JP2000245011A - ハイブリッド自動車の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド自動車の制御装置

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JP2000245011A
JP2000245011A JP11047004A JP4700499A JP2000245011A JP 2000245011 A JP2000245011 A JP 2000245011A JP 11047004 A JP11047004 A JP 11047004A JP 4700499 A JP4700499 A JP 4700499A JP 2000245011 A JP2000245011 A JP 2000245011A
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motor
electric motor
engine
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Hiroshi Sakamoto
博史 坂本
Toshimichi Minowa
利通 箕輪
Mitsuo Kayano
光男 萱野
Tatsuya Ochi
辰哉 越智
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Abstract

(57)【要約】 【課題】モータ駆動分の駆動力で走行中に、運転者が急
加速を要求し、設定されているモータ駆動分の目標駆動
力の最大値を超過するような運転者加速意図が発生した
場合でも、駆動力低下を抑制し、自動車の加速性能の向
上したハイブリッド自動車の制御装置を提供することに
ある。 【解決手段】パワートレイン制御ユニット100の駆動
力低下予測手段150は、電動機29の単独駆動時から
電動機29と内燃機関1の並列駆動への切替する際の電
動機29と内燃機関1の回転数合せ期間における目標駆
動力に対する駆動力低下分を予測する。駆動力補正手段
160は、この駆動力低下分予測手段150により求め
られた駆動力低下分に基づいて、電動機29の出力の基
準となる最大値を越える出力を電動機の出力29として
補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関や、電動
機及び動力伝達装置からなるハイブリッド自動車の制御
装置に関し、特に、自動車の加減速性能向上を図るハイ
ブリッド自動車の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の地球環境問題の観点から自動車の
燃費の大幅低減が期待できるハイブリッド自動車(以
下、「HEV」と称する)において、燃費と加速性能の
両立を図る駆動力マネージメントHEV制御システムの
確立が重要となってきている。このシステムでは、運転
者が要求する加減速感を満足させつつ、エンジン及びモ
ータを高効率域で運転するようにエンジン、モータ及び
発電機を総合制御する必要がある。
【0003】一般に、HEVは、内燃機関(以下、「エ
ンジン」と称する)と、電動機(以下、「モータ」と称
する)及び動力伝達装置を備えている。そして、従来の
HEVの制御装置としては、例えば、特開平8−983
22号公報に記載されているように、エンジンとモータ
の間に機械的連結を開閉する連結開閉手段を設け、連結
解放手段を閉じる際にエンジンとモータの回転数を実質
的に一致させることにより、運転性能を向上させること
が知られている。即ち、エンジンと同軸に接続された発
電機のトルクを制御し、エンジンとモータの回転数を実
質的に一致させることにより、エンジン回転数が常に一
定ではないシステムにおいても、切り換えショックなく
且つCVT(無段変速機)を使用することなく、シリー
ズモード・パラレルモード(シリーズモード:エンジン
で発電したエネルギーを用いモータのみで走行、パラレ
ルモード:エンジン及びモータで走行)の切り換えを行
うことを可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
制御装置では、モータ駆動分の駆動力で走行中に、運転
者が急加速を要求し、設定されているモータ駆動分の目
標駆動力の最大値を超過するような運転者加速意図が発
生した場合、エンジン駆動分を追加して駆動力を発生さ
せることになるが、エンジンの回転数合わせが終了する
まで連結開閉手段が解放されているため、エンジン出力
が出力軸に伝達されず、駆動力低下が生じる。また、エ
ンジン出力の遅れによっても駆動力低下が生じ、加速性
能が悪化するという問題があった。
【0005】また、エンジン駆動分とモータ駆動分を合
わせた駆動力で走行中に、運転者が急減速を要求し、設
定されているモータ駆動分の目標駆動力の最大値よりも
小さくなるような運転者減速意図が発生した場合、エン
ジン駆動分を除去して駆動力を発生させることになる
が、連結解放手段が解放されるまで、エンジン出力が出
力軸に伝達されるため、駆動力増加が生じ、減速性能が
悪化するという問題があった。
【0006】本発明の第1の目的は、モータ駆動分の駆
動力で走行中に、運転者が急加速を要求し、設定されて
いるモータ駆動分の目標駆動力の最大値を超過するよう
な運転者加速意図が発生した場合でも、駆動力低下を抑
制し、自動車の加速性能の向上したハイブリッド自動車
の制御装置を提供することにある。
【0007】本発明の第2の目的は、エンジン駆動分と
モータ駆動分を合わせた駆動力で走行中に、運転者が急
減速を要求し、設定されているモータ駆動分の目標駆動
力の最大値よりも小さくなるような運転者減速意図が発
生した場合でも、駆動力増加を抑制し、自動車の減速性
能が向上したハイブリッド自動車の制御装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)上記第1の目的を
達成するために、本発明は、内燃機関と電動機を有する
ハイブリッド自動車を制御するハイブリッド自動車の制
御装置において、上記電動機の単独駆動時から上記電動
機と上記内燃機関の並列駆動への切替する際の上記電動
機と上記内燃機関の回転数合せ期間における目標駆動力
