JP2000241261A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ケーブル状圧力センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内側電極である芯電極と、前記芯電極の周囲に配置された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の表面に配置された可撓性外側電極とから成り、前記可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されたケーブル状圧力センサ。
【請求項2】 可撓性支持体が高分子フィルムである請求項1記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項3】 可撓性支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項2記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項4】 金属層がアルミニウムで構成された請求項1記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項5】 金属層同志が部分的に積層して可撓性感圧体の表面に巻きつけられた請求項1記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項6】 金属層同志は距離を置いて可撓性感圧体の表面に巻き付けられた請求項1記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項7】 可撓性外側電極の周囲を導電性編組で被覆した請求項1から6のいずれか1項記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項8】 可撓性外側電極の金属層にリード線を接続する請求項1から6のいずれか1項記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項9】 可撓性外側電極の金属層に導電性接着剤でリード線を接続する請求項8記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項10】 可撓性外側電極の金属層に圧着手段でリード線を接続する請求項8記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項11】 導電性編組にリード線を接続する請求項7記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項12】 可撓性外側電極の外側金属層表面周囲に導電性金属線を巻き付けた請求項1記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項13】 芯電極両端の端部のどちらか一方にリード線を接続する請求項1から11のいずれか1項記載のケーブル状圧力センサ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はケーブル圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のケーブル状圧力センサは以下のようなものであった。
【0003】
特開昭62−230071号公報では、図6に示すように、線状導電材1と導電ゴム2とから構成された芯電極3の周囲に可撓性感圧体4を配置し、その周囲に可撓性外電極5を配置し、さらにその周囲に熱収縮チューブから成る外皮6を被覆して成るケーブル状圧力センサが開示されている。可撓性感圧体4として、合成ゴムや合成樹脂の中にチタン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられる。また、可撓性外電極5として、アルミニウム箔や塗装法による銀系導電性塗膜が用いられる。
【0004】
上記ケーブル状圧力センサの一部あるいは全面に圧力が印加されたとき、その部分の圧力センサが歪む結果、芯電極3と外電極5間に電圧が誘起される。上記圧力センサは、この誘起電圧を利用して圧力を検出している。
【0005】
類似のケーブル状圧力センサが特開平3−259577号公報にも開示されている。この公報では、可撓性感圧体4として、ポリエチレン、ポリプロピレンや塩化ビニルなどの樹脂の中にチタン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が開示されている。可撓性外電極5として、無電解メッキ法によるニッケル膜や銅膜、および蒸着法によるアルミニウム膜や銀膜が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のケーブル状圧力センサでは、可撓性外側電極5として、アルミニウム箔を用いた場合、アルミニウム箔は引っ張り強度が弱いので、可撓性感圧体4にアルミニウム箔を巻き付けるとき充分な張力で巻き付けることができないという課題を有していた。充分な張力で巻き付けると、アルミニウム箔は切断され易く、また、低い張力でまきつけると、アルミニウム箔は可撓性感圧体4に密着しない。
【0007】
また、可撓性外側電極5として、塗装法、メッキ法、蒸着法による金属膜を用いた場合、可撓性感圧体4に密着し易いという利点はあるが、製造工程が複雑になる、10m以上の長いケーブル状圧力センサの製造に不適であるという課題を有していた。
【0008】
