JP2000243935A - 半導体装置および半導体装置の動作方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の動作方法

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JP2000243935A
JP2000243935A JP3878799A JP3878799A JP2000243935A JP 2000243935 A JP2000243935 A JP 2000243935A JP 3878799 A JP3878799 A JP 3878799A JP 3878799 A JP3878799 A JP 3878799A JP 2000243935 A JP2000243935 A JP 2000243935A
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layer
film
semiconductor device
electrons
voltage
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Hideaki Fujiwara
英明 藤原
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長寿命化,低電圧化,動作の高速化,低消費電
力化,高集積化を図ることが可能な不揮発性半導体メモ
リを提供する。 【解決手段】メモリセル21aの動作電圧を、ソース電
圧VS:3V、ドレイン電圧VD:−3V、制御ゲート電
圧VCG:3Vに設定する。すると、ポリシリコンスペー
サ15aに電界が印加され、タングシテンシリサイドか
ら成るドレイン電極16とスペーサ15aとのショット
キ障壁を透過した電子は、当該電界で加速される。電子
がシリコン酸化膜から成る絶縁膜14aの障壁を越える
ために必要なエネルギーは3.2eVであり、そのとき
の平均自由行程は約30〜40nmであるため、スペー
サ15aの膜厚を30nmにすれば、前記ショットキ障
壁を透過した電子のほぼ全てが、絶縁膜14aの障壁を
越えるエネルギーを獲得してホットエレクトロンにな
り、スペーサ15a中にとどまることなく、極めて高い
確率で浮遊ゲート電極8aに注入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置および半
導体装置の動作方法に係り、詳しくは、不揮発性半導体
メモリとして動作する半導体装置、および、当該半導体
装置を不揮発性半導体メモリとして動作させるための動
作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気メモリであるハードディスク
およびフロッピィディスクに代替可能な半導体メモリと
して、EPROM(Erasable and Programmable Read O
nly Memory)やEEPROM(Electrically Erasable
and Programmable Read Only Memory )等の不揮発性半
導体メモリが注目されている。
【0003】EPROMやEEPROMのメモリセルで
は、浮遊ゲート電極にキャリアを蓄積し、キャリアの有
無によりデータの記憶を行うと共に、キャリアの有無に
よるしきい値電圧の変化を検出することによりデータの
読み出しを行っている。特に、EEPROMには、メモ
リセルアレイ全体でデータの消去を行うか、あるいは、
メモリセルアレイを任意のブロックに分けて各ブロック
単位でデータの消去を行うフラッシュEEPROMがあ
る。このフラッシュEEPROMはフラッシュメモリと
も呼ばれ、大容量化,低消費電力化,高速化が可能で耐
衝撃性に優れるという特徴を有することから、種々の携
帯機器で使用されている。また、フラッシュEEPRO
Mのメモリセルは1つのトランジスタから構成され、E
EPROMと較べて高集積化が容易であるという利点を
有する。
【0004】従来、フラッシュEEPROMを構成する
メモリセルとして、スタックトゲート型およびスプリッ
トゲート型が提案されている。スタックトゲート型メモ
リセルにおいて、浮遊ゲート電極に電子を蓄積させる書
込動作では、半導体基板のチャネル中の電子をホットエ
レクトロンにして浮遊ゲート電極に注入するが、その
際、制御ゲート電極に十数Vの電圧を印加する必要があ
る。また、スタックトゲート型メモリセルにおいて、浮
遊ゲート電極に蓄積した電子を引き抜く消去動作では、
ドレイン領域から浮遊ゲート電極にファウラー−ノルド
ハイム・トンネル電流(Fowler-Nordheim Tunnel Curre
nt、以下、FNトンネル電流という)を流すが、その
際、ドレイン領域に十数Vの電圧を印加する必要があ
る。
【0005】スプリットゲート型メモリセルにおいて、
浮遊ゲート電極に電子を蓄積させる書込動作では、半導
体基板のチャネル中の電子をホットエレクトロンにして
浮遊ゲート電極に注入するが、その際、ドレイン領域に
十数Vの電圧を印加する必要がある。また、スプリット
ゲート型メモリセルにおいて、浮遊ゲート電極から電子
を引き抜く消去動作では、制御ゲート電極から浮遊ゲー
ト電極にFNトンネル電流を流すが、その際、制御ゲー
ト電極に十数Vの電圧を印加する必要がある。
【0006】このように、従来のスタックトゲート型お
よびスプリットゲート型のメモリセルでは、書込動作に
おいて浮遊ゲート電極に電子を注入するのにホットエレ
クトロンを利用し、消去動作において浮遊ゲート電極に
蓄積された電子を引き抜くのにFNトンネル電流を利用
している。
【0007】ところで、浮遊ゲート電極に蓄積されたキ
