JP2000243972A - 薄膜半導体装置 - Google Patents

薄膜半導体装置

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JP2000243972A
JP2000243972A JP11047034A JP4703499A JP2000243972A JP 2000243972 A JP2000243972 A JP 2000243972A JP 11047034 A JP11047034 A JP 11047034A JP 4703499 A JP4703499 A JP 4703499A JP 2000243972 A JP2000243972 A JP 2000243972A
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JP
Japan
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region
insulating layer
drain
thin film
gate insulating
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JP11047034A
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English (en)
Inventor
Takahide Sugiyama
隆英 杉山
Masahito Kigami
雅人 樹神
Yasuyuki Kageyama
恭行 景山
Koichi Mitsushima
康一 光嶋
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜トランジスタのリーク電流の低減。 【解決手段】 基板10の第一面側に、ソース・ドレイ
ン・チャネル領域を有する薄膜半導体層12、ゲート絶
縁層20およびゲート電極14を有する薄膜トランジス
タにおいて、ゲートドレイン間に所定バイアス電圧Vb
を印加し、薄膜半導体層12の第一面側に位置するゲー
ト絶縁層20の層内のドレイン近傍領域に電荷蓄積領域
30を形成する。この電荷蓄積領域30の存在により、
チャネル領域12cとドレイン領域12dとの界面での
電界集中が緩和されリーク電流が低減される。薄膜半導
体層12の第二面側(ゲート絶縁層非形成側)に、バイ
アス電圧を印加することで電荷蓄積領域を形成する構成
も同様の効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄膜半導体装
置、特に、MIS型トランジスタにおけるリーク電流の
低減を図るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】MIS型トランジスタの一種である薄膜
トランジスタ(TFT)は、現在アクティブマトリクス
型液晶表示装置の表示画素スイッチング素子などとして
多用されている。例えばこの液晶表示装置に用いられる
TFTでは、表示画素を構成する液晶容量に蓄積される
電荷を一定期間保持する必要があることから、そのリー
ク電流ができる限り低いことが望ましい。
【0003】TFTにおけるリーク電流は、TFTのチ
ャネル領域内の結晶粒界に捕獲されている電子が、ドレ
イン領域の近傍に集中する電界によって放出されるため
に発生する。
【0004】そこでこのドレイン領域近傍に集中する電
界を緩和する方法として、従来よりTFTをLDD(Li
ghtly Doped Drain)構造のオフセット型とすることが
知られている。図18は、特開平10−154759号
公報に示された従来のLDD構造のTFTの例を示して
いる。図18のように、基板上に、薄膜半導体層、ゲー
ト絶縁層、ゲート電極が形成されており、薄膜半導体層
中には、ソース領域、ドレイン領域、チャネル領域が形
成され、さらにドレイン領域とチャネル領域との間に、
ドレイン領域へ注入する不純物よりも低濃度の不純物が
注入されたLDD領域が形成されている。このようにド
レイン領域とチャネル領域との間にLDD領域を形成す
ることにより、チャネル領域とドレイン領域との境界に
発生していた電界の集中をLDD領域の存在によって緩
和することが可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図18に示すようなL
DD構造とすることにより、TFTのリーク電流の低減
を図ることができるが、それと同時にTFTの電流駆動
能力(いわゆる相互コンダクタンス)が低下するという
問題がある。これは、LDD領域が抵抗体となって、チ
ャネル領域に実際に印加されるドレイン電圧が低下し、
実効的な移動度が低下してしまうためである。
【0006】上記課題を解決するために、この発明は、
本来の電流駆動特性を低下させることなく、リーク電流
の低減を可能となる薄膜半導体装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は、以下のような特徴を有する。
【0008】この発明は、基板の第一面側に、チャネル
領域とソース領域とドレイン領域とを含む半導体層、ゲ
ート絶縁層及びゲート電極が形成された薄膜半導体装置
であり、前記ゲート電極と前記ドレイン領域との間に所
定のバイアス電圧を印加することで、前記半導体層の第
一面側に形成された前記ゲート絶縁層内に電荷を注入
し、該ゲート絶縁層内の前記チャネル領域に対応する領
域のうち、少なくともドレイン側近傍に、電荷蓄積領域
を形成する。
【0009】例えばn型の薄膜トランジスタである場合
に、ゲート絶縁層中に正の電荷を注入して正の電荷蓄積
領域を形成する。このようにゲート絶縁層中のドレイン
側付近に電荷蓄積領域を存在させることで、ゲート電極
とドレイン領域との間の電位差がこの電荷蓄積領域によ
って分配される。従って、半導体層のチャネル領域とド
レイン領域との界面付近への電界の集中が緩和され、薄
膜半導体装置のリーク電流を低減することができる。
【0010】この発明の他の特徴は、基板の第一面側
に、チャネル領域およびソース領域およびドレイン領域
