JP2000246251A - 電解水生成装置、医療器具、殺菌剤および殺菌方法 - Google Patents

電解水生成装置、医療器具、殺菌剤および殺菌方法

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JP2000246251A
JP2000246251A JP11054337A JP5433799A JP2000246251A JP 2000246251 A JP2000246251 A JP 2000246251A JP 11054337 A JP11054337 A JP 11054337A JP 5433799 A JP5433799 A JP 5433799A JP 2000246251 A JP2000246251 A JP 2000246251A
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electrolyzed
tube
water
dialysate
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JP11054337A
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Kenichi Sato
謙一 佐藤
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無菌的に電解水を生成、供給可能な電解水生成
装置を提供すること。 【解決手段】電解水生成装置1Aは、本体2Aと、かか
る本体2Aから分離可能な電流供給手段3Aとを有して
おり、本体2Aは、液密性が確保された内部空間4と、
被電解水を電気分解する陽極51および陰極52と、第
1通液口61Aと、第2通液口62Aと、先端が融着に
より封止されチューブ無菌接続装置を用いることにより
他のチューブに無菌的に接続することができる第1チュ
ーブ81Aおよび第2チューブ82Aとを有している。
電解水生成装置1Aは、被電解水が内部空間4を通過す
る際に、陽極51および陰極52で被電解水を電気分解
する。これにより、電解水生成装置1Aは、電解水を生
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、被電解水を電気分
解して電解水を生成可能な電解水生成装置、かかる電解
水生成装置を備えた医療器具、被電解水を電気分解して
得られた電解水を構成成分とする殺菌剤、および、被電
解水を電気分解して得られた電解水の持つ殺菌力を利用
した殺菌方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被電解水を電気分解して得られた電解水
は、殺菌、消毒作用を有することが知られている。この
ため、かかる電解水を生成して殺菌、消毒に利用すべ
く、電解水を生成する電解水生成装置が注目されてい
る。
【0003】ところで、医療分野等においては、電解水
生成装置で得られる電解水を、例えば、生体内に用いる
場合や、微生物学的に無菌なクローズドシステムを有す
る医療用具のクローズドシステム内の殺菌洗浄に用いる
場合には、電解水生成装置で生成した電解水の微生物汚
染が問題となる。
【0004】従来の電解水生成装置には、電解水を生成
するたびに被電解水を入れ替えて電気分解を行うバッチ
式と、被電解水を連続的に供給しつつ電気分解を行う連
続式の2種類が知られている。
【0005】連続式の電解水生成装置としては、例え
ば、特開平09−248573に記載のものが知られて
いる。この装置は、生成した電解水を噴霧する噴霧ノズ
ルを有しており、かかる噴霧ノズルから、例えば生体や
医療器具の表面に電解水を噴霧して、該表面の殺菌を行
うものである。
【0006】このように、この装置は、開放系で使用さ
れる装置である。したがって、このような装置では、ク
ローズドシステム内で無菌的に電解水を供給し、殺菌す
ることはできない。
【0007】また、従来のバッチ式の電解水生成装置で
は、その構造上、開放形の装置になっている。このた
め、従来のバッチ式の電解水生成装置では、空気中に浮
遊している微生物等が生成した電解水に混入し、電解水
を汚染するおそれが高い。
【0008】しかも、従来のバッチ式や連続式の電解水
生成装置では、生成された電解水を、医療用具中のクロ
ーズドシステム内の殺菌洗浄に使用する場合には、生成
された電解水をシリンジ等の2次的な道具を用いてクロ
ーズドシステム内に移送する必要がある。
【0009】この操作は、煩雑である上に、生成した電
解水の微生物汚染、および、医療用具内の微生物汚染の
危険性を増大させる。
【0010】このような微生物汚染されている電解水を
生体内に用いた場合、あるいは、微生物汚染された医療
用具を生体に対して使用した場合には、感染症を引き起
こす危険性がある。
【0011】ところで、近年、医療分野において、例え
ばカテーテル等の体内に留置する医療用具などに形成さ
れるバイオフィルムが問題となっている。このバイオフ
ィルムは、微生物により形成されるものであるが、通常
の微生物表面とは、その性状、形態等が異なっている。
このバイオフィルムは、菌体表面に分泌された糖類の膜
に、フィブリンや血小板等の生体成分が付着したものが
幾層にも重なり、フィルム状になったものである。
【0012】このバイオフィルムが形成されると、バイ
オフィルム中の微生物は、抗生物質等の薬剤に対して抵
抗性を示すようになる。このため、バイオフィルムが形
成されると難治性かつ再発性の感染症を誘発する。
【0013】例えば、腹膜透析に用いられる腹腔カテー
テルは、通常5〜10年間患者の体内に留置されるが、
一旦バイオフィルムが形成されると、たとえカテーテル
の留置期間が1週間であっても、再度手術を行いカテー
テルを抜去しなければならない。
【0014】このため、腹腔カテーテルにバイオフィル
ムが形成された場合の患者への肉体的、精神的、経済的
負担は計り知れない。
【0015】現在のところ、バイオフィルムに効果があ
る薬剤あるいは方法として、特開平8−81488と特
開平3−118895とが知られる。
【0016】特開平8−81488は、医療分野におけ
るバイオフィルム除去剤について開示している。かかる
バイオフィルム除去剤は、アミノ糖と環状アミノ酸を有
し、かつ、かかる環状アミノ酸中のカルボキシ基が前記
アミノ糖のアミノ基とアミド結合している化合物を有効
成分として含有している。
【0017】しかし、この薬剤の製造には多大なる労力
とコストを要する。
【0018】特開平3−118895は、安定化2酸化
塩素水溶液と栄養素源と生物殺菌剤とを使用するバイオ
フィルムの除去方法について開示している。この方法
は、バイオフィルムに、安定化2酸化塩素水溶液と栄養
源と生物殺菌剤とを接触させることを特徴とする。これ
を詳述すると、まず、栄養源をバイオフィルムに接触さ
せることによってバイオフィルム中の微生物に酸性化合
物を産生させる。次に、この酸性化合物によって安定化
2酸化塩素水溶液が活性化され、この活性化された2酸
化塩素によりバイオフィルムが破壊される。そして、こ
のバイオフィルムの破壊に伴いバイオフィルムから放出
された微生物を、生物殺菌剤により殺菌する。
【0019】しかし、この方法によりバイオフィルムを
除去しようとすると、最低でも3種類の添加物を加えな
いとバイオフィルム中の微生物を死滅させることはでき
ない。しかもこの方法では、栄養源をバイオフィルムに
添加してから、バイオフィルム中の微生物が放出される
までに、長時間を要する(例えば20分以上)。このた
め、短時間でバイオフィルム中の微生物を死滅させるこ
とは、困難である。さらには、この方法では、2酸化塩
素水溶液を用いるので、副作用の面から、安全に生体に
使用することが困難である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無菌
的に電解水を生成、供給可能な電解水生成装置、かかる
電解水生成装置を備えた医療器具、バイオフィルムを減
少させる機能を有する殺菌剤、および、電解水の持つ殺
菌力を利用した殺菌方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(46)の本発明により達成される。
【0022】(1) 被電解水を電気分解して電解水を
生成可能であり、流路を構成する管体の途中に設置また
は接続して使用される電解水生成装置であって、前記被
電解水が流入する内部空間と、該内部空間に連通する複
数の通液口と、前記被電解水を電気分解する電解手段と
を有する本体と、前記電解手段に電流を供給する電流供
給手段とを有することを特徴とする電解水生成装置。
【0023】(2) 被電解水を電気分解して電解水を
生成可能であり、流路を構成する管体に接続して使用さ
れる電解水生成装置であって、前記被電解水が流入する
内部空間と、該内部空間に連通する通液口と、前記内部
空間の容積を増減させる容積増減手段と、前記被電解水
を電気分解する電解手段とを有する本体と、前記電解手
段に電流を供給する電流供給手段とを有することを特徴
とする電解水生成装置。
【0024】(3) 前記容積増減手段は、押し子であ
る上記(2)に記載の電解水生成装置。
【0025】(4) 前記通液口は、未使用時に封止手
段により封止されている上記(1)ないし(3)のいず
れかに記載の電解水生成装置。
【0026】(5) 前記封止手段は、一端部が封止さ
れたチューブである上記(4)に記載の電解水生成装
置。
【0027】(6) 前記チューブは、チューブ無菌接
続装置により前記管体に無菌的に接続可能である上記
(5)に記載の電解水生成装置。
【0028】(7) 前記管体は、生体内に液体を注入
するもの、または、生体内から液体を排出するものであ
る上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の電解水生
成装置。
【0029】(8) 前記内部空間の容積が0.1〜1
00mLである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載
の電解水生成装置。
【0030】(9) 前記電解手段は、前記内部空間に
露出した電極を有する上記(1)ないし(8)のいずれ
かに記載の電解水生成装置。
【0031】(10) 前記電極の前記内部空間に露出
した表面積は0.1〜50cm2 である上記(9)に記載
の電解水生成装置。
【0032】(11) 前記電流供給手段は、前記本体
から分離可能である上記(1)ないし(10)のいずれ
かに記載の電解水生成装置。
【0033】(12) 前記本体は、滅菌して使用可能
である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の電
解水生成装置。
【0034】(13) 前記流路を通過する液体中の気
泡を除去する気泡除去手段を有する上記(1)ないし
(12)のいずれかに記載の電解水生成装置。
【0035】(14) 前記被電解水が貯留された容器
に接続して使用される上記(1)ないし(13)のいず
れかに記載の電解水生成装置。
【0036】(15) 前記被電解水は、浸透圧が14
0〜570 Osmである上記(1)ないし(14)のいず
れかに記載の電解水生成装置。
【0037】(16) 前記被電解水は、ハロゲン化物
イオンを含有する上記(1)ないし(15)のいずれか
に記載の電解水生成装置。
【0038】(17) 生成された前記電解水の電解水
濃度が3〜2000ppm である上記(1)ないし(1
6)のいずれかに記載の電解水生成装置。
【0039】(18) 生成された前記電解水のpHは、
1〜12である上記(1)ないし(17)のいずれかに
記載の電解水生成装置。
【0040】(19) 生成された前記電解水は、腹腔
内に注入される上記(1)ないし(18)のいずれかに
記載の電解水生成装置。
【0041】(20) 生成された前記電解水は、バイ
オフィルムを減少させる機能を有する上記(1)ないし
(19)のいずれかに記載の電解水生成装置。
【0042】(21) 生成された前記電解水は、生体
内留置物に形成されたバイオフィルムを減少させるよう
に使用される上記(1)ないし(20)のいずれかに記
載の電解水生成装置。
【0043】(22) 前記生体内留置物は、腹腔カテ
ーテルである上記(21)に記載の電解水生成装置。
【0044】(23) 上記(1)ないし(22)のい
ずれかに記載の電解水生成装置を備えたことを特徴とす
る医療器具。
【0045】(24) 腹膜透析セットである上記(2
3)に記載の医療器具。
【0046】(25) 前記腹膜透析セットは、透析液
が貯留される容器と、該容器に連するチューブとを有
し、前記電解水生成装置は、前記チューブの途中に設置
または接続されて使用される上記(24)に記載の医療
器具。
【0047】(26) 前記腹膜透析セットは、被電解
水を供給するラインを有する上記(24)または(2
5)に記載の医療器具。
【0048】(27) 被電解水を電気分解して得られ
た電解水を主な構成成分とし、該電解水は、バイオフィ
ルムを減少させる機能を有することを特徴とする殺菌
剤。
【0049】(28) 前記電解水はハロゲン化物を含
有する上記(27)に記載の殺菌剤。
【0050】(29) 前記電解水の電解水濃度が3〜
2000ppm である上記(27)または(28)に記載
の殺菌剤。
【0051】(30) 前記被電解水は、浸透圧が14
0〜570Osmである上記(27)ないし(29)のい
ずれかに記載の殺菌剤。
【0052】(31) 生体に対して使用される上記
(27)ないし(30)のいずれかに記載の殺菌剤。
【0053】(32) 被電解水を電気分解して得られ
た電解水を供給し、該電解水の持つ殺菌力により殺菌を
行うとともに、バイオフィルムを減少させることを特徴
とする殺菌方法。
【0054】(33) 被電解水を電気分解して得られ
た電解水を医療器具に供給し、該電解水の持つ殺菌力に
より殺菌を行うとともに、前記医療器具に形成されたバ
イオフィルムを減少させることを特徴とする殺菌方法。
【0055】(34) 前記医療器具は、生体内に留置
され、または、生体内に連通するように使用されるもの
である上記(33)に記載の殺菌方法。
【0056】(35) 前記医療器具は、管体で構成さ
れる上記(33)または(34)に記載の殺菌方法。
【0057】(36) 腹膜透析の透析液を交換する際
に、被電解水を電気分解して得られた電解水を前記透析
液の流路に流し、前記電解水の持つ殺菌力により殺菌を
行うことを特徴とする殺菌方法。
【0058】(37) 上記(1)ないし(22)のい
ずれかに記載の電解水生成装置が組み込まれた腹膜透析
セットを用い、腹膜透析の透析液を交換する際に、前記
電解水生成装置により被電解水を電気分解して電解水を
生成し、該電解水を前記透析液の流路に流し、前記電解
水の持つ殺菌力により殺菌を行うことを特徴とする殺菌
方法。
【0059】(38) 上記(1)ないし(22)のい
ずれかに記載の電解水生成装置を腹膜透析セットに組み
込み、腹膜透析の透析液を交換する際に、前記電解水生
成装置により被電解水を電気分解して電解水を生成し、
該電解水を前記透析液の流路に流し、前記電解水の持つ
殺菌力により殺菌を行うことを特徴とする殺菌方法。
【0060】(39) チューブ無菌接続装置を用いて
前記電解水生成装置を前記腹膜透析セットに組み込む上
記(38)に記載の殺菌方法。
