JP2000249928A - 熱処理に伴う試料の状態変化を観察する画像観察システム - Google Patents

熱処理に伴う試料の状態変化を観察する画像観察システム

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JP2000249928A
JP2000249928A JP11053141A JP5314199A JP2000249928A JP 2000249928 A JP2000249928 A JP 2000249928A JP 11053141 A JP11053141 A JP 11053141A JP 5314199 A JP5314199 A JP 5314199A JP 2000249928 A JP2000249928 A JP 2000249928A
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Tadashi Nishijima
忠 西島
Hiroshi Sagara
宏 相良
Masanobu Hayashi
政信 林
Tomoyoshi Yamashita
友義 山下
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SHINKU RIKO KK
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
SHINKU RIKO KK
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック材料からなる試料を溶融状態か
ら急冷し恒温保持する熱処理を行う際の試料温度変化の
制御を精密に行うことが可能で、その際の試料の構造変
化の状態を詳細に観察できる画像観察システムを提供す
る。 【解決手段】 試料を上方から観察する光学顕微鏡1の
載置台上に配置された熱処理ユニット4内には、水平方
向から試料に対して赤外光照射を行なう光照射加熱手段
が配置されている。冷却用気体を、ボンベ51から流量
制御器10及び冷却器9を介して熱処理ユニット4内の
試料に吹付けて試料を冷却する。赤外光発光コントロー
ラ16aにより試料に供給される熱量を制御し、コント
ローラ10a,9aにより吹付け気体の流量及び温度を
制御して試料から奪取される熱量を制御する。制御部5
2は、画像検出センサ5により検出された画像を時刻及
び試料温度とともに複合画像データ化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理に伴う試料
の状態変化を観察するための画像観察システムに関する
ものである。本発明は、例えばプラスチックの射出成形
時の温度変化に伴う構造変化をシミュレーションする際
にリアルタイムで試料画像を観察するのに好適に利用す
ることができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】プラス
チックの射出成形は、通常、プラスチック材料を加熱し
て流動させ、金型等へ射出した後に、冷却する事によっ
て行なわれている。この射出成形において、冷却条件を
適切に定めることが所望の物性を有する成形品を得る上
で、極めて重要である。冷却条件によっては、成形品中
に大きな球晶が生成して特性が劣化する事もある。
【0003】加熱したプラスチック材料の冷却に伴う構
造変化の状態を観察することで上記球晶生成などの不具
合のない冷却条件を設定できるものと考えられている。
即ち、正確な温度制御のもとで試料を昇温、降温及び/
または恒温保持し、試料の溶融から再結晶に至るまでの
過程における試料の状態変化をリアルタイムで観察でき
及び必要に応じて記録できれば、得られる成形品の比
熱、熱伝導率、ポアソン比、ヤング率、熱膨張率などの
物性値と試料の冷却条件との関係を正確に把握すること
ができ、実際にプラスチック射出成形を行なう場合の温
度制御様式を設定する際の極めて有用な情報となる。
【0004】従来、プラスチックの射出成形条件とくに
溶融後の冷却及び再結晶化のための恒温保持の条件の決
定は、プラスチックの射出成形工程を数回繰り返し、得
られた射出成型品の物性を測定するという試行錯誤によ
り行われていたのであるが、上記情報を知ることによ
り、射出成形条件の決定のための試射回数を大巾に減ら
せるという利点が生ずる。
