JP2000243695A - 合わせずれ検査方法、半導体装置の製造方法及び合わせずれ検査プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

合わせずれ検査方法、半導体装置の製造方法及び合わせずれ検査プログラムを記録した記録媒体

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JP2000243695A
JP2000243695A JP11209830A JP20983099A JP2000243695A JP 2000243695 A JP2000243695 A JP 2000243695A JP 11209830 A JP11209830 A JP 11209830A JP 20983099 A JP20983099 A JP 20983099A JP 2000243695 A JP2000243695 A JP 2000243695A
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mark
marks
misalignment
electron beam
waveform
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JP11209830A
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English (en)
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Takahiro Ikeda
隆洋 池田
Toru Koike
徹 小池
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Length-Measuring Devices Using Wave Or Particle Radiation (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】下地マーク表面が平坦化されている場合でも簡
便に合わせずれの検査を行う。 【解決手段】Si基板1上に第1のマーク4及び5を形
成し、第1のマーク4及び5を含めたSi基板1上にS
iO2層3を形成し、第1のマーク4及び5に対して位
置合わせ露光を行い、第2のマーク23及び24をSi
2層3上に形成し、第1のマーク4及び5の一部を含
む領域に対して電子線を照射して該第1のマーク4及び
5とその周辺部に対して異なる帯電量を生ぜしめ、第1
のマーク4及び5の少なくとも一部と第2のマーク23
及び24の少なくとも一部を含む領域に対して電子線を
走査して2次電子の信号を位置の関数として取得し、2
次電子の信号から第1及び第2のマーク23及び24の
中心位置をそれぞれ求め、これら両中心位置の差を算出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置製造工
程において用いられる合わせずれを電子線を用いて計測
する合わせずれ検査方法、半導体装置の製造方法及び合
わせずれ検査プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】微細な半導体デバイス製造におけるリソ
グラフィ工程においてはパターン寸法の精度と合わせず
れの計測が行われる。従来は寸法の検査と合わせずれの
検査は別々の装置で行われていたため、装置コストがか
かりまた検査に長時間費やされていた。
【0003】パターン寸法の検査には走査電子顕微鏡
(SEM)を用いる方法が広く実用化されている。一
方、同じSEMを用いて合わせずれを計測する方法がい
くつか提案されている。例えば特許番号第261667
6号においては微細な検査マークを用いて同一のパター
ンで測長と全部合わせずれ検査を同時に行う方法が記載
されており、またProc. SPIE 1673 pp. 157164(1992)で
は下層の基準マークに段差構造を設けた上にレジストに
よる第2のマークを形成し、両者の相対位置ずれを計測
する方法が記載されている。
【0004】しかしながら、製造工程の途中の成膜や研
磨工程の結果、合わせずれ計測の際の基準となる下地マ
ークが平坦化された場合には従来の技術では下地位置の
検出が困難であり、従来技術の適用可能な範囲は下地マ
ークに凹凸のある場合であってかつ下地マークが平坦化
されていない場合のみに極めて限定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
微細パターンの検査方法では、製造工程の途中の成膜や
研磨工程の結果、合わせずれ計測の際の基準となる下地
マークが平坦化された場合には従来の技術では下地位置
の検出が困難であり、従来技術の適用可能な範囲は下地
マークに凹凸のある場合のみに極めて限定されていた。
【0006】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、下地マーク表面が
平坦化されている場合でも簡便に合わせずれの検査を行
うことができる合わせずれ検査方法、半導体装置の製造
方法及び合わせずれ検査プログラムを記録した記録媒体
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る合わせずれ
検査方法は、基板上にパターンの基準となる第1のマー
クを形成する工程と、前記第1のマークを含めた前記基
板上に、表面が平坦な平坦層を形成する工程と、前記第
1のマークに対してリソグラフィ技術を用いて位置合わ
せ露光を行い、該第1のマークとの相対位置の計測に用
いる第2のマークを前記平坦層上に形成する工程と、少
なくとも前記第1のマークの一部を含む領域に対して第
1の電子線を照射して該第1のマークとその周辺部に対
して異なる帯電量を生ぜしめる工程と、前記第1のマー
クの少なくとも一部と前記第2のマークの少なくとも一
部を含む領域に対して第2の電子線を走査して2次電子
の信号を位置の関数として取得する工程と、前記2次電
子の信号から前記第1及び第2のマークの代表位置をそ
れぞれ求め、これら両代表位置の差を算出する工程とを
含むことを特徴とする。
【0008】ここで、第1及び第2のマークは、単一又
は複数のパターンにより構成される。
【0009】本発明の望ましい形態を以下に示す。
【0010】(1)第1の電子線照射は、全2次電子放
出効率が1以下となる入射エネルギーにより照射する。
【0011】ここで、全2次電子放出効率とは、(2次
電子の放出量)/(1次電子の入射量)をいう。
【0012】(2)第1のマーク及び第2のマークのい
ずれか一方は、少なくとも2以上のマークを有する。
【0013】(3)第1のマークはパターニングにより
基板に凹部あるいは凸部を設けることにより形成され、
第2のマークは平坦な層上にパターニングにより所望の
パターンを設けることにより形成される。
【0014】(4)第1の電子線の照射領域の走査方向
の幅が、走査方向に対して垂直な方向の幅よりも長い。
【0015】(5)(4)において、第1の電子線の照
射領域は、続く工程の照射領域の少なくとも一部を含
む。
【0016】(6)第1のマークの一部を含む領域を含
む領域を電子線で照射する工程において、電子線が、第
2のマークを横切る走査により照射され、かつその走査
の方向が互いに反対方向である2つの電子線走査を交互
に行う。
【0017】(7)第1及び第2のマークのそれぞれが
少なくとも2方向の合わせずれを計測するものであっ
て、合わせずれを計測する方向に対して垂直な方向に配
置された線状のまたは帯状の平面形状を有し、かつ各方
向の合わせずれを計測する第1及び第2のマークの中心
位置が設計上異なる位置に配置されていることを特徴と
する。
【0018】(8)第2のマークはレジストにより形成
する。
【0019】(9)2次電子信号波形の取得を電子線を
走査させて2以上の部位において行い、倍率補正の係数
を、2以上の部位において行った2次電子信号波形に基
づいて求める。
【0020】(10)(9)において、2以上の部位に
おいて行った2次電子信号波形における第1及び第2の
マークの代表位置を平均化して得られる基準位置を用い
て位置ずれ量を算出する。
【0021】また、本発明に係る半導体装置の製造方法
は、前記両代表位置の差を算出する工程の後に、該算出
した差と所定のしきい値との大小を判定し、該算出した
差が該所定のしきい値よりも大きい場合には前記第2の
マークを除去して再度前記第2のマークを形成して前記
第1のマークと該第2のマークの代表位置の差を算出
し、所定のしきい値との大小を判定する工程を繰り返し
行い、該算出した差が該所定のしきい値よりも小さい場
合には前記第2のマークを除去して前記平坦層上に所望
のパターンを形成することを特徴とする。
【0022】また、別の本発明に係る合わせずれ検査方
法は、基板上の平坦な層の下に形成された第1のマーク
と、該平坦な層の上に露出して形成された第2のマーク
の各エッジを横切る領域に電子線を照射して2次電子信
号波形を取得する工程と、2次電子信号波形のうち、第
1及び第2のマークの少なくとも一方の極大又は極小位
置に対して非対称な関数で近似する工程と、非対称な関
数に基づいて第1及び第2のマークの代表位置を求め、
該代表位置に基づいて該第1のマークと該第2のマーク
の位置ずれ量を算出する工程とを含むことを特徴とす
る。
【0023】ここで、2次電子信号波形から得られる第
1のマーク周辺における波形は、極大又は極小位置近傍
における信号強度の変化が急峻な波形をピーク波形、該
ピーク波形から極大又は極小位置より離れていく方向に
得られる波形をベースライン波形とした場合に、ピーク
波形が極大又は極小位置に関して非対称である場合と、
ベースライン波形が極大又は極小位置に関して非対称で
ある場合とを含む。
【0024】望ましくは、2次電子信号波形から得られ
る第2のマーク周辺における波形は、第2のマークのエ
ッジ部分に対応して2つの極大及び極小を有し、各エッ
ジ部分の該極大及び極小の間の少なくとも一部の信号波
形を1次関数に近似して該第2のマークの代表位置を算
出する。
【0025】また、電子線は、第1のマークとその周辺
部に対して異なる帯電量を生ぜしめる条件で照射する。
【0026】また、第1のマークの代表位置の算出の際
