JP2000252486A - 薄膜光電変換装置およびその製造方法 - Google Patents

薄膜光電変換装置およびその製造方法

Info

Publication number
JP2000252486A
JP2000252486A JP11053131A JP5313199A JP2000252486A JP 2000252486 A JP2000252486 A JP 2000252486A JP 11053131 A JP11053131 A JP 11053131A JP 5313199 A JP5313199 A JP 5313199A JP 2000252486 A JP2000252486 A JP 2000252486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
film
thin film
electrode
conversion device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11053131A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroko Tawada
裕子 多和田
Kenji Yamamoto
憲治 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP11053131A priority Critical patent/JP2000252486A/ja
Publication of JP2000252486A publication Critical patent/JP2000252486A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/52PV systems with concentrators

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換層における光吸収量を増大させるこ
とにより、高い電流密度を得ることが出来る、安価でか
つ高性能の薄膜光電変換装置を製造する方法を提供する
こと。 【解決手段】 薄膜光電変換装置は、基板上に堆積され
た光反射性金属薄膜102を含む第1の電極10、少く
とも1つの結晶質光電変換ユニット11、および第2の
電極2を含み、光反射性金属膜102は背圧が1×10
-7Torr以下の条件で成膜されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜光電変換装置お
よびその製造方法に係り、特に、シリコン系薄膜を光電
変換層として用いた光電変換装置の低コスト化と性能改
善に関する。なお、本願明細書において、「結晶質」と
「微結晶」の用語は、部分的に非結晶質を含むものを意
味するものとする。
【0002】
【従来の技術】近年、非晶質シリコン薄膜を用いた光電
変換装置とともに、例えば多結晶シリコンや微結晶シリ
コンのような結晶質シリコンを含む薄膜を利用した光電
変換装置の開発が精力的に行われている。これらの開発
は、安価な基板上に低温プロセスで良質のシリコン薄膜
を形成することによって光電変換装置の低コスト化と高
性能化を両立させようという試みであり、太陽電池だけ
でなく光センサ等の様々な光電変換装置への応用が期待
される。
【0003】しかし、光電変換層が薄膜である場合、そ
の吸収係数の小さな長波長領域の光に対して十分な吸収
が生じず、光電変換層における光電変換量がその膜厚に
よって制限されることになる。このようなことから、特
開平10−117006に示すように光電変換層を含む
光電変換ユニットに入射した光をより有効に利用するた
めに、光反射率の高い金属薄膜層を光電変換ユニットの
裏側に設け、この金属薄膜層に表面凹凸(表面テクスチ
ャ)構造を設けることによって、光を光電変換ユニット
内へ散乱反射させる工夫がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、金属薄
膜層の表面テクスチャ構造によって、入射した光をより
有効に利用するために検討を重ねた結果、金属薄膜形成
時に基板温度や堆積速度を調整して堆積すると、金属薄
膜表面での反射率が低下するという問題があることを見
いだした。
【0005】また、本発明者たちは、用いる薄膜光電変
換層の光吸収係数の小さな長波長領域において、特にテ
クスチャ構造が光の波長程度の大きさ以上の凹凸を有す
る場合に、光反射性金属表面上で顕著な反射率の低下を
引き起こし、薄膜光電変換層における光吸収量を向上さ
せることが出来ないという問題があることを見いだし
た。
【0006】本発明の目的は、上述の従来技術の問題に
鑑み、安価な基板が使用可能な低温プロセスを用いて、