【0061】(40) 前記腹膜透析セットは、透析液
が貯留された容器と、該容器に連通するチューブとを有
し、前記電解水生成装置の位置が前記チューブの途中で
ある上記(37)ないし(39)のいずれかに記載の殺
菌方法。
【0062】(41) 前記腹膜透析セットは、前記被
電解水が貯留された容器を有する上記(37)ないし
(40)のいずれかに記載の殺菌方法。
【0063】(42) 前記流路の少なくとも一部は、
腹腔カテーテルで構成されている上記(36)ないし
(41)のいずれかに記載の殺菌方法。
【0064】(43) 前記流路中に存在するバイオフ
ィルムを減少させつつ、殺菌を行う上記(36)ないし
(42)のいずれかに記載の殺菌方法。
【0065】(44) 前記被電解水は、浸透圧が14
0〜570 Osmである上記(32)ないし(43)のい
ずれかに記載の殺菌方法。
【0066】(45) 前記電解水はハロゲン化物を含
有する上記(32)ないし(44)のいずれかに記載の
殺菌方法。
【0067】(46) 前記電解水の電解水濃度が3〜
2000ppm である上記(32)ないし(45)のいず
れかに記載の殺菌方法。
【0068】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す好
適実施例に基づいて詳細に説明する。まず、本発明の電
解水生成装置の第1実施例について説明する。
【0069】図1は、本発明の電解水生成装置の第1実
施例を示す側面図、図2は、図1に示す電解水生成装置
の断面側面図、図3は、図1に示す電解水生成装置のA
−A線断面図である。以下の説明において、図1〜3
中、上方を「上面」といい、下方を「底面」という。
【0070】本発明の電解水生成装置1Aは、被電解水
を電気分解して電解水を生成することができ、管体の途
中に設置または接続して使用される。なお、被電解水と
は、電気分解される水を指し、電解水とは、被電解水を
電気分解して生成された水を指す。
【0071】被電解水は、効率よく電気分解を行う観点
からは、陽イオン、陰イオン等の電解質成分を含有して
いることが好ましい。その中でも、電解水の殺菌活性を
高める観点からは、フッ化物イオン、塩化物イオン(塩
素イオン)、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲ
ン化物イオンを含有していることが好ましい。さらにそ
の中でも、生成された電解水を生体に使用する場合に
は、被電解水は、生体に対する毒性の低い塩化物イオン
を含有していることが好ましい。このような被電解水と
しては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化
カルシウム、塩化マグネシウム等の塩を含有する水、生
理食塩水、腹膜透析液、血液透析液等の透析液、血液等
の体液、血液成分等の体液成分、赤血球保存液、抗凝固
剤、血小板保存液等の血液または血液成分添加剤、人工
血液や脂肪乳剤等のリポソーム製剤、電解質やアミノ酸
等の輸液製剤溶液などが挙げられる。
【0072】また、被電解水には、塩酸、硫酸、硝酸等
の無機酸、酢酸、コハク酸、クエン酸等の有機酸などの
酸が添加されていてもよい。これにより、生成された電
解水の殺菌活性を高めることができる。
【0073】このような被電解水の浸透圧は、特に限定
されないが、140〜570 Osm程度が好ましく、25
0〜350 Osm程度がより好ましい。被電解水の浸透圧
をこの範囲内とすると、生成された電解水を生体に対し
て使用する場合、生体に対して与える影響(ダメージ
等)が少なくなる。
【0074】被電解水がハロゲン化物イオンを含有して
いる場合、その含有量は、特に限定されないが、3〜2
000ppm 程度であることが好ましく、3〜1000pp
m 程度であることがより好ましく、10〜300ppm 程
度であることがさらに好ましい。含有量がこの範囲内で
あると、電気分解の効率が向上し、高い殺菌作用を有す
る電解水を得ることが可能となる。
【0075】図1〜3に示すように、本発明の電解水生
成装置1Aは、本体2Aと、かかる本体2Aから分離可
能な電流供給手段3Aとを有している。また、本体2A
は、内部空間4と、陽極51と陰極52とで構成される
電解手段と、第1通液口61Aと、第2通液口62A
と、第1チューブ81Aと、第2チューブ82Aとを有
している。
【0076】本体2Aは、ほぼ箱形の形状をなしてお
り、かかる本体2Aの内部には、被電解水が流入する内
部空間4が形成されている。この内部空間4の容積は、
電解水生成装置1Aの小型化等の観点からは、0.1〜
100mL程度であることが好ましく、1〜50mL程度で
あることがより好ましい。
【0077】また、本体2Aには、内部空間4に連通す
る第1通液口61Aと第2通液口62Aとが設けられて
いる。これら第1通液口61Aと第2通液口62Aとに
より、被電解水をはじめとする種々の液体が内部空間4
に流出入可能となっている。
【0078】第1通液口61Aには、第1チューブ81
Aが液密に接続されている。また、第2通液口62Aに
は、第2チューブ82Aが液密に接続されている。
【0079】これら第1チューブ81Aおよび第2チュ
ーブ82Aは、可とう性を有し、例えば、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエ
ステル、シリコーンゴム、ポリウレタンなどの軟質樹脂
で構成されている。
【0080】このため、第1チューブ81Aおよび第2
チューブ82Aは、チューブ無菌接続装置(特開平8−
174676参照)を用いることにより、他のチューブ
(管体)に無菌的に接続することができる。したがっ
て、電解水生成装置1Aを、例えば、クローズドシステ
ム内のチューブ(管体)の途中に設置または接続して無
菌的に使用することができる。
【0081】これら第1チューブ81Aの端部811A
および第2チューブ82Aの端部821Aは、例えば融
着等により封止されている。
【0082】本体2Aは、滅菌が可能な材料で構成され
ている。したがって、本体2Aには、例えば、湿熱滅菌
(高圧蒸気滅菌)、エチレンオキサイドガス(EOG)
滅菌、ガンマ線滅菌、電子線滅菌、オゾン滅菌、過酸化
水素滅菌、二酸化塩素滅菌等の滅菌処理を施すことがで
きる。
【0083】また、内部空間4を画成する内壁41、第
1通液口61A、および第2通液口62Aは、例えば、
液密性を有する材料で一体的に形成されている。
【0084】このため、電解水生成装置1Aの内部空間
4は、液密性が確保されている。したがって、内部空間
4に外部から菌が侵入することが防止され、電解水生成
装置1Aは、後述するように、密閉系で無菌的に電解水
を生成することができる。
【0085】本体2Aには、軟質の材料および硬質の材
料のいずれの材料を用いてもよいが、上述したような観
点からは、本体2A、特に内部空間4を画成する内壁4
1、第1通液口61A、および第2通液口62Aには、
ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リスチレン、セルロイド、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、アルキド樹脂、ナイロン、アクリル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルペンテン、
ナイロンなどのやや硬質の材料を用いることが好まし
い。
【0086】内部空間4を画成する内壁41のうち、側
壁411には、被電解水を電気分解する電解手段として
一対の電極、すなわち、陽極51と陰極52とが互いに
対向して設けられている。これら陽極51および陰極5
2は、その平面形状はほぼ長方形をなしている。
【0087】これら陽極51および陰極52の一部は、
内部空間4の液密性を確保しつつ内壁41の上面を貫通
して本体2Aの外表面23に突出し、突起状の雄端子5
11および521をそれぞれ形成している。
【0088】陽極51および陰極52は、耐腐食性の観
点からは、例えば、白金や、チタン等に白金メッキを施
したもので構成されていることが好ましい。
【0089】陽極51および陰極52の内部空間4に露
出した表面積は、電気分解の効率および電解水生成装置
1Aの小型化を考慮すると、それぞれ、0.5〜50cm
2 程度が好ましく、2〜10cm2 程度がより好ましい。
【0090】また、陽極51と陰極52との間の距離
(平均距離)は、特に限定されないが、1〜100mm程
度が好ましく、3〜20mm程度がより好ましい。陽極5
1と陰極52との間の距離をこの範囲内とすると、電解
水をより効率よく生成することができる。
【0091】電流供給手段3Aは、ほぼ箱型の形状をな
しており、電解手段に電流を供給する。この電流供給手
段3Aは、直流電流を供給可能な電源31と、電解手段
への印加電流を制御するレギュレーター32と、電解手
段への電流の供給をオン・オフするスイッチ33と、電
流供給手段3Aの底面に設けられた凹状の雌端子34
1、342とを有している。
【0092】雌端子341は雄端子511に、また、雌
端子342は雄端子521に、それぞれ嵌合可能であ
る。そして、嵌合することにより、電流供給手段3A
は、本体2Aに取り付けられるとともに、雌端子341
と雄端子511、および、雌端子342と雄端子521
とは、それぞれ電気的に接続される。
【0093】したがって、雌端子341が雄端子511
に、雌端子342が雄端子521に、それぞれ嵌合して
いるときは、電源31のプラス極は、レギュレーター3
2と雌端子341と雄端子511とを介して、陽極51
に電気的に接続され、電源31のマイナス極は、スイッ
チ33と雌端子342と雄端子521とを介して、陰極
52に電気的に接続された状態となる。
【0094】上述したように電流供給手段3Aは、本体
2Aから分離可能である。したがって、本体2Aを滅菌
するときには、電流供給手段3Aを本体2Aから取り外
し、本体2Aだけを滅菌することができる。これによ
り、電流供給手段3Aが有する部材は、滅菌による腐食
等が防止される。しかも、本体2Aだけを滅菌するの
で、滅菌をする際の滅菌装置も小型のものを用いること
ができ、滅菌する際の取り扱いも容易となる。
【0095】電解水生成装置1Aは、例えば次のように
使用することができる。まず、必要に応じ、本体2Aに
滅菌処理を施す。次に、例えばチューブ無菌接続装置等
を用いて、第1チューブ81Aおよび第2チューブ82
Aをそれぞれ他のチューブ(図示せず)に接続する。こ
れにより、電解水生成装置1Aが、流路を構成する管体
の途中に設置または接続される。次に、雌端子341、
342を雄端子511、521に嵌合させて電流供給手
段3Aを本体2Aに取り付ける。次に、スイッチ33を
オンした後、被電解水を電解水生成装置1Aに通過させ
る。すなわち、被電解水を、第1チューブ81A、第1
通液口61A、内部空間4、第2通液口62A、第2チ
ューブ82Aと通過させる。このとき、電流供給手段3
Aにより、陽極51および陰極52で構成された電極
に、電流が供給される。
【0096】このため、被電解水は、内部空間4を通過
する際に、電極で電気分解され、例えば以下の式で示す
反応が起き、電解水(殺菌剤)が得られる。したがっ
て、内部空間4を通過し、第2チューブ82Aから流出
した水は、電解水となっている。 陽極側 : 2Cl- → Cl2 + 2e- 2Cl2(aq) + H2O ←→ H+ + Cl- + HClO 陰極側 : 2Na+ + 2H2O + 2e- → 2NaOH
+ H2↑ 生成された電解水は、殺菌力と殺ウイルス力を有してい
る。これは、生成された電解水には、例えば、次亜塩素
酸、塩素、次亜塩素酸イオン等の塩化物に代表されるハ
ロゲン化物、さらには、上式には示していないが、過酸
化水素、オゾンなどの殺菌作用を有する成分が含まれて
おり、このような成分が微生物の細胞膜や原形質、さら
には、微生物やウイルスの核酸、酵素などと反応するた
めと考えられる。
【0097】なお、被電解水を電解水生成装置1Aに通
過させる際の流速は、電解水生成装置1Aが有する電極
に流れる電流、電極の表面積等の種々の条件により異な
るが、1〜1000mL/分程度が好ましく、10〜10
0mL/分程度がより好ましい。流速がこの範囲内である
と、得られる電解水濃度を、殺菌、殺ウイルスおよび後
述するバイオフィルムの除去に、より適したものとする
ことができる。
【0098】なお、電気分解を行う際に、電極に印加す
る電圧は、特に限定されないが、1〜42V程度が好ま
しく、1.5〜9V程度がより好ましい。印加する電圧
がこの範囲を下まわると、効率よく電解水を生成できな
い場合があり、一方、この範囲を超えると、感電による
生体への影響、もしくは、発熱等が生じ、電解水生成装
置1Aを好適に使用できない場合があるからである。
【0099】また、電気分解を行う際に、電極に流す電
流は、特に限定されないが、前記と同様の理由から、1
〜1000mA程度が好ましく、10〜100mA程度がよ
り好ましい。
【0100】また、陽極51(陰極52)の表面積をS
(cm2 )とし、電気分解を行う際に電極に流す電流をI
(mA)とした場合に、I/Sは、特に限定されないが、
0.5〜500mA/cm2 程度が好ましく、5〜50mA/
cm2 程度がより好ましい。I/Sをこの範囲内とする
と、より効率よく電解水を生成することができる。
【0101】また、被電解水を電解水生成装置1Aに通
過させる際の流速をF(mL/分)、電気分解を行う際に
電極に流す電流をI(mA)とした場合に、I/Fは、特
に限定されないが、0.001〜1000mA/(mL/
分)程度が好ましく、0.1〜10mA/(mL/分)程度
がより好ましい。I/Fがこの範囲内であると、得られ
る電解水濃度を、殺菌、殺ウイルスおよび後述するバイ
オフィルムの除去に、より適したものとすることができ
る。
【0102】以上述べたように、電解水生成装置1A
は、被電解水を電解水生成装置1Aに通過させるだけで
電解水が得られるので、流路を構成する管体の途中に設
置または接続するだけで、連続的に電解水を得ることが
できる。
【0103】また、電解水生成装置1Aは、無菌的に流
路を構成する管体の途中に設置または接続できるので、
電解水を無菌的に生成、供給することができる。
【0104】このようにして得られた電解水は、殺菌力
及び殺ウイルス力を有しているので医療用具をはじめと
する種々のものの殺菌、殺ウイルス、およびウイルスの
不活化に用いることができる。
【0105】また、得られた電解水は、これらの殺菌、
殺ウイルス作用により感染性を不活化したい場所に投
与、接触させるだけでよいので、電解水を用いると、殺
菌、殺ウイルス、およびウイルスの不活化を簡単に行う
ことができる。
【0106】しかも、電解水を無菌的に生成した場合
は、かかる電解水は微生物に汚染されていない。また、
電解水は人体等に対する毒性は低い。したがって、この
ような電解水は、生体に対して好適に用いることができ
る。
【0107】しかも、得られた電解水を殺菌に用いる
と、かかる電解水は、微生物を死滅させるのみならず、
バイオフィルムを減少させることができる。
【0108】例えば、Candida 属(C.albicans等)、Es
cherichia 属(E.coli等)、Pseudomonas 属(P.aerugi
nosa, P.alcaligenes, P.cepacia 等)、Staphy lococc