に、ベースライン波形を直線に漸近する関数を用いて近
似する。
【0027】また、2次電子信号波形に対して微分処理
を施すことにより微分波形を取得し、該微分波形のゼロ
点、又は極大点及び極小点から得られる基準点を求め、
これらゼロ点又は基準点を第1のマークの非対称な関数
への近似の際の初期値として用いる。
【0028】また、非対称な関数には、位置をx、信号
強度をyとした場合に、数式y=A 0+A1・(x−
0)−B(log{exp(C(x−x0))+1}、
y=A(x−x0)+B/(x−x0)、y={(Ax+
B)・exp(x)+Cx+D)・exp(−x)}/
{E・exp(x)+F・exp(−x)}によって表
される関数を含む。ここで、A0,A1,A,B,C、
D,E,F,x0は定数である。
【0029】また、望ましくは、2次電子信号の信号波
形における極大もしくは極小位置の算出は、該2次電子
信号の信号波形を第1及び第2の関数の合成関数によっ
て近似するものであって、第1の関数は、2次電子信号
の信号波形における単一の極大もしくは極小位置を有
し、かつ該極大もしくは極小位置近傍で対称な関数であ
り、第2の関数は、定数及び1次以上の多項式で表され
る。
【0030】また、別の本発明に係る合わせずれ検査方
法は、基板上の平坦な層の下に形成された第1のマーク
と、該平坦な層の上に露出して形成された第2のマーク
の各エッジを横切る領域に電子線を照射して2次電子信
号波形を取得する工程と、2次電子信号波形に基づい
て、第1及び第2のマークより得られる信号の代表位置
を求め、該代表位置に基づいて該第1及び第2のマーク
の中心位置を算出する工程と、第1及び第2のマークの
中心位置の差を算出する工程と、第1及び第2のマーク
の代表位置と設計値とを比較して倍率補正の係数を取得
する工程と、倍率補正の係数を第1及び第2のマークの
中心位置の差に乗ずる工程とを含むことを特徴とする。
【0031】望ましくは、電子線の照射及び2次電子信
号波形の取得は、電子線を走査させて2以上の異なる部
位において行い、倍率補正の係数は、該2以上の部位に
おいて行った2次電子信号波形に基づいて求める。
【0032】また、第1及び第2のマークはそれぞれ平
行であり、これら第1及び第2のマークに平行な基準線
に対して線対称に配置されてなる。
【0033】また、第1及び第2のマークはともに2以
上の方向に対して計測可能なマークを有し、各方向を計
測する第1及び第2のマークはそれぞれ長手方向が異な
る方向に配置されてなり、かつ2次電子信号波形の取得
のために照射される電子線の照射領域を、該2以上の方
向に配置されたマークの各エッジを横切るように任意の
角度の帯状領域に設定する。
【0034】また、方法に係る本発明は、コンピュータ
に当該発明に相当する機能を実現させるための合わせず
れ検査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
な記録媒体としても成立する。
【0035】(作用)本発明では、第1のマーク上に平
坦層が形成され、この平坦層の上に第2のマークが形成
されている場合に、第1のマークを含む領域に電子線を
照射して第1のマークとその周辺部に対して異なる帯電
量を生ぜしめる。これにより、合わせずれ計測の際の電
子線走査の際に、第1のマークとその周辺部で2次電子
の信号はコントラストを有する信号となり、第2のマー
ク位置のみならず第1のマーク位置も測定することがで
きる。従って、従来の合わせずれ検査において困難だっ
た下地マーク表面に凹凸のない場合の合わせずれ検査が
可能となり、単一の電子光学系によって寸法計測を行う
ことが可能となり、検査工程に必要な装置コストを大幅
に削減することが可能となる。
【0036】また、第1の電子線を照射する工程におい
て、全2次電子放出効率が1以下となる入射エネルギー
に設定する。電子放出効率が1よりも低くなるというこ
とは、照射される電子線に対して、放出される電子線の
量の方が少ないことを意味する。従って、電子放出効率
が1よりも低い場合には、半導体装置表面において帯電
が生じる。従って、第1のマークとその周辺部に対して
異なる帯電量を生ぜしめることができる。
【0037】また、第2の電子線の走査が、第1の電子
線を照射する工程を兼ねることにより、2次電子信号を
位置の関数として取得する工程までに費やす時間を短縮
することが可能となる。また、第1の電子線の照射領域
が、走査方向に対して垂直な方向の長さが走査方向の長
さよりも短い場合には、下地マーク位置の検出に要する
時間をさらに短縮することが可能となる。
【0038】また、第1の電子線を照射する工程におけ
る該第1の電子線が、第2のマークを横切る走査により
照射され、かつその走査の方向が互いに反対方向である
2つの電子線走査を交互に行うことにより、1方向のみ
に電子線走査を行う場合に比較して第1の電子線照射に
よる計測領域の不均一な帯電に基づく下地マーク位置の
検出誤差が大幅に低減する。
【0039】また、第1及び第2のマークのそれぞれが
少なくとも2方向の合わせずれを計測するものであっ
て、合わせずれを計測する方向に対して垂直な方向に配
置された線状のまたは帯状の平面形状を有し、かつ各方
向の合わせずれを計測する第1及び第2のマークの中心
位置が設計上異なる位置に配置されることにより、独立
な方向の合わせずれを計測する際の、一方の計測が他方
の計測に悪影響を及ぼすことなく、より高精度の合わせ
ずれ計測が可能となる。
【0040】また、別の本発明によれば、本来のマーク
の特徴的位置に対応する信号波形の極大・極小の他に、
雑音による多数の極大・極小が存在する場合であって
も、非対称な関数で2次電子信号波形を近似することに
より、安定したマーク位置検出が可能となり、高精度の
合わせずれ計測が可能となる。特に、マーク近傍の試料
表面が帯電している場合に、電子線が照射されている領
域と対象とするマークの相対位置、マークの周辺の構造
いかんによってはマーク近傍の帯電量が不均一となる
が、そのような場合でも、非対称性の影響を被ることの
少ない位置検出が可能となる。
【0041】また、別の本発明では、合わせずれ検査用
の第1及び第2のマークに電子線を照射し、得られる2
次電子信号波形に基づいて第1及び第2のマークの中心
位置を算出し、第1及び第2のマークの代表位置と設計
値とを比較して倍率補正の係数を取得する。これによ
り、倍率補正の係数を算出するサンプルと合わせずれ検
査を行うマークを同一の対象とするため、サンプルの構
造や測定倍率の違いで生じる理想値からのずれ、および
焦点位置の違い等の理由で生じる画像データの倍率誤差
の発生を防ぐことにより、高精度の合わせずれ計測が可
能となる。
【0042】また、2以上の異なる部位における電子線
照射により2以上の2次電子信号波形を取得し、これら
2以上の信号波形に基づいて倍率補正係数を求めること
により、マークの非対称性や、マーク周辺の構造が与え
る影響を低減することができる。さらに、電子線の照射
領域の幅を狭くして局所的な測定を行う場合であって
も、照射部位近傍のマークエッジの微小なエッジラフネ
スや、描画工程におけるつなぎ合わせ誤差のような局所
的なエッジ位置の変動による測定誤差を低減できる。
【0043】さらに、第1及び第2のマークそれぞれに
ついて、2以上の方向の計測用マークを配置し、それぞ
れの方向のマークの各エッジを横切る領域に電子線を照
射して2次電子信号波形を得ることにより、2以上の方
向の位置ずれを1つの信号波形から同時に得ることがで
き、計測に要する時間を短縮することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
【0045】(第1実施形態)図1〜図4は本発明の第
1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するため
の図である。
【0046】図1及び図2は本実施形態に係る半導体装
置の製造工程中で行われる合わせずれ検査に用いられる
マークの形成工程を示す図である。これら図1及び図2
を用いて合わせずれ検査に用いられるマークの形成工程
を以下説明する。
【0047】まず、図1に示すように、Si基板1上に
SiN層2を形成する。このSiN層2に、リソグラフ
ィ工程を用いてSi基板1が露出するまでパターニング
を行い、凹部からなる第1のマーク4及び5を形成す
る。そして、この凹部の形成されたSiN層2上にSi
2層3を形成し、表面を平坦化する。図1(a)はこ
の第1のマーク4及び5を上面から見た図、図1(b)
はその横断面図である。図1(b)に示すように、半導
体装置に存在する250nmの段差が続く膜厚300n
mの酸化膜の成膜工程で平坦化されていることが分か
る。この第1のマーク4及び5の構造は、チップ内にデ
バイス構造を形成する工程において同時に形成されたも
のであり、通常チップの周辺に配置されているものであ
る。また、図1中4及び5はおのおののその長手方向に
垂直な方向の合わせずれを計測するためのマークであ
る。
【0048】次いで、上記の構造を有する半導体装置上
に反射防止膜21を塗布した後、フォトレジスト22を
塗布する。次いで、このフォトレジスト22をリソグラ
フィ工程を用いてパターニングし、レジストパターンを
形成する。このレジストパターンが第2のマーク23及
び24となる。この第2のマーク23及び24は、下地
マークである第1のマーク4及び5に対して設計上同一
の中心となるような平面構造となる。この第2のマーク
23及び24を含む半導体装置を図2に示す。図2
(a)は半導体装置の平面図を、図2(b)はその断面
構造を示す。その断面構造は、図2(b)に示すように
反射防止膜及びフォトレジスト層が形成されている。
【0049】次に、図3〜図5を用いて本実施形態に係
る合わせずれ検査方法を説明する。
【0050】まず、第1及び第2の合わせずれ検査マー
クが形成された半導体装置を測長SEMの試料室に搬入
する。比較のために、通常のパターンの観察・測長と同
様の方法でマーク検出を行った場合のx方向の信号波形
を図3に示す。横軸は位置、縦軸は信号強度である。こ
のマーク検出は、以下のように行った。まず、電子線光
学系の光軸上に第1及び第2のマーク4,5,23及び
24を移動する。次いで、通常の測長を行うのと同様の
