JP2000252492A - 太陽電池、この製造方法、および積層型太陽電池 - Google Patents

太陽電池、この製造方法、および積層型太陽電池

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JP2000252492A
JP2000252492A JP11048835A JP4883599A JP2000252492A JP 2000252492 A JP2000252492 A JP 2000252492A JP 11048835 A JP11048835 A JP 11048835A JP 4883599 A JP4883599 A JP 4883599A JP 2000252492 A JP2000252492 A JP 2000252492A
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photoelectric conversion
semiconductor substrate
substrate
conductive region
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Satoshi Tanaka
聡 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型化を図れるとともに下段セルへ光が入射
しやすい太陽電池、この製造方法、および積層型太陽電
池を提供すること。 【解決手段】 半導体基板4または当該半導体基板上に
形成されたエピタキシャル層の一の面に光の入射に応じ
て電流を生成する光電変換部6が設けられ、二つの電極
26,36を介して電流を取り出し可能な太陽電池2に
おいて、半導体基板またはエピタキシャル層の一の面
に、光電変換部6により生成された電流が通過可能な導
電領域30が部分的に形成されており、導電領域30に
は、一方の電極36が接続されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電変換を行う太
陽電池およびこれを備えた積層型太陽電池に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体シリコンなどの単一材
料からなる太陽電池よりも光電変換効率を高めるべく、
バンドギャップを選択できるGaAsなどのIII-V族化
合物半導体の太陽電池の開発が行われている。しかし、
このIII-V族化合物半導体の太陽電池は光電変換効率が
高いものの、代表的なIII-V族半導体基板であるGaA
s、InP基板がSi基板と比較して価格が高いという
デメリットがあり、このことがIII-V族化合物半導体の
太陽電池の普及を阻害している。
【0003】かかるコスト高の問題を解決するため、大
面積の大型の太陽電池を大量に生産することが考えられ
る。しかし、従来から知られている薄膜積層法やメカニ
カルスタック法等によりIII-V族半導体を用いて太陽電
池を製造する場合、通常、導電性のGaAs、InP基
板が必要になるが、導電性の基板を得るには不純物を添
加しなければならない。ところが、この不純物が基板全
体の結晶性を劣化させるため、太陽電池の大型化(大面
積化)が図れないという問題があった。
【0004】一方、このような導電性の基板を用いた太
陽電池と異なり、半絶縁性の基板を用いた太陽電池が知
られている。このタイプの太陽電池の一例が、26th IEE
E Photovoltaic Specialists Conference(1997,高本
他)のFigure.2に示されている。この太陽電池は、光電
変換部(ダイオード構造)と半絶縁性基板との間に厚い
導電層を設け、この導電層に取り付けた電極(Au)よ
り光電変換部で生成された電流を取り出せるように構成
されている。そして、導電層の結晶性はその下の半絶縁
性基板の結晶性に従うため良質となり、導電性基板を用
いるタイプの太陽電池よりも大型化を図ることができ、
ひいては大量生産による価格低下が期待できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この半絶縁
性基板を使用したタイプの太陽電池には、次のような問
題があった。すなわち、上述の導電層はキャリア密度が
高いため、電気エネルギへの変換ができないバンドギャ
ップよりも小さいエネルギの光も吸収してしまう。この
ため、例えばこのタイプの太陽電池をスタック型太陽電
池の上部セルとして使用した場合、下部の太陽電池への
光の入射が妨げられる。つまり、下部の太陽電池によれ
ば電気エネルギに変換できるエネルギ光を上部セルの導
電層が吸収してしまうため、太陽電池全体の変換効率が
低下してしまう。
【0006】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であり、大型化を図れるとともに下段セルへ光が入射し
やすい太陽電池、この製造方法、および積層型太陽電池
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、半導体基板または当該半導体基板上に形
成されたエピタキシャル層の一の面に光の入射に応じて
電流を生成する光電変換部が設けられ、二つの電極を介
して電流を取り出し可能な太陽電池において、半導体基
板またはエピタキシャル層の一の面に、光電変換部によ
り生成された電流が通過可能な導電領域が部分的に形成
