JP2000249141A - 回転ドラム装置およびその組立方法 - Google Patents

回転ドラム装置およびその組立方法

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JP2000249141A
JP2000249141A JP11056160A JP5616099A JP2000249141A JP 2000249141 A JP2000249141 A JP 2000249141A JP 11056160 A JP11056160 A JP 11056160A JP 5616099 A JP5616099 A JP 5616099A JP 2000249141 A JP2000249141 A JP 2000249141A
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JP11056160A
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Kyoji Kasuga
恭二 春日
Mitsunobu Yoshida
光伸 吉田
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Sharp Corp
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮バネを用いない軸一体型軸受を備えた回
転ドラム装置の軸受の転動体への予圧負荷に対し、コン
パクトでコストダウンが可能な回転ドラム装置の構造お
よび組立方法を提供する。 【解決手段】 予圧治具12の内周面12cを回転ドラ
ム1の嵌合面1hに嵌合させ、予圧治具12の当たり面
12aが回転ドラム1の当て面1fに当接する位置ま
で、回転ドラム1を挿入し、回転ドラム1の位置決め穴
1gに位置決めピン12bを挿入する。予圧治具12に
設けた予圧ピン9を予圧孔1eに貫通させ、中央孔下部
1b内に配置された下方の外輪4bの上側端部にかかる
位置まで挿入し、予圧治具12により、予圧ピン9をA
方向に所定の予圧力が掛かるように引っ張りながら、そ
の状態で接着剤注入孔12dより接着剤を注入し、下方
の外輪4bと回転ドラム1の中央孔下部1bを接着固定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転ドラム装置お
よびその組立方法、より詳細には、VTRやDATなど
の磁気テープに、情報を記録・再生する磁気記録再生装
置などに用いられる回転ドラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来技術による回転ドラム装置
の一例を説明するための断面図で、このVTRの回転ド
ラム装置は、回転ドラム21と固定ドラム22とを有し
ており、この回転ドラム21には、磁気テープ(図示せ
ず)に信号を記録したり、磁気テープに記録されている
信号を再生するために、磁気ヘッド23が設けられてい
る。
【0003】固定ドラム22の中央孔22aには、一対
の外輪24a,24bを備えた軸一体型軸受24の固定
軸24cが固定されており、該軸一体型軸受24の外輪
24a,24bは、ディスク25の中央孔25a,25
bにそれぞれ固定されている。回転ドラム21は、ディ
スク25に固定されており、固定ドラム22に対して回
転可能に支持されている。
【0004】固定ドラム22には、ロータリトランス2
6のステータ26bが固定され、該ステータ26bに対
向して、ロータリトランス26のロータ26aが配設さ
れており、そのロータ26aはディスク25に固定され
ている。該ロータ26aは、磁気ヘッド23と結線され
ており、信号の授受を行う。回転ドラム21の上部に
は、モータ27のロータ27aが固定されており、さら
に、モータ27のステータ27bが、固定軸24cに固
定されたカラー28に固定され、これらロータ27aと
ステータ27bによって構成されるモータ27により、
回転ドラム21が回転する。
【0005】軸一体型軸受24は、軸方向(図中上下方
向)に配設された一対の外輪24a,24bと、該外輪
24a,24bの間に位置して外輪24a,24bを離
間する方向に外輪24a,24bを押圧するように圧縮
状態に設けられた圧縮バネ24fと、該圧縮バネ24f
と外輪24a,24bの間に介在する介装部材24d,
