JP2000246447A - 回転ア−クプラズマ溶接方法 - Google Patents

回転ア−クプラズマ溶接方法

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JP2000246447A
JP2000246447A JP11054461A JP5446199A JP2000246447A JP 2000246447 A JP2000246447 A JP 2000246447A JP 11054461 A JP11054461 A JP 11054461A JP 5446199 A JP5446199 A JP 5446199A JP 2000246447 A JP2000246447 A JP 2000246447A
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plasma
welding
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tip
nozzle
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JP11054461A
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Tadashi Hoshino
野 忠 星
Masaru Nakano
野 優 中
Toshihiko Maruyama
山 敏 彦 丸
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板の前加工作業を要せず、設備費が低く、
溶接ワイヤを要しないプラズマ溶接により、ブロ−ホ−
ルを生ずることなく深溶込み溶接をする。 【解決手段】 パイロットガス流量L(リットル/分)
を、0.7以上かつ〔0.045F+0.7〕以下とし
た回転プラズマアーク炎Aにて溶接する。Fはプラズマ
アーク炎Aの回転数(Hz)である。すなわち、パイロ
ットガス流量Lおよびプラズマアーク炎Aの回転数F
を、図5の斜線領域に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ溶接方法
に関し、特に、回転ア−クプラズマを用いるプラズマ溶
接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】I形突合せ等の合せ部の溶接では、溶接
強度を得るために、深溶込みの溶接が行なわれる。例え
ば、突合せ部に開先加工を施して、開先を溶接ワイヤを
送給しながら溶接する、開先溶接が最も一般的である。
しかし、開先加工が必要であり、ワイヤ送給設備及び溶
接ワイヤが必要であり、また、溶接入熱が多く必要であ
るので、溶接作業コスト,設備コスト,原材料コストお
よびエネルギコストが比較的に多い。高熱集中が得られ
るレ−ザ−溶接や電子ビ−ム溶接を用いて深溶込み溶接
を行なうこともあるが、高い突合せ面精度を要し突合せ
部の面加工が必要であり、また設備費用が、ア−ク溶接
機器の約10倍以上と高価である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】プラズマ溶接では、パ
イロットガス流量を増加してガス圧力によるメタル(溶
融金属)の掘下げ作用を利用して深溶込みを得る方法が
考えられ、この場合、開先加工が不要かつ溶接ワイヤが
不要しかも設備コストが低価である。しかし、従来のプ
ラズマ溶接では、メタル中央部のみが狭く深く溶込むワ
インカップ状のナゲット形状となり、プラズマ溶接で深
溶込み(2.5mm以上の深さ)をしようとすると、中央
部の狭隘部にパイロットガスが巻き込まれ易く、ブロ−
ホ−ル等の欠陥が発生し易く、プラズマ溶接による深溶
込みの溶接は、実用化が難しかった。すなわち、プラズ
マ溶接の場合、図6に示すように、パイロットガス流量