されており、導電領域には、一方の電極が接続されてい
ることを特徴とする。
【0008】本発明に係る太陽電池では、半導体基板ま
たは当該半導体基板上に形成されたエピタキシャル層の
一の面に、光電変換部によって生成された電流が通過可
能な導電領域が部分的に形成されている。すなわち、こ
の導電領域および導電領域に接続された電極を介して電
流の取り出しが行われる。導電領域の形成方法として
は、たとえば不純物を表面から拡散させる拡散法や高エ
ネルギのイオンを基板に注入するイオン注入法がある。
また、導電領域は半導体基板の表面全体でなく部分的に
形成されているため、たとえば本発明の太陽電池の下方
に他の太陽電池を配置した場合に、本発明の太陽電池に
入射した光のうち導電領域が形成されていない部分を通
過した光が下方の太陽電池に効率良く入射することがで
きる。さらに、本発明では、導電領域を介して電流の取
り出しを行うことができるため、不純物添加による結晶
性の劣化のために大型化の図れない導電性基板を使用す
る必要がない。このため、導電性基板を使用する従来の
ような太陽電池と比較して大型化を図ることができ、ひ
いては電気出力の向上を図ることができる。
【0009】また、本発明の太陽電池において、光電変
換部は、p型層およびn型層を有するpn接合ダイオー
ドから成るように構成することができる。また、光電変
換部は、複数のpn接合ダイオードと当該各pn接合ダ
イオードの間に設けられたトンネル接合ダイオードとか
ら成るように構成してもよい。
【0010】さらに、半導体基板はGaAs、InP、
Siのうち何れかの材料で形成することが望ましい。
【0011】また、上述の導電領域に接続される一方の
電極は、半導体基板またはエピタキシャル層の一の面側
に設けることができる。また、半導体基板の他の面に導
電領域が露出する露出部を形成し、一方の電極をこの露
出部に設けてもよい。
【0012】また、本発明の積層型太陽電池は、上述の
太陽電池である第1の太陽電池と、当該第1の太陽電池
の下方に設けられた第2の太陽電池とを有し、入射光の
うち第1の太陽電池を透過した光が第2の太陽電池に入
射する。
【0013】本発明に係る積層型太陽電池によれば、上
述のように第1の太陽電池の導電領域は半導体基板の表
面全体でなく部分的に形成されているため、第1の太陽
電池に入射した光のうち導電領域が形成されていない部
分を通過した光が第2の太陽電池に効率良く入射するこ
とができる。
【0014】また、上記積層型太陽電池において、第2
の太陽電池の半導体基板またはエピタキシャル層に、第
1の太陽電池と同様に導電領域が部分的に形成されてい
ることが望ましい。このような構成を採用した場合、第
2の太陽電池においても導電領域を介して電流の取り出
しを行うことができるため、不純物添加による結晶性の
劣化のために大型化の図れない導電性基板を使用する必
要がない。このため、導電性基板を使用する場合と比較
して大型化を図ることができ、ひいては電気出力の向上
を図ることができる。
【0015】さらに、上記積層型太陽電池において、第
1の太陽電池の半導体基板はGaAsから形成され、第
2の太陽電池の半導体基板はInPから形成されている
ことが望ましい。
【0016】この場合、たとえばGaAs基板上にGa
Asを、InPにはGa0.25In0. 75As0.540.46
それぞれ光電変換部のpn接合ダイオードの材料として
用いてタンデム型の太陽電池を作製すると、2つのダイ
オードで得られる変換効率が極めて高くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る太陽電池、積層型太陽電池、および太陽電池の
製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する
記載は省略する。
【0018】[第1実施形態]図1は本実施形態に係る
太陽電池2を示す斜視図であり、図2は図1に示す太陽
電池2のII-II方向の断面図で、図3は図1に示す太陽
電池2のIII-III方向の断面図である。太陽電池2は、
主に、半絶縁性のGaAs(001)基板4と、2対の
pn接合ダイオード構造を含む光電変換部6と、から構
成されている。なお、本実施形態で使用する基板4は半
絶縁性の基板に限られず、絶縁性基板や導電性基板でも
よい。
【0019】図2および図3に示すように、光電変換部
6は、表面最上層から順に、(1)Siドープのn型Ga
InP層(厚さ0.05μm、キャリア濃度2×1018
個/cm3)8と、(2)Znドープのp型GaInP層
(厚さ0.55μm、キャリア濃度1.5×1017個/
cm3)10と、(3)Znドープのp型GaInP層(厚
さ0.015μm、キャリア濃度1.5×1019個/c
3)12と、(4)Siドープのn型GaInP層(厚さ
0.015μm、キャリア濃度2×1019個/cm3
14と、(5) Siドープのn型GaAs層(厚さ0.1
μm、キャリア濃度2×1018個/cm3)16と、(6)
Znドープのp型GaAs層(厚さ3μm、キャリア
濃度2×1017個/cm3)18と、を備えている。
【0020】なお、n型GaInP層8とp型GaIn
P層10の組合せ、および、n型GaAs層16とp型
GaAs層18の組合せによって、それぞれpn接合ダ
イオードが構成され、p型GaInP層12とn型Ga
InP層14の組合せによってトンネル接合ダイオード
が構成されている。また、図示は省略するが、太陽電池