光電変換層における光吸収量を増大させ、高い短絡電流
密度を得ることが出来る、安価でかつ高性能の薄膜光電
変換装置を製造する方法、およびこの方法により製造さ
れた薄膜光電変換装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
課題を解決すべく検討を重ねた結果、超高真空の背圧下
で成膜した金属薄膜が、非常に高い反射率を有してお
り、この金属薄膜を下地電極に用いることにより、高性
能の光電変換装置を低コストで得ることが出来ることを
見出した。本発明は、このような知見の下になされたも
のである。
【0008】即ち、本発明は、基板上に、光反射性金属
薄膜を含む第1の電極、1導電型半導体層と、真性半導
体からなる光電変換層と、逆導電型半導体層とを含む光
電変換ユニット、及び第2の電極を順次形成することか
らなる薄膜光電変換装置の製造方法であって、前記光反
射性金属薄膜は、1×10-7Torr以下の背圧の条件
で成膜されることを特徴とする薄膜光電変換装置の製造
方法を提供する。
【0009】また、本発明は、基板上に形成された光反
射性金属薄膜を含む第1の電極、この第1の電極上に形
成された1導電型半導体層と、真性半導体からなる光電
変換層と、逆導電型半導体層とを含む光電変換ユニッ
ト、及びこの光電変換ユニット上に形成された第2の電
極を具備し、前記反射性金属薄膜は、1×10-7Tor
r以下の背圧の条件で成膜されたことを特徴とする薄膜
光電変換装置を提供する。
【0010】以上の本発明の薄膜光電変換装置は、特
に、光電変換層を構成する真性半導体としては結晶質半
導体を用いた場合に、望ましく適用することが出来る。
また、反射性金属薄膜は、光電変換ユニット側の表面が
凹凸構造を有し、この凹凸の高低差が0.01〜2μm
の範囲内にあるものであることが望ましい。
【0011】更に、光電変換層は、結晶質シリコン系で
あり、400℃以下の下地温度のもとに形成され、80
%以上の体積結晶化分率と、1〜30原子%の水素含有
量と、0.5〜20μmの厚さと、その膜面に平行な
(110)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折にお
ける(220)回折ピークに対する(111)回折ピー
クの強度比が0.2以下であるものであることが望まし
い。
【0012】以上のように構成される本発明の薄膜光電
変換装置では、第1の電極を構成する反射性金属薄膜
が、1×10-7Torr以下の背圧の条件で成膜されて
いるため、その反射率が極めて高く、そのため、高い短
絡電流密度を示す。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0014】図1は、本発明に係る薄膜光電変換装置の
一例を示す断面図である。この光電変換装置の基板1と
しては、ステンレス等の金属、有機フィルム、セラミッ
クス、または低融点の安価なガラス等を用いることが出
来る。
【0015】基板1上には第1の電極10が配置され
る。この第1の電極10としては、光反射性金属薄膜1
02と透明導電性酸化膜103を含む複合層を用いるこ
とが出来る。だだし、透明導電性酸化膜103を設けな
い場合もある。光反射性金属薄膜102は、真空蒸着法
やスパッタリング法などにより基板1上に形成すること
ができる。光反射性金属薄膜102のうち透明導電性酸
化膜側は、高反射率を得るためにAgおよびAlから選
択された1つまたはその合金を含むものであることが好
ましい。
【0016】光反射性金属薄膜102を形成する装置
は、超高真空排気が可能な成膜装置でなければならず、
排気設備としては、装置内が1×10-7Torr以下の
圧力に保持できるものであればよい。そのような排気設
備として、例えばターボ分子ポンプを使用することが出
来る。
【0017】ガラス基板1上に光反射性金属薄膜102
を成膜するには、まず、ガラス基板1を超高真空排気が
可能な成膜装置内に設置し、ターボ分子ポンプを用いて
1×10-7Torr以下の圧力に、成膜される金属薄膜
の反射率を更に向上させるためには、好ましくは1×1
-8Torr以下の圧力に、更に好ましくは1×10 -9
Torr以下の圧力に排気する。
【0018】その後、20〜400℃、所望の凹凸形状
を得るために、好ましくは100〜300℃、更に好ま
しくは200〜300℃の基板温度の下で、AgやAl
等の金属をスパッタまたは真空蒸着等の成膜方法で成膜
する。なお、金属薄膜のテクスチャ構造が容易に作製で
きるという観点から、スパッタ成膜法が好ましい。
【0019】なお、ガラス基板1と金属薄膜102の間
に、20〜50nmの範囲内の厚さを有するTi層10
1を挿入することにより、ガラス基板1と金属薄膜10