を含む半導体層、ゲート絶縁層およびゲート電極が形成
された薄膜半導体装置であって、前記半導体層の第一面
側に前記ゲート絶縁層が形成されており、前記ゲート絶
縁層の非形成側である前記半導体層の第二面側には、所
定の絶縁層又は少なくともその第一面が絶縁性を有する
前記基板を介して、電荷蓄積領域形成用電極が形成され
ている。そして、この電荷蓄積領域形成用電極と前記ド
レイン領域との間に所定のバイアス電圧を印加すること
で、前記絶縁層の層内又は前記基板の第一面であって、
その前記チャネル領域に対応する領域のうち、少なくと
もドレイン側近傍に、電荷蓄積領域を形成することであ
る。
【0011】例えばn型の薄膜トランジスタである場合
に、半導体層の第二面側に形成する電荷蓄積領域は、負
の電荷蓄積領域である。このような電荷蓄積領域が半導
体層の第二面側であって、チャネル対応領域のドレイン
側付近に存在することによっても、半導体層のチャネル
領域とドレイン領域との界面付近への電界の集中が緩和
され、薄膜半導体装置のリーク電流を低減することがで
きる。
【0012】また、この発明では、前記半導体層の第二
面と前記基板の第一面との間に所定の絶縁層が形成され
ている構成において、上記電荷蓄積領域形成用電極を、
前記絶縁層と前記基板の第一面との間、または前記基板
の第二面側に設ければよい。これらの位置に電荷蓄積領
域形成用電極を設ければ、確実に半導体層の第二面側に
電荷蓄積領域を形成することが可能となる。特にこの電
荷蓄積領域形成用電極をチャネル対応領域のドレイン側
付近のみに選択的に形成すれば、より確実にドレイン近
傍に電荷蓄積領域を形成することができる。
【0013】この発明の他の特徴は、基板の第一面側
に、チャネル領域およびソース領域およびドレイン領域
を含む半導体層、ゲート絶縁層およびゲート電極が形成
された薄膜半導体装置であって、前記ゲート絶縁層が形
成されている前記半導体層の第一面側、または前記ゲー
ト絶縁層非形成側である前記半導体層の第二面側のいず
れかまたは両方であって、その前記チャネル領域に対応
する領域のうち、少なくともドレイン側近傍に電荷蓄積
領域が形成されていることである。
【0014】前記ゲート絶縁層は、前記チャネル領域に
対応する領域の内の少なくともドレイン側近傍において
多層構造を備え、該多層構造領域内に前記電荷蓄積領域
が形成される構成を採用することができる。
【0015】さらに上記構成において、前記絶縁層が前
記半導体層の第二面と前記基板の第一面との間に形成さ
れている場合、前記絶縁層中に前記電荷蓄積領域を形成
するための電荷蓄積領域形成用電極が、前記絶縁層と前
記基板の第一面との間、または前記基板の第二面側にす
ることができる。
【0016】ゲート絶縁層や、半導体層の第二面側の絶
縁層にこのような多層構造を採用し、各層の材料として
他層との界面に電荷が蓄積しやすい材料を選択すれば、
確実かつ容易に電荷蓄積領域を形成することができる。
【0017】或いは、前記半導体層の第二面側に絶縁層
が形成されている場合において、該絶縁層は、その前記
チャネル領域に対応する領域の内、少なくともドレイン
側近傍において多層構造を備え、該多層構造領域内に前
記電荷蓄積領域が形成される構成を採用することも可能
である。
【0018】さらに、この発明では、薄膜半導体装置に
おいて、前記半導体層は、その第二面が前記基板の第一
面に対向するように形成されており、該基板の第一面と
前記半導体層の第二面との界面領域に構造欠陥(欠陥準
位)が導入されており、該構造欠陥領域のうち前記チャ
ネル領域に対応する領域の内、少なくともドレイン側近
傍に前記電荷蓄積領域が形成された構成を採用すること
も可能である。
【0019】この構造欠陥は、例えば基板上に半導体層
を形成する前に基板表面にスパッタ等によってダメージ
を与えることにより簡単に導入できる。また、所定のバ
イアス電圧を印加することで、該構造欠陥領域に電荷蓄
積領域を形成することができる。
【0020】また、この発明において、半導体層の第二
面側に電荷蓄積層を形成する場合に、チャネル領域に対
応する全域に電荷蓄積領域を形成してもよい。この場
合、電荷蓄積領域形成用電極に所定の条件を満たす電圧
を印加することで、例えば基板と半導体層の第二面側に
形成された絶縁層中にトンネル電子が注入され電荷蓄積
領域が形成される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明の好
適な実施の形態(以下実施形態という)について説明す
る。
【0022】[実施形態1]図1は、この発明の実施形
態に係る薄膜トランジスタの概略構成を示している。
【0023】図示する薄膜トランジスタは、基板10の
第一面側に、薄膜半導体層12、ゲート絶縁層20およ
びゲート電極14を備え、ゲート電極14が薄膜半導体
層12よりも上層にあるいわゆるトップゲート型の薄膜
トランジスタである。
【0024】基板10としては、少なくとも表面が絶縁
性のガラス基板や、シリコン基板などが利用可能であ
る。薄膜半導体層12は、例えば多結晶シリコン層であ
る。また、薄膜半導体層12内には、不純物が高濃度に
注入されたソース領域12sおよびドレイン領域12d
と、不純物が注入されていないか、ソースおよびドレイ
ン領域中の不純物と逆特性の不純物が注入されたチャネ
ル領域12cが形成されている。
【0025】ゲート絶縁層20は、第1ゲート絶縁層2
2と第2ゲート絶縁層24の2層構造を備えており、薄
膜半導体層12のチャネル領域12c上に形成されてい
る。また、ゲート電極14には、アルミなどの導電性金
属材料が用いられ、ゲート絶縁層20上に形成されてい
る。
【0026】本実施形態1において特徴的なことは、ゲ
ート絶縁層20の層内に電荷蓄積領域30が形成されて
いることである。図1では、電荷蓄積領域30は、第1
ゲート絶縁層22と第2ゲート絶縁層24との界面であ
って、チャネル領域12cに対応する領域のドレイン側
近傍に形成されている。
【0027】この電荷蓄積領域30は、TFT形成後、
ゲート電極14とドレイン領域12dとの間に所定のバ