ャリアを長期間に渡って保持するには、浮遊ゲート電極
を取り囲む絶縁膜の膜厚を厚くする必要がある。しか
し、浮遊ゲート電極に電子を注入または引き抜く際に、
ホットエレクトロンまたはFNトンネル電流を利用して
いるため、浮遊ゲート電極を取り囲む絶縁膜の膜厚を厚
くするほど、書込動作または消去動作において制御ゲー
ト電極やドレイン領域に印加する電圧(以下、メモリセ
ルの動作電圧という)を高くしなければならない。
【0008】メモリセルの動作電圧は昇圧回路で生成さ
れるが、実用上生成可能な電圧は十数Vまでである。一
方、浮遊ゲート電極を取り囲む絶縁膜としてシリコン酸
化膜を用いた場合、メモリセルの動作電圧を十数Vとす
ると、当該シリコン酸化膜の膜厚は8〜10nm以上に
はできない。そこで、従来は、メモリセルの動作電圧を
十数Vに抑えるために、浮遊ゲート電極を取り囲む絶縁
膜としてシリコン酸化膜を用いる場合、その膜厚を8〜
10nmとしている。当該シリコン酸化膜の膜厚が8〜
10nmあれば、浮遊ゲート電極に蓄積された電子を実
用上ある程度満足できる期間保持することができる。
【0009】尚、浮遊ゲート電極に正孔を蓄積させる場
合も、上記した電子を蓄積させる場合と同様に、浮遊ゲ
ート電極を取り囲む絶縁膜としてのシリコン酸化膜の膜
厚を8〜10nmとすることで、メモリセルの動作電圧
を十数Vに抑えると共に、浮遊ゲート電極に蓄積された
正孔を実用上ある程度満足できる期間保持するようにし
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】近年、フラッシュEE
PROMにおいても、浮遊ゲート電極に蓄積されたキャ
リアの保持期間を長くして長寿命化を図った上で、今ま
でよりもさらに、低電圧化,動作の高速化,低消費電力
化,高集積化を目指すことが求められている。
【0011】前記したように、従来より、浮遊ゲート電
極を取り囲む絶縁膜としてシリコン酸化膜を用いる場
合、その膜厚は8〜10nmにしているため、長寿命化
を図るには当該シリコン酸化膜の膜厚を8nmよりも薄
くすることは避けたい。ところで、メモリセルの動作電
圧の低電圧化を図れば、書込動作および消去動作の高速
化と低消費電力化とを図ることができる。
【0012】また、メモリセルの動作電圧を生成するた
めの昇圧回路は、生成する電圧が高くなるほど回路規模
が増大する。そして、フラッシュEEPROMの周辺回
路(デコーダ、センスアンプ、バッファなど)を構成す
るトランジスタは、耐電圧が高くなるほど基板上の占有
面積(トランジスタサイズ)が増大する。そのため、メ
モリセルの動作電圧を低電圧化すれば、昇圧回路の回路
規模が小さくなる上に、周辺回路を構成するトランジス
タのサイズも小さくなることから、高集積化を図ること
ができる。
【0013】従って、メモリセルの動作電圧の低電圧化
を図ることにより、動作の高速化,低消費電力化,高集
積化を全て同時に実現することができる。しかし、従来
のスタックトゲート型およびスプリットゲート型のメモ
リセルでは、浮遊ゲート電極に電子を注入または引き抜
く際に、ホットエレクトロンまたはFNトンネル電流を
利用している。そのため、浮遊ゲート電極を取り囲む絶
縁膜としてシリコン酸化膜を使用する場合、その膜厚を
今まで通り8〜10nmに維持したままでは、メモリセ
ルの動作電圧を現在よりも低下させることは難しい。つ
まり、従来のスタックトゲート型およびスプリットゲー
ト型のメモリセルの構造を変えない限り、現在と同水準
の寿命を維持しつつ、メモリセルの動作電圧の低電圧化
を図ることは困難である。
【0014】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、長寿命化,低電圧化,
動作の高速化,低消費電力化,高集積化を図ることが可
能な不揮発性半導体メモリとして動作する半導体装置お
よびその動作方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、一導電型の半導
体から成る第1層と、前記第1層の一端面にショットキ
接触する第2層と、前記第1層における前記第2層とは
反対側の端面に形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁
層を挟んで前記第1層と配置された第1電極部とを備え
た半導体装置をその要旨とする。
【0016】従って、本発明によれば、第1層に電界を
印加されると、第2層と第1層とのショットキ障壁を透
過したキャリアが第1層に印加された電界で加速され、
第1絶縁層の障壁を越えて第1電極部に注入されて蓄積
される。そのため、第1電極部に蓄積されたキャリアの
有無によりデータの記憶を行うことが可能になり、不揮
発性半導体メモリとして動作する。
【0017】次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の半導体装置において、前記第1層とは逆の導電
型の半導体から成る第3層と、前記第3層に形成された
前記第1層と同一の導電型の第1領域および第2領域
と、前記第3層における前記第1領域と前記第2領域と
の間に形成されたチャネル領域と、前記第1電極部と前
記チャネル領域との間に形成された第2絶縁層とを備
え、前記第2層は前記第1領域とショットキ接触するこ
とをその要旨とする。
【0018】従って、本発明によれば、第2層に印加す
る電圧と第2領域に印加する電圧とを制御することによ
り、第2層と第1層とのショットキ障壁を透過するキャ
リアの量を制御し、その透過したキャリアが第1層に印
加された電界で加速されるようにすることができる。ま
た、第1領域は、第2層の下面に形成された空乏層が第
