JP2000246399A - 双ドラム式薄板連続鋳造装置用の冷却ドラム - Google Patents

双ドラム式薄板連続鋳造装置用の冷却ドラム

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JP2000246399A
JP2000246399A JP11047821A JP4782199A JP2000246399A JP 2000246399 A JP2000246399 A JP 2000246399A JP 11047821 A JP11047821 A JP 11047821A JP 4782199 A JP4782199 A JP 4782199A JP 2000246399 A JP2000246399 A JP 2000246399A
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drum
cooling drum
face
cooling
hardness
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Yasushi Kurisu
泰 栗栖
Chihiro Yamaji
千博 山地
Noriyuki Suzuki
規之 鈴木
Kazuto Yamamura
和人 山村
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 双ドラム式薄板連続鋳造装置で用いられる冷
却ドラムにおいて、端面部での摩耗の問題に加えて、端
面での抜熱過剰による地金の異常成長を抑制し、長期に
わたって安定した連続鋳造を実現できる双ドラム式薄板
連続鋳造装置用冷却ドラムを提供する。 【解決手段】 冷却ドラム端部の1〜10mm領域に、角
度80度未満の傾斜面を有する傾斜部またはR2〜20
mmの曲面を有する曲面部を形成し、この突出端部に幅
0.1〜5mmのリング状の端面を形成する。この端面に
は硬度(Hv 100g)200以上の高硬度被膜を形
成し、端面と高硬度被膜と間に密着強度を確保する中間
層を介在させたり、凝固シェルの均質に形成するために
冷却ドラムの外周面に伝熱層を形成することも考慮し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、双ドラム式薄板連
続鋳造装置において用いられる冷却ドラムに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から一般に知られている双ドラム式
薄板連続鋳造装置は、図4に示されるように、回転する
一対の冷却ドラム1a、1bと、このドラムの両端面に
当接される一対のサイド堰2とによって形成される移動
鋳型3内に、タンディッシュ4内からノズル5を介して
溶湯6を供給し、移動鋳型3内に所定レベルの湯溜り部
3pをつくりつつ、一対の冷却ドラム1a、1bで冷却
して凝固シェル6sを形成し、この凝固シェルを一対の
冷却ドラム1a、1bの最接近部に形成されるギャップ
部において圧接・一体化して薄板6cを連続鋳造するよ
うに構成されている。
【0003】この双ドラム式薄板連続鋳造装置において
用いられる、一対の冷却ドラム1a、1bは、一般には
熱伝導率の良好なCu、Cu合金によって形成され、図
4に示すように、溶鋼6を外周面で冷却して凝固シェル
6sを形成するため、および熱負荷に対する耐用性を確
保するために、内部に冷却構造7(図5)を備えたもの
である。この冷却ドラム1の端部には突出端部1tが形
成され、その端面1pにサイド堰2が圧着されるように
なっており、この端面1pはサイド堰との摺動によって
摩耗する。その結果、冷却ドラム端面およびサイド堰の
摩耗により寿命が短く長期にわたって安定した連続鋳造
操業を実現することができなくなる。
