JP2000246538A - 金属を切断または圧印加工するための工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 噛合部材の閉じた位置を従来公知の構成に比
べて隙間無く良好に形成する。 【解決手段】 金属を切断または圧印加工するための工
具であり、この工具は二つの接続ボルトにより二つの平
行なリンクに接続された二つの噛合部材と、把手ボルト
により互いに接続された二つの把手部材とを具備し、該
把手部材は二つの中間ボルトにより噛合部材の後端部に
接続される。一つ以上のボルトにより噛合部材の距離を
調整でき且つ噛合部材を平行に調整できる。このボルト
は一つまたは二つの当接面に対して偏心して配置される
当接面を有する。筒型ローラが噛合部材の角運動を同期
する。筒状ローラはリンク間に保持され、噛合部材の重
なり合った突出部内のスロットにより接線方向に案内さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は金属を切断または圧
印加工するための工具に関する。

【０００２】

【従来の技術】ボルトカッタはボルトバーまたは補強バ
ーのような金属バーを切断するのに使用され、一般的に
長い把手部材およびレバーを有する。同様な工具は金属
製品の外形に圧印加工または穿孔するのにも使用され
る。平行なリンクにより二つの噛合部材がこれらの中央
で互いに保持される。これら噛合部材の後端部は離間せ
しめられ、把手部材の前端部にヒンジにより接続され
る。ボルトカッタが最大限に開かれた時には噛合部材を
所定量だけ動かすのに比較的小さく把手部材を動かせば
よく、切断の終わりであって噛合部材の刃部分が互いに
接触しそうな時には噛合部材を所定量だけ動かすのに大
きく把手部材を動かす必要があるように、把手部材が互
いに接続される。したがってこの構成では、操作者は大
きく変化するてこ比を利用でき、噛合部材が加工材料に
最大限に貫通する操作の終わりに最大の力をかけること
ができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】噛合部材の縁部は摩損
するし、固いバーを切断しようとした時に簡単に損傷し
てしまう。そこで損傷を受けた後に再び研磨することが
できるように噛合部材を取り外すことができるようにす
る必要がある。したがって、分離でき、且つ切断の最後
に刃部分全体が互いに当接するように構成されるヒンジ
がなければならない。米国特許第５０８１７６９号、第
５１０１５６６号および欧州特許第３３１９２７号に示
したように、平行なリンクにおいてかみ合い部分が互い
に接線接続されることにより、噛合部材が同期した角運
動をして、予め定められた閉じた位置に到達することは
公知である。

【０００４】再研磨するに当たり、一般的に刃部分の全
長に亘って刃部分が互いに接触するように噛合部材の先
端をさらに研磨しなければならない。噛合部材の後端部
は互いから遠くに離間される。噛合部材が閉じた位置に
ある時に把手部材が閉じた位置になるように、米国特許
第５０８１７６９号および第５１０１５６６号に示した
ようにネジで把手部材の距離を変えること等により、把
手部材のヒンジ間の距離を調整できる。

【０００５】米国特許第５０８１７６９号のように、偏
心ボルトにより平行なリンクの連結部分間の距離を調整
可能にすることで簡単に再研磨できることは公知であ
る。本発明は噛合部材間の接線接続の構成に関する。こ
の構成では噛合部材の閉じた位置を従来公知の構成に比
べて隙間無く良好に形成できる。さらにこの構成では、
再研磨した後に刃部分を平行な位置に簡単に調整できる
ようになる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】金属を切断または圧印加
工するための工具は二つの接続ボルトにより二つの平行
なリンクに接続された二つの噛合部材と、把手ボルトに
より互いに接続された二つの把手部材とを具備する。こ
の把手部材は二つの中間ボルトにより噛合部材の後端部
に接続される。少なくとも一つの接続ボルトは二つのリ
ンクに当接する同軸の当接面と、該当接面に対して偏心
していて一つの噛合部材に当接する偏心当接面とを有す
る。各噛合部材は少なくとも二つの突出部を有する。こ
れら突出部は別の噛合部材の突出部と対面し且つ重なり
合い、さらに一様な幅のスロットにより離間される。ス
ロットの幅に対応する直径を備えた円筒状ローラがスロ
ットに配置される。