に対する駆動力低下分を予測する駆動力低下分予測手段
と、この駆動力低下分予測手段により求められた駆動力
低下分に基づいて、上記電動機の出力の基準となる最大
値を越える出力を上記電動機の出力として補正する駆動
力補正手段とを備えるようにしたものである。かかる構
成により、回転数合せの期間における駆動力低下分を補
正して、加速性能を向上し得るものとなる。
【0009】(2)また、上記第1の目的を達成するた
めに、本発明は、内燃機関と電動機を有するハイブリッ
ド自動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置にお
いて、上記電動機の単独駆動時から上記電動機と上記内
燃機関の並列駆動への切替する際の上記内燃機関の出力
の遅れによる目標駆動力に対する駆動力低下分を予測す
る駆動力低下分予測手段と、この駆動力低下分予測手段
により求められた駆動力低下分に基づいて、上記電動機
の出力の基準となる最大値を越える出力を上記電動機の
出力として補正する駆動力補正手段とを備えるようにし
たものである。かかる構成により、電動機と内燃機関の
並列駆動への切替する際の内燃機関の出力の遅れによる
駆動力低下分を補正して、加速性能を向上し得るものと
なる。
【0010】(3)また、上記第2の目的を達成するた
めに、本発明は、内燃機関と電動機を有するハイブリッ
ド自動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置にお
いて、上記電動機と上記内燃機関の並列駆動時から上記
電動機の単独駆動への切替する際の上記内燃機関の駆動
力伝達の解放までの期間における目標駆動力に対する駆
動力増加分を予測する駆動力増加分予測手段と、この駆
動力増加分予測手段により求められた駆動力増加分に基
づいて、上記電動機の出力の基準となる最大値を越える
出力を上記電動機の出力として補正する駆動力補正手段
とを備えるようにしたものである。かかる構成により、
上記内燃機関の駆動力伝達の解放までの期間における内
燃機関の駆動力増加分を補正して、減速性能を向上し得
るものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を用いて、本発
明の一実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置の
構成について説明する。最初に、図1を用いて、本実施
形態によるハイブリッド自動車の制御装置を用いるハイ
ブリッド自動車のシステム構成について説明する。図1
は、本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車の制
御装置を用いるハイブリッド自動車の構成を示すシステ
ム構成図である。
【0012】エンジン1の出力軸2には、噛み合い歯車
3を有する低速用エンジン側歯車4と、噛み合い歯車5
を有する高速用エンジン側歯車6と、低速用エンジン側
歯車4及び高速用エンジン側歯車6と出力軸2を直結す
るハブ7と、スリーブ8とが設けられている。
【0013】低速用エンジン側歯車4及び高速用エンジ
ン側歯車6が出力軸2の軸方向に移動しないようストッ
パー(図示しない)が設けられている。ハブ7の内側に
は、出力軸2の複数の溝9と噛み合う溝(図示しない)
が設けてあり、ハブ7は出力軸2の軸方向には移動可能
になっているが、出力軸2の回転方向への移動は制限さ
れる。従って、エンジン1から出力されるトルクは、ハ
ブ7及びスリーブ8に伝達される。
【0014】エンジン1からのトルクを低速用エンジン
側歯車4及び高速用エンジン側歯車6へ伝達するために
は、スリーブ8を出力軸2の軸方向に移動させ、噛み合
い歯車3あるいは噛み合い歯車5とハブ7とを直結する
必要がある。噛み合い歯車3及び噛み合い歯車5とハブ
7には、同一の溝が設けてあり、スリーブ8の内側には
ハブ7に噛み合う溝(図示しない)が設けてある。スリ
ーブ8の移動には、ラック11と、ラック11と噛み合
う小歯車12及びステッピングモータ13から成るリニ
アアクチュエータが用いられる。また、スリーブ8の外
周部は、出力軸2の回転方向にはフリーになっており、
スリーブ8の回転に対して回転しないレバー14が設け
られている。ここで、ハブ7と、スリーブ8と、噛み合
い歯車3と、噛み合い歯車5とから成るクラッチ機構
を、「ドッグクラッチ」と称している。このクラッチ機
構は、エンジン1などの動力源からのエネルギーを高効
率でタイヤ10に伝達することが可能になり、燃費低減
が図れる。
【0015】また、ステッピングモータ13は、予め設
定されたステップ数により回転角度が認識できるため、
ラック11の移動位置が判断できる。よって、現在、低
速用エンジン側歯車4が使われているか高速用エンジン
側歯車6なのか、あるいは中立位置なのかの判断が可能
になる。ステッピングモータの代わりにラックの位置を
検出するセンサと直流モータの組み合わせでも、上記判
断が可能である。
【0016】また、エンジン1の出力軸2と発電機15
の出力軸16との直結のためにも、上述のクラッチ機構
及びリニアアクチュエータは用いられている。出力軸2
には、出力軸2と一体になって回転する噛み合い歯車1
7を有するエンジン1の回転数Ne検出用歯車18が設
けられている。また、出力軸16には、出力軸16と一
体になって回転し、かつ出力軸16の軸方向に溝19に
沿って移動可能なハブ20と噛み合い歯車21を有する
発電機15の回転数Ng検出用歯車22が設けられてい
る。ハブ20の外周には、スリーブ23が設けられてい
る。
【0017】さらに、出力軸2及び出力軸16の間に
は、スラストベアリング24が設けられており、2つの
出力軸2,16の接触による摩擦抵抗を低減し、かつ軸
の芯づれを防止している。リニアアクチュエータ部は、
レバー25と、ラック26と、小歯車27と、ステッピ
ングモータ28とから構成される。
【0018】車両(図示しない)駆動用のモータ29の
出力軸30には、低速用エンジン側歯車4及び高速用エ
ンジン側歯車6と、それぞれ噛み合う低速用モータ側歯
車31及び高速用モータ側歯車32とが設けられてい
る。低速用モータ側歯車31は、モータ29の回転数N
m検出用としても用いられる。また、出力軸30には、
最終減速歯車33が設けられ、モータ29のみでの走行