イアス電圧Vbを印加することにより、ドレイン領域側
の位置に選択的に固定電荷が蓄積されて形成される。
【0028】ドレイン領域12dに高電圧を印加し、か
つゲート電極14にドレイン電圧VDより低い電圧VGを
印加することで、ドレイン近傍には高電界領域が形成さ
れる。この高電界領域内ではインパクトイオン化現象に
より、エネルギーの高い電子と正孔(いわゆるホットキ
ャリア)が発生する。同時にゲート電極とドレイン領域
と間の電位差を制御することによりゲート絶縁層20中
に注入されるホットエレクトロンとホットホールの注入
量を制御する。例えばゲート電圧VGをプラスにすれば
ホットエレクトロンがホットホールに比べ多く注入さ
れ、逆にゲート電圧VGをマイナスにすればホットホー
ルがホットエレクトロンに比べ多く注入される。そし
て、正電荷であるホットホールがゲート絶縁層20に注
入されると層内に正の電荷が蓄積されやすくなる。従っ
て、例えば、図2に示すような条件(ゲート電圧VG<
ドレイン電圧VD、ドレイン電圧VD>>0)で、一定時
間バイアス電圧Vbを印加し続けることで、ドレイン付
近に電荷蓄積領域30が形成されるのである。
【0029】ゲート電極14とドレイン領域12dとの
間の電位は、バイアス電圧Vbの印加によって形成され
た正電荷蓄積領域30によって分配される。このため、
チャネル領域12cとドレイン領域12dとの界面にお
ける電界強度は、ゲート−ドレイン間の電位差より小さ
い電荷蓄積領域−ドレイン間の電位差で決定されること
となる。従って、ドレイン領域12d近傍における電界
強度を低くすることができ、電界強度の集中が緩和され
る。その結果、TFTオフ時のリーク電流量を低減する
ことが可能となる。
【0030】第1ゲート絶縁層22と第2ゲート絶縁層
24との膜質を異なるものにすることにより、バイアス
電圧Vbを印加した際に、ゲート絶縁層20内に注入す
る電荷をより効率的にドレイン側近傍に蓄積することが
できる。例えば、SiO2層とSiN層との界面には正
の電荷が発生しやすいため、第1ゲート絶縁層22とし
てSiO2を用い、第2ゲート絶縁層24としてSiN
を用いることができる。
【0031】本実施形態のTFTをLCDなどでアクテ
ィブマトリックスとして使用する場合、つまりガラス基
板上に一括して多数のTFTが作製されている場合、液
晶容量を介したドレイン領域には高電圧を印加し、ゲー
トバスラインにDCバイアスを印加することで、ドレイ
ン領域付近に電荷蓄積領域30を形成することができ
る。この場合、回路的にはドレイン領域側は液晶を介し
た容量結合になっていて、任意の電圧を印加することは
難しいが、ゲート電圧VGをしきい値以下にすることに
よってTFTに効果的にバイアス電圧Vbを印加でき、
ゲート絶縁層20中に電荷蓄積領域30を形成すること
ができる。
【0032】図3は、n型MOSTFT(ゲート幅10
0μm,ゲート長10μm)において、印加するドレイ
ン電圧VDを20Vで一定とし、ゲート電圧VGをそれぞ
れ−10,0,+10Vに設定し、ゲート−ドレイン間
に3種類バイアス電圧Vbを印加した後のMOS特性を
示している。図3において、曲線2−aは、バイアス条
件を(VG,VD)=(10V,20V)とし、曲線2−
bはバイアス条件を(VG,VD)=(0V,20V)と
し、曲線2−cはバイアス条件を(VG,VD)=(−1
0V,20V)とした場合のTFTの特性であり、曲線
2−dは同じTFTの初期特性(電荷非蓄積状態)を示
している。
【0033】図3によれば、曲線2−bのようにゲート
電圧VGを0Vの条件でバイアス電圧を印加すると、T
FTの電流駆動能力を低下させることなく、TFTオフ
時のリーク電流レベルを曲線2−dの初期特性と比較し
て約1桁低くすることができることがわかる。またさら
に、曲線2−cに示すようにゲート電圧VGを−10V
の条件でバイアス電圧Vbを印加すると、曲線2−bに
比較してさらに約1桁リーク電流を低下させることがで
きることがわかる。
【0034】また、図3からもわかるように、電荷蓄積
領域30は、ゲート電極14とドレイン領域12dとの
間のみにバイアス電圧Vbを印加することでゲート電極
下のドレイン領域近傍に選択的に形成できるため、MI
S型トランジスタの重要な特性の一つであるしきい値電
圧の変動が生じない。
【0035】本実施形態1の薄膜トランジスタは、上記
電荷蓄積領域30(ここでは、正の電荷蓄積領域)の存
在により、リーク電流を低減して低消費電力とすること
ができるが、同時に図18に示すようなオフセット構造
の薄膜トランジスタに比べ移動度が高いため、デバイス
サイズを小さくすることができる。従って、この薄膜ト
ランジスタをアクティブマトリクス型液晶表示装置(L
CD)の表示部スイッチ素子に用いれば、LCDの開口
率を向上することが可能となり、また同一の絶縁基板上
に回路を作り込むのにも有利となり、LCDの高性能化
が実現できる効果がある。また、LCDに限らず、その
他有機ELディスプレイなどのディスプレイ装置のスイ
ッチ素子などに用いた場合にも同様の効果が得られる。
【0036】(実施例1)次に、実施形態1に係る薄膜
トランジスタの具体的な実施の一例と、その薄膜トラン
ジスタの特性を評価した結果について説明する。なお、
素子構造は、図1に示すとおりである。
【0037】基板10には、比抵抗0.8〜1.2Ωc
mのn型(面方位100)Si基板を用いた。次に、1
000℃の熱処理を行うことでSi基板表面に絶縁性物
質として熱酸化膜を500nmの厚さに形成した。その
後、100nmの厚さにアモルファスシリコン層を形成
した。このアモルファスシリコン層(12)は、減圧C
VD装置を使用し、Si26:300sccm、温度:
520℃の条件で形成した。続いて、アモルファスシリ
コンを結晶化させるために窒素雰囲気中で600℃、2
4時間の条件でアニールを行った。
【0038】次に2層構造のゲート絶縁層20を形成し
た。まず、第1ゲート絶縁層22としてSiO2層を1
0nm形成し、その後、第2ゲート絶縁層24としてS
iN層を90nm形成した。これらの絶縁層22、24
の形成にはプラズマCVD装置を用いた。その後、窒素