24eと、各外輪24a,24bと固定軸24cとの間
を転動する複数のボール(転動体)24g,24hとか
ら構成されている。図中の上方の外輪24aは、ディス
ク25の中央孔上部25aに焼嵌めされ、図中の下方の
外輪24bは、中央孔下部25bに隙間をもって嵌合さ
れ、接着固定されている。
【0006】上記ボール24g,24hには、圧縮バネ
24fによって軸方向(図中E方向)に予圧が掛けられ
ている。上記予圧を掛ける理由は、軸方向のガタをなく
し、ボール24g,24hを若干弾性変形させることに
より、軸受剛性を高め、磁気ヘッド23を固定軸24c
に対して正確に回転させるためである。αa,αbで示
した角度は、軸一体型軸受24の各外輪24a,24b
とボール24g,24hおよび固定軸24cの接触する
角度である。
【0007】図5に示した回転ドラム装置は、圧縮バネ
24fによって、軸一体型軸受24に予圧が与えられて
いるが、この圧縮バネ24fを設けることにより、軸一
体型軸受24の組立・部品にかかるコストが高くなった
り、軸一体型軸受24を組み立てた後に洗浄する際、圧
縮バネ24fが設けられていることにより、軸一体型軸
受24の内部の洗浄がうまく行われずに、ゴミ等が軸受
内に残留し、軸一体型軸受24の回転騒音の原因になる
ことがあった。
【0008】図6は、従来技術による回転ドラム装置の
他の例を説明するための断面図で、上述のような予圧用
の圧縮バネを使用せずに軸一体型軸受に軸方向に予圧を
与える構造の回転ドラム装置であり、上方の外輪24a
が、ディスク25の中央孔上部25aに焼嵌めにより固
定され、その後、下方の外輪24bが下方から負荷を掛
けられることにより、回転軸に対して相対的に軸方向内
方に向かう予圧を、両外輪を介してボール24g,24
hに負荷するようにしたものである。
【0009】しかし、その方法による予圧では、軸一体
型軸受24の各外輪24a,24bとボール24g,2
4hおよび固定軸24cの接触する角度は、図6に示し
たように、図5に示した圧縮バネ24fによって軸一体
型軸受24に予圧を与えている回転ドラム装置の場合と
はその方向が逆になる。
【0010】通常、軸一体型軸受24のハウジング部分
(すなわち、ディスク25)の材質は、アルミニウムま
たは真鍮を用いており、例えば、アルミニウムの線膨張
係数は、20.5×10-6であり、一方、軸受外輪24
a,24b,ボール24g,24h,固定軸24cの材
質はSUJ2で、その線膨張係数は12.5×10-6
ある。
【0011】図6に示したような接触角αc,αdを有
する軸一体型軸受の場合、温度変化に対する予圧変化を
見た場合、スラスト方向については、低温時に、ディス
ク25側が固定軸24cより縮まるため、スラスト方向
の予圧が大きくなり、また、高温時には、ディスク25
側が固定軸24cより伸びるため、予圧が小さくなる。
また、ラジアル方向については、低温時に、ディスク2
5側が固定軸24cより縮まるため、ラジアル方向の予
圧が大きくなり、また、高温時には、ディスク25側が
固定軸24cより伸びるため、予圧が小さくなる。この
ように、ディスク25と固定軸24cとにおいて、スラ
スト方向,ラジアル方向ともに、低温時には予圧が大き
くなり、高温時には予圧が小さくなる。
【0012】一方、図5に示したような接触角αa,α
bを有する軸一体型軸受の場合、スラスト方向について
は、低温時に、ディスク25側が固定軸24cより縮ま
るため、スラスト方向の予圧が小さくなり、また、高温
時には、ディスク25側が固定軸24cより伸びるた
め、予圧が大きくなる。また、ラジアル方向について
は、低温時に、ディスク25側が固定軸24cより縮ま
るため、ラジアル方向の予圧が大きくなり、また、高温
時にはディスク25側が固定軸24cより伸びるため、
予圧が小さくなる。このように、ディスク25と固定軸
24cとにおいて、スラスト方向,ラジアル方向の温度
変化に対する予圧変化が逆であるため、ディスク25と
固定軸24cとの予圧変化が相殺されるので、温度変化
に対する予圧変化が小さい。
【0013】以上のように、図6に示したような接触角
αc,αdを有する軸一体型軸受の場合は、図5に示し
たような接触角αa,αbを有する軸一体型軸受の場合
に比べ、温度変化に対する予圧変化が大きいという問題
がある。
【0014】図7は、従来技術による軸一体型軸受の一