が可能になっている。
【0019】エンジン1では、吸気管34に設けられた
電子制御スロットル35により吸入空気量が制御され、
空気量に見合う燃料量が燃料噴射装置39から噴射され
る。電子制御スロットル35は、スロットルバルブ36
と、駆動モータ37と、スロットルセンサ38とから構
成される。
【0020】また、空気量及び燃料量から空燃比が決定
され、燃料噴射装置39によってシリンダ内に燃料が噴
射される。エンジン回転数などの信号から点火時期が決
定され、点火装置40により点火される。燃料噴射装置
39には、燃料が吸気ポートに噴射される吸気ポート噴
射方式あるいはシリンダ内に直接噴射される筒内噴射方
式があるが、エンジンに要求される運転域(エンジント
ルク,エンジン回転数で決定される領域)を比較して燃
費が低減でき、かつ排気性能が良い方式のエンジンを選
択することが望ましい。
【0021】次に、エンジン1,発電機15及びモータ
29の制御装置100について説明する。パワートレイ
ン制御ユニット100には、アクセルペダル踏み込み量
α,ブレーキ踏力β,シフトレバー位置Ii,バッテリ
ー容量Vb,モータ回転検出器42から検出されたモー
タ29回転数Nm,エンジン回転検出器43から検出さ
れたエンジン回転数Ne及び発電機回転検出器44から
検出された発電機回転数Ngが入力される。パワートレ
イン制御ユニット100は、エンジン1の出力Teを演
算し、通信手段であるLANによりエンジン制御ユニッ
ト45に送信する。エンジン制御ユニット45内では、
エンジン出力Teを達成するスロットルバルブ開度,燃
料量及び点火時期が演算され、それぞれのアクチュエー
タが制御される。
【0022】また、パワートレイン制御ユニット100
は、モータ29及び発電機15の負荷,ステッピングモ
ータ13及びステッピングモータ28のステップ数を演
算し、それぞれLANによりモータ制御ユニット46に
送信し、各アクチュエータが制御される。モータ制御ユ
ニット46は、発電機15から得られた電力をバッテリ
ー47に充電したり、モータ29などを駆動するためバ
ッテリー47から電力を供給したりする。
【0023】パワートレイン制御ユニット100は、車
速検出手段110と、目標駆動力生成手段120と、駆
動力源選択手段130と、エンジン出力遅れ予測手段1
40と、駆動力低下分予測手段150と、モータ出力の
基準となる最大値を超過してトルク補正を実行する駆動
力補正手段160とを備えている。なお、加速意図検出
手段170については、後述する。
【0024】車速検出手段110は、モータ回転数Nm
から車速Vspを、関数fにより、Vsp=f(Nm)
として演算する。
【0025】目標駆動力生成手段120は、入力したア
クセルペダル踏み込み量α及び車速検出手段110によ
って求められた車速Vspから、運転者が意図する目標
駆動力ToutREFを演算する。また、駆動力選択手段
130は、目標駆動力生成手段120によって求められ
た目標駆動力ToutREFから、駆動力源を、モータ2
9単独駆動とするか、モータ29とエンジン1の並列駆
動とするかを選択する。
【0026】ここで、図2を用いて、目標駆動力生成手
段120及び駆動力選択手段130の処理内容について
説明する。図2において、横軸は車速Vspを示してお
り、縦軸は目標駆動力ToutREFを示している。ま
た、実線の矢印がアクセルペダル踏み込み量α(%表
示)を示している。
【0027】目標駆動力生成手段120は、車速Vsp
とアクセルペダル踏み込み量αとに基づいて、目標駆動
力ToutREFを求める。アクセルペダル踏み込み量α
の%が大きいほど、運転者は大きな加速感を要求するた
め、目標駆動力ToutREFが大きくなる。
【0028】図中の斜線領域がエンジン1の駆動分であ
り、点々領域がモータ29の駆動分である。モータ29
の出力の基準となる最大値TmBASEに、エンジン1の出
力の最大値を加えたものが、モータ29とエンジン1に
よる出力の最大値TmeMAXとなる。
【0029】求められた目標駆動量ToutREFが小さ
い場合には、モータ29の駆動だけで目標駆動力を得る
ことができるが、目標駆動量ToutREFが大きくなる
と、モータ29の駆動だけで目標駆動力を得ることがで
きないため、エンジン1の駆動力も利用する必要があ
る。これらの領域にしたがい、駆動力選択手段130
は、モータ29の単独駆動か、モータ29とエンジン1
との並列駆動とするかの駆動力源を選択する。
【0030】なお、図示するモータ駆動分とエンジン駆
動分の駆動力は、定常状態における値である。加速時等
の過渡状態において、本実施形態においては、モータ駆
動分は、モータ29の出力の基準となる最大値TmBASE
以上の駆動力を得るようにしている。
【0031】さらに、加速意図検出手段170は、アク
セルペダル踏込み量αの時間変化分を検出して、急激に
アクセルペダルが踏み込まれて運転者が急加速を意図し
ている場合と、アクセルペダルがゆっくりと踏み込まれ
て運転者が緩加速を意図しているかを判別し、この加速
意図の検出結果に基づいて、目標駆動力生成手段120
が、求める目標駆動力を変えるようにしてもよいもので
ある。即ち、運転者が急加速を意図している場合には、
目標駆動力を大きめにする。
【0032】ここで、図3を用いて、本実施形態に用い
るモータの出力について説明する。図3は、本発明の一
実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いる
モータの出力の説明図である。
【0033】図において、横軸はモータ29の回転数N
mを示しており、縦軸はモータ29の出力Tmを示して
いる。図中、実線がモータ29の最大定格出力TmMAX
であり、破線がモータ29の出力の基準となる最大値T
BASEである。モータ29の最大定格出力TmMAXは、
モータ29を駆動した場合に、最大発生することができ
る出力であるが、長時間にわたって、この最大定格出力
TmMAXを発生することはできないものである。一方、
モータ29の出力の基準となる最大値TmBASEは、長時
間にわたって発生することができる出力の最大値であ
る。モータ29の出力の基準となる最大値TmBASEは、
例えば、1)モータのメーカーが予め定めているモータ