を増やすことにより溶込み深さが大きくなり、0.7リ
ットル/分以上の高流量で深さが2.5mm以上の深溶込
みが得られるが、このとき溶融金属中へのパイロットガ
スの巻込みによるブロ−ホ−ルが発生し易い。
【0004】本発明は、開先加工,突合せ端面加工等の
溶接準備作業,設備,溶接ワイヤなどの消耗材、を削減
又は節減することを第1の目的とし、加えてブロ−ホ−
ルなどの欠陥を発生させず深溶込みを得ることを第2の
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1)本発明のプラズマ
溶接方法では、回転ア−クプラズマを用いて、ア−ク回
転数F(Hz)に対してパイロットガス流量L(リット
ル/分)を、〔0.045F+0.7〕以下とする。
【0006】回転ア−クプラズマを用いると、ア−クプ
ラズマの回転数Fとパイロットガス流量Lの各値に対し
て、図4に示すような溶込みが得られる。図4において
右下り斜線領域が溶接対象材(母材)、点々塗り潰し領
域が回転ア−クプラズマによる溶込み領域である。パイ
ロットガス流量が0.3(リットル/分)以下では溶込
みが残過ぎる。0.7(リットル/分)以上で深溶込み
(2.5mm以上の溶込み)が得られるが、1.1(リッ
トル/分)以上の、ア−クプラズマの回転数Fが低い実
験例K,PおよびQでは、パイロットガスの巻込みを生
ずる可能性がある。図5に右下り斜線で示す領域では、
深溶込みが得られしかもパイロットガスの巻込みが認め
られない。該斜線領域の上側では、パイロットガスの巻
込みを生じ易い。すなわちパイロットガス流量Lが多く
ア−クプラズマの回数数Fが低いほど、パイロットガス
の巻込みを生じ易い。該斜線領域の上側境界線は、略、 L=0.045F+0.7 であり、これ以下の領域(斜線領域以下)では、パイロ
ットガスの巻込みによるブロ−ホ−ルを生じない。
【0007】
【発明の実施の形態】(2)パイロットガス流量Lは、
0.7以上である。すなわち、深溶込みを得るために、
パイロットガス流量Lを図5の斜線領域の下境界以上と
する。これにより確実に深溶込みが得られる。 (3)プラズマト−チの、放電電極のワ−ク指向線に対
して外開口が偏位したノズルを有するノズル部材の、ワ
−ク指向線を中心とする回転駆動によりプラズマア−ク
を回転させる。これによれば、ア−クプラズマを回転さ
せるために駆動される部材がノズル部材であり、これは
ト−チ本体や電極回転機構より小型,コンパクトである
ので、ア−クプラズマを回転させるためにト−チ本体や
電極回転機構を円錐面を描くように回動駆動する場合よ
りも、駆動機構の構成が容易で駆動パワ−も少くて済
む。また、回転精度が高く、回転振動がほとんどなく、
比較的に高速の回転にも適応しうる。
【0008】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0009】
【実施例】図1に、本発明の実施に好適な1態様のプラ
ズマト−チTを示す。図1においては、一方の鋼板Wk
の端面にもう1つの鋼板Wnの端面が突当てられてい
る。プラズマト−チTのタングステン棒(放電電極)1
は直線状の棒体であり、その先端が加工対象材(ワ−
ク:Wk,Wn)を狙う線すなわちワ−ク指向線Lo
は、タングステン棒1の中心線と合致する。プラズマト
−チTの基体Bは、中空の略円筒状の部材の外周面にア
ームを装着したものである。基体Bのアーム部分の内部
にはシールドガス,(冷却)水,パイロットガス(プラ
ズマ用ガス)の流路が形成されており、基体Bの内周面
に連通する。水路は水を外部より基体Bの内部に送り込
み、プラズマト−チTの内部に絶縁水路20aを介して
循環させて再び外部に放出し(図1に実線矢印で示
す)、シールドガス流路は、シールドガスを外部よりプ
ラズマト−チTの内部に送り込む(図1に点線矢印で示