雰囲気で500℃、1時間の条件でアニールを行った。
【0039】次にフォトレジストによって、結晶化した
薄膜シリコン半導体層12のチャネル領域12cを形成
すべき領域をマスクし、砒素をドーズ量1×1016cm
-2、打ち込みエネルギー80keVの条件でイオン注入
し、600℃、24時間の条件でアニールして、チャネ
ル領域12cの両側にソース領域12s、ドレイン領域
12dを形成した。
【0040】マスクとなったフォトレジストを除去した
後、スパッタにて基板全面にアルミの層を600nmの
厚さに形成した。また、フォトレジストによって、アル
ミ層上のチャネル領域12cに対応する領域をマスク
し、RIE(反応性イオンエッチング)によってマスク
された領域以外をエッチングすることで、図1に示すよ
うにチャネル領域12cを覆うゲート絶縁層20および
ゲート電極14を形成し、薄膜トランジスタを完成し
た。
【0041】続いてゲート電極14とドレイン領域12
dとの間にバイアス電圧Vbを印加した。これにより、
ゲート電極14とドレイン領域12dとの間に位置する
第1ゲート絶縁層22と第2ゲート絶縁層24との界面
に、正の固定電荷を蓄積し、電荷蓄積領域30を形成し
た。
【0042】図4は、上記実施例1に係る薄膜トランジ
スタの薄膜半導体層12とゲート絶縁層20との界面に
おける電界強度分布をシミュレーションした結果を示
す。
【0043】このシュミレーションは、薄膜トランジス
タのゲート長を10μm、第1ゲート絶縁層22を上述
の通りSiO2層10nm、第2ゲート絶縁層24をS
iN層90nmとし、ドレイン電圧VDは5V、ゲート
電圧VGは0.0Vのバイアス条件で行った。図4の横
軸の0点は、チャネル領域とドレイン領域との界面を示
している。実線3−aは、第1ゲート絶縁層22と第2
ゲート絶縁層24との界面に、電荷蓄積領域30とし
て、ドレイン領域からチャネル領域側に1μm幅に、正
の固定電荷を1×1012C/cm2蓄積させた場合の電
荷分布を表している。点線3−bは、固定電荷を蓄積さ
せない場合の電界分布である。図4の結果から明らかな
ように固定電荷をドレイン近傍に蓄積させることによ
り、発生する電界強度を約半分程度に(点線3−bが約
0.22MV/cmに対し、実線3−aは約0.12M
V/cm)まで低くなっている。
【0044】以上のことから、本実施例1の薄膜トラン
ジスタでは、リーク電流量に換算して約50%の低減が
可能となることがわかる。
【0045】ところで、上記実施例1では、ソース・ド
レイン領域12s、12dに砒素をイオン注入した場合
を例に挙げているが、注入する不純物は、リン等のV属
元素やVI属元素でもよく(例えばn型TFTの場
合)、またボロン等のIII属元素やII属元素でも同様な
効果が得られる(例えばp型TFTの場合)。なお、p
型TFTでは一般的にリーク電流があまり大きくないた
め従来よりLDD構造を採用することが少なかったが、
リーク電流をさらに低減すると共にできる限り高い電流
駆動能力を有するTFTを得るには、以上の説明のよう
に電荷蓄積領域を形成することが好適である。そして、
その際、ゲート絶縁層中には、ホットエレクトロンを注
入して、負の電荷蓄積領域を形成する。
【0046】また、薄膜半導体層12には、低温で得た
ポリシリコン層を用いているが、本実施形態および以下
に説明する実施形態においても、基板としてガラス基板
等を採用し、CVDで形成したアモルファスシリコンを
レーザアニール等を用い、さらに低温(300℃以下)
で多結晶化して得たポリシリコン層を用いてもよい。ま
た、単結晶シリコン層でもよく、さらに高温ポリシリコ
ン層(600℃以上の熱処理工程を経て多結晶化される
もの)を用いても同様の効果が得られる。
【0047】[実施形態2]図5〜図8は、実施形態2
に係る薄膜半導体装置の構成をそれぞれ示している。各
図に示すように、実施形態2では、ゲート絶縁層20の
構成中に電荷蓄積領域32を形成する点で実施形態1と
共通するが、ゲート絶縁層20の構成が相違する。な
お、実施形態1と同様の構成については説明を省略す
る。
【0048】図5に示す薄膜半導体装置(TFT)で
は、実施形態1のようにゲート絶縁層20全体が2層構
造をとるのではなく、チャネル領域12c上のドレイン
側のみ絶縁領域22−aが残されて2層構造となってい
る。言い換えると、図1のTFTは、第1ゲート絶縁層
22が薄膜半導体層12のチャネル領域12c上の全面
を覆うように形成されているが、図5では、図1の第1
ゲート絶縁層22がチャネル領域12c上のドレイン側
にのみ形成されて絶縁領域22−aを構成している。ま
た、第2ゲート絶縁層24は、露出したチャネル領域1
2cの表面と絶縁領域22−aを覆っている。TFTが
n型の場合、正電荷を界面に蓄積しやすくするため、実
施形態1と同様に、絶縁領域22−aとしてSiO2
用い、第2ゲート絶縁層24としてSiNを用いる。
【0049】図5のゲート絶縁層20は、例えば、以下
のような方法によって形成することができる。まず、薄
膜半導体層12上にプラズマCVDなどによってSiO
2絶縁層を所定厚さに形成する。次に、フォトリソグラ
フィ技術を用いてこのSiO2絶縁層をエッチングし
て、チャネル領域12c上のドレイン側にのみ該SiO
2絶縁層を残して絶縁領域22−aを形成する。その
後、SiNをプラズマCVDなどを用いて成膜すること
で、露出したチャネル領域12c表面および絶縁領域2
2−aを覆う第2ゲート絶縁層24を得る。
【0050】ところで、SiO2絶縁領域22−aの形
成にあたり、図5に示す例では、SiO2絶縁層をエッ
チングするために、希フッ酸を用いたウェットエッチン
グを行う。このようなウェットエッチングを行えば、S
iO2絶縁領域22−a形成時に、チャネル領域12c
の表面の一部がエッチング液に曝されることによって、
TFT特性が悪影響を受けることはほとんどない。一
方、絶縁領域22−aをより寸法精度よく形成するため
には、ウェットエッチングよりドライエッチングが望ま
しい。ドライエッチングを採用する場合は、特にチャネ
ル表面の一部がドライエッチングに曝されるため、図5