2との間の付着性を向上させることができる。このよう
なTi層101は、スパッタや蒸着によって形成するこ
とが出来る。
【0020】光反射性金属膜102の表面におけるテク
スチャ構造は、基板1の表面を予めエッチング等によっ
てテクスチャ構造に加工し、その凹凸を自分自身の上表
面に伝達し得るような薄い金属薄膜102をスパッタま
たは真空蒸着することによって得ることができる。或い
は、基板1の表面をテクスチャ構造に加工する代わり
に、基板1上に凹凸表面を有する透明導電性酸化物層
(図示せず)を堆積した後に、その凹凸を自分自身の上
表面に伝達し得るような金属薄膜102を形成してもよ
い。
【0021】金属薄膜102の光電変換ユニット側の表
面の凹凸高低差は、0.01〜2μmの範囲内であるこ
とが好ましい。なお、このような表面凹凸の高低差は、
金属薄膜102の断面のTEM(透過型電子顕微鏡)写
真やAFM(原子間力顕微鏡)による表面観察によって
測定され得る。
【0022】光反射性金属薄膜102上に形成される透
明導電性酸化膜103は、ITO、SnO2 、およびZ
nOから選択された少なくとも1つ以上の層からなるこ
とが好ましく、なかでもZnOを主成分とする膜である
ことが特に好ましい。透明導電性酸化膜103の膜厚
は、0.05〜1μmの範囲内にあることが好ましい。
【0023】第1の電極である裏面電極10上には、た
とえばシリコン系光電変換ユニット11が形成される。
この光電変換ユニット11に含まれるすべての半導体層
が、400℃以下の下地温度条件の下にたとえばプラズ
マCVD法によって堆積される。プラズマCVD法とし
ては、一般的によく知られている平行平板型のRFプラ
ズマCVDを用いる他、周波数が150MHz以下のR
F帯からVHF帯までの高周波電源を利用するプラズマ
CVDを用いてもよい。
【0024】光電変換ユニット11の形成は、次のよう
にして行われる。即ち、まず裏面電極10上に、1導電
型半導体層111が堆積される。この1導電型半導体層
111としては、たとえば導電型決定不純物原子である
リンがドープされたn型シリコン系薄膜、またはボロン
がドープされたp型シリコン系薄膜などが用いられ得
る。しかし、この1導電型半導体層111についてはこ
れらの条件は限定的なものではなく、不純物原子として
は、たとえばn型層においては窒素等でもよい。
【0025】また、1導電型半導体層111の材料とし
ては非結晶シリコンの他に非晶質シリコンカーバイドや
非晶質シリコンゲルマニウム等の合金材料、多結晶もし
くは部分的に非晶質を含む微結晶のシリコンまたはその
合金材料を用いることもできる。なお、望まれる場合に
は、堆積されたこのような1導電型半導体層111にパ
ルスレーザー光を照射することにより、その結晶化分率
や導電型決定不純物原子によるキャリア濃度を制御する
こともできる。
【0026】1導電型半導体層111上には、真性光電
変換層112として、たとえば結晶質シリコン系薄膜光
電変換層が堆積される。この結晶質シリコン系薄膜光電
変換層112としては、ノンドープの真正半導体の多結
晶シリコン薄膜や体積結晶化分率が80%以上の微結晶
シリコン膜、または微量の不純物を含む弱p型もしくは
n型で光電変換機能を十分備えているシリコン系薄膜材
料を用いることが出来る。しかし、光電変換層112と
してはこれらに限定されず、シリコンカーバイドやシリ
コンゲルマニウム等の合金材料を用いて形成されてもよ
い。
【0027】このような真性光電変換層112の厚さは
0.5〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、より
好ましくは0.5〜5μmの範囲内である。また、この
真性光電変換層112は400℃以下の低温で形成され
るので、結晶粒界や粒内における欠陥を終端または不活
性化させる水素原子を多く含み、その水素含有量は1〜
30原子%の範囲内にある。
【0028】更に、シリコン系薄膜光電変換層に含まれ
る結晶粒の多くは下地層から上方に柱状に延びて成長し
ており、その膜面に平行に(110)の優位結晶配向面
を有し、そのX線回折における(220)回折ピークに
対する(111)回折ピークの強度比は0.2以下であ
る。
【0029】結晶質真性光電変換層112上には、1導
電型半導体層111とは逆タイプの逆導電型半導体層1
13としてのシリコン系薄膜が堆積される。この逆導電
型半導体層113としては、たとえば導電型決定不純物
原子であるボロンがドープされたp型シリコン系薄膜、
またはリンがドープされたn型シリコン系薄膜などを用
いることが出来る。しかし、この逆導電型層113につ
いてのこれらの条件は限定的なものではなく、不純物原
子としては、たとえばp型層においてはアルミニウム等
でもよい。
【0030】逆導電型層113の材料としては、非晶質