【０００７】

【発明の実施の形態】図面を参照して本発明を説明す
る。本発明のボルトカッタは二つの把手部材１１、１２
と、二つの噛合部材１３、１４と、二つの平行なリンク
１５、１６とを具備する。これら構成要素は噛合部材用
の二つの接続ボルト（噛合部材接続ボルト）１７、１８
と、二つの中間ボルト１９、２０と、一つの把手ボルト
（把手部材用のボルト）２１とにより互いに保持され
る。噛合部材１３、１４の相対位置はローラ２２により
決まる。

【０００８】本発明によれば、噛合部材１３、１４の刃
部分は平行であり、リンク１５、１６の有効な長さを噛
合部材１３、１４の研磨幅に対応する量だけ、通常では
１ｍｍ以下だけ短くすることでその平行な位置関係を調
整できる。なお、一方または両方の接続ボルト１７、１
８を或る角度だけ回転させることでリンク１５、１６の
有効な長さを短くできる。

【０００９】少なくとも一方の接続ボルトはヘッド２３
と、三つの筒状（円筒状）の連結面（当接面、支持面）
２４、２５、２６と、一つのネジ状部分とを有する。最
大の連結面２４と最小の連結面２６とは同じ中央軸線を
有するが、中間の連結面２５はその軸線が横方向にずれ
て配置されて偏心している。最大の連結面２４と最小の
連結面２６とはリンク１５、１６にある孔に当接し、中
間の連結面２５は噛合部材１３、１４にある孔に当接す
る。接続ボルト１７、１８のうち一方を回転することに
より、中間の連結面２５の軸線は最大で中間の連結面２
５の軸線と他の連結面に共通の軸線との間の距離の二倍
ほど移動する。軸線間の距離が０．５ｍｍである時、一
方のボルトで１ｍｍ、両ボルトで２ｍｍだけリンク１
５、１６の有効長さを調節できる。この調節量はいかな
る再研磨に対しても十分な量である。最小の連結面２６
とこれに対応する一つのリンク１５、１６の孔は中間当
接面２５より直径が小さいので、ナット３０でボルトを
リンク１５、１６に締め付けると、ボルトを更に回転す
ることができなくなる。

【００１０】噛合部材の角運動を同期させ且つ噛合部材
の長手方向の予め定められた位置を決定するのに、互い
に対面する噛合部材の側部に米国特許第５１０１５６６
号のようにギア歯を、欧州特許第３３１９２７号のよう
に凹状部分に適合する凸状円筒面を、または米国特許第
２３８２２９２号のように二つの凹状円筒面と一つの円
筒ローラとを設けることは公知である。これら三つの構
成ではすべて平行なリンクの長さが変更されると隙間を
調整するのが困難になり精度を欠いてしまうという欠点
を有する。そこで、米国特許第５０８１７６９号のよう
に二つの凹状円筒面と弾性的に伸張するバネローラとを
設けることが提案された。しかし、この構成ではリンク
の有効長さを僅かに変更するという補償しかできず、さ
らに小さい接線力のみしか伝達できない。

【００１１】本発明によれば、噛合部材１３、１４は突
出部（支持用棚状突出部）２７、２８を有する。突出部
２７、２８はこれら突出部間に一様な幅のスロット２９
を形成するように互いに向かって延び且つ互いに重なり
合う。そしてスロット２９には円筒ローラ２２が配置さ
れる。円筒ローラ２２はスロット２９の幅に対応した直
径を有し、軸線方向においてリンク１５、１６により保
持される。突出部２７、２８は図２のように等しい平面
上に配置されてもよいし、図３のように異なった平面上
に配置されてもよい。異なった平面に配置されている場
合、二つの噛合部材１３、１４は同一形状である。スロ
ット２９の中央線は好ましくは接続ボルト用の孔の中心
を通る。