また、可撓性感圧体4として、合成ゴムや合成樹脂の中にチタン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられるので、ケーブル状圧力センサの一部または全面に大きな荷重が印加された場合、可撓性感圧体4が押しつぶされて、芯電極3と可撓性外側電極5が接触し、その結果両者が短絡し易いという課題も有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、内側電極である芯電極と、前記芯電極の周囲に配置された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の表面に配置された可撓性外側電極とから成り、前記可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されたケーブル状圧力センサである。
【0010】
上記発明によれば、可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されているので、可撓性感圧体の表面に充分な張力で可撓性外側電極を巻き付けることができる。従って、塗装法などのように複雑な製造工程を必要としない。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかるケーブル状圧力センサは、内側電極である芯電極と、前記芯電極の周囲に配置された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の表面に配置された可撓性外側電極とから成り、前記可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されたケーブル状圧力センサである。可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されている。可撓性支持体は充分な張力に耐えるので、可撓性感圧体の表面に充分な張力で可撓性外側電極を巻き付けることができる。従って、塗装法などのように複雑な製造工程を必要としない。
【0012】
本発明の請求項2にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性支持体が高分子フィルムで構成される。高分子フィルムとして、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリスチレンなど多くの種類のフィルムが様々な用途に供せられている。これら高分子フィルムの機械的インピーダンスは、可撓性感圧体のそれに比べ小さいので、ケーブル状圧力センサ全体の機械的インピーダンスを低く保持できる。従って、同圧力センサに圧力が印加されたとき、容易に変形する。また、市販されているので容易に入手できると共に低価格である。
【0013】
本発明の請求項3にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムで形成されている。種々の高分子フィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムは150℃の高耐熱性を有しているので、耐熱性に優れたケーブル状圧力センサが実現できる。
【0014】
本発明の請求項4にかかるケーブル状圧力センサは、金属層がアルミニウムで構成されている。高分子フィルムで構成された可撓性支持体表面にアルミニウム層が形成されているので、その機械的インピーダンスは、可撓性感圧体のそれに比べ小さい。従って、ケーブル状圧力センサ全体の機械的インピーダンスを低く保持できるので、同圧力センサに圧力が印加されたとき、容易に変形する。また、高分子フィルム上に金属層を形成した可撓性外側電極も市販されているので容易に入手できると共に低価格である。
【0015】
本発明の請求項5にかかるケーブル状圧力センサは、金属層同志が部分的に積層して可撓性感圧体の表面に巻きつけられた構成である。可撓性感圧体上に巻きつけられた可撓性外側電極同志が、部分的に積層されて巻き付けられているので、可撓性感圧体全体は金属層で覆われる。従って、金属層をアース電位にして、芯電極と可撓性外側電極間から誘起電圧を検出することにより外部空間からのノイズを遮断できる。
【0016】
本発明の請求項6にかかるケーブル状圧力センサは、金属層同志は距離を置いて可撓性感圧体の表面に巻き付けられた構成である。可撓性感圧体上に巻きつけられた可撓性外側電極同志が積層しないので、ケーブル状圧力センサ全体の機械的インピーダンスを低く保持できる。従って、同圧力センサに圧力が印加されたとき、容易に変形する。
【0017】
本発明の請求項7にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性外側電極が積層されてあるいは積層せず距離を置いて巻き付けられると共に、更に、導電性編組で被覆された構成である。
【0018】
ケーブル状圧力センサ全体の機械的インピーダンスを低く保持できると共に、更に、金属層をアース電位にして、芯電極と可撓性外側電極間から誘起電圧を検出することにより外部空間からのノイズを遮断できる。
【0019】
本発明の請求項8にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性外側電極の金属層にリード線を接続する構成である。ケーブル状圧力センサ端部の可撓性外側電極を露出させリード線と電極表面の金属層とを接続してそのリード線を回路に接続することにより、ケーブル状圧力センサに負荷された荷重に対して発生する誘起電圧を安定的に取り出すことができる。また、ケーブル状圧力センサと制御回路内の端子治具の接続作業が容易になる。
【0020】
