JP2000252268A - 液体材料気化装置 - Google Patents

液体材料気化装置

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JP2000252268A
JP2000252268A JP11051755A JP5175599A JP2000252268A JP 2000252268 A JP2000252268 A JP 2000252268A JP 11051755 A JP11051755 A JP 11051755A JP 5175599 A JP5175599 A JP 5175599A JP 2000252268 A JP2000252268 A JP 2000252268A
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liquid material
diaphragm
liquid
vaporizer
vibration plate
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JP11051755A
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Naomi Yoshioka
尚規 吉岡
Tatsuji Kawamoto
達司 川本
Soichi Yokoyama
宗一 横山
Yasushi Hashimoto
裕史 橋本
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Mikuni Corp
Shimadzu Corp
Original Assignee
Mikuni Corp
Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低圧力環境下において液体材料を効率よく霧
化することができる液体材料気化装置の提供。 【解決手段】 複数の微小貫通孔Hを有する振動板34
2を超音波振動子341に直列に接続し、その振動板3
42上に液体材料LMを供給することにより、振動板3
42の弾性振動によって液体材料LMが微小な貫通孔H
から液滴Pとして放出される。このようにして液体材料
LMを霧化することにより、低圧環境下でも効率よく霧
化を行うことができるとともに、粒径の揃った液滴Pが
得られる。この粒径は振動板342の孔Hの径を変える
ことによって調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造や超伝
導材料製造における液体材料を用いたMOCVD法成膜
プロセスに使用される液体材料気化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス製造工程における薄膜形
成方法の一つとしてMOCVD(Metal Organic Chemic
al Vapor Deposition)法があるが、スパッタ等に比べ
て膜質,成膜速度,ステップカバレッジなどが優れてい
ることから近年盛んに利用されている。MOCVD装置
に用いられているCVDガス供給法としてはバブリング
法や昇華法などがあるが、液体有機金属または有機金属
を溶剤に溶かした液体材料をCVD反応槽直前で気化し
て供給する方法が、制御性および安定性の面でより優れ
た方法として注目されている。
【0003】液体材料を気化する方法としては、加熱
された金属メッシュ等に液体材料を滴下する方法や、
液体材料を霧吹き等によりいったん霧化して、霧化され
た材料を加熱手段により気化させる方法などが提案され
ており、MOCVDで使用される気化器には効率性、再
現性および安定性が要求される。上述したの方法とし
ては、液体材料の霧化に超音波を用いるものが特開平4
−89378号公報に開示されている。このように超音
波により霧化すると、安定した粒径分布を有する微細な
液滴が得られるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】MOCVDに使用され
る液体材料の一つとしてジピバロイルメタナート・スト
ロンチウム(Sr(dpm)2)があるが、この材料は蒸気圧が
低いため低圧力下で霧化した方が気化効率が高くなる。
ところで、特開平4−89378号公報に開示されてい
る気化方式では、超音波によるキャビテーションを利用
して液体材料を霧化する方法をとっている。しかしなが
ら、キャビテーションを利用して霧化する方法では圧力
が低くなるにつれて霧化量が減少する欠点があり、充分