シリコンの他に非晶質シリコンカーバイドや非晶質シリ
コンゲルマニウム等の合金材料を用いてもよく、多結晶
もしくは部分的に結晶質を含む微結晶のシリコンまたは
その合金材料を用いることもできる。
【0031】光電変換ユニット11の積層が終了した後
に、ITO、SnO2 およびZnOから選択された少な
くとも1つ以上の層を含む透明導電性酸化膜2が第2の
電極として形成される。更に、この第2の電極2上のグ
リッド電極3としてAl、Ag、Au、CuおよびPt
から選択された少なくとも1つ以上の金属またはこれら
の合金の層を含む櫛形状の金属電極を形成してもよい。
【0032】このようにして、シリコン系薄膜光電変換
装置が完成する。このような光電変換装置において、光
電変換されるべき光4は、第2の電極である透明前面電
極2側から照射される。
【0033】次に、図2の模式的な断面図を参照して、
本発明の他の実施形態に係るタンデム型シリコン系薄膜
光電変換装置について説明する。図2に示すタンデム型
光電変換装置においては、図1に示すシリコン系薄膜光
電変換装置の場合と同様に、基板1上の複数の層201
〜203および211〜213が、図1に示す基板1上
の複数の層101〜103および111〜113に対応
して同様に形成される。
【0034】しかし、図2に示すタンデム型光電変換装
置においては、後方光電変換ユニットとしての第1のユ
ニット21上に重ねて前方光電変換ユニットとしての第
2のユニット22がさらに形成される。
【0035】第2の光電変換ユニット22は、たとえば
プラズマCVD法にて順次堆積された第1導電型の微結
晶または非晶質のシリコン系薄膜221、実質的に真性
半導体である非結晶シリコン系薄膜光電変換層222、
および逆導電型の微結晶または非晶質のシリコン系薄膜
223を含むものである。
【0036】第2の光電変換ユニット22上には、第2
の電極である前面透明電極2および櫛型金属電極3が、
図1に示す光電変換装置の場合と同様に形成され、これ
によって図2に示されているようなタンデム型光電変換
装置が完成する。
【0037】
【実施例】以下、本発明の種々の実施例に係るシリコン
系薄膜光電変換装置について、比較例に係る光電変換装
置とともに説明する。
【0038】(実施例1)図1を参照して説明した実施
の形態に対応して、シリコン系薄膜光電変換装置を作製
した。この実施例1に係るシリコン系薄膜光電変換装置
においては、ガラス基板1上に第1の電極である裏面電
極10が形成された。裏面電極10は、順次堆積された
厚さ20nmのTi層101、厚さ300nmのAg層
102、および厚さ100nmのZnO層103を含ん
でいる。
【0039】これらの層のうち、光反射性金属膜として
作用するAg層102は、超高真空排気可能なスパッタ
装置において、ターボ分子ポンプを用いて背圧を1.0
×10-8Torrにした後、300℃の基板温度でAr
ガスを導入することにより作製された。Agターゲット
としては、99.9%の純度のものを使用した。金属薄
膜102の凹凸の高低差は、平均150nmであった。
【0040】以上のように成膜した裏面電極10上に、
シリコン系薄膜光電変換ユニット11に含まれるn型層
111、ノンドープの結晶質真性シリコン系光電変換層
112、およびp型層113をプラズマCVD法によっ
て形成した。そして、光電変換ユニット11上に、前面
電極2として厚さ80nmの透明導電性ITO膜を形成
し、その上に更に電流取出し用の櫛形Ag電極3を形成
した。
【0041】光電変換ユニット11に含まれるノンドー
プの結晶質シリコン系光電変換層112は、300℃の
下地温度の下でRFプラズマCVD法にて堆積し、その
膜厚は4.0μmとした。同層の二次イオン質量分析法
から求めた膜中水素原子含有量は2.3%であり、X線
回折スペクトルで求めた(220)回折ピークに対する
(111)回折ピークの比は0.081であった。
【0042】(比較例1)光反射性金属薄膜を形成する
際、背圧を3.0×10-7Torrの条件で作製したこ
とを除いて、他の条件は実施例1と全く同じ条件で薄膜
多結晶シリコン光電変換装置を作製した。
【0043】光電変換層であるノンドープ多結晶シリコ
ン層112の二次イオン質量分析法から求めた膜中水素
原子含有量は2.4%であり、X線回折スペクトルで求
めた(220)回折ピークに対する(111)回折ピー
クの比は0.080であった。
【0044】これらの光電変換装置(実施例1と比較例
1)に入射光4としてAM1.5、100mW/cm2
光量で照射した時の出力特性は、実施例1では開放端電
圧0.516V、短絡電流密度29.8mA/cm2
曲線因子73.6%、変換効率11.3%であり、比較
例1では開放端電圧0.521V、短絡電流密度26.