【0005】そこで、従来、以上のような熱処理中のプ
ラスチック材料の状態観察を行うために、プラスチック
材料からなる試料を加熱炉で所定温度に加熱した後に取
り出し、この試料を顕微鏡等の観察装置に装着して、そ
の画像を観察する手法が用いられていた。しかし、この
ような方法では加熱した試料を恒温に保持することがで
きず、また冷却速度などの温度コントロールもできない
ため、所望の熱処理過程が実現できないという難点があ
った。
【0006】また、特開昭63−149619号公報に
は高温顕微鏡加熱装置の発明が開示されており、ここで
は試料の加熱手段として赤外線ランプを用いており、試
料への赤外線の集光手段として断面形状が楕円形の反射
面を用いている。しかし、この特開昭63−14961
9号公報に記載の赤外線加熱装置は薄型化することが極
めて難しく、特殊な顕微鏡を除き画像観察システムに組
み込むことが難しく、かつ、赤外線ランプから発せられ
る光のうちの一部が顕微鏡の対物レンズに入射するた
め、試料の構造変化の状態を観察する際には、この対物
レンズに入射する迷光が大きな障害となる。更に、この
特開昭63−149619号公報に記載の赤外線加熱装
置では、プログラムされた温度曲線に従うように正確に
試料を急速冷却及び恒温保持させる制御を行うことは困
難であり、試料の構造変化の詳細な観察を迅速な熱処理
で効率的に行うことができない。
【0007】そこで、本発明の目的は、プラスチック材
料からなる試料を溶融状態から急冷し恒温保持するなど
の熱処理を行う際の試料温度変化の制御を精密に行うこ
とが可能で、その際の試料の構造変化の状態を詳細に観
察できる画像観察システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以上の
如き目的を達成するものとして、熱処理に伴う試料の状
態変化を観察するための画像観察システムであって、前
記試料を保持する試料保持手段と、前記試料を第1の方
向から観察する試料観察手段と、第2の方向から前記試
料に対して光照射を行なって該試料を加熱する光照射加
熱手段と、前記試料に対して気体吹付けを行って該試料
を冷却する気体吹付け冷却手段と、前記光照射により前
記試料に供給される熱量を制御し且つ前記気体吹付けに
より前記試料から奪取される熱量を制御することで前記
試料の経時的温度変化を制御する試料温度制御手段と、
を有することを特徴とする画像観察システム、が提供さ
れる。
【0009】本発明の一態様においては、前記試料観察
手段は、前記試料の画像を形成する画像形成手段と、該
画像形成手段により形成された画像を該画像を形成した
時刻及びその際の前記試料の温度とともに画像データ化
処理する画像処理手段とを有する。
【0010】本発明の一態様においては、前記画像形成
手段は、光学顕微鏡、偏光顕微鏡または位相差顕微鏡を
用いたものである。
【0011】本発明の一態様においては、前記試料観察
手段は、前記画像処理手段での処理で得られた画像デー
タを記録する記録手段と前記画像データを表示する表示
手段とを有する。
【0012】本発明の一態様においては、前記試料保持
手段は、前記光照射加熱手段に形成された前記第1の方
向の孔部内に配置されている。
【0013】本発明の一態様においては、前記光照射加
熱手段は、前記第1の方向の周りに前記孔部を中心とし
て環状に配置された赤外光源と、該赤外光源から発せら
れる赤外光を前記孔部へと導き前記試料に照射する反射
面とを有する。
【0014】本発明の一態様においては、前記気体吹付
け冷却手段は、前記孔部内へと気体を導入して前記試料
に対して気体吹付けを行うものである。
【0015】本発明の一態様においては、前記試料温度
制御手段は、前記試料保持手段の近傍に配置された温度
センサと、前記赤外光源の発光量を制御する発光制御部
と、前記吹付けのための気体の流量を制御する気体流量
制御部と、前記吹付けのための気体の温度を制御する気
体温度制御部とを有しており、前記温度センサの検知温
度に基づき前記発光制御部、前記気体流量制御部及び前
記気体温度制御部を制御して所望の温度変化による前記
試料の熱処理を行わしめるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を説明する。
【0017】図1は、本発明の画像観察システムの一実
施形態を示す模式的構成図である。
