JP2000246284A - 有機性廃水処理装置 - Google Patents

有機性廃水処理装置

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JP2000246284A JP4887199A JP4887199A JP2000246284A JP 2000246284 A JP2000246284 A JP 2000246284A JP 4887199 A JP4887199 A JP 4887199A JP 4887199 A JP4887199 A JP 4887199A JP 2000246284 A JP2000246284 A JP 2000246284A
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信俊 西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物分解しにくい難分解性の脂質を含有する
廃水を、物理化学的処理を必要とせず、脂質を効率よく
分解して生物学的に処理するコンパクトな有機性廃水処
理装置を提供する。 【解決手段】 脂質を含む廃水は流入水としてスクリー
ン1を通過し、夾雑物が除かれた上で、流量調整槽2に
送られる。流量調整槽2から所定量の廃水が生物反応槽
としての酵母反応槽3内に供給される。この酵母反応槽
3には加圧浮上手段4により固液分離された酵母汚泥の
うち、再度廃水処理に用いるための酵母汚泥を返送する
ための返送経路およびポンプが加圧浮上手段4との間に
設けられている。廃水は、酵母反応槽3内で一定の滞留
時間、脂質資化性酵母により好気的条件下で処理された
後、加圧浮上手段4に送られ、固液分離を受ける。固液
分離により得られた処理液は処理水槽5に送られ、分離
した酵母汚泥等の一部は酵母反応槽3に戻され、残りは
余剰酵母として汚泥処理系に送られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、脂質を含有する
高濃度の有機性廃水を処理する装置に関し、特にパーム
油などの植物油生産工程から排出される難分解性の脂質
を含有する廃水の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】各種
の有機物を多量に含む廃水をそのまま河川等に放流する
と、放流先の水域の水質汚染を招くため、一般に有機物
を多量に含む廃水は活性汚泥法に代表される生物処理を
経る。
【0003】しかしながら、例えば食品加工工場あるい
は外食産業から発生する廃水は極めて高濃度の有機物を
含んでおり、従来の一般的な活性汚泥法では対処しきれ
ない場合もあるため、各種の処理方法が提案されている
(特公昭58−8313号公報、特公昭57−1243
6号公報、特公昭56−52636号公報等)。
【0004】この結果、蛋白質あるいは糖類などの有機
物は高濃度で存在していても比較的容易に低濃度化が可
能である。
【0005】ところが、脂質を多量に含む廃水を活性汚
泥処理する場合には、そこに出現する細菌類は脂質、特
に飽和脂肪酸を分解除去する酵素活性が弱いために、脂
質の吸着の方が勝り、活性汚泥フロックの周囲に脂質が
吸着して被膜となり、フロック内に酸素が移送されず酸
欠となってしまうため、脂質の分解除去が阻害されてし
まう。また、脂質は廃水中で水と混合しエマルジョン化
するか、コロイド状で存在するか、あるいはオイルボー
ル化しているかのいずれかであるが、別途油分のみを除
去する物理化学処理を行わない場合には実質的に未処理
となった油分によって処理施設が汚損されてしまうとい
う問題があった。このため、廃水中に脂質分が高濃度に
存在する場合、例えばヘキサン抽出物質(主として、廃
水中に含まれる比較的揮発しにくい炭化水素、炭化水素
誘導体、グリース油状物質などの油類、グリース類であ
って、ヘキサンによって抽出されるもの)の濃度が20
0〜500mg/Lの場合には油脂分離槽を設け、50
0mg/L以上であれば、加圧浮上手段を設けて脂質を
物理化学的に固液分離して除去するか、あるいは廃水に
対し油脂分解促進剤等の薬剤を添加するなどして廃水中
からの脂質の除去を図った後に、その処理液に対し活性
汚泥に代表される一般的な生物処理を行っていた。ま
た、固液分離した油脂は臭気を発生させるため、脂質自
体を根本的に分解処理することも望まれていた。これら
の廃水処理工程を一貫したシステムとして行おうとする
と、工程が複雑となり、処理時間が長くなり、装置の設
置スペースも大きくせざるを得ない。加えて、建設費や
ランニングコストが高くなり、運転管理も煩雑になる。
このため、各種食品工場等では脂質を多量に含む廃水の
処理に苦慮していた。
【0006】そこで、従来、脂質を多量に含む廃水を処
理するために、脂質を分解する酵素活性が高く、生成さ