本発明の請求項9にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性外側電極の金属層に導電性接着剤でリード線を接続する手段である。可撓性外側電極にリード線を接続するときにケーブル状圧力センサの前記電極の端部を露出させ、リード線と電極表面の金属層と導電性接着剤で接続する。このことにより、ケーブル状圧力センサと制御回路内の端子治具の接続にハンダなどが使用でき作業が容易にできる。
【0021】
本発明の請求項10にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性外側電極の金属層とリード線を圧着手段で接続する手段である。前記電極と金属層を圧着治具で介してまたはボンディングなどの溶着で接続する。このことにより、ケーブル状圧力センサと制御回路内の端子治具の接続にハンダなどが使用でき作業が容易にできる。
【0022】
本発明の請求項11にかかるケーブル状圧力センサは、導電性編組にリード線を接続する構成である。導電性編組にリード線を接続して、そのリード線を制御回路内の端子治具に接続することができ、編組を端子治具に接続する場合よりも容易に接続できる。
【0023】
本発明の請求項12にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性外側電極の外側金属層表面周囲に導電性金属線を巻き付けた構成である。可撓性外側電極の表面に導電性金属線を巻き付けるので、可撓性感圧体と前記電極の金属層がより密着するためにケーブル状圧力センサからの信号電圧をより取り込むことができる。また、前記導電性金属と前記可撓性外側電極の端部とともに制御回路内の端子治具に接続することができる。
【0024】
本発明の請求項13にかかるケーブル状圧力センサは、芯電極の端部のどちらか一方にリード線を接続する構成である。芯電極にリード線を接続する場合、芯電極を露出する必要がある。ケーブル状圧力センサの両端では、この露出作業が容易であり、制御回路の端子治具に固定するときケーブル状圧力センサの両端部は制御回路に近い位置で接続できるので、リード線を短くでき、端子治具への接続固定が容易である。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0026】
(実施例1)
図1は本発明である実施例1のケーブル状圧力センサの見取図である。
【0027】
芯電極3の周囲に可撓性感圧体4を形成した後、可撓性支持体9と前記可撓性支持体9を挟持して内側金属層7と外側金属層8を形成する。このように、可撓性支持体9と内側金属層7および外側金属層8から成る可撓性外側電極10が可撓性感圧体4の周囲に巻き付けられる。このとき、可撓性外側電極10の内側金属層7が可撓性感圧体4の表面と接触するように巻き付けられる。
【0028】
芯電極3として、従来例で示した構成の芯電極や複数の金属細線だけから成る芯電極または、長尺ポリエステル繊維束を平板銅線で巻いて構成する芯電極などが用いられる。可撓性感圧体4として、ゴムや樹脂の中にチタン酸鉛、チタン酸鉛ジルコン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられる。
【0029】
可撓性外側電極10は、可撓性感圧体4に接する内側金属層7と可撓性支持体9と前記可撓性支持体9の外側に形成される外側電極層8で構成される。可撓性支持体9として、高分子フィルムが優れている。高分子フィルムは、芯電極3の周囲に可撓性感圧体4を形成した構成物の機械的インピーダンスに比べ小さな機械的インピーダンスを有するので、可撓性感圧体4に巻き付けられても全体の機械的インピーダンスを増加させない。従って、外部からの圧力に応じて、容易に変形するからである。高分子フィルムの厚さは、できるだけ薄い方がその機械的インピーダンスも小さくなるので好ましいが、工業的に多く利用されている、数十μm以下の厚さが入手の容易性や価格の点でも好ましい。また、高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニール、ナイロン、ポリエチレン、トリアセテートなど種々の材料で構成されるが、これらの中でもポリエチレンテレフタレートは高耐熱性(最高使用温度150℃)を有する点で優れている。
【0030】
また、内側金属層7および外側金属層8として、アルミニウム層、銅層、ニッケル層などがあるが、これらの中でもアルミニウム層が優れている。アルミニウム層は、銅層に比べ熱的に酸化され難く、また、ニッケル層に比べ柔らかいので機械的インピーダンスが小さいからである。高分子フィルムである可撓性支持体9の両面にアルミニウムなどの内側金属層7と外側金属層8を形成するには、両者を接着剤で接合して形成してもよいし、また、スパッタ法や蒸着法で形成してもよい。金属層の厚さも、高分子フィルムと同様、できるだけ薄い方が好ましいが、入手の容易性や価格の点を考慮すると10μm以下が好ましい。可撓性支持体9の両面に内側金属層7と外側金属層8を形成して構成した可撓性外側電極10は市販されており、本発明のケーブル状圧力センサでは、この可撓性外側電極10を可撓性感圧体4に巻き付けているので、従来の外電極5に比べ、塗装法、メッキ法や蒸着法などの複雑な製造工程を特に必要としない。
【0031】
また、可撓性を有するケーブル状圧力センサでは、ケーブル全体としての可撓性確保のために、可撓性を有する芯電極3、可撓性感圧体4や可撓性外側電極10で構成される。前述したように、可撓性感圧体4として、ゴムや樹脂の中にチタン酸鉛、チタン酸鉛ジルコン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられる。ゴムや樹脂は機械的インピーダンスが小さく、外部から圧力が印加されたとき、容易に変形する。
