JP2000241627A - 偏光板保護フィルム、その製造方法及びそれを用いた偏光板 - Google Patents

偏光板保護フィルム、その製造方法及びそれを用いた偏光板

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JP2000241627A
JP2000241627A JP11043168A JP4316899A JP2000241627A JP 2000241627 A JP2000241627 A JP 2000241627A JP 11043168 A JP11043168 A JP 11043168A JP 4316899 A JP4316899 A JP 4316899A JP 2000241627 A JP2000241627 A JP 2000241627A
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polarizing plate
protective film
film
polarizer
plate protective
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Yasumasa Okada
安正 岡田
Takahiko Sawada
貴彦 澤田
Hitoshi Kobayashi
仁 小林
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、偏光子と容易に接着することがで
きる偏光板保護フィルム、このフィルムの製造方法及び
この偏光板保護フィルムを用いた偏光板を提供する。 【解決手段】 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂よりな
り、少なくともその一表面のぬれ指数が40ダイン/c
m以上であることを特徴とする偏光板保護フィルム、熱
可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの少なくとも一
表面をコロナ放電処理することを特徴とする偏光板保護
フィルムの製造方法及び偏光子の少なくとも一面に、偏
光板保護フィルムが接着されていることを特徴とする偏
光板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光板保護フィル
ム、その製造方法及びそれを用いた偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ等に用いられる偏光板
は、一般に偏光子の両面に保護フィルムが積層されて形
成されている。偏光子としては沃素又は二色性染料が吸
着された延伸ポリビニルアルコールフィルムが使用さ
れ、保護フィルムとしてはトリアセチルセルロースフィ
ルムが使用されている。
【0003】しかしながら、トリアセチルセルロースフ
ィルムは耐熱性及び耐湿性が充分でなく、高温下若しく
は高湿下で使用すると、偏光子とトリアセチルセルロー
スフィルムが剥離したり、トリアセチルセルロースが加
水分解して透明性が低下し偏光板性能が低下したり、偏
光子の偏光度が低下するという欠点があった。従って、
液晶ディスプレイに用いた場合にも、短期間で画質が低
下するという欠点があった。
【0004】この対策として、保護フィルムとして熱可
塑性飽和ノルボルネン系樹脂を使用することが提案され
ている(例えば、特開平8ー5836号公報)。しか
し、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂は接着性が乏し
く、偏光子との接着が困難なため、特開平5ー2128
28号公報には、偏光子と熱可塑性飽和ノルボルネン系
樹脂シートをアクリル系粘着剤層を介して積層し、加熱
圧着して接着する方法が提案されている。
【0005】しかしながら、上記接着方法では、フィル
ム全体に均一に加熱加圧する必要があり、設備が高価に
なり、且つ生産効率が悪く、得られた偏光板は加熱圧着
されるので偏光子が退色し偏光機能が低下し、更に、加
熱加圧の際の加熱温度や圧力がばらつくと接着むらとな
って偏光性能が低下するという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点に鑑み、偏光子と容易に接着することができる偏光
板保護フィルム、このフィルムの製造方法及びこの偏光
板保護フィルムを用いた偏光板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の偏光板保
護フィルムは、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂よりな
り、少なくともその一表面のぬれ指数が40ダイン/c
m以上であることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の偏光板保護フィルムの製造
方法は、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの少
なくとも一表面をコロナ放電処理することを特徴とす
る。
【0009】請求項3記載の偏光板は、偏光子の少なく
とも一面に、請求項1記載の偏光板保護フィルムが接着
されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】上記熱可塑性飽和ノルボルネン系
樹脂としては、従来公知の熱可塑性飽和ノルボルネン系
樹脂が好適に使用され、例えば、ノルボルネン系モノマ
ーの開環重合体の水素添加物、ノルボルネン系モノマー
の付加型重合体、ノルボルネン系モノマーとオレフィン
系モノマーの付加型重合体、これら重合体の変性物等が
挙げられる。
【0011】上記ノルボルネン系モノマーとしては、例
えば、5ーメチルー2ーノルボルネン、5ーエチルー2
ーノルボルネン、5ーブチルー2ーノルボルネン、5ー
エチリデンー2ーノルボルネン、5ーメトキシカルボニ
ルー2ーノルボルネン、5,5ージメチルー2ーノルボ
ルネン、5ーシアノー2ーノルボルネン、5ーメチルー
5ーメトキシカルボニルー2ーノルボルネン、5ーフェ
ニルー2ーノルボルネン、5ーフェニルー5ーメチルー
2ーノルボルネン、6ーメチルー1,4:5,8ージメ
タノー1,4,4a,5,6,7,8,8aーオクタヒ
ドロナフタレン、6ーエチルー1,4:5,8ージメタ
ノー1,4,4a,5,6,7,8,8aーオクタヒド
ロナフタレン、6ーエチルー1,4:5,8ーエチリデ
ンー1,4,4a,5,6,7,8,8aーオクタヒド
ロナフタレン、6ークロロー1,4:5,8ージメタノ
ー1,4,4a,5,6,7,8,8aーオクタヒドロ
ナフタレン、6ーシアノー1,4:5,8ージメタノー
1,4,4a,5,6,7,8,8aーオクタヒドロナ
フタレン、6ーピリジルー1,4:5,8ージメタノー
1,4,4a,5,6,7,8,8aーオクタヒドロナ
