り安定した耐環境依存特性が得られた。
【0047】本発明の第2の実施形態に係る光波長変換
装置は、図6に示す平面構造の半導体レーザ素子を用い
た点で、第1の実施形態に係る光波長変換装置と異なっ
ている。この半導体レーザー素子は、図6に示すよう
に、p型の第2上部クラッド層20の出射側端部42の幅
が、レーザービームの出射方向に向かってテーパ状に狭
められていること以外は、第1の実施形態に係る半導体
レーザー素子と同様の構造を有し、同様の方法で作製す
ることができる。
【0048】上記素子は、p型の第2上部クラッド層20
の端部30の幅がミラー185の方向に向かってテーパ状に
狭められたことにより、対応する導波路の幅も狭めら
れ、外部共振器からの戻り光による影響を受け難くなり
横モードを安定させることができる。さらに、p型の第
2上部クラッド層20の出射側端部42の幅が光波長変換素
子115の方向に向かってテーパ状に狭められたことによ
り、横モードがより安定する。
【0049】本発明の第3の実施形態に係る光波長変換
装置は、図7に示す平面構造の半導体レーザ素子を用い
た点で、第1の実施形態に係る光波長変換装置と異なっ
ている。この半導体レーザー素子は、図7に示すよう
に、p型の第2上部クラッド層20のリッジ頂部に設けら
れるp型の GaAsコンタクト層22が、p型の第2上部クラ
ッド層20の端部30以外の部分に設けられていること以外
は、第1の実施形態に係る半導体レーザーと同様の構造
を有している。
【0050】この半導体レーザ素子は、絶縁膜24を形成
する前に、テーパ状部に開口が設けられたレジストマス
クを形成してp型の第2上部クラッド層20の端部30上の
p型の GaAsコンタクト層22を除去する以外は、第1の実
施形態に係る半導体レーザー素子と同様の方法で作製す
ることができる。
【0051】上記素子は、p型の第2上部クラッド層20
の端部30の幅をミラー185の方向に向かってテーパ状に
狭めたことにより、対応する導波路の幅も狭められ、外
部共振器からの戻り光による影響を受け難くなり横モー
ドを安定させることができる。さらに、テーパ状の端部
30での電流注入がない構造とすることで、絶縁膜24(S
iO2)のエッチングのためのレジストマスクとリッジ
頂部の位置を厳しくアライメントする必要が無くなり、
歩留まりが向上する。
【0052】なお、p型の第2上部クラッド層20の両端
部30、42の幅がテーパ状に狭められている場合には、図
8に示すように、p型の GaAsコンタクト層22を、p型の
第2上部クラッド層20のリッジ頂部のうちテーパ状に狭
められた両端部以外の部分に設けることができる。
【0053】これら第2、第3の実施形態の波長変換装
置においても、高い波長変換効率と、安定した耐環境依
存特性が得られた。また、第1〜第3の実施形態では、
図1に示す構成の光波長変換装置としたが、本発明は、
屈折率導波構造を有し、波長をロックするための外部共
振器が形成されている半導体レーザーを用いた総ての光
波長変換装置に適用することができる。例えば、特開平
10−254001号公報に記載のいずれの波長変換装
置に用いた場合にも、前述と同様の評価において安定し
た耐環境依存特性を得ることができた。
【0054】さらに、本発明の光波長変換装置において
は、光導波路のドメイン反転部よりも導波方向上流側に
おいて、該光導波路を導波する光を変調する電気光学光
変調部が形成されてもよい。このような電気光学光変調
部を有する光波長変換モジュールについては、例えば本
出願人による特願平8−314800号明細書に詳しい
記載がなされている。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、外部共振器が設けられ
た場合にも、外部共振器からの戻り光による影響を受け
ることなく、横モードの安定性に優れる半導体レーザー
が提供される。また、光出力の安定性に優れる光波長変
換装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光波長変換装置
の概略側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る光波長変換装置
に用いる半導体レーザ素子の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る光波長変換装置
に用いる半導体レーザ素子の平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る光波長変換装置
に用いる基板のカット状態を説明する概略図である。
【図5】光波長変換装置における第2高調波の光出力の
経時変化を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る光波長変換装置