us属(S.epidermidis , S.hominis , S.aureus等)、Ye
rsinia属(Y.enterocolitica等)などに属する細菌をは
じめとして種々の微生物が、バイオフィルムを形成する
ことが知られている。
【0109】従来、かかるバイオフィルムを減少させ、
ひいては除去することは困難とされてきた。
【0110】しかし、本発明者は、被電解水を電気分解
して得られた電解水が、バイオフィルム中に生息する微
生物を殺し、さらには、従来除去困難であったバイオフ
ィルムを減少、ひいては除去する作用を有することを発
見した。
【0111】このため、被電解水を電気分解して生成さ
れた電解水を、バイオフィルムが形成された場所に投与
することにより、バイオフィルムを減少させ、ひいては
バイオフィルムを除去することができる。
【0112】したがって、得られた電解水は、バイオフ
ィルムを減少させる機能を有する殺菌剤として用いるこ
とができる。
【0113】なお、かかる殺菌剤には、エタノール、イ
ソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール系消
毒剤、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系消毒剤、ポビド
ンヨード等のヨウ素系消毒剤、グルコン酸クロルヘキシ
ジン等のビグアナイド系消毒剤、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム等の第4アンモニウム塩系消毒
剤、アルキルポリアミノエチルグリシン等の界面活性剤
系消毒剤、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過マンガン
酸カリウム、オゾン、過酢酸等の過酸化物系消毒剤など
をはじめとする各種消毒剤、抗生物質、合成または半合
成抗菌剤、銀、二酸化チタン等の抗菌性金属などの他の
有効成分を含有させることもできる。
【0114】なお、電解水を、バイオフィルムを減少さ
せる機能を有する殺菌剤として用いる場合には、本明細
書に記載の装置、方法で生成された以外の電解水、すな
わち、公知のいずれの装置、方法により得られた電解水
をも用いることができる。
【0115】なお、被電解水を電気分解して得られた電
解水は、電解水を物質の表面に形成されたバイオフィル
ムに一定時間(例えば10分間)接触させた場合に、か
かるバイオフィルム中の微生物(例えばPseudomonas ae
ruginosa)を、1×103 個/cm2 以上死滅させること
が可能なものであることが好ましく、1×105 個/cm
2 以上死滅させることが可能なものであることがより好
ましい。このような電解水を用いると、微生物の殺菌お
よびバイオフィルムを減少させる効率が、より向上す
る。
【0116】また、被電解水を電気分解して得られた電
解水は、バイオフィルムを形成することにより一般的な
抗生物質(例えばトブラマイシン)に対するMIC濃度
(最小阻止濃度)が高くなる微生物を死滅させることが
可能(殺菌可能)なものが好ましい。特に、電解水は、
バイオフィルムを形成することにより、MIC濃度がバ
イオフィルムの形成前に比べて2倍以上になる微生物を
死滅可能(殺菌可能)なものであることが好ましく、8
倍以上になる微生物を死滅可能なものであることがより
好ましい。電解水がこのような微生物を死滅可能である
と、バイオフィルムを減少させ、除去する効率が高ま
る。
【0117】また、被電解水を電気分解して得られた電
解水の電解水濃度は、特に限定されないが、3〜200
0ppm 程度であることが好ましく、3〜1000ppm 程
度であることがより好ましく、10〜300ppm 程度で
あることがさらに好ましい。電解水濃度がこの範囲内で
あると、微生物の殺菌、および、バイオフィルムを減少
させる効率がよく、なおかつ人体に対して与える影響を
少なくすることができる。
【0118】ここで、電解水濃度とは、被電解水を電気
分解することによって生成された殺菌作用を示す主要成
分(主要殺菌成分)の濃度をいう。例えば、被電解水が
塩化物イオンを含有している場合には、生成された電解
水中の前記主要殺菌成分としては、例えば塩化物(塩素
(溶存分子;Cl2(aq) )、次亜塩素酸(溶存分子;HCl
O)、次亜塩素酸イオン(ClO-))が挙げられる。この
場合、すなわち、被電解水が塩化物イオンを含有してい
る場合(生成された電解水中の主要殺菌成分が塩化物の
場合)には、電解水濃度は、生成された電解水中の残留
塩素濃度を指標として判断される。また、被電解水がハ
ロゲン化物イオンを含有している場合(生成された電解
水中の主要殺菌成分がハロゲン化物の場合)には、電解
水濃度は、生成された電解水中の残留ハロゲン化物濃度
を指標として判断される。
【0119】電解水のpHは、特に限定されないが、1〜
12程度が好ましく、4〜9程度がより好ましい。pHが
この範囲内であると、微生物の殺菌、殺ウイルスおよび
バイオフィルムを減少させる効率がよく、なおかつ人体
に対して与える影響を少なくすることができる。
【0120】また、生成した電解水の浸透圧は、特に限
定されないが、前記と同様の理由から、140〜570
Osm程度が好ましく、250〜350 Osm程度がより好
ましい。通常、生成した電解水の浸透圧は、被電解水の
浸透圧とほぼ等しいものとなる。
【0121】次に、本発明の電解水生成装置の第2実施
例について説明する。以下、電解水生成装置の第2実施
例について、第1実施例と相違する部分を中心に説明
し、共通する部分の説明は省略する。
【0122】図4は、本発明の電解水生成装置の第2実
施例を示す側面図、図5は、図4に示す電解水生成装置
の断面側面図、図6は、図5に示す電解水生成装置のB
−B線断面図である。以下の説明において、図4、5
中、右を「基端」といい、左を「先端」という。
【0123】図4〜6に示すように、本発明の電解水生
成装置1Bは、本体2Bと、かかる本体2Bから分離可
能な電流供給手段3Bとを有している。また、本体2B
は、内部空間4と、陽極51と陰極52とで構成される
電解手段と、通液口6Bと、押し子(容積増減手段)7
と、チューブ8Bとを有している。
【0124】本体2Bは、ほぼ円筒状の形状をなしてお
り、かかる本体2Bの内部には、被電解水が流入する内
部空間4が形成されている。
【0125】この内部空間4の容積は、電解水を必要か
つ十分に供給可能とし、さらには装置の小型化をも考慮
すると、0.1〜100mL程度であることが好ましく、
1〜50mL程度であることがより好ましい。
【0126】本体2Bの基端側には、図4、5中左右方
向、すなわち、本体2Bの軸方向に移動可能な押し子
(容積増減手段)7が設置されている。この押し子7の
先端側には、ゴム等の弾性部材で構成され、液密に摺動
可能なガスケット72が設けられている。このため、押
し子7を図4、5中左右方向に移動させることにより、
内部空間4の容積を増減させることができる。
【0127】この押し子7を移動させて内部空間4の容
積を増減させることにより、内部空間4の内圧を増減さ
せて、通液口6Bから液を注入、排出することができ
る。この押し子7の移動操作を容易に行うべく、押し子
7の基端側には、把持しやすいほぼ円盤状の把持部71
が設けられている。
【0128】また、本体2Bの先端側には、内部空間4
に連通する通液口6Bが設けられている。この通液口6
Bにより、被電解水をはじめとする種々の液体が内部空
間4に流出入可能となっている。
【0129】通液口6Bには、電解水生成装置1Aに用
いられるチューブと同様のチューブ8Bが、液密に接続
されている。このため、チューブ8Bは、チューブ無菌
接続装置等を用いることにより、他のチューブ(管体)
に無菌的に接続することができる。したがって、電解水
生成装置1Bを、例えば、クローズドシステム内のチュ
ーブ(管体)に接続して無菌的に使用することができ
る。
【0130】このチューブ8Bの端部801Bは、例え
ば融着等により封止されている。なお、本体2Bは、滅
菌が可能な材料で構成されている。したがって、本体2
Bには、滅菌処理を施すことができる。
【0131】また、内部空間4を画成する内壁41およ
び通液口6Bは、液密性を有する材料で一体的に形成さ
れている。しかも、内壁41と押し子7のガスケット7
2との間でも、液密性が確保されている。
【0132】このため、電解水生成装置1Bの内部空間
4は、液密性が確保されている。したがって、内部空間
4に外部から菌が侵入することが防止され、電解水生成
装置1Bは、密閉系で無菌的に電解水を生成することが
できる。
【0133】内部空間4を画成する内壁41には、被電
解水を電気分解する電解手段として一対の電極、すなわ
ち、陽極51と陰極52とが互いに対向して設けられて
いる。これら陽極51および陰極52は、層状であり、
その平面形状はほぼ長方形をなしている。
【0134】これら陽極51および陰極52の一部は、
内部空間4の液密性を確保しつつ内壁41を貫通して本
体2Aの外表面23に露出し、外表面23と連続した形
状の端子512および522を形成している。
【0135】陽極51および陰極52の内部空間4に露
出した表面積は、電気分解の効率および電解水生成装置
1Bの小型化を考慮すると、1〜50cm2 程度が好まし
く、2〜10cm2 程度がより好ましい。
【0136】電流供給手段3Bは、ほぼ箱型の形状をな
しており、電解手段に電流を供給する。この電流供給手
段3Bには、本体2Bの形状、大きさに対応した孔部3
5が形成されている。このため、電流供給手段3Bは、
本体2Bの先端側から基端側に挿入することが可能であ
る。
【0137】また、この電流供給手段3Bには、孔部3
5に連通し、本体2Bの軸と平行な切り欠き351が形
成されている。
【0138】一方、本体2Bの基端側には、本体2Bか
ら突出した突出部21が形成されている。そして、前記
切り欠き351は突出部21と対応した形状をなしてい
る。このため、切り欠き351は、突出部21と嵌合可
能である。
【0139】さらには、本体2Bの基端側には、電流供
給手段3Bと当接することにより、電流供給手段3Bの
基端方向への移動を規制するストッパー22が設けられ
ている。
【0140】電流供給手段3Bは、直流電流を供給可能
な電源31と、電解手段への印加電流を制御するレギュ
レーター32と、電解手段への電流の供給をオン・オフ
するスイッチ33と、電流供給手段3Aの孔部35内に
設けられた突起状の端子343、344とを有してい
る。
【0141】電流供給手段3Bを本体2Bに挿入し、切
り欠き351が突出部21に嵌合し、かつ、電流供給手
段3Bがストッパー22に当接すると、すなわち、電流
供給手段3Bを本体2Bに取り付けると、端子343が
端子512に、また、端子344が端子522に接触
し、端子343と端子512、および、端子344と端
子522は、それぞれ電気的に接続される。
【0142】したがって、電流供給手段3Bを本体2B
に取り付けると、電源31のプラス極は、レギュレータ
ー32と端子343と端子512とを介して、陽極51
に電気的に接続され、電源31のマイナス極は、スイッ
チ33と端子344と端子522とを介して、陰極52
に電気的に接続された状態となる。
【0143】電流供給手段3Bは、本体2Bから分離可
能である。したがって、本体2Bを滅菌するときには、
電流供給手段3Bを先端側に移動させることにより、電
流供給手段3Bを本体2Bから取り外し、本体2Bだけ
を滅菌することができる。これにより、電流供給手段3
Bが有する部材は、滅菌による腐食等が防止される。し
かも、本体2Bだけを滅菌するので、滅菌をする際の滅
菌装置も小型のものを用いることができ、滅菌する際の
取り扱いも容易となる。
【0144】以下、電解水生成装置1Bの使用方法の一
例について説明する。まず、必要に応じ、本体2Bに滅
菌処理を施す。
【0145】次に、電流供給手段3Bを本体2Bの先端
側から基端側に挿入し、切り欠き351を突出部21に
嵌合させることにより、電流供給手段3Bを本体2Bに
取り付ける。
【0146】次に、例えばチューブ無菌接続装置等を用
いて、チューブ8Bを他のチューブ(図示せず)に接続
する。かかる他のチューブは、例えば、被電解水が貯留
された容器に接続されている。
【0147】次に、押し子7を基端側に移動させる(以
下、単に「引く」という)。これにより、内部空間4の
内圧が減少し、前記他のチューブ、チューブ8B、通液
口6Bを介して、内部空間4に被電解水が流入する。
【0148】次に、スイッチ33をオンする。これによ
り、電流供給手段3Bの電源31から、陽極51および
陰極52で構成された電極に、電流が供給される。この
ため、内部空間4内に流入した被電解水は、電極で電気
分解される。これにより、内部空間4にて、被電解水か
ら、電解水が生成される。
【0149】このとき、被電解水に電圧を印加し電気分
解を行う時間は、種々の条件により異なってくるが、1
0秒〜20分程度が好ましく、1〜5分程度がより好ま
しい。電気分解をこの程度の時間行ったときに、殺菌力
および後述するバイオフィルムの除去に、より優れた電
解水を得ることができる。
【0150】次に、スイッチ33をオフした後、押し子
7を先端側に移動させる(以下、単に「押す」とい
う)。これにより、内部空間4の内圧が増大し、通液口
6B、チューブ8Bを介して、生成された電解水が、内
部空間4から流出する。
【0151】なお、電解水生成装置1Bは、次のように
使用することもできる。まず、例えばチューブ無菌接続
装置等を用いて、チューブ8Bを被電解水の貯留された
容器(図示せず)に接続する。次に、押し子7を引いて
被電解水を内部空間4に吸引する。次に、チューブシー
ラー等を用いて、チューブ8Bを封止しつつ切断する。
これにより、チューブ8Bの端部が封止されつつチュー
ブ8Bが切断される。次に、本体2Bに電流供給手段3
Bを取り付ける。次に、スイッチ33をオンして電気分
解を行い電解水を生成する。次に、スイッチ33をオフ
した後、電流供給手段3Bを本体2Bから取り外す。次
に、内部空間4に電解水を貯留したまま本体2Bを滅菌
に供する。次に、例えばチューブ無菌接続装置等を用い
て、チューブ8Bを他のチューブ(図示せず)に接続す
る。次に、押し子7を押して、電解水を、内部空間4か
ら前記他のチューブに流出させる。
【0152】これにより、滅菌された電解水を得ること
ができる。このように、電解水生成装置2Bでは、容積
増減手段を有するため、内部空間4に能動的に被電解水
を供給する手段を外部に設けなくてもよい。したがっ
て、電解水生成装置2Bを他の器具(例えば医療器具)
に接続した場合に、かかる器具の構成を簡易なものとす
ることができる。
【0153】なお、上記実施例では内部空間4の容積を
増減させる容積増減手段として、押し子を用いたが、押
し子の代わりに例えば蛇腹、ローラーポンプ等を用いて
もよい。
【0154】次に、本発明の電解水生成装置の第3実施
例について説明する。以下、電解水生成装置の第3実施
例について、第1実施例と相違する部分を中心に説明
し、共通する部分の説明は省略する。
【0155】図7は、本発明の電解水生成装置の第3実
施例を示す断面側面図である。本発明の電解水生成装置
1Cは、本体2Cと、かかる本体2Cから分離可能な電
流供給手段3Aとを有している。なお、電流供給手段3