れた脂肪酸をβ酸化する一連の酵素活性も高い脂質資化
性酵母を用いる方法が提案されている(特開平3−27
5195号公報、特開平6−62837号公報、特開平
7−100477号公報等)。
【0007】ところが、脂質を含有する廃水には、構成
脂肪酸が主に比較的分解し易い不飽和脂肪酸からなる脂
質を含有する植物油の製造工程からの廃水のほかに、生
物分解されにくい飽和脂肪酸の組成(構成)比率が高い
脂質(「難分解性の脂質」と称す)である動物性脂肪や
パーム油等を含む廃水がある。難分解性の脂質は、前述
した脂質資化性酵母を用いる廃水処理方法で処理しても
分解除去されにくい。これは、当該処理方法が単に酵母
による脂質の分解能力に依存するのみで、廃水処理能力
を十分に発揮させるまでに至らなかったためである。そ
こで、難分解性の脂質を効率よく分解させて処理時間の
短縮、処理設備規模のコンパクト化を図る必要があっ
た。
【0008】また、特開昭54−141054号公報に
は難分解性のパーム油廃水に酵母を添加して処理する技
術が開示されているが、これも前記同様に酵母の廃水処
理能力が十分に引き出されておらず、以下の理由により
実現性、実効性に乏しい。(1)高濃度有機性廃水を十
分に処理できない。即ち、BOD除去率65%程度で、
処理水濃度が数千mg/Lも残存するため、この処理方
法では前処理的な役割しか果たせない。(2)酵母によ
る脂質の分解に関するメカニズムが全く示されておら
ず、加えて単に複数の酵母添加して、それらの脂質分解
能力に依存した処理手法が開示されているのみである。
(3)培養により増殖した酵母は常法によって分離する
ことが示唆されているが、高濃度に菌体が存在する場合
には重力沈殿などの常法による固液分離は不可能であ
る。
【0009】この発明の目的は、廃水中に含まれる難分
解性の脂質を効率よく分解することにより、処理時間が
短縮でき、また当該脂質を別途処理することなく直接分
解除去して良好な処理水を得ることができると共に、処
理施設自体の汚損を防ぎ、さらに省スペース型のコンパ
クト化された処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は難分解性の脂質を含有する有機性廃水を
処理する有機性廃水処理装置において、前記有機性廃水
を1種または2種以上の脂質資化性酵母を含む汚泥と混
合させ生物学的処理を行う密閉された生物反応槽と、該
生物反応槽混合液を高酸素濃度ガスで曝気する高酸素濃
度曝気手段と、生物反応槽混合液を処理水と汚泥とに固
液分離する固液分離手段とを備えたものである。また、
この発明は、前記高酸素濃度曝気手段に代えて、生物反
応槽混合液を加圧状態で空気曝気する加圧曝気手段を含
めることができる。ここで、固液分離手段は、加圧浮上
分離手段または遠心分離手段であってよい。さらに、難
分解性の脂質を含有する有機性廃水は植物油製造工程か
ら排出される廃水であってもよい。
【0011】ここで、上記「脂質資化性酵母」とは、脂
質をグリセリンと脂肪酸とに加水分解するリパーゼ(酵
素)を生成し、さらに加水分解で生じた脂肪酸を酸化分
解(β酸化)して資化する酵母をいい、具体的にはトリ
コスポロン属、ハンゼヌラ属、トリコスポリエラ属およ
びキャンディダ属等の真菌類が知られている。これらの
酵母は廃水中に含まれる脂質を分解資化する能力を有し
ているが、被処理脂質の構成脂肪酸などの組成により、
効率よく有効にその脂質を分解資化できる酵母種は限ら
れてくる。そのため、脂質含有廃水を、酵母を用いて処
理する場合には、上記酵母種から被処理脂質に対する資
化性が特に優れた1種または2種以上を選択することが
肝要である。これらの酵母を用いる廃水処理は好気的に
行う必要がある。即ち、好気的な廃水処理とは被処理水
である廃水と共に存在する微生物群が好気的な条件下で
処理を行い、廃水中の有機物を酸化分解することであ
る。このため、廃水と共に存在する微生物群が必要とす
る酸素を効率よく供給して十分に酸素が行き渡る状態に
しなければならない。この発明では、廃水と酵母を含む
汚泥とが混合した混合液を収容する生物反応槽へ高酸素
濃度の空気等のガスで曝気する高酸素濃度曝気手段、ま
たは加圧状態で空気曝気する加圧曝気手段を用いて酸素
を効率よく供給する。さらに、このような好気的条件を
実現する曝気手段を備えていても、上記生物反応槽が開
放型であれば、高酸素濃度曝気手段の場合には高酸素濃
度のガスが大気に放散してしまい、エネルギーの損失が
甚大であり、また加圧曝気手段の場合には上記生物反応
槽を加圧状態にすることができない。そのため、この発
明では、上記反応槽として密閉型のものを用いる。これ
により、曝気に用いた高酸素濃度の空気を生物反応槽内
に維持することができると共に、循環して曝気に再利用
することも可能であり、また加圧曝気手段の場合にはそ