2の表裏面には、MgS、ZnSからなる反射防止膜が
形成されている。
【0021】光電変換部6の上面には、図1において詳
細が明らかにされているが、5本のフィンガー20およ
び各フィンガー20に接続されたバズバー22から成る
くし形電極24と、当該くし形電極24に取り付けられ
た上部電極パッド26と、が設けられている。フィンガ
ー20の幅L1(図2参照)は約20μmで、各フィン
ガー20の間隔は650μmとされている。通常、金属
電極に入射した光は反射または散乱されるため光電変換
部6のpn接合部分に到達しないが、本実施形態のよう
にくし形電極24を用いれば、各フィンガー20間に入
射した光が確実にpn接合部に到達することができる。
なお、くし形電極24および上部電極パッド26の材料
としては、光電変換部6で発生した電流を損失無く外部
に取り出せるように、例えば金、銀、アルミニウム、ニ
ッケル、スズ、インジウムなどの抵抗率が低い金属及び
合金が好ましい。
【0022】また、基板4の上面には、本実施形態の特
徴である導電領域30が形成されている。導電領域30
には不純物として亜鉛(Zn)が拡散されており、その
内部を光電変換部6で生成された電流が通過することが
できる。導電領域30は、光電変換部6からの電流が流
入するための5つの電流流入領域32と、各電流流入領
域32からの電流が集められる電流収集領域34と、か
ら構成されている。また、導電領域30の上面には、電
流を取り出すための下部電極パッド(コンタクト電極)
36が取り付けられている。なお、図2に示すように、
各電流流入領域32の幅L2は、くし形電極24のフィ
ンガー20の幅L1よりも狭くされている。
【0023】また、導電領域30の抵抗率を低下させる
には、不純物の濃度を上げればよい。不純物を添加する
方法としては、不純物濃度が高いガスに基板4を曝すこ
とで当該不純物を基板表面から拡散させる拡散法や、高
エネルギのイオンを基板4に注入するイオン注入法があ
る。また、不純物としては、Znのほか種々のものを使
用することができる。
【0024】次に、以上のような構成の太陽電池2に光
が入射したときの動作を説明する。まず、入射光のうち
各フィンガー20の間を通過した光が光電変換部6に到
達すると、光電変換部6によって電流が生成される。そ
して、この電流は、各電流流入領域32に入り込んで電
流収集領域34を通過した後に、下部電極パッド36よ
り取り出される。
【0025】ここで、本実施形態の太陽電池2によれ
ば、導電領域30は基板4の表面全体でなく部分的に形
成されているため、たとえば本実施形態の太陽電池2の
下方に他の太陽電池を配置した場合に、太陽電池2に入
射した光のうち導電領域30が形成されていない部分を
通過した光が下方の太陽電池に効率良く入射することが
できる。なお、各電流流入領域32の幅L2は、くし形
電極24のフィンガー20の幅L1よりも狭くされてい
るため、太陽電池2を通過する入射光量はフィンガー2
0の幅(面積)で決定され、電流流入領域32の面積の
影響を受けない。
【0026】さらに、本実施形態では、導電領域30を
介して電流の取り出しを行うことができるため、不純物
添加による結晶性の劣化のために大型化(大面積化)の
図れない導電性基板を使用する必要がない。このため、
導電性基板を使用する従来のような太陽電池と比較して
大型化を図ることができ、ひいては電気出力の向上を図
ることができる。またさらに、26th IEEE Photovoltaic
Specialists Conference(1997,高本他)のFigure.2に
示された太陽電池のように、光電変換部(ダイオード構
造)と半絶縁性基板との間に厚い導電層を設ける必要が
なくなり、コスト低減を図ることができる。
【0027】次に、図4を参照して、本実施形態の太陽
電池2の製造方法を説明する。図4(a)〜(e)は、
太陽電池2の製造方法を示す工程図である。なお、図の
見易さを考慮し、電流流入領域32等の数は図1のもの
と変えてある。
【0028】まず、図4(a)に示すように、プラズマ
CVDによって、GaAs基板4上に厚さ10μmの窒
化シリコン(SiN)からなるマスク層38を形成す
る。このマスク層38は、後の工程で不純物拡散用のマ
スクとなるものである。なお、マスク層38の材料とし
ては、SiNのほかに、SiO2などの酸化物やTiN
などの窒化物を使用することができる。また、マスク層
38の形成方法としては、このほか蒸着法、スパッタ
法、スピンオンガラス法などがある。
【0029】なお、マスク層38を形成する前に、位置
合わせ用のマークを付けてもよい。後述の工程で部分的
な導電領域を形成した後、基板表面を見ても導電領域が
形成された部分と形成されていない部分とが外観上見分
けが殆ど付かない。このため、基板4への光電変換部6
の積層が困難になるのを防止すべく、位置合わせマーク
が付けられる。具体的には、基板4の表面全体にフォト
レジストを塗布した後、位置合わせマークを付ける部分
のみフォトレジストを除去して窓を形成する。この窓
は、後の工程で光電変換部が積層される領域以外に形成
することが望ましい。そして、窓を形成した後、アンモ
ニア溶液で基板の窓から露出した部分を約0.1μmの
深さまでエッチングし、このエッチングされた部分が位
置合わせマークとなる。なお、位置合わせマークの形成
には、このほかスパッタや反応性イオンエッチングなど
のドライエッチング、酸やアルカリなどによるウエット