Aについては、電解水生成装置1Aのものとほぼ同様で
あるので、図7では、その記載を省略した。本体2C
は、内部空間4と、陽極51と陰極52とで構成される
電解手段と、第1通液口61Aと、第2通液口62A
と、第1チューブ81Aと、第2チューブ82Aと、気
泡除去手段9Cとを有している。
【0156】気泡除去手段9Cは、生成された電解水を
はじめとして、内部空間4を通過する種々の液体中の気
泡を除去することが可能である。この気泡除去手段9C
は、親水性フィルター91と、疎水性フィルター92と
を有している。
【0157】親水性フィルター91は、内部空間4の第
2通液口62Aの近傍に設置されている。この親水性フ
ィルター91は、内部空間4を、第1通液口61Aに連
通する第1の空間42と、第2通液口62Aに連通する
第2の空間43とに画成するように張設されている。
【0158】この親水性フィルター91は、気体は透過
させないが液体は透過させることができる。
【0159】親水性フィルター91の上面(親水性フィ
ルター91近傍の気泡が上昇するところ)には、疎水性
フィルター92が液密に設置されている。この疎水性フ
ィルター92の一方の面は、内部空間4の第1の空間4
2に露出し、他方の面は、本体2Aの外表面23に露出
している。
【0160】この疎水性フィルター92は、液体は透過
させないが気体は透過させることができる。このため、
内部空間4の液密性は確保されている。
【0161】したがって、第1通液口61Aから内部空
間4の第1の空間42に流入した液体は、親水性フィル
ター91を透過し、第2の空間43を通り、第2通液口
62Aから流出する。このとき、すなわち、液体が親水
性フィルター91を透過するとき、かかる液体中の気泡
は、親水性フィルター91を透過することができない。
このため、気泡は、親水性フィルター91の近傍から上
面側に移動する。そして、気泡は、疎水性フィルター9
2を透過して、電解水生成装置1Cの外部に出る。ゆえ
に、第2通液口62Aからは、気泡が除去された液体が
流出する。
【0162】なお、親水性フィルター91は、本体2C
の軸と垂直な線に対し、一定の角度θを形成して、すな
わち、テーパ角θを形成して設置されている。これによ
り、親水性フィルター91上に位置する気泡は、本体2
Cの上面側に効率よく移動し、疎水性フィルター92か
ら効率よく外部に放出されるようになる。
【0163】このテーパ角θは、特に限定されないが、
30〜90°程度が好ましく、45〜85°程度がより
好ましい。テーパ角θがこの範囲内であると、気泡が本
体2Cの上面側に、より効率よく移動する。
【0164】以上、気泡除去手段9Cを例えば水平にし
て使用される場合を例に説明したが、気泡除去手段9C
を例えば垂直(鉛直)にして使用される場合、前述した
テーパ角θは、その設置の状態(状況)に応じて適宜選
択される。
【0165】なお、親水性フィルター91は、例えば、
セルロース、セルロース混合エステル、セルロースアセ
テートなどの親水性素材で構成されている。また、疎水
性フィルター92は、例えば、テフロン、テフロンと不
織布のラミネートなどの疎水性素材で構成されている。
【0166】この電解水生成装置1Cは、電解水生成装
置1Aと同様に使用することができる。以上述べたよう
に、電解水生成装置1Cは、気泡除去手段9Cを有して
いるので、電気分解で気泡が生じた場合や、電解水生成
装置1Cに流入した液体に気泡が含まれていた場合で
も、かかる気泡を除去することができる。
【0167】次に、本発明の電解水生成装置の第4実施
例について説明する。以下、電解水生成装置の第4実施
例について、第1実施例と相違する部分を中心に説明
し、共通する部分の説明は省略する。
【0168】図8は、本発明の電解水生成装置の第4実
施例を示す断面側面図である。
【0169】本発明の電解水生成装置1Dは、本体2D
と、かかる本体2Dに接続された気泡除去手段9Dと、
本体2Dから分離可能な電流供給手段3Aとを有してい
る。なお、電流供給手段3Aについては、電解水生成装
置1Aのものとほぼ同様であるので、図8では、その記
載を省略した。本体2Dは、内部空間4と、陽極51と
陰極52とで構成される電解手段と、第1通液口61A
と、第2通液口62Aと、第1チューブ81Aとを有し
ている。
【0170】気泡除去手段9Dは、生成された電解水を
はじめとして、本体2Dを通過する種々の液体の気泡を
除去することが可能である。この気泡除去手段9Dは、
ほぼ球状のハウジング97と、かかるハウジング97の
内部に設けられた親水性フィルター91と、ハウジング
97の上面に設けられた疎水性フィルター92と、ハウ
ジング97から突出し、本体2Dの第2通液口62Aに
液密に接続された流入口93と、ハウジング97から突
出した流出口94と、かかる流出口94に液密に接続さ
れた第2チューブ82Dとを有している。
【0171】ハウジング97と、流入口93と、流出口
94とは、例えば液密性を有する材料で一体的に形成さ
れている。このような材料としては、例えば、本体2A
に用いられるものと同様のものが挙げられる。
【0172】また、ハウジング97は、滅菌に供するこ
とが可能である。このため、電解水生成装置1Dは、本
体2Dに気泡除去手段9Dを接続した状態で、滅菌に供
することができる。
【0173】親水性フィルター91は、ハウジング97
の内部を、流入口93に連通する第1の空間95と、流
出口94に連通する第2の空間96とに画成するよう
に、ハウジング97内部に張設されている。
【0174】この親水性フィルター91は、気体は透過
させないが液体は透過させることができる。
【0175】親水性フィルター91の上面(親水性フィ
ルター91近傍の気泡が上昇するところ)には、疎水性
フィルター92が液密に設置されている。この疎水性フ
ィルター92の一方の面は、ハウジング97内部の第1
の空間95に露出し、他方の面は、ハウジング97の外
表面に露出している。
【0176】この疎水性フィルター92は、液体は透過
させないが気体は透過させることができる。このため、
ハウジング97内部の液密性は確保されている。
【0177】したがって、流入口93からハウジング9
7内部の第1の空間95に流入した液体は、親水性フィ
ルター91を透過し、第2の空間96を通り、流出口9
4から流出する。このとき、すなわち、液体が親水性フ
ィルター91を透過するとき、かかる液体中の気泡は、
親水性フィルター91を透過することができない。この
ため、気泡は、親水性フィルター91の近傍から上面側
に移動する。そして、気泡は、疎水性フィルター92を
透過して、電解水生成装置1Dの外部に出る。ゆえに、
流出口94からは、気泡が除去された液体が流出する。
【0178】なお、親水性フィルター91は、流入口9
3と流出口94とを結ぶ軸と垂直な線に対し、一定の角
度θを形成して、すなわち、テーパ角θを形成して設置
されている。これにより、親水性フィルター91上に位
置する気泡は、ハウジング97の上面側に効率よく移動
し、疎水性フィルター92から効率よく外部に放出され
るようになる。
【0179】このテーパ角θは、特に限定されないが、
前述した電解水生成装置1Cの気泡除去手段9Cのもの
と同様のものとすることができる。テーパ角θをこの範
囲内にすると、気泡がハウジング97の上面側に、より
効率よく移動する。
【0180】なお、親水性フィルター91および疎水性
フィルター92の材料には、前記電解水生成装置1Cに
用いられるものと同様のものが用いられる。
【0181】第2チューブ82Dは、電解水生成装置1
Aの第2チューブ82Aと同様なものとなっている。
【0182】このように、電解水生成装置1Dでは、本
体2Dの内部空間4と気泡除去手段9Dのハウジング9
7の内部との間で、液密性が確保されている。したがっ
て、かかる空間に外部から菌が侵入することが防止され
る。このため、電解水生成装置1Dは、密閉系で無菌的
に電解水を生成することができる。
【0183】この電解水生成装置1Dは、電解水生成装
置1Aと同様に使用することができる。
【0184】なお、電解水生成装置1Dでは、気泡除去
手段9Dは、本体2Aから着脱可能である。したがっ
て、電解水生成装置1Dを通過した液体中の気泡を除去
する必要がない場合には、気泡除去手段9Dを取り外し
て使用することもできる。
【0185】以上述べたように、電解水生成装置1D
は、気泡除去手段9Dを有しているので、電気分解で気
泡が生じた場合や、電解水生成装置1Dに流入した液体
に気泡が含まれていた場合でも、かかる気泡を除去する
ことができる。
【0186】なお、以上述べた実施例では、電流供給手
段にレギュレーターを設けたが、レギュレーターは設け
なくともよい。
【0187】また、以上述べた実施例では、電解水生成
装置が有する本体の通液口に接続されていたチューブ
は、融着により封止されていたが、かかるチューブは他
の封止手段、例えば、クランプ(クレンメ)、三方活
栓、鉗子等により封止されていてもよい。
【0188】なお、上述した実施例では、電解水生成装
置が有するチューブを、チューブ無菌接続装置を用いて
他のチューブに接続したが、電解水生成装置が有するチ
ューブは、パイプ、ガラス管、接続部が管状であるコネ
クター、三方活栓等種々の管体に接続することができ
る。
【0189】上述した電解水生成装置を例えばクローズ
ドシステムを有する医療器具に使用した場合、電解水生
成装置をクローズドシステム内の管体の途中に無菌的に
設置または接続して、無菌的に電解水を生成することが
できる。したがって、上述した電解水生成装置を用いる
ことにより、クローズドシステム内を外部からの微生物
汚染の危険性にさらすことなく、殺菌を行うことができ
る。
【0190】また、上述したように、電解水は、人体等
に対する毒性は低い。したがって、かかる医療器具が、
生体内に留置され、または、生体内に連通するように使
用される医療器具(例えば、腹腔カテーテル、静脈用カ
テーテル、胆道カテーテル、尿路カテーテル、ネブライ
ザーなど)を含む場合でも、上述した電解水生成装置
は、好適に使用することができる。
【0191】ところで、このような生体内に留置され、
または、生体内に連通するように使用される医療器具に
は、バイオフィルムが形成されやすい。
【0192】このような場合でも、電解水は上述したよ
うな機能を有しているので、上述したような電解水生成
装置を用いると、かかるバイオフィルムを減少、ひいて
は除去することができる。
【0193】このとき、例えば、クローズドシステム内
の、生体内に液体を注入する管体(チューブ)や、生体
内から液体を排出する管体(チューブ)の途中に電解水
生成装置を設置または接続して、電解水を供給すること
ができる。このような管体としては、例えば、生体内に
留置され、または、生体内に連通するように使用される
医療器具に連通するチューブなどが挙げられる。
【0194】以下、上述した電解水生成装置を医療器具
に使用する方法、および、上述した電解水生成装置を有
する医療器具について説明する。図9は、上述した電解
水生成装置が用いられる腹膜透析システムの第1例を示
す回路図である。
【0195】図9に示すように、腹膜透析システム11
Aは、腹膜透析を行う医療器具であり、その内部は、ク
ローズドとなっており、無菌性が保たれている。この腹
膜透析システム11Aは、腹膜透析セット12Aと、腹
腔内に連通している腹腔ライン17とを有している。
【0196】腹膜透析セット12Aは、腹膜透析を行う
際に腹腔内に必要な液(例えば透析液)を供給、あるい
は、腹腔内から不要な液(例えば透析液排液)を排出す
るための医療器具である。腹膜透析セット12Aは、透
析液ライン13Aを有し、かかる透析液ライン13A
は、透析液容器132と、一端が透析液容器132に接
続された透析液チューブ131と、透析液チューブ13
1の他端に設けられたジョイント181と、透析液チュ
ーブ131の途中に設置されたポンプ(ローラーポン
プ)135とを有している。
【0197】透析液チューブ131は、腹腔内に投与す
る透析液の流路となる。この透析液チューブ131は、
可とう性を有し、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、シリコ
ーンゴム、ポリウレタンなどの軟質樹脂で構成されてい
る。
【0198】このため、透析液チューブ131は、チュ
ーブ無菌接続装置を用いることにより、他のチューブ
(管体)に無菌的に接続することができる。したがっ
て、例えば、電解水生成装置1Aを、無菌的に、透析液
チューブ131の途中に設置することができる。
【0199】この透析液チューブ131の一端は、透析
液(腹膜透析液)が貯留された透析液容器132に接続
されている。
【0200】この透析液容器132は、例えば、ポリ塩
化ビニル等の軟質樹脂製の可とう性を有するシート材を
重ね、その周縁を融着または接着し、袋状としたバッグ
で構成されている。
【0201】透析液チューブ131の他端に設けられた
ジョイント181は、取り外し可能に、腹腔ライン17
の一端に設けられたコネクター18に接続されている。
このため、腹膜透析セット12Aは、通常、コネクター
18から分離しており、必要時にのみ、コネクター18
に接続して使用することができる。
【0202】透析液チューブ131の途中に設けられた
ポンプ(送液手段)135は、透析液チューブ131内
の液を能動的に送液することができる。このため、ポン
プ135により、例えば透析液等を能動的に腹腔内に注
入、または、腹腔内から排出することができる。
【0203】腹腔ライン17は、腹腔内に液体を注入、
または、腹腔内から液体を排出する際の流路(ライン)
となる。この腹腔ライン17は、トランスファーチュー
ブ171と、かかるトランスファーチューブ171の一
端に設けられたコネクター18と、トランスファーチュ
ーブ171の途中に設置されたローラークランプ172
と、トランスファーチューブ171の他端に設けられた
ジョイント173と、主要部が腹腔内(図示せず)に留
置された管状の腹腔カテーテル175と、腹腔カテーテ
ルの一端に設けられ、ジョイント173に接続されたジ
ョイント174とを有している。
【0204】トランスファーチューブ171は、例え
ば、前述した透析液チューブ131と同様の材料で構成
されている。
【0205】このトランスファーチューブ171の途中
に設置されたローラークランプ(流量調整手段)172
は、ローラー179を有しており、かかるローラーを所
定角度回転させることにより、トランスファーチューブ
171を流れる液の流量を調整、および、液の流路の遮
断を行うことができる。
【0206】ジョイント173は、ジョイント174に
接続されている。これらジョイント173、174を介
することにより、互いに材質および径の異なるトランス
ファーチューブ171と腹腔カテーテル175とが無菌
的に接続されている。
【0207】腹腔カテーテル175は、腹腔内に連通し
ている。したがって、かかる腹腔カテーテル175か
ら、液が腹腔内に流出入する。
【0208】この腹腔カテーテル175は、生体に与え
る影響が少なく、かつ、長期間生体内に留置できる材料
で構成されている。このような材料としては、例えば、
シリコーン、フッ素系樹脂などが挙げられる。
【0209】しかし、この腹腔カテーテル175を長期
間生体内に留置すると、腹腔カテーテル175の表面に