の圧力条件を達成・維持することができる。なお、加圧
状態で曝気を行えば、ヘンリーの法則により生物反応槽
内の混合液に空気を効率よく溶解させることができるた
め、混合液中の酵母に対して十分に酸素を供給すること
ができる。
【0012】上記構成を有する有機性廃水処理装置は、
廃水と脂質資化性酵母を含む汚泥とが混合した混合液を
収容して生物処理を行う密閉型の生物反応槽に対し高酸
素濃度曝気手段、または加圧曝気手段で曝気することに
より、上記酵母に十分な好気的条件下で脂質資化性をフ
ルに発揮させて、廃水中に含まれる難分解性の脂質等を
短時間で分解処理することができる。さらに、この発明
の有機性廃水処理装置は、高濃度に難分解性の脂質を含
む廃水に対しては、上記酵母を含む汚泥の濃度を高くす
ると共に、高負荷で運転することが可能であり、そのよ
うな場合にでも生物反応槽内を好気的条件に維持するこ
とができるので、生物反応槽を広げる必要がなく、省ス
ペース型でコンパクト化することができる。
【0013】なお、生物反応槽内へ酵母菌体を保持でき
る担体を投入する、いわゆる担体投入型の生物反応槽を
採用してもよい(図示せず)。担体は通常用いられる素
材(例えば、有機性ポリマーやスポンジ状物質等)であ
る。これにより、生物反応槽では酵母を含む汚泥の濃度
をあまり高くしなくても、担体に保持された酵母が存在
するため、実質的には高い汚泥濃度で廃水を処理するこ
とができ、また生物反応槽混合液の固液分離も比較的容
易にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の一形態を説明する。上述した酵母を用いた廃水の
処理は、特開平3−275195号公報等において千種
らによって説明されているように高濃度廃水、特に油脂
を含む食品工場廃水の処理に効果的であることが知られ
ている。例えば、大豆油のような植物油ではBOD容積
負荷で10〜20kg−BOD/kg酵母・dayで9
0%以上の除去率が得られている。表1に示す主な植物
油脂の脂肪酸組成表からわかるように、大豆油やサフラ
ワー油等の植物油脂は、ほとんどが比較的生物分解され
やすいオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸から
構成されている。これに対して、パーム油やヤシ油等は
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等の生物分解
されにくい飽和脂肪酸の組成(構成)比率が高い。その
ため、これらパーム油等を含有する廃水は従来の細菌類
を利用した生物学的処理が難しく、例えば嫌気性や好気
性の酸化池で処理する場合には、30日以上の滞留時間
が必要であり、廃水処理施設は広大な設置面積を必要と
していた。なお、表1は原田一郎著「改訂増補 油脂化
学の知識」(株式会社幸書房発行)第29頁の表4を転
載したものである。
【表1】
【0015】この発明では、パーム油等の難分解性の脂
質の処理に適した酵母を選択して好気的に処理すること
で、パーム油等廃水を効率よく処理し、高負荷運転が可
能であるため、処理に必要な滞留時間を大幅に短縮でき
る。さらに、密閉型曝気手段を採用して、高酸素濃度曝
気または加圧曝気を行うことで、酵母が必要とする酸素
量を十分に供給し、安定したパーム油等廃水処理を実現
することができる。
【0016】この発明では、特にパーム油の処理に適し
た酵母を選択するため、パーム油廃水に既存のパーム油
廃水処理酸化池の汚泥及び本出願人が保存している脂質
資化性酵母の全株を添加して集積培養を行った。ここ
で、集積培養とは、供試したパーム油廃水の処理におい
て最も増殖速度の大きい菌株を選択する方法であり、そ
の結果、供試したパーム油廃水に出現した資化性酵母と
してトリコスポロン・ブラシカエ(Trichosporon brass
icae),トリコスポロン・カピタタム(Trichosporon c
apitatum),トリコスポロン・プルランス(Trichospor
on pullulans),トリコスポロン・エスピー(Trichosp
oron sp.),ハンゼヌラ・アノマラ(Hansenula anomal
a),トリコスポリエラ・エスピー(Trichosporiella s
p.),キャンディダ・アトランティカ(Candida atlant
ica),キャンディダ・ヘレニカ(Candida hellenic
a),キャンディダ・インターメディア(Candida inter
media),キャンディダ・リポリティカ(Candida lipol
ytica),キャンディダ・シルバエ(Candida silva
e),キャンディダ・ソラニ(Candida solani),キャ
ンディダ・エスピー(Candida sp. )等が確認された。