エッチングを用いてもよい。
【0030】次に、図4(b)に示すように、マスク層
38に開口窓40を形成する。具体的には、開口窓40
を形成する部分以外にフォトレジストを塗布した後、基
板4全体を濃度約5%のフッ酸に浸す。フッ酸はSiN
を溶解するがGaAsを溶解しないため、フォトレジス
トが塗布されていない部分のSiNのみが除去され、こ
れにより開口窓40が形成される。
【0031】次に、図4(c)に示すように、電流流入
領域32等からなる導電領域30を形成する。導電領域
30の形成のために、本実施形態では拡散法を用いる。
具体的には、高純度Znおよび高純度Asを予め真空排
気され水素で置換された石英製アンプルに導入し、さら
に、開口窓40が形成された基板を当該アンプルに入れ
て封入する。そして、このアンプル全体を加熱炉に入
れ、600℃で60分間加熱する。これにより、Znが
基板4の表面付近で拡散し、導電領域30が形成され
る。なお、SIMSにて測定したところ、基板表面から
深さ15μmのポイントでも1×1018/cm3以上の
Zn濃度であることが分かった。
【0032】なお、Znを拡散させる方法として、本実
施形態のように固体Zn,Asを用いる代わりに、Z
n,As原料ガスを用いてもよい。たとえば、Znの原
料ガスとしてトリメチル亜鉛、Asの原料ガスとしてア
ルシン、ターシャリブチルアルシンがある。これらのガ
スを用いる場合は、通常MOCVDの成長炉で、水素ガ
スをキャリアガスとしてZn原料ガスおよびAs原料ガ
スを同時に流し、加熱された基板上に供給する。
【0033】次に、図4(d)に示すように、マスク層
38をフッ酸により除去する。さらに、基板4の表面を
アンモニア溶液により表面から約0.5μmだけエッチ
ングする。これにより、基板4の表面が平坦化し、後の
光電変換部を構成する各エピタキシャル層が良好な結晶
性、電気特性を有するものになる。
【0034】次に、図4(e)に示すように、基板4上
に光電変換部6を形成し、さらに、この光電変換部6上
にフィンガー20などを有するくし形電極24を形成す
る。本実施形態では、光電変換部6の各エピタキシャル
層8〜18を成長させるに際しては、横型成長炉などを
使用することができ、III族元素の原材料およびV族元素
の原材料を、水素ガスをキャリアガスとして反応炉内に
導入する。GaAs層16,18を形成するときは、V
族ガスの量とIII族ガスの量との比を1:10とし、G
aInP層8〜14を形成するときは、V族ガスの量とI
II族ガスの量との比を1:50とする。また、ガスの総
流量を毎分約20リットル、基板温度を約550℃、基
板の回転速度を毎分約10回転、そして、反応炉内の圧
力を約76Torrとする。
【0035】また、III族元素の原材料として、ガリウ
ムを含むトリエチルガリウム(TEG)、アルミを含む
トリメチルアルミ(TMA)、インジウムを含むトリメ
チルインジウム(TMI)等を用いることができ、V族
の元素の原材料として、ヒ素を含むターシャリーブチル
アルシン(TBA)、リンを含むターシャリブチルフォ
スヒン(TBP)等を用いることができる。また、n型
の伝導特性を得るために、ドーパントガスとしてテトラ
エチルシラン(TESi)、p型の伝導特性を得るため
にジエチル亜鉛(DEZn)を用いることができる。
【0036】なお、電流の外部への取り出しを考慮し、
基板4に直接形成される最下層(GaAs層)18は、
導電領域30と同じ導電型(p型またはn型)にする必
要がある。本実施形態では、導電領域30がp型である
ため、最下層であるGaAs層18をp型にしてある。
【0037】また、基板4および光電変換部6のエピタ
キシャル層の材料には、シリコン、ゲルマニウムの4族
の半導体、GaAs、InP、GaP、InGaAs、
InGaAsP、AlGaAs、InAs、GaIn
P、AlInP、AlGaInP、GaNAs、GaN
P、GaInNAs、GaInNP、GaSb、InS
b、GaN、AlN、InGaN、InNAsPなどの
III-V族化合物半導体、HgTe、HgCdTe、Cd
MnTe、CdS、CdSe、MgSe、MgS、Zn
Se、ZeTeなどのII-VI族化合物半導体、そして、
CuInSe(ClS)などの種々のものを用いること
ができる。なお、各エピタキシャル層を積層する場合、
バンドギャップの大きいものを上部にすることが望まし
い。これは、バンドギャップエネルギ以下のエネルギを
有する光を電気エネルギに変換することができないとい
う太陽電池の性質を考慮したものであり、これにより、
上部のセル(太陽電池)によって電気エネルギに変換で
きなかった所定波長の光を下部セルによって変換するこ
とができる。
【0038】また、n型GaInP層8とp型GaIn
P層10の間やn型GaAs層16とp型GaAs層1
8の間に低キャリア濃度層であるi層を挿入したpin
ダイオード構造を形成してもよい。
【0039】そして、各エピタキシャル層8〜18の成
長が終了した後、エピタキシャル層8〜18の周囲をウ
エットエッチングやドライエッチングなどによって除去
する。本実施形態では、クエン酸水溶液と過酸化水素水
を3:1の割合で混合した溶液によって各エピタキシャ
ル層8〜18のエッチングを行う。これにより、図1に
示すような1cm角のメサ形状の光電変換部6が完成す
るとともに、導電領域30の一部が露出する。そして、
光電変換部6の上部にくし形電極24を蒸着法やメッキ