【0032】
この変形を通じてゴムや樹脂の中に添加された圧電体粉末に応力が印可される結果、芯電極3と可撓性外側電極10間に電圧が誘起されるので、圧力が検出できる。このようにゴムや樹脂は可撓性を実現する上で不可欠である。
【0033】
図1に示したように、可撓性支持体9と内側金属層7およびと外側金属層8で構成される可撓性外側電極10のうち内側金属層7のアルミニウム層を可撓性感圧体4の表面に接して巻き付けたセンサ(センサA)とアルミニウム層である金属層のみを可撓性感圧体4の表面に接して巻き付けたセンサ(センサB)をそれぞれ作成し、室温で両者に荷重を徐々に増加して印加し、センサAでは芯電極3と可撓性外側電極10間、センサBでは芯電極3とアルミニウム層間で、それぞれの電極間が短絡するときの荷重を測定した。
【0034】
アルミニウム層は10μm、可撓性支持体9である高分子フイルムはポリエチレンテレフタレート10μmを用いた。また、このときのケーブル状圧力センサにポリエチレン系樹脂である塩素化ポリエチレンにチタン酸ジルコン酸鉛系粉末を添加した可撓性感圧体4を用いた。
【0035】
そして、両者とも外径は約2φmmとした。その結果、センサAの短絡荷重は約150kgf、センサBは、荷重を付加していくと約10kgfで、金属層のみを用いたアルミニウム層が断線してしまった。
【0036】
このことはセンサAに用いられる内側金属層7と可撓性支持体9および外側金属層8がそれぞれ接着層で挟持されて構成される可撓性外側電極10が、センサBの場合の金属層のみの可撓性電極の場合よりも強度が増したためで、大きな付加荷重を印加しても可撓性外側電極10が破損してしまうことはない。このように、本発明のケーブル状圧力センサによれば、従来に大きな付加荷重をかけられるケーブル状圧力センサを得ることができる。
【0037】
図2は、本発明における実施例1のケーブル状圧力センサ長尺方向の切断面を示す断面図である。可撓性外側電極10が可撓性感圧体4の表面に巻き付けられるとき、可撓性外側電極10は部分的に積層された部分11を有した構成である。
【0038】
この構成では、芯電極3と可撓性外側電極10間で誘起電圧を検出するとき、内側金属層7をアース電位にすることにより外部ノイズを遮断できる利点がある。なお、この構成では、積層された部分11の長さはできるだけ短いほうが好ましい。ケーブル状圧力センサが外部圧力により変形するとき、積層された部分11もまた変形するので、このとき積層された部分11での変形抵抗が小さくなり、変形し易いからである。
【0039】
(実施例2)
図3は、本発明の実施例2の圧力センサ構成を示す断面図である。可撓性外側電極10が可撓性感圧体4の表面に巻き付けられるとき、可撓性外側電極10は自身で積層せず、距離を置いて巻き付けられた構成である。図2に示した積層された部分11が存在せず、また、可撓性外側電極10は距離を置いて巻き付けられるので、これらの分の変形抵抗が小さくなる利点がある。しかし、本構成では、芯電極3と内側金属層7間で誘起電圧を検出するとき外部ノイズを拾い易い。内側金属層7が芯電極3の周囲を完全に覆っていないからである。このような場合、図4に示すように、可撓性外側電極10の周囲を導電性編組12で被覆することが望ましい。芯電極3と内側金属層7間から誘起電圧を検出するとき、内側金属層7と導電性編組12を短絡して、アース電位に保持することにより外部ノイズを遮断することができる。
【0040】
以上のように構成されたケーブル状圧力センサの可撓性外側電極の金属層にAg粒子を主成分とした熱硬化性樹脂を混合した導電性接着剤で銅より線からなるリード線を接続する。また、可撓性外側電極の金属層に圧着端子を用いて、同様のリード線を接続する。このようにして、可撓性外側電極の金属層とリード線を接続する事ができるので、このケーブル状圧力センサ端部から制御回路までのリード接続が可能となる。
【0041】
また、図4に示すような導電性編組12を被覆したケーブル状圧力センサでは、この導電性編組12に上記で述べた方法等により、リード線を接続して、ケーブル状圧力センサ端部から制御回路までのリード接続が可能となる。
【0042】
(実施例3)
本発明における実施例3のケーブル状圧力センサを図5に示す。
【0043】
可撓性感圧体4の表面に可撓性外側電極10が巻き付けられたあと、可撓性外側電極10の外側金属層8表面上に導電性金属線13である銅線を巻き付ける。この構成により、可撓性外側電極10の内側金属層7が可撓性感圧体4とより「密着するので、信号電圧をより高感度で取り出す事ができる。また、可撓性外側電極10の外側電極層8と導電性金属線13が接触して導通しているので、制御回路での端子処理の際に基板端子にこの導電性金属線をハンダにより接続することができ、端子処理が容易になる。
【0044】
また、芯電極の端部に実施例2のなかで述べたようなリード線を接続するすることにより、制御回路での端子処理の際に基板端子にこの導電性金属線をハンダにより接続することができ、端子処理が容易になる。
【0045】
なお、上記実施例では、図6に示した従来例の外皮6について特に触れてないが、保護などの必要に応じて用いてもよいことは明らかである。また、外被として、熱収縮チューブ以外にも塩化ビニールやウレタン樹脂などを用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のケーブル状圧力センサによれば、内側電極である芯電極と、前記芯電極の周囲に配置された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の表面に配置された可撓性外側電極とから成り、前記可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されているので、塗装法などのように複雑な製造工程を必要としない。また、このケーブル状圧力センサは可撓性外側電極が可撓性支持体の両面に金属層が積層しているので、金属層のみで構成されている可撓性外電極よりも付加加重に対して大きな強度を持ち、可撓性外側電極の断線を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例1におけるケーブル状圧力センサの見取図