に用いる半導体レーザ素子の平面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る光波長変換装置
に用いる半導体レーザ素子の平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る光波長変換装置
に用いる半導体レーザ素子の変形例を示す平面図であ
る。
【図9】リッジ構造のFP型半導体レーザーの概略断面
図である。
【符号の説明】
10 基板 12 n型クラッド層 14 下部光導波層 16 量子井戸活性層 18 上部光導波層 19、20 p型クラッド層 21 エッチングストップ層 22 p型コンタクト層 24 絶縁膜 26 p側電極 28 n側電極 30、32、42 端部 34、36 端面 38、40 コート 110 半導体レーザー素子 111R レーザビーム(後方出射光) 112 コリメーターレンズ 113 集光レンズ 114 狭帯域バンドパスフィルター 115 光波長変換素子 116 結晶基板 117 ドメイン反転部 118 チャンネル光導波路 118a、118b 端面 120、121 ARコート 185 ミラー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振器を構成する相互に対向する端面の
    間に、屈折率差を設けることにより導波路が形成され、
    片側の端面からレーザービームを出射する半導体レーザ
    ーにおいて、 該出射側とは反対側には反射部材が設けられ、該反射部
    材と出射側の端面との間でレーザービームの波長をロッ
    クするための外部共振器が形成され、 前記導波路の前記出射側とは反対側の端部の幅が、前記
    反射部材の方向に向かってテーパ状に狭められたことを
    特徴とする半導体レーザー。
  2. 【請求項2】 前記導波路の出射側端部の幅が、レーザ
    ービームの出射方向に向かってテーパ状に狭められたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザー。
  3. 【請求項3】 前記導波路のテーパ状に狭められたテー
    パ状部以外の部分に、電極とのコンタクトをとるための
    コンタクト部が設けられたことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の半導体レーザー。
  4. 【請求項4】 下部電極が設けられたGaAs基板上
    に、AlGaAsからなるn型クラッド層、InGaA
    sPからなる下部光導波層、InGaAsからなる活性
    層、InGaAsPからなる上部光導波層、およびAl
    GaAsからなるp型クラッド層がこの順に積層されて
    なり、該p型クラッド層上に、電極とのコンタクトをと
    るためのコンタクト部としてp型コンタクト層が設けら
    れ、該p型コンタクト層を介して上部電極が形成された
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に
    記載の半導体レーザー。
  5. 【請求項5】 非線形光学効果を有する強誘電体からな
    る基板上に形成された光導波路を導波する基本波の波長
    を変換するための光波長変換素子と、前記基本波として
    この光波長変換素子に入射するレーザービームを出射す
    る半導体レーザーと、を有する光波長変換装置であっ
    て、 前記半導体レーザーとして、請求項1から4までのいず
    れか1項に記載の半導体レーザーを用いたことを特徴と
    する光波長変換装置。
  6. 【請求項6】 前記強誘電体が、LiNbxTa1-x3
    (0≦x≦1)であることを特徴とする請求項5に記載の
    光波長変換装置。
  7. 【請求項7】 前記強誘電体が、MgO、ZnO、また
    はScでドープされたLiNbxTa1-x3で(0≦x≦
    1)であることを特徴とする請求項5に記載の光波長変
    換装置。
  8. 【請求項8】 前記光波長変換素子の光導波路におい
    て、前記レーザービームがTEモードで導波するように
    構成されていることを特徴とする請求項5から7までの
    いずれか1項に記載の光波長変換装置。
  9. 【請求項9】 前記基板は、自発分極の向きが基板表面
    に対して0度から20度までの角度で傾いていることを
    特徴とする請求項5から8までのいずれか1項に記載の
    光波長変換装置。
  10. 【請求項10】 前記光波長変換素子と前記半導体レー
    ザーとの間に電気光学変調素子を設けたことを特徴とす
    る請求項5から9までのいずれか1項に記載の光波長変
    換装置。
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