法などによって形成した後、くし形電極24に金製の上
部電極パッド26を蒸着し、導電領域30の電流収集領
域34に金製の下部電極パッド36を蒸着する。さら
に、基板の表面および裏面にMgF2、ZnSから成る
反射防止膜を真空蒸着法によって成長させ、本実施形態
の太陽電池2が完成する。
【0040】次に、図5(a)〜図5(c)を参照し
て、本実施形態の太陽電池の変形例を説明する。図5
(a)〜図5(c)に示す各変形例が第1実施形態と異
なるのは、基板4に部分的に形成された導電領域30の
形状にある。図5(a)では、平行に複数形成された電
流流入領域32に、二つの略U字状の電流収集領域34
が交わっている。図5(b)では、平行に複数形成され
た電流流入領域32に直交して複数の直線状の電流収集
領域34が形成され、さらに、当該電流収集領域34に
蒸着された下部電極パッド36が設けられている。図5
(c)では、電流流入領域32が平行に複数形成され、
さらに、各電流流入領域32に直交する複数の直線状の
下部電極パッド36が設けられている。これらの導電領
域30のよっても、第1実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。なお、導電領域30の形状は本変形例に限
られるものではなく、種々変更することができる。
【0041】[第2実施形態]次に、図4を参照して、
本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態が第1実
施形態と異なるのは、導電領域30の形成方法である。
図4(a)〜図4(b)の工程は第1実施形態と同様で
あるため、説明を省略する。
【0042】本実施形態では、図4(c)の工程におい
て、イオン注入法によって導電領域30を形成する。具
体的には、イオン注入装置によって、400keVに加
速されたシリコンイオンを基板4の上方から注入する。
これにより、基板4の表面から約0.8μmの深さまで
シリコンイオンを注入することができる。本実施形態で
は、0.8μmの深さで1×1017cm3以上のシリコ
ンイオンを注入することを目安にした。
【0043】次に、イオン注入した基板4を熱処理し、
イオン注入により発生した欠陥の除去と注入した不純物
の活性化を行う。具体的には、まず、開口窓40内の基
板4の表面が露出した部分を保護するため、SiNを約
0.5μm堆積する。次いで、基板4を加熱炉に入れ、
約900℃で60分間アニールする。これにより、基板
4の結晶性が良好になると共に、イオン注入した部分
(導電領域30)が電気的に活性となる。
【0044】本実施形態のようにイオン注入法を用いた
ときのメリットとして、次のことが挙げられる。すなわ
ち、第1実施形態の拡散法では、基板に拡散させる不純
物領域の深さや濃度は基板の材質と拡散させる不純物元
素の組合せで決まるため、使用できない不純物もある。
これに対し、イオン注入法では、殆どの元素を基板に注
入できる。また、イオン注入法では、不純物を注入する
深さおよび濃度は、それぞれイオンの加速エネルギおよ
びイオン電流量を調整することで容易に制御することが
できる。
【0045】イオン注入を行った後、図4(d)に示す
マスク層38の除去および図4(e)に示す光電変換部
6の形成という工程を経て、本実施形態の太陽電池が完
成する。
【0046】[第3実施形態]次に、図6および図7を
用いて、本発明の第3実施形態について説明する。図6
は、本実施形態の太陽電池2を示す図であり、図7
(a)〜図7(b)は、本実施形態の太陽電池2の製造
方法を示す工程図である。本実施形態が第1実施形態と
異なるのは、基板の材料および光電変換部6の構成であ
る。本実施形態では、ノンドープのSi(001)基板
44を用いる。
【0047】まず、図7(a)のように、導電領域30
を形成するための開口窓40をマスク層38に形成する
方法を説明する。まず、SiO2(酸化シリコン)によ
ってマスク層38を形成する。具体的には、SiO2
酸化炉にて水素雰囲気中約1050℃で成長させると、
マスク層38の厚みは約10μmとなる。そして、マス
ク層38を形成した後、エッチングによって開口窓40
を形成する。次に、図7(b)のように、この開口窓4
0から基板4の露出した部分にボロンを拡散させる。原
料としてはBCl3を用い、横型の石英炉内でバブリン
グ法にて拡散を行う。
【0048】ボロンを拡散させてp型の導電領域30を
形成し、マスク層38を除去した後に、図6に示すよう
に、基板44上に、(1) Pドープのn型Si層(厚さ
0.3μm、キャリア濃度1×1019個/cm3)46
と、(2) Bドープのp型Si層(厚さ300μm、キャ
リア濃度2×1018個/cm3)48と、からなる一対
のダイオード構造をエピタキシャル成長によって形成す
る。エピタキシャル成長は減圧CVDにて行い、n型半
導体用のドナーとしてPH3(フォスフィン)等が使用
でき、p型半導体用のアクセプタとしてB26(ジボラ
ン)等を使用することができる。このような構成の太陽
電池によっても、第1実施形態と同様な効果を得ること
ができる。
【0049】なお、シリコンから成る基板44を使う場
合は、マスク層を用いずに導電領域30を形成すること
ができる。具体的には、シリコン基板44上に不純物原
子を多量に含むポリマーを塗布し、これを形成したい導
電領域の形状にパターン化する。すなわち、不純物を拡
散させたい部分のみがポリマーで覆われるようにする。