3層と導通するのを防止する。
【0019】次に、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の半導体装置において、前記第1電極部上に形成
された第3絶縁層と、前記第3絶縁層上に形成された第
2電極部とを備えたことをその要旨とする。従って、本
発明によれば、第2層に印加する電圧と第2領域に印加
する電圧とを制御することに加え、第2電極部に印加す
る電圧を制御することにより、静電カップリングによ
り、第1層の電圧を制御することが可能になるため、請
求項2に記載の作用を確実に得ることができる。
【0020】次に、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の半導体装置において、前記第2層と前記第1領
域との間に形成された第4層を備え、当該第4層は前記
第1層と同一の導電型の半導体から成ることをその要旨
とする。従って、本発明によれば、第4層は第1領域と
一体となって機能し、第2層の下面に形成された空乏層
と第3層とが導通状態になるのを確実に防止する。
【0021】次に、請求項5に記載の発明は、請求項1
〜4のいずれか1項に記載の半導体装置において、前記
第1層の厚さは、50nm以下、または、前記第2層と
前記第1層とのショットキ障壁を透過したキャリアが前
記第1絶縁層の障壁を越えるために必要なエネルギーを
有するときの平均自由行程以下に設定されていることを
その要旨とする。
【0022】従って、本発明によれば、第2層と第1層
とのショットキ障壁を透過したキャリアのほとんど全て
が、第1絶縁層の障壁を越えるエネルギーを獲得してホ
ットキャリアになり、第1層中にとどまることなく、極
めて高い確率で第1電極部に注入される。そのため、請
求項1〜3に記載の発明の作用をより確実に得ることが
できる。
【0023】次に、請求項6に記載の発明は、請求項1
〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の動作方法であ
って、前記第2層から前記第1層と前記第1絶縁層とを
介して前記第1電極部へ、一導電型のホットキャリアを
注入することでデータの書き込みを行い、前記第2層か
ら前記第1層と前記第1絶縁層とを介して前記第1電極
部へ、前記データの書き込み時とは逆の導電型のホット
キャリアを注入することで、前記書き込み時に注入した
キャリアを打ち消してデータの消去を行うことをその要
旨とする。
【0024】従って、本発明によれば、第1電極部に注
入するキャリアの導電型を変えるだけで、データの書き
込みだけでなく、書き込んだデータの消去についても自
由に行うことができる。尚、以下に述べる発明の実施の
形態において、特許請求の範囲または課題を解決するた
めの手段に記載の「第1層」はポリシリコンスペーサ1
5a,15bに相当し、同じく「第2層」はドレイン電
極16に相当し、同じく「第1絶縁層」は絶縁膜14
a,14bに相当し、同じく「第1電極部」は浮遊ゲー
ト電極8a,8bに相当し、同じく「第3層」はp型単
結晶シリコン基板1に相当し、同じく「第1領域」はn
-層6に相当し、同じく「第2領域」はソース領域2
a,2bに相当し、同じく「第2絶縁層」は絶縁膜7
a,7bに相当し、同じく「第3絶縁層」は絶縁膜9
a,9bに相当し、同じく「第2電極部」は制御ゲート
電極10a,10bに相当し、同じく「第4層」はドー
プドポリシリコン層53に相当する。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態を図面と共に説明する。図1
は、本第1実施形態のメモリセル21a,21bを用い
たメモリセルアレイ22の一部断面図である。
【0026】p型単結晶シリコン基板1の表面には、各
ソース領域2a,2bが所定間隔を隔てて形成されてい
る。各ソース領域2a,2bは、高不純物濃度のn+
3と、そのn+層3の端部に配置された低不純物濃度の
-層4とから形成されており、LDD(Lightly Drain
Dope)構造を成している。
【0027】基板1の表面における各ソース領域2a,
2b間には、各チャネル領域5a,5bを介して低不純
物濃度のn-層6が形成されている。各チャネル領域5
a,5b上にはそれぞれ、シリコン酸化膜から成る絶縁
膜7a,7b、ドープドポリシリコン膜から成る浮遊ゲ
ート電極8a,8b、シリコン酸化膜から成る絶縁膜9
a,9b、ドープドポリシリコン膜から成る制御ゲート
電極10a,10b、シリコン酸化膜11a,11b、
シリコン窒化膜12a,12bがこの順番で形成されて
いる。
【0028】絶縁膜7a,浮遊ゲート電極8a,絶縁膜
9a,制御ゲート電極10a,シリコン酸化膜11a,
シリコン窒化膜12aの積層構造において、ソース領域
2a側の側壁には、絶縁膜から成るサイドウォールスペ
ーサ13aが形成されている。
【0029】絶縁膜7b,浮遊ゲート電極8b,絶縁膜
9b,制御ゲート電極10b,シリコン酸化膜11b,
シリコン窒化膜12bの積層構造において、ソース領域
2b側の側壁には、絶縁膜から成るサイドウォールスペ
ーサ13bが形成されている。
【0030】浮遊ゲート電極8a,絶縁膜9a,制御ゲ
ート電極10aの積層構造において、n-層6側(ソー
ス領域2aの反対側)の側壁には、シリコン酸化膜から
成る絶縁膜14aを介して、低不純物濃度のn-層であ
るドープドポリシリコン膜から成るサイドウォールスペ
ーサ(以下、ポリシリコンスペーサという)15aが形
成されている。
【0031】浮遊ゲート電極8b,絶縁膜9b,制御ゲ
ート電極10bの積層構造において、n-層6側(ソー
ス領域2bの反対側)の側壁には、シリコン酸化膜から