【００１２】平行なリンク１５、１６の有効長さが変わ
ると、概して噛合部材１３、１４の後端部の間の長さも
変わる。これら噛合部材１３、１４が中間のボルト１
９、２０により把手部材に接続されるので、噛合部材１
３、１４の後端部の間の長さの変化は把手部材の閉じた
位置に影響する。切断刃部分に荷重が集中しないよう
に、把手部材の閉じた位置を把手部材の支持突出部３１
同士の接触により決まる位置に維持する必要がある。さ
らに、中間ボルト１９、２０の当接面間の距離を噛合部
材１３、１４の後端部の間の距離に適合するように調整
することが必要である。この調整を米国特許第５０８１
７６９号およびフランス特許第２７４４６６０号のよう
に一つまたは二つのネジで把手部材の一部を弾性変形さ
せることにより行ってもよい。しかしながら、このよう
に調整を行うと全体の動きが過度に弾性的になり不正確
になってしまう傾向にあり、弾性変形量が多いと前述し
た把手部材の一部が損傷してしまう。本発明によれば、
図４に示した偏心当接面２５を備えた一つ以上の中間ボ
ルト１９、２０および把手ボルト２１を提供すること
で、平行なリンク１５、１６と同様な方法で調整を行
う。

【００１３】研磨した後にボルトカッタを組み立てる
時、閉じた位置で切断刃部分が平行になるように最初に
一方または両方の接続ボルトを調整する。ボルトカッタ
においては、一般的に切断刃部分が互いに接触するよう
に調整する。次に、支持突出部３１が把手部材の閉じた
位置で互いに接触するまで接続ボルトとは別のボルトの
中から一つ以上を調整する。本発明のボルトカッタでは
切断刃部分を一体的に形成してもよいし、交換可能な切
断刃部分としてもよい。特別な用途のボルトカッタおよ
び圧印加工用の工具では、刃部分が或る距離だけ離れて
構成されたりというように閉じた位置を異なって構成
し、工具をこの距離だけ離れるように調整することを目
的としてもよい。圧印加工用の工具を、ケーブル端部に
付属部品を固定したり、シート状の金属部分を接続した
り、または同様な目的で使用してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のボルトカッタの側面図である。

【図２】噛合部材の一つの実施例の側面図である。

【図３】噛合部材の別の実施例の側面図である。

【図４】偏心ボルトの側面図である。

【符号の説明】

１１、１２…把手部材 １３、１４…噛合部材 １５、１６…リンク １７、１８…接続ボルト、噛合部材接続ボルト １９、２０…中間ボルト ２１…把手ボルト、把手部材用のボルト

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属を切断または圧印加工するための工
   具であって、 二つの接続ボルト（１７、１８）により二つの平行なリ
   ンクに接続された二つの噛合部材（１３、１４）と、 把手ボルト（２１）により互いに接続された二つの把手
   部材（１１、１２）とを具備し、該把手部材（１１、１
   ２）は二つの中間ボルト（１９、２０）により前記噛合
   部材（１３、１４）の後端部に接続され、 少なくとも一つの前記接続ボルトは二つの前記リンクに
   当接する同軸の当接面（２４、２６）と、該当接面に対
   して偏心していて一つの前記噛合部材に当接する偏心当
   接面（２５）とを有し、 各噛合部材は少なくとも二つの突出部（２７、２８）を
   有し、これら突出部は別の噛合部材の突出部と対面し且
   つ重なり合い、さらに一様な幅のスロットにより離間さ
   れ、 前記スロットの幅に対応する直径を備えた筒状ローラ
   （２２）が前記スロットに配置される工具。
2. 【請求項２】 少なくとも一つの前記中間ボルト（１
   ９、２０）は前記把手部材と当接する同軸の当接面（２
   ４、２６）と、該当接面に対して偏心していて前記噛合
   部材に当接する偏心当接面（２５）とを有する請求項１
   に記載の工具。
3. 【請求項３】 前記把手ボルト（２１）は一方の前記把
   手部材に当接する当接面（２５）を有し、該当接面（２
   ５）は他方の前記把手部材に当接する一つまたは二つの
   当接面（２４、２６）に対して偏心している請求項１に
   記載の工具。
4. 【請求項４】 前記噛合部材は金属バーの切断用の縁部
   を有する請求項１〜３のいずれか一つに記載の工具。
5. 【請求項５】 前記噛合部材は圧印加工用の形状の要素
   を有する請求項１〜３のいずれか一つに記載の工具。