例を説明するための断面図である。例えば、特開平2−
46312号公報や特開平3−212806号公報にお
いては、軸一体型軸受において、上述のような圧縮バネ
を用いずに、回転軸に対して相対的に軸方向外方に向か
う予圧を、両外輪を介して転動体に負荷するようにし、
これにより、図5に示した接触角を有するようにした軸
一体型軸受が開示されている。
【0015】図7(A)に示した例は、上記特開平2−
46312号公報に開示されたものであるが、下方の外
輪24bに段差面Gを設けて該段差面Gを加重で吸引し
たり、下方の外輪24bの端面Fを電磁石で吸着するこ
とにより、下方の外輪24bを下方に吸引して両外輪を
介して転動体に予圧を与えるというものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7
(A)に示した特開平2−46312号公報に開示され
たものは、下方の外輪24bに段差面Gを設けることに
より、下方のボール24hの位置に対するハウジング3
1の下方の外輪24bとの嵌合部の長さL1,L2が不
均等となり、例えば、ハウジング31がアルミニウム製
で、軸受の外輪24a,24bがステンレス製であった
場合、低温状態においては、その線膨張係数の違いによ
り、外輪24a,24bよりもハウジング31の収縮量
が大きく、外輪を収縮させる力が働くが、ハウジング3
1が嵌合している部分と嵌合していない部分では該収縮
力が異なり、下方の外輪24bが上部側の小さい円錐形
状に変形し、特に、低温状態では、その回転が不安定に
なり、回転ドラム装置としての精度が保てない状態とな
る。さらに悪くすれば、外輪24a,24bの永久変形
を招いてしまい、軸受の性能を維持することができなく
なるという問題があった。
【0017】また、この問題を解決するためには、図7
(B)に示したように、下方のボール24hに対して均
等な長さL1′=L2′でハウジング31との嵌合部を
設け、さらに、その下方に段差面Gを設けることが考え
られるが、この方法では、軸一体型軸受24の軸方向の
長さが長くなり、回転ドラム装置が大型化してしまうと
いう問題があった。
【0018】また、外輪24bに段差部を設けること
は、大幅なコストアップを招いていた。さらに、下方の
外輪24bの端面Fを電磁石で吸着することにより、下
方に吸引する方法では、予圧をかける際の吸引力より、
下方の外輪24bの端部Fと電磁石の吸着力を大きくし
ておく必要があり、そのためには、外輪24bの端部F
の面積を大きくする必要がある。しかし、外輪24bの
端面Fの面積を大きくすることにより、下方の外輪24
bの直径が大きくなって、その外周部に設けられている
ロータリートランスの内径が大きくなり、ひいては、回
転ドラム装置が大径化してしまうという問題があった。
【0019】また、図7(A)に示した上記特開平2−
46312号公報の例においては、外輪24bに段差部
を設けることにより、ハウジング31に対する外輪24
a,24bの挿入方向が決まってしまう。すなわち、ま
ず、固定軸24cにボール24gと上方の外輪24aを
装着し、次に、ハウジング31に上方の外輪24aを圧
入固定し、次に、下方の外輪24bをハウジング31に
下方から挿入し、その前後にボール24hを挿入すると
いうような方法で組立が行われており、組立方法が複雑
であった。
【0020】また、上記特開平3−212806号公報
に開示されたものには、圧縮バネがない状態において、
回転軸に対して相対的に軸方向外方に向かう予圧を、両
外輪を介して転動体に負荷する方法についてはその記載
がなく、その軸一体型軸受の実現は困難であった。
【0021】本発明は、上述のような実情を考慮してな
されたもので、圧縮バネを用いない軸一体型軸受を備え
た回転ドラム装置の軸受の転動体への予圧負荷に対し、
コンパクトでコストダウンが可能な回転ドラム装置の構
造および組立方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、一対
の溝が胴面の離間した位置に該胴面一周に凹設された軸
と前記各溝に案内されて移動可能に配設された複数の転
動体と前記溝に対向して配設されて前記転動体を支持す
る円筒状の一対の外輪とから構成された軸一体型軸受
と、該軸受を該軸受の軸方向に挿入して固定する円筒状
の外輪取付部を有して該外輪取付部内に前記外輪が固定