成る絶縁膜14bを介して、低不純物濃度のn-層であ
るドープドポリシリコン膜から成るサイドウォールスペ
ーサ(以下、ポリシリコンスペーサという)15bが形
成されている。
【0032】尚、各ポリシリコンスペーサ15a,15
bとn-層6との間にはそれぞれ、各絶縁膜7a,7b
が挟設されている。各ポリシリコンスペーサ15a,1
5bとn-層6とに囲まれた凹部内には、タングステン
シリサイド(WSi)から成るドレイン電極16が埋設
されている。ここで、タングステンシリサイドは、各ポ
リシリコンスペーサ15a,15bおよびn-層6の形
成材料であるシリコンに対してショットキ障壁を形成す
る材料である。そのため、ドレイン電極16は各ポリシ
リコンスペーサ15a,15bおよびn-層6に対して
ショットキ接触する。
【0033】ポリシリコンスペーサ15aおよび絶縁膜
14aにおいて、ドレイン電極16側(ソース領域2a
の反対側)の側壁には、絶縁膜から成るサイドウォール
スペーサ17aが形成されている。ポリシリコンスペー
サ15bおよび絶縁膜14bにおいて、ドレイン電極1
6側(ソース領域2bの反対側)の側壁には、絶縁膜か
ら成るサイドウォールスペーサ17bが形成されてい
る。
【0034】メモリセル21aは、ソース領域2a,チ
ャネル領域5a,絶縁膜7a,浮遊ゲート電極8a,絶
縁膜9a,制御ゲート電極10a,ポリシリコンスペー
サ15a,n-層6,ドレイン電極16から構成されて
いる。メモリセル21bは、ソース領域2b,チャネル
領域5b,絶縁膜7b,浮遊ゲート電極8b,絶縁膜9
b,制御ゲート電極10b,ポリシリコンスペーサ15
b,n-層6,ドレイン電極16から構成されている。
【0035】上記の各部材(1〜17)において、同一
数字の末尾に「a」または「b」が付されて区別された
符号の部材(例えば、「2a」と「2b」、「15a」
と「15b」)は、それぞれ同一の寸法形状に形成され
ている。つまり、各メモリセル21a,21bはn-
6およびドレイン電極16を共通とし、n-層6および
ドレイン電極16における基板1と垂直な中心線に対し
て、各メモリセル21a,21bは対称構造を成してい
る。
【0036】そして、このような対称構造を成す一対の
各メモリセル21a,21bが基板1上に複数組配置さ
れて、メモリセルアレイ22が形成されている。ここ
で、上記の各部材の膜厚は以下のように設定されてい
る。 ・絶縁膜7a,7bの膜厚:8nm ・浮遊ゲート電極8a,8bの膜厚:100nm ・絶縁膜9a,9bの膜厚:8nm ・制御ゲート電極10a,10bの膜厚:50nm ・シリコン酸化膜11a,11bの膜厚:50nm ・シリコン窒化膜12a,12bの膜厚:20nm ・絶縁膜14a,14bの膜厚:8nm ・ポリシリコンスペーサ15a,15bの膜厚(スペー
サの幅):30nm また、各部材の不純物濃度は以下のように設定されてい
る。
【0037】・ポリシリコンスペーサ15a,15bの
不純物濃度:1×1018cm-3 ・n-層6の不純物濃度:1×1018cm-3 ・ソース領域2a,2bのn+層3の不純物濃度:1×
1020cm-3 ・ソース領域2a,2bのn-層4の不純物濃度:1×
1018cm-3 そして、各ソース領域2a,2bにはソース電圧VSが
印加され、ドレイン電極16にはドレイン電圧VDが印
加され、各制御ゲート電極10a,10bには制御ゲー
ト電圧VCGが印加される。
【0038】図2は、メモリセルアレイ22の一部平面
図である。尚、図1は、図2におけるX−X線断面図で
ある。基板1上にはフィールド絶縁膜23が形成され、
そのフィールド絶縁膜23によって図2の横方向に配置
された各メモリセル間の素子分離が行われている。図2
の横方向に配置された各メモリセルの制御ゲート電極1
0a,10bは共通になっており、その制御ゲート電極
10a,10bによりワード線WLが形成されている。
【0039】図2の縦方向に配置された各メモリセル2
1a,21bのドレイン電極16は共通になっており、
そのドレイン電極16はビットコンタクト24を介して
ビット線BLに接続されている。尚、ビット線BLとワ
ード線WLとは直交している。
【0040】また、各ソース領域2a,2bによってソ
ース線SLが形成されている。次に、上記のように構成
されたメモリセル21aの各動作(書込動作、消去動
作、読出動作)について説明する。尚、メモリセル21
bの動作はメモリセル21aと同じである。
【0041】(書込動作)メモリセル21aの動作電圧
を、ソース電圧VS:3V、ドレイン電圧VD:−3V、
制御ゲート電圧VCG:3Vに設定する。すると、ポリシ
リコンスペーサ15aに電界が印加され、ドレイン電極
16とポリシリコンスペーサ15aとのショットキ障壁
を透過(トンネリング)した電子は、ポリシリコンスペ
ーサ15aに印加された電界で加速され、絶縁膜14a
を通って浮遊ゲート電極8aに注入される。その結果、
浮遊ゲート電極8aに電子が蓄積され、データの書き込
みが行われる。
【0042】ここで、電子がシリコン酸化膜から成る絶
縁膜14aの障壁を越えるために必要なエネルギーは
3.2eVであり、そのエネルギーを獲得するために必
要な電位差は3.2Vである。そのため、ドレイン電極
16と浮遊ゲート電極8aとの間に、3.2V以上の電
位差が生じるように、前記したメモリセル21aの動作
電圧を設定する。つまり、ドレイン電圧VDを−3V、
制御ゲート電圧VCGを3Vに設定すると、静電カップリ
ングにより、浮遊ゲート電極8aの電圧は1V以上にな
り、ドレイン電極16と浮遊ゲート電極8aとの間には
約4Vの電位差が生じる。
【0043】また、電子のエネルギーが3.2eVのと