【0004】このような問題を解決するために、例えば
特開平6−336751号公報では、図5に示すよう
に、冷却ドラム1の端面1pに、高強度で耐摩耗性を有
する例えば、Co−Cr−Al−Y系合金、あるいはW
C等のセラミックスなどからなるコーティング層11を
形成することが提案されている。しかし、サイド堰2と
摺動する、冷却ドラムの突出端部1tの端面1pの幅が
10〜20mmと比較的幅広の場合、サイド堰2は冷却ド
ラムにより抜熱過剰になりやすく、サイド堰2で地金の
異常成長を生じ、早期に連続鋳造操業の継続が困難にな
る問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷却ドラム
突出端部とサイド堰間での地金の異常成長を抑制すると
ともに摩耗の問題も有利に解決して、長期にわたって安
定した連続鋳造を実現できる双ドラム式薄板連続鋳造装
置用冷却ドラムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の(1)
〜(4)の発明から構成されるものである。 (1).互いに反対方向に回転する一対の冷却ドラム
と、該冷却ドラムの両端面に圧着された一対のサイド堰
を備えた双ドラム式薄板連続鋳造装置で用いられる冷却
ドラムにおいて、冷却ドラムをCuまたはCu合金で形
成し、この冷却ドラム端部の1〜10mmの領域に、サイ
ド堰と摺動する幅0.1mm〜5mmの端面と、該端面に直
角な水平面から角度θが90度未満の傾斜面を有する傾
斜部とからなるリング状の突出端部を形成したことを特
徴とする双ドラム式薄板連続鋳造装置用の冷却ドラム。 (2).互いに反対方向に回転する一対の冷却ドラム
と、該冷却ドラムの両端面に圧着された一対のサイド堰
を備えた双ドラム式薄板連続鋳造装置で用いられる冷却
ドラムにおいて、冷却ドラムをCuまたはCu合金で形
成し、この冷却ドラム端部の1〜10mmの領域に、サイ
ド堰と摺動する幅0.1mm〜5mmの端面と、R2〜20
mmの曲面を有する曲面部とからなるリング状の突出端部
を形成したことを特徴とする双ドラム式薄板連続鋳造装
置用の冷却ドラム。 (3).(1)または(2)において、突出端部の端面
に、ほぼ同じ幅で、硬度(Hv 100g)200以上
の大きい材料により厚み10〜5000μmの高硬度被
膜を形成したことを特徴とする双ドラム式薄板連続鋳造
装置用の冷却ドラム。 (4).冷却ドラムの突出端部の端面と高硬度被膜との
間に、硬度(Hv 100g)が冷却ドラムの胴部材よ
り大きい材料により厚み10〜2000μmの中間層を
介在させたことを特徴とする(3)に記載の双ドラム式
薄板連続鋳造装置用の冷却ドラム。 (5).(1)〜(4)のいずれかにおいて、冷却ドラ
ムの外周面に、ドラム外周面に熱伝導率30W/m・K
以上で、硬度(Hv 100g)が冷却ドラムの胴部材
より大きい硬度を有する厚みが10〜5000μmの熱
伝導層を形成したことを特徴とする双ドラム式薄板連続
鋳造装置用の冷却ドラム。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、冷却ドラムのサイド
堰と摺動する端面の幅を狭くして、鋭利形状の突出端部
を形成し、サイド堰の冷却ドラム端面による抜熱を適度
に抑制して、サイド堰とドラム端面間での地金の成長を
抑制することにより、長期にわたって安定した連続鋳造
を実現するものである。
【0008】本発明では、サイド堰と摺動する冷却ドラ
ム端部の端面から1〜10mmの領域に突出端部を形成
し、その端面幅を0.1〜5.0mmと狭くするととも
に、この端面に連続して形成する傾斜部の傾斜角度、ま
たは端面に連続して形成する曲面部の曲面のR(中心点
は端面の延長線上にあり)を適度に設定して、この端面
によるサイド堰での抜熱を適度に抑制して、サイド堰と