す)。また、パイロットガス流路は、パイロットガスを
外部よりプラズマト−チTの内部に送り込む(図1に2
点鎖線矢印で示す)。
【0010】以下、プラズマト−チTのノズル2に向う
方向を先端方向とし、その反対方向を尾端方向とすれ
ば、基体Bの尾端部には基体Bより直径の小さい略円筒
形の電極台8の先端部が挿入されており、基体Bの内周
面に一体固着されている。電極台8の先端部の周面には
軸中心を同一にしたリング状の溝が刻まれており、基体
Bの内周面の壁との間に水路を形成する。該水路は、基
体Bのアーム部分の内部の水路と連通している。基体B
より突出した電極台8の円筒状の尾端部の内部には、先
端部をスリットの切込みにより周方向に4分割したチャ
ック9が挿入され、ねじ込まれている。チャック9はさ
らに、中心線Loに沿って延びる先端が円錐形に突出し
たタングステン棒1を挾持する。電極台8の後端部は案
内リング10内に進入してネジ結合しており、案内リン
グ10はカバーCに覆われている。カバーCの案内リン
グ10を電極台8に対してねじ込むことによりチャック
9の尾端部が電極台8の尾端部の内部の円錐内壁面(テ
ーパ面)に押し付けられて、タングステン棒1の軸心に
向かう方向に曲がろうとしてタングステン棒1を強圧す
る。これによりタングステン棒1は、電極台8に対して
一体に固着されている。すなわち、電極台8は基体Bに
対して一体であるので、タングステン棒1は基体Bに対
して一体である。
【0011】一方、基体Bの円柱形内空間には略円筒形
である支持部材Uaの尾端に固着された絶縁スペーサ7
があり、絶縁スペーサ7の尾端は電極台8の先端に固着
された状態で受けられる。支持部材Uaは基体Bの中間
部から先端にかけてモールド固定されている。基体Bお
よび支持部材Uaの先端面は面一であり、シールドガス
噴射口5aを有するねじリング5が固着されており、ね
じリング5の先端部の外周の雄ねじにシールドキャップ
6がねじ結合している。すなわち、基体B,支持部材U
a,ねじリング5およびシールドキャップ6は皆一体で
ある。
【0012】支持部材Uaおよびねじリング5は、その
内空間にOリングおよびベアリングb2を介して中空筒
状の回転水路金具20bを、軸心すなわち中心線Loを
中心とする回転が自在であるように支持する。基体Bの
シールドガス流路に送り込まれるシールドガスは、ねじ
リング5の内壁と金具20bの外壁が形成する空間に送
り込まれてねじリング5のシールドガス噴射口5aを通
ってシールドキャップ6に出て、シールドキャップ6の
先端開口から先端チップ(ノズル部材)2の外空間に出
る。金具20bは止めリングb3により回転自在な状態
を保持しつつz方向位置を固定されており、その先端部
はシールドキャップ6の内空間に突出している。金具2
0bの尾端は、支持部材Uaの内壁にリング状に設けら
れた基体Bの水路に連通する溝に達して止まる。支持部
材Uaの尾端から前述の溝に達する内壁は、Oリングお
よびベアリングb1を介して金具20bよりさらに直径
の小さな中空筒状のノズル台3を、金具20bと同様に
中心線Loを基準とした回転が自在であるように支持す
る。金具20bの内壁とノズル台3の外壁は、支持部材
Uaの内壁にリング状に設けられた溝を介して基体Bの
水路に連通する水路を形成する。
【0013】回転水路金具20bの先端部には、円錐形
に突出したタングステン棒1の先端を囲むように中空の
略円錐形である金属製の先端チップ2が装着されてい
る。先端チップ2の、タングステン棒1の先端の円錐形
にならうように円錐形となった中央部にはノズル2aが
ある。ノズル2aの、タングステン棒1の先端と対向す
る内開口は先端チップ2の中心(中心線=ワ−ク指向線
Loの位置)にあるが、ノズル2aは中心線Loに対し
てθの角度をなし、ノズル2aの、ワ−ク(の交接線
0)に対向する外開口は中心線すなわちワ−ク指向線L