【0017】この発明においては、これらの酵母類を種
菌として用い、パーム油廃水が流入する反応槽内で好気
的に培養することにより、難分解性の脂質を含有するパ
ーム油廃水を効率よく処理できる。この発明によれば、
パーム油廃水中に含まれる油脂は、油脂分離槽等の前処
理施設を設けることなく処理可能であり、廃水中のBO
Dを80%以上処理するには、BOD容積負荷で5〜8
0kg−BOD/m3・day、酵母負荷で0.5〜
5.0kg−BOD/kg酵母・dayで運転するのが
適当である。この場合、酵母を含む汚泥濃度は5000
mg/L以上に保ち、望ましくは20,000〜30,
000mg/Lの高濃度で滞留時間3時間以上で処理す
る。
【0018】また、この発明においては、パーム油廃水
処理酵母の能力を最大限発揮させるため、上述したよう
に生物反応槽に密閉型曝気手段を使用して高酸素濃度曝
気あるいは加圧曝気することも必要となる。これはパー
ム油廃水処理酵母に高負荷条件下でも培養に必要な酸素
を十分に供給するためである。加圧曝気では、BOD容
積負荷で5〜30kg−BOD/m3 ・dayで運転す
る場合に適しており、また高酸素濃度曝気では20〜8
0kg−BOD/m3 ・dayで処理する場合に適して
いる。
【0019】加圧下で空気曝気する加圧曝気処理装置
は、強力な撹拌能力を有する撹拌装置と循環流路を備え
た密閉型曝気手段と、生物反応槽であるこの曝気槽に圧
縮空気を供給するコンプレッサと、曝気槽内の圧力を調
整する絞り弁と、曝気槽にパーム油廃水を供給する加圧
ポンプと、汚泥と処理水を分離するための浮上分離槽
と、分離された汚泥を一時的に貯留する汚泥貯留槽と、
上記浮上分離槽から掻き出された汚泥を曝気槽へ返送す
るための返送管路及びポンプとから概略構成されている
ことが望ましいが、これに限定されるものではない。
【0020】この装置では、加圧下でパーム油廃水の処
理が行われ、その圧力範囲は1.5〜5気圧が妥当であ
る。加圧下では、ヘンリーの法則によって空気の溶解が
向上し、高い酸素溶解効率が得られるので、常圧下より
供給される空気量が少なくて済み、動力費の削減と共
に、曝気強度を低下させることができる。
【0021】さらに、この発明の有機性廃水処理装置で
は、曝気槽内の混合液が絞り弁通過後に減圧されるた
め、混合液内に溶解していた酸素等が大量の気泡として
発生する。この微小な気泡は酵母汚泥に付着して酵母汚
泥に浮力を与えるため、浮上分離槽で汚泥が確実に浮上
し、処理水と汚泥との固液分離が容易となる。従って、
凝集剤の添加や圧縮空気の導入はほとんど必要ない。
【0022】実施の形態1.図1はこの発明の有機性廃
水処理装置に係る実施の形態1における基本的な処理フ
ローを示すフローシートである。図1に示すように、脂
質を含む廃水は流入水としてスクリーン1を通過して酵
母処理に適さない程度のサイズの固形分(夾雑物)が除
かれた上で、流量調整槽2に送られる。この流量調整槽
2から所定量の廃水が生物反応槽としての酵母反応槽3
内に供給される。この酵母反応槽3には槽内のpHを測
定するセンサ(図示せず)が取り付けられており、その
pHセンサの測定値に応じて槽内のpHを上記脂質資化
性酵母の最適pH3〜7とするために硫酸等の酸性薬剤
が添加される。また、この酵母反応槽3には後述の加圧
浮上手段4で固液分離された酵母のうち、再度廃水処理
に用いるための酵母をリサイクルするための返送経路お
よびポンプ(図示せず)が加圧浮上手段4との間に設け
られている。上記酵母反応槽3内で一定の滞留時間、酵
母により脂質分解処理を受けた廃水(混合液)は加圧浮
上手段4に送られ、固液分離を受ける。固液分離により
得られた処理水(液体)は処理水槽5に送られ、酵母汚
泥(固形分)の一部は上述したように酵母反応槽3に戻
され、残りは余剰酵母として汚泥処理系に送られる。処
理水槽5内の処理水は放流先の水質基準などに応じて後
処理として活性汚泥処理などの一般的な廃水処理を施し
てもよい。
【0023】実施の形態2.図2は、図1に示したこの
発明の有機性廃水処理装置の基本的フローをより具体的
に実現するための処理装置に係る実施の形態2の構成を
示すフローシートである。図2に示す酵母反応槽は、加
圧曝気処理装置である点に特徴がある。
【0024】本処理装置は、強力な撹拌能力を有する撹
拌装置10と循環流路を備えた密閉型の加圧曝気槽(生
物反応槽)11と、この加圧曝気槽11に圧縮空気を供
給するコンプレッサ12と、加圧曝気槽11内の圧力を
調整する絞り弁13と、加圧曝気槽11にパーム油廃水
を供給する加圧ポンプ14と、酵母汚泥と処理水とを分
離するための浮上分離槽(固液分離手段)15と、汚泥
掻寄装置16と、分離された酵母汚泥を一時的に貯留す
る汚泥貯留槽17と、上記浮上分離槽15の汚泥掻寄装
置16により掻き寄せられた酵母汚泥を加圧曝気槽11