ドラム端面間での地金の成長を抑制する。また、長時間
にわたって突出端部の端面の摩耗を抑制することも重要
である。
【0009】これらのことを考慮すると、冷却ドラム端
部の端面から1mm未満の領域に突出部を形成した場合、
断熱効果が不十分であり、端面から10mm超の領域に突
出部を形成した場合、端部の冷却が十分でなく、凝固シ
ェル形成がドラム幅(軸)方向で不均質になる。突出端
部の端面幅を0.1未満にした場合には、摩耗が早いし
十分な強度を確保できない。また、突出端部の端面幅を
5.0mm超にした場合には断熱効果が不十分である。
【0010】したがって、本発明では、(1)の発明で
は、冷却ドラム端部の端面から1〜10mmの領域に、サ
イド堰と摺動する幅0.1〜5.0mmの端面と、この端
面に直角な水平面からの角度θが90度未満の傾斜面を
有する傾斜部とからなるリング状の突出端部を形成す
る。端面と連続する傾斜部の傾斜面の角度θを90度超
にした場合には、サイド堰でのシールが十分にできな
い。
【0011】(2)の発明では、(1)の発明と同様の
目的で、冷却ドラム端部の1〜10mmの領域に、サイド
堰と摺動する幅0.1mm〜5mmの端面と、R2〜20mm
の曲面を有する曲面部とからなるリング状の突出端部を
形成するものである。端面と連続する曲面部の曲面のR
を2mm未満にした場合には、強度が低く、20mm超にし
た場合には、サイド堰によるシールが十分でない。
【0012】(3)の発明では、この突出端部の端面
に、この端面の幅とほぼ同じ幅で、この突出端部の端面
に、ほぼ同じ幅で、硬度(Hv 100g)200以上
の材料により厚み10〜5000μmの高硬度被膜を形
成して、強度を確保して摩耗を低減する。高硬度被膜の
厚みが10μm未満では、早期に摩耗してしまい長時間
にわたって鋭利形状を維持できない場合があり、厚みが
5000μm超では、サイド堰との摺動により剥離しや
すくなる。また、コスト増になるため不経済でもある。
【0013】なお、冷却ドラム端部の摩耗は、サイド堰
を形成する材料によって影響を受けるが、本発明では、
サイド堰より高価な冷却ドラムを長期間使用することを
前提とし、サイド堰の摺動面は硬度(Hv 100g)
が200程度までのセラミックス材料で形成することを
前提とする。したがって、冷却ドラム端部の摩耗を抑制
するためには、サイド堰と摺動する冷却ドラムの突出端
面に形成する高硬度被膜の形成材料の硬度も重要であ
る。
【0014】この硬度(Hv 100g)としては、サ
イド堰の摺動面の硬度(Hv 100g)以上であるこ
とが好ましく、例えば、硬度(Hv 100g)が20
0以上のSiO2 、ZrO2 、62Al−10Cr−1
0Fe−18Co、Al−Cu−Fe−Cr、トリバロ
イ、高Mn鋼、Ni−Cr−Mo鋼、インコネルなどを
用いて、ドラム突出端部の摩耗を抑制することができ
る。この高硬度被膜は、冷却ドラムの胴部材に直接に溶
射または肉盛りにより形成してもよいが、ドラムの胴部
材との接合力の弱いSiO2 やZrO2 などのセラミッ
クス系材料の場合には、密着強度を確保するために中間
層を介在させることが有効である。
【0015】(4)の発明では、冷却ドラムの突出端部
の端面と高硬度被膜との間に、硬度(Hv 100g)
が冷却ドラムの胴部材より大きく、厚みが10〜200
0μmの中間層を介在させる。この中間層の形成材料と
しては、例えばNi、Cr、Co系の材料が適性があ
る。この中間層の厚みが10μm未満では高硬度被膜の
密着強度を十分に確保できないし、2000μm超で
は、中間層形成コスト増になるため不経済である。な
お、中間層を形成する材料の熱膨脹係数は、ドラム胴部
材および高硬度被膜との剥離の発生を防止して密着強度
を十分に確保するために、比率を50〜120%にする
ことが好ましい。