【0018】図1において、符号1は試料観察手段の画
像形成手段を構成する光学顕微鏡であり、該光学顕微鏡
1は、照明光源2と、該照明光源2から発せられる照明
光により照明された試料からの光が入射する鏡筒部3
と、該鏡筒部3に付設されたCCDセンサなどの画像検
出センサ5とを有する。該画像検出センサ5において形
成された試料画像が電気信号に変換される。画像検出セ
ンサ5から出力される画像電気信号は、試料観察手段の
画像処理手段を構成する制御部52に入力される(制御
部52の機能については後述する)。
【0019】図1において、光学顕微鏡1の載物台上に
は、試料の保持及び熱処理のための熱処理ユニット(赤
外線イメ−ジ炉)4が配置されている。
【0020】図2は熱処理ユニット4を示す平面図であ
り、図3はそのX−X断面図である。これらの図に示さ
れているように、熱処理ユニット4は、互いに平行な上
面11及び下面12をもち全体的形状が略扁平矩形状を
なしている金属製の炉体13を有する。該炉体13の中
央部には、上下方向の貫通孔部15が形成されており、
その上部開口及び下部開口を塞ぐようにガラス製上部透
光板32及びガラス製下部透光板33が炉体13に取り
付けられている。貫通孔部15内には、ガラス製上部透
光板32及びガラス製下部透光板33の間にて上下方向
の石英製円筒体26が配置されている。石英製円筒体2
6は内部に区画壁23を有しており、これにより区画さ
れた上方室24及び下方室25が形成されている。区画
壁23には通気孔が形成されており、気体は上方室24
と下方室25との間で流通できる。
【0021】区画壁23上には試料載置台27が配置さ
れており、該試料載置台27上には試料容器18内に収
容された試料17が載置されている。これら試料載置台
27及び試料容器18を含んで試料保持手段が構成され
ている。図4に、試料載置台27、試料容器18及び試
料17の分解斜視図を示す。該試料載置台27は、耐熱
性の材料を用いて構成されており、試料に対する赤外線
の集光及び気体の吹付けを妨げず且つ気体吹付けによっ
て振動を発生することのないように、図4に示されるよ
うな五徳状をなしている。また、試料載置台27は、中
央に照明光の通過のための開口が形成されている。試料
容器18は、石英などの光透過性及び耐熱性を有する材
料からなるものであり、その温度検知のための熱電対な
どの温度センサ34の測定端が接続されている。試料容
器18の温度は試料17の温度と実質上等しいので、温
度センサ34で検知される温度をもって試料17の温度
とみなすことができる。
【0022】図1に示されている照明光源2から発せら
れた照明光は、上方へと進行し、ガラス製下部透光板3
3を通って貫通孔部15内へと入射し、区画壁23、試
料載置台27の中央開口、及び試料容器18の底部を通
って試料17を照明する。このようにして照明された試
料17の顕微鏡1による観察は、ガラス製上部透光板3
2を介して上下方向に上方から行われる。
【0023】炉体13内には、上記貫通孔部15の外方
に空洞35が形成されており、該空洞35内に貫通孔部
15を中心とする円環形状の赤外線ランプ16が配置さ
れている。該赤外線ランプ16は、試料加熱のための赤
外光照射光源である。図3に示されているように、赤外
線ランプ16は空洞35内の最外方の近傍に位置してお
り、空洞35の内面は赤外線ランプ16から発せられた
光を貫通孔部15の方へと効果的に導くような集光機能
を備えた略放物線断面形状の反射鏡面14に形成されて
いる。貫通孔部15へ到達した赤外線は、石英製円筒体
26を透過して試料容器18及びそこに収容された試料
17に照射され、これらを加熱する。赤外線ランプ16
及び炉体13の反射鏡面14を含んで光照射加熱手段が
構成されている。
【0024】この様に、本実施形態においては、試料1
7の加熱のための赤外光の照射は、試料観察の方向であ
る上下方向(これは貫通孔部15の方向でもある)とほ
ぼ直交する方向にて、試料17を中心として半径方向に
内方へと集中するようになされるので、効率よく試料の
加熱を行うことができるとともに、炉体13の薄型化が
可能である(例えば、約12cm角で1〜4cm厚程度
とくに2〜3cm厚程度の炉体13が可能である)。こ
れにより、顕微鏡の対物レンズ下方の狭い場所にも容易
に配設することができる。
【0025】赤外線ランプ16は、ランプ発光コントロ