の構成では、チャネル表面にダメージを与える可能性が
ある。
【0051】図6は、このようなドライエッチングを行
う場合に、チャネル表面がダメージを受けることを防止
できる構成を示している。この構成では、薄膜半導体層
12の表面に、まず薄いSiN層を絶縁層26として形
成した後に、SiO2層をプラズマCVDによって絶縁
層26上に形成する。次に、このSiO2層をフォトリ
ソグラフィ技術を用いてドライエッチングして絶縁領域
22−aを形成する。その後SiN絶縁層をプラズマC
VDで形成して第2ゲート絶縁層24を形成する。この
ように絶縁領域22−aと薄膜半導体層12との間に絶
縁層26を設けることにより、チャネル表面の受けるダ
メージをかなり低減でき、かつ寸法精度の高い電荷蓄積
領域の形成が可能となる。
【0052】図7に示すTFTは、図5のTFTの構造
の別の改良例を示している。図5の構成では、絶縁領域
22−aのドレイン側端部がむき出しになっている。最
終的なTFTにおいては、ソース・ドレイン領域12
s、12dの表面及びゲート絶縁層20の側面は層間絶
縁層に覆われ、層間絶縁層に形成されたコンタクトホー
ルを介してソース用やドレイン用の金属電極(例えばA
l)がソース・ドレイン領域12s、12dに接続され
る。しかし、層間絶縁層の耐圧があまり高くなかった
り、該層間絶縁層の厚さとの兼ね合いや、層間絶縁層の
カバレッジ性の善し悪しなどにより、絶縁領域22−a
とドレイン用金属電極とが接触する可能性がある。も
し、絶縁領域22−aとドレイン用金属電極とが接触す
ると、薄膜半導体層12内で生じたホットホールを効率
よくゲート絶縁層20中の電荷蓄積領域32に注入でき
ない可能性がある。
【0053】そこで、図7の構造では、ゲート絶縁層2
0、特に絶縁領域22−aと、図示しないドレイン用金
属電極とが接触しないように、絶縁領域22−aの端部
位置を変えずに、第2ゲート絶縁層24およびゲート電
極14のドレイン領域12dへのオーバーラップ分を大
きくしている。この構造によりドレイン用の金属電極と
絶縁領域22−aとの間を確実に第1ゲート絶縁層24
にて絶縁でき、より効率的にドレイン近傍のホットホー
ルを絶縁領域22−aに注入できる。
【0054】ところで、図5〜図7に示すようにゲート
絶縁層20の一部に絶縁領域22−aを形成すると、実
際には、絶縁領域22−aの存在する場所と、直接第2
ゲート絶縁層24がチャネル領域12cと接している場
所とでは、ゲート絶縁層20の総厚が異なる。図8は、
図7を例に挙げ、実際に起こるゲート絶縁層20の厚さ
の違いを示している。図8のようにゲート絶縁層厚が不
均一となってもこれによりTFT特性が根本的に劣化す
ることはないが、ゲート絶縁層が不均一であることで、
TFTのMOS特性のしきい値電圧については変動する
と考えられる。このしきい値変動は、絶縁領域22−a
の存在するゲート絶縁層20の厚さで決定するが、その
変動を折り込み済みで回路設計等を行えば、TFTを問
題なく駆動することができる。加えて電荷蓄積量を制御
すれば、絶縁領域22−aの部分で決定されるしきい値
電圧は制御することができる。
【0055】また、リーク電流低減のために電荷蓄積領
域32に正の電荷を蓄積するため(n型MOSTFTの
場合)、TFTのしきい値電圧は低くなる。従って、ド
レイン側では絶縁領域22−aの存在分だけゲート絶縁
層20の総厚が厚くなっても、電気的にはしきい値電圧
値をゲート絶縁層全体でそろえることも可能である。
【0056】[実施形態3]上述の実施形態1および2
の薄膜トランジスタでは、薄膜半導体層の第一面側にあ
るゲート絶縁層20の層内に、電荷蓄積領域30又は3
2を形成する。これに対し本実施形態3では、薄膜半導
体層の第二面側、つまりゲート絶縁層非形成側に電荷蓄
積領域を形成し、ドレイン領域近傍での電界の集中を防
止を図っている。なお、図中には示さないが、ゲート絶
縁層中に上記実施形態1又は2のような電荷蓄積領域が
形成されていてもよい。
【0057】図9は、本実施形態3に係る薄膜トランジ
スタの一構成例を示している。図9の薄膜トランジスタ
では、基板11と薄膜半導体層12との間に第1下地絶
縁層(SiN)40および第2下地絶縁層(SiO2
42とが形成されている。そして、第1および第2下地
絶縁層40、42の界面であって、チャネル領域12c
のドレイン側に位置する領域に、負の電荷が蓄積されて
電荷蓄積領域34が形成されている。
【0058】薄膜半導体層12のチャネル領域12c上
にはゲート絶縁層20が形成され、さらにゲート絶縁層
20の上にはゲート電極14が形成されている。本実施
形態3では、ゲート絶縁層20は層内に電荷蓄積領域を
形成するのでなければ、必ずしも実施形態1、2のよう
に多層構造とする必要はないが、多層構造としてもよ
い。
【0059】また、図9の構成において、基板11の第
二面側には、電荷蓄積領域34を形成するための基板電
極60が形成されている。
【0060】ここで、基板11は、ガラス基板ではな
く、SIMOX(Separation by imprantation of oxyg
en SOI wafer)基板や張り合わせ基板等、いわゆるSO
I基板のように第1下地絶縁層40が1μm以下の場合
を想定している。本実施形態3中においては、基板11
としてSOI基板を用いた場合を想定して説明を行う。
【0061】図9に示すように、ドレイン領域12dに
は、ドレイン電圧VDとして高電圧(VD>>0,但しV
G<VD)を印加し、これによりホットホールとホットエ
レクトロンが発生する。同時に基板電極60には、基板
電極電圧Vsubとしてゲート電圧より大きい正の電圧
(VG<Vsub)を印加することにより、そのホットエレ
クトロンが、薄膜半導体層12のドレイン近傍直下の第
1下地絶縁層40と第2下地絶縁層42との界面に注入
され、負の電荷蓄積領域34となる。つまり、このよう
な条件を満たすバイアス電圧Vbsを基板電極60−ドレ
イン領域12d間に印加することにより、第1下地絶縁
層40と第2下地絶縁層42との界面に電荷蓄積領域3