バイオフィルムが形成される場合がある。このような場
合、上述したような電解水生成装置を用いることによ
り、殺菌を行うことはもちろんのこと、バイオフィルム
を減少、除去することができる。
【0210】以下、腹膜透析システム11Aを使用しつ
つ、電解水生成装置1Aを用い、透析液(腹膜透析液)
を被電解水として、殺菌を行う方法について説明する。
【0211】まず、腹膜透析セット11Aの透析液チュ
ーブ131の途中に、電解水生成装置1Aを設置する。
これは、例えば次のようにして行うことができる。ま
ず、チューブシーラー等を用いて、形成される2個の端
部をそれぞれ封止しつつ、透析液チューブ131を途中
で切断する。次に、チューブ無菌接続装置を用いて、電
解水生成装置1Aの第1通液口61Aが透析液容器13
2に連通するように、電解水生成装置1Aの第1チュー
ブ81Aを、切断された一方の透析液チューブ131に
接続する。次に、チューブ無菌接続装置を用いて、電解
水生成装置1Aの第2通液口62Aが腹腔ライン17に
連通するように、電解水生成装置1Aの第2チューブ8
2Aを、切断された他方の透析液チューブ131に接続
する。
【0212】これにより、図10に示すように、透析液
ライン13Aの途中に電解水生成装置1Aが設置された
腹膜透析セット12A’を有する腹膜透析システム11
A’が得られる。このように、電解水生成装置1Aを、
チューブ無菌接続装置を用いて透析液チューブに接続す
ることにより、電解水生成装置1Aを無菌的に腹膜透析
セット12Aに組み込むことができる。したがって、腹
膜透析システム11A’では、内部の無菌性が維持され
ている。以下、透析液ライン13Aにおいて、電解水生
成装置1Aから透析液容器132に連通するチューブを
「透析液チューブ131」、電解水生成装置1Aからコ
ネクター18に連通するチューブ(被電解水が供給され
るライン)を「透析液チューブ131’」という。
【0213】次に、ローラークランプ172を開き、さ
らには、ポンプ135を始動させて、透析液を、透析液
容器132から、透析液チューブ131、電解水生成装
置1A、透析液チューブ131’、コネクター18、ト
ランスファーチューブ171、ジョイント173、17
4、腹腔カテーテル175を介して、腹腔内に注入す
る。
【0214】適宜、ポンプ135の設定と、ローラー1
79の回転角度を調整することにより、透析液の流速を
調整することができる。また、ポンプ135を始動させ
るとともに、電解水生成装置1Aのスイッチ33をオン
する。
【0215】これにより、透析液が電解水生成装置1A
を通過する際に、透析液が電気分解されて、電解水が生
成される。すなわち、電解水生成装置1Aを通過した透
析液は、電解水を含有している。
【0216】上述したように、電解水は、殺菌作用を有
するとともに、バイオフィルムを減少させる作用を有す
る。
【0217】したがって、電解水の流路となる透析液チ
ューブ131’、コネクター18、トランスファーチュ
ーブ171、ジョイント173、174、腹腔カテーテ
ル175の内壁が殺菌されるとともに、かかる場所に形
成されたバイオフィルムを減少させ、ひいては除去する
ことができる。さらには、透析液が流入する腹腔内も殺
菌され、仮に腹腔内に留置された腹腔カテーテルの外表
面にバイオフィルムが形成されていた場合でも、かかる
バイオフィルムを減少させ、除去することができる。し
かも、電解水は、人体に対しての毒性は非常に低い。こ
のため、電解水が体内に入っても、人体に与える影響は
少ない。
【0218】よって、この方法によれば、人体に対して
安全に、しかも非常に効果的に、殺菌をし、さらには、
バイオフィルムを減少、除去することができる。
【0219】さらには、この方法によれば、透析液を腹
膜内に注入する操作を行いつつ殺菌およびバイオフィル
ムの除去を行うことができるので、わざわざ殺菌および
バイオフィルムの除去を行うために、特別の操作等を行
う必要がなくなる。このため、この方法によれば、腹膜
透析を行うに際して、腹腔カテーテル等を容易に殺菌で
きるようになるとともに、腹腔カテーテル等に形成され
たバイオフィルムも容易に除去できる。
【0220】なお、上述した使用例では、腹膜透析セッ
ト12Aが有しているチューブ131に、チューブ無菌
接続装置を用いて電解水生成装置1Aを接続したが、あ
らかじめ、例えば図10に示すような、電解水生成装置
が設置された腹膜透析セット12A’を用意してもよ
い。このような腹膜透析セットを用いると、電解水生成
装置を使用する際に、腹膜透析セットに電解水生成装置
を組み込む必要がなくなるので、操作が簡略になる。
【0221】また、次のように腹膜透析セットに電解水
生成装置を組み込んで使用してもよい。まず、被電解水
として透析液を、電解水生成装置1Bの内部空間4に注
入する。次に、電流供給手段3Bのスイッチ33をオン
して電気分解を行い、電解水を生成する。次に、チュー
ブ無菌接続装置を用いて電解水生成装置1Bのチューブ
8Bを腹膜透析セット11Aの透析液チューブ131に
接続する。これにより、電解水生成装置1Bが、透析液
ライン13Bに接続される。次に、押し子7を押し、電
解水(透析液)を腹腔内に注入する。
【0222】また、電解水として、電気分解された生理
食塩水も好適に用いることができる。この場合、電解水
として、電気分解された生理食塩水を腹腔カテーテル1
75内に注入した後、一定時間放置し、その後、電解水
生成装置1Bの押し子7を引いて、電解水を吸引、回収
することができる。
【0223】このように、電解水生成装置1Bを腹膜透
析セット12Aに接続すると、腹腔内に注入する電解水
の量を抑制しつつ、電解水を腹腔カテーテル175内に
満たすことが容易となる。これにより、電解水の腹腔内
への流入を最小限に抑えつつ、腹腔カテーテル175の
内側表面に形成されたバイオフィルムを減少させ、殺菌
することができる。しかも、この操作は、電解水生成装
置1Bの押し子7の移動量を調整することにより簡単に
行うことができる。
【0224】図11は、上述した電解水生成装置が用い
られる腹膜透析システムの第2例を示す回路図である。
【0225】図11に示すように、腹膜透析システム1
1Bは、腹膜透析を行う医療器具であり、その内部は、
クローズドとなっており、無菌性が保たれている。この
腹膜透析システム11Bは、腹膜透析セット12Bと、
腹腔内に連通している腹腔ライン17とを有している。
以下、腹膜透析システム11Bについて、腹膜透析シス
テム11Aとの相違点を中心に説明し、共通する事項に
ついては、説明を省略する。
【0226】腹膜透析セット12Bは、腹膜透析を行う
際に腹腔内に必要な液を供給、あるいは、腹腔内から不
要な液を排出するための医療器具である。腹膜透析セッ
ト12Bは、チューブ15と、透析液ライン13Bと、
排液ライン14と、チューブ15と透析液ライン13B
と排液ライン14とが接続されたコネクター16と、チ
ューブ15の一端に設けられたジョイント181と、端
部が封止されたチューブに接続された透析液容器132
とを有している。
【0227】透析液ライン13Bは、生理食塩水が貯留
された生理食塩水容器133と、一端が生理食塩水容器
133に接続され他端がコネクター16に接続された透
析液チューブ131と、透析液チューブ131の途中に
設置されたクランプ136とを有している。
【0228】透析液チューブ131は、腹腔内に投与す
る透析液の流路となるとともに、電解水または被電解水
の流路となる。
【0229】この透析液チューブ131は、チューブ無
菌接続装置を用いることにより、他のチューブ(管体)
に無菌的に接続することができる。したがって、例え
ば、電解水生成装置1Aを、無菌的に、透析液チューブ
131の途中に設置することができる。
【0230】生理食塩水容器133は、透析液容器13
2と同様の材料で構成されている。この透析液ライン1
3Bでは、透析液チューブ131の途中に設けられたク
ランプ(開放・遮断手段)136を開放、閉塞すること
により、透析液チューブ131内の流路を、開放、遮断
することができる。
【0231】排液ライン14は、透析液排液等が貯留さ
れる排液容器142と、一端が排液容器142に接続さ
れ他端がコネクター16に接続された排液チューブ14
1と、排液チューブ141の途中に設置されたクランプ
143とを有している。
【0232】排液チューブ141は、腹腔内から透析液
排液を排出する際の流路となる。この排液チューブ14
1は、透析液チューブ131と同様の材料で構成されて
いる。排液容器142は、透析液容器132と同様の材
料で構成されている。
【0233】この排液ライン14では、排液チューブ1
41の途中に設けられたクランプ(開放・遮断手段)1
43を開放、閉塞することにより、排液チューブ141
内の流路を、開放、遮断することができる。
【0234】チューブ15の一端に設けられたジョイン
ト181は、取り外し可能に、腹腔ライン17の一端に
設けられたコネクター18に接続されている。このた
め、腹膜透析セット12Bは、通常、コネクター18か
ら分離しており、必要時にのみ、コネクター18に接続
して使用することができる。
【0235】また、チューブ15の他端は、コネクター
16を介して透析液ラインおよび排液ラインに接続され
ている。したがって、チューブ15は、透析液、電解水
(生理食塩水)および透析液排液の流路となる。
【0236】透析液容器132は、透析液を貯留してい
る。この透析液容器132は、端部が封止されたチュー
ブに接続されているため、どことも接続されておらず、
その内部は無菌性が保たれている。腹腔内に透析液を注
入する際には、透析液容器132に接続されたチューブ
を、チューブ無菌接続装置等を用いて透析液チューブ1
31に接続することにより、透析液を送液する。
【0237】このような腹膜透析システム11Bは、ス
タンド19を用いて使用すると、好適に使用できる。こ
のスタンド19は、床等に設置可能であり、また、透析
液容器132、生理食塩水容器133、排液容器142
等の容器を吊り下げることが可能なフック191を有し
ている。このフック191は、腹腔カテーテル175が
留置された腹腔よりも高いところに位置する。したがっ
て、このフック191に容器を吊り下げることにより、
落差を利用して液を、容器から腹腔内に送液できるよう
になる。
【0238】以下、腹膜透析システム11Bを用いて透
析液(腹膜透析液)を交換する際に、電解水生成装置1
Aを用い、殺菌を行う方法の一例について説明する。
【0239】なお、以下の操作を行う前に、あらかじ
め、クランプ136、143、ローラークランプ172
は、閉じておく(閉塞しておく)ものとする。まず、電
解水生成装置1Aの本体2Aに対して滅菌を行う。
【0240】本体2Aの内部空間4は、もともと密閉さ
れているので、無菌状態が保たれているが、この滅菌操
作を行うことにより、内部空間4の滅菌をより確実なも
のとすることができる。なお、この滅菌操作は行わなく
てもよい。
【0241】次に、電解水生成装置1Aを、チューブ無
菌接続装置を用いて、透析液チューブ131の途中に設
置する(腹膜透析システム11A(図9)の説明におけ
る同様の操作を参照)。このとき、第1通液口61Aが
生理食塩水容器133に、第2通液口62Aがコネクタ
ー16に連通するように、電解水生成装置1Aを設置す
る。
【0242】これにより、図12に示すように、透析液
ライン13Bの途中に電解水生成装置1Aが設置された
腹膜透析セット12B’を有する腹膜透析システム11
B’が得られる。このように、電解水生成装置1Aを、
チューブ無菌接続装置を用いて透析液チューブに接続す
ることにより、電解水生成装置1Aを無菌的に腹膜透析
セット12Bに組み込むことができる。したがって、腹
膜透析システム11B’では、内部の無菌性が維持され
ている。以下、透析液ライン13Bにおいて、電解水生
成装置1Aから生理食塩水容器133に連通するチュー
ブを「透析液チューブ131」、電解水生成装置1Aか
らコネクター18に連通するチューブ(被電解水が供給
されるライン)を「透析液チューブ131’」という。
【0243】次に、図12に示すように、生理食塩水容
器133をスタンド19のフック191に吊り下げ、排
液容器142を床に置く。換言すれば、排液容器142
よりも腹腔が高くなるように、腹腔よりも生理食塩水容
器133が高くなるように、これらを位置させる。
【0244】次に、ローラークランプ172とクランプ
143を開く。ローラークランプ172とクランプ14
3を開くと、腹腔と排液容器142の高低差により、腹
腔内に存在する透析液排液が、腹腔カテーテル175、
ジョイント174、173、トランスファーチューブ1
71、コネクター18、チューブ15、コネクター1
6、排液チューブ141を通り、排液容器142内に流
入し、貯留される。
【0245】適宜、ローラー179の回転角度を調整す
ることにより、透析液排液の流速を調整することができ
る。
【0246】次に、クランプ143を閉じてから、電解
水生成装置1Aのスイッチ33をオンし、クランプ13
6を開く。クランプ136を開くと、生理食塩水容器1
33と腹腔の高低差により、生理食塩水容器133内に
貯留されていた生理食塩水が、透析液チューブ131、
電解水生成装置1A、透析液チューブ131’、コネク
ター16、チューブ15、コネクター18、トランスフ
ァーチューブ171、ジョイント173、174、腹腔
カテーテル175を通り、腹腔内に流入する。
【0247】このとき、具体的には、生理食塩水が電解
水生成装置1Aを通過する際に、生理食塩水が電気分解
されて、電解水が生成される。このため、電解水生成装
置1Aを通過した透析液は、電解水となっている。
【0248】次に、電解水が腹腔内に流入したら、電解
水生成装置1Aのスイッチ33をオフし、ローラークラ
ンプ172を閉じて、電解水を腹腔内に一定時間留置す
る。
【0249】この留置時間は、特に限定されないが、1
〜300分程度が好ましく、5〜10分程度がより好ま
しい。留置時間をこの範囲内とすると、殺菌およびバイ
オフィルムの除去を十分行うことができ、かつ、透析液
の交換に長時間を要することもなくなる。
【0250】次に、ローラークランプ172とクランプ
143を開く。ローラークランプ172とクランプ14
3を開くと、腹腔内に貯留された電解水が、前記と同様
にして腹腔ライン17、チューブ15を通り、排液ライ
ン14の排液容器142に貯留される。
【0251】この一連の操作により、電解水の流路とな
ったところ、および、腹腔内が殺菌される。次に、クラ
ンプ136と143を閉じる。次に、チューブ無菌接続
装置等を用いて、透析液容器132を透析液チューブ1
31に無菌的に接続する。
【0252】次に、クランプ136を開く。これによ
り、前記と同様に、透析液が、透析液チューブ131、
電解水生成装置1A、透析液チューブ131’、コネク
ター16、チューブ15、コネクター18、腹腔ライン
17を通り、腹腔内に流入する。
【0253】次に、ローラークランプ172を閉じ、ジ
ョイント181をコネクター18から分離して、腹膜透
析セット12B’を腹腔ライン17から分離する。以上
で、透析液の交換が終了する。
【0254】また、以下の方法でも、透析液を交換しつ
つ、電解水を生成し、好適に電解水の流路および腹腔内
を殺菌できる。以下に示す方法では、排液容器142
を、電解水を一時的に貯留する容器として用い、生理食