条件で上記の構造を有する合わせずれ検査マークに対し
て観察倍率を1万倍として観察した。図3に示すよう
に、得られた信号波形は凹凸形状を有する第2のマーク
23及び24に起因する2次電子信号31のみが得ら
れ、基準となる第1のマーク4及び5からの信号が得ら
れず、従って合わせずれの検査はこの条件ではできない
ことが分かる。
【0051】そこで、加速電圧を2000V、試料電流
を10pAとしてさらに電子線のスキャン周波数を1k
Hzに設定して上記の構造を有する合わせずれ検査マー
ク上を3分間電子線で照射する。その後、再度通常の測
長SEMで寸法測定を行うのと同様のビーム照射条件で
検査マークを観察し、2次電子信号を画像データとして
取得する。このとき得られたx方向の信号波形を図4に
示す。図3と比較して分かるように、第2のマーク23
及び24に起因する2次電子信号は図4でも同様に得ら
れているが、図3に示す手法では検出できなかった第1
のマーク4及び5に起因する2次電子信号32が検出さ
れていることが分かる。
【0052】以上の工程により検出された第1のマーク
4及び5に起因する2次電子信号32と、第2のマーク
23及び24に起因する2次電子信号31を含む信号波
形を解析し、それぞれの極大及び極小位置を算出する。
そして、これら極大及び極小位置から各マークの相対位
置を求め、この相対位置に基づいて位置ずれ量を算出す
る。
【0053】具体的に図4に示す信号波形で説明する
と、例えば2つの第2のマーク23に起因する2次電子
信号31の中心位置と、2つの第1のマーク5に起因す
る2次電子信号32の中心位置との相対位置からx方向
の相対位置ずれ量を算出する。一方、2つの第2のマー
ク24に起因する2次電子信号31の中心位置と、2つ
の第1のマーク4に起因する2次電子信号32の中心位
置との相対位置からy方向の相対位置ずれ量を算出す
る。
【0054】次に、この相対位置ずれ量が所定のずれ量
を超えているかを判定する。相対位置ずれ量が所定のず
れ量を超えていない場合には、パターニング等のさらな
る半導体装置の製造工程を続行し、半導体装置を完成さ
せる。これに対して、相対位置ずれ量が所定のずれ量を
超えている場合には、合わせずれが無視できないほど大
きいため、既に形成されたフォトレジスト22を除去し
て合わせ直しを行い、再びフォトレジスト22により第
2のマーク23及び24を形成し、合わせずれ検査を行
う。
【0055】このように通常の測長とは異なる条件で合
わせずれ検査を行う理由を以下説明する。
【0056】上記構成において、3分間の電子線照射の
条件は、通常測長に用いられる照射条件よりも電流量が
大きく、また加速電圧も高く設定されている。このよう
な照射条件においては、電子線照射領域に対して負の帯
電が誘起される。下地マーク4及び5とその周辺部で
は、絶縁膜であるSiO2膜3の膜厚も層構造も異なっ
ており、第1のマーク3及び5のある部分とその周辺部
とでは電気容量に差がある。従って、同じ照射条件で電
子線を照射してもその蓄積される電荷量が異なるため、
表面電位に差を生じる。この3分間の電子線照射の後に
信号波形を取り込むための電子線走査を行うと、上記の
表面電位の差に基づく第1のマーク4及び5の電位コン
トラスト像が得られ、従来技術では検出が著しく困難で
あった平坦な表面構造を持つ下層マークの検出が可能と
なる。
【0057】ここで、電子線の加速電圧と電子放出効率
の関係を図5に示す。横軸は加速電圧、縦軸は電子放出
効率である。電子放出効率とは、入射する電子線の注入
量に対して放出される2次電子の割合を表す。図5から
分かるように、1000V弱よりも大きい加速電圧にお
いて、あるいは400V程度よりも低い加速電圧におい
て、電子放出効率は1.0よりも低くなる。電子放出効
率が1.0よりも低くなるということは、照射される電
子線に対して、放出される電子線の量の方が少ないこと
を意味する。従って、電子放出効率が1.0よりも低い
場合には、半導体装置表面において帯電が生じる。本実
施形態における3分間の電子線照射は、加速電圧200
0Vで行うものであって、半導体装置表面に帯電を生ぜ
しめることができることが分かる。
【0058】なお、下層マークである第1のマーク4及
び5を検出する方法としては、上記実施形態における方
法の他にも、1次電子線の加速度を極めて大きくして下
層マーク底部からの反射電子信号を得る方法がある。し
かし通常そのような極めて大きな加速電圧と、測長に対
して適当な加速電圧を同一の電子光学系で達成すること
は困難である。本実施形態では通常測長に用いられる数
kV以下の加速電圧で下地マークの検出を可能とするた
め、従来の装置構成を大きく変更する必要を生じないと
いう効果を奏する。
【0059】このように、本実施形態によれば、従来の
方法では計測のできなかった層構造に対して、電子線に
よる合わせずれ計測が可能となる。
【0060】なお、本実施形態では1回の電子線照射に
より2次電子信号波形を取得したが、これに限定される
ものではなく、異なる部位に2回以上の電子線照射を行
い、2以上の2次電子信号波形を取得し、これらに基づ
いて第1及び第2のマーク4,5,23,24の相対位
置を求めることも可能である。この場合、第1及び第2
のマーク4,5,23,24に生じるパターンのゆが
み、すなわちエッジラフネスが存在する場合であって
も、このエッジラフネスによる誤差を低減することがで
きる。
【0061】(第2実施形態)図6は本発明の第2実施
形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図で
ある。本実施形態の構成が第1実施形態と共通する部分
についての詳細な説明は省略する。
【0062】本実施形態に係る合わせずれ検査に用いら
れるマークの形成工程は、第1実施形態と同様である。
次いで、上記のような合わせずれ検査マークが形成され
た半導体装置を、測長SEMの試料室に搬入し、通常パ
ターンを観察・測長するのと同様の方法で合わせずれマ
ークの第2のマーク位置を検出し、電子線光学系の光軸
上にマークを移動する。
【0063】次いで、加速電圧を2000V、試料電流
を10pAとしてさらに電子線のスキャン周波数を1k
Hzに設定して上記の構造を有する合わせずれ検査マー
ク上を3分間電子線で照射する。
【0064】次いで、その照射によって得られた2次電
子信号をそのまま画像データとして取得する。この2次
電子信号の検出の際に得られたx方向の信号波形を図6
に示す。横軸は位置、縦軸は信号強度である。図6に示
すように、図4と同様に、従来の技術では検出できなか
った第1のマーク5に起因する2次電子信号32が検出
されていることが分かる。
【0065】次いで、第1のマーク5に基づく信号波形
と第2のマーク23に基づく信号波形から、おのおの極
大、極小位置を算出し、それらの相対位置からx方向の
位置ずれ量を算出する。同様に、y方向の信号波形を解
析し、y方向の相対位置ずれを算出する。なお、その後
の合わせずれ量の判定以後の工程は第1実施形態と同様
である。
【0066】以上に示した本実施形態における合わせず
れ検査の構成は、試料表面に帯電を生ぜしめる電子線照
射と、その後の2次電子信号を取得する際の電子線走査
を兼ねている部分に第1実施形態との違いがある。本実
施形態の場合、第2のマーク23及び24の部分にも帯
電が誘起されるため、その部分の信号波形の線幅やピー
ク高さが第1実施形態に対して変化するが、マーク位置
の算出には大きな影響を及ぼさない。
【0067】このように本実施形態によれば、第1実施
形態において、帯電を生ぜしめる工程と2次電子信号を
取得する工程とを1工程で兼ねることにより、計測に要
する時間が短縮できる。
【0068】(第3実施形態)図7及び図8は本発明の
第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するた
めの図である。本実施形態の構成が第2実施形態と共通
する部分についての詳細な説明は省略する。図7は本発
明の第3実施形態に係る合わせずれ検査方法を説明する
ための図である。
【0069】本実施形態に係る合わせずれ検査に用いら
れるマークの形成工程は、第1実施形態と同様である。
次いで、上記のような合わせずれ検査マークが形成され
た半導体装置を、測長SEMの試料室に搬入し、通常パ
ターンを観察・測長するのと同様の方法で合わせずれマ
ークの第2のマーク23及び24の位置を検出し、電子
線光学系の光軸上にマークを移動した。
【0070】次いで、通常の測長を行うのと同様の条件
で上記の構造を有する合わせずれ検査マークに対して観
察倍率を1万倍として観察し、さらに精密に位置合わせ
を行った。
【0071】次いで、半導体装置表面に帯電を生ぜしめ
るべく、加速電圧を1700V、試料電流を10pAと
して電子線のスキャン周波数を6kHzに設定して電子
線を照射する。この帯電を生ぜしめる場合における電子
線の照射領域を図7に示す。電子線照射領域は41で表
される。この電子線照射領域41は、第1のマーク5の
一部を含み、さらに第2のマーク23の一部を含む。こ
の電子線照射領域41のビーム幅は概略100nmとす
る。このような帯状の電子線により、合わせずれ検査マ
ーク上を15秒間照射する。
【0072】次いでその照射によって得られた2次電子
信号を取得する。この2次電子信号の検出の際に得られ
たx方向の信号波形を図8に示す。横軸は位置、縦軸は
信号強度である。図8に示すように、図4及び図6と同
様に、従来の技術では検出できなかった下地マークであ
る第1のマーク5に起因する2次電子信号32が15秒
間程度の照射によって検出されていることが分かる。
【0073】次いで、第1のマーク5に基づく信号波形
と第2のマーク23に基づく信号波形から、各々極大、
極小位置を算出し、これらの相対位置からx方向の位置
ずれ量を算出する。同様に、電子線走査方向を90°回
転させることによってy方向の信号波形を解析し、y方
向の相対位置ずれ量を算出する。なお、その後の合わせ
ずれ量の判定以後の工程は第1実施形態と同様である。
【0074】本実施形態では、半導体装置表面に帯電を
生ぜしめる電子線照射を、第1のマーク4又は5の一部
に対して繰り返し行っているため、マーク4又は5への
電子注入の効率を著しく向上させることができる。この
ため、第1のマーク4又は5とその周辺に対してより効