そして、かかる基板44を加熱炉内でアニールすると、
ポリマー中からシリコン基板44へ不純物が拡散し、導
電領域30が形成される。なお。上記ポリマーとして
は、BSG(ボロンシリカガラス)、PSG(リンシリ
カガラス)などを使用することができる。
【0050】次に、第3実施形態の変形例について説明
する。本変形例では、基板44の材料をFeがドープさ
れたInPとする。なお、説明に際しては、図6および
図7を参照する。
【0051】図7(a)のようなマスク層38に開口窓
40を形成した後、基板44を高純度Zn、高純度Pが
導入された石英製アンプルに入れる。なお、アンプル
は、内部を真空排気して水素で置換された後に封止され
る。そして、このアンプルを加熱炉に入れ、570℃で
約45分間加熱する。これにより、図7(b)のよう
に、基板44の上面の開口窓40内から露出した部分に
導電領域30を形成することができる。なお、基板44
の表面から深さ15μmのポイントにおいて5×1018
cm3以上のZn濃度を得ることができる。
【0052】なお、Znを拡散させる方法として、本実
施形態のように固体Zn,Pを用いる代わりに、Zn,
P原料ガスを用いてもよい。たとえば、Znの原料ガス
としてトリメチル亜鉛、Pの原料ガスとしてフォスフィ
ン、ターシャリブチルフォスフィンがある。これらのガ
スを用いる場合は、通常MOCVDの成長炉で、水素ガ
スをキャリアガスとしてZn原料ガスおよびP原料ガス
を同時に流し、加熱された基板上に供給する。
【0053】次に、マスク層38をフッ酸により除去す
る。さらに、基板の表面をアンモニア溶液により表面か
ら約0.5μmだけエッチングする。これにより、基板
44の表面が平坦化し、後の光電変換部を構成する各エ
ピタキシャル層が良好な結晶性、電気特性を有するもの
になる。
【0054】そして、図6に示すように、基板44上に
光電変換部6を形成し、さらに、この光電変換部6上に
フィンガー20などを有するくし形電極24を形成す
る。なお、本実施形態では、光電変換部6は、(1) Si
ドープのn型InGaAs層(厚さ0.4μm、キャリ
ア濃度1×1018個/cm3)46と、(2) Znドープ
のp型InGaAs層(厚さ3.0μm、キャリア濃度
4×1017個/cm3)48と、からなる一対のダイオ
ード構造を有している。
【0055】本実施形態では、光電変換部6の各エピタ
キシャル層46,48を成長させるに際しては、横型成
長炉などを使用することができ、III族元素の原材料お
よびV族元素の原材料を、水素ガスをキャリアガスとし
て反応炉内に導入する。InGaAs層46,48を形
成するときは、V族ガスの量とIII族ガスの量との比を
1:12とする。また、ガスの総流量を毎分約20リッ
トル、基板温度を約520℃、基板の回転速度を毎分約
20回転、そして、反応炉内の圧力を約180Torr
とする。
【0056】また、III族元素の原材料として、ガリウ
ムを含むトリエチルガリウム(TEG)、インジウムを
含むトリメチルインジウム(TMI)等を用いることが
でき、V族の元素の原材料として、ヒ素を含むターシャ
リーブチルアルシン(TBA)等を用いることができ
る。また、n型の伝導特性を得るために、ドーパントガ
スとしてテトラエチルシラン(TESi)、p型の伝導
特性を得るためにジエチル亜鉛(DEZn)を用いるこ
とができる。
【0057】[第4実施形態]次に、図8を参照して、
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態が
第1実施形態と異なるのは、GaAs基板4上に厚さ約
0.5μmのAlGaAs(Al組成比0.3)からな
るストップ層50をエピタキシャル成長させた後に、部
分的な導電領域30を形成する点である。各エピタキシ
ャル層8〜18を成長させた後、エッチングによってメ
サ型の光電変換部6を形成するが、第1実施形態で述べ
たクエン酸水溶液と過酸化水素水を3:1の割合で混合
した溶液は、GaAsを溶解するがAlGaAsを殆ど
溶解しないため、AlGaAsからなるストップ層50
の表面が露出した時点でエッチングが終了する。すなわ
ち、GaAsからなる基板4は損傷を受けない。そし
て、ストップ層50に形成した導電領域30に下部電極
パッド36を取り付けることができる。本実施形態によ
れば、ストップ層50によって、エッチング量の厳密な
制御が不要になり、作業時間の短縮化を図ることができ
る。
【0058】なお、ストップ層50には、AlGaAs
のほか、GaInP、AlInPなどのPを含んだ材料
を用いることができる。この場合、リン酸を用いてエッ
チングを行うと、GaAs層は溶解されるが、Pを含ん
だ材料は溶解されない。また、本実施形態のように、導
電領域30は必ずしも基板4の上面に形成する必要はな
く、基板4上に形成されたエピタキシャル層に形成して
もよい。
【0059】また、GaAsでなくInPからなる基板
4を用いる場合は、基板上に例えばIn0.5Ga0.5As
などのヒ素を含んだストップ層50を形成することが望
ましい。そして、エッチング液として、InPを溶解す
るがInGaAsを溶解しない塩酸を使うことで、In
GaAsの最上面が露出した時点でエッチングを終了さ
せることができる。
【0060】[第5実施形態]次に、図9を参照して、
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態が