きの平均自由行程は約30〜40nmである。ここで、
ポリシリコンスペーサ15aの膜厚は前記平均自由行程
より薄い30nmに設定されている。そのため、ドレイ
ン電極16とポリシリコンスペーサ15aとのショット
キ障壁を透過した電子は、前記平均自由行程(=約30
〜40nm)以下の短い距離で3.2eV以上に加速さ
れる。
【0044】従って、当該ショットキ障壁を透過した電
子のほとんど全てが、絶縁膜14aの障壁(=3.2e
V)を越えるエネルギーを獲得してホットエレクトロン
になり、ポリシリコンスペーサ15a中にとどまること
なく、極めて高い確率で浮遊ゲート電極8a内に注入さ
れる。
【0045】ここで、電子のエネルギーと電子がショッ
トキ障壁を通過する確率とは、ソース電圧VS,ドレイ
ン電圧VD,制御ゲート電圧VCGにより調整することが
できる。従って、ホットエレクトロンが絶縁膜14aの
障壁を僅かに越えたエネルギーを得た時点で、ホットエ
レクトロンを浮遊ゲート電極8aに注入することができ
る。
【0046】(消去動作)メモリセル21aの動作電圧
を、ソース領域2aをオープン状態にし、ドレイン電圧
VD:3V、制御ゲート電圧VCG:−3Vに設定する。
すると、ポリシリコンスペーサ15aは空乏化し、ドレ
イン電極16とポリシリコンスペーサ15aとのショッ
トキ障壁を透過(トンネリング)した正孔は、ポリシリ
コンスペーサ15aに印加された電界で加速され、絶縁
膜14aを通って浮遊ゲート電極8aに注入される。そ
の結果、書込動作により浮遊ゲート電極8aに蓄積され
た電子は、注入された正孔により打ち消されることにな
り、データの消去が行われる。
【0047】ここで、正孔がシリコン酸化膜から成る絶
縁膜14aの障壁を越えるために必要なエネルギーは4
eVであり、そのエネルギーを獲得するために必要な電
位差は4Vである。そのため、ドレイン電極16と浮遊
ゲート電極8aとの間に、4V以上の電位差が生じるよ
うに、前記したメモリセル21aの動作電圧を設定す
る。つまり、ドレイン電圧VDを3V、制御ゲート電圧
VCGを−3Vに設定すると、静電カップリングにより、
浮遊ゲート電極8aの電圧は−1V以下になり、ドレイ
ン電極16とポリシリコンスペーサ15aとのショット
キ障壁と浮遊ゲート電極8aとの間には約4Vの電位差
が生じる。
【0048】また、正孔のエネルギーが4eVのときの
平均自由行程は約20nmである。ここで、ポリシリコ
ンスペーサ15aの膜厚は前記平均自由行程より僅かに
厚い30nmに設定されている。そのため、ドレイン電
極16とポリシリコンスペーサ15aとのショットキ障
壁を透過した正孔は、前記平均自由行程程度の短い距離
で4eV以上に加速される。
【0049】従って、当該ショットキ障壁を透過した正
孔の約1〜10%程度が、絶縁膜14aの障壁(=4e
V)を越えるエネルギーを獲得してホットホールにな
り、ポリシリコンスペーサ15a中にとどまることな
く、高い確率で浮遊ゲート電極8a内に注入される。
【0050】ここで、正孔のエネルギーと正孔がショッ
トキ障壁を透過する確率とは、ソース電圧VS,ドレイ
ン電圧VD,制御ゲート電圧VCGにより調整することが
できる。従って、ホットホールが絶縁膜14aの障壁を
僅かに越えたエネルギーを得た時点で、ホットホールを
浮遊ゲート電極8aに注入することができる。
【0051】(読出動作)メモリセル21aの動作電圧
を、ソース電圧VS:0V、ドレイン電圧VD:3V、制
御ゲート電圧VCG:3Vに設定する。浮遊ゲート電極8
aに電子が蓄積されていない状態(消去状態)では、浮
遊ゲート電極8aが正に帯電するため、浮遊ゲート電極
8a下のチャネル領域5aはオンの状態になる。また、
浮遊ゲート電極8aに電子が蓄積されている状態(書込
状態)では、浮遊ゲート電極8aが負に帯電するため、
浮遊ゲート電極8a下のチャネル領域5aはオフの状態
になる。チャネル領域5aがオンの状態では、オフの状
態よりもソース領域2aとドレイン電極16との間に電
流が流れやすい。従って、ソース領域2aとドレイン電
極16との間に流れる電流(セル電流)を検出すること
により、浮遊ゲート電極8aに電子が蓄積されているか
否かを判別することが可能であるため、メモリセル21
aに記憶されたデータを読み出すことができる。
【0052】尚、この読出動作は、従来のスタックトゲ
ート型メモリセルと同じである。このように、本第1実
施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができ
る。 (1)メモリセル21a,12bの構造は、従来のスタ
ックゲート型またはスプリットゲート型のメモリセルと
は全く異なる。そして、メモリセル21a,21bで
は、ドレイン電極16が各ポリシリコンスペーサ15
a,15bに対してショットキ接触することを利用し
て、書込動作において浮遊ゲート電極8a,8bにホッ
トエレクトロンを注入し、消去動作において浮遊ゲート
電極8a,8bにホットホールを注入している。
【0053】従って、絶縁膜14a,14bの膜厚を8
nmにした上で、メモリセル21a.21bの動作電圧
(ソース電圧VS、ドレイン電圧VD、制御ゲート電圧V
CG)を±3Vの範囲内に納めることが可能になり、従来
のスタックトゲート型またはスプリットゲート型のメモ
リセルの動作電圧の数分の一以下にすることができる。
【0054】(2)メモリセル21a.21bの動作電
圧を低電圧化することが可能になるため、書込動作およ
び消去動作の高速化と低消費電力化とを図ることができ
る。 (3)近年、電子機器の低消費電力化を図るために電源
電圧が低電圧化され、半導体集積回路の電源電圧は3.