率よく帯電を付与することが可能となっている。これに
より、単位時間に多くの信号を取得することが可能とな
る。さらに単位時間当たりに発生する2次電子量も多く
なるために、上記第1及び第2実施形態よりもS/N比
のよい信号が得られる。
【0075】このように本実施形態によれば、第2実施
形態に比較して、さらに計測に要する時間が短縮でき
る。また、第1,2実施形態よりもS/N比のよい信号
を得ることができる。
【0076】(第4実施形態)図9及び図10は本発明
の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する
ための図である。本実施形態の構成が第3実施形態と共
通する部分についての詳細な説明は省略する。
【0077】本実施形態に係る合わせずれ検査に用いら
れるマークの形成工程は、第1〜第3実施形態と同様で
ある。また、試料の搬送とマークのある箇所への移動も
第1〜第3実施形態と同様に行う。次いで、通常の測長
を行うのと同様の条件で上記の構造を有する合わせずれ
検査マークに対して観察倍率を1万倍として観察し、精
密な位置合わせを行う。
【0078】次いで、加速電圧を1700V、試料電流
を10pAとして電子線のスキャン周波数を6kHzに
設定して、さらに照射領域を図7に示すように第1のマ
ーク4又は5の一部に対して帯状に照射する。この電子
線照射の際のx方向の走査信号を図9に示す。横軸は時
間、縦軸は信号強度である。図9に示すように、走査信
号は三角波として、1走査毎に走査方向を交互に入れ替
えるように照射した。帯状の照射領域の幅は第3実施形
態と同様概略100nmとする。上記の構造を有する合
わせずれ検査マーク上を15秒間電子線で照射する。
【0079】次いで、その照射によって得られた2次電
子信号を取得する。この2次電子信号の検出の際に得ら
れたx方向の信号波形を図10に示す。横軸は位置、縦
軸は信号強度である。図10に示すように、図8と同様
に第1のマーク4及び5に起因する2次電子信号32が
検出されているのが分かる。さらに、本実施形態では、
走査方向を交互に入れ替えて電子線を走査することによ
り半導体装置表面に帯電を生ぜしめるため、第3実施形
態で得られた信号波形よりも対称性のよい信号波形を得
ることができる。
【0080】次いで、第1のマーク5に基づく信号波形
と第2のマーク23に基づく信号波形から、おのおの極
大、極小位置を算出し、それらの相対位置からx方向の
位置ずれ量を算出する。同様に、電子線走査方向を90
°回転させることによってy方向の信号波形を解析し、
y方向の相対位置ずれを算出する。なお、その後の合わ
せずれ量の判定以後の工程は第1実施形態と同様であ
る。
【0081】本実施形態における合わせずれ検査の構成
は、半導体装置表面に帯電を生ぜしめる電子線照射を、
1走査毎にその方向を反転させることをその特徴として
いる。このため、走査信号の歪みに基づく照射領域の帯
電量の非対称性を相殺することができ、その結果第3実
施形態よりも対称性のよい2次電子信号を得ることがで
きる。
【0082】このように本実施形態によれば、帯電量の
非対称性に基づく合わせずれ測定値の偏りを解消するこ
とができる。
【0083】(第5実施形態)図11〜図13は本発明
の第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する
ための図である。
【0084】図11は本実施形態に係る合わせずれ検査
に用いられる合わせずれマークの構成を示す図であり、
図11(a)は上面図を、(b)は横断面図である。形
成すべき第1のマーク及び第2のマークの製造方法は上
記第1〜第4実施形態と同様であるが、その配置が上記
実施形態と異なる。
【0085】すなわち、図11(a)に示すように、第
1のマーク4及び5,第2のマーク23及び24はx方
向の合わせずれを計測するための1組のマーク51と、
y方向の合わせずれを計測するための1組のマーク52
からなる。これら1組のマーク51と52とは、各組の
中心座標が設計上異なる位置に配置されていることを特
徴とする。これらのマークを、第1実施形態と同様にウ
ェハ上に形成し、第1実施形態と同様に半導体装置の搬
送とマーク11のある箇所への移動を行う。次いで第4
実施形態と同様の電子線照射条件によって、マーク11
の一部を照射する。次いでその照射によって得られた2
次電子信号を取得する。このとき得られたx方向の信号
波形を図12に示す。横軸は位置、縦軸は信号強度であ
る。
【0086】次いでマーク12のある箇所への移動を行
い、電子線走査方向を90°回転した後、上記と同様の
電子線照射条件によってy方向の信号を取得する。
【0087】次いで、第1のマークに基づく信号波形と
第2のマークに基づく信号波形から、各々極大、極小位
置を算出し、それらの相対位置からx方向、y方向の位
置ずれ量を算出する。なお、その後の合わせずれ量の判
定以後の工程は第1実施形態と同様である。
【0088】このように本実施形態で合わせずれを測定
するマークの中心位置をx方向とy方向で異なる位置に
した理由を図13を用いて説明する。
【0089】すなわち、第3実施形態の方法では合わせ
ずれマークの一部を局所的に帯電させる方法を用いてい
る。この帯電の際、帯状の帯電部分がマーク上に残るた
め、x方向とy方向の計測を行うマークが中心位置を同
じにしている場合には、帯電痕が残る。この帯電に基づ
く帯電痕の様子を図13(a)に示す。61に示したの
が、図の矢印の方向、すなわちはじめにy方向に行った
走査に基づく帯電痕である。この帯電痕61の残った状
態でそれに垂直な方向、すなわちx方向の信号波形を取
得すると、最初に行った照射の影響が次いで取得した信
号波形に対して悪影響を及ぼす。このようにして得られ
たx方向の信号波形を図13(b)に示す。横軸は位
置、縦軸は信号強度である。図13(b)に示すよう
に、第2のマークに起因する2次電子信号31と、第1
のマークに起因する2次電子信号32それぞれの中間
に、大きな信号のぶれが見られる。このぶれが帯電痕6
1による影響を示すものであり、高精度の合わせずれ検
査を困難にする。
【0090】これに対して本実施形態に係る合わせずれ
検査マークの配置の場合、x方向とy方向のマークの中
心が異なる位置に配置されているため、各方向の走査に
おける電子線照射領域が、少なくともマーク近傍では重
ならない。従って、図13に示したような帯電痕61に
よる影響を受けない2次電子信号を検出することができ
る。このことは、図12より明らかである。
【0091】このように本実施形態によれば、合わせず
れの独立な2方向を計測する際の、一方の計測が他方の
計測に及ぼす悪影響を解消することが可能となり、より
高精度の合わせずれ計測が可能となる。
【0092】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はない。例えばマーク上を帯電させる工程は、広い照射
領域を持った電子線を照射することによりマーク全体を
一括して帯電させるものであってもよい。また、第1の
マーク上に形成され、表面が平坦な層としてSiO2
を用いたが、他の絶縁材料からなる層でもよく、また絶
縁材料でなくても有機性帯電防止膜等、所定の抵抗値よ
りも低い抵抗値を有する導電性膜であってもよい。ま
た、帯電及びマーク位置の測定に電子線を用いたが、イ
オンビーム等、荷電ビームであれば何でもよい。
【0093】(第6実施形態)図14は本発明の第6実
施形態に係る合わせずれ検査方法の検査対象とする合わ
せずれマークの構成を示す図である。図14(a)は上
面図、(b)は断面図である。
【0094】図14(a)に示すように、長方形の第1
のマーク71が配置され、この第1のマーク71を挟ん
で長方形の第2のマーク72が2つ配置されている。こ
の第2のマーク72は、第2のマーク71に対して設計
上同一の中心となるような平面構造となる。
【0095】この図14(a)に示した合わせずれマー
クの断面構造は図14(b)に示す通りである。すなわ
ち、Si基板74に溝部74aが形成され、この溝部が
第1のマーク71となる。また、Si基板74上に溝部
74aを含めてSiN層75が形成され、さらにその上
に反射防止膜76が形成されている。そして、この反射
防止膜76上にはリソグラフィ技術を用いてパターニン
グされたフォトレジスト77により2本のラインパター
ンが形成される。この2本のラインパターンが第2のマ
ーク72となる。
【0096】次に、以上のように構成された合わせずれ
マークを用いた合わせずれ検査方法を説明する。
【0097】まず、図14に示す合わせずれマークが形
成されたシリコンウェハを、測長SEMの試料室に搬入
し、通常パターンを観察及び測長するのと同様の方法で
第1のマーク71の位置を検出し、電子線光学系の光軸
上に合わせずれマークを移動する。
【0098】次に、加速電圧を1700V、試料電流を
10pAとしてさらに電子線のスキャン周波数を6kH
zに設定して上記の構造を有する合わせずれ検査マーク
上を15秒間電子線で照射する。
【0099】次に、電子線の照射によって得られた2次
電子信号を取得する。ここで得られるx方向の信号波形
を図15に示す。横軸はx方向の位置、縦軸は信号強度
を示す。2つの大きなピークが第2のマーク72に対応
する信号であり、この2つのピークの間に見られる凹み
が第1のマーク71に対応する信号である。第1のマー
ク71とその周辺部分には、表面電位に基づく電位コン
トラスト信号が検出され、第2のマーク72部分には、
フォトレジスト77の断面形状に対応する信号が検出さ
れる。また、第2のマーク72に対応する信号の断面形
状における側壁部分は、1次電子線となす角度がほぼ0
度であるため、2次電子放出効率が大きく、その周囲よ
りひときわ明るいピークとなる。
【0100】次に、このように検出された2次電子信号
を以下に示すように解析する。その解析手法を図16の
フローチャートに沿って説明する。
【0101】まず、第1のマーク71に対応する信号が
極小となる位置をx1とする(81)。次に、2本の第
2のマーク72の極大位置をそれぞれx方向の位置が小
さい側からx2l,x2r,x3l,x3rとする(8
2)。そして、これらそれぞれの極大位置の外側に隣接
する極小位置をそれぞれx2l‘,x2r’,x3