【0016】また、ドラム外周面の軸方向の冷却伝熱を
均一化し安定させるためには、冷却ドラムの溶湯と接す
る外周面に、熱伝導率の良好な伝熱層を形成することが
有効であることから、(5)の発明では、ドラム外周面
に熱伝導率30W/m・K以上で、ドラム胴部材との溶
射や肉盛りによる接着性の良好な材料、例えばNi、C
r、Co系の材料で厚みが10〜5000μm程度の伝
熱層を形成する。熱伝導率が30W/m・K未満のもの
では、伝熱層としての機能が不十分であり、冷却ドラム
の端部領域での冷却効果が不十分であり、均質な凝固シ
ェルの形成が困難になる。厚みが10μm未満ではドラ
ム外周面の軸方向の冷却伝熱を十分に均一化し安定させ
ることができない。また、5000μm超では、形成コ
スト増になるため不経済である。上記の中間層と、ドラ
ム外周面に形成する伝熱層は、同種の材料で連続して形
成してもよい。
【0017】
【実施例】以下に本発明の冷却ドラムの実施例を図に基
づいて説明する。図1は、本発明の第一の実施例を示す
ものである。この実施例の冷却ドラムは、Cu合金で形
成されたドラム胴部1dに冷却構造7を備え両端部の端
面から10mmまでの領域Lに、0.1〜5.0mmの狭幅
の端面1pと、この端面に連続して、直角な水平面から
の角度θが90度未満の傾斜面1cを有する傾斜部で形
成したリング状の突出端部1tを形成したものであり、
この突出端部の端面1pに、硬度(Hv 100g)2
00以上の材料により、端面1pの幅とほぼ同じ幅で、
厚み10〜5000μmの高硬度被膜8を形成したもの
である。
【0018】この実施例の冷却ドラムは、冷却ドラムの
サイド堰と摺動する端面の幅を狭くして、鋭利形状の突
出端部1tを形成し、サイド堰2の冷却ドラム1による
抜熱を適度に抑制して、サイド堰2と冷却ドラム1端面
間での地金の成長を抑制するとともに、突出端部1t摩
耗を抑制して形状を長時間にわたって安定確保し、長期
安定の連続鋳造を実現することができる。
【0019】また、図2は、本発明の第二の実施例を示
すものである。この実施例の冷却ドラムは、両端部の端
面から10mmまでの領域Lに、0.1〜5.0mmの狭幅
の端面1pと、この端面に連続して、R2〜20mmの曲
面1kを有する曲面部を形成し、突出端部1tの端面
に、硬度(Hv 100g)200以上の材料により、
端面1p幅とほぼ同じ幅で厚み10〜5000μmの高
硬度被膜8を形成したものである。この実施例でも、第
一の実施例と同様の効果を得ることができる他、曲面部
の形成効果により、端面の幅を長時間確保するとがで
き、抜熱抑制効果の急激な低下を緩和することができ
る。
【0020】図3は、本発明の第三の実施例を示すもの
である。この実施例の冷却ドラムは、冷却ドラムの両端
部の端面から10mmまでの領域Lに、0.1〜5.0mm
の狭幅の端面1pと、この端面に連続して、R2〜20
mmの曲面を有する曲面部を形成し、突出端部1tを含む
冷却ドラムの外周面に、熱伝導率が30W/m・K以
上、硬度(Hv 100g)200以上、厚みが10〜
5000μmの材料による伝熱層9を形成するととも
に、突出端部1tの端面1pに、伝熱層9と同様の中間
層(兼伝熱層)10を形成し、この中間層の上面に、硬
度(Hv 100g)200以上の材料により、端面幅
とほぼ同じ幅で厚みが10〜2000μmの高硬度被膜
8を形成したものである。
【0021】この実施例の冷却ドラムでは、前記実施例
1、2の効果の他に、突出端部1tの外周面を含む冷却
ドラムの外周面に、例えばNiめっきにより伝熱層9を
形成して、冷却ドラムの幅方向(軸方向)の温度分布の
均一性をより安定的に確保するとともに、突出端部1t
の端面1pにドラム胴部1bより硬度の大きい、例えば
Niめっきにより中間層10を形成し、その上に高硬度
被膜8を形成したので、冷却ドラム1の突出端部1tに