塩水容器133を、生理食塩水の貯留と排液の貯留に兼
用する。
【0255】以下の操作を行う前に、あらかじめ、クラ
ンプ136、143、ローラークランプ172は、閉じ
ておく(閉塞しておく)ものとする。まず、電解水生成
装置1Aの本体2Aに対して滅菌を行う。これにより、
前記と同様の効果が得られる。
【0256】次に、電解水生成装置1Aを、前記と同様
にして、透析液チューブ131の途中に設置する。これ
により、図12に示すように、透析液ライン13Bの途
中に電解水生成装置1Aが設置された腹膜透析セット1
2B’を有する腹膜透析システム11B’が得られる。
このように、電解水生成装置1Aを、チューブ無菌接続
装置を用いて透析液チューブに接続することにより、電
解水生成装置1Aを無菌的に腹膜透析セット12に組み
込むことができる。したがって、腹膜透析システム1
1’では、内部の無菌性が維持されている。以下、透析
液ライン13Bにおいて、電解水生成装置1Aから生理
食塩水容器133に連通するチューブを「透析液チュー
ブ131」、電解水生成装置1Aからコネクター18に
連通するチューブを「透析液チューブ131’」とい
う。
【0257】次に、図12に示すように、生理食塩水容
器133をスタンド19のフック191に吊り下げ、排
液容器142を床に置く。換言すれば、排液容器142
よりも腹腔が高くなるように、腹腔よりも生理食塩水容
器133が高くなるように、これらを位置させる。
【0258】次に、電解水生成装置1Aのスイッチ33
をオンし、クランプ136と143を開く。
【0259】クランプ136と143を開くと、生理食
塩水容器133と排液容器142の高低差により、生理
食塩水容器133内の生理食塩水が、透析液チューブ1
31、電解水生成装置1A、透析液チューブ131’、
コネクター16、排液チューブ141を通り、排液容器
142内に流入し、貯留される。
【0260】このとき、具体的には、生理食塩水が電解
水生成装置1Aを通過する際に、生理食塩水が電気分解
されて、電解水が生成される。このため、電解水生成装
置1Aを通過した透析液は、電解水となっている。した
がって、排液容器142には、電解水が貯留される。
【0261】次に、電解水生成装置1Aのスイッチ33
をオフしてから、クランプ136および143を閉じ、
図13に示すように、電解水が貯留された排液容器14
2をスタンド19のフック191に吊り下げ、空になっ
た生理食塩水容器133を床に置く。
【0262】次に、ローラークランプ172と、クラン
プ136を開く。ローラークランプ172とクランプ1
36を開くと、腹腔と生理食塩水容器133の高低差に
より、腹腔内に存在する透析液排液が、腹腔カテーテル
175、ジョイント174、173、トランスファーチ
ューブ171、コネクター18、チューブ15、コネク
ター16、透析液チューブ131’、電解水生成装置1
A、透析液チューブ131を通り、生理食塩水容器13
3内に流入し、貯留される。
【0263】次に、クランプ136を閉じ、クランプ1
43を開ける。これにより、排液容器142内に貯留さ
れた電解水が、排液チューブ141、コネクター16、
チューブ15、コネクター18、トランスファーチュー
ブ171、ジョイント173、174、腹腔カテーテル
175を通り、腹腔内に流入する。次に、ローラークラ
ンプ179を閉じ、腹腔内に電解水が流入した状態で一
定時間放置する。
【0264】次に、ローラークランプ172とクランプ
136を開く。ローラークランプ172とクランプ13
6を開くと、腹腔内に貯留された電解水が、前記と同様
にして腹腔ライン17、チューブ15を通り、透析液ラ
イン13Bの生理食塩水容器133に貯留される。
【0265】この一連の操作により、電解水の流路とな
ったところ、および、腹腔内が殺菌される。
【0266】次に、クランプ136および143を閉じ
る。次に、チューブ無菌接続装置等を用いて、透析液容
器132を排液チューブ141に無菌的に接続する。
【0267】次に、クランプ136を開く。これによ
り、前記と同様に、透析液が、排液チューブ141、コ
ネクター16、チューブ15、コネクター18、腹腔ラ
イン17を通り、腹腔内に流入する。
【0268】次に、ローラークランプ172を閉じ、ジ
ョイント181をコネクター18から分離して、腹膜透
析セット12B’を腹腔ライン17から分離する。以上
で、透析液の交換が終了する。
【0269】このように、電解水をあらかじめ生成して
排液容器142に貯留しておくことにより、電解水生成
時に発生した気体(気泡)が排液容器142の上方に貯
留される。このため、排液容器142から電解水を供給
する際に、かかる気体が排液容器142から流出するこ
とを非常に容易に防止することができる。したがって、
このような方法によれば、エアーベントフィルター(気
泡除去手段)を用いなくても、容易に電解水中から気泡
を除去することができる。すなわち、非常に容易に、気
泡を含まない電解水を生体内に供給することができる。
【0270】また、透析液チューブ131と排液チュー
ブ141の長さを一定とすることで、落差を利用した被
電解水の流速を、より一定に維持できるようになる。こ
のため、電解水の生成条件を一定に保つことが可能にな
る。すなわちこの場合、ポンプを用いなくても、容易に
一定条件の電解水の生成が可能になる。
【0271】なお、上述した使用例では、透析液チュー
ブ131に電解水生成装置を設置または接続したが、電
解水生成装置を透析液チューブ131以外の他の管体、
例えば、トランスファーチューブ171、排液チューブ
141、チューブ15などに接続または設置してもよ
い。
【0272】図14は、上述した電解水生成装置が用い
られる血液バッグセットの一例を示す回路図である。
【0273】図14に示すように、血液バッグセット2
00は、血液成分の分離、移送を行うための医療器具で
あり、採血バッグ(第1のバッグ)210と、血漿バッ
グ(第2のバッグ)220と、バフィーコートバッグ
(第3のバッグ)230と、薬液貯留バッグ(第4のバ
ッグ)240とをそれぞれ所定のチューブで連結した4
連バッグである。
【0274】採血バッグ210は、例えば、ポリ塩化ビ
ニル等の軟質樹脂製の可とう性を有するシート材を重
ね、その周縁を融着または接着し、袋状としたバッグ本
体211を有する。
【0275】この採血バッグ210には、採血血液が収
納される。また、この採血バッグ210は、赤血球を保
存する赤血球バッグとしても兼用される。
【0276】バッグ本体211の上部には、ピールタブ
により開封可能に封止された排出口214と、封止部材
217とが設けられ、さらに、可とう性を有するチュー
ブ215および216の一端がそれぞれ接続されてい
る。これらの排出口14、チューブ15、16および封
止部材17の内部は、いずれもバッグ本体211の内部
213に連通している。
【0277】チューブ215の他端には、ハブ251を
介して採血針252が装着されている。また、ハブ25
1には、採血針252を被包するキャップ253が装着
される。これらのチューブ215、ハブ251、採血針
252およびキャップ253により、採血ラインが構成
される。
【0278】封止部材217には、可とう性を有するチ
ューブ218の一端が接続され、チューブ218の他端
は、ト字状の分岐コネクタ219を介してチューブ22
5の一端と接続されている。これらのチューブ218お
よび225により、第1のチューブが構成される。な
お、封止部材217は、破断前はその内部流路が閉塞さ
れているが、破断すると内部流路が開通する。
【0279】血漿バッグ220は、例えば、ポリ塩化ビ
ニル等の軟質樹脂製の可とう性を有するシート材を重
ね、その周縁を融着または接着し、袋状としたバッグ本
体221を有する。
【0280】バッグ本体221の上部には、ピールタブ
により開封可能に封止された2つの輸血用の排出口22
4と、さらにその側部には、バッグ本体221の内部2
23に連通するようにチューブ225の他端が接続され
ている。これにより封止部材217の流路開通時に、採
血バッグ210の内部213と血漿バッグ220の内部
223とが、封止部材217、チューブ218、225
および分岐コネクタ219を介して連通する。
【0281】バフィーコートバッグ230は、例えば、
ポリ塩化ビニル等の軟質樹脂製の可とう性を有するシー
ト材を重ね、その周縁を融着または接着し、袋状とした
バッグ本体231を有する。
【0282】バッグ本体231の上部中央には、破断前
はその内部流路が閉塞されているが、破断すると内部流
路が開通する封止部材234が設けられている。この封
止部材234の上端側には、チューブ216の他端が接
続され、封止部材234の内部流路は、バッグ本体23
1の内部233と連通している。これにより、封止部材
234の流路開通時に、採血バッグ210の内部213
とバフィーコートバッグ230の内部233とが、封止
部材234およびチューブ216を介して連通する。
【0283】薬液供給バッグ240は、例えば、ポリ塩
化ビニル等の軟質樹脂製の可とう性を有するシート材を
重ね、その周縁を融着または接着し、袋状としたバッグ
本体241を有する。
【0284】バッグ本体241の上部には、ピールタブ
により開封可能に封止された2つの排出口244が形成
され、さらにその側部には、バッグ本体241の内部2
43に連通する前記と同様の封止部材245が設けられ
ている。この封止部材245の上端側には、可とう性を
有するチューブ246の一端が接続され、チューブ24
6の他端は、分岐コネクタ219を介してチューブ21
8および225の端部とそれぞれ接続されている。これ
により、封止部材217および245の流路開通時に、
採血バッグ210の内部213と、薬液貯留バッグ24
0の内部243と、血漿バッグ220の内部223と
が、封止部材217、245、チューブ218、22
5、246および分岐コネクタ219を介してそれぞれ
連通する。
【0285】本実施例では、バッグ本体241の内部2
43に所定量の赤血球保存液247が貯留されている。
この赤血球保存液としては、例えば、S.A.G.M.
液(塩化ナトリウム:0.877 W/V%、アデニン:
0.169 W/V%、ブドウ糖:0.818 W/V%、D−
マンニトール:0.525 W/V%を含む水溶液)、OP
TISOL液、ADSOL液、MAP液などが挙げられ
る。
【0286】なお、採血バッグ210内には、あらかじ
め抗凝固剤が入れられていることが好ましい。この抗凝
固剤としては、例えば、ACD−A液、CPD液、CP
DA−1液、ヘパリンナトリウム液などが挙げられる。
【0287】また、バフィーコートバッグ230内に
は、あらかじめ血小板保存液が入れられていてもよい。
この血小板保存液としては、例えば、生理食塩水、GA
C液、PAS液、PSM−1液、Synthetic Storage Me
diumなどが挙げられる。
【0288】以下、血液バッグセット200を用いて血
液成分の分離、移送を行う際に、電解水生成装置1Aを
用い、血液成分を殺菌する方法の一例について説明す
る。
【0289】まず、採血針252を血管に穿刺し、チュ
ーブ215を介して、あらかじめ抗凝固剤が入れられて
いる採血バッグ210の内部213に採血血液を導入す
る。
【0290】採血バッグ210内への採血終了後、チュ
ーブ215の途中を例えばチューブシーラー等を用いて
融着により封止し、この封止部を切断して採血針252
側のチューブを分離、除去する。
【0291】次に、採血バッグ210、血漿バッグ22
0、バフィーコートバッグ230および薬液供給バッグ
240を束ね、各バッグの底部を下側にして遠心分離機
の遠心カップに入れ、遠心分離を施す。
【0292】このような遠心分離により、採血バッグ2
10の内部213に貯留された血液は、上層から血漿
層、バフィーコート層および赤血球層のほぼ3層に分離
された状態となる(図示せず)。
【0293】遠心分離後、血液バッグセット200を遠
心カップから静かに取り出す。次に、チューブ216の
途中をクランプ等で挟持して閉塞し、封止部材217の
内部流路を開通させ、採血バッグ210を徐々に圧迫す
る。これにより、上層の血漿は、開封された封止部材2
17から排出され、チューブ218、分岐コネクタ21
9およびチューブ225を経て血漿バッグ220の内部
223に移送、回収される。採血バッグ210内におい
て、バフィーコート層と血漿層との界面が内部213の
上部に到達したら、この血漿の移送を停止する。
【0294】次に、チューブ218の途中をクランプ等
で挟持して閉塞し、チューブ216の閉塞を解除すると
ともに、前述したようにして封止部材234の内部流路
を開通させ、採血バッグ210をさらに圧迫する。これ
により、中間層のバフィーコートは、チューブ216お
よび開封された封止部材234を経てバフィーコートバ
ッグ230の内部233に移送、回収される。採血バッ
グ210内において、赤血球層とバフィーコート層との
界面が内部213の上部に到達したら、このバフィーコ
ートの移送を停止する。
【0295】次に、チューブ無菌接続装置等を用いて、
電解水生成装置1Aを、チューブ246の途中に無菌的
に設置する。このとき、第1通液口61Aを薬液供給バ
ッグ240に連通するように、第2通液口62Aを採血
バッグ210に連通するように接続する。
【0296】次に、電解水生成装置1Aのスイッチ33
をオンする。次に、チューブ216の途中を再びクラン
プ等で閉塞し、チューブ218の閉塞を解除するととも
に、封止部材245の内部流路を開通させ、薬液供給バ
ッグ240を圧迫するかまたは採血バッグ210よりも
高所へ置く。これにより、薬液供給バッグ240の内部
243に貯留されている赤血球保存液247が、開封さ
れた封止部材245から排出され、チューブ246、分
岐コネクタ219、チューブ218および開封された封
止部材217を経て採血バッグ210の内部213に移
送される。
【0297】このとき、すなわち、赤血球保存液247
が電解水生成装置1Aを通過する際に、赤血球保存液2
47が電気分解され電解水が生成される。
【0298】赤血球保存液247の全量が採血バッグ2
10内へ移送されたら、チューブ216、218および
225の途中をそれぞれ融着により封止し、これらの封
止部を切断して、採血バッグ210、血漿バッグ22
0、バフィーコートバッグ230および薬液貯留バッグ
240をそれぞれ分離する。これにより、赤血球、血漿
およびバフィーコートがそれぞれ密封状態で収納された
採血バッグ210、血漿バッグ220およびバフィーコ
ートバッグ230が得られる。
【0299】採血バッグ210内へ移送された赤血球保
存液247は、電解水を含有しているので、採血バッグ
210内の赤血球は、殺菌される。これにより、採血バ
ッグ210内の赤血球を輸血等する際に、ウイルス汚染
等が防止される。
【0300】なお、上述した使用例では、電解水生成装
置1Aをチューブ246の途中に設置したが、電解水生
成装置1Aを、例えばチューブ215、216、218
または225の途中に設置してもよい。このとき、本発
明の電解水生成装置は、血液や血液成分を被電解水とし
て、電気分解を行うことができる。しかもこの場合、電
解水生成装置を通過した血液や血液成分は電解水を含有
しているので、かかる血液や血液成分中で殺菌がなさ
れ、新たに殺菌処理を施す等の手間を省くことができ
る。
【0301】また、あらかじめ電解水生成装置1Bに赤