l‘,x3r’として(83)メモリに格納する。
【0102】次に、第2のマーク72の極大位置のう
ち、x2lを選択し(84)、x2lとx2l‘の間に
ある画素に対応する座標xl1,…,xlnとその座標
における信号強度yl1,…,ylnの値をメモリに格
納する(85)。
【0103】次に、これらx2lとx2l‘により挟ま
れた各点の信号強度に基づいて最小自乗法をよってこれ
ら各点を結ぶ直線の式y=ax+bを算出する。そし
て、この直線式y=ax+bの傾きと切片の推定値a,
bを求める(86)。
【0104】次に、得られた直線に基づいて、x2lと
x2l‘により挟まれた各点の代表値を算出する(8
7)。本実施形態では、x2lとx2l‘により挟まれ
た各点の中間点を代表値とする。具体的には、得られた
近似直線y=ax+bにおいて、その範囲内の信号強度
が中間値Y2lとなるx座標X2lをX2l=Y2l−
b)/aにより算出し、第2のマーク72の極大位置と
極小位置により規定されるいわゆる側壁部分の代表値と
する。
【0105】同様に、他の3つの側壁部分について代表
値を算出し、X2r,X3l,X3rとする。すべての
側壁部分について代表値を算出すると、(88)のステ
ップに進み、まだ算出していない代表値がある場合に
は、(84)に戻り、算出していない第2のマーク72
の極大位置を選択し、上記と同様の解析を行う。
【0106】次に、第2のマーク72の4点の極大位置
に対応する代表値X2l,X2r,X3l,X3rに基
づいて第2のマーク72の中心位置X(中心)を算出す
る(89)。具体的には、式:X(中心)=(X2l+
X2r+X3l+X3r)により算出する。
【0107】最後に、第1のマーク71と第2のマーク
72の合わせずれ量δXを算出する(90)。第1のマ
ーク71は(81)で求めた極小位置x1を基準とし、
第2のマーク72は(89)で求めた中心位置X(中
心)を基準とし、合わせずれ量δX=X(中心)−x1
により算出する。
【0108】本実施形態の作用効果は以下の通りであ
る。
【0109】第1〜第5実施形態におけるマークの代表
位置の算出手法において、本来のマークの特徴的位置に
対応する信号波形の極大・極小の他に、雑音による多数
の極大・極小が存在する。例えば第2のマーク72のマ
ークがトポグラフィを有するフォトレジストパターンで
ある場合、その側壁部分に対応する信号波形のピーク以
外にも、その周辺部分には雑音に由来する多くの極大が
存在する。同様に、第1のマーク71の中心に対応する
極小の周辺にも、多くの極小が存在する。このような雑
音ピークは、マーク71又は72を検出する際の誤検出
の原因となり、計測精度を著しく劣化させる場合があ
る。
【0110】また、マーク近傍の試料表面を帯電させて
はいるが電子線が照射されている領域と、対象とするマ
ークの相対位置マークの周辺の構造いかんによってはマ
ーク近傍の帯電量が不均一となる。このような場合、マ
ーク近傍から得られる2次電子信号波形が、周辺の不均
一な帯電に基づく電場の影響によって非対称な形状にな
る。
【0111】そこで、本実施形態を用いることにより、
従来の合わせずれ検査に比較してより多くの位置情報を
利用して第2のマーク72の代表位置を算出するため、
検出した信号のノイズに基づく代表位置の誤検出が少な
くなり、より高精度の合わせずれ検査が可能となる。
【0112】なお、本実施形態では第2のマーク72の
代表位置として側壁部分の信号波形を直線近似した後極
小値と極大値の中間値を与える座標を用いたが、この値
は中間位置に限らず、得られる信号波形に応じて、例え
ば信号強度が(極大値−極小値)の80%となるx座標
の推定値を用いる、というように任意のしきい値によっ
て代表位置を算出することも可能である。
【0113】(第7実施形態)本実施形態は、第6実施
形態の変形例に係わる合わせずれ検査方法である。本実
施形態における合わせずれ検査方法の検査対象は第6実
施形態と同じ図14に示すものを用い、また図15と同
様に2次電子信号の座標決定も同じであるのでその詳細
な説明は省略する。さらに、第2のマーク72の代表位
置の算出も第6実施形態と共通する。
【0114】以下、本実施形態に係る合わせずれ検査方
法を説明する。
【0115】まず、図14に示す合わせずれマークが形
成されたシリコンウェハを試料室に搬入し、電子線光学
系の光軸上に合わせずれマークを移動し、第1実施形態
と同様の条件下で電子線を照射し、2次電子信号を取得
する。ここで得られるx方向の信号波形は図15に示し
たものである。ここまでは第1実施形態と同じである。
【0116】次に、本実施形態に係る2次電子信号波形
の解析手法を説明する。
【0117】まず、第1実施形態と同様に、解析に必要
とされる各点の座標を決定する。次に、第1のマーク7
1の周辺の信号から、画素に対応する座標xL1,…,x
Lnとその座標における信号強度yL1,…,yLnの値を読
み取りメモリに格納する。この座標の読み取りの範囲、
すなわちxL1からxLnまでの範囲は、第1のマーク71
の極小位置を決定するために必要な範囲で任意に設定可
能である。
【0118】次に、これら第1のマーク71の周辺の各
点の信号強度を、以下のような関数に対して最小自乗法
を適用し、これら各点を結ぶ曲線式を求める。
【0119】y=ysym+ybase ここで、ysymはガウス分布関数であり、ysym=h0
exp(−(x−x0 2)/w2)で表され、ybase
2次関数で、ybase=a0+a1・x+a2・x2で表され
る。次いで、上記のx0を第1のマーク71の代表位置
とする。このようにして求められた曲線式yを図17
(a)に示す。横軸はx方向の位置、縦軸は信号強度で
ある。
【0120】次に、第2のマーク72についても代表位
置X(中心)を求める。この代表位置X(中心)の算出
手法は第1実施形態と同じであるため、その説明は省略
する。
【0121】次に、第1のマーク71の代表位置x0
第2のマーク72の代表位置X(中心)の差を合わせず
れ量として算出する。
【0122】このように本実施形態によれば、第1実施
形態と同様の効果を奏するとともに、第1のマーク71
の代表位置算出につぃていも従来の手法に比較して多く
の位置情報を利用するため、信号のノイズに基づく代表
位置の誤検出が少なくなり、さらに高精度の合わせずれ
検査が可能となる。
【0123】なお、本実施形態では第1のマーク71の
極小位置を決定するためのモデル関数としてガウス分布
関数を用いたが、これは本発明を限定するものではな
く、単一の極小をもちかつ極小の周辺部分で対称な関数
であれば、例えばローレンツ分布関数、voigt関数等種
々の関数を用いることが可能となる。
【0124】また、極小に対するベースラインに相当す
る多項式は本実施形態では2次関数を用いたが、これも
種々の関数が利用可能である。例えばこれは1次式でも
よいし、波形が対象な場合には単に定数項のみを用いる
ことも可能である。
【0125】また、上述したysymとybaseは同時に求
めてもよいが、順次求めることも可能である。図17
(b)はこれらysymとybaseを別個に求める手法を説
明するための図である。まず、第1実施形態と同様に極
小位置の座標x1を求め、この極小位置x1からの距離
が大きくなるほど重みが小さくなるように信号波形をま
ず2次関数91で近似する。次いで、波形データから2
次関数成分を減じた残りの波形92を求める。これによ
り、極小近傍以外の部分が直線になる。この波形92に
対して改めてガウス関数への近似を行い、上述の式のx
0を推定してもよい。このような手法により、より好適
かつ安定に所定の関数への近似が可能となる。
【0126】(第8実施形態)本実施形態は、第6及び
第7実施形態の変形例に係わる。第6実施形態と共通す
る部分の詳細な説明は省略する。本実施形態では、第1
のマーク71の極小位置の算出手法が第7実施形態と異
なる。
【0127】本実施形態の合わせずれ検査方法では、ま
ず第1実施形態と同様に、図15に示す合わせずれマー
クの2次電子信号波形を取得する。次に、第1のマーク
71の周辺の信号から、画素に対応する座標xL1,…,
Lnとその座標における信号強度yL1,…,yLnの値を
読み取りメモリに格納する。
【0128】次に、これら第1のマーク71の周辺の各
点の信号強度を、以下のような関数に対して最小自乗法
を適用し、これら各点を結ぶ曲線式を各係数A0,A1
0,B,Cを推定して求める。
【0129】y=A0+A1・(x−x0)−B・log
[exp{C(x−x0)}+1] この関数は、(x−x0)<0で傾きA1,(x−x0
>0で傾き(A1−BC)の直線に漸近し、x=x0にお
いて極小値をもち滑らかに両直線を連結するような関数
であり、極小の周辺の非対称性は上記2つの異なる傾き
の値によって表される。そして、得られた近似曲線yに
おけるx0を第1のマーク71の代表位置とする。ま
た、第2のマーク72の中心位置X(中心)を第1実施
形態と同様の手法で求め、両者の差として合わせずれ量
δxを算出する。
【0130】このように本実施形態によれば、モデル関
数として非対称性を扱うことが可能な関数を用いている
ため、合わせずれマーク近傍の帯電状態が不均一でマー
ク近傍から得られる2次電子信号波形が非対称な形状に
なっている場合にも安定に第1のマーク71の位置を算
出することが可能となり、計測の不確かさを低減するこ
とが可能となる。
【0131】なお、第1のマーク71を近似するモデル
関数は本実施形態に示したものに限定されない。例え
ば、χ二乗分布関数やF分布関数等のような非対称分布
関数、双曲線関数等を用いることも可能である。
【0132】(第9実施形態)本実施形態は第7実施形
態の変形例に係わる。第7実施形態と共通する部分の詳
細な説明は省略する。
【0133】まず、第1実施形態と同様に、図15に示
す合わせずれマークの2次電子信号波形を取得する。次
に、次に、第1のマーク71の周辺の信号から、画素に
対応する座標xL1,…,xLnとその座標における信号強
度yL1,…,yLnの値を読み取りメモリに格納する。
【0134】次に、これら信号データに対して平滑化微
分処理を施すことによって微分信号波形を取得する。次
に、得られた微分信号波形のゼロ点の位置をX0i,極大
−極小の間隔の1/2の値をw0とする。次いで、これ