な量のCVDガスが供給できなくなるおそれがあった。
そのため、蒸気圧の低い液体材料では、キャビテーショ
ンを利用した霧化が不可能なものもあった。
【0005】本発明の目的は、液体材料を霧化した後に
気化させる液体材料気化装置において、低圧力環境下で
液体材料を効率よく霧化することができる液体材料気化
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明の実施の形態を示す
図2,図3および図8に対応付けて説明する。 (1)図2および図3に対応付けて説明すると、請求項
1の発明による液体材料気化装置は、超音波振動子34
1と、超音波振動子341に片持ち状態で接続されて複
数の微小貫通孔Hを有する振動板342と、振動板34
2の微小貫通孔Hが形成された面上に液体材料LMを供
給する供給装置35と、振動板342により霧化された
液体材料LMを加熱して気化する加熱気化装置12とを
備えて上述の目的を達成する。 (2)図8に対応付けて説明すると、請求項2の発明で
は、請求項1に記載の液体材料気化装置において、超音
波振動子との接続部と反対側の振動板先端領域Dに、液
体材料LMを供給する。 (3)請求項3の発明では、請求項2に記載の液体材料
気化装置において、振動板先端領域Dに液体材料LMを
供給するとともに、供給された液体材料LMを振動板8
01との間に挟むように配設される庇状部材807aを
有する液体材料供給ノズル807を設けた。 (4)請求項4の発明では、請求項1〜請求項3のいず
れかに記載の液体材料気化装置において、振動板801
の液体材料LMが供給される面側に、振動板801と所
定の間隔d2で振動板801を覆うカバー806を設け
た。 (5)請求項5の発明では、請求項1〜請求項4のいず
れかに記載の液体材料気化装置において、液体材料LM
は、有機金属を有機溶剤2,6ジメチルピリジンまたは酢
酸ブチルを用いて溶液としたものやCu,Taなどの液
体金属材料である。
【0007】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図8を参照して本発
明の実施の形態を説明する。 −第1の実施の形態− 図1は本発明による液体材料気化装置の概略構成を示す
ブロック図であり、液体材料気化装置は液体材料を気化
する気化部1と、気化部1に液体材料を供給する供給部
2と、気化部1に供給されるキャリアガスの流量を制御
するマスフローコントロラ5と、それらを制御するコン
トローラ3とで構成される。供給部2の21A,21B
は液体材料A,Bが充填される材料容器であり、21C
は溶剤Cが充填される溶剤専用容器である。液体材料
A,Bは共通の溶剤Cを用いてそれぞれの原料を所定の
割合で溶かしたものであり、液体材料A,Bおよび溶剤
Cは送液ライン22A,22B,22Cによって流量制
御部23に送られる。
【0009】流量制御部23は、送液ライン22A,2
2B,22Cによって供給された液体材料A,Bおよび
溶剤Cを所定の混合比で高精度に混合する比例バルブ
と、比例バルブからの混合液体を高精度に流量制御する
直列ダブルプランジャポンプとを備えている。流量制御
部23からの混合液体は、均質になるようにミキサ24
によってさらに混合される。ミキサ24には混合性能に
優れたスタティックミキサなどが用いられる。
【0010】気化部1は、ミキサ24からの液体材料を
超音波を用いて霧化する霧化ユニット11と、霧化ユニ
ット11により霧化された液体材料に熱を与えて気化さ
せる加熱気化ユニット12とを備えている。4は液体材
料気化装置の装置外に設けられたキャリアガス供給装置
であり、不活性なキャリアガスをマスフローコントロー
ラ5を介して気化部1内に供給する。このキャリアガス
は、霧化された液体材料が霧化ユニット11から加熱気
化ユニット12に向けて流れるように気化部1内に導入
される。加熱気化ユニット12により気化された材料
(CVDガス)は、MOCVDが行われるCVDリアク
ター6に供給され、
【0011】図2は気化部1の詳細を示す断面図であ
る。30は霧化ユニット11が設けられるケーシングで
あり、ケーシング30の上部フランジ部30bにはキャ
リアガス導入パイプ32が設けられた蓋33が取り付け
られている。34は霧化ユニット11を構成する振動ユ
ニット(詳細は後述する)であり、ミキサ24からの液
体材料LMは液体材料供給パイプ35により振動ユニッ
ト34の振動板342上に供給される。振動ユニット3
4は、ケーシング30のフランジ30cに取り付けられ
た蓋37にステー36を介して固定されている。蓋33