第4実施形態と異なるのは、GaAsからなる基板4の
底面から電流の取り出しを行う点である。本実施形態で
は、基板4上にAlGaAsからなるストップ層50を
エピタキシャル成長させた後、クエン酸水溶液と過酸化
水素水の混合溶液によって導電領域30の下部が露出す
る露出部52を形成する。そして、導電領域30の露出
部52から露出した部分に下部電極パッド36を蒸着に
て取り付ける。本実施形態によれば、上記混合液によっ
てエッチングを行うに際して、AlGaAsからなるス
トップ層50でエッチングが終了する。このため、エッ
チング液によって各エピタキシャル層8〜18が損傷を
受けるのを防止することができる。
【0061】[第6実施形態]次に、図10および図1
1を用いて、本発明の第6実施形態を説明する。図10
に示されているように、本実施形態の太陽電池は、Ga
InP/GaAsからなる光電変換部53が形成された
上部太陽電池(第1の太陽電池)54と、InGaAs
からなる光電変換部55が形成された下部太陽電池(第
2の太陽電池)56と、を備えた積層型太陽電池70で
ある。上部太陽電池54はスタックホルダ58によって
支持されており、上部太陽電池54を透過した光が下部
太陽電池56に入射できるように構成されている。な
お、上部太陽電池54の基板60はGaAsからなり、
下部太陽電池56の基板62はInPからなる。
【0062】図11(a)は、上部太陽電池54の上部
の電極64を示す平面図である。上部の電極は、複数の
フィンガー20と、このフィンガー20を囲う正方形の
バズバー22と、バズバー22の対向する二辺上に蒸着
された上部電極パッド26と、から成る。
【0063】図11(b)は、基板60に形成された導
電領域30および当該導電領域30に接続された下部電
極パッド36を示す図である。なお、導電領域30は、
複数の電流流入領域32と、当該電流流入領域32を囲
う正方形の電流収集領域34と、から成る。また、二つ
の下部電極パッド36は、長方形の一片が切りかかれた
形状を成しており、それぞれ接続部36aにて導電領域
30に接続されている。電流流入領域32および電流収
集領域34は、それぞれフィンガー20およびバズバー
22の形状と等しくされており、電流流入領域32の幅
はフィンガー20の幅よりも狭くされている。これによ
り、光電変換部53に入射した光のうち電気エネルギに
変換されなかった光を、導電領域30に邪魔されること
なく下部太陽電池56に入射させることができる。な
お、下部電極パッド36の長手方向の長さが電流収集領
域34の一片の長さと等しくされているため、下部電極
パッド36が小さい場合と比較して、下部電極パッド3
6からの電流の取り出し作業が行いやすくなっている。
【0064】図11(c)は、下部太陽電池56の上部
の電極66を示す平面図である。この電極66は、複数
のフィンガー20と、このフィンガー20を囲う正方形
のバズバー22と、バズバー22の対向する二辺上に蒸
着された上部電極パッド26と、から成る。また、二つ
の上部電極パッド26は、略三角形状を成しており、そ
れぞれ接続部26aにてバズバー22に接続されてい
る。また、複数のフィンガー20およびバズバー22の
形状は、上部太陽電池54の電流流入領域32および電
流収集領域34の形状と等しくされている。これによ
り、上部太陽電池54を透過した光が、電極66に邪魔
されることなく光電変換部55に効率良く入射する。な
お、本実施形態では、下部太陽電池56の下部電極パッ
ド68は、光電変換部55の全面を覆っている。
【0065】また、本実施形態において、基板62とし
て、部分的な導電領域30が形成されたものを使用して
もよい。この場合、基板上に成長させるエピタキシャル
層を良質なものにできる。
【0066】以上、本発明者によってなされた発明を実
施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
形態に限定されるものではない。例えば、光電変換部の
pn接合ダイオードは一つまたは二つに限られず、三つ
以上にしてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の太陽電池
では、半導体基板またはエピタキシャル層の一の面に、
光電変換部によって生成された電流が通過可能な導電領
域が部分的に形成されている。すなわち、この導電領域
および導電領域に接続された電極を介して電流の取り出
しが行われる。そして、導電領域は半導体基板の表面全
体でなく部分的に形成されているため、たとえば本発明
の太陽電池の下方に他の太陽電池を配置した場合に、本
発明の太陽電池に入射した光のうち導電領域が形成され
ていない部分を通過した光が下方の太陽電池に効率良く
入射することができる。さらに、本発明では、導電領域
を介して電流の取り出しを行うことができるため、不純
物添加による結晶性の劣化のために大型化の図れない導
電性基板を使用する必要がない。このため、導電性基板
を使用する従来のような太陽電池と比較して大型化を図
ることができ、ひいては電気出力の向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の太陽電池を示す斜視図である。
【図2】図1に示す太陽電池のII-II方向の断面図であ
る。
【図3】図1に示す太陽電池のIII-III方向の断面図で
ある。
【図4】図4(a)〜図4(e)は、第1実施形態の太
陽電池の製造方法を示す工程図である。