らの値を用いて、X0からの距離が大きくなるほど重み
が小さくなるように線形最小自乗法によって信号波形を
まず2次関数で近似し、極小近傍のベースライン関数を
決定する。
【0135】次いで、波形データから2次関数成分を減
じた差のデータを算出する。そして、この差のデータに
対して、x0=X0i,w=w0として、以下の残差平方和
Sを算出する。
【0136】S=σ(yi−f(xLi))2,f(x)=
sym=h0・exp(−(x−x02/w2) 次いで、パラメータ(h0,x0,w)の値を初期値から
変動させ、再度上記のSを算出することを繰り返し、S
の値が最小となるパラメータの組を求め、そのときのx
0を第1のマーク71の中心位置とする。このように近
似した結果を図18に示す。図18において、近似曲線
は93で表される。
【0137】次いで、第2のマーク72の中心位置を第
1実施形態と同様の手法によって算出し、第1のマーク
71の代表値との差として合わせずれ量δxを算出す
る。
【0138】このように本実施形態によれば、第7及び
第8実施形態におけるモデル関数による近似を行う場合
に残差平方和を取り、この残差平方差を取る際の初期値
として最適値に近い微分信号のゼロ点位置X0iを予め用
いるため、関数近似に要する時間を短縮することが可能
となり、検査時間を大幅に短縮可能である。
【0139】なお、上記第7,8実施形態で述べた場合
と同様に、第1のマーク71を近似する関数としては種
々の関数を用いることができることはもちろんである。
【0140】(第10実施形態)図19〜図21は本発
明の第10実施形態に係る合わせずれ検査方法を説明す
るための図である。本実施形態における合わせずれ検査
の対象は、第1実施形態で示された図1及び図2に示し
たものと同じである。なお、以下の実施形態において、
第1のマークとは、平坦な層の下に埋め込まれたマーク
であり、第2のマークとは、平坦な層の上面に露出した
マークである。
【0141】以下、図19に示すフローチャートに沿っ
て本実施形態の合わせずれ検査方法を説明する。
【0142】まず、図1及び図2の工程により合わせず
れマークが形成されたシリコンウェハからなるサンプル
を、測長SEMの試料室に搬入する(101)。そし
て、通常パターンを観察・測長するのと同様の方法で合
わせずれ検査用マークの第2のマーク24の位置を検出
し(102)、電子線光学系の軸上に合わせずれ検査用
マークを移動する。
【0143】次に、加速電圧を1700V、試料電流を
10pAとしてさらに電子線のスキャン周波数を3.2
kHzに設定して第1及び第2のマーク5,23の一部
に電子線を照射する。図20(a)は合わせずれマーク
を上面から見た電子線照射の様子を示す図である。x,
y方向に配置された第1及び第2のマーク4,5,2
3,24のうち、y方向に平行に長手方向が配置された
第1のマーク5及び第2のマーク23のうち、これらす
べてのマークを横切るように電子線111が照射され
る。この照射領域の幅は100nmである。10秒程度
の電子線照射によって、画像データを取得し(10
3)、この画像データから図20(b)に示す2次電子
信号の信号波形が得られる(104)。横軸はx方向の
位置、縦軸は信号強度である。得られた信号波形に基づ
いて、以下に示す手法により第1及び第2のマーク5,
23の代表位置を決定する(105)。
【0144】まず、第1のマーク5に起因する2次電子
信号波形は、図20(b)の121で示した部分であ
り、第1のマーク5の中心部分で一つの極小値を有す
る。従って、この極小値を示す位置を第1のマーク5の
代表位置とし、それぞれのマーク5についてx1L,x1r
とする。
【0145】一方、第2のマーク23に起因する2次電
子信号波形は、図20(b)の122で示した部分であ
り、パターンの立体形状を反映して、パターンエッジ部
で急峻なピークを持つ構造をしている。そこで、各々の
ピーク部分の極小値yminと極大値ymaxの間で信号強度
がy50%=(ymax−ymin)/2となる位置を算出し、
その位置をマークの両側で求め、ピクセル座標での代表
位置x2Ll,x2Lr,x2Rl,x2Rrとする。
【0146】次に第1のマーク5,第2のマーク23の
中心位置X2c,X1cを各々以下の式により算出する。
【0147】X1c=(x1l+x1r)/2 X2c=(x2Ll+x2Lr+x2Rl+x2Rr)/4 次いで、x方向の位置ずれ量δxAを上記中心位置の差
として算出する(106)。さらに、x2Rl−x2Ll
るいはx2Rr−x2Lrの値を設計値と比較することによ
り、倍率補正のための係数R(倍率補正値R)を決定す
る(107)。最後に、上記倍率補正値RをδxAに乗
ずることにより、位置ずれ量の値を距離の次元で表す
(108)。同様の手順によりy方向についても計測を
行う(109)。y方向について計測が終了すると、す
べての計測が終了する(110)。
【0148】以上の手順により得られた位置ずれ量を、
通常の光学式検査結果と比較した結果を図21(a)に
示す。なお、比較のために、従来の測長SEMを用いた
検査結果と比較した結果を図21(b)に示す。それぞ
れ、横軸が光学式検査結果により得られる位置ずれ量
(Optical δx)であり、縦軸が測長SEMを
用いた結果により得られる位置ずれ量(SEM δx)
を示す。従って、図21(a)及び(b)では、図示し
た直線に測定結果が近いほど良好な相関が得られている
ことを示すものである。これによると、本実施形態によ
る検査結果(図21(a))は、従来の測長SEMを用
いた検査結果(図21(b))に比較して光学式検査結
果との極めて良好な相関が得られていることが分かる。
【0149】本実施形態の合わせずれ検査方法の作用効
果を以下説明する。
【0150】一般に、SEMを用いて計測を行う場合、
観察倍率は電子線の照射条件や焦点位置の違い、あるい
は基板を構成する材質や膜厚の違いに基づく試料表面電
位の違いによって変動を受ける。従来は、ある基準のパ
ターンを形成したサンプルを倍率標準として用い、この
サンプルから倍率補正値を算出して倍率校正を行ってい
るが、試料に対して意図的に帯電を付与する本実施形態
の方法では、通常の倍率校正の際と同一の構造や電子線
の照射条件でなされるとは限らない。
【0151】また、実際に合わせずれ計測を行うマーク
と倍率校正を行うパターンとは、一般にその形状も異な
っているため、パターン近傍の帯電状態も一般に両者で
異なる。そこで、本実施形態のように合わせずれ計測を
行うマークに帯電を付与して倍率校正を行うことによ
り、倍率補正値を算出するサンプルと合わせずれ検査を
行うマークを同一の対象とするため、サンプルの構造や
測定倍率の違いで生じる理想値からのずれ、及び焦点位
置の違い等の理由で生じる画像データの倍率誤差の発生
を防ぐことにより、高精度の合わせずれ計測が可能とな
る。
【0152】このように本実施形態によれば、寸法校正
に関わる誤差要因を取り除くことにより、より高精度の
合わせずれ検査が可能となる。
【0153】(第11実施形態)本実施形態は第10実
施形態の変形例に関わり、図22は本実施形態の合わせ
ずれ検査方法を説明するための図である。図22は、第
10実施形態と同様のマークであるが、第1のマーク
4,5及び第2のマーク23,24のエッジラフネスも
含めてある。このエッジラフネスに依存するx方向の誤
差をδとする。第10実施形態と共通する部分の詳細な
説明は省略する。
【0154】本実施形態では、評価サンプルを試料室へ
導入してから倍率補正値Rを用いた位置ずれ量の算出を
行う点までは第10実施形態と同じである((101)
〜(108))。本実施形態では、1回の電子線の照射
により倍率補正値Rを求めた後、図22に示すように、
電子線の走査位置を検査の対象とすべきマーク5及び2
3の長手方向に距離Lだけずらし、上記と同様に倍率補
正値Rの取得を行い、位置ずれ量δxA及びδxB算出す
る。さらに、2つの電子線走査位置により得られたそれ
ぞれの位置ずれ量δxA及びδxBについて、以下の式に
より位置ずれ量の平均値δxを取得し、合わせずれを検
査する。
【0155】δx=(δxA+δxB)/2 このように、2つの異なる部位における電子線照射によ
り2つの2次電子信号波形を取得し、これら2つの信号
波形に基づいて倍率補正値Rを求めることにより、マー
クの非対称性や、マーク周辺の構造が与える影響を低減
することができる。さらに、電子線の照射領域111の
幅を狭くして局所的な測定を行う場合であっても、照射
部位近傍のマークエッジの微小なエッジラフネスや、描
画工程におけるつなぎ合わせ誤差のような局所的なエッ
ジ位置の変動による測定誤差を低減でき、第10実施形
態よりもさらに高精度の合わせずれ検査が可能となる。
【0156】なお、本実施形態では電子線の走査回数を
2回としたが、その回数には限定されない。3回以上で
あってもよく、回数を増やすほど測定誤差を小さくする
ことが可能となる。また、2回の電子線の走査によるそ
れぞれの位置ずれ量δxA,δxBを平均化する場合を示
したが、得られた電子信号波形の代表値を平均化し、又
は中心位置を平均化するものであってもよい。
【0157】また、図22に示すように、エッジラフネ
スのピーク位置を予め計測しておき、そのピーク間の概
略の間隔dxを求め、次いで、合わせずれを計測する複
数の箇所の位置を、L<dx/2と設定し、また測定個
所をn個とした場合、n個の測定個所が存在する長手方
向の幅をWとすると、W>dxとするのが望ましい。n
個の測定個所がそれぞれ間隔L毎に配置されている場
合、W=(n−1)Lとなる。
【0158】(第12実施形態)図23は本発明の第1
2実施形態に係る合わせずれ検査方法を説明するための
図であり、(a)は本実施形態の検査対象の上面図であ
り、(b)は本実施形態における検査で得られる2次電
子信号の信号波形である。
【0159】図23(a)に示すように、検査対象は、
ラインパターンの第1のマーク131と第2のマーク1
32が交互に同じ方向に配置されている。第1のマーク
131は3本、第2のマークは4本配置されている。
【0160】このように合わせずれ検査用マークが配置
されたシリコンウェハを測長SEMの試料室に搬入し、
通常パターンを観察するのと同様の方法で合わせずれ検