に設けられたキャリアガス導入パイプ32からは不活性
キャリアガス32aが図示下方向に噴出され、振動ユニ
ット34により霧化された液体材料を振動ユニット34
の下方に設けられた加熱気化ユニット12方向に移送す
る。
【0012】ケーシング30のフランジ30aには、加
熱気化ユニット12が設けられたフランジ46,47が
連結されている。加熱気化ユニット12は、伝熱性に優
れた素材からなるメッシュ部材38および固形物除去用
のフィルタ39と、それらを加熱するヒータ40とを備
えている。加熱気化ユニット12には温度計測用の熱電
対41がそれぞれ設けられており、メッシュ部材38の
温度が所定温度となるようにヒータ40のパワーが調整
される。フランジ47の下側には、気化された材料(C
VDガス)をCVDリアクターに供給する排出ポート4
2が設けられた蓋48が取り付けられている。フランジ
46,47および蓋48は不図示のボルトにより締結さ
れて一体とされ、ボルト43によりフランジ46がケー
シング30のフランジ部30aに取り付けられる。これ
らのフランジと蓋との間およびフランジ間にはシール部
材35a〜35eが設けられている。気化時には排出ポ
ート42とCVDリアクターとが連通されるため、ケー
シング30内はCVDリアクターと同等の真空状態とな
る。
【0013】フランジ46,47および蓋48の外側に
はこれらを加熱するための外部ヒータ44a,44bが
設けられており、フランジ46,47および蓋48とに
よって形成される空間を高温に保って気化された材料の
再液化を防止するとともに、フランジ46,47および
蓋48の内面に材料が付着するのを防止している。な
お、フランジ46,47および蓋48部分に用いられる
シール部材35c〜35eには高温に耐えられるもの、
例えば金属シール等が用いられる。
【0014】図3は振動ユニット34の構造を説明する
示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−
A’断面図である。振動板ユニット34は振動子341
を備えており、振動子341には振動板342が片持ち
梁状態で接続されている。振動板342は、金属板に直
径約10μmのすり鉢状貫通孔Hを多数形成したもので
ある。343a,343bは振動子341を上下方向か
ら挟持するように支持する支持部材であり、振動子34
1は支持部材343aに設けられたサポート345aと
支持部材343aに設けられたサポート345bの間に
挟持される。345cは超音波振動子341のxy方向
の位置決めを行うサポートである。サポート345a〜
345cは、振動子341の振動を妨げないように弾力
性のある材料で形成される。
【0015】図4は振動子341および振動板342の
断面を模式的に示したものである。振動子341は板状
の圧電セラミックス346の両面に金属電極347a,
347bを形成したものであり、ハンダ付けにより振動
板342を電極347a上に固着する。オシレータ45
により電極347a,347bに所定の高周波電力を印
加すると振動子341は励振され、片持ち状態で接続さ
れた振動板342は、接合部342aを固定端とする片
持ち梁と同様の屈曲振動を行う。このように振動板34
2が撓むように弾性振動すると、液体材料供給パイプ3
5を介して振動板342上に滴下された液体材料LMは
孔Hから微小な液滴Pとして振動板342の下方に放出
される。
【0016】図5は液滴Pの生成を概念的に示したもの
であり、(a)から(d)の順に霧化が行われる。弾性
振動により振動板342が(a)に示すような平衡位置
から(b)のR1方向に変位すると、それにつれて液体
材料LMも下方に変位する。(b)は変位が最大で振動
板342の変位速度がゼロとなったときを示しており、
液体材料LMは孔Hから下方に突出する。さらに、振動
板342が(b)の状態から(c)に示すようにR1と
逆方向のR2方向に変位すると、液体材料LMの突出量
はさらに大きくなる。次いで、振動板342が(c)の
状態からさらに上方へ変位すると、孔Hから突出した液
体材料LMは引きちぎられるようにして液滴Pとなり、
図示下方に放出される。
【0017】このような過程が各孔Hにおいて連続的に
くり返されることにより、液体材料LMの霧化が行われ
る。このように、液体材料LMはすり鉢状孔Hの部分で
振動エネルギーによって生じる圧力差により液滴Pとな
るため、液滴Pは振動板342に形成された穴Hの孔径
とほぼ同等の粒子径を有する微粒子となる。なお、孔H
をすり鉢状ではなく単純な貫通孔としても良いが、すり
鉢状とすることによって霧化をより効率的に行うことが