直接に高硬度被膜8を形成した場合に比べ、その密着強
度をより安定的に確保することができる。この伝熱層、
中間層は、不可欠ではないが、高硬度被膜としてSiO
2 、ZrO2 などのセラミックス系材料を用いる場合に
は特に有効である。
【0022】
【実験例】この実験は、図2に示すような構造を有す
る、径:1000mm、幅:1000mmの冷却ドラムのド
ラム胴部1bと、ドラム端部の10mm領域に形成したR
10mmの曲面部を有する突出端部1tを熱伝導率が35
0W/m・K、硬度Hv150のCu合金材で一体に形
成し、この突出端部1tの端面1pに、直接または中間
層を介して、硬度(Hv 100g)170以上、厚み
が10〜5000μmの高硬度被膜8を形成した冷却ド
ラムについてのものである。なお、高硬度被膜としてセ
ラミックス系材料を用いる場合には、突出端部1tに中
間層を形成した。
【0023】この実験では、突出端部1tの端面幅b、
高硬度被膜8の形成材料と、形成条件を変えて製作した
冷却ドラム1を用いて、鋳造速度40m/min で厚み3mm
の薄鋳片10tを連続鋳造し、サイド堰2の摺動面付近
での地金発生状況と、突出端部1tのサイド堰2との摺
動面の摩耗状況を調査した。実験条件を表1に、実験結
果を表2に、それぞれ比較例とともに説明する。なお、
この実験例では、冷却ドラム突出端部1tの高硬度被膜
8と摺動するサイド堰2の摺動面は、硬度(Hv 10
0g)が150のBN系のセラミックス材で形成した。
鋳造条件と冷却ドラム寸法、サイド堰条件は実験例と比
較例は共通である。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】(実験例1)この実験例1では、表1に示
すように、冷却ドラム1の突出端部1tの端面1pの幅
bを5.0mmに形成し、突出端部1tを含む冷却ドラム
の外周面に、熱伝導率が90W/m・Kで、Cu合金よ
り高硬度(Hv 100g)170のNiめっきによ
り、厚みが1000μmの伝熱層を形成し、突出端部1
tの端面には、熱伝導率が10W/m・Kで、Cu合金
より高硬度(Hv 100g)200のNi−Cr系の
材料を溶射して、厚み50μmの中間層(アンダーコー
ト)を形成し、その上に、Cu合金より高硬度(Hv
100g)200のSiO2 材を溶射して端面1pとほ
ぼ同じ幅で、厚み10μmの高硬度被膜8を形成した。
この実験例では、サイド堰2での冷却ドラムによる抜熱
を抑制でき、ドラム突出端部1tとサイド堰2との摺動
面間での地金の成長が十分に抑制されていた。また、ド
ラム突出端部1tのサイド堰2との摺動面の摩耗量(摩
耗深さ)は、表3に示すように10μmであった。
【0027】(実験例2)この実験例2では、表1に示
すように、ドラム突出端部1tの端面1pの幅bを1.
0mmに形成し、突出端部1tを含む冷却ドラムの外周面
に、熱伝導率が90W/m・Kで、Cu合金より高硬度
(Hv 100g)170のNiめっきにより、厚みが
1000μmの伝熱層を形成し、突出端部1tの端面に
は、Cu合金より高硬度(Hv 100g)170のN
iをめっきして厚み1000μmの中間層(アンダーコ
ート)を形成し、その上にCu合金より高硬度(Hv
100g)620のZrO2 材を溶射して、端面1pの
幅とほぼ同じ幅で、厚み100μmの高硬度被膜8を形
成した。
【0028】この実験例では、サイド堰2での冷却ドラ
ムによる抜熱を抑制でき、サイド堰2とドラム突出端部
1tの摺動面間での地金の成長が十分に抑制されてい
た。また、ドラム突出端部1tのサイド堰2との摺動面
の摩耗量(摩耗深さ)は、表3に示すように5μmで、
実験例1より良好な値を示した。
【0029】(実験例3)この実験例3では、表1に示
すように、ドラム突出端部1tの端面1pの幅bを1.