3Vが一般的になりつつある。しかし、本実施形態で
は、メモリセル21a.21bの動作電圧を3V以下
と、フラッシュEEPROMの電源電圧以下にすること
が可能であるため、メモリセル21a,21bの動作電
圧を生成するための昇圧回路を設ける必要がない。そし
て、さらなる電源電圧の低下に対しても小規模な昇圧回
路を設けるだけで済ますことができる。
【0055】また、フラッシュEEPROMの周辺回路
(デコーダ、センスアンプ、バッファなど)を構成する
トランジスタに、トランジスタサイズの大きな高耐圧の
ものを使用する必要がなく、トランジスタサイズの小さ
な低耐圧のものを使用するだけでよい。従って、フラッ
シュEEPROMの高集積化を図ることができる。
【0056】次に、本第1実施形態の製造方法について
説明する。 工程1(図3(a)参照);LOCOS法を用い、p型
単結晶シリコン基板1上にフィールド絶縁膜(図示略)
を形成する。次に、基板1表面にしきい値電圧調整用の
イオン注入を行う。続いて、熱酸化法を用い、基板1上
におけるフィールド絶縁膜の形成されていない部分(素
子領域)に絶縁膜7a,7bとなるシリコン酸化膜31
を形成する。次に、シリコン酸化膜31上に浮遊ゲート
電極8a,8bとなるドープドポリシリコン膜32を形
成する。そして、フォトリソグラフィー工程とエッチン
グ工程とを経て、ドープドポリシリコン膜32を図1〜
図3に示す横方向に配列されたストライプ状に加工す
る。
【0057】工程2(図3(b)参照);熱酸化法を用
い、ドープドポリシリコン膜32上に絶縁膜9a,9b
となるシリコン酸化膜33を形成する。次に、シリコン
酸化膜33上に制御ゲート電極10a,10bとなるド
ープドポリシリコン膜34を形成する。続いて、LPC
VD(Low Pressure Chemical Vapour Deposition )法
を用いて、ドープドポリシリコン膜34上に、シリコン
酸化膜11a,11bとなるシリコン酸化膜35と、シ
リコン窒化膜12a,12bとなるシリコン窒化膜36
とを順次形成する。
【0058】尚、各ドープドポリシリコン膜32,34
の形成方法には以下のものがある。 方法1;LPCVD法を用いてポリシリコン膜を形成す
る際に、原料ガスに不純物を含んだガスを混入する。 方法2;LPCVD法を用いてノンドープのポリシリコ
ン膜を形成した後に、ポリシリコン膜上に不純物拡散源
層(POCl3など)を形成し、その不純物拡散源層か
らポリシリコン膜に不純物を拡散させる。
【0059】方法3;LPCVD法を用いてノンドープ
のポリシリコン膜を形成した後に、不純物イオンを注入
する。 工程3(図3(c)参照);フォトリソグラフィー工程
とエッチング工程とを経て、シリコン窒化膜36が制御
ゲート電極10a,10bのエッチング用マスクとなる
ように加工する。その加工されたシリコン窒化膜36が
シリコン窒化膜12a,12bとなる。
【0060】工程4(図4(a)参照);フォトリソグ
ラフィー工程により、シリコン窒化膜12a,12bと
基板1上のソース領域2a,2bとなる部分とを覆うよ
うにフォトレジスト膜37を形成する。次に、フォトレ
ジスト膜37をエッチング用マスクとする異方性エッチ
ング法を用い、シリコン酸化膜35のn-層6に相当す
る部分を除去する。続いて、フォトレジスト膜37およ
びn-層6に相当する部分が除去されたシリコン酸化膜
35をエッチング用マスクとする異方性エッチング法を
用い、各膜32〜34におけるn-層6側(ドレイン電
極16側)を除去して凹部38を形成する。
【0061】工程5(図4(b)参照);熱酸化法を用
い、凹部38の内壁面にシリコン酸化膜から成る絶縁膜
14a,14bを形成する。次に、上記の工程で形成さ
れたデバイス全面にポリシリコン膜を形成し、当該ポリ
シリコン膜に燐イオンを注入することにより、当該ポリ
シリコン膜を不純物濃度が1×1018cm-3のドープド
ポリシリコン膜にする。続いて、全面エッチバック法を
用い、凹部38内の側壁部分のドープドポリシリコン膜
だけを残す。その残ったドープドポリシリコン膜がポリ
シリコンスペーサ15a,15bとなる。
【0062】工程6(図4(c)参照);凹部38内に
燐イオンを注入することにより、凹部38の底部である
基板1表面に不純物濃度が1×1018cm-3のn-層6
を形成する。 工程7(図5(a)参照);異方性エッチング法を用
い、凹部38の底部から露出するシリコン酸化膜31を
除去する。
【0063】工程8(図5(b)参照);上記の工程で
形成されたデバイスの全面にタングステンシリサイド膜
を形成し、凹部38内にもタングシテンシリサイド膜を
埋め込む。次に、全面エッチバック法を用い、凹部38
内のタングシテンシリサイド膜だけを残す。その残った
タングステンシリサイド膜がドレイン電極16となる。
【0064】その後、フォトリソグラフィー工程によ
り、凹部38を覆うようにフォトレジスト膜39を形成
する。次に、フォトレジスト膜39およびシリコン窒化
膜12a,12bをエッチング用マスクとする異方性エ
ッチング法を用い、シリコン酸化膜35におけるソース
領域2a,2bに相当する部分を除去する。その残った
シリコン酸化膜35がシリコン酸化膜11a,11bと
なる。続いて、フォトレジスト膜39およびシリコン酸
化膜11a,11bをエッチング用マスクとする異方性
エッチング法を用い、各膜31〜34におけるソース領
域2a,2b側を除去する。その結果、残ったシリコン
酸化膜31から絶縁膜7a,7bが形成され、残ったド
ープドポリシリコン膜32から浮遊ゲート電極8a,8
bが形成さされ、残ったシリコン酸化膜33から絶縁膜
9a,9bが形成され、残ったドープドポリシリコン膜
34から制御ゲート電極10a,10bが形成される。
【0065】工程9(図1参照);上記の工程で形成さ
れたデバイスの全面に燐イオンを注入することにより、
不純物濃度が1×1018cm-3のn-層4を形成する。
次に、上記の工程で形成されたデバイスの全面に絶縁膜
を形成し、全面エッチバック法を用いて当該絶縁膜の不
要部分を除去することにより、サイドウォールスペーサ
13a,13bを形成する。続いて、上記の工程で形成
されたデバイスの全面に砒素イオンを注入することによ
り、不純物濃度が1×1020cm-3のn+層3を形成す
る。
【0066】その結果、メモリセル21a,21bから
成るメモリセルアレイ22が完成する。その後、各メモ
リセル21a,21b上に層間絶縁膜(図示略)を形成