へ返送するための返送管路18および汚泥返送ポンプ1
9と、上記汚泥掻寄装置16により掻き寄せられた酵母
汚泥を汚泥貯留槽17へ移送するか、あるいは汚泥処理
系へ移送するための汚泥移送ポンプ20とから概略構成
されている。
【0025】原水は、図1のフローシートに従ってスク
リーンで夾雑物を除去した後、流量調整槽(図示せず)
に蓄えられ、さらに加圧ポンプ14によって加圧曝気槽
11へ送られる。同時に、加圧曝気槽11には、コンプ
レッサ12によって圧縮空気が供給され、加圧下で酵母
によって廃水処理される。加圧曝気槽11内の混合液は
浮上分離槽15へ送られ、絞り弁13を通過した直後に
減圧され、発生した大量の気泡が酵母汚泥に付着し、浮
上分離槽15の上部にこの汚泥が浮上する。浮上分離し
た酵母汚泥の一部は余剰酵母として再利用され、他は汚
泥貯留槽17内に一時蓄えられた後、加圧曝気槽11へ
汚泥返送ポンプ19により返送される。処理水は流出口
から溢流される。なお、固液分離の状況により、余剰酵
母分が処理水と共に流出する場合には浮上分離した酵母
汚泥を全量、加圧曝気槽11に返送することもある。
【0026】実施の形態3.この発明では、さらに高負
荷運転する場合には高酸素濃度曝気法が適している。高
酸素濃度曝気法は、通常の空気曝気と異なり、高濃度の
酸素を含む曝気ガスを使用するため、酸素溶解に要する
動力を大幅に削減することができる。好気性処理を高負
荷で行う場合、反応律速となるのは酸素の液中への溶解
であり、高酸素濃度曝気法では少ない動力消費で効率よ
く酸素が供給されるため、高い反応槽内の酵母汚泥濃度
を保持できると共に、高いBOD容積負荷での運転が可
能となる。
【0027】この発明に用いられる高酸素濃度曝気処理
としては、通常の高酸素濃度曝気処理装置として用いら
れている廃水処理装置の使用が可能である。例えば、酸
素溶解槽を設けて酸素を溶解し、溶存酸素の形で反応槽
へ供給する方式、反応槽内の混合液を循環させ、この循
環液に高濃度酸素ガスを導入して酸素を溶解させる方
式、あるいは表面曝気装置を備えた一段又は多段からな
る密閉型曝気槽を利用できる。
【0028】この発明で使用する高酸素濃度のガスとし
ては、少なくとも50容量%以上の酸素を含むガスが好
ましく、またゼオライト系のモレキュラーシーブ(分子
篩)を用いたPSA酸素製造装置で供給される高濃度酸
素ガスであってもよい。
【0029】反応槽内の酵母汚泥濃度が約10,000
mg/L以上の高濃度である場合には自然沈降による固
液分離は困難となるので、本装置においては反応槽内の
混合液を一旦、加圧状態にある加圧タンクに導入して加
圧し、その後、大気圧下にある分離槽に送って酵母汚泥
を浮上させて分離する加圧浮上分離か、または遠心分離
機によって処理水と酵母汚泥とを固液分離する遠心分離
の各方式の使用が必要となる。また、分離膜を用いて固
液分離する膜分離方式を採用してもよい。
【0030】図3は、この発明の有機性廃水処理装置に
係る実施の形態3を示すフローシートである。本実施の
形態の特徴は上述したように高酸素濃度曝気処理手段を
密閉曝気槽(生物反応槽)31として用いる点にある。
図3において本処理手段は、密閉型曝気槽31と、遠心
分離機(固液分離手段)32と、酸素製造機33と、曝
気装置(曝気手段)34と、撹拌機35と、処理水出口
36と、排ガス調整弁37と、高濃度酸素供給口38と
から概略構成されている。流入水が密閉型曝気槽31に
供給されるまでの工程は図1に示したフローシートと同
様であるので、その説明を省略する。廃水が密閉型曝気
槽31に供給される一方、酸素製造機33によって生成
された高濃度酸素ガスは高濃度酸素ガス供給口38から
供給され、密閉型曝気槽31で酵母によって廃水が処理
される。反応槽内の混合液は処理水出口36から排出さ
れ、遠心分離機32へ送られる。遠心分離機32で固形
分(SS)から分離された処理水は排出され、酵母汚泥
は一部余剰酵母として排出され、再利用するか汚泥処理
系へ送られ、残部は密閉型曝気槽31へ返送される。
【0031】高濃度酸素の供給量は、密閉型曝気槽31
内の気相部における酸素濃度が30%以上、又は液相部
のDO(酵母の要求に相当する量の溶存酸素量:以下、
要求酸素量という)が3mg/L以上となるように制御
するのがよい。
【0032】また、酵母汚泥を遠心分離機で固液分離す
る場合、事前に凝集剤を混合液に添加して遠心分離機に
投入することにより、より効率よく固液分離を達成でき
る。
【0033】実施の形態4.図4はこの発明の有機性廃
水装置に係る実施の形態4を示すフローシートである。
本実施の形態の特徴は、高酸素濃度曝気手段と加圧浮上
手段とを組み合わせた点にある。流入水が密閉型曝気槽
(生物反応槽)41に供給されるまでの工程は図1に示
したフローシートと同様であるので、その説明を省略す