ーラ(C3)16aによる制御を受けて、発光光量を所
望値に設定することができる。このランプ発光光量は、
連続発光の場合にはその強度を調節することで制御する
ことができ、断続発光の場合にはその点灯/消灯時間を
調節すること及び/または強度を調節することで制御を
行うことができる。
【0026】尚、赤外線ランプ16から発せられ貫通孔
部15へと入射した光が顕微鏡1の対物レンズに入射す
るのを防止するために、ガラス製上部透光板32上に
は、観察のための所要開口を有する遮光板40が付設さ
れている。そして、これらガラス製上部透光板32及び
遮光板40は、貫通孔部15内への試料17の出し入れ
のために取り外し可能な様に取り付けられている。
【0027】他方、炉体13には、冷却用気体導入通路
20が形成されており、該導入通路20は冷却用気体導
入口19から導入される冷却用気体を貫通孔部15内へ
と導入する。冷却用気体は、石英製円筒体26に形成さ
れた通気孔29を通って下方室25へと導入され、区画
壁23の通気孔を通って上方室24内へと導入され、試
料載置台27上の試料容器18及びその中の試料17を
冷却する。冷却用気体は、石英製円筒体26に形成され
た通気孔30を通り、更にガラス製上部透光板32及び
遮光板40に形成された排気孔31を通って熱処理ユニ
ット4外へと排気される。冷却用気体としては、熱伝導
が良好で、加熱溶融した試料17を変性せしめないヘリ
ウムガス、窒素ガス、炭酸ガス等を用いるのが好まし
い。冷却用気体は、図1に示されているように、ボンベ
51に収容されており、冷却用気体流量制御器10及び
冷却用気体冷却器9を経て熱処理ユニット4の冷却用気
体導入口19へと供給される。これらボンベ51、流量
制御器10、冷却器9及び冷却用気体導入通路20など
を含んで気体吹付け冷却手段が構成されている。
【0028】流量制御器10は、冷却用気体流量コント
ローラ(C1)10aによる制御を受けて、冷却用気体
の流量を所望値に設定することができる。冷却用気体冷
却器9は、冷却用気体を液体窒素等の冷媒により冷却す
るものであり、冷却用気体温度コントローラ(C2)9
aによる制御を受けて冷却用気体の温度を所望値に設定
することができる。
【0029】尚、図2に示されているように、熱処理ユ
ニット4には排熱用気体導入通路22が形成されてお
り、該導入通路22は排熱用気体導入口21から導入さ
れる排熱用気体(例えば空気)を貫通孔部15内へと導
入し、導入された排熱用気体は冷却用気体の場合と同様
にして外部へと排出される。この排熱用気体の導入及び
排出により貫通孔部15内の温度を低下させることがで
きる。このの排熱用気体の導入は、試料17の再結晶化
(すなわち溶融後の硬化)が終了した後における貫通孔
部15内の冷却時に使用することができる。尚、図示は
されていないが、排熱用気体導入口21から排熱用気体
導入通路22への排熱用気体の導入量を制御する排熱用
気体流量コントローラが設けられている。
【0030】図1に示されている様に、制御部52は、
上記ランプ発光コントローラ16a、冷却用気体流量コ
ントローラ10a、冷却用気体温度コントローラ9a及
び上記不図示の排熱用気体流量コントローラを制御す
る。また、制御部52には、上記画像検出センサ5及び
温度センサ34から検知信号が入力される。制御部52
には、操作者による指令入力手段としてのキーボート5
3や表示手段としてのCRT54が接続されており、ま
た画像データの外部記憶手段としてのビデオレコーダー
55や画像データの表示手段としてのCRT56や画像
データの印刷手段としてのプリンタ57が接続されてい
る。上記の制御部52、ランプ発光コントローラ16
a、冷却用気体流量コントローラ10a、冷却用気体温
度コントローラ9a及び温度センサ34を含んで試料温
度制御手段が構成されている。
【0031】次に、制御部52の動作について説明す
る。
【0032】制御部52は、内蔵メモリに、熱処理の温
度曲線(即ち、時間経過に対し試料17の温度をどのよ
うに変化させるか)の種々の形態と、それらの各々につ
いての標準的なランプ発光の形態(即ち、時間経過に対
し赤外線ランプ16の発光状態をどのように変化させる
か)、冷却用気体の流量の形態(即ち、時間経過に対し
流量制御器10により冷却用気体流量をどのように変化
させるか)及び冷却用気体の温度の形態(即ち、時間経