できる。
【0018】ここで、比較のために、超音波によるキャ
ビテーションを利用して液体材料を霧化する気化装置に
ついて簡単に説明する。図6に示す従来の装置は、液体
材料LMを液槽51内に充填し、液槽51の底面部分に
設けられた振動子52を作動させて液内に生じるキャビ
テーションにより霧化するものである。霧化された材料
は移送ガスによりパイプ57を介して気化室53に送ら
れ、ヒータ54で加熱することにより気化される。CV
D反応室55と気化室53との間にはフィルタ56が設
けられており、フィルタ56を通過したCVDガスがM
OCVD反応に利用される。
【0019】CVD反応室55および気化室53は不図
示の真空排気装置により排気されて低圧に保たれてお
り、パイプ57を介して気化室53に連結されている液
槽51内も低圧となる。そのため、キャビテーションが
生じ難くなり霧化率が低下する。しかし、上述した本実
施の形態では、液体材料LMを霧化する際にキャビテー
ションを利用していないので、従来のような霧化率の低
下は発生せず、低圧環境下でも効率よく霧化することが
できる。その結果、蒸気圧の低い材料でも低圧環境下で
安定的に霧化することができるようになり、Cu,Ta
などの液体金属材料を用いる場合や金属溶液の有機溶剤
として2,6ジメチルピリジンまたは酢酸ブチルを使用す
る場合には、霧化を行う際の圧力を10(Torr)以下と
することが可能であり、本実施の形態の気化装置を用い
れば気化が効率よく行われる。
【0020】また、図6に示した例では、霧化した材料
が途中のパイプ内等に付着することがあるが、本実施の
形態では、霧化が行われるケーシング30に気化が行わ
れるフランジ46,47部分を直に連結し、かつ、キャ
リアガス32aを用いて液滴Pを加熱気化ユニット12
方向に強制的に移送しているので、液滴Pがケーシング
30の内面に付着するのを抑えることができる。
【0021】図7はキャビテーションを利用して液体材
料を霧化する装置の他の例であり、本発明者が特願平9
−315071号で提案した液体材料気化装置を示す図
である。振動子71の下面に接着された振動板72の面
上に液体材料導入パイプ73により液体材料LMを供給
し、超音波によるキャビテーションを利用して液体材料
LMを霧化する。霧化した材料は図7の下方に噴出さ
れ、ガス導入パイプ74から導入されたキャリアガスに
より気化手段75方向に移送される。ところで、振動子
71を作動させると振動子から多量の熱が発生するの
で、振動子71を構成する圧電素子が高温になってその
機能が損なわれるのを防止するために冷却手段76を設
けている。この装置では振動板72の表面に液体材料を
供給しながら霧化するので、図6に示した装置のように
液槽底面部分に振動子52を設けて液内にキャビテーシ
ョンを生じさせるものに比べて、振動子71に供給する
高周波電力の大きさを低減することができる。
【0022】一方、本実施の形態の装置では超音波によ
るキャビテーションを利用せず、図5に示したように振
動板の屈曲振動によって液体材料が孔Hから液滴として
放出されることにより霧化を行っているため、キャビテ
ーションを利用した図7の装置と等しい霧化量を得るの
に約1/10程度の電力量で済む。そのため、振動子用
冷却手段の冷却能力を小さくすることができ、霧化量が
小さい場合には図2のように冷却手段を省略することも
可能となる。また、図6や図7に示した装置では霧化さ
れた液体材料の粒子径は広い範囲に分布することになる
が、本実施の形態では上述したように振動板342の孔
Hの径とほぼ等しい径を有する微粒子を安定的に得るこ
とができる。そのため、孔径を最適な値に調節すること
により、霧化された液体材料を加熱気化するのに最適な
微粒子が得られる。
【0023】−第2の実施の形態− 本実施の形態では、上述した第1の実施の形態とは振動
ユニットおよび振動ユニットへの液体材料供給方法が異
なり、他の構成は第1の実施の形態と同様である。図8
の(a)は振動ユニット80部分の拡大図である。振動
子800は支持部材802a、802bに挟持されるよ
うに支持されており、下側の支持部材802bの内部に
は冷却ジャケット803(冷却水用の水路)が設けられ
ている。804は水冷ジャケット803へ冷却水を供給
する供給パイプである。冷却ジャケット803を循環し
た冷却水は、不図示の排水パイプにより排出される。8
05は振動板801の先端部分に液体材料を供給する液
体材料供給パイプであり、振動板801の上方にはカバ
ー806が設けられている。
【0024】図8の(b)は(a)の符号Bで示した部