【図2】
同センサの長尺方向の断面図
【図3】
本発明の実施例2におけるケーブル状圧力センサの断面図
【図4】
本発明の他の実施例におけるケーブル状圧力センサの断面図
【図5】
本発明の実施例3におけるケーブル状圧力センサの見取り図
【図6】
従来のケーブル状圧力センサの見取図
【符号の説明】
1 線状導電材
2 導電ゴム
3 芯電極
4 可撓性感圧体
5 可撓性外電極
6 外被
7 内側金属層
8 外側金属層
9 可撓性支持体
10 可撓性外側電極
11 可撓性外側電極の積層部分
12 導電性編組
13 導電性金属線
【発明の名称】 ケーブル状圧力センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内側電極である芯電極と、前記芯電極の周囲に配置された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の表面に配置された可撓性外側電極とから成り、前記可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されたケーブル状圧力センサ。
【請求項2】 可撓性支持体が高分子フィルムである請求項1記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項3】 可撓性支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項2記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項4】 金属層がアルミニウムで構成された請求項1記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項5】 金属層同志が部分的に積層して可撓性感圧体の表面に巻きつけられた請求項1記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項6】 金属層同志は距離を置いて可撓性感圧体の表面に巻き付けられた請求項1記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項7】 可撓性外側電極の周囲を導電性編組で被覆した請求項1から6のいずれか1項記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項8】 可撓性外側電極の金属層にリード線を接続する請求項1から6のいずれか1項記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項9】 可撓性外側電極の金属層に導電性接着剤でリード線を接続する請求項8記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項10】 可撓性外側電極の金属層に圧着手段でリード線を接続する請求項8記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項11】 導電性編組にリード線を接続する請求項7記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項12】 可撓性外側電極の外側金属層表面周囲に導電性金属線を巻き付けた請求項1記載のケーブル状圧力センサ。
【請求項13】 芯電極両端の端部のどちらか一方にリード線を接続する請求項1から11のいずれか1項記載のケーブル状圧力センサ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はケーブル圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のケーブル状圧力センサは以下のようなものであった。
【0003】
特開昭62−230071号公報では、図6に示すように、線状導電材1と導電ゴム2とから構成された芯電極3の周囲に可撓性感圧体4を配置し、その周囲に可撓性外電極5を配置し、さらにその周囲に熱収縮チューブから成る外皮6を被覆して成るケーブル状圧力センサが開示されている。可撓性感圧体4として、合成ゴムや合成樹脂の中にチタン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられる。また、可撓性外電極5として、アルミニウム箔や塗装法による銀系導電性塗膜が用いられる。
【0004】
上記ケーブル状圧力センサの一部あるいは全面に圧力が印加されたとき、その部分の圧力センサが歪む結果、芯電極3と外電極5間に電圧が誘起される。上記圧力センサは、この誘起電圧を利用して圧力を検出している。
【0005】
類似のケーブル状圧力センサが特開平3−259577号公報にも開示されている。この公報では、可撓性感圧体4として、ポリエチレン、ポリプロピレンや塩化ビニルなどの樹脂の中にチタン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が開示されている。可撓性外電極5として、無電解メッキ法によるニッケル膜や銅膜、および蒸着法によるアルミニウム膜や銀膜が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のケーブル状圧力センサでは、可撓性外側電極5として、アルミニウム箔を用いた場合、アルミニウム箔は引っ張り強度が弱いので、可撓性感圧体4にアルミニウム箔を巻き付けるとき充分な張力で巻き付けることができないという課題を有していた。充分な張力で巻き付けると、アルミニウム箔は切断され易く、また、低い張力でまきつけると、アルミニウム箔は可撓性感圧体4に密着しない。