血球保存液247を貯留し、赤血球保存液247を被電
解水として、電解水を生成しておき、血液バッグセット
200の使用時に、チューブ無菌接続装置を用いて電解
水生成装置1Bのチューブ8Bを血液バッグセット20
0のチューブ246に無菌的に接続することにより電解
水生成装置1Bをチューブ256に無菌的に接続し、電
解水生成装置1Bの押し子7を押すことにより、電解水
を含有する赤血球保存液247を、採血バッグ210内
に供給してもよい。
【0302】また、血漿バッグ220やバフィーコート
バッグ230の代わりに、チューブ216や225に電
解水生成装置1Bを設置し、かかる電解水生成装置1B
の内部空間4内に血漿やバフィーコートを貯留し、かか
る血漿やバフィーコートを被電解水として電気分解を行
い、血漿やバフィーコートに電解水を生成、含有させ、
血漿やバフィーコートの殺菌を行ってもよい。
【0303】このように、本発明の電解水生成装置を血
液バッグセットに用いることにより、血液製剤中の微生
物を死滅させたり、感染力を不活化することができる。
したがって、血液や血液成分の処理に本発明の電解水生
成装置を用いると、より安全な血液製剤等を得ることが
できる。
【0304】以上、本発明を添付図面に示す好適実施例
に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0305】例えば、上記実施例では、電解水生成装置
を密閉系で無菌的に使用したが、開放系で非無菌的に使
用してもよい。
【0306】また、上記実施例では、電解水生成装置を
使用した医療器具として、腹膜透析システム(腹膜透析
セット)および血液バッグセットを例に説明したが、電
解水生成装置を他の医療器具(例えば、歯科研磨タービ
ン、コンタクトレンズの殺菌洗浄器(流水型)、ネブラ
イザーなど)の殺菌、殺ウイルス、さらにはバイオフィ
ルムの除去に用いることもできる。
【0307】
【実施例】[1.1]図1〜3に示すような電解水生成
装置1Aを用いて以下の実験を行った。
【0308】なお、用いた電解水生成装置1Aの各電極
の内部空間に露出した表面積はそれぞれ6.2cm2 、電
極間距離は0.3cmとした。内部空間4の容積は、2mL
であった。
【0309】まず、図9に示すような腹膜透析システム
11Aに用いられる腹腔カテーテル(シリコーン製、外
径5.0mm、内径2.5mm、長さ400mm)175を用
意した。そして、この腹腔カテーテル175の内表面
に、1×106 個/cm2 の緑膿菌(Pseudomonas aerugi
nosa(ATCC27853 ))が生息するバイオフィルムを、in
vitroで形成させた。
【0310】このバイオフィルムは、腹腔カテーテル1
75を灌流培養装置中の流路にセットし、この灌流培養
装置にPseudomonas aeruginosa(ATCC27853 )を1×1
6個添加して、37℃で1週間灌流培養することによ
り形成させた。なお、培養液(灌流液)には、透析液排
液(腹膜透析液(テルモ社製「ペリトリック135」)
をヒト腹腔内に5時間留置したもの)を用いた。
【0311】次に、腹腔カテーテル175をラットの腹
腔内に留置し、そして、図9に示すような腹膜透析シス
テム11Aを組み立てた。なお、透析液容器132に
は、透析液(テルモ社製「ペリトリック135」;浸透
圧339 Osm、塩化物イオン(Cl- )濃度105.5mE
q/L)を、500mL貯留した。
【0312】次に、この腹膜透析システム11Aが有す
る腹膜透析セット12Aのチューブ131に、電解水生
成装置1Aを、チューブ無菌接続装置を用いて無菌的に
接続、設置した。このとき、第1通液口61Aが透析液
容器132に連通するように、第2通液口62Aが腹腔
内に連通するように設置した。なお、腹膜透析システム
11Aに電解水生成装置1Aを接続する前に、電解水生
成装置1Aの本体2Aには、あらかじめ湿熱滅菌を施し
ておいた。
【0313】これにより、図10に示すような腹膜透析
システム11A’を得た。
【0314】次に、電解水生成装置1Aのスイッチ33
をオンし、さらには、ローラークランプ18を開き、ポ
ンプ135を始動させた。同時に、透析液がチューブ1
31を30mL/分の流速で通過するように、すなわち、
透析液が電解水生成装置1Aを30mL/分の流速で通過
するように、ポンプ135を設定した。なお、電解水生
成装置1Aの陽極51、陰極52に印加した電圧は9V
であり、流れた電流は20mAであった。また、I/Sは
10mA/cm2 であり、I/Fは0.67mA/(mL/分)
であった。
【0315】これにより、透析液が、透析液容器132
から、透析液チューブ131、電解水生成装置1A、透
析液チューブ131’、トランスファーチューブ17
1、腹腔カテーテル175を介して、腹腔内に流入し
た。なお、ラットの腹腔内には、透析液を15mL注入し
た。
【0316】なお、透析液が電解水生成装置1Aを通過
した際に生成された電解水の電解水濃度は、10ppm で
あった。なお、本実施例のように、生成された電解水
(殺菌剤)の主要殺菌成分が塩化物の場合、電解水濃度
は、残留塩素濃度で表すことができる。
【0317】次に、電解水を含有する透析液をすべて腹
腔内に注入した後、電解水生成装置1Aのスイッチ33
をオフし、透析液を、腹腔内に1分間貯留させた。
【0318】次に、ポンプ135を操作し、腹腔内か
ら、腹腔カテーテル175、トランスファーチューブ1
71、透析液チューブ131’、電解水生成装置1A、
透析液チューブ131と通過させ、透析液容器132
に、電解水を吸引、回収した。その後、腹腔カテーテル
175を腹腔内から取り出し、その表面を、オルトトル
イジンブルーにより染色した。その結果、腹腔カテーテ
ル175の表面は、非常に薄い水色に呈色した。また、
腹腔カテーテル175の表面を調べたところ、細菌数
(緑膿菌数)はほぼ0となっていた。
【0319】一方、電解水を生成しなかった以外は、本
実施例と同様にして用意し、本実施例と同様の操作を行
った腹腔カテーテル(コントロール群)についても、そ
の表面をオルトトルイジンブルーにより染色した。その
結果、濃紺色に呈色した。また、この腹腔カテーテルの
表面を調べたところ、細菌数(緑膿菌数)は、灌流培養
後の細菌数からほとんど減少していなかった。
【0320】これにより、電解水を用いると、電解水の
有する殺菌力に加えて、バイオフィルムを減少させ、ひ
いては除去することが可能なことが確認された。
【0321】なお、補足すると、オルトトルイジンブル
ーは、緑膿菌のバイオフィルムの構成成分であるアルギ
ン酸を染色する作用を有している。このため、緑膿菌の
バイオフィルムは、オルトトルイジンブルーにより染色
される。
【0322】[1.2]各条件を以下のように変え、前
記[1.1]と同様の実験を行った。
【0323】用いた電解水生成装置1Aの各電極の内部
空間に露出した表面積をそれぞれ2.4cm2 、電極間距
離は0.3cmとした。また、透析液容器132には、生
理食塩水(テルモ社製;浸透圧283 Osm)を、500
mL貯留した。
【0324】また、透析液容器132内の生理食塩水
が、電解水生成装置1Aを30mL/分の流速で通過する
ように、ポンプ135を設定した。また、電解水生成装
置1Aの陽極51、陰極52には、6Vの電圧を印加
し、40mAの電流を流した。なお、I/Sは、16.7
mA/cm2 であり、I/Fは、1.3mA/(mL/分)であ
った。
【0325】生理食塩水が電解水生成装置1Aを通過し
た際に生成された電解水の電解水濃度は、10ppm であ
った。また、電解水生成装置1Aで生成された電解水の
pHは、7.7であった。これらの条件以外は、前記
[1.1]と同様にして実験を行った。
【0326】その後、前記と同様に、腹腔内から取り出
した腹腔カテーテル175の表面を、オルトトルイジン
ブルーにより染色した。その結果、腹腔カテーテル17
5の表面は、非常に薄い水色に呈色した。また、腹腔カ
テーテル175の表面を調べたところ、細菌数(緑膿菌
数)はほぼ0となっていた。
【0327】これにより、電解水を用いると、電解水の
有する殺菌力に加えて、バイオフィルムを減少させ、ひ
いては除去することが可能なことが確認された。
【0328】[1.3]図4〜6に示すような電解水生
成装置1Bを用いて以下の実験を行った。
【0329】なお、用いた電解水生成装置1Bの各電極
の内部空間に露出した表面積はそれぞれ3.0cm2 、電
極間距離は1.7cmとした。また、内部空間4の容積を
5mLとした。
【0330】まず、図9に示すような腹膜透析システム
11Aに用いられる腹腔カテーテル(シリコーン製、径
5.0mm、内径2.5mm、長さ400mm)175を用意
した。そして、この腹腔カテーテル175の内表面に、
前記と同様にして、1×10 6 個/cm2 の緑膿菌(Pseu
domonas aeruginosa(ATCC27853 ))が生息するバイオ
フィルムを、in vitroで形成させた。
【0331】次に、この腹腔カテーテル175を、ラッ
トの腹腔内に留置し、そして、図9に示すものに類似の
腹膜透析システム11Aを組み立てた。なお、チューブ
131の先端は、透析液容器132に接続せず、融着に
より封止されていたこと以外は、本実施例の腹膜透析シ
ステムは、腹膜透析システム11Aと同様の構成であっ
た。
【0332】次に、チューブ8Bの端部801Bが開放
している電解水生成装置1Bの内部空間4に、生理食塩
水(テルモ社製)を10mL吸引したのち、チューブ8B
の端部801Bを融着により封止した。
【0333】次に、電流供給手段3Bのスイッチ33を
オンし、陽極51、陰極52に6Vの電圧を1分間印加
した。流れた電流は40mAであった。また、I/Sは、
20mA/cm2 であった。
【0334】生成された電解水の電解水濃度は、30pp
m であった。また、生成された電解水のpHは、7.7で
あった。
【0335】次に、内部空間4に電解水を貯留した電解
水生成装置1Bの本体2Bに対し、湿熱滅菌を行った。
【0336】次に、腹膜透析システム11Aが有する腹
膜透析セット12Aのチューブ131に、チューブ無菌
接続装置を用いてチューブ8Bをチューブ131に接続
することにより、電解水生成装置1Bを、チューブ13
1に無菌的に接続、設置した。
【0337】次に、ローラークランプ18を開き、電解
水生成装置1Bの本体2Bが有する押し子7を押した。
【0338】これにより、電解水生成装置1Bの内部空
間4に貯留されていた電解水(生理食塩水)の大部分
が、電解水生成装置1B、透析液チューブ131、トラ
ンスファーチューブ171、腹腔カテーテル175を通
り、腹腔内に流入した。
【0339】次に、電解水をすべて腹腔内に注入した
後、電解水を、腹腔内に1分間貯留させた。
【0340】次に、電解水生成装置1Bの本体2Bが有
する押し子7を引いた。これにより、電解水が、腹腔内
から、腹腔カテーテル175、トランスファーチューブ
171、透析液チューブ131’を通り、電解水生成装
置1Bの内部空間4内に吸引、回収された。その後、前
記と同様に、腹腔内から取り出した腹腔カテーテル17
5の表面を、オルトトルイジンブルーにより染色した。
その結果、腹腔カテーテル175の表面は、非常に薄い
水色に呈色した。また、腹腔カテーテル175の表面を
調べたところ、細菌数(緑膿菌数)はほぼ0となってい
た。
【0341】これにより、電解水を用いると、電解水の
有する殺菌力に加えて、バイオフィルムを減少させ、ひ
いては除去することが可能なことが確認された。
【0342】[2.1]電解水のpHとバイオフィルム中
の微生物の殺菌効果との相関、および、電解水濃度とバ
イオフィルム中の微生物の殺菌効果との相関について詳
細に調べた。
【0343】まず、腹腔カテーテル(シリコーン製、外
径5.0mm、内径2.5mm)を用意した。そして、この
腹腔カテーテルの内表面に、前記と同様にして、1×1
5個/cm2 の緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa(ATCC2
7853 ))が生息するバイオフィルムを、in vitroで形
成させた。この緑膿菌は、バイオフィルムを形成するこ
とにより、抗生物質トブラマイシン(感受性あり)に対
するMIC濃度が16倍となった。
【0344】次に、このバイオフィルムが形成された腹
腔カテーテルを、滅菌済みメスを用い、1cm間隔で輪切
りした。
【0345】次に、各濃度(3、10、100、100
0ppm )の電解水および生理食塩水(コントロール群)
について、表1〜5に示すような各pHに調整したもの1
mLを、それぞれ5個ずつ(1、5、30、60、120
分用)用意した。
【0346】次に、前記輪切りにした各腹腔カテーテル
片を、表1〜4に示すような各濃度の各pHに調整したそ
れぞれの電解水(1、5、30、60、120分用)中
に1個ずつ静置した。また、コントロール群として、生
理食塩水についても同様の操作を行った。
【0347】それぞれ1、5、30、60、120分経
過時に、順次、電解水の殺菌活性を失活させるために、
5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を10mL添加した。
【0348】5%チオ硫酸ナトリウム水溶液添加後、腹
腔カテーテルの内側表面を綿棒でかき取り、これを培養
に供して、生菌数を測定した。この結果を、下記表1〜
4に示す。また、コントロール群として、生理食塩水を
用いて同様の操作を行った結果を表5に示す。
【0349】
【表1】
【0350】
【表2】
【0351】
【表3】
【0352】
【表4】
【0353】
【表5】
【0354】これらの表に示すように、電解水濃度が3
ppm の電解水では、非常に好適に微生物を死滅させられ
ることが分かった。また、電解水濃度が10ppm 以上の
電解水では、すべてのpHの範囲内で、1分以内にバイオ
フィルム中の微生物を死滅させられることが分かった。
【0355】[2.2]本発明の電解水生成装置により
生成した電解水を、緑膿菌が形成したバイオフィルムに
作用させた。そして、電解水による殺菌効果およびバイ
オフィルムの除去能を調べた。
【0356】まず、前記[2.1]と同様の腹腔カテー
テルを用意した。そして、この腹腔カテーテルの内表面
に、前記と同様にして、1.55×106 個/cm2 の緑
膿菌(Pseudomonas aeruginosa(ATCC27853 ))が生息
するバイオフィルムを、in vitroで形成させた。この緑
膿菌は、バイオフィルムを形成することにより、抗生物
質トブラマイシン(感受性あり)に対するMIC濃度が
16倍となった。
【0357】次に、このバイオフィルムが形成された腹
腔カテーテルを、滅菌済みメスを用い、1cm間隔で7
個、輪切りにした。なお、そのうちの1個はコントロー
ル用に使用した。
【0358】次に、pH8.5、電解水濃度(すなわち残
留塩素濃度)300ppm に調整した電解水1mLを6個
(1、5、10、30、60、120分用)用意した。
次に、前記輪切りにした各腹腔カテーテル片を、各電解
水中に1個ずつ静置し、それぞれ、電解水と反応させ
た。
【0359】その後、1、5、10、30、60、12
0分経過時に、順次、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液を