の連続使用可能な最大出力値であり、または、2)モー
タを使用する自動車メーカー等が、1)の連続使用可能
な最大出力値に基づいて、独自に設定した出力の最大値
である。1)若しくは2)のいずれにしても、モータを
連続的に使用可能なものであり、3)図2に示したよう
に、モータとエンジンを併用する場合には、モータ単独
駆動からモータとエンジンの併用駆動に切り替える際の
モータの出力の最大値ということもできるものである。
【0034】通常、モータ29は最大定格出力TmMAX
を長時間にわたり発生することはできないので、図2に
示した目標駆動力ToutREFはモータ29の出力の基
準となる最大値TmBASEに基づいて設定される。
【0035】なお、以下の説明においては、エンジン1
の出力Teやモータ29の出力Tmは、低速用エンジン
側歯車4や、高速用歯車6や、最終減速歯車33などを
介してタイヤ10に伝達される駆動力と等価なものとす
る。
【0036】通常、エンジン1及びモータ29の小型・
軽量化及び高効率運転による燃費低減の点で、低車速及
び中車速の目標駆動力ToutREFが小さい領域では、
モータ29のみで駆動する。ここで、モータ29の駆動
分の駆動力で走行中に、運転者が急加速を要求した場合
には、図2のA点からB点への破線矢印で示されるよう
に、モータ29の駆動分の目標駆動力ToutREFの最
大値を超過する目標駆動力ToutREFが発生するた
め、モータ単独駆動から、モータとエンジンの並列駆動
に切り替える必要がある。
【0037】そして、本実施形態においては、モータ2
9の単独駆動時や、モータ29とエンジン1の並列駆動
時の定常時には、目標駆動力ToutREFはモータ29
の出力の基準となる最大値TmBASEに基づいて設定する
ようにしている。しかしながら、モータ29の単独駆動
から、モータ29とエンジン1との並列駆動に切り替え
るような過渡期には、目標駆動力ToutREFはモータ
29の最大定格出力TmMAXに基づいて設定するように
したものである。
【0038】ここで、図4〜図6を用いて、本実施形態
によるハイブリッド自動車の制御装置を用いた加速時の
制御方法について説明する。
【0039】最初に、図4を用いて、加速時の動作につ
いて説明する。図4は、本発明の一実施形態によるハイ
ブリッド自動車の制御装置を用いた加速時の制御方法を
示すタイムチャートである。
【0040】図4において、図4(A)はアクセルペダ
ル踏み込み量αを示しており、図4(B)はモータ回転
数Nmを示しており、図4(C)は車速Vspを示して
おり、図4(D)はエンジン回転数Neを示しており、
図4(E)は目標駆動力ToutREFを示しており、図
4(F)はモータ出力Tmを示しており、図4(G)は
エンジン出力Teを示しており、図4(H)は駆動力T
outを示している。また、横軸は時間を示している。
【0041】図4(A)に示すように、モータ29のみ
の駆動分の駆動力で走行中に、時刻ta〜時刻tbにか
けて、運転者が急加速を要求し、アクセルペダル踏み込
み量αが変化すると、図4(E)に示すように、目標駆
動力ToutREFも同様に変化する。
【0042】このとき、目標駆動力ToutREFに応じ
てエンジン駆動分の目標駆動力ToutREFを追加する
ことになるが、従来の制御方法では、ハブ7,スリーブ
8,噛み合い歯車3,噛み合い歯車5から成るドッグク
ラッチを、低速用エンジン側歯車4及び高速用エンジン
側歯車6に直結させるまでに、出力軸2と出力軸30の
変速比に応じた回転数合わせを行う必要がある。そのた
め、時刻tb〜tcまでの回転数合わせの期間は、ドッ
グクラッチが解放状態となるため、図4(H)に波線で
示すように、エンジン1の出力Teがタイヤ10に伝達
されずに、駆動力Toutの低下が発生する。
【0043】また、回転数合わせが終了すると、エンジ
ン1の出力Teがタイヤ10に伝達され始めるが、図4
(G)に示すように、時刻tb〜tcまでは、エンジン
1の出力の遅れが発生するため、特に、時刻tc〜td
の間においては、図4(H)に波線Xで示すように、駆
動力Toutの低下が発生する場合もある。
【0044】そこで、本実施形態においては、図1に示
した駆動力低下分予測手段150によって駆動力の低下
分を予測し、駆動力補正手段160によって駆動力の低
下分を補正するようにしている。
【0045】ここで、図5を用いて、本実施形態による
ハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力低下分予
測手段150の処理内容について説明する。図5は、本
発明の一実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置
に用いる駆動力低下分予測手段の処理内容を示すフロー
チャートである。
【0046】駆動力低下分予測手段150は、目標駆動
力ToutREFから駆動力低下分ToutLOWを予測する
ものである。最初に、ステップ151において、駆動力
低下分予測手段150は、目標駆動力ToutREFを読
み込む。次に、ステップ152において、駆動力低下分
予測手段150は、目標駆動力ToutREFにより、モ
ータ29の単独駆動からエンジン1とモータ29の並列
駆動を選択したか否かを判定する。モータ29の単独駆
動からエンジン1とモータ29の並列駆動を選択してい
ればステップ153へ進み、選択していなければ駆動力
低下分ToutLOWの予測は終了となる。
【0047】次に、エンジン1とモータ29の並列駆動
が選択されていると、ステップ153において、駆動力
低下分予測手段150は、回転数合わせの期間(ドッグ
クラッチが中立状態の期間:図4の時刻tb〜tc)に
おける駆動力低下分ToutLOWを演算する。例えば、
駆動力低下分ToutLOWは、目標駆動力ToutREF
ら、予め設定されたモータ29の出力の基準となる最大
値TmBASEを差し引くことで求められる。次に、ステッ
プ154において、駆動力低下分予測手段150は、回
転数合わせが終了したか否かを判定する。回転数合わせ
が終了と判定した場合には、ステップ155に進み、回
転数合わせが終了しない場合にはステップ153に戻
り、回転数合わせの期間の補正をステップ153に基づ
いて求める。