oより偏位している。
【0014】先端チップ2は、Oリングを介してノズル
台3の先端に固定され、該溝の外周縁は金具20bの先
端部にOリングを介してノズル台3の先端に固定されて
いる。つまり、金具20b,ノズル台3および先端チッ
プ2は一体に固着されており、支持部材Uaおよびねじ
リング5を介して基体Bに、回動自在に支持されてい
る。
【0015】ノズル台3の尾端部には歯付プーリ37が
固着されている。歯付プ−リ37に結合したタイミング
ベルト33には歯付プ−リ32が結合している。歯付プ
−リ32は電気モ−タMの回転軸maに固着されてい
る。したがって電気モ−タMが回転すると、ノズル台3
が回転する。ノズル台3が回転すれば、金具20b,ノ
ズル台3およびチップ2がそれに伴い一体で中心線Lo
を中心として回転する。金具20bの内壁とノズル台3
の外壁が形成する水路は、先端チップ2に形成された溝
により閉じられる。基体Bの水路より流入した水(冷却
水)は該水路を通って基体Bの絶縁水路20aを通過
し、それに連通する電極台8と基体Bの内周面の壁との
間に形成された水路を通って基体Bの前述の水路とは異
る水路を通って外部の冷却水循環機構(図示せず)に放
出される。
【0016】また、ノズル台3の内壁にはリング状のセ
ンタリングストーン4が固着されている。タングステン
棒1はこのセンタリングストーン4の中心を回転自在に
貫通し、その軸心は先端チップ2およびノズル台3の中
心軸すなわち中心線Loと実質上一致している。センタ
リングストーン4には、ノズル2aの内開口に対向する
先端面からその裏側の後端面に通じる通気孔が開けられ
ている。基体Bのパイロットガス流路に送り込まれるパ
イロットガスは、ノズル台3の内壁とタングステン棒1
の間の空間に送り込まれ、センタリングストーン4の通
気孔を通って先端チップ2の内空間に出て、先端チップ
2のノズル2aから外空間に放出される。なお、センタ
リングストーン4はノズル台3に固着されているので、
ノズル台3が回転すれば、金具20b,ノズル台3およ
び先端チップ2と同様に一体で、中心線Loを中心とし
て回転する。しかし、それに対してタングステン棒1は
チャック9により電極台8を介して基体Bに対して固定
されている。すなわち回転しない。
【0017】プラズマト−チTの基体Bの外周には、略
箱型である支持部材30が垂直に固着されており、支持
部材30の外壁には電気モータMが、中心線Loと平行
に支持されている。モータMの回転軸maが中心線Lo
と平行に先端方向に突出している。回転軸maには駆動
プーリ32が固着されている。プーリ32にはタイミン
グベルト33が装着されており、タイミングベルト33
はノズル台3の尾端部に固着された歯付プーリ37に掛
け渡されている。支持部材30の内壁には、タイミング
ベルト33の回転方向と垂直に案内溝30aがある。案
内溝30aには、ベルト押えロ−ラとしてのベアリング
34が装着されたU字型のスライダ36が案内されてお
り、ボルト35の締めつけにより案内溝30a内の位置
を固定される。タイミングベルト33はベアリング34
により外周を内側に向けて押圧されており、ボルト35
を緩めて案内溝30aに沿ってスライダ36の位置を動
かすことにより、ベアリング34のタイミングベルト3
3の押圧の度合を変えることができる。
【0018】例えば図1に実線矢印mrで示す方向にモ
ータMの回転軸maが回転した場合を考える。回転軸m
aとそれに固着されたプーリ32が実線矢印mr方向に
回転することにより、タイミングベルト33を介してプ
ーリ37とそれが固着されたノズル台3が実線矢印mr
で示す方向に回転する。すると、それに一体である先端
チップ2および回転水路金具20bが同様に回転する。
【0019】プ−リ32には遮光円板HDが固着されて
おり、その周縁に1つの透光用のスリットが刻まれてい
る。支持部材30には、該スリットを検知する透過型の