過に対し冷却器9により冷却用気体の温度をどのように
変化させるか)を記憶している。これら温度曲線とラン
プ発光形態、冷却用気体の流量及び温度の形態との関係
は、予め実験を行って定めることが可能である。
【0033】システム操作者がキーボード53により所
望の温度曲線の指定を入力すると、制御部52は、それ
に対応したランプ発光の形態並びに冷却用気体の流量及
び温度の形態が得られる様に、ランプ発光コントローラ
16a、冷却用気体流量コントローラ10a及び冷却用
気体温度コントローラ9aを制御する。
【0034】図5は、上記熱処理の温度曲線の例を示す
図である。この熱処理では、時刻t0から時刻t1まで
の間に常温T0から温度T1まで一定の温度変化率で昇
温させ、時刻t1から時刻t2までの間は一定温度T1
に維持し、時刻t2から時刻T3までの間に温度T1か
ら温度T2まで一定の温度変化率で降温させ、時刻t3
以降は一定温度T2に維持している。温度T1は試料1
7の溶融状態が得られる温度であり、温度T2はこの温
度維持により試料の結晶化が可能な温度である。試料1
7がポリプロピレンからなり、その溶融後硬化時の結晶
化状態を観察する場合には、T1は例えば180〜33
0℃であり、T2は例えば95℃〜135℃である。温
度変化率は、昇温の場合は例えば0.5〜3.0℃/秒
とすることができ、降温の場合には例えば5.0〜15
0℃/秒とすることができる。
【0035】試料温度を略一定の温度変化率で上昇させ
る場合及び試料温度を略一定に維持する場合には、主と
して、赤外線ランプ16を略一定の発熱量で発熱させ
る。所望の温度変化率に応じて発光コントローラ16a
によるランプ発光強度のコントロールがなされる。
【0036】試料温度を略一定の温度変化率で降下させ
る場合には、主として、冷却用気体を略一定の流量及び
温度で供給する。所望の温度変化率に応じて流量コント
ローラ10a及び温度コントローラ9aによる冷却用気
体の流量及び温度のコントロールがなされる。
【0037】但し、温度変化率を急変させる時(図5に
おけるt1,t2,t3)には、オーバーシュート防止
のため、適宜、赤外線ランプの発光や冷却用気体の供給
を一時的に急激に増加させる。
【0038】以上の様に、制御部52は、予め記憶され
た温度曲線を実現するためのランプ発光並びに所要の流
量及び温度での冷却用気体の供給を行うように各コント
ローラ16a,10a,9aを制御するが、温度センサ
34により検知される試料温度が所定の温度曲線からず
れようとする場合には、それを阻止するようにコントロ
ーラ16a,10aへの指令信号を変化させる。所定の
温度曲線から高温側へとずれようとする場合には、発光
コントローラ16aに対してランプ発光強度を減少させ
るよう指令し、及び/または、流量コントローラ10a
に対して冷却気体流量を増加させるよう指令する。逆
に、所定の温度曲線から低温側へとずれようとする場合
には、発光コントローラ16aに対してランプ発光強度
を増大させるよう指令し、及び/または、流量コントロ
ーラ10aに対して冷却気体流量を減少させるよう指令
する。この様な制御はPID制御を用いて行うことがで
きる。これにより、所望の温度曲線に極めて近い温度変
化を実現することが可能となる。溶融後の冷却硬化時の
試料の結晶化状態の観察の際には、冷却過程及びこれに
続く結晶化可能な一定温度での維持(恒温)過程の温度
制御の精度を高めることが重要であるが、以上の様な実
施形態によれば、例えば誤差±1℃以内の精度を実現す
ることができる。
【0039】制御部52はタイマを内蔵しており、画像
検出センサ5から入力される画像電気信号は、温度セン
サ34から入力される試料温度検知信号とともに、所望
のタイミングで、内蔵メモリに記憶される。この記憶の
際には、試料画像のデータと時刻及び温度のデータとを
セットにして1つの複合画像データとなす画像データ化
処理がなされる。
【0040】この様な複合画像データは、随時ビデオレ
コーダー55に記憶することができ、CRT56に表示
することができ、プリンタ57で印刷することができ
る。図6に、表示または印刷された複合画像の一例を示
す。試料画像は第1の領域61に例えば512×512
の画素により形成され、時刻及び温度のデータは第2の
領域62に形成される。また、CRT54に所望の複合
画像データを随時表示することも可能である。