9mA/cm2 、曲線因子74.0%、変換効率10.
4%であった。
【0045】(実施例2〜3および比較例2〜3)実施
例2〜3および比較例2〜3においては、光反射性金属
薄膜であるAg層102を形成する際の下地温度と膜の
堆積速度を変化させることによってその表面凹凸形状を
変えたことと、光電変換ユニット11に含まれるノンド
ープの結晶質シリコン系光電変換層112の膜厚を変え
たことを除いて、それぞれ実施例1および比較例1に対
応した条件の下で、シリコン系薄膜光電変換装置を作製
した。
【0046】形成されたAg層102の表面凹凸の高低
差を、光電変換装置の種々の光電変換特性とともに下記
表1に示す。なお、下記表1においては、実施例1およ
び比較例1に関する結果も示されている。
【0047】
【表1】
【0048】上記表1に示す結果から、実施例3および
比較例3のように光反射性金属薄膜の表面凹凸が小さい
場合、即ち、平面に近い場合は、薄膜光電変換装置の性
能の差は少ない。一方、実施例1,2および比較例1,
2のような光反射性金属薄膜の表面凹凸が比較的大きい
場合は、光反射性金属薄膜が背圧1.0×10-7Tor
r以下の超高真空排気条件にて作製された、実施例に係
る薄膜光電変換装置の方が、高い短絡電流密度を示して
いる。特に、この効果は、光電変換ユニットの膜厚が厚
い場合に顕著であり、この結果は光閉じ込め効果の影響
を受けていると考えられるため、光反射性金属薄膜の表
面凹凸における光反射率が向上していることを示してい
る。
【0049】(実施例4)図3に示すようなタンデム型
光電変換装置を作製した。まず、実施例1と同様にし
て、裏面下地電極部20、下部セルである薄膜多結晶シ
リコン光電変換ユニット21を形成した。ただし、多結
晶光電変換層212の膜厚を3.5μmの厚さに設定し
た。
【0050】その後、上部セルとなるアモルファスシリ
コン光電変換ユニット22としてn型層221、アモル
ファスシリコン光電変換層222、およびp型層223
の順に積層した。このうち、光電変換層であるアモルフ
ァスシリコン光電変換層222の膜厚は300nmとし
た。
【0051】このアモルファスシリコン/薄膜多結晶シ
リコンの積層を用いたタンデム型光電変換装置に、入射
光4としてAM1.5、100mW/cm2 の光量の光
を照射した時の出力特性は、開放端電圧1.40V、短
絡電流密度13.6mA/cm2 、曲線因子73.6
%、変換効率14.0%であった。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、超高真
空の背圧下での成膜により高反射率の金属薄膜を得るこ
とが出来、これを下地電極部に用いることによって、高
い短絡電流密度を示す薄膜光電変換装置を得ることがで
き、それによって薄膜光電変換装置の高性能化・低コス
ト化に大きく貢献することが可能である。
【0053】なお、本発明の効果は、テクスチャ構造を
有する光電変換装置の場合に、特に顕著なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る結晶質薄膜光電変換
装置の構造を模式的に示す断面図。
【図2】本発明の他の実施形態に係るアモルファスシリ
コン/結晶質シリコンタンデム型光電変換装置の構造を
模式的に示す断面図。
【符号の説明】
1…ガラス基板 2…透明導電性酸化膜(ITO) 3…櫛型電極(Ag) 4…入射光 10,20…裏面電極部 11,21…薄膜多結晶シリコン光電変換ユニット 22…アモルファスシリコン光電変換ユニット 101,201…Ti膜 102,202…Ag膜 103,203…透明導電性酸化膜(ZnO) 111,211,221…n型層 112,212…真性薄膜多結晶シリコン光電変換層 222…真性アモルファスシリコン光電変換層 113,213,223…p型層 1A,1B,2A,2B…上記各構成ユニットや電極部
の界面部分

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、光反射性金属薄膜を含む第1の
    電極、1導電型半導体層と、真性半導体からなる光電変
    換層と、逆導電型半導体層とを含む光電変換ユニット、
    及び第2の電極を順次形成することからなる薄膜光電変
    換装置の製造方法であって、前記光反射性金属薄膜は、
    1×10-7Torr以下の背圧の条件で成膜されること
    を特徴とする薄膜光電変換装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記真性半導体は、結晶質半導体であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の薄膜光電変換装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記金属薄膜は、前記光電変換ユニット側
    の表面が凹凸構造を有し、前記凹凸の高低差が0.01
    〜2μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の薄膜光電変換装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記光電変換層は、結晶質シリコン系であ
    り、400℃以下の下地温度のもとに形成され、80%
    以上の体積結晶化分率と、1〜30原子%の水素含有量
    と、0.5〜20μmの厚さと、その膜面に平行な(1
    10)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折における
    (220)回折ピークに対する(111)回折ピークの
    強度比が0.2以下であることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかの項に記載の薄膜光電変換装置の製造
    方法。
  5. 【請求項5】前記金属薄膜は、AgおよびAlから選択
    された1つまたはその合金を含むことを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれかの項に記載の薄膜光電変換装置
    の製造方法。
  6. 【請求項6】基板上に形成された光反射性金属薄膜を含
    む第1の電極、この第1の電極上に形成された1導電型
    半導体層と、真性半導体からなる光電変換層と、逆導電
    型半導体層とを含む光電変換ユニット、及びこの光電変