フォトセンサHSがある。先端チップ2のノズル2aの
中心線(図1上において、中心軸Loに対して角度θの
一点鎖線)と、遮光円板HDの、半径方向に延びるスリ
ットの中心線(半径方向に延びる)とは同一面上にあ
り、ノズル2aの外開口(ノズル2aの中心線)が、中
心線Loを含むx,z平面上にあって、プラズマを紙面
の表側に噴射するx方向前向きのとき、遮光円板HDが
フォトセンサHSの位置にあって、フォトセンサHSが
スリットを検知する。これが先端チップ2の回転の基点
位置である。図1上ではノズル2aは、この基点位置よ
り、ト−チTから鋼板(ワ−ク)Wn,Wkを見る方向
で時計廻りで、90度だけ回転した位置にある。
【0020】図1に示す状態よりノズル2aが更に90
度時計廻りに回転すると、ノズル2aは、プラズマを紙
面の裏側に噴射するx方向後向き(先端チップ2は、前
記基点位置より180度回転した位置)となる。
【0021】モ−タMの回転軸にはロ−タリエンコ−ダ
REが結合されており、このロ−タリエンコ−ダRE
が、先端チップ2の1°の回転につき1パルスの電気パ
ルスを発生する。フォトセンサHSが遮光円板HDのス
リットを検知したときにカウンタをクリアしてそのカウ
ントデ−タを0に初期化し、それからロ−タリエンコ−
ダREが発生する電気パルスをカウントアップすると、
カウント値は、先端チップ2の、前記基点位置からの回
転角度を示すものとなる。
【0022】基体Bの回転水路金具20bに連通する水
路にはパイロット電源42の正極が接続されており、電
極台8に連通する水路にはパイロット電源42の負極が
高周波結合用のトランスを介して接続されている。ま
た、電極台8には主電源43の負極が接続されており、
主電源43の正極は厚板Wkに接続されている。パイロ
ット電源42によりパイロット電圧が印加されている状
態で高周波電源41により高周波電圧が加えられると、
タングステン棒1と先端チップ2間にパイロットアーク
が発生する。パイロットアークの発生後、高周波電圧は
停止する。さらに、パイロットアークが発生した状態に
おいて主電源43により主電圧を印加すると、タングス
テン棒1と主電源43の正極が接続された厚板Wkとの
間に主アークが発生する。主アークの発生と同時に、又
はその前後に、モータMが実線矢印mrで示す方向に回
転駆動され、先端チップ2が時計方向に回転する。
【0023】モ−タM(先端チップ2)を、モ−タドラ
イバ45が、速度設定盤46に設定(指定)された速度
に、回転駆動する。モ−タMの回転速度に比例する周波
数の指速パルス(1°の回転につき1パルス)をロ−タ
リエンコ−ダREが発生し、モ−タドライバ45が、指
速パルスの周波数をF/V変換により、速度信号に変換
する。以下これを検出速度信号(アナログ電圧)と称
す。モ−タドライバ45は、速度設定盤46に設定され
た速度を表わす目標速度信号(アナログ電圧)に対する
検出速度信号の偏差に対応して、検出速度信号が目標速
度信号に合致するように、モ−タMを加減速制御する。
すなわち、フィ−ドバック制御によって、モ−タMの回
転速度を目標速度に一定化する。モ−タMを回転駆動し
ているときには、ノズル2aから吹出すプラズマアーク
炎は、先端チップ2の回転によりノズル2aが描く円錐
面と同様な円錐面を描くように回転する。
【0024】図1において、zが垂直方向、xがプラズ
マト−チの移動方向、yがワ−クWkとWnとの突合せ
部に直交する方向である。
【0025】図2の(c)に、上方からワ−クWk,W
nを垂直に見降ろした形で、先端チップ2の回転による
プラズマアーク炎の、ワ−クに対する移動軌跡〜〜
〜と溶接ビ−ド(2点鎖線細線)を示す。はト−
チの進行方向の最前方にプラズマアーク炎が向いたとき
の該プラズマアーク炎の、ワ−ク表面上の位置、は
から90°時計廻りに回転した位置、はから90°