る。図4のフローシートに示すように、曝気装置(曝気
手段)44、攪拌機45および排ガス調整弁47を備え
た密閉型曝気槽41に流入水が供給される一方、酸素製
造機43によって生成された高濃度酸素ガスは高濃度酸
素ガス供給口48から供給され、密閉型曝気槽41内で
酵母によって廃水が処理される。密閉型曝気槽41内の
混合液は処理水出口46より排出され、加圧ポンプ槽5
0に設置された加圧ポンプ51により汚泥掻寄機52a
を備えた加圧浮上槽(固液分離手段)52で処理水と酵
母汚泥53とに分離される。処理水の一部は(50%〜
100%)は循環水ポンプ54で圧縮空気が圧入された
加圧タンク56内に送られ、そこで、空気を溶解させた
後、混合機57を通して加圧浮上槽52内で大気圧に開
放されるため、加圧浮上槽52内での処理水と酵母汚泥
53との分離を効率よく行わせることができる。酵母汚
泥53は汚泥移送ポンプ58により返送酵母として密閉
型曝気槽41に返送され、その一部は余剰酵母として排
出され、再利用するか汚泥処理系(図示せず)へ移送さ
れる。
【0034】また、混合液に凝集剤を添加することによ
り、加圧浮上槽52内での固液分離をより効率よく達成
することができる。なお、上記実施例における固液分離
手段として膜分離装置を用いることによって、生物反応
槽から処理水を適宜流出するようにしてもよい。処理水
は、必要に応じてさらに処理を施してから放流、再利用
することもできる。一方、各固液分離手段で得られた余
剰酵母は適宜汚泥処理を施した後、系外に搬出してもよ
いが、魚用の飼料等への利用も可能である。また、先に
も述べたように余剰酵母が処理水と共に流出する場合
は、分離した酵母汚泥の全量を反応槽に返送することに
なる。このような場合も流出する酵母が混入する処理水
を魚用の飼料等に利用できる可能性がある。
【0035】つまり、本実施の形態に限らず、酵母汚泥
が良質な蛋白質である酵母菌体を含むため、余剰酵母は
別途処理・処分せず、動物や魚の飼料に用いたり、農地
などの肥料に用いたりすることができる。例えば、先に
述べたように、生物反応槽混合液を遠心分離装置や加圧
浮上装置などの固液分離手段で固液分離するが、その際
処理水中に酵母汚泥(余剰酵母)が残存する場合は、こ
の処理水を養魚池等に放流することで、酵母汚泥(余剰
酵母)を養魚用の飼料として用いることができる。さら
に、固液分離手段に簡易な重力沈殿池などを採用して、
意図的に処理水中に酵母汚泥(余剰酵母)を残存させて
この処理水を養魚池に放流することで、酵母(余剰酵
母)を養魚用の飼料として積極的に用いることができ
る。また、余剰酵母を別途回収して乾燥させたり他の飼
肥料成分を添加したりして、動物用の飼料や農地の肥料
として用いることができる。このように、本発明にある
ような酵母を用いた廃水処理装置は、廃水処理の結果生
じる余剰酵母を別途処理せずに有効利用することがで
き、さらに余剰酵母を飼肥料として用いた場合には、動
植物の生産に寄与することから、エネルギー面や環境面
で大変有効なものである。
【0036】
【実施例】実施例1. (酵母処理の適用可能性の検討) 東南アジアの某パーム油製造工場からの廃水に対して酵
母処理を行った。 (1)供試廃水 供試廃水の分析値を表2に示す。
【表2】
【0037】供試廃水はCODcr 49300mg/
L,BOD5 27200mg/L,pH3.60の濃
厚な酸性有機性廃水であった。分析値をCODcr値に換
算して廃水の組成割合を求めると、油分42%,蛋白質
7%,糖質その他51%となる。ここで、脂質には油脂
の示性式(C3 5 (COOH)3 )を適用し、油分1
mg/Lを完全に酸化するのに必要な酸素量を2.9m
g/Lとした。また、上記廃水中には、固形性のCOD
crが63%となっており、油分以外に糖質、蛋白質その
他の成分中に約2割の固形成分が存在している。このよ
うな廃水を処理する場合には、脂質資化性酵母の他に糖
資化性酵母を用いるとさらに有効である。
【0038】また、分析値からBOD5 /CODcr
0.55であり、廃水中の有機性物質の比が生活廃水並
みであることから、この廃水は生物分解が可能であると
推定できる。また、廃水の栄養バランスCODcr:N:
Pは100:1.2:0.3である。酵母の示性式(C
71109 3711P)より求められる理論栄養バランス
はCODcr:N:P=100:1.8:0.4であるの
で、N(窒素)とP(リン)が不足することも考えられ
るので、不足する成分を別途補充してもよい。
【0039】(2)供試酵母 パーム油廃水に、既存のパーム油廃水処理酸化池の汚泥
および本出願人が保存している脂質を分解することが確
認されている酵母の全株を添加して集積培養し、そこで
集積された酵母を実験に用いた。
【0040】(3)処理方法 CODcr・SS負荷にして0.5kg/kg−ss・d