4を形成することができる(n型TFTの場合)。
【0062】薄膜半導体層12の第二面側のドレイン領
域近傍に負の電荷蓄積領域34を形成すれば、チャネル
領域12cとドレイン領域12dとの界面への電界集中
が緩和され、薄膜トランジスタのリーク電流を低くする
ことができる。なお、p型TFTの場合には、下地絶縁
層40、42内にホットホールを注入し、薄膜半導体層
12の第二面側のドレイン領域近傍に、正の電荷蓄積領
域34を形成する。
【0063】図10は、図9に示す薄膜トランジスタの
変形例を示している。図10では、シリコン基板11上
に下地絶縁層42(SiO2)を有し、更に、下地絶縁
層42のチャネル領域対応領域のドレイン側には、部分
的にSiNの絶縁領域40−aが形成されている。そし
て、絶縁領域40−aと下地絶縁層40との界面に負の
電荷蓄積領域34が形成されている。この電荷蓄積領域
34は、図9と同様にドレイン領域12dと、基板電極
60との間に所定のバイアス電圧Vbsを印加することで
形成する。
【0064】絶縁領域40−aは、まず、基板11上の
全面にSiN層を形成し、その後、SiN層をフォトリ
ソグラフィ技術を用いてエッチングして、チャネル対応
領域のドレイン側近傍のみに残すことで形成する。
【0065】図10の他の構成部分およびそれらの製造
方法については基本的に図9の構成と同じである。な
お、図10の構成では、薄膜半導体層12を固相成長に
より形成するいわゆるSPE(Solid phase epitaxia
l)成長法によって形成する方法を採用するが、この方
法以外によって形成しても、TFTのリーク電流低減の
効果は同様に得られる。
【0066】[実施形態4]図11は、実施形態4に係
る薄膜トランジスタの構成を示している。本実施形態4
の薄膜トランジスタは、構成自体は実施形態3の図9と
同一である。しかし、第1下地絶縁層40と第2下地絶
縁層42との界面の全面に電荷蓄積領域35が形成され
ており、この電荷蓄積領域35の形成原理が実施形態3
と異なっている。
【0067】具体的には、上記実施形態3ではn型TF
Tにおいて電荷蓄積領域34を形成するために下地絶縁
層中にホットキャリアを注入する。これに対して、本実
施形態4では、下地絶縁層40、42にトンネル電流
(いわゆるFN電流)によるトンネル電子を注入して、
下地絶縁層の界面全体に電荷蓄積領域35を形成してい
るのである。
【0068】下地絶縁層中へのトンネル電子注入は、図
11に示すように、基板電極電圧Vsubとして、ソース
電圧VS、ドレイン電圧VD、ゲート電圧VGに対して十
分高い正の電圧を印加することで実現する。このような
バイアス電圧Vtを印加することで薄膜半導体層12か
ら第2下地絶縁層42と第1下地絶縁層40との界面に
トンネル電子が注入され、電荷蓄積領域35が形成され
る。
【0069】このように第1下地絶縁層40と第2下地
絶縁層42との界面の全面に電荷蓄積領域35を形成す
ることにより、薄膜トランジスタの動作しきい値電圧が
実効的に大きくなり、それにより薄膜トランジスタのリ
ーク電流を低減することが可能となる。
【0070】[実施形態5]図12〜図15は、実施形
態5に係る薄膜トランジスタの構成例をそれぞれ示す。
実施形態3と同様に本実施形態5では、薄膜半導体層1
2の第二面側(ゲート絶縁層の非形成面側)に電荷蓄積
領域36を形成する(n型TFTの場合、負の電荷蓄積
領域)。実施形態3と異なる点は、基板としてシリコン
基板ではなく、ガラス基板13を用いており、基板13
と薄膜半導体層12との間に下地電極70又は埋込電極
72を形成していることである。
【0071】まず、図12に示す薄膜トランジスタで
は、ガラス基板13上に、下地電極70、第1下地絶縁
層46、第2下地絶縁層48、薄膜半導体層12、ゲー
ト絶縁層20およびゲート電極14がこの順に形成され
ている。下地電極70は、ドナーまたはアクセプターと
なる不純物を含んだシリコン薄膜を減圧CVDもしくは
プラズマCVDによって堆積することによって形成でき
る。但し、この方法に限らず、透明金属材料などを形成
して下地電極70としてもよい。
【0072】下地電極70は、実施形態3の基板電極6
0と同様の機能を発揮する。従って、この下地電極70
と、ドレイン領域12dとの間に所定のバイアス電圧V
bsを印加することによって、第1下地絶縁層46と第2
下地絶縁層48との界面であって、チャネル対応領域の
ドレイン側に、選択的に負の電荷蓄積領域36が形成さ
れる(n型TFTの場合)。そして、この負の電荷蓄積
領域36の存在により、チャネル領域12cとドレイン
領域12dとの界面付近への電界集中が緩和され、TF
Tのリーク電流が低減される。
【0073】図13の薄膜トランジスタでは、図12の
第1下地絶縁層46に代わってチャネル対応領域のドレ
イン側のみに絶縁領域50が形成されている。また、負
の電荷蓄積領域36は、この絶縁領域50と第2下地絶
縁層48との界面に形成されている。絶縁領域50は、
下地電極70上に図12と同じ第1下地絶縁層を形成
し、フォトリソグラフィ技術を用いてこの絶縁層をチャ
ネル対応領域のドレイン側のみ残してエッチング除去す
ることで形成する。第2下地絶縁層48は、露出した下
地電極70および絶縁領域50上を覆うように形成す
る。電荷の蓄積方法は、図12の構成と同様に、下地電
極70とドレイン領域12dとの間に所定のバイアス電
圧Vbsを印加すればよい。
【0074】図14に示す薄膜トランジスタでは、より
確実にドレイン近傍にのみ電荷蓄積領域36を形成する
ために、埋込電極72を部分的に形成している。そし
て、この埋込電極72を覆うように第1下地絶縁層4
6、第2下地絶縁層48が形成されている。埋込電極7
2は、上記下地電極70と同様にドナーまたはアクセプ
ターとなる不純物を含んだシリコン薄膜を減圧CVDも
しくはプラズマCVDによって堆積して得た導電層を用
い、さらに各薄膜トランジスタに対応するようにマスク
形成工程、エッチング工程を経ることで形成される。ま
た、各薄膜トランジスタに対応して形成される埋込電極
72は、互いに図示しないバスラインによって接続して