時計廻りに回転した、ト−チの進行方向の最後方にプラ
ズマアーク炎が向いたときの位置、はから90°時
計廻りに回転した位置である。図2の(a)にはプラズ
マアーク炎によってワ−クWk,Wnに形成されたナゲ
ットの横断面(ワ−クWk,Wnの突合せ面に直交する
断面)を示し、図2の(b)には縦断面(突合せ面部で
の該面に平行な断面)を示す。
【0026】プラズマト−チがx方向に進行しかつ先端
チップ2が時計方向に回転してプラズマアーク炎がワ−
ク表面上を時計方向に回動するとき、プラズマア−ク炎
Aが位置から位置まで回動する180°回動期間で
は、図3の(d),(a)および(b)に示すように、
プラズマアーク炎Aがト−チ進行方向xの前面および側
面を溶削し、タングステン棒1直下の溶融プ−ルに供給
すると共に、溶融金属を、位置から位置に向かう方
向に、次に位置から位置に向かう方向に、そして
位置から位置に向かう方向に流動駆動する。
【0027】プラズマア−ク炎Aが位置から位置ま
で回動する180°回動期間では、図3の(a),
(b)および(c)に示すように、溶融プ−ルの溶融金
属を、位置から位置にそして位置へと、後方に流
動駆動する。これが前面部の掘り下げ穴へ溶融金属が流
れ込むのをおさえる。
【0028】プラズマアーク炎Aの連続回動によって、
上述の、ト−チ進行方向xの前面および側面の溶削と溶
融金属の後方への流動駆動、が連続して繰返えされるこ
とにより、掘り下げ穴の底形状が鍋底形で広く、プラズ
マアーク炎Aが前面側にあるとき(〜〜)でもパ
イロットガスが後方に廻り込み上向に逃げることが可能
となることから、パイロットガスの巻込みの可能性が低
い。すなわちブロ−ホ−ルが発生する可能性が低い。
【0029】図4に、先端チップ2の回転数(すなわち
プラズマアーク炎Aの回転数)(Hz)およびパイロッ
トガス流量を、数種に設定して得た図1に示すプラズマ
−チTを用いたプラズマ溶接のナゲット形状を示す。パ
イロットガス流量が0.3リットル/分と少いときに
は、溶込み深さが2mm未満と残いが、0.7リットル
/分以上で2.5mm以上の深溶込みが得られた。な
お、この溶接実験は、図4の表の下に記述している通
り、5mm厚のステンレス(SUS 304)平板にト
−チTの中心線Loを垂直にして、溶接電流I=110
A、溶接速度(ステンレス板に対するx方向の相対速
度)250mm/分で行なったものである。他の溶接条件
も、図4の表の下に示す。
【0030】上述の溶接実験の中の、パイロットガス流
量が多量で先端チップ2の回転数が低い実験No.K,
P,QおよびRでは、パイロットガス流量が多量である
にもかかわらず、プラズマアーク炎Aの回転数が少いの
で、パイロットガスが溶融金属に巻込まれ易く、ブロ−
ホ−ルが発生し易い。パイロットガス流量が多量でも、
プラズマアーク炎Aの回転数が多い実験No.f〜j,
n,oおよびtでは、パイロットガスが溶融金属に巻込
まれることがなく、ブロ−ホ−ルが発生しない。パイロ
ットガス流量が多量であるがプラズマアーク炎Aの回転
数が比較的に少い実験No.l,mおよびsでは、パイ
ロットガスが溶融金属に巻込まれることもあると推察さ
れ、ブロ−ホ−ルが発生する可能性があるので、溶接の
信頼性を考えると、この領域は採用しないのが好まし
い。
【0031】以上に得た結果を、図5に示す。図5上
の、右下り斜線領域が、ブロ−ホ−ルの発生がなくしか
も2.5mm以上の深溶込みが得られる範囲である。こ
の領域の下限界では、パイロットガス流量が0.7リッ
トル/分である。パイロットガス流量をL(リットル/
分)、プラズマアーク炎Aの回転数をF(Hz)とする
と、上限界は略、 L=〔0.045F+0.7〕 の
ラインとなる。すなわち、パイロットガス流量が0.7
リットル/分以上にすることにより2.5mm以上の深
溶込みが得られ、パイロットガス流量Lを、L≦〔0.