【0007】
また、可撓性外側電極5として、塗装法、メッキ法、蒸着法による金属膜を用いた場合、可撓性感圧体4に密着し易いという利点はあるが、製造工程が複雑になる、10m以上の長いケーブル状圧力センサの製造に不適であるという課題を有していた。
【0008】
また、可撓性感圧体4として、合成ゴムや合成樹脂の中にチタン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられるので、ケーブル状圧力センサの一部または全面に大きな荷重が印加された場合、可撓性感圧体4が押しつぶされて、芯電極3と可撓性外側電極5が接触し、その結果両者が短絡し易いという課題も有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、内側電極である芯電極と、前記芯電極の周囲に配置された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の表面に配置された可撓性外側電極とから成り、前記可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されたケーブル状圧力センサである。
【0010】
上記発明によれば、可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されているので、可撓性感圧体の表面に充分な張力で可撓性外側電極を巻き付けることができる。従って、塗装法などのように複雑な製造工程を必要としない。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかるケーブル状圧力センサは、内側電極である芯電極と、前記芯電極の周囲に配置された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の表面に配置された可撓性外側電極とから成り、前記可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されたケーブル状圧力センサである。可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されている。可撓性支持体は充分な張力に耐えるので、可撓性感圧体の表面に充分な張力で可撓性外側電極を巻き付けることができる。従って、塗装法などのように複雑な製造工程を必要としない。
【0012】
本発明の請求項2にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性支持体が高分子フィルムで構成される。高分子フィルムとして、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリスチレンなど多くの種類のフィルムが様々な用途に供せられている。これら高分子フィルムの機械的インピーダンスは、可撓性感圧体のそれに比べ小さいので、ケーブル状圧力センサ全体の機械的インピーダンスを低く保持できる。従って、同圧力センサに圧力が印加されたとき、容易に変形する。また、市販されているので容易に入手できると共に低価格である。
【0013】
本発明の請求項3にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムで形成されている。種々の高分子フィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムは150℃の高耐熱性を有しているので、耐熱性に優れたケーブル状圧力センサが実現できる。
【0014】
本発明の請求項4にかかるケーブル状圧力センサは、金属層がアルミニウムで構成されている。高分子フィルムで構成された可撓性支持体表面にアルミニウム層が形成されているので、その機械的インピーダンスは、可撓性感圧体のそれに比べ小さい。従って、ケーブル状圧力センサ全体の機械的インピーダンスを低く保持できるので、同圧力センサに圧力が印加されたとき、容易に変形する。また、高分子フィルム上に金属層を形成した可撓性外側電極も市販されているので容易に入手できると共に低価格である。
【0015】
本発明の請求項5にかかるケーブル状圧力センサは、金属層同志が部分的に積層して可撓性感圧体の表面に巻きつけられた構成である。可撓性感圧体上に巻きつけられた可撓性外側電極同志が、部分的に積層されて巻き付けられているので、可撓性感圧体全体は金属層で覆われる。従って、金属層をアース電位にして、芯電極と可撓性外側電極間から誘起電圧を検出することにより外部空間からのノイズを遮断できる。
【0016】
本発明の請求項6にかかるケーブル状圧力センサは、金属層同志は距離を置いて可撓性感圧体の表面に巻き付けられた構成である。可撓性感圧体上に巻きつけられた可撓性外側電極同志が積層しないので、ケーブル状圧力センサ全体の機械的インピーダンスを低く保持できる。従って、同圧力センサに圧力が印加されたとき、容易に変形する。
【0017】
本発明の請求項7にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性外側電極が積層されてあるいは積層せず距離を置いて巻き付けられると共に、更に、導電性編組で被覆された構成である。