ay,1.0kg/kg−ss・dayの2つの負荷条
件を設定し、坂口フラスコを用いて表3の条件で処理実
験を行った。上述のように供試廃水は窒素とリンが不足
しているので、CODcr:N:P=100:5:1とな
るように、窒素については硫安を添加し、リンについて
はリン酸第一ナトリウムを添加して補充した。
【0041】サンプリングは処理開始後、1時間、3時
間、5時間、10時間、24時間後にそれぞれ約3ml
ずつ採水し、2000rpmで3分間遠心し、その上澄
みのTOC(上澄の有機性炭素)を測定した。
【表3】
【0042】(4)処理結果 処理実験におけるTOCとpHの経時変化を表4と図5
に示す。
【表4】
【0043】図5に示したTOC除去曲線より、時間経
過に伴って順調にTOCは減少し、CODcr・SS負荷
にして0.5kg/kg−ss・dayの設定条件では
5時間後、処理水TOCはほぼ一定となった。CODcr
・SS負荷にして1.0kg/kg−ss・dayの設
定条件では24時間後、処理水TOCは最小となった。
2つの負荷条件ともTOC除去率は約88%であり、処
理水中には約300mg/LのTOC成分が残存してい
た。
【0044】表5には24時間後の処理水の分析値を示
す。
【表5】 *で示した表5中のヘキサン抽出物質は混合液全体で測
定されている。
【0045】2つの負荷条件とも24時間でCODcr
除去率90%以上、BODで除去率97%以上となり、
供試廃水としてのパーム油工場廃水は十分に酵母処理可
能であった。処理水中には未処理の有機物がBODで約
100mg/L,CODcrで700〜800mg/L残
存していたが、酵母処理後に既存の酸化池等で処理する
2段処理方式を採用することにより、BOD値,COD
cr値ともさらに低減できる。
【0046】また、ヘキサン抽出物質も24時間後には
95%以上処理され、20〜50mg/L残存するのみ
だった。
【0047】実施例2.種酵母として実施例1で使用し
た酵母を用いて、図2に示した装置を表6に示したBO
D容積負荷15kg/m3 ・日の運転条件に従って稼動
させたところ、表7に示す処理結果が得られた。
【表6】
【表7】
【0048】表7から明らかなように、酵母処理の前後
において、ヘキサン抽出物質濃度が10〜30mg/L
にまで低下し、BOD値が220〜350mg/Lにま
で低下していることがわかる。
【0049】実施例3.種酵母として実施例1で使用し
た酵母を用いて、図3に示した装置を表8に示した運転
条件に従って稼動させたところ、表9に示す処理結果が
得られた。
【表8】
【表9】
【0050】表9から明らかなように、酵母処理の前後
において、ヘキサン抽出物質濃度が10〜30mg/L
にまで低下し、BOD値が280〜510mg/Lにま
で低下していることがわかる。
【0051】以上の各実施例に示したように、この発明
の有機性廃水処理装置によれば、パーム油等、難分解性
の脂質を分解する酵母を選択的に使用することにより、
従来処理が困難であった前記脂質を含有する廃水を生物
学的に処理することができる。さらに、反応槽内の酵母
濃度を高く保つと同時に高負荷処理を可能にするため、
反応槽を密閉型にすると共に高酸素濃度曝気方式あるい
は加圧曝気方式を採用することで、効率よく安定して処
理することができる。これにより、処理装置は非常にコ
ンパクト化され、処理時間の短縮や設置面積の縮小が図
れる。
【0052】この発明の好適な態様を以下に示す。 (1)有機性廃水に含まれる難分解性の脂質は、飽和脂
肪酸の組成比率が高い動物性または植物性の油脂である
請求項1または2に記載の有機性廃水装置。 (2)生物反応槽内を撹拌する撹拌手段をさらに備えて
いる請求項1または2に記載の有機性廃水処理装置。 (3)固液分離手段で分離された酵母を含む汚泥を生物
反応槽へ返送する汚泥返送手段を備えている請求項1ま
たは2に記載の有機性廃水処理装置。 (4)加圧浮上手段は、浮上した汚泥を回収する回収手
段を備えている請求項3に記載の有機性廃水処理装置。 (5)加圧浮上手段は、生物反応槽混合液を加圧する加
圧手段を備えている実施態様(4)に記載の有機性廃水
処理装置。
【0053】(6)遠心分離手段は、生物反応槽混合液
を遠心力で処理水と汚泥とに固液分離する遠心分離機で
ある請求項3に記載の有機性廃水処理装置。 (7)脂質資化性酵母は、トリコスポロン属、ハンゼヌ
ラ属、トリコスポリエラ属およびキャンディダ属に属す
る群から選択された1種または2種以上の酵母である請
求項1または2に記載の有機性廃水処理装置。 (8)植物油製造工程は、パーム油、パーム核油および
ヤシ油から選ばれた一つまたは二つ以上を製造する工程
である請求項4に記載の有機性廃水処理装置。 (9)生物反応槽は、酵母菌体を保持する担体が投入さ
れている担体投入型生物反応槽である請求項1または2