査用マークの位置を検出し、電子線光学系の軸上に合わ
せずれ検査用マークを移動する。次に、加速電圧170
0V、試料電流10pA、スキャン周波数1.6kHz
に設定した電子線を照射する。この電子線の照射領域を
133に示す。
【0161】電子線照射により得られた2次電子信号波
形から、第10実施形態と同様の手法により、第1のマ
ーク131の代表位置としてx1A,x1B,x1Cを算
出する。また、第2のマーク132の代表位置として、
x2Al,x2Ar,x2Bl,x2Br,x2Cl,x2Cr、x
Dl,x2Drを算出する。
【0162】さらに、第1のマーク131及び第2のマ
ーク132の基準位置X1,X2をそれぞれ以下のよう
に算出する。
【0163】X1=(x1A+x1B+x1C)/3 X2=(x2Al+x2Ar+x2Bl+x2Br+x2Cl+x
Cr+x2Dl+x2Dr)/8 次いで、x方向の位置ずれ量δxを基準位置X1とX2
の差として算出する。同様の手順により、y方向につい
ても検査を行う。
【0164】このように、第1のマーク131及び第2
のマーク132を交互に配置することにより、マークの
非対称性の問題を解決できる。また、1つの画像データ
から複数個の合わせずれ計測を行い、得られたデータを
平均化することにより、従来は達成不可能であった計測
精度を達成することが可能となる。
【0165】(第13実施形態)図24は本発明の第1
3実施形態に係る合わせずれ検査方法を説明するための
図であり、(a)は本実施形態の検査対象の上面図であ
り、(b)は本実施形態における検査で得られる2次電
子信号の信号波形である。
【0166】図24(a)に示すように、検査対象は、
ラインパターンの第1のマーク141と、第2のマーク
142からなり、y方向に長手方向を持つ第1のマーク
141を挟んで第1のマーク141に平行にかつ離間し
て第2のマーク142が2本形成され、これら3本のマ
ークによりx方向の合わせずれを計測する。同様に、x
方向に長手方向を持つ第1のマーク141を挟んで第1
のマーク141に平行にかつ離間して第2のマーク14
2が2本形成され、これら3本のマークによりy方向の
合わせずれを計測する。
【0167】本実施形態の合わせずれ検査では、まず合
わせずれ検査用マークが配置されたシリコンウェハを測
長SEMの試料室に搬入し、通常パターンを観察するの
と同様の方法で合わせずれ検査用マークの位置を検出
し、電子線光学系の軸上に合わせずれ検査用マークを移
動する。次に、加速電圧1700V、試料電流10p
A、スキャン周波数1.6kHzに設定した電子線を照
射する。この電子線の照射領域を143に示す。電子線
照射領域143の幅は100nmであり、x方向に対し
て任意の角度θを有する。角度θは、x方向及びy方向
それぞれの合わせずれ検査用マークすべてを横切るよう
な角度に設定される。このような照射領域143を持つ
電子線を10秒程度照射する。
【0168】電子線照射により得られた画像データから
2次電子信号波形を得る。得られた2次電子信号波形を
図24(b)に示す。横軸はx方向の位置、縦軸は信号
強度である。この信号波形から、第1のマーク141及
び第2のマーク142に基づく極大位置及び極小位置を
算出する。極大及び極小位置の算出は第10実施形態と
同様の手法による。
【0169】次に、第10実施形態と同様の手法によ
り、第1のマーク141の代表位置として、x1,y1
を算出する。また、第2のマーク142の代表位置とし
て、y2Ll,y2Lr,y2Rl,y2Rr,x2Ll,x
Lr,X2Rl,x2Rrを算出する。
【0170】さらに、第2のマーク142の基準位置X
2,Y2をそれぞれ以下のように算出する。なお、第1
のマーク141の基準位置は、第1のマーク141の代
表位置x1,y1とする。
【0171】 Y2=(y2Ll+y2Lr+y2Rl+y2Rr)/4 X2=(x2Ll+x2Lr+X2Rl+x2Rr)/4 次に、第1のマーク141及び第2のマーク142の基
準位置の差Y2−y1、X2−x1を算出する。最後
に、以下の式を用いてx方向及びy方向の合わせずれ量
δx,δyを算出する。
【0172】δx=(Y2−y1)/sinθ δy=(X2−x1)/cosθ このように本実施形態によれば、x方向及びy方向の位
置ずれを1つの信号波形に基づいて同時に計測できるた
め、計測に要する時間が短縮される。
【0173】(第14実施形態)図25は本発明の第1
4実施形態に係る合わせずれ検査方法を説明するための
図である。本実施形態は第13実施形態の変形例に関わ
り、本実施形態における合わせずれ検査の対象は、図2
4(a)に示したものと同じである。
【0174】本実施形態では、評価サンプルである合わ
せずれ検査用マークが形成されたシリコンウェハを試料
室へ導入してから第1のマーク141及び第2のマーク
142についての代表位置を求めるまでの工程は第13
実施形態と同じである。
【0175】本実施形態では、1回の電子線照射により
代表位置を求めた後、図25に示すように、電子線の走
査位置を電子線照射角度θを保持したままずらし、上記
と同様に電子線を照射して代表位置の取得を行う。それ
ぞれの電子線照射領域を143及び144とする。この
2回の電子線照射により得られる2次電子信号波形を図
26に示す。横軸はx方向の位置、縦軸は信号強度であ
り、図26(a)は1回目の電子線照射により得られる
信号波形を、(b)は2回目の電子線照射により得られ
る信号波形を示す。1回目の電子線照射により得られる
代表位置を、第1のマーク141についてはx1-1,y
1-1、第2のマーク142についてはy2Ll-1,y2
Lr-1,y2Rl-1,y2Rr-1,x2Ll-1,x2Lr-1,X2
Rl-1,x2 Rr-1とし、2回目の電子線照射により得られ
る代表位置を、第1のマーク141についてはx1-2,
y1-2、第2のマーク142についてはy2Ll-2,y2
Lr-2,y2Rl-2,y2Rr-2,x2Ll-2,x2Lr-2,X2
Rl-2,x2Rr-2とする。
【0176】そして、2回の電子線照射により得られた
代表位置から、以下の式により代表位置の平均値を算出
する。
【0177】x1=x1-1+x1-2 y1=y1-1+y1-2 y2Ll=y2Ll-1+y2Ll-2 y2Lr=y2Lr-1+y2Lr-2 y2Rl=y2Rl-1+y2Rl-2 y2Rr=y2Rr-1+y2Rr-2 x2Ll=x2Ll-1+x2Ll-2 x2Lr=x2Lr-1+x2Lr-2 X2Rl=X2Rl-1+X2Rl-2 x2Rr=x2Rr-1+x2Rr-2 さらに、x方向及びy方向に対する第2のマーク142
の基準位置X2,Y2の算出、さらに基準位置の差X2
−x1,Y2−y1の算出、位置ずれ量δx,δyの算
出手法は、第13実施形態と同じである。
【0178】このように本実施形態によれば、第13実
施形態と同様の効果を奏するとともに、複数個のデータ
を平均化することにより、マークの局所的なばらつきよ
り発生していた測定誤差を小さくすることが可能とな
り、第13実施形態よりもさらに高精度合わせずれ検査
が可能となる。
【0179】なお、本実施形態では電子線の走査回数を
2回としたが、その回数には限定されない。従って、3
回以上であってもよく、回数を増やすほど測定誤差を小
さくすることができる。
【0180】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、従
来の技術において困難であった下地マーク表面に凹凸の
ない場合の合わせずれ検査を単一の電子光学系によって
簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造
方法を説明するための図。
【図2】同実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明
するための図。
【図3】半導体装置の帯電を用いずにマーク検出を行っ
た場合のx方向の信号波形を示す図。
【図4】同実施形態における合わせずれ検査により得ら
れるx方向の信号波形を示す図。
【図5】電子線の加速電圧と電子放出効率の関係を示す
図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る合わせずれ検査に
より得られるx方向の信号波形を示す図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る合わせずれ検査に
おける電子線照射領域を示す図。
【図8】同実施形態における合わせずれ検査により得ら
れるx方向の信号波形を示す図。
【図9】本発明の第4実施形態における合わせずれ検査
における電子線照射の際のx方向の走査信号を示す図。
【図10】同実施形態における合わせずれ検査により得
られるx方向の信号波形を示す図。
【図11】本発明の第5実施形態における合わせずれ検
査に用いられる合わせずれ検査マークの構成を示す図。
【図12】同実施形態における合わせずれ検査により得
られるx方向の信号波形を示す図。
【図13】同実施形態における帯電痕の影響を説明する
ための図。
【図14】本発明の第6実施形態に係る合わせずれ検査
方法の検査対象とする合わせずれマークの構成を示す
図。
【図15】同実施形態において取得されるx方向の2次
電子信号波形を示す図。
【図16】同実施形態における2次電子信号の解析手法
のフローチャートを示す図。
【図17】同実施形態における第1のマーク近傍で近似
された曲線を示す図。
【図18】本発明の第9実施形態における第1のマーク
近傍で微分により得られる近似曲線を示す図。
【図19】本発明の第10実施形態に係る合わせずれ検
査方法のフローチャートを示す図。
【図20】同実施形態における合わせずれ検査方法を説
明するための図。
【図21】同実施形態及び従来の位置ずれ量を光学式検
査結果と比較して示した図。
【図22】本発明の第11実施形態に係る合わせずれ検
査方法を説明するための図。
【図23】本発明の第12実施形態に係る合わせずれ検
査方法を説明するための図。
【図24】本発明の第13実施形態に係る合わせずれ検
査方法を説明するための図。
【図25】本発明の第14実施形態に係る合わせずれ検
査方法を説明するための図。
【図26】同実施形態における2回の電子線照射により
得られる2次電子信号波形を示す図。
【符号の説明】