フタレン、6ーメトキシカルボニルー1,4:5,8ー
ジメタノー1,4,4a,5,6,7,8,8aーオク
タヒドロナフタレン、1,4ージメタノー1,4,4
a,4b,5,8,8a,9aーオクタヒドロフルオレ
ン、5,8ーメタノー1,2,3,4,4a,5,8,
8aーオクタヒドロー2.3ーシクロペンタジエノナフ
タレン、4,9:5,8ージメタノー3a,4,4a,
5,8,8a,9,9aーオクタヒドロー1Hーベンゾ
インデン、4,11:5,10:6,9ートリメタノー
3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10
a,11,11aードデカヒドロー1Hーシクロペンタ
アントラセン等が挙げられる。
【0012】上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の数
平均分子量は、小さくなると耐湿性が低下し、大きくな
るとフィルム成形性が低下するので、トルエン溶媒によ
るゲル・パーミュエーション・クロマトグラフで測定し
て、2万5千〜10万が好ましく、より好ましくは3万
〜8万である。
【0013】上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂とし
ては、日本ゼオン社より商品名「ZEONOR」、「Z
EONEX」、ジェイエスアール社より商品名「ART
ON」として上市されている。
【0014】請求項1記載の偏光板保護フィルムは、上
記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂よりなるが、その製
造方法は公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、
溶液流延法、溶融成形法等が挙げられ、溶液流延法が好
ましい。
【0015】溶液流延法で製膜するには、まず、例え
ば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベン
ゼン、トリエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプ
ロピルベンゼン等の高沸点溶媒又はこれら高沸点溶媒と
シクロヘキサン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ヘキ
サン、オクタン等の低沸点溶媒の混合溶媒に、上記熱可
塑性飽和ノルボルネン系樹脂を好ましくは5〜60重量
%溶解して樹脂溶液を得る。
【0016】次に、得られた樹脂溶液をバーコーター、
ドクターナイフ、メイアバー、ロール、Tダイ等を用い
て、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性フィル
ム、スチールベルト、金属箔等上に流延し、加熱乾燥す
る。
【0017】上記偏光板保護フィルムには、フィルムの
耐熱性、耐紫外線性、平滑性等を向上させるために、フ
ェノール系、リン系などの老化防止剤、フェノール系な
どの熱劣化防止剤、アミン系などの帯電防止剤、脂肪族
アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステル
などの滑剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系
などの紫外線吸収剤等が添加されても良い。
【0018】上記偏光板保護フィルムの厚さは、薄くな
ると強度が低下し、厚くなると透明性が低下したり、複
屈折率が向上するので、5〜500μmが好ましく、よ
り好ましくは10〜150μmであり、更に好ましくは
15〜100μmである。
【0019】上記偏光板保護フィルムのぬれ指数は、小
さくなると接着剤で偏光子と接着しにくくなるので、4
0ダイン/cm以上必要であり、好ましくは50ダイン
/cm以上である。尚、ぬれ指数とは、Zismanに
よる臨界表面張力を意味し、JIS K6768に基づ
き標準ぬれ試薬で測定される。
【0020】偏光板保護フィルムのぬれ指数を40ダイ
ン/cm以上にする方法としては、従来公知の任意の方
法が採用されてよく、例えば、接着剤分子と反応しうる
官能基を有するモノマー若しくはポリマーをフィルム表
面にグラフトする方法、接着剤との相溶性よいモノマー
若しくはポリマーをフィルム表面にコーティングする方
法、カップリング剤処理法、酸化力の強い薬品処理法、
表面層を除去する薬品処理法、表面粗化手段としての薬
品処理法、表面層を強化するCASING処理法などの
化学的処理方法、グロー放電処理、コロナ放電処理、プ
ラズマジェト処理、エスパッタ処理などの物理的処理方
法等が挙げられる。
【0021】なかでもコロナ放電処理は、連続処理性、
生産性、操作性、クリーン性等が優れ、設備が安価でフ
ィルムを均一に処理できるので好ましい。コロナ処理条
件は、弱くなるとぬれ指数が向上せず、強くなると表面
が荒れたりフィルムが破れたりするので、10〜300
W/m2/minが好ましい。
【0022】請求項3記載の偏光板は、偏光子の少なく
とも一面に、請求項1記載の偏光板保護フィルムが、そ
のぬれ指数が40ダイン/cm以上である表面が偏光子
に接するように接着されているが、偏光板の耐熱性、耐
湿性等を向上させるためには、偏光子の両面に偏光板保
護フィルムが接着されているのが好ましい。
【0023】偏光子と偏光板保護フィルムとの接着は、
偏光板保護フィルムの表面のぬれ指数が40ダイン/c
m以上になれているので、従来公知の(粘)接着剤で容
易に接着される。好ましい(粘)接着剤としては、例え
ば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアクリル系
等の接着剤やアクリル系、シリコン系、ゴム系等の粘着
剤が挙げられる。尚、偏光子の偏光機能が低下しない条
件で加熱圧着してもよいことはいうまでもなく、その場
合は、ゆるやかな加熱圧着条件で接着することができ
る。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0025】実施例1 熱可塑性飽和ノルボルネン樹脂(日本ゼオン社製、ZE
ONOR1600R)を一軸押出機に供給し、275〜
290℃で押し出して厚さ60μmの熱可塑性飽和ノル
ボルネン樹脂フィルムを得た。次いで、40W/m2
minの条件でコロナ放電処理を行い偏光板保護フィル
ムを得た。
【0026】ポリエステルポリオール溶液(東洋モート
ン社製、TMー593)100重量部とイソシアネート
系硬化剤溶液(東洋モートン社製、CATー56)18
重量部を混合し、偏光板保護フィルムのコロナ放電処理
面に塗布、乾燥し、厚さ3μmの接着剤層が積層された
偏光板保護フィルムを得た。
【0027】厚さ75μmの、鹸化度99%ポリビニル
アルコールフィルムを縦一軸に5倍延伸を行い、緊張状
態を保持したまま沃素0.5重量%と沃化カリウム5.