された固定ドラム/回転ドラムと、該固定ドラム/回転
ドラムに対向して配設されて前記軸受の軸の一端部が固
着された回転ドラム/固定ドラムとからなり、前記回転
ドラムが前記軸受を介して前記固定ドラムに回転可能に
支持された回転ドラム装置において、前記外輪取付部
が、該外輪取付部の円筒内側と円筒外側とを連通し、か
つ、前記軸に対して直交する予圧孔を有し、該予圧孔の
前記外輪取付部円筒内の延長上に、前記一対の外輪のう
ちの一方の外輪の他方外輪側の端部が位置するように、
前記軸受が配設されたことを特徴としたものである。
【0023】請求項2の発明は、一対の溝が胴面の離間
した位置に該胴面一周に凹設された軸と前記各溝に案内
されて移動可能に配設された複数の転動体と前記溝に対
向して配設されて前記転動体を支持する円筒状の一対の
外輪とから構成された軸一体型軸受と、該軸受を該軸受
の軸方向に挿入して固定する円筒状の外輪取付部を有し
て該外輪取付部内に前記外輪が固定されたディスクと、
該ディスクに固定された回転ドラムと、該回転ドラムに
対向して配設されて前記軸受の軸の一端部が固着された
固定ドラムとからなり、前記回転ドラムが前記軸受と前
記ディスクとを介して前記固定ドラムに回転可能に支持
された回転ドラム装置において、前記外輪取付部が、該
外輪取付部の円筒内側と円筒外側とを連通し、かつ、前
記軸に対して直交する予圧孔を有し、該予圧孔の前記外
輪取付部円筒内の延長上に、前記一対の外輪のうちの一
方の外輪の他方外輪側の端部が位置するように、前記軸
受が配設されたことを特徴としたものである。
【0024】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の回転ドラム装置において、前記外輪取付部が、複数
の前記予圧孔を有することを特徴としたものである。
【0025】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れかに記載の回転ドラム装置を組み立てる組立方法にお
いて、前記予圧孔から予圧ピンを挿入し、該予圧ピンの
先端部を前記一方の外輪の他方外輪側の端面に当接さ
せ、前記予圧ピンに対して前記軸に平行かつ前記一方の
外輪側方向に荷重を掛けることにより、前記転動体に予
圧を与えることを特徴としたものである。
【0026】請求項5の発明は、請求項4に記載の回転
ドラム装置の組立方法において、予圧治具に設けられた
位置合わせ基準面に前記外輪取付部を有する固定ドラム
または回転ドラムまたはディスクの位置合わせ基準面を
当接し、前記予圧治具に設けられた位置合わせピンを前
記固定ドラムまたは回転ドラムまたはディスクの位置合
わせ穴に挿入して前記予圧治具に対して前記固定ドラム
または回転ドラムまたはディスクを位置合わせして固定
した後、前記予圧治具に設けられた前記予圧ピンを前記
外輪取付部の予圧孔に挿入することを特徴としたもので
ある。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による回転ドラム
装置の一実施例を説明するための断面図で、回転ドラム
1と固定ドラム2とを有しており、この回転ドラム1に
は、磁気テープ(図示せず)に信号を記録したり、磁気
テープに記録されている信号を再生するために、磁気ヘ
ッド3が設けられている。
【0028】固定ドラム2の中央孔2aには、一対の外
輪4a,4bを備えた軸一体型軸受4の固定軸4cが固
定され、該軸一体型軸受4の外輪4a,4bは、外輪取
付部部である回転ドラム1の中央孔1a,1bにそれぞ
れ固定され、回転ドラム1は、固定ドラム2に対して回
転可能に支持されている。
【0029】固定ドラム2には、ロータリトランス6の
ステータ6bが固定され、該ステータ6bに対向して、
ロータリトランス6のロータ6aが配設されており、そ
のロータ6aは回転ドラム1に端子ホルダ10を介して
固定されている。該ロータ6aは磁気ヘッド3と結線さ
れており、信号の授受を行う。回転ドラム1の上部に
は、モータ7のロータ7aが固定され、さらに、モータ
7のステータ7bが、固定軸4cに固定されたカラー8
に固定され、これらロータ7aとステータ7bとによっ
て構成されるモータ7により、回転ドラム1が回転す
る。
【0030】軸一体型軸受4は、軸方向(図中上下方
向)に配設された一対の外輪4a,4bと、各外輪4