【0041】上記制御部52の内蔵メモリへの複合画像
データの取り込みは30回/分程度で頻繁に行うことが
可能であり、冷却後の恒温過程での結晶化の際の状態変
化の様子を詳細に観察することが可能となる。尚、この
複合画像データ取り込みのタイミングは、キーボート5
3による指令入力で任意に設定することができる。ま
た、所望の温度または時間を予め指定しておき、そのタ
イミングで複合画像データの取り込みを行うようにする
ことも可能である。
【0042】以上の実施形態では画像形成手段として光
学顕微鏡が用いられているが、本発明では、画像形成手
段として、偏光顕微鏡、位相差顕微鏡、ラマン散乱測定
装置、光散乱測定装置、X線測定装置、レーザー顕微
鏡、超音波顕微鏡等を用いることも可能である。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0044】上記実施形態に示されるような画像観察シ
ステムを用い、試料17としてポリプロピレン粉末を用
意し、その溶融状態及び再結晶化状態の構造変化を観測
した。図5に示される様な熱処理温度曲線を用い、温度
T1,T2、並びに時刻t0からt1までの温度変化率
K1及び時刻t2からt3までの温度変化率K2、を表
1に示すようにした。また、時刻t2からt3までの冷
却過程における冷却気体の流量F[L(リットル)/
分]及びその温度TCの標準値として、予め表1に示さ
れる値を用いた。
【0045】
【表1】 各実施例において、試料17は、冷却過程後の恒温過程
への移行時にもオーバーシュートすることなく、所定の
熱処理温度曲線に対して±1℃以内の精度で温度制御さ
れた。そして、その際の試料17の構造変化の状態を、
迷光の障害なく観測できた。
【0046】図7〜11に、実施例1で得られた複合画
像を示す。また、図12〜15に、実施例1で得られた
複合画像を示す。図11及び図15は拡大画像である。
尚、これらの図における時刻(温度の左側に位置してい
る)は図5における時刻t2を「00[分]:00
[秒]」として表示している。
【0047】
【発明の効果】以上の様に、本発明の画像観察システム
によれば、試料を溶融状態から急冷し恒温保持するなど
の熱処理を行う際の試料温度変化の制御を精密に行うこ
とが可能で、その際の試料の構造変化の状態を詳細に観
察することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像観察システムの一実施形態を示す
模式的構成図である。
【図2】本発明の画像観察システムの一実施形態におけ
る熱処理ユニットを示す平面図である。
【図3】図2のX−X断面図である。
【図4】本発明の画像観察システムの一実施形態におけ
る試料載置台、試料容器及び試料の分解斜視図である。
【図5】本発明の画像観察システムの一実施形態におけ
る熱処理の温度曲線の例を示す図である。
【図6】本発明の画像観察システムの一実施形態におけ
る複合画像の一例を示す図である。
【図7】実施例1で得られた複合画像を示す図である。
【図8】実施例1で得られた複合画像を示す図である。
【図9】実施例1で得られた複合画像を示す図である。
【図10】実施例1で得られた複合画像を示す図であ
る。
【図11】実施例1で得られた複合画像を示す図であ
る。
【図12】実施例2で得られた複合画像を示す図であ
る。
【図13】実施例2で得られた複合画像を示す図であ
る。
【図14】実施例2で得られた複合画像を示す図であ
る。
【図15】実施例2で得られた複合画像を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 光学顕微鏡 2 照明光源 3 鏡筒部 4 熱処理ユニット 5 画像検出センサ 9 冷却器 9a 冷却用気体温度コントローラ 10 流量制御器 10a 冷却用気体流量コントローラ 11 上面 12 下面 13 炉体 14 反射鏡面 15 貫通孔部 16 赤外線ランプ 16a ランプ発光コントローラ 17 試料 18 試料容器 20 冷却用気体導入通路 23 区画壁 24 上方室 25 下方室 26 石英製円筒体 27 試料載置台 29 通気孔 31 排気孔 32 上部透光板 33 下部透光板 34 温度センサ 35 空洞 40 遮光板 51 ボンベ 52 制御部 53 キーボート 54 CRT 55 ビデオレコーダー 56 CRT 