0重量%を含有する水溶液に浸漬し、二色性色素を吸着
させた。次いで、ほう酸10重量%と沃化カリウム1
0.0重量%を含有する50℃の水溶液で5分間架橋処
理を行い偏光子を得た。
【0028】偏光子の両面に偏光板保護フィルムを接着
剤層が接するように積層し、常温で5Kgのロールを一
往復することにより接着して偏光板を得た。
【0029】比較例1 実施例1で得られた熱可塑性飽和ノルボルネン樹脂フィ
ルムの一面に、実施例1で行ったと同様にして接着剤層
を積層し、実施例1で行ったと同様にして偏光板を得
た。
【0030】比較例2 偏光板保護フィルムと偏光子を90℃で2分間加熱した
後、積層し、5Kgのロールで一往復して圧着した以外
は実施例1で行ったと同様にして偏光板を得た。
【0031】得られた偏光板保護フィルム及び偏光板の
物性を以下のようにして測定し、結果を表1に示した。 (1)ぬれ指数 JIS K 6768に準拠し、標準
ぬれ試薬を用いて測定した。
【0032】(2)偏光度 JIS K 7105に準
拠し、全光線透過率を測定し、下記式により偏光度を求
めた。 偏光度(%)={(Y0−Y90)/(Y0+Y90)}×1
00 式中、Y0は2枚の偏光板の平行軸を平行に揃えた際の
全光線透過率であり、Y9 0は2枚の偏光板の平行軸を直
交させた際の全光線透過率である。
【0033】(3)接着性 目視により、偏光子と保護
フィルムの剥がれ状態を観察し以下の通り評価した。 ○ 剥がれなし △ 手で曲げたり、剥がそうとすると剥ぐことができる × なにもしなくても剥がれている
【0034】尚、高温試験は偏光板を80℃の乾燥機に
700時間保持した。又、高温高湿試験は偏光板を60
℃、90%RHの乾燥機に700時間保持した。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の偏光板保護フィルムは、
熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂よりなり、少なくとも
その一表面のぬれ指数が40ダイン/cm以上であるか
ら、耐熱性及び耐湿性が優れていると共に偏光子との接
着性が優れている。
【0037】請求項2記載の偏光板保護フィルムの製造
方法は、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの少
なくとも一表面をコロナ放電処理するのであるから、安
価にフィルム表面を容易かつ均一に親水性処理すること
ができる。
【0038】請求項3記載の偏光板は偏光子の少なくと
も一面に請求項1記載の偏光板保護フィルムが接着され
ているものなので、加熱することなく任意の(粘)接着
剤で容易かつ連続的に生産性よく接着することができ
る。従って、偏光板の偏光子が褪色して偏光機能が低下
したり、接着の際に偏光機能が低下することがなく、液
晶ディスプレイ等において好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/00 303 C08J 7/00 303 4J100 G02B 1/10 G02B 1/10 Z Fターム(参考) 2H049 BA02 BB13 BB22 BB52 BC01 BC09 2K009 AA00 BB22 CC21 DD02 DD17 4F071 AA39 AA69 AA80 AF53 AG17 AH12 BB02 BC01 4F073 AA01 BA34 CA21 EA01 EA62 EA65 GA11 HA12 4J032 CA34 CA35 CA36 CA38 CA43 CA45 CA46 CB01 CB12 CF01 CF05 CG02 CG08 4J100 AR09P AR11P AS15P BA20P BA40P BB01P BC43P CA01 DA36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂よりな
    り、少なくともその一表面のぬれ指数が40ダイン/c
    m以上であることを特徴とする偏光板保護フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィル
    ムの少なくとも一表面をコロナ放電処理することを特徴
    とする請求項1記載の偏光板保護フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 偏光子の少なくとも一面に、請求項1記
    載の偏光板保護フィルムが接着されていることを特徴と
    する偏光板。
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