し、各制御ゲート電極10a,10bを接続するワード
線(図示略)を形成する。このように、本第1実施形態
のメモリセルアレイ22は、従来より一般的な半導体集
積回路の製造技術を利用して容易に製造することができ
る。
【0067】ところで、n-層6は、ドレイン電極16
の下面から空乏層が延びて基板1と導通するのを防止す
るために設けられている。n-層6の不純物濃度の範囲
は5×10-17〜5×10-18cm-3が適当である。n-
層6の不純物濃度がこの範囲より濃くなると、n-層6
とドレイン電極16とがオーミック接触しやすくなり、
その結果、n-層6,ドレイン電極16,ポリシリコン
スペーサ15a,15bがほぼ同電位となって、電子ま
たは正孔を十分に加速することができなくなるという傾
向がある。また、n-層6の不純物濃度がこの範囲より
薄くなると、基板1との導通を防ぐために、n-層6の
深さを大きくしなければならず、微細化が困難になると
いう傾向がある。
【0068】また、ポリシリコンスペーサ15a,15
bの膜厚(スペーサの幅)の範囲は50nm以下が適当
であり、望ましくはキャリアの平均自由工程以下の30
〜40nm以下である。ポリシリコンスペーサ15a,
15bの膜厚がこの範囲より厚くなると、書込効率およ
び消去効率が低下するという傾向がある。
【0069】また、ポリシリコンスペーサ15a,15
bにおける不純物濃度の範囲は、5×1017〜5×10
18cm-3が適当である。ポリシリコンスペーサ15a,
15bの不純物濃度がこの範囲より濃くなると、ポリシ
リコンスペーサ15a,15bとドレイン電極16とが
オーミック接触してほぼ同電位となり、ポリシリコンス
ペーサ15a,15b中で電子または正孔を十分に加速
することができなくなるという傾向がある。また、ポリ
シリコンスペーサ15a,15bの不純物濃度がこの範
囲より薄くなっても、ショットキバリアの厚みが増え、
加速される電子または正孔の量が減少するという傾向が
ある。
【0070】(第2実施形態)次に、本発明を具体化し
た第2実施形態を図面と共に説明する。尚、本第2実施
形態において、図1〜図5に示した第1実施形態と同じ
構成部材については符号を等しくしてその詳細な説明を
省略する。
【0071】図6は、本第2実施形態のメモリセル51
a,51bを用いたメモリセルアレイ52の一部断面図
である。本第2実施形態において、図1に示した第1実
施形態と異なるのは、n-層6とドレイン電極16との
間に、低不純物濃度のn-層であるドープドポリシリコ
ン層53が設けられている点だけである。ドープドポリ
シリコン層53の両端部は各ポリシリコンスペーサ15
a,15bと接続されて一体化している。
【0072】尚、本第2実施形態のメモリセル51a,
51bの各動作は、第1実施形態と同じである。ドープ
ドポリシリコン層53は基板1表面のn-層6と一体と
なって機能し、ドレイン電極16の下面から空乏層が延
びて基板1と導通するのを確実に防止する。従って、n
-層6のみが設けられた第1実施形態に比べて、本第2
実施形態によれば、第1実施形態の作用・効果をより確
実に得ることができる。
【0073】次に、本第2実施形態の製造方法について
説明する。 工程1〜工程4;第1実施形態の工程1〜工程4と同じ
である。 工程5(図7(a)参照);凹部38の内壁面にシリコ
ン酸化膜から成る絶縁膜14a,14bを形成する。次
に、凹部38内に燐イオンを注入することにより、凹部
38の底部である基板1表面に不純物濃度が1×1018
cm-3のn-層6を形成する。 工程6(図7(b)参照);異方性エッチング法を用
い、凹部38の底部から露出するシリコン酸化膜31を
除去する。次に、上記の工程で形成されたデバイス全面
にポリシリコン膜を形成し、当該ポリシリコン膜に燐イ
オンを注入することにより、当該ポリシリコン膜を不純
物濃度が1×1018cm-3のドープドポリシリコン膜に
する。続いて、上記の工程で形成されたデバイスの全面
にタングステンシリサイド膜を形成し、凹部38内にも
タングシテンシリサイド膜を埋め込む。そして、エッチ
バック法を用い、凹部38内の側壁部分および底部のド
ープドポリシリコン膜だけを残すと共に、凹部38内の
タングシテンシリサイド膜だけを残す。その凹部38の
側壁部分に残ったドープドポリシリコン膜がポリシリコ
ンスペーサ15a,15bとなり、凹部38の底部に残
ったドープドポリシリコン膜がドープドポリシリコン層
53になる。また、凹部38内に残ったタングステンシ
リサイド膜がドレイン電極16となる。
【0074】工程7(図7(c)参照);フォトリソグ
ラフィー工程により、凹部38を覆うようにフォトレジ
スト膜39を形成する。次に、フォトレジスト膜39お
よびシリコン窒化膜12a,12bをエッチング用マス
クとする異方性エッチング法を用い、シリコン酸化膜3
5におけるソース領域2a,2bに相当する部分を除去
する。その残ったシリコン酸化膜35がシリコン酸化膜
11a,11bとなる。続いて、フォトレジスト膜39
およびシリコン酸化膜11a,11bをエッチング用マ
スクとする異方性エッチング法を用い、各膜31〜34
におけるソース領域2a,2b側を除去する。その結
果、残ったシリコン酸化膜31から絶縁膜7a,7bが
形成され、残ったドープドポリシリコン膜32から浮遊
ゲート電極8a,8bが形成さされ、残ったシリコン酸
化膜33から絶縁膜9a,9bが形成され、残ったドー
プドポリシリコン膜34から制御ゲート電極10a,1
0bが形成される。
【0075】工程8(図1参照);第1実施形態の工程
9と同じである。その結果、メモリセル51a,51b
から成るメモリセルアレイ52が完成する。その後、第
1実施径と同様に、各メモリセル51a,51b上に層
間絶縁膜(図示略)を形成し、各制御ゲート電極10
a,10bを接続するワード線(図示略)を形成する。
【0076】このように、本第2実施形態のメモリセル
アレイ22は、従来より一般的な半導体集積回路の製造
技術を利用して容易に製造することができる。尚、本発
明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下の
ように変更してもよく、その場合でも、上記各実施形態
と同様もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができ
る。
【0077】(1)各メモリセル21a,21b,31
a,31bの構成部材(基板1、ソース領域2a,2
b、n−層6、ポリシリコンスペーサ15a,15b、