0mmに形成し、その上に直接に、Cu合金より高硬度
(Hv 100g)700の62Al−10Cr−10
Fe−18Coを溶射して、端面1pとほぼ同じ幅で、
厚み100μmの高硬度被膜8を形成した。この実験例
3では、ドラム突出端部1tのサイド堰2との摺動面の
摩耗量(摩耗深さ)は、表3に示すように7μmで、実
験例1より良好な値を示した。また、サイド堰とドラム
突出端部1tの摺動面間での地金の成長は良く抑制され
ていた。
【0030】(実験例4)この実験例4では、表1に示
すように、ドラム突出端部1tの端面の幅bを1.0mm
に形成し、その上に直接に、Cu合金より高硬度(Hv
100g)650のAl−Cu−Fe−Crを肉盛り
して、端面1pとほぼ同じ幅で、厚み100μmの高硬
度被膜8を形成した。この実験例4では、ドラム突出端
部1tのサイド堰2との摺動面の摩耗量(摩耗深さ)
は、表3に示すように3μmであった。また、サイド堰
2とドラム突出端部1tの摺動面間での地金の成長が十
分に抑制されていた。
【0031】(実験例5)この実験例5では、表1に示
すように、ドラム突出端部1tの端面の幅bを0.5mm
に形成し、その上に直接に、Cu合金より高硬度(Hv
100g)300のステンレス鋼をTig溶接して、
端面1pとほぼ同じ幅で、厚み5000μmの高硬度被
膜8を形成した。この実験例5では、ドラム突出端部1
tのサイド堰2との摺動面の摩耗量(摩耗深さ)は、表
3に示すように3μmであった。また、サイド堰2とド
ラム突出端部1tの摺動面間での地金の成長が十分に抑
制されていた。
【0032】(実験例6)この実験例6では、表1に示
すように、ドラム突出端部1tの端面の幅bを0.5mm
に形成し、その上に直接に、Cu合金より高硬度(Hv
100g)600のトリバロイを溶射して、端面1p
とほぼ同じ幅で、厚み50μmの高硬度被膜8を形成し
た。この実験例6では、ドラム突出端部1tのサイド堰
2との摺動面の摩耗量(摩耗深さ)は、表3に示すよう
に3μmであった。また、サイド堰2とドラム突出端部
1tの摺動面間での地金の成長が十分に抑制されてい
た。
【0033】(実験例7)この実験例7では、表1に示
すように、ドラム突出端部1tの端面の幅bを0.5mm
に形成し、その上に直接に、Cu合金より高硬度(Hv
100g)400のNi−Cr−Mo鋼を溶射して、
端面1pとほぼ同じ幅で、厚み1000μmの高硬度被
膜8を形成した。この実験例7では、ドラム突出端部1
tのサイド堰2との摺動面の摩耗量(摩耗深さ)は、表
3に示すように3μmであった。また、サイド堰2とド
ラム突出端部1tの摺動面間での地金の成長が十分に抑
制されていた。
【0034】(実験例8)この実験例8では、表1に示
すように、ドラム突出端部1tの端面の幅bを0.5mm
に形成し、その上に直接に、Cu合金より高硬度(Hv
100g)400のインコネル718を溶射して、中
間層10とほぼ同じ幅で、厚み1000μmの高硬度被
膜8を形成した。この実験例8では、ドラム突出端部1
tのサイド堰2との摺動面の摩耗量(摩耗深さ)は、表
3に示すように1μmであった。また、サイド堰2とド
ラム突出端部1tの摺動面間での地金の成長が十分に抑
制されていた。
【0035】(比較例1)この比較例1では、表2に示
すように、ドラム胴部1bとドラム突出端部1tを熱伝
導率が350W/m・KのCu合金材で一体的に形成し
た冷却ドラムで、突出端部1tの端面1pの幅を10mm
に形成した。この比較例1でのドラム突出端部1tの端
面の摩耗量(摩耗深さ)は、表4に示すように500μ
mで、サイド堰2とドラム突出端部1tの摺動面間で地
金の成長傾向が認められた。
【0036】(比較例2)この比較例2では、表2に示
すように、ドラム胴部1bとドラム突出端部1tを熱伝
導率が350W/m・Kで、硬度(Hv 100g)1
30のCu合金材で一体的に形成した冷却ドラムで、突
出端部1tの端面1pの幅を15mmに形成した。この比
較例1でのドラム突出端部1tの端面の摩耗量(摩耗深
さ)は、表4に示すように500μmと顕著で、サイド