a,4bと固定軸4cとの間を転動する複数のボール
(転動体)4g,4hとを備えている。上方の外輪4a
は、回転ドラム1の中央孔上部1a内に焼嵌めされ、下
方の外輪4bは、中央孔下部1b内に隙間をもって嵌合
されている。
【0031】回転ドラム1の下方の外輪4bに対応した
中央孔下部1bの内周面には全周に亘って接着溝1cが
設けられている。また、回転ドラム1の中央孔下部1b
の外周面から固定軸4cに対して垂直方向に貫通する接
着剤注入孔1dが、該接着溝1cの位置に設けられてい
る。
【0032】さらに、回転ドラム1には、下方の外輪4
bに対応した中央孔下部1bに、固定軸4cに対して直
交し、中央孔2aに貫通する予圧孔1eが設けられてお
り、中央孔2aの予圧孔1eの開口延長上に、下方の外
輪4bの上側端部が位置している。なお、予圧孔1eの
加工は、接着剤注入孔1dを加工する際の工程で行える
ため、ほとんどコストアップなしに予圧孔1eの加工が
行える。
【0033】図2は、本発明による回転ドラム装置の軸
受部の組立方法の一実施例を説明するための断面図であ
る。回転ドラム1の中央孔上部1aは、常温において、
上方の外輪4aと締まり勝手となる直径で加工され、中
央孔下部1bは、常温において、下方の外輪4bと隙間
を有する直径で加工されている。
【0034】回転ドラム1を、中央孔上部1aの直径が
上方の外輪4aの直径より大きくなる程度まで加熱し、
軸一体型軸受4を、上方の外輪4aの下面Dが、回転ド
ラム1の中央孔上部1aの段差部Cに当接する位置ま
で、上方から挿入し、冷却する。常温まで冷却すること
により、上方の外輪4aと中央孔上部1aは締まり勝手
となり、強力に固定される。下方の外輪4bは、中央孔
下部1bと隙間を有しているため、移動自由である。
【0035】次に、回転ドラム1を固定した状態で、予
圧治具12の内周面12cを回転ドラム1の嵌合面1h
に嵌合させ、回転ドラム1の位置決め穴1gに予圧治具
12に設けた位置決めピン12bが挿入される角度位置
において、予圧治具12の当たり面(位置合わせ基準
面)12aが回転ドラム1の当て面(位置合わせ基準
面)1fに当接する位置まで、回転ドラム1を挿入す
る。
【0036】予圧治具12に設けた予圧ピン9を、回転
ドラム1の予圧孔1eに貫通させ、中央孔下部1b内に
配置された下方の外輪4bの上側端部にかかる位置まで
挿入し、予圧治具12により、該予圧ピン9を軸方向
(図中A方向)に所定の予圧力が掛かるように引っ張り
ながら、その状態で接着剤注入孔12d(予圧治具12
には、接着剤ディスペンサー用の逃げ穴12dが設けら
れている)より接着剤を注入し、下方の外輪4bと回転
ドラム1の中央孔下部1bを接着固定する。接着剤硬化
後、予圧ピン9を抜き去り、予圧治具12を回転ドラム
1から外す。
【0037】これにより、上記ボール4g,4hは、軸
方向(図中B方向)に予圧がかけられた状態となる。上
記予圧をかける理由は、軸方向のガタをなくし、ボール
4g,4hを若干弾性変形させることにより、軸受剛性
を高め、磁気ヘッド3を固定軸4cに対して正確に回転
させるためである。
【0038】予圧孔1e及び予圧ピン9は、それぞれ1
個ずつでもその機能が果たせるが、2個ずつ以上の複数
個、可能であれば、3個ずつ以上が望ましい。これによ
り、下方の外輪4bを固定軸4cと平行に引っ張ること
ができる。
【0039】図3,図4は、本発明による回転ドラム装
置の他の実施例を説明するための断面図である。図1,
図2の実施例では、回転ドラム1に設けた中央孔1a,
1bに軸一体型軸受4の外輪4a,4bを固定した構造
の回転ドラム装置を示したが、図3に示したように、軸
一体型軸受の外輪4a,4bを、外輪取付部である固定
ドラム2に設けた中央孔上部2a,中央孔下部2bに固
定してもよいし、また、図4に示したように、ディスク
5に設けた中央孔上部5a,中央孔下部5bに固定して
も同様の効果がある。
【0040】
【発明の効果】請求項1乃至3の発明は、軸一体型軸受
の一対の外輪を固定するハウジングとなる外輪取付部
に、回転軸に対して垂直方向に開孔する予圧孔が、一対
の外輪が嵌合する中心穴に対して貫通するように設けら
れており、中心穴内の予圧孔の延長上に、一方の外輪の
端部が位置するので、この予圧孔を利用して転動体に予
圧を掛けることができ、従来の圧縮バネを有する軸一体
型軸受を用いた回転ドラム装置としてはもちろん、圧縮