分の拡大図、(c)は(b)のC矢視図である。液体材
料供給パイプ805の先端にはノズル807が取り付け
られており、ノズル807の先端部分807aは振動板
801の先端部分の上方を庇状に覆っている。また、ノ
ズル807は、その先端部分に形成された斜面807b
が振動板801に僅かに接触する程度で配設される。な
お、ノズル807の材料には振動板801の振動の妨げ
とならないようなものが用いられるが、本実施の形態で
は、耐食性等を考慮してPTFE(ポリテトラフルオロ
エチレン)を用いている。
【0025】液体材料供給パイプ805によって送られ
てきた液体材料LMは、流量が小さい場合には、ノズル
807内の孔807cを通過した後に振動板801の先
端領域D(図8(c)参照)に形成された振動板801
と先端部分807aとの隙間に拡がる。その後、液体材
料LMは振動板801の振動エネルギーによって霧化さ
れ、振動板801の下方に放出される。一方、液体材料
LMの流量が大きい場合には、領域Eで示すように振動
板801の広い領域に拡がる。この場合、振動板801
上の液体材料LMが液滴となって振動板801の上方に
吹き上げられることがあるが、吹き上げられた液滴はカ
バー806に衝突し、再度振動板側へ供給され霧化が行
われる。なお、振動板801とカバー806との隙間寸
法d2は1(mm)程度に設定される。
【0026】ところで、振動板801は加熱気化ユニッ
ト12(図2参照)からの輻射等により加熱されるの
で、第1の実施の形態のように振動板342上に液体材
料供給パイプ805により液体材料LMを滴下するタイ
プの装置(図4参照)では、液体材料LMの流量が小さ
いと滴下された液体材料LMが弾かれて、粒径の大きい
液滴が加熱気化ユニット12に行く場合がある。しか
し、本実施の形態の装置では、振動板801の上方を庇
状に覆う先端部807aを有するノズル807を備えて
いるため、上述したような不具合を防止することがで
き、流量が小さくても安定した霧化を行うことができ
る。特に、流量が0.1〜0.2(cc/min)程度のと
きには有効である。なお、先端部807aと振動板80
1との隙間寸法d1は、液体材料の流量や粘度等を考慮
して最適な霧化が行われるように設定される。
【0027】上述したように、本実施の形態では、振動
板801の上方を微小な間隔d1で覆う先端部807a
有するノズル807を液体材料供給パイプ805の先端
に設けるとともに、振動板801の上方に間隔d2でカ
バー806を設けたので、液体材料LMの流量の大小に
よらず、例えば、流量が0.1〜2(cc/min)という
広い範囲内で、安定的に霧化を行うことができる。その
ため、種々のMOCVDに対応することが可能となる。
さらに、振動板801において振動エネルギーが比較的
大きな先端部分から液体材料LMを供給するようにした
ので、液体材料LMを効率よく霧化をすることができ
る。また、流量が小さくて図8(c)のようにノズル8
07の先端部分807aの領域Dのように液体材料LM
が拡がる場合には、振動ユニット11は様々な取付姿勢
を取ることが可能となり、様々な姿勢で気化部をCVD
リアクターに取り付けることができる。
【0028】なお、図8に示した振動ユニット80では
下側の支持部材802bに水冷ジャケット803を設け
ているので、振動ユニット11の下方に設けられた加熱
気化ユニット12(図2参照)の輻射による振動子80
1の過熱を防止することができる。特に、Sr(dpm)2のよ
うに高温(約250度)で気化させる必要のある材料の
場合には有効である。
【0029】以上説明した実施の形態と特許請求の範囲
の要素との対応において、液体材料供給パイプ35,8
05およびノズル807は供給装置を、メッシュ部材3
8,フィルタ39およびヒータ40で構成される加熱気
化ユニット12は加熱気化装置を、ノズル807の先端
部分807aは庇状部分をそれぞれ構成する。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振動板の弾性振動によって液体材料が微小貫通孔から液
滴として放出されることにより霧化を行っているため、
キャビテーションを利用して霧化を行う従来の装置のよ
うに低圧環境下で霧化率の低下が発生しない。そのた
め、液体材料を低圧環境下で効率よく霧化することがで
き、蒸気圧の低い材料でも安定的に霧化することができ
る。また、霧化に必要な電力量を従来より低減すること
ができ、その結果、超音波振動子の発熱を低減すること
ができる。請求項2の発明では、液体材料を振動エネル