堰2とドラム突出端部1tの摺動面間での地金の成長が
認められた。
【0037】(比較例3)この比較例3では、表2に示
すように、ドラム胴部1bとドラム突出端部1tを熱伝
導率が350W/m・K、硬度(Hv 100g)13
0のCu合金材で形成し、ドラム突出端部1tの端面1
pの幅を10mmに形成し、その上に、Cu合金より高硬
度(Hv 100g)400のインコネル718を溶射
して、端面1pとほぼ同じ幅で、厚み100μmの高硬
度被膜8を形成した。この比較例3ではドラム突出端部
1tのサイド堰2との摺動面の摩耗量(摩耗深さ)は、
表4に示すように1μmで、比較例1、比較例2より良
好であり、上記実験例に遜色ない値を示した。しかし、
サイド堰2とドラム突出端部1tの摺動面間での地金の
成長傾向が認められた。
【0038】(比較例4)この比較例4では、表2に示
すように、ドラム胴部1bとドラム突出端部1tを熱伝
導率が350W/m・K、硬度(Hv 100g)13
0のCu合金材で形成し、ドラム突出端部1tの端面1
pの幅を15mmに形成し、その上に直接に、Cu合金よ
り高硬度(Hv 100g)650のAl−Cu−Fe
−Crを溶射して、端面1pとほぼ同じ幅で、厚み10
0μmの高硬度被膜8を形成した。この比較例4ではド
ラム突出端部1tのサイド堰2との摺動面の摩耗量(摩
耗深さ)は、表4に示すように3μmで、上記実験例に
遜色ない値を示した。しかし、サイド堰付近で地金の成
長傾向が認められた。
【0039】(比較例5)この比較例5では、表2に示
すように、ドラム胴部1bとドラム突出端部1tのを熱
伝導率が350W/m・K、硬度(Hv 100g)1
30のCu合金材で形成し、ドラム突出端部1tの端面
1pの幅を15mmに形成し、その上に直接に、Cu合金
より高硬度(Hv 100g)300のステンレス鋼を
肉盛りして、端面1pとほぼ同じ幅で、厚み5000μ
mの高硬度被膜8を形成した。この比較例5ではドラム
突出端部1tのサイド堰2との摺動面の摩耗量(摩耗深
さ)は、表4に示すように3μmで、上記実験例に遜色
ない値を示した。しかし、サイド堰付近で地金の成長傾
向が認められた。
【0040】なお、本発明は、上記の実施例、実験例に
限定されるものではなく、また、本発明の冷却ドラムを
適用する双ドラム式薄板連続鋳造装置は上記の実施例に
限定されるものではない。例えば、冷却ドラムの冷却構
造とその配置、冷却ドラム条件(端面の材質、寸法、形
状、胴部と端部の材料組み合わせ、被覆(接合)手段等
については、サイド堰条件(構造、寸法、形状、材料の
組み合わせ)、連続鋳造の操業条件(温度、速度、寸法
等)等に応じて、選択されるものであり、上記本発明の
請求項の範囲内で変更があるものである。
【0041】
【発明の効果】本発明においては、サイド堰、凝固シェ
ルと接触する冷却ドラムの端面を鋭利な形状とすること
で断熱し、この端面での摩耗を抑制するとともに、抜熱
を抑制することにより、サイド堰付近での地金の成長を
抑制でき、冷却ドラムの形状を長期にわたって維持し安
定した連続鋳造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は、本発明の実施例における冷却ドラ
ムの端部構造例を示す側断面説明図、(b)図は、
(a)図の側面説明図。
【図2】(a)図は、本発明の他の実施例における冷却
ドラムのにおける端部構造例を示す側断面説明図、
(b)図は、(a)図の側面説明図。
【図3】(a)図は、本発明の他の実施例における冷却
ドラムのにおける端部構造例を示す側断面説明図、
(b)図は、(a)図の側面説明図。
【図4】本発明を適用する双ドラム式薄板連続鋳造装置
の一般的構造例を示す正面説明図。
【図5】(a)図は、一般的な双ドラム式薄板連続鋳造
装置で用いられる冷却ドラム端部の基本構造例を示す側
断面説明図、(b)図は、(a)図の側面説明図。
【符号の説明】