バネを有していない軸一体型軸受を用いた回転ドラム装
置として、大幅にコストダウンを可能にした回転ドラム
装置を提供することができる。
【0041】請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明
による回転ドラム装置において、予圧孔から、一方の外
輪の端部に当接する位置まで予圧ピンを挿入し、予圧ピ
ンを一対の外輪が互いに離れる方向に所定の荷重をかけ
ることによって、転動体に予圧を与えることができるの
で、大幅なコストアップを必要とせずに、回転ドラム装
置の組立を行うことができる。
【0042】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、位置合わせ面および位置合わせピンを有する予圧治
具を用いて予圧孔に予圧ピンを挿入するので、予圧ピン
の挿入ミスや予圧ピンに対する荷重ミスを防止するとと
もに、作業性の向上を図ることが可能となり、回転ドラ
ム装置の正確な組立を容易に行うことができる。
【0043】以上の説明から明らかなように、本発明に
よる回転ドラム装置およびその組立方法によれば、外輪
に段差を設けたり外輪端面を大径化する必要がなく、従
来から行われている接着剤注入孔の加工と同工程で予圧
孔の加工ができ、これにより、圧縮バネを有しない軸一
体型軸受を用いた回転ドラム装置の転動体に予圧を与え
ることが可能となるため、大幅なコストアップなしに回
転ドラム装置の組立を行うことができる。
【0044】また、軸一体型軸受けを組立後に洗浄する
際、圧縮バネがないため軸一体型軸受の内部の洗浄がう
まく行われ、軸一体型軸受の回転騒音の原因となるゴミ
等が軸受内に残留しないので、機能のよい回転ドラム装
置を提供することができる。
【0045】さらに、請求項1の発明は、圧縮バネを有
していない軸一体型軸受を直接回転ドラムに焼嵌固定す
ることにより、回転ドラムの外周面の振れを小さくする
ことが可能となり、これにより、ディスク等を介して回
転ドラムを固定する必要がなくなるので、コストダウン
を可能とした回転ドラム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転ドラム装置の一実施例を説明
するための断面図である。
【図2】本発明による回転ドラム装置の軸受部の組立方
法の一実施例を説明するための断面図である。
【図3】本発明による回転ドラム装置の他の実施例を説
明するための断面図である。
【図4】本発明による回転ドラム装置の他の実施例を説
明するための断面図である。
【図5】従来技術による回転ドラム装置の一例を説明す
るための断面図である。
【図6】従来技術による回転ドラム装置の他の例を説明
するための断面図である。
【図7】従来技術による軸一体型軸受の一例を説明する
ための断面図である。
【符号の説明】
1,21…回転ドラム、1a,2a,5a,25a…中
央孔上部、1b,2b,5b,25b…中央孔下部、1
c,21c…接着溝、1d,21d…接着剤注入孔、1
e…予圧孔、1f…当て面、1g…位置決め穴、1h…
嵌合面、2,22…固定ドラム、2a,22a…中央
孔、3,23…磁気ヘッド、4,24…軸一体型軸受、
4a,4b,24a,24b…外輪、4c,24c…固
定軸、4g,4h,24g,24h…ボール、5,25
…ディスク、6,26…ロータリトランス、6a,7
a,26a,27a…ロータ、6b,7b,26b,2
7b…ステータ、7,27…モータ、8,28…カラ
ー、9…予圧ピン、10…端子ホルダ、12…予圧治
具、12a…当たり面、12b…位置決めピン、12c
…内周面、12d…逃げ穴、24d,24e…介装部
材、24f…圧縮バネ、31…ハウジング、C…段差
部、D…上方外輪の下面、F…外輪24bの端面、G…
段差面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J012 AB04 BB01 BB05 FB08 FB10 HB02 HB04 3J101 AA02 AA42 AA52 AA62 AA72 FA41 FA46 GA53 5D036 AA14 AA17 CC05 CC29 CC43 CC51

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の溝が胴面の離間した位置に該胴面