【0048】そして、回転数合わせが終了すると、ステ
ップ155において、駆動力低下分予測手段150は、
エンジン1の出力の遅れによる駆動力低下分Tout
LOWを演算する。例えば、エンジン1の出力の遅れによ
る駆動力低下分ToutLOWは、目標駆動力ToutREF
から、予め設定されたモータ29の出力の基準となるT
BASEと、エンジン1の出力遅れ時のエンジン出力Te
を差し引くことで求められる。ここで、エンジン1の出
力遅れ時のエンジン出力Teは、図1に示したエンジン
出力遅れ予測手段140によって求められる。エンジン
出力遅れ予測手段140は、エンジン1の出力遅れ時の
出力Te(遅れ時)を、例えば、吸気管モデルより得ら
れる遅れ時間と、エンジン出力のマップなどから予測す
る。最後に、ステップ156において、駆動力低下分予
測手段150は、エンジン1の出力Teの遅れによる駆
動力低下分があるか否かを判定し、エンジン1の出力の
遅れによる駆動力低下分があればステップ154に戻
り、エンジン1の出力の遅れによる駆動力低下分がなけ
れば、駆動力低下分ToutLOWの予測は終了となる。
【0049】エンジン1の出力遅れの時間tb〜td
は、運転状態によって変化するものである。即ち、アク
セルペダルの踏込量αが小さい場合には、エンジンに求
められる出力Teも小さいため、出力遅れ時間は短くな
る。従って、時刻tb〜tcよりもエンジンの出力遅れ
の時間が短くなると、時刻tcにおいて、すでに、駆動
力低下分ToutLOWは正の値となり、エンジンの出力
遅れによる駆動力低下分はないことになる。
【0050】なお、駆動力低下分予測手段150の処理
内容としては、上述したような演算を行わずに、目標駆
動力ToutREFから駆動力低下分ToutLOWが得られ
るマップなどにより、駆動力低下分ToutLOWを予測
してもよいものである。
【0051】次に、図6を用いて、本実施形態によるハ
イブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力補正手段1
60の処理内容について説明する。図6は、本発明の一
実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置に用いる
駆動力補正手段の処理内容を示すフローチャートであ
る。
【0052】駆動力補正手段160は、目標駆動力To
utREFと、駆動力低下分ToutLOWに基づき、予め設
定されたモータ29の出力の基準となる最大値を超過す
るようなモータ29の出力Tmを演算する。最初に、ス
テップ161において、駆動力補正手段160は、目標
駆動力ToutREFヲ読み込む。次に、ステップ162に
おいて、駆動力補正手段160は、目標駆動力Tout
REFがモータ29の出力の基準となる最大値TmBASE
り大きいか否かを判定し、目標駆動力ToutREFがモ
ータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大きけ
ればステップ163に進み、目標駆動力ToutREF
モータ29の出力の基準となる最大値TmBASEより大き
くなければステップ165に進む。
【0053】目標駆動力ToutREFがモータ29の出
力の基準となる最大値TmBASEより大きい場合には、ス
テップ163において、駆動力補正手段160は、駆動
力低下分ToutLOWを読み込む。次に、ステップ16
4において、駆動力補正手段160は、モータ29の出
力の基準となる最大値TmBASEと駆動力低下分Tout
LOWを足し合わせることにより、モータ29の出力Tm
を演算する。
【0054】また、目標駆動力ToutREFがモータ2
9の出力の基準となる最大値TmBASEより大きい場合に
は、ステップ165において、駆動力補正手段160
は、目標駆動力ToutREFによりモータ29の出力T
mを演算する。
【0055】そして、ステップ164若しくはステップ
165において求められたモータ29の出力Tmは、図
1に示したパワートレイン制御ユニット100からモー
タ制御ユニット46に出力される。
【0056】以上のようにして、モータ出力Tmを補正
した結果について、再び、図4を用いて説明する。図4
(A)に示すように、モータ29の駆動分の駆動力で走
行中に、時刻ta〜tbに、運転者が急加速を要求し、
アクセルペダル踏み込み量αが変化すると、図4(E)
に示すように、アクセルペダル踏み込み量αと車速Vs
pに応じて目標駆動力ToutREFが生成される。
【0057】次に、目標駆動力ToutREFにより駆動
力源が選択され、エンジン1の駆動分の目標駆動力To
utREFを追加して、図4(G)に示すように、エンジ
ンの出力Teを追加して走行する。次に、目標駆動力T
outREF及び駆動力低下分ToutLOW(図4(H)の
斜線部分Z1)が演算され、駆動力低下分ToutLOW
によりモータ29の出力Tm(図4(F)の斜線部Z
2)が演算される。
【0058】このような動作により、モータ駆動分の駆
動力で走行中に、運転者が急加速を要求された場合、駆
動力の切替時に生じる目標駆動力に対する出力駆動力の
低下分,例えば、クラッチの回転合わせ期間に生じる駆
動力の低下分や、エンジン出力の遅れによる駆動力の低
下分を求め、モータの出力により一時的に補うことによ
り、加速性能を向上することができる。
【0059】なお、図4(F)に示すモータ29の出力
の基準となる最大値TmBASEは、時刻td以降のモータ
とエンジンの並列駆動時におけるモータの出力である。
そして、図4(F)に示す時刻tb〜tcの期間におけ
るモータ29の出力は、モータ29の出力の基準となる
最大値TmBASE以上の出力としているものである。
【0060】即ち、時刻tb〜tcにおけるモータ出力
Tmは、モータ29の出力の基準となる最大値TmBASE
以上とするようにしているものである。そして、モータ
29の出力の基準となる最大値TmBASEは、例えば、
1)モータのメーカーが予め定めているモータの連続使
用可能な最大出力値であり、または、2)モータを使用
する自動車メーカー等が、1)の連続使用可能な最大出
力値に基づいて、独自に設定した出力の最大値である。
さらに、上述したように、3)図2に示したように、モ
ータとエンジンを併用する場合には、モータ単独駆動か