1a、1b 冷却ドラム 1t 突出端部 1p 端面 1s 軸 2 サイド堰 3 移動鋳型(湯溜り部) 4 タンディッシュ 5 ノズル 6 溶鋼 6s 凝固シェル 6c 薄板(鋳片) 7 冷却構造 8 低熱伝導被膜 9 伝熱層 10 中間層 11 コーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 規之 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 山村 和人 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4E004 DA13 DB16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに反対方向に回転する一対の冷却ド
    ラムと、該冷却ドラムの両端面に圧着された一対のサイ
    ド堰を備えた双ドラム式薄板連続鋳造装置で用いられる
    冷却ドラムにおいて、冷却ドラムをCuまたはCu合金
    で形成し、この冷却ドラム端部の1〜10mmの領域に、
    サイド堰と摺動する幅0.1mm〜5mmの端面と、該端面
    に直角な水平面から角度θが90度未満の傾斜面を有す
    る傾斜部とからなるリング状の突出端部を形成したこと
    を特徴とする双ドラム式薄板連続鋳造装置用の冷却ドラ
    ム。
  2. 【請求項2】 互いに反対方向に回転する一対の冷却ド
    ラムと、該冷却ドラムの両端面に圧着された一対のサイ
    ド堰を備えた双ドラム式薄板連続鋳造装置で用いられる
    冷却ドラムにおいて、冷却ドラムをCuまたはCu合金
    で形成し、この冷却ドラム端部の1〜10mmの領域に、
    サイド堰と摺動する幅0.1mm〜5mmの端面と、R2〜
    20mmの曲面を有する曲面部とからなるリング状の突出
    端部を形成したことを特徴とする双ドラム式薄板連続鋳
    造装置用の冷却ドラム。
  3. 【請求項3】 冷却ドラムの突出端部の端面に、ほぼ同
    じ幅で、硬度(Hv100g)200以上の材料により
    厚み10〜5000μmの高硬度被膜を形成したことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の双ドラム式
    薄板連続鋳造装置用の冷却ドラム。
  4. 【請求項4】 冷却ドラムの突出端部の端面と高硬度被
    膜との間に、硬度(Hv 100g)が冷却ドラムの胴
    部材より大きい材料により厚み10〜2000μmの中
    間層を介在させたことを特徴とする請求項3に記載の双
    ドラム式薄板連続鋳造装置用の冷却ドラム。
  5. 【請求項5】 冷却ドラムの外周面に、熱伝導率30W
    /m・K以上で、硬度(Hv 100g)が冷却ドラム
    の胴部材より大きい硬度を有する厚みが10〜5000
    μmの熱伝導層を形成したことを特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれか1項に記載の双ドラム式薄板連続鋳
    造装置用の冷却ドラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112005002733B4 (de) * 2004-11-15 2015-11-19 Primetals Technologies Japan, Ltd. Zwillingswalzen-Gießwalzmaschine und Zwillingswalzen-Gießwalzverfahren

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE112005002733B4 (de) * 2004-11-15 2015-11-19 Primetals Technologies Japan, Ltd. Zwillingswalzen-Gießwalzmaschine und Zwillingswalzen-Gießwalzverfahren

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