    一周に凹設された軸と前記各溝に案内されて移動可能に
    配設された複数の転動体と前記溝に対向して配設されて
    前記転動体を支持する円筒状の一対の外輪とから構成さ
    れた軸一体型軸受と、該軸受を該軸受の軸方向に挿入し
    て固定する円筒状の外輪取付部を有して該外輪取付部内
    に前記外輪が固定された固定ドラム/回転ドラムと、該
    固定ドラム/回転ドラムに対向して配設されて前記軸受
    の軸の一端部が固着された回転ドラム/固定ドラムとか
    らなり、前記回転ドラムが前記軸受を介して前記固定ド
    ラムに回転可能に支持された回転ドラム装置において、
    前記外輪取付部が、該外輪取付部の円筒内側と円筒外側
    とを連通し、かつ、前記軸に対して直交する予圧孔を有
    し、該予圧孔の前記外輪取付部円筒内の延長上に、前記
    一対の外輪のうちの一方の外輪の他方外輪側の端部が位
    置するように、前記軸受が配設されたことを特徴とする
    回転ドラム装置。
  2. 【請求項2】 一対の溝が胴面の離間した位置に該胴面
    一周に凹設された軸と前記各溝に案内されて移動可能に
    配設された複数の転動体と前記溝に対向して配設されて
    前記転動体を支持する円筒状の一対の外輪とから構成さ
    れた軸一体型軸受と、該軸受を該軸受の軸方向に挿入し
    て固定する円筒状の外輪取付部を有して該外輪取付部内
    に前記外輪が固定されたディスクと、該ディスクに固定
    された回転ドラムと、該回転ドラムに対向して配設され
    て前記軸受の軸の一端部が固着された固定ドラムとから
    なり、前記回転ドラムが前記軸受と前記ディスクとを介
    して前記固定ドラムに回転可能に支持された回転ドラム
    装置において、前記外輪取付部が、該外輪取付部の円筒
    内側と円筒外側とを連通し、かつ、前記軸に対して直交
    する予圧孔を有し、該予圧孔の前記外輪取付部円筒内の
    延長上に、前記一対の外輪のうちの一方の外輪の他方外
    輪側の端部が位置するように、前記軸受が配設されたこ
    とを特徴とする回転ドラム装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の回転ドラム装
    置において、前記外輪取付部が、複数の前記予圧孔を有
    することを特徴とする回転ドラム装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の回転
    ドラム装置を組み立てる組立方法において、前記予圧孔
    から予圧ピンを挿入し、該予圧ピンの先端部を前記一方
    の外輪の他方外輪側の端面に当接させ、前記予圧ピンに
    対して前記軸に平行かつ前記一方の外輪側方向に荷重を
    掛けることにより、前記転動体に予圧を与えることを特
    徴とする回転ドラム装置の組立方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の回転ドラム装置の組立
    方法において、予圧治具に設けられた位置合わせ基準面
    に前記外輪取付部を有する固定ドラムまたは回転ドラム
    またはディスクの位置合わせ基準面を当接し、前記予圧
    治具に設けられた位置合わせピンを前記固定ドラムまた
    は回転ドラムまたはディスクの位置合わせ穴に挿入して
    前記予圧治具に対して前記固定ドラムまたは回転ドラム
    またはディスクを位置合わせして固定した後、前記予圧
    治具に設けられた前記予圧ピンを前記外輪取付部の予圧
    孔に挿入することを特徴とする回転ドラム装置の組立方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111944686A (zh) * 2020-09-17 2020-11-17 江苏汉肽生物医药有限公司 一种用于制备多肽的酶解炉
US11658540B2 (en) 2018-03-01 2023-05-23 Dyson Technology Limited Assembling method of a rotor to an electric motor frame

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