ギーの大きい振動板先端領域で霧化することができるの
で、より効率的に霧化を行える。請求項3の発明では、
庇状部材により液体材料が振動板上方に弾け飛ぶのを防
止できる。請求項4の発明では、振動板上方に吹き返さ
れた液滴は、カバーによって再度振動板方向に送られ霧
化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体材料気化装置の概略構成を示
すブロック図。
【図2】気化部1の詳細を示す断面図。
【図3】振動ユニット34の構造を説明する示す図であ
り、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’断面
図。
【図4】振動子341および振動板342の断面を模式
的に示した図。
【図5】液滴Pの生成を概念的に示した図であり、
(a)から(d)の順に霧化が行われる。
【図6】キャビテーションを利用して液体材料を霧化す
る従来の気化装置の第1の例を示す図。
【図7】キャビテーションを利用して液体材料を霧化す
る従来の気化装置の第2の例を示す図。
【図8】本発明による液体材料気化装置の第2の実施の
形態を示す図であり、(a)は振動ユニット80部分の
拡大図、(b)は(a)の符号Bで示した部分の拡大
図、(c)は(b)のC矢視図。
【符号の説明】
1 気化部 11 霧化ユニット 12 加熱気化ユニット 341,800 振動子 342,801 振動板 806 カバー 807 ノズル LM 液体材料 H 孔 P 液滴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 達司 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内 (72)発明者 横山 宗一 神奈川県小田原市久野2480番地 株式会社 ミクニ事業開発センター技術グループ内 (72)発明者 橋本 裕史 神奈川県小田原市久野2480番地 株式会社 ミクニ事業開発センター技術グループ内 Fターム(参考) 5F045 AA04 BB08 EE03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動子と、 前記超音波振動子に片持ち状態で接続されて複数の微小
    貫通孔を有する振動板と、 前記振動板の微小貫通孔が形成された面上に液体材料を
    供給する供給装置と、 前記振動板により霧化された液体材料を加熱して気化す
    る加熱気化装置とを備えることを特徴とする液体材料気
    化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液体材料気化装置にお
    いて、 前記超音波振動子との接続部と反対側の振動板先端領域
    に、前記液体材料を供給することを特徴とする液体材料
    気化装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の液体材料気化装置にお
    いて、 前記振動板先端領域に前記液体材料を供給するととも
    に、供給された液体材料を前記振動板との間に挟むよう
    に配設される庇状部材を有する液体材料供給ノズルを設
    けたことを特徴とする液体材料気化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    液体材料気化装置において、 前記振動板の前記液体材料が供給される面側に、前記振
    動板と所定の間隔で前記振動板を覆うカバーを設けたこ
    とを特徴とする液体材料気化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    液体材料気化装置において、 前記液体材料は、有機金属を有機溶剤2,6ジメチルピリ
    ジンまたは酢酸ブチルを用いて溶液としたものやCu,
    Taなどの液体金属材料であることを特徴とする液体材
    料気化装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100479841B1 (ko) * 2001-06-25 2005-03-30 가부시키가이샤 시마즈세이사쿠쇼 액정도포장치와 액정도포방법 및 액정패널 제조장치
JP2008263244A (ja) * 2003-05-12 2008-10-30 Tokyo Electron Ltd 原料気化器及び反応処理装置

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