【0018】
ケーブル状圧力センサ全体の機械的インピーダンスを低く保持できると共に、更に、金属層をアース電位にして、芯電極と可撓性外側電極間から誘起電圧を検出することにより外部空間からのノイズを遮断できる。
【0019】
本発明の請求項8にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性外側電極の金属層にリード線を接続する構成である。ケーブル状圧力センサ端部の可撓性外側電極を露出させリード線と電極表面の金属層とを接続してそのリード線を回路に接続することにより、ケーブル状圧力センサに負荷された荷重に対して発生する誘起電圧を安定的に取り出すことができる。また、ケーブル状圧力センサと制御回路内の端子治具の接続作業が容易になる。
【0020】
本発明の請求項9にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性外側電極の金属層に導電性接着剤でリード線を接続する手段である。可撓性外側電極にリード線を接続するときにケーブル状圧力センサの前記電極の端部を露出させ、リード線と電極表面の金属層と導電性接着剤で接続する。このことにより、ケーブル状圧力センサと制御回路内の端子治具の接続にハンダなどが使用でき作業が容易にできる。
【0021】
本発明の請求項10にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性外側電極の金属層とリード線を圧着手段で接続する手段である。前記電極と金属層を圧着治具で介してまたはボンディングなどの溶着で接続する。このことにより、ケーブル状圧力センサと制御回路内の端子治具の接続にハンダなどが使用でき作業が容易にできる。
【0022】
本発明の請求項11にかかるケーブル状圧力センサは、導電性編組にリード線を接続する構成である。導電性編組にリード線を接続して、そのリード線を制御回路内の端子治具に接続することができ、編組を端子治具に接続する場合よりも容易に接続できる。
【0023】
本発明の請求項12にかかるケーブル状圧力センサは、可撓性外側電極の外側金属層表面周囲に導電性金属線を巻き付けた構成である。可撓性外側電極の表面に導電性金属線を巻き付けるので、可撓性感圧体と前記電極の金属層がより密着するためにケーブル状圧力センサからの信号電圧をより取り込むことができる。また、前記導電性金属と前記可撓性外側電極の端部とともに制御回路内の端子治具に接続することができる。
【0024】
本発明の請求項13にかかるケーブル状圧力センサは、芯電極の端部のどちらか一方にリード線を接続する構成である。芯電極にリード線を接続する場合、芯電極を露出する必要がある。ケーブル状圧力センサの両端では、この露出作業が容易であり、制御回路の端子治具に固定するときケーブル状圧力センサの両端部は制御回路に近い位置で接続できるので、リード線を短くでき、端子治具への接続固定が容易である。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0026】
(実施例1)
図1は本発明である実施例1のケーブル状圧力センサの見取図である。
【0027】
芯電極3の周囲に可撓性感圧体4を形成した後、可撓性支持体9と前記可撓性支持体9を挟持して内側金属層7と外側金属層8を形成する。このように、可撓性支持体9と内側金属層7および外側金属層8から成る可撓性外側電極10が可撓性感圧体4の周囲に巻き付けられる。このとき、可撓性外側電極10の内側金属層7が可撓性感圧体4の表面と接触するように巻き付けられる。
【0028】
芯電極3として、従来例で示した構成の芯電極や複数の金属細線だけから成る芯電極または、長尺ポリエステル繊維束を平板銅線で巻いて構成する芯電極などが用いられる。可撓性感圧体4として、ゴムや樹脂の中にチタン酸鉛、チタン酸鉛ジルコン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられる。
【0029】
可撓性外側電極10は、可撓性感圧体4に接する内側金属層7と可撓性支持体9と前記可撓性支持体9の外側に形成される外側電極層8で構成される。可撓性支持体9として、高分子フィルムが優れている。高分子フィルムは、芯電極3の周囲に可撓性感圧体4を形成した構成物の機械的インピーダンスに比べ小さな機械的インピーダンスを有するので、可撓性感圧体4に巻き付けられても全体の機械的インピーダンスを増加させない。従って、外部からの圧力に応じて、容易に変形するからである。高分子フィルムの厚さは、できるだけ薄い方がその機械的インピーダンスも小さくなるので好ましいが、工業的に多く利用されている、数十μm以下の厚さが入手の容易性や価格の点でも好ましい。また、高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニール、ナイロン、ポリエチレン、トリアセテートなど種々の材料で構成されるが、これらの中でもポリエチレンテレフタレートは高耐熱性(最高使用温度150℃)を有する点で優れている。
【0030】
また、内側金属層7および外側金属層8として、アルミニウム層、銅層、ニッケル層などがあるが、これらの中でもアルミニウム層が優れている。アルミニウム層は、銅層に比べ熱的に酸化され難く、また、ニッケル層に比べ柔らかいので機械的インピーダンスが小さいからである。高分子フィルムである可撓性支持体9の両面にアルミニウムなどの内側金属層7と外側金属層8を形成するには、両者を接着剤で接合して形成してもよいし、また、スパッタ法や蒸着法で形成してもよい。金属層の厚さも、高分子フィルムと同様、できるだけ薄い方が好ましいが、入手の容易性や価格の点を考慮すると10μm以下が好ましい。可撓性支持体9の両面に内側金属層7と外側金属層8を形成して構成した可撓性外側電極10は市販されており、本発明のケーブル状圧力センサでは、この可撓性外側電極10を可撓性感圧体4に巻き付けているので、従来の外電極5に比べ、塗装法、メッキ法や蒸着法などの複雑な製造工程を特に必要としない。