らモータとエンジンの併用駆動に切り替えた際のモータ
の出力の最大値でもある。
【0061】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、駆動源の切替時に、出力駆動力の低下分を求め、モ
ータの出力を、モータの出力の基準となる最大値Tm
BASE以上とすることにより、この低下分を補正して、加
速性能を向上することができる。
【0062】次に、図7〜図10を用いて、本発明の他
の実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置の構成
について説明する。最初に、図7を用いて、本実施形態
によるハイブリッド自動車の制御装置の構成について説
明する。なお、本実施形態によるハイブリッド自動車の
制御装置を用いるハイブリッド自動車のシステム構成
は、図1に示したものと同様である。そして、図1と同
一符号は、同一部分を示している。図7は、本発明の他
の実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置のブロ
ック図である。
【0063】パワートレイン制御ユニット100Aは、
車速検出手段110と、目標駆動力生成手段120と、
駆動力源選択手段130Aと、エンジン出力遅れ予測手
段140Aと、駆動力増加分予測手段150Aと、予め
設定されたモータ出力の基準となる最大値を超過してト
ルク補正を実行する駆動力補正手段160Aと、減速意
図検出手段170Aとを備えている。
【0064】車速検出手段110は、モータ回転数Nm
から車速Vspを、関数fにより、Vsp=f(Nm)
として演算する。
【0065】目標駆動力生成手段120Aは、入力した
アクセルペダル踏み込み量α及び車速検出手段110に
よって求められた車速Vspから、運転者が意図する目
標駆動力ToutREFを演算する。また、駆動力選択手
段130Aは、目標駆動力生成手段120によって求め
られた目標駆動力ToutREFから、駆動力源を、モー
タ29単独駆動とするか、モータ29とエンジン1の並
列駆動とするかを選択する。
【0066】ここで、モータ29の駆動分とエンジン1
の駆動分の駆動力で走行中に、運転者が急減速を要求し
た場合には、図2のB点からA点への点線矢印で示され
るように、モータ29の駆動分の目標駆動力Tout
REFの最大値よりも小さくなる目標駆動力ToutREF
発生する。
【0067】さらに、加速意図検出手段170Aは、ア
クセルペダル踏込み量αの時間変化分を検出して、アク
セルペダルが急激に離されて運転者が急減速を意図して
いる場合と、アクセルペダルがゆっくりと離されて運転
者が緩減速を意図しているかを判別し、この減速意図の
検出結果に基づいて、目標駆動力生成手段120が、求
める目標駆動力を変えるようにしてもよいものである。
即ち、運転者が急減速速を意図している場合には、目標
駆動力を小さめにする。
【0068】ここで、図8〜図10を用いて、本実施形
態によるハイブリッド自動車の制御装置を用いた減速時
の制御方法について説明する。
【0069】最初に、図8を用いて、減速時の動作につ
いて説明する。図8は、本発明の他の実施形態によるハ
イブリッド自動車の制御装置を用いた減速時の制御方法
を示すタイムチャートである。
【0070】図8において、図8(A)はアクセルペダ
ル踏み込み量αを示しており、図8(B)はモータ回転
数Nmを示しており、図8(C)は車速Vspを示して
おり、図8(D)はエンジン回転数Neを示しており、
図8(E)は目標駆動力ToutREFを示しており、図
8(F)はモータ出力Tmを示しており、図8(G)は
エンジン出力Teを示しており、図8(H)は駆動力T
outを示している。また、横軸は時間を示している。
【0071】図8(A)に示すように、モータ29の駆
動分とエンジン1の駆動分の駆動力で走行中に、時刻t
a〜時刻tbにかけて、運転者が急減速を要求し、アク
セルペダル踏み込み量αが変化すると、図8(E)に示
すように、目標駆動力ToutREFも同様に変化する。
【0072】このとき、目標駆動力ToutREFに応じ
てエンジン駆動分の目標駆動力ToutREFを除去する
ことになるが、一般にドッグクラッチを締結状態から解
放するためには、エンジン1の出力Teをある程度低下
させておく必要がある。したがって、エンジン1の出力
の遅れ(時刻tb〜tc)により、ドッグクラッチを解
放させるまではエンジン1の出力がタイヤ10に伝達さ
れるため、駆動力増加分ToutHIGHが生じる。
【0073】そこで、本実施形態においては、図7に示
した駆動力増加分予測手段150Aによって駆動力の増
加分を予測し、駆動力補正手段160Aによって駆動力
の増加分を補正するようにしている。
【0074】ここで、図9を用いて、本実施形態による
ハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力増加分予
測手段150Aの処理内容について説明する。図9は、
本発明の他の実施形態によるハイブリッド自動車の制御
装置に用いる駆動力増加分予測手段の処理内容を示すフ
ローチャートである。
【0075】駆動力増加分予測手段150Aは、目標駆
動力ToutREFから駆動力増加分ToutHIGHを予測
するものである。ステップ151Aにおいて、駆動力増
加分予測手段150Aは、目標駆動力ToutREFを読
み込む。次に、ステップ152Aにおいて、駆動力増加
分予測手段150Aは、目標駆動力ToutREFによ
り、エンジン1とモータ29を合わせた並列駆動からモ
ータ29のみ駆動を選択したか否かの判定を行い、エン
ジン1とモータ29を合わせた並列駆動からモータ29
のみの駆動を選択していればステップ1203へ進み、
選択していなければ駆動力増加分ToutHIGHの予測は
終了となる。
【0076】モータ29のみの駆動が選択されると、ス
テップ153Aにおいて、駆動力増加分予測手段150
Aは、ドッグクラッチ解放までの駆動力増加分Tout
HIGHを演算する。例えば、駆動力増加分Tout
HIGHは、エンジン1の出力遅れ時のエンジン出力Teか
ら目標駆動力ToutREFを差し引くことで求められ
る。ここで、エンジン1の出力遅れ時のエンジン出力T