【図5】図5(a)〜図5(c)は、第1実施形態の太
陽電池の導電領域の形状を変えた変形例である。
【図6】第3実施形態の太陽電池を示す図である。
【図7】図7(a)〜図7(b)は、第3実施形態の太
陽電池の製造方法を示す工程図である。
【図8】第4実施形態の太陽電池を示す断面図である。
【図9】第5実施形態の太陽電池を示す断面図である。
【図10】第6実施形態の積層型太陽電池を示す図であ
る。
【図11】図11(a)は上部太陽電池の上部の電極を
示す平面図であり、図11(b)は上部太陽電池の導電
領域を示す平面図であり、図11(c)は下部太陽電池
の上部の電極を示す平面図である。
【符号の説明】 2…太陽電池、4,44,60,62…基板(半導体基
板)、6,53,55…光電変換部、20…フィンガ
ー、22…バズバー、24…くし形電極、26…上部電
極パッド、30…導電領域、32…電流流入領域、34
…電流収集領域、36…下部電極パッド(一方の電
極)、38…マスク層、40…開口窓、50…ストップ
層、52…露出部、54…上部太陽電池(第1の太陽電
池)、56…下部太陽電池(第2の太陽電池)、58…
スタックホルダ、70…積層型太陽電池。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板または当該半導体基板上に形
    成されたエピタキシャル層の一の面に光の入射に応じて
    電流を生成する光電変換部が設けられ、二つの電極を介
    して前記電流を取り出し可能な太陽電池において、 前記半導体基板または前記エピタキシャル層の前記一の
    面に、前記光電変換部により生成された前記電流が通過
    可能な導電領域が部分的に形成されており、 前記導電領域には、一方の前記電極が接続されているこ
    とを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記光電変換部は、p型層およびn型層
    を有するpn接合ダイオードから成ることを特徴とする
    請求項1記載の太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記光電変換部は、複数の前記pn接合
    ダイオードと、当該各pn接合ダイオードの間に設けら
    れたトンネル接合ダイオードと、から成ることを特徴と
    する請求項2記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板は、GaAsで形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れ
    か一項記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板は、InPで形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか
    一項記載の太陽電池。
  6. 【請求項6】 前記半導体基板は、Siで形成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一
    項記載の太陽電池。
  7. 【請求項7】 前記一方の電極は、前記半導体基板また
    は前記エピタキシャル層の前記一の面側に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1〜請求項6記載の太陽電
    池。
  8. 【請求項8】 前記半導体基板の他の面に前記導電領域
    が露出する露出部が形成されており、 前記一方の電極は、前記露出部に設けられていることを
    特徴とする請求項1〜請求項6記載の太陽電池。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のうち何れか一項記
    載の太陽電池である第1の太陽電池と、当該第1の太陽
    電池の下方に設けられた第2の太陽電池とを有し、前記
    入射光のうち前記第1の太陽電池を透過した光が前記第
    2の太陽電池に入射することを特徴とする積層型太陽電
    池。
  10. 【請求項10】 前記第2の太陽電池は、請求項1〜請
    求項8のうち何れか一項記載の太陽電池であることを特
    徴とする請求項9記載の積層型太陽電池。
  11. 【請求項11】 前記第1の太陽電池の前記半導体基板
    はGaAsから形成され、前記第2の太陽電池の前記半
    導体基板はInPから形成されていることを特徴とする
    請求項10記載の積層型太陽電池。
  12. 【請求項12】 半導体基板または当該半導体基板上に
    形成されたエピタキシャル層の一の面に光の入射に応じ
    て電流を生成する光電変換部が設けられ、二つの電極を
    介して前記電流を取り出し可能な太陽電池の製造方法に
    おいて、 前記半導体基板または前記エピタキシャル層の前記一の
    面に、前記光電変換部により生成される前記電流が通過
    可能な導電領域を部分的に形成する導電領域形成工程
    と、 前記導電領域形成工程の後に、前記半導体基板または前
    記エピタキシャル層の前記一の面に前記光電変換部を形
    成する光電変換部形成工程と、 を備えることを特徴とする太陽電池の製造方法。
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