57 プリンタ 61 複合画像第1領域 62 複合画像第2領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相良 宏 神奈川県横浜市緑区白山一丁目9番19号 真空理工株式会社内 (72)発明者 林 政信 神奈川県横浜市緑区白山一丁目9番19号 真空理工株式会社内 (72)発明者 山下 友義 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 2H052 AC05 AC13 AD23 AD24 AD25 AD26 AF13 AF14 AF22 AF25 4F206 JA07 JL09 JP30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理に伴う試料の状態変化を観察する
    ための画像観察システムであって、 前記試料を保持する試料保持手段と、前記試料を第1の
    方向から観察する試料観察手段と、第2の方向から前記
    試料に対して光照射を行なって該試料を加熱する光照射
    加熱手段と、前記試料に対して気体吹付けを行って該試
    料を冷却する気体吹付け冷却手段と、前記光照射により
    前記試料に供給される熱量を制御し且つ前記気体吹付け
    により前記試料から奪取される熱量を制御することで前
    記試料の経時的温度変化を制御する試料温度制御手段
    と、を有することを特徴とする画像観察システム。
  2. 【請求項2】 前記試料観察手段は、前記試料の画像を
    形成する画像形成手段と、該画像形成手段により形成さ
    れた画像を該画像を形成した時刻及びその際の前記試料
    の温度とともに画像データ化処理する画像処理手段とを
    有することを特徴とする、請求項1に記載の画像観察シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記画像形成手段は、光学顕微鏡、偏光
    顕微鏡または位相差顕微鏡を用いたものであることを特
    徴とする、請求項2に記載の画像観察システム。
  4. 【請求項4】 前記試料観察手段は、前記画像処理手段
    での処理で得られた画像データを記録する記録手段と前
    記画像データを表示する表示手段とを有することを特徴
    とする、請求項2〜3のいずれかに記載の画像観察シス
    テム。
  5. 【請求項5】 前記試料保持手段は、前記光照射加熱手
    段に形成された前記第1の方向の孔部内に配置されてい
    ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の
    画像観察システム。
  6. 【請求項6】 前記光照射加熱手段は、前記第1の方向
    の周りに前記孔部を中心として環状に配置された赤外光
    源と、該赤外光源から発せられる赤外光を前記孔部へと
    導き前記試料に照射する反射面とを有することを特徴と
    する、請求項5に記載の画像観察システム。
  7. 【請求項7】 前記気体吹付け冷却手段は、前記孔部内
    へと気体を導入して前記試料に対して気体吹付けを行う
    ものであることを特徴とする、請求項5〜6のいずれか
    に記載の画像観察システム。
  8. 【請求項8】 前記試料温度制御手段は、前記試料保持
    手段の近傍に配置された温度センサと、前記赤外光源の
    発光量を制御する発光制御部と、前記吹付けのための気
    体の流量を制御する気体流量制御部と、前記吹付けのた
    めの気体の温度を制御する気体温度制御部とを有してお
    り、前記温度センサの検知温度に基づき前記発光制御
    部、前記気体流量制御部及び前記気体温度制御部を制御
    して所望の温度変化による前記試料の熱処理を行わしめ
    るものであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれ
    かに記載の画像観察システム。
JP11053141A 1999-03-01 1999-03-01 熱処理に伴う試料の状態変化を観察する画像観察システム Pending JP2000249928A (ja)

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