eは、エンジン出力遅れ予測手段140Aによって、予
測される。エンジン1の出力遅れ時の出力Te(遅れ
時)は、例えば、吸気管モデルより得られる遅れ時間
と、エンジン出力のマップなどから得られる。
【0077】最後に、ステップ154Aにおいて、駆動
力増加分予測手段150Aは、ドッグクラッチが解放さ
れたか否かを判定し、ドッグクラッチが解放されていな
ければステップ1203に戻る。ドッグクラッチが解放
されていれば、駆動力増加分ToutHIGHの予測は終了
となる。また、駆動力増加分予測手段150Aは、上述
したような演算を行わずに、目標駆動力ToutREF
ら駆動力増加分ToutHIGHが得られるマップなどによ
り、駆動力増加分ToutHIGHを予測してもよいもので
ある。
【0078】次に、図10を用いて、本実施形態による
ハイブリッド自動車の制御装置に用いる駆動力補正手段
160Aの処理内容について説明する。図10は、本発
明の他の実施形態によるハイブリッド自動車の制御装置
に用いる駆動力補正手段の処理内容を示すフローチャー
トである。
【0079】駆動力補正手段160Aは、目標駆動力T
outREFと、駆動力増加分ToutHIGHに基づき、予
め設定されたモータ29の出力の基準となる最大値を超
過するようなモータ29の出力Tmを演算する。最初
に、ステップ161Aにおいて、駆動力補正手段160
Aは、目標駆動力ToutREFヲ読み込む。次に、ステッ
プ162Aにおいて、駆動力補正手段160Aは、目標
駆動力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最
大値TmBASEより大きいか否かを判定し、目標駆動力T
outREFがモータ29の出力の基準となる最大値Tm
BASEより大きければステップ163Aに進み、目標駆動
力ToutREFがモータ29の出力の基準となる最大値
TmBASEより大きくなければステップ165Aに進む。
【0080】目標駆動力ToutREFがモータ29の出
力の基準となる最大値TmBASEより大きい場合には、ス
テップ163Aにおいて、駆動力補正手段160Aは、
駆動力増加分ToutHIGHを読み込む。次に、ステップ
164Aにおいて、駆動力補正手段160Aは、目標駆
動力ToutREFから駆動力増加分ToutHIGHを差し
引くことにより、モータ29の出力Tmを演算する。
【0081】また、目標駆動力ToutREFがモータ2
9の出力の基準となる最大値TmBASEより大きくない場
合には、ステップ165Aにおいて、駆動力補正手段1
60Aは、モータ29の出力の基準となる最大値Tm
BASEによりモータ29の出力Tmを演算する。このと
き、モータ29の出力Tmがモータ29の出力の基準な
る最大値TmBASEよりも大きければ、モータ29の出力
の基準となる最大値TmBASEを超過してモータ29の出
力Tmを発生する。
【0082】そして、ステップ164A若しくはステッ
プ165Aにおいて求められたモータ29の出力Tm
は、図7に示したパワートレイン制御ユニット100A
から図1に示したモータ制御ユニット46に出力され
る。
【0083】以上のようにして、モータ出力Tmを補正
した結果について、再び、図8を用いて説明する。図8
(A)に示すように、エンジン1駆動分とモータ29駆
動分を合わせた駆動力で走行中に、時刻ta〜tbに、
運転者が急減速を要求し、アクセルペダル踏み込み量α
が変化すると、アクセルペダル踏み込み量αと車速Vs
pに応じて目標駆動力ToutREFが生成される。
【0084】次に、目標駆動力ToutREFにより駆動
力源が選択され、エンジン1の駆動分の目標駆動力To
utREFを除去して、図8(G)に示すように、走行す
る。
【0085】次に、目標駆動力ToutREF及び駆動力
増加分ToutHIGH(図8(H)の斜線部分Z3)が演
算され、駆動力増加分ToutHIGHによりモータ29の
出力Tmが演算される。
【0086】このような動作により、モータの駆動分と
エンジンの駆動分を合わせた駆動力で走行中に、運転者
が急減速を要求し、設定されているモータ駆動分の目標
駆動力の最大値よりも小さくなるような運転者減速意図
が発生した場合の駆動力増加を抑制することが可能とな
る。
【0087】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、駆動源の切替時に、出力駆動力の増加分を求め、モ
ータの出力を、モータの出力の基準となる最大値Tm
BASE以上とすることにより、この増加分を補正して、減
速性能を向上することができる。
【0088】なお、本発明は、上述した各実施形態のシ
ステム構成に限定されるものではなく、他の変速機とし
てCVTや遊星歯車などを用いたハイブリッド自動車の
システムに適用することも可能である。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、エンジン,発電機及び
モータを搭載したハイブリッド自動車において、モータ
駆動分の駆動力で走行中に、運転者が急加速を要求した
場合、駆動力の低下を抑制し自動車の加速性能の向上を
実現できる。
【0090】また、本発明によれば、エンジン,発電機
及びモータを搭載したハイブリッド自動車において、エ
ンジン駆動分とモータ駆動分を合わせた駆動力で走行中
に、運転者が急減速を要求した場合、駆動力の増加を抑
制し自動車の減速性能の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車
の制御装置を用いるハイブリッド自動車の構成を示すシ
ステム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車
の制御装置に用いる目標駆動力生成手段及び駆動力選択
手段の処理内容の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車
の制御装置に用いるモータの出力の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車
の制御装置を用いた加速時の制御方法を示すタイムチャ
ートである。
【図5】本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車