    換ユニット上に形成された第2の電極を具備し、前記反
    射性金属薄膜は、1×10-7Torr以下の背圧の条件
    で成膜されたことを特徴とする薄膜光電変換装置。
  7. 【請求項7】前記真性半導体は、結晶質半導体であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の薄膜光電変換装置。
  8. 【請求項8】前記金属薄膜は、前記光電変換ユニット側
    の表面が凹凸構造を有し、前記凹凸の高低差が0.01
    〜2μmの範囲内にあることを特徴とする請求項6また
    は7に記載の薄膜光電変換装置。
  9. 【請求項9】前記光電変換層は、結晶質シリコン系であ
    り、400℃以下の下地温度のもとに形成され、80%
    以上の体積結晶化分率と、1〜30原子%の水素含有量
    と、0.5〜20μmの厚さと、その膜面に平行な(1
    10)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折における
    (220)回折ピークに対する(111)回折ピークの
    強度比が0.2以下であることを特徴とする請求項6な
    いし8のいずれかの項に記載の薄膜光電変換装置。
  10. 【請求項10】前記金属薄膜は、AgおよびAlから選
    択された1つまたはその合金を含むことを特徴とする請
    求項6ないし9のいずれかの項に記載の薄膜光電変換装
    置。
JP11053131A 1999-03-01 1999-03-01 薄膜光電変換装置およびその製造方法 Pending JP2000252486A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11053131A JP2000252486A (ja) 1999-03-01 1999-03-01 薄膜光電変換装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11053131A JP2000252486A (ja) 1999-03-01 1999-03-01 薄膜光電変換装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000252486A true JP2000252486A (ja) 2000-09-14

Family

ID=12934271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11053131A Pending JP2000252486A (ja) 1999-03-01 1999-03-01 薄膜光電変換装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000252486A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3056200B1 (ja) 薄膜光電変換装置の製造方法
US5891264A (en) Solar cell and method for producing electrode for solar cell
JP3046965B1 (ja) 非晶質シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法
EP1041646A1 (en) Method of producing silicon thin-film photoelectric transducer and plasma cvd apparatus used for the method
JP3672754B2 (ja) シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法
JP2000261011A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置
JP2000058892A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置
JP2001210845A (ja) 薄膜光電変換装置の製造方法
JP3792376B2 (ja) シリコン系薄膜光電変換装置
JP3762086B2 (ja) タンデム型シリコン系薄膜光電変換装置
JP2000252501A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法
JP2000252504A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置およびその製造方法
JP3364137B2 (ja) シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法
JP2000252486A (ja) 薄膜光電変換装置およびその製造方法
JP4335351B2 (ja) シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法
JP2001015780A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置用裏面電極、およびそれを備えたシリコン系薄膜光電変換装置
JP3746607B2 (ja) シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法
JP2000232234A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置
JP2000252497A (ja) 薄膜光電変換装置の製造方法
JP3753528B2 (ja) シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法
JP2000174309A (ja) タンデム型薄膜光電変換装置とその製造方法
JPH11274535A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置の製造装置
JP3672750B2 (ja) シリコン系薄膜光電変換装置の製造方法
JPH10294482A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置
JP3933334B2 (ja) シリコン系薄膜光電変換装置とその製造方法