に記載の有機性廃水処理装置。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、パーム油等の難分解性の脂質を分解する酵母を選択
的に使用して、生物反応槽で十分な好気的条件下で廃水
を処理することにより、廃水中に含まれる難分解性の脂
質等を短時間で効率よく分解処理することができ、また
密閉された反応槽として高濃度酸素曝気方式あるいは加
圧曝気方式を採用することで、反応槽内を常に好気的条
件に維持できるため、効率よく安定して生物処理するこ
とができると共に、反応槽内の酵母汚泥の濃度を高くし
て高負荷で処理することができるので、コンパクト化さ
れた設置面積の小さい装置を実現できる。また、加圧浮
上や遠心分離などの固液分離方式を採用したことによ
り、高汚泥濃度の混合液でも効率よく安定して処理水と
酵母汚泥とに分離するができる。さらに、余剰酵母を魚
用の飼料などに再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の有機性廃水処理装置に係る実施の形
態1における廃水処理の基本的な流れを示すフローシー
トである。
【図2】この発明の有機性廃水処理装置に係る実施の形
態2における廃水処理の流れを示すフローシートであ
る。
【図3】この発明の有機性廃水処理装置に係る実施の形
態3における廃水処理の流れを示すフローシートであ
る。
【図4】この発明の有機性廃水処理装置に係る実施の形
態4における廃水処理の流れを示すフローシートであ
る。
【図5】この発明の有機性廃水処理装置を用いて廃水処
理を行った際におけるTOC除去を経時的に観察したT
OC除去曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 スクリーン 2 流量調整槽 3 酵母反応槽(生物反応槽) 4 加圧浮上手段(固液分離手段) 5 処理水槽 10 攪拌装置 11 加圧曝気手段(生物反応槽) 12 コンプレッサ 13 絞り弁 14 加圧ポンプ 15 浮上分離槽(固液分離手段) 16 汚泥掻寄装置 17 汚泥貯留槽 18 返送管路 19 汚泥返送ポンプ 20 汚泥移送ポンプ 31 密閉型曝気槽(生物反応槽) 32 遠心分離機(固液分離手段) 33 酸素製造機 34 曝気装置(曝気手段) 35 撹拌機 36 処理水出口 37 排ガス調整弁 38 高濃度酸素供給口 41 密閉型曝気槽(生物反応槽) 43 酸素製造機 44 曝気装置(曝気手段) 45 撹拌機 46 処理水出口 47 排ガス調整弁 48 高濃度酸素ガス供給口 50 加圧ポンプ槽 51 加圧ポンプ 52 加圧浮上槽(固液分離手段) 52a 汚泥掻寄機 53 酵母汚泥 54 循環水ポンプ 56 加圧タンク 57 混合機 58 汚泥移送ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千種 薫 東京都港区芝浦三丁目6番18号 株式会社 西原環境衛生研究所内 Fターム(参考) 4D028 AB03 BD06 BD17 4D029 AA01 AB05 4D040 DD07 DD24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難分解性の脂質を含有する有機性廃水を
    処理する有機性廃水処理装置において、 前記有機性廃水を1種または2種以上の脂質資化性酵母
    を含む汚泥と混合させ生物学的処理を行う密閉された生
    物反応槽と、該生物反応槽混合液を高酸素濃度ガスで曝
    気する高酸素濃度曝気手段と、生物反応槽混合液を処理
    水と汚泥とに固液分離する固液分離手段とを備えたこと
    を特徴とする有機性廃水処理装置。
  2. 【請求項2】 難分解性の脂質を含有する有機性廃水を
    処理する有機性廃水処理装置において、 前記有機性廃水を1種または2種以上の脂質資化性酵母
    を含む汚泥と混合させ生物学的処理を行う密閉された生
    物反応槽と、該生物反応槽混合液を加圧状態で空気曝気
    する加圧曝気手段と、生物反応槽混合液を処理水と汚泥
    とに固液分離する固液分離手段とを備えたことを特徴と
    する有機性廃水処理装置。
  3. 【請求項3】 固液分離手段は、加圧浮上分離手段また
    は遠心分離手段であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の有機性廃水処理装置。
  4. 【請求項4】 難分解性の脂質を含有する有機性廃水は
    植物油製造工程から排出される廃水であることを特徴と
    する請求項1から3のいずれかに記載の有機性廃水処理
    装置。
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