おくことで、基板全体で一括して所定の電圧を印加する
ことができる。なお、電荷蓄積領域36は、上記図1
2、13と同様に、埋込電極72と対応するドレイン領
域12dにバイアス電圧Vbsを印加することによって形
成する。
【0075】図15に示す薄膜トランジスタでは、図1
4の第1下地絶縁層46の代わりに絶縁領域50を有し
ている。この絶縁領域50は、図14の第1下地絶縁層
46を埋込電極72と同様、チャネル対応領域のドレイ
ン側にのみ残してエッチング除去することで形成でき
る。
【0076】具体的には、まず基板13全面に埋め込み
電極材料層を形成し、続いて第1下地絶縁層を形成す
る。その後、マスクを形成してこれら2層を同時にエッ
チングする。これにより、同一形状の埋込電極72と絶
縁領域50がドレイン近傍領域に形成される。但し、埋
込電極72および絶縁領域50をそれぞれ別工程でパタ
ーニングしてもよい。
【0077】第2下地絶縁層48は、埋込電極72およ
び絶縁領域50を形成した後、絶縁領域50と露出した
ガラス基板13を覆うように形成する。電荷蓄積領域3
6の形成方法は、図12〜14と同一であり、この電荷
蓄積領域36は、絶縁領域50と第2下地絶縁層48と
の界面に形成される。
【0078】以上図12から図15に例示するように基
板としてガラス基板13を用いた場合にも、下地電極7
0や埋込電極72を予め形成することで、薄膜半導体層
12の第二面側のチャネル対応領域のドレイン側に電荷
蓄積領域を形成でき、TFTのリーク電流低減を図るこ
とができる。
【0079】また、図13、図14および図15におい
て、下地絶縁層のカバレッジ不良が問題になる場合に
は、島状に形成される絶縁領域50や埋込電極72の厚
さを第2下地絶縁層48より薄くすればよい。
【0080】[実施形態6]図16は、実施形態6に係
る薄膜トランジスタの構成を示す。図16の薄膜トラン
ジスタでは、基板10と薄膜半導体層12との界面(薄
膜半導体層12の第二面側)に構造欠陥に起因した欠陥
準位80が導入されている。
【0081】基板10上に薄膜半導体層12を形成する
前に、Arスパッタにて絶縁性の基板10の表面にダメ
ージを与えて構造欠陥を発生させ、その上に薄膜半導体
層12を形成すると該ダメージに起因して欠陥準位80
が発生する。この欠陥準位80は、スパッタ時のRFパ
ワー等でその欠陥密度を制御することができる。
【0082】図16に示すように、基板10とチャネル
領域中のドレイン近傍の界面に存在している欠陥準位8
0に対し、選択的に電荷蓄積領域38を形成するには、
基板10の第二面側に形成した基板電極60に、図9の
ような条件を満たす基板電極電圧Vsubを印加して、ド
レイン領域12dとの間に所定のバイアス電圧Vbsをか
ける。これにより、ドレイン近傍の欠陥準位80にホッ
トエレクトロンが注入され負の電荷蓄積領域38が形成
される。
【0083】また、欠陥準位80に対しそのチャネル領
域全域に電荷蓄積領域38を形成する場合には、ソース
電圧VS、ドレイン電圧VD、ゲート電圧VG、および基
板電極電圧Vsubを図11に示すような条件に設定す
る。これにより、薄膜半導体層12から欠陥準位80に
トンネル電子が注入されチャネル領域全域に負の電荷蓄
積領域38が形成され、TFT(n型TFT)のリーク
電流が低減される。
【0084】[実施形態7]実施形態1〜実施形態6で
は、基板上でゲート電極が薄膜半導体層よりも上層に形
成されたいわゆるトップゲート型のTFTを例に挙げて
説明しているが、ゲート電極が薄膜半導体層よりも下層
にあるボトムゲート型のTFTであっても、各実施形態
と同様な効果が得られる。
【0085】例えば、図17(a)のように、基板10
上にゲート電極14、ゲート絶縁層21および薄膜半導
体層12がこの順に形成されている場合において、薄膜
半導体層12の第一面側に位置するゲート絶縁層21中
に電荷を注入して電荷蓄積領域31を形成する。この構
成によっても、ドレイン領域12dとチャネル領域12
cとの界面への電界集中を緩和でき、リーク電流の低減
を図ることができる。なお、n型TFTの場合には、正
の電荷蓄積領域31、p型TFTの場合、負の電荷蓄積
領域31を形成する。
【0086】また図17(b)に示すように、薄膜半導
体層12の第二面側に電荷蓄積領域39を形成しても良
い。この場合、薄膜半導体層12上には絶縁層49が形
成され、この絶縁層49上にさらに絶縁層51を形成す
る。この絶縁層51は、絶縁層49の全面を覆うように
形成されていても良いが、チャネル領域12cのドレイ
ン側近傍にのみ形成してもよい。また、絶縁層51上
に、電極73を形成し、電極73とドレイン領域12d
との間に所定のバイアス電圧Vbsを印加することで、絶
縁層49と絶縁層51との界面に電荷蓄積領域39を形
成する。このような構成によってもリーク電流低減の効
果が得られる。なお、n型TFTの場合には、負の電荷
蓄積領域39、p型TFTの場合、正の電荷蓄積領域3
9を形成する。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、この発明において
は、薄膜半導体層の第一面側(ゲート絶縁層側)又は第
二面側(ゲート絶縁層非形成側)のいずれか又は両方
に、電荷蓄積領域を形成する。この電荷蓄積領域の存在
により、チャネル領域とドレイン領域との界面での電界
集中を緩和でき、薄膜半導体装置の電流駆動能力を低下
させることなく、リーク電流を低減することが可能とな
る。また、この電荷蓄積領域は、所定条件のバイアス電
圧を薄膜半導体装置に印加することによって形成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係る薄膜トランジスタの構成を
示す図である。
【図2】 実施形態1に係る薄膜トランジスタへのバイ
アス電圧の印加条件を示す図である。
【図3】 実施形態1に係る薄膜トランジスタに印加す
るバイアス電圧を変えた場合の特性の違いを示す図であ
る。
【図4】 正電荷蓄積領域を形成した場合と形成しない
場合のドレイン領域近傍における電界強度分布を比較す
る図である。