10mL添加し、前記と同様にして、生菌数をそれぞれ測
定した。この結果を、図15に示す。さらに、前記と同
様に、腹腔カテーテル片の内側表面を、オルトトルイジ
ンブルーにより染色した。その結果を、図16に示す。
また、緑膿菌バイオフィルムの形態変化を図17〜19
に示す。なお、図17〜19は、走査型電子顕微鏡写真
(SEM写真)であり、倍率は2500倍である。ただ
し、120分後の緑膿菌バイオフィルムの形態について
は5000倍も添付した。
【0360】図15に示すように、電解水を作用させる
と、1分以内に、緑膿菌をほぼ死滅させることができる
ことが確認された。また、図16に示すように、電解水
を作用させると、バイオフィルムを経時的に減少、ひい
ては除去することができることが確認された。さらに
は、図17〜19からも、電解水を作用させると、菌体
が確認されなくなり、しかも、バイオフィルムが分解さ
れることも確認された。
【0361】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電解水生成
装置によれば、電解水を無菌的に得ることができる。
【0362】これにより、例えば、かかる電解水生成装
置を腹膜透析セット等の医療器具の内部の殺菌に用いた
場合に、その内部に微生物汚染等を引き起こすことな
く、微生物学的に安全に殺菌を行うことができる。
【0363】しかも、本発明の電解水生成装置は、流路
を構成する管体の途中に設置または接続して、電解水を
連続的に生成することができるので、生成された電解水
を、二次的な器具を用いて、殺菌を目的とする部位に移
送する必要がなくなる。このため、本発明によれば、ク
ローズドシステム内で無菌的に電解水を生成することが
容易となる。
【0364】また、電解水を含有する殺菌剤をバイオフ
ィルムに対して用いることにより、バイオフィルムを減
少させ、ひいては除去することができる。
【0365】しかも、本発明によれば、短時間でバイオ
フィルムを減少、ひいては除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解水生成装置の第1実施例を示す側
面図である。
【図2】図1に示す電解水生成装置の断面側面図であ
る。
【図3】図1に示す電解水生成装置のA−A線断面図で
ある。
【図4】本発明の電解水生成装置の第2実施例を示す側
面図である。
【図5】図4に示す電解水生成装置の断面側面図であ
る。
【図6】図5に示す電解水生成装置のB−B線断面図で
ある。
【図7】本発明の電解水生成装置の第3実施例を示す断
面側面図である。
【図8】本発明の電解水生成装置の第4実施例を示す断
面側面図である。
【図9】本発明の電解水生成装置の第1の使用方法を説
明するための回路図である。
【図10】本発明の腹膜透析システムの第1実施例を示
す回路図である。
【図11】本発明の電解水生成装置の第2の使用方法を
説明するための回路図である。
【図12】本発明の腹膜透析システムの第2実施例を示
す回路図である。
【図13】本発明の腹膜透析システムの第2実施例を示
す回路図である。
【図14】本発明の電解水生成装置の第3の使用方法を
説明するための回路図である。
【図15】本発明の実施例において、電解水作用下での
緑膿菌数の経時変化を示したグラフである。
【図16】本発明の実施例において、電解水作用下での
アルギン酸量の経時変化を示したグラフである。
【図17】走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)であ
る。
【図18】走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)であ
る。
【図19】走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)であ
る。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D 電解水生成装置 2A、2B、2C、2D 本体 21 突出部 22 ストッパー 23 外表面 3A、3B 電流供給手段 31 電源 32 レギュレーター 33 スイッチ 341 雌端子 342 雌端子 343 端子 344 端子 35 孔部 351 切り欠き 4 内部空間 41 内壁 411 側壁 42 第1の空間 43 第2の空間 51 陽極 511 雄端子 512 端子 52 陰極 521 雄端子 522 端子 61A 第1通液口 62A 第2通液口 6B 通液口 7 押し子 71 把持部 72 ガスケット 81A 第1チューブ 811A 端部 82A、82D 第2チューブ 821A、821D 端部 8B チューブ 801B 端部 9C 気泡除去手段 91 親水性フィルター 92 疎水性フィルター 93 流入口 94 流出口 95 第1の空間 96 第2の空間 97 ハウジング 11A、11A’、11B、11B’ 腹膜透析システ
ム 12A、12A’、12B、12B’ 腹膜透析セット 13A、13B 透析液ライン 131、131’ 透析液チューブ 132 透析液容器 133 生理食塩水容器 135 ポンプ 136 クランプ 14 排液ライン 141 排液チューブ 142 排液容器 143 クランプ 15 チューブ 16 コネクター 17 腹腔ライン 171 トランスファーチューブ 172 ローラークランプ 173 ジョイント 174 ジョイント 175 腹腔カテーテル 179 ローラー 18 コネクター 181 ジョイント 19 スタンド 191 フック 200 血液バッグセット 210 採血バッグ 211 バッグ本体 213 内部 214 排出口 215 チューブ 216 チューブ 217 封止部材 219 分岐コネクタ 220 血漿バッグ 221 バッグ本体 223 内部 224 排出口 230 バフィーコートバッグ 231 バッグ本体 233 内部 234 封止部材 240 薬液貯留バッグ 241 バッグ本体 243 内部 244 排出口 245 封止部材 251 ハブ 252 採血針 253 キャップ

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被電解水を電気分解して電解水を生成可
    能であり、流路を構成する管体の途中に設置または接続
    して使用される電解水生成装置であって、 前記被電解水が流入する内部空間と、該内部空間に連通
    する複数の通液口と、前記被電解水を電気分解する電解
    手段とを有する本体と、 前記電解手段に電流を供給する電流供給手段とを有する
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  2. 【請求項2】 被電解水を電気分解して電解水を生成可
    能であり、流路を構成する管体に接続して使用される電
    解水生成装置であって、 前記被電解水が流入する内部空間と、該内部空間に連通
    する通液口と、前記内部空間の容積を増減させる容積増
    減手段と、前記被電解水を電気分解する電解手段とを有
    する本体と、 前記電解手段に電流を供給する電流供給手段とを有する
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  3. 【請求項3】 前記容積増減手段は、押し子である請求
    項2に記載の電解水生成装置。
  4. 【請求項4】 前記通液口は、未使用時に封止手段によ
    り封止されている請求項1ないし3のいずれかに記載の
    電解水生成装置。
  5. 【請求項5】 前記封止手段は、一端部が封止されたチ
    ューブである請求項4に記載の電解水生成装置。
  6. 【請求項6】 前記チューブは、チューブ無菌接続装置
    により前記管体に無菌的に接続可能である請求項5に記
    載の電解水生成装置。
  7. 【請求項7】 前記管体は、生体内に液体を注入するも
    の、または、生体内から液体を排出するものである請求
    項1ないし6のいずれかに記載の電解水生成装置。
  8. 【請求項8】 前記内部空間の容積が0.1〜100mL
    である請求項1ないし7のいずれかに記載の電解水生成
    装置。
  9. 【請求項9】 前記電解手段は、前記内部空間に露出し
    た電極を有する請求項1ないし8のいずれかに記載の電
    解水生成装置。
  10. 【請求項10】 前記電極の前記内部空間に露出した表
    面積は0.1〜50cm2 である請求項9に記載の電解水
    生成装置。
  11. 【請求項11】 前記電流供給手段は、前記本体から分
    離可能である請求項1ないし10のいずれかに記載の電
    解水生成装置。
  12. 【請求項12】 前記本体は、滅菌して使用可能である
    請求項1ないし11のいずれかに記載の電解水生成装
    置。
  13. 【請求項13】 前記流路を通過する液体中の気泡を除
    去する気泡除去手段を有する請求項1ないし12のいず
    れかに記載の電解水生成装置。
  14. 【請求項14】 前記被電解水が貯留された容器に接続
    して使用される請求項1ないし13のいずれかに記載の
    電解水生成装置。
  15. 【請求項15】 前記被電解水は、浸透圧が140〜5
    70 Osmである請求項1ないし14のいずれかに記載の
    電解水生成装置。
  16. 【請求項16】 前記被電解水は、ハロゲン化物イオン
    を含有する請求項1ないし15のいずれかに記載の電解
    水生成装置。
  17. 【請求項17】 生成された前記電解水の電解水濃度が
    3〜2000ppm である請求項1ないし16のいずれか
    に記載の電解水生成装置。
  18. 【請求項18】 生成された前記電解水のpHは、1〜1
    2である請求項1ないし17のいずれかに記載の電解水
    生成装置。
  19. 【請求項19】 生成された前記電解水は、腹腔内に注
    入される請求項1ないし18のいずれかに記載の電解水
    生成装置。
  20. 【請求項20】 生成された前記電解水は、バイオフィ
    ルムを減少させる機能を有する請求項1ないし19のい
    ずれかに記載の電解水生成装置。
  21. 【請求項21】 生成された前記電解水は、生体内留置
    物に形成されたバイオフィルムを減少させるように使用
    される請求項1ないし20のいずれかに記載の電解水生
    成装置。
  22. 【請求項22】 前記生体内留置物は、腹腔カテーテル
    である請求項21に記載の電解水生成装置。
  23. 【請求項23】 請求項1ないし22のいずれかに記載
    の電解水生成装置を備えたことを特徴とする医療器具。
  24. 【請求項24】 腹膜透析セットである請求項23に記
    載の医療器具。
  25. 【請求項25】 前記腹膜透析セットは、透析液が貯留
    される容器と、該容器に連通するチューブとを有し、 前記電解水生成装置は、前記チューブの途中に設置また
    は接続されて使用される請求項24に記載の医療器具。
  26. 【請求項26】 前記腹膜透析セットは、被電解水を供
    給するラインを有する請求項24または25に記載の医
    療器具。
  27. 【請求項27】 被電解水を電気分解して得られた電解
    水を主な構成成分とし、 該電解水は、バイオフィルムを減少させる機能を有する
    ことを特徴とする殺菌剤。
  28. 【請求項28】 前記電解水はハロゲン化物を含有する
    請求項27に記載の殺菌剤。
  29. 【請求項29】 前記電解水の電解水濃度が3〜200
    0ppm である請求項27または28に記載の殺菌剤。
  30. 【請求項30】 前記被電解水は、浸透圧が140〜5
    70Osmである請求項27ないし29のいずれかに記載
    の殺菌剤。
  31. 【請求項31】 生体に対して使用される請求項27な
    いし30のいずれかに記載の殺菌剤。
  32. 【請求項32】 被電解水を電気分解して得られた電解
    水を供給し、該電解水の持つ殺菌力により殺菌を行うと
    ともに、バイオフィルムを減少させることを特徴とする
    殺菌方法。
  33. 【請求項33】 被電解水を電気分解して得られた電解
    水を医療器具に供給し、該電解水の持つ殺菌力により殺
    菌を行うとともに、前記医療器具に形成されたバイオフ
    ィルムを減少させることを特徴とする殺菌方法。
  34. 【請求項34】 前記医療器具は、生体内に留置され、
    または、生体内に連通するように使用されるものである
    請求項33に記載の殺菌方法。
  35. 【請求項35】 前記医療器具は、管体で構成される請
    求項33または34に記載の殺菌方法。
  36. 【請求項36】 腹膜透析の透析液を交換する際に、被
    電解水を電気分解して得られた電解水を前記透析液の流
    路に流し、前記電解水の持つ殺菌力により殺菌を行うこ
    とを特徴とする殺菌方法。
  37. 【請求項37】 請求項1ないし22のいずれかに記載
    の電解水生成装置が組み込まれた腹膜透析セットを用
    い、 腹膜透析の透析液を交換する際に、前記電解水生成装置
    により被電解水を電気分解して電解水を生成し、 該電解水を前記透析液の流路に流し、前記電解水の持つ
    殺菌力により殺菌を行うことを特徴とする殺菌方法。
  38. 【請求項38】 請求項1ないし22のいずれかに記載
    の電解水生成装置を腹膜透析セットに組み込み、 腹膜透析の透析液を交換する際に、前記電解水生成装置
    により被電解水を電気分解して電解水を生成し、 該電解水を前記透析液の流路に流し、前記電解水の持つ
    殺菌力により殺菌を行うことを特徴とする殺菌方法。
  39. 【請求項39】 チューブ無菌接続装置を用いて前記電
    解水生成装置を前記腹膜透析セットに組み込む請求項3
    8に記載の殺菌方法。
  40. 【請求項40】 前記腹膜透析セットは、透析液が貯留
    された容器と、該容器に連通するチューブとを有し、 前記電解水生成装置の位置が前記チューブの途中である
    請求項37ないし39のいずれかに記載の殺菌方法。
  41. 【請求項41】 前記腹膜透析セットは、前記被電解水
    が貯留された容器を有する請求項37ないし40のいず
    れかに記載の殺菌方法。
  42. 【請求項42】 前記流路の少なくとも一部は、腹腔カ
    テーテルで構成されている請求項36ないし41のいず
    れかに記載の殺菌方法。
  43. 【請求項43】 前記流路中に存在するバイオフィルム
    を減少させつつ、殺菌を行う請求項36ないし42のい
    ずれかに記載の殺菌方法。
  44. 【請求項44】 前記被電解水は、浸透圧が140〜5
    70 Osmである請求項32ないし43のいずれかに記載
    の殺菌方法。
  45. 【請求項45】 前記電解水はハロゲン化物を含有する
    請求項32ないし44のいずれかに記載の殺菌方法。
  46. 【請求項46】 前記電解水の電解水濃度が3〜200
    0ppm である請求項32ないし45のいずれかに記載の
    殺菌方法。
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