1,74…Si基板 2,75…SiN層 3…SiO2層 4,5,71,131,141…第1のマーク 21…反射防止膜 22,77…フォトレジスト 23,24,72,132,142…第2のマーク 31…第2のマークに起因する2次電子信号 32…第1のマークに起因する2次電子信号 41,73,111,111’,133,143,14
4…電子線照射領域 51,52…1組のマーク 61…帯電痕 75…反射防止膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F067 AA15 BB01 BB04 BB21 CC15 FF11 HH06 JJ05 KK04 RR21 RR24 RR40 5F046 EA03 EA09 EA11 EA15 EA19 EA24 EB01 EC05 FA08 FC03 FC04 FC10

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にパターンの基準となる第1のマ
    ークを形成する工程と、 前記第1のマークを含めた前記基板上に、表面が平坦な
    平坦層を形成する工程と、 前記第1のマークに対してリソグラフィ技術を用いて位
    置合わせ露光を行い、該第1のマークとの相対位置の計
    測に用いる第2のマークを前記平坦層上に形成する工程
    と、 少なくとも前記第1のマークの一部を含む領域に対して
    第1の電子線を照射して該第1のマークとその周辺部に
    対して異なる帯電量を生ぜしめる工程と、 前記第1のマークの少なくとも一部と前記第2のマーク
    の少なくとも一部を含む領域に対して第2の電子線を走
    査して2次電子の信号を位置の関数として取得する工程
    と、 前記2次電子の信号から前記第1及び第2のマークの代
    表位置をそれぞれ求め、これら両代表位置の差を算出す
    る工程とを含むことを特徴とする合わせずれ検査方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の電子線は、全2次電子放出効
    率が1以下となる入射エネルギーにより照射することを
    特徴とする請求項1に記載の合わせずれ検査方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の電子線の走査が、前記第1の
    電子線を照射する工程を兼ねることを特徴とする請求項
    1に記載の合わせずれ検査方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の電子線の照射領域における走
    査方向の幅が、走査方向に対して垂直な方向の幅よりも
    長いことを特徴とする請求項1に記載の合わせずれ検査
    方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の電子線を照射する工程におけ
    る該第1の電子線は、前記第2のマークを横切るよう
    に、かつ反対方向に交互に走査することを特徴とする請
    求項1に記載の合わせずれ検査方法。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2のマークのそれぞれが
    少なくとも2方向の合わせずれを計測するものであっ
    て、合わせずれを計測する方向に対して垂直な方向に配
    置された線状のまたは帯状の平面形状を有し、かつ各方
    向の合わせずれを計測する前記第1及び第2のマークの
    中心位置が設計上異なる位置に配置されていることを特
    徴とする請求項3に記載の合わせずれ検査方法。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2のマークの代表位置の
    差を算出する工程の後に、該算出した差と所定のしきい
    値との大小を判定し、該算出した差が該所定のしきい値
    よりも大きい場合には前記第2のマークを除去して再度
    前記第2のマークを形成して前記第1のマークと該第2
    のマークの代表位置の差を算出し、所定のしきい値との
    大小を判定する工程を繰り返し行い、該算出した差が該
    所定のしきい値よりも小さい場合には前記第2のマーク
    を除去して前記平坦層上に所望のパターンを形成するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の合わせずれ検査方法を
    用いた半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板上の平坦な層の下に形成された第1
    のマークと、該平坦な層の上に露出して形成された第2
    のマークの各エッジを横切る領域に電子線を照射して2
    次電子信号波形を取得する工程と、 前記2次電子信号波形のうち、第1及び第2のマークの
    少なくとも一方の極大又は極小位置に対して非対称な関
    数で近似する工程と、 前記非対称な関数に基づいて第1及び第2のマークの代
    表位置を求め、該代表位置に基づいて該第1のマークと
    該第2のマークの位置ずれ量を算出する工程とを含むこ
    とを特徴とする合わせずれ検査方法。
  9. 【請求項9】 前記2次電子信号波形から得られる第1
    のマーク周辺における波形は、極大又は極小位置近傍に
    おける信号強度の変化が急峻な波形をピーク波形、該ピ
    ーク波形から極大又は極小位置より離れていく方向に得
    られる波形をベースライン波形とした場合に、前記ピー
    ク波形が極大又は極小位置に関して非対称であることを
    特徴とする請求項8に記載の合わせずれ検査方法。
  10. 【請求項10】 前記2次電子信号波形から得られる第
    1のマーク周辺における波形は、極大又は極小位置近傍
    における信号強度の変化が急峻な波形をピーク波形、該
    ピーク波形から極大又は極小位置より離れていく方向に
    得られる波形をベースライン波形とした場合に、前記ベ
    ースライン波形が極大又は極小位置に関して非対称であ
    ることを特徴とする請求項8に記載の合わせずれ検査方
    法。
  11. 【請求項11】 前記2次電子信号波形から得られる第
    2のマーク周辺における波形は、第2のマークのエッジ
    部分に対応して2つの極大及び極小を有し、各エッジ部
    分の該極大及び極小の間の少なくとも一部の信号波形を
    1次関数に近似して該第2のマークの代表位置を算出す
    ることを特徴とする請求項8に記載の合わせずれ検査方
    法。
  12. 【請求項12】 前記第1のマークの代表位置の算出の
    際に、前記ベースライン波形を直線に漸近する関数を用
    いて近似することを特徴とする請求項9又は10に記載
    の合わせずれ検査方法。
  13. 【請求項13】 該2次電子信号波形に対して微分処理
    を施すことにより微分波形を取得し、該微分波形のゼロ
    点、又は極大点及び極小点から得られる基準点を求め、
    これらゼロ点又は基準点を第1のマークの前記非対称な
    関数への近似の際の初期値として用いることを特徴とす
    る請求項8に記載の合わせずれ検査方法。
  14. 【請求項14】 コンピュータに、電子線を用いた合わ
    せずれ検査を行う機能を実現するための合わせずれ検査
    プログラムを記録した記録媒体において、 基板上の平坦な層の下に形成された第1のマークと、該
    平坦な層の上に露出して形成された第2のマークを横切
    るように電子線を照射して2次電子信号情報を取得して
    記憶部に格納する機能と、 格納された前記2次電子信号情報のうち、第1及び第2
    のマークの少なくとも一方の極大又は極小位置に対して
    非対称な関数で近似する機能と、 前記非対称な関数に基づいて前記第1及び第2のマーク
    の代表位置を求め、該代表位置に基づいて該第1のマー
    クと該第2のマークの位置ずれ量を算出する機能とを実
    現するための合わせずれ検査プログラムを記録した記録
    媒体。
  15. 【請求項15】 基板上の平坦な層の下に形成された第
    1のマークと、該平坦な層の上に露出して形成された第
    2のマークの各エッジを横切る領域に電子線を照射して
    2次電子信号波形を取得する工程と、 前記2次電子信号波形に基づいて、前記第1及び第2の
    マークより得られる信号の代表位置を求め、該代表位置
    に基づいて該第1及び第2のマークの中心位置を算出す
    る工程と、 前記第1及び第2のマークの中心位置の差を算出する工
    程と、 前記第1及び第2のマークの代表位置と設計値とを比較
    して倍率補正の係数を取得する工程と、 前記倍率補正の係数を前記第1及び第2のマークの中心
    位置の差に乗ずる工程とを含むことを特徴とする合わせ
    ずれ検査方法。
  16. 【請求項16】 前記電子線の照射及び2次電子信号波
    形の取得は、前記電子線を走査させて2以上の異なる部
    位において行い、前記倍率補正の係数は、該2以上の部
    位において行った2次電子信号波形に基づいて求めるこ
    とを特徴とする請求項15に記載の合わせずれ検査方
    法。
  17. 【請求項17】 前記第1及び第2のマークはそれぞれ
    平行であり、これら第1及び第2のマークに平行な基準
    線に対して線対称に配置されてなることを特徴とする請
    求項15に記載の合わせずれ検査方法。
  18. 【請求項18】 前記第1及び第2のマークはともに2
    以上の方向の位置ずれを計測可能なマークを有し、各方
    向を計測する第1及び第2のマークはそれぞれ長手方向
    が異なる方向に配置されてなり、かつ2次電子信号波形
    の取得のために照射される電子線の照射領域を、該2以
    上の方向に配置されたマークの各エッジを横切るように
    任意の角度の帯状領域に設定することを特徴とする請求
    項15に記載の合わせずれ検査方法。
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