【図5】 実施形態2に係る薄膜トランジスタの構成を
示す図である。
【図6】 実施形態2に係る薄膜トランジスタの図5と
異なる構成を示す図である。
【図7】 実施形態2に係る薄膜トランジスタの図5と
異なる構成を示す図である。
【図8】 実施形態2に係る薄膜トランジスタのゲート
絶縁層の厚さについて説明する図である。
【図9】 実施形態3に係る薄膜トランジスタの構成を
示す図である。
【図10】 実施形態3に係る薄膜トランジスタの図9
と異なる構成を示す図である。
【図11】 実施形態4に係る薄膜トランジスタの構成
を示す図である。
【図12】 実施形態5に係る薄膜トランジスタの構成
を示す図である。
【図13】 実施形態5に係る薄膜トランジスタの図1
2と異なる構成を示す図である。
【図14】 実施形態5に係る薄膜トランジスタの図1
2と異なる構成を示す図である。
【図15】 実施形態5に係る薄膜トランジスタの図1
2と異なる構成を示す図である。
【図16】 実施形態6に係る薄膜トランジスタの構成
を示す図である。
【図17】 実施形態7に係るボトムゲート型の薄膜ト
ランジスタの構成を示す図である。
【図18】 従来のLDD型薄膜トランジスタの構成を
示す図である。
【符号の説明】
10 基板、11 シリコン基板、12 薄膜半導体層
(薄膜シリコン層)、13 ガラス基板、14 ゲート
電極、20 ゲート絶縁層、22 第1ゲート絶縁層、
22−a,40−a,50 絶縁領域、24 第2ゲー
ト絶縁層、26絶縁層、30,31,32 電荷蓄積領
域、34,35,36,38,39電荷蓄積領域、40
第1下地絶縁層、42 第2下地絶縁層、49,51
絶縁層、60 基板電極(電荷蓄積領域形成用電
極)、70 下地電極(電荷蓄積領域形成用電極)、7
2 埋込電極(電荷蓄積領域形成用電極)、73 電極
(電荷蓄積領域形成用電極)、80 欠陥準位。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 景山 恭行 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 光嶋 康一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5F110 AA06 CC02 DD02 DD05 EE03 EE44 FF02 FF03 FF09 FF23 FF30 GG02 GG13 GG15 GG47 HJ13 QQ04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の第一面側に、チャネル領域とソー
    ス領域とドレイン領域とを含む半導体層、ゲート絶縁層
    及びゲート電極が形成された薄膜半導体装置であり、 前記ゲート電極と前記ドレイン領域との間に所定のバイ
    アス電圧を印加することで、 前記半導体層の第一面側に形成された前記ゲート絶縁層
    内に電荷を注入し、該ゲート絶縁層内の前記チャネル領
    域に対応する領域のうち、少なくともドレイン側近傍
    に、電荷蓄積領域を形成することを特徴とする薄膜半導
    体装置。
  2. 【請求項2】 基板の第一面側に、チャネル領域および
    ソース領域およびドレイン領域を含む半導体層、ゲート
    絶縁層およびゲート電極が形成された薄膜半導体装置で
    あって、 前記半導体層の第一面側には前記ゲート絶縁層が形成さ
    れており、 前記ゲート絶縁層の非形成側である前記半導体層の第二
    面側には、所定の絶縁層又は少なくともその第一面が絶
    縁性を有する前記基板を介して、電荷蓄積領域形成用電
    極が形成されており、 前記電荷蓄積領域形成用電極と前記ドレイン領域との間
    に所定のバイアス電圧を印加することで、前記絶縁層の
    層内又は前記基板の第一面であって、その前記チャネル
    領域に対応する領域のうち、少なくともドレイン側近傍
    に、電荷蓄積領域を形成することを特徴とする薄膜半導
    体装置。
  3. 【請求項3】 基板の第一面側に、チャネル領域および
    ソース領域およびドレイン領域を含む半導体層、ゲート
    絶縁層およびゲート電極が形成された薄膜半導体装置で
    あり、 前記ゲート絶縁層が形成されている前記半導体層の第一
    面側、または前記ゲート絶縁層非形成側である前記半導
    体層の第二面側のいずれかまたは両方であって、その前
    記チャネル領域に対応する領域のうち、少なくともドレ
    イン側近傍に電荷蓄積領域が形成されていることを特徴
    とする薄膜半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の薄膜半導体装置におい
    て、 前記ゲート絶縁層は、前記チャネル領域に対応する領域
    の内の少なくともドレイン側近傍において多層構造を備
    え、該多層構造領域内に前記電荷蓄積領域が形成される
    ことを特徴とする薄膜半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の薄膜半導体装置におい
    て、 前記半導体層の第二面側に絶縁層が形成されており、 該絶縁層は、その前記チャネル領域に対応する領域の
    内、少なくともドレイン側近傍において多層構造を備
    え、該多層構造領域内に前記電荷蓄積領域が形成される
    ことを特徴とする薄膜半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の薄膜半導体装置におい
    て、 前記半導体層は、その第二面が前記基板の第一面に対向
    するように形成されており、 該基板の第一面と前記半導体層の第二面との界面領域に
    は構造欠陥が導入されており、該構造欠陥領域のうち前
    記チャネル領域に対応する領域の内の少なくともドレイ
    ン側近傍に前記電荷蓄積領域が形成されていることを特
    徴とする薄膜半導体装置。
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