045F+0.7〕とすることにより、ブロ−ホ−ルの
発生がない溶接が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様で用いるプラズマト−チ
Tの縦断面図である。
【図2】 (a)は回転するプラズマアーク炎によって
溶接対象鋼板に形成されたナゲットの横断面図、(b)
は縦断面図、(c)は上方から鋼板を見降ろした平面図
であり、プラズマアーク炎の回転軌跡を示す。
【図3】 溶接ビ−ドを示す鋼板の平面図であり、
(a)はプラズマアーク炎Aがト−チ進行方向xで前方
にあるときの鋼板上の位置を示し、(b),(c)およ
び(d)は、それぞれそれより90°,180°および
270°回転した位置を示す。
【図4】 プラズマト−チTの先端チップ2の回転数お
よびパイロットガス流量と、回転プラズマアーク炎によ
って形成されたナゲットの断面形状との関係を示す図表
である。
【図5】 プラズマト−チTの先端チップ2の回転数お
よびパイロットガス流量の、ブロ−ホ−ルのない深溶込
みを実現する範囲(右下り斜線領域)を示すグラフであ
る。
【図6】 鋼板の横断面図であり、静止プラズマアーク
炎によって形成されたナゲットの横断面を示す。
【符号の説明】
1:タングステン棒(放電電極) 2:先端チップ(ノ
ズル部材) 2a:ノズル 3:ノズル台 4:センタリングストーン 5:ねじリング 5a:シールドガス噴射口 6:シールドキャッ
プ 7:絶縁スペーサ 8:電極台 9:チャック 10:案内リング 20a:絶縁水路 20B:回転水路金
具 30a:案内溝 30,31:支持部
材 32,37:プーリー 33:タイミングベ
ルト 34:ベアリング 35:ボルト 36:スライダ B:基体 b2,b1:ベアリング b3:止めリング C:カバー Lo:基準線 M:モータ ma:回転軸 O:接触点(狙い位置) T:溶接トーチ Ua:支持部材 HD:遮光円板 HS:フォトセンサ RE:ロ−タリエン
コ−ダ Wk:鋼板 Wn:鋼板 41:高周波電源 42:パイロット電
源 43:主電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸 山 敏 彦 千葉県習志野市東習志野7丁目6番1号 日鐵溶接工業株式会社機器事業部内 Fターム(参考) 4E001 LH08 ME02 ME04 ME08 ME10 PB04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転ア−クプラズマ溶接において、ア−ク
    回転数F(Hz)に対してパイロットガス流量L(リッ
    トル/分)を、〔0.045F+0.7〕以下とするこ
    とを特徴とする回転ア−クプラズマ溶接方法。
  2. 【請求項2】パイロットガス流量Lは、0.7以上であ
    る、請求項1記載の回転ア−クプラズマ溶接方法。
  3. 【請求項3】プラズマト−チの、放電電極のワ−ク指向
    線に対して外開口が偏位したノズルを有するノズル部材
    の、ワ−ク指向線を中心とする回転駆動によりプラズマ
    ア−クを回転させる、請求項1又は請求項2記載の回転
    ア−クプラズマ溶接方法。
JP11054461A 1999-03-02 1999-03-02 回転ア−クプラズマ溶接方法 Pending JP2000246447A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006190493A (ja) * 2004-12-28 2006-07-20 Tohoku Techno Arch Co Ltd プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
US8638280B2 (en) 2007-04-27 2014-01-28 Nlt Technologies, Ltd. Non-rectangular display apparatus
CN105312770A (zh) * 2014-07-29 2016-02-10 天津大学 基于等离子体电信号的激光焊接模式判定方法

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