の制御装置に用いる駆動力低下分予測手段の処理内容を
示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車
の制御装置に用いる駆動力補正手段の処理内容を示すフ
ローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態によるハイブリッド自動
車の制御装置のブロック図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるハイブリッド自動
車の制御装置を用いた減速時の制御方法を示すタイムチ
ャートである。
【図9】本発明の他の実施形態によるハイブリッド自動
車の制御装置に用いる駆動力増加分予測手段の処理内容
を示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施形態によるハイブリッド自
動車の制御装置に用いる駆動力補正手段の処理内容を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン 4…低速用エンジン側歯車 6…高速用エンジン側歯車 15…発電機 29…モータ 45…エンジン側制御ユニット 46…モータ制御ユニット 47…バッテリー 100…パワートレイン制御ユニット 110…車速検出手段 120…目標駆動力生成手段 130…駆動力源選択手段 140…エンジン出力遅れ予測手段 150…駆動力低下分予測手段 160…駆動力補正手段 170…加速意図検出手段 170A…減速意図検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萱野 光男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 越智 辰哉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 3G093 AA04 AA06 AA07 AA16 CB06 CB07 DA06 DB05 EB00 FA01 FA10 FA11 5H115 PA01 PA12 PC06 PG04 PI16 PI23 PI29 PO10 PU02 PU22 PU24 PU27 QE08 QE09 QE10 QN03 RE05 RE06 RE13 RE14 SE03 SE05 SE08 SE09 TB01 TE02 TE03 TI02 TO21 TO23 TO30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関と電動機を有するハイブリッド自
    動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置におい
    て、 上記電動機の単独駆動時から上記電動機と上記内燃機関
    の並列駆動への切替する際の上記電動機と上記内燃機関
    の回転数合せ期間における目標駆動力に対する駆動力低
    下分を予測する駆動力低下分予測手段と、 この駆動力低下分予測手段により求められた駆動力低下
    分に基づいて、上記電動機の出力の基準となる最大値を
    越える出力を上記電動機の出力として補正する駆動力補
    正手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド自動車
    の制御装置。
  2. 【請求項2】内燃機関と電動機を有するハイブリッド自
    動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置におい
    て、 上記電動機の単独駆動時から上記電動機と上記内燃機関
    の並列駆動への切替する際の上記内燃機関の出力の遅れ
    による目標駆動力に対する駆動力低下分を予測する駆動
    力低下分予測手段と、 この駆動力低下分予測手段により求められた駆動力低下
    分に基づいて、上記電動機の出力の基準となる最大値を
    越える出力を上記電動機の出力として補正する駆動力補
    正手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド自動車
    の制御装置。
  3. 【請求項3】内燃機関と電動機を有するハイブリッド自
    動車を制御するハイブリッド自動車の制御装置におい
    て、 上記電動機と上記内燃機関の並列駆動時から上記電動機
    の単独駆動への切替する際の上記内燃機関の駆動力伝達
    の解放までの期間における目標駆動力に対する駆動力増
    加分を予測する駆動力増加分予測手段と、 この駆動力増加分予測手段により求められた駆動力増加
    分に基づいて、上記電動機の出力の基準となる最大値を
    越える出力を上記電動機の出力として補正する駆動力補
    正手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド自動車
    の制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリ
    ッド自動車の制御装置において、 上記上記電動機の出力の基準となる最大値は、上記電動
    機の連続使用可能な最大出力値であることを特徴とする
    ハイブリッド自動車の制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリ
    ッド自動車の制御装置において、 上記上記電動機の出力の基準となる最大値は、上記電動
    機の連続使用可能な最大出力値に基づいて設定された出
    力値であることを特徴とするハイブリッド自動車の制御
    装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリ
    ッド自動車の制御装置において、 上記上記電動機の出力の基準となる最大値は、上記電動
    機の単独駆動から上記電動機と上記内燃機関の並列駆動
    に切り替えた際の上記電動機の出力の最大値であること
    を特徴とするハイブリッド自動車の制御装置。
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