ドープドポリシリコン層53)の導電型をp型にしても
よい。 (2)ドレイン電極16の形成材料は、タングステンシ
リサイドに限らず、各ポリシリコンスペーサ15a,1
5bおよびn-層6の形成材料であるシリコンに対して
ショットキ障壁を形成する材料であればどのような材料
(例えば、各種高融点金属(タングステン,チタン,モ
リブデン,タンタルなど)を含む各種金属(金,プラチ
ナ,アルミニウムなど)の単体または合金、各種金属の
窒化物(窒化タングステン,窒化チタン,窒化モリブデ
ン,窒化タンタルなど)、各種金属の珪化物(チタンシ
リサイド,モリブデンシリサイド,タンタルシリサイド
など))を用いてもよい。
【0078】また、ドレイン電極16は同一材料による
単層構造に限らず、複数の材料による多層構造としても
よい(例えば、窒化チタン層とタングステン層との積層
構造)。 (3)各絶縁膜7a,7b,9a,9b,14a,14
bの形成材料は、シリコン酸化膜に限らず、必要な絶縁
特性が得られればどのような材料(例えば、シリコン窒
化膜,シリコン窒酸化膜,シリコン弗酸化膜など)を用
いてもよい。
【0079】また、各絶縁膜7a,7b,9a,9b,
14a,14bは同一材料による単層構造に限らず、複
数の材料による多層構造としてもよい(例えば、シリコ
ン窒化膜とシリコン酸化膜との積層構造)。 (4)制御ゲート電極10a,10bの材料は、ドープ
ドポリシリコンに限らず、導電性を有する材料であれば
どのような材料(例えば、各種高融点金属を含む各種金
属の単体または合金、各種金属の珪化物,各種ポリサイ
ドなど)を用いてもよい。
【0080】(5)上記各実施形態では、書込動作にお
いては浮遊ゲート電極8a,8bに電子を注入し、消去
動作においては浮遊ゲート電極8a,8bに正孔を注入
するようにしたが、これを逆の関係に設定してもよい。
つまり、浮遊ゲート電極8a,8bに電子が蓄積されて
いる状態をメモリセルの消去状態と規定し、浮遊ゲート
電極8a,8bに電子が蓄積されていない状態をメモリ
セルの書込状態と規定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態のメモリセル
を用いたメモリセルアレイの一部断面図。
【図2】第1実施形態のメモリセルアレイおよび本発明
を具体化した第2実施形態のメモリセルを用いたメモリ
セルアレイの平面図。
【図3】第1,第2実施形態のメモリセルの製造方法を
説明するための断面図。
【図4】第1実施形態のメモリセルの製造方法を説明す
るための断面図。
【図5】第1実施形態のメモリセルの製造方法を説明す
るための断面図。
【図6】第2実施形態のメモリセルを用いたメモリセル
アレイの一部断面図。
【図7】第2実施形態のメモリセルの製造方法を説明す
るための断面図。
【符号の説明】
1…p型単結晶シリコン基板 2a,2b…ソース領域 6…n-層 8a,8b…浮遊ゲート電極 7a,7b,9a,9b,14a,14b…絶縁膜 10a,10b…制御ゲート電極 15a,15b…ポリシリコンスペーサ 16…ドレイン電極 21a,21b,51a,51b…メモリセル 53…ドープドポリシリコン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B025 AA01 AB01 AC01 AD08 5F001 AA25 AB08 AB30 AD04 AD17 AD18 AD51 AD52 AE02 AE03 AE08 AF07 AF10 5F083 EP02 EP23 EP30 EP63 ER02 ER08 ER11 ER29 GA01 GA05 GA09 GA21 GA30 JA04 JA05 JA20 JA35 JA36 JA38 JA39 JA40 NA02 PR07 PR36

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一導電型の半導体から成る第1層と、 前記第1層の一端面にショットキ接触する第2層と、 前記第1層における前記第2層とは反対側の端面に形成
    された第1絶縁層と、 前記第1絶縁層を挟んで前記第1層と配置された第1電
    極部とを備えたことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 前記第1層とは逆の導電型の半導体から成る第3層と、 前記第3層に形成された前記第1層と同一の導電型の第
    1領域および第2領域と、 前記第3層における前記第1領域と前記第2領域との間
    に形成されたチャネル領域と、 前記第1電極部と前記チャネル領域との間に形成された
    第2絶縁層とを備え、 前記第2層は前記第1領域とショットキ接触することを
    特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置において、 前記第1電極部上に形成された第3絶縁層と、 前記第3絶縁層上に形成された第2電極部とを備えたこ
    とを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体装置において、 前記第2層と前記第1領域との間に形成された第4層を
    備え、当該第4層は前記第1層と同一の導電型の半導体
    から成ることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半
    導体装置において、 前記第1層の厚さは、50nm以下、または、前記第2
    層と前記第1層とのショットキ障壁を透過したキャリア
    が前記第1絶縁層の障壁を越えるために必要なエネルギ
    ーを有するときの平均自由行程以下に設定されているこ
    とを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の半
    導体装置の動作方法であって、 前記第2層から前記第1層と前記第1絶縁層とを介して
    前記第1電極部へ、一導電型のホットキャリアを注入す
    ることでデータの書き込みを行い、 前記第2層から前記第1層と前記第1絶縁層とを介して
    前記第1電極部へ、前記データの書き込み時とは逆の導
    電型のホットキャリアを注入することで、前記書き込み
    時に注入したキャリアを打ち消してデータの消去を行う
    ことを特徴とする半導体装置の動作方法。
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