【0031】
また、可撓性を有するケーブル状圧力センサでは、ケーブル全体としての可撓性確保のために、可撓性を有する芯電極3、可撓性感圧体4や可撓性外側電極10で構成される。前述したように、可撓性感圧体4として、ゴムや樹脂の中にチタン酸鉛、チタン酸鉛ジルコン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられる。ゴムや樹脂は機械的インピーダンスが小さく、外部から圧力が印加されたとき、容易に変形する。
【0032】
この変形を通じてゴムや樹脂の中に添加された圧電体粉末に応力が印可される結果、芯電極3と可撓性外側電極10間に電圧が誘起されるので、圧力が検出できる。このようにゴムや樹脂は可撓性を実現する上で不可欠である。
【0033】
図1に示したように、可撓性支持体9と内側金属層7およびと外側金属層8で構成される可撓性外側電極10のうち内側金属層7のアルミニウム層を可撓性感圧体4の表面に接して巻き付けたセンサ(センサA)とアルミニウム層である金属層のみを可撓性感圧体4の表面に接して巻き付けたセンサ(センサB)をそれぞれ作成し、室温で両者に荷重を徐々に増加して印加し、センサAでは芯電極3と可撓性外側電極10間、センサBでは芯電極3とアルミニウム層間で、それぞれの電極間が短絡するときの荷重を測定した。
【0034】
アルミニウム層は10μm、可撓性支持体9である高分子フイルムはポリエチレンテレフタレート10μmを用いた。また、このときのケーブル状圧力センサにポリエチレン系樹脂である塩素化ポリエチレンにチタン酸ジルコン酸鉛系粉末を添加した可撓性感圧体4を用いた。
【0035】
そして、両者とも外径は約2φmmとした。その結果、センサAの短絡荷重は約150kgf、センサBは、荷重を付加していくと約10kgfで、金属層のみを用いたアルミニウム層が断線してしまった。
【0036】
このことはセンサAに用いられる内側金属層7と可撓性支持体9および外側金属層8がそれぞれ接着層で挟持されて構成される可撓性外側電極10が、センサBの場合の金属層のみの可撓性電極の場合よりも強度が増したためで、大きな付加荷重を印加しても可撓性外側電極10が破損してしまうことはない。このように、本発明のケーブル状圧力センサによれば、従来に大きな付加荷重をかけられるケーブル状圧力センサを得ることができる。
【0037】
図2は、本発明における実施例1のケーブル状圧力センサ長尺方向の切断面を示す断面図である。可撓性外側電極10が可撓性感圧体4の表面に巻き付けられるとき、可撓性外側電極10は部分的に積層された部分11を有した構成である。
【0038】
この構成では、芯電極3と可撓性外側電極10間で誘起電圧を検出するとき、内側金属層7をアース電位にすることにより外部ノイズを遮断できる利点がある。なお、この構成では、積層された部分11の長さはできるだけ短いほうが好ましい。ケーブル状圧力センサが外部圧力により変形するとき、積層された部分11もまた変形するので、このとき積層された部分11での変形抵抗が小さくなり、変形し易いからである。
【0039】
(実施例2)
図3は、本発明の実施例2の圧力センサ構成を示す断面図である。可撓性外側電極10が可撓性感圧体4の表面に巻き付けられるとき、可撓性外側電極10は自身で積層せず、距離を置いて巻き付けられた構成である。図2に示した積層された部分11が存在せず、また、可撓性外側電極10は距離を置いて巻き付けられるので、これらの分の変形抵抗が小さくなる利点がある。しかし、本構成では、芯電極3と内側金属層7間で誘起電圧を検出するとき外部ノイズを拾い易い。内側金属層7が芯電極3の周囲を完全に覆っていないからである。このような場合、図4に示すように、可撓性外側電極10の周囲を導電性編組12で被覆することが望ましい。芯電極3と内側金属層7間から誘起電圧を検出するとき、内側金属層7と導電性編組12を短絡して、アース電位に保持することにより外部ノイズを遮断することができる。
【0040】
以上のように構成されたケーブル状圧力センサの可撓性外側電極の金属層にAg粒子を主成分とした熱硬化性樹脂を混合した導電性接着剤で銅より線からなるリード線を接続する。また、可撓性外側電極の金属層に圧着端子を用いて、同様のリード線を接続する。このようにして、可撓性外側電極の金属層とリード線を接続する事ができるので、このケーブル状圧力センサ端部から制御回路までのリード接続が可能となる。
【0041】
また、図4に示すような導電性編組12を被覆したケーブル状圧力センサでは、この導電性編組12に上記で述べた方法等により、リード線を接続して、ケーブル状圧力センサ端部から制御回路までのリード接続が可能となる。
【0042】
(実施例3)
本発明における実施例3のケーブル状圧力センサを図5に示す。
【0043】
可撓性感圧体4の表面に可撓性外側電極10が巻き付けられたあと、可撓性外側電極10の外側金属層8表面上に導電性金属線13である銅線を巻き付ける。この構成により、可撓性外側電極10の内側金属層7が可撓性感圧体4とより「密着するので、信号電圧をより高感度で取り出す事ができる。また、可撓性外側電極10の外側電極層8と導電性金属線13が接触して導通しているので、制御回路での端子処理の際に基板端子にこの導電性金属線をハンダにより接続することができ、端子処理が容易になる。
【0044】
また、芯電極の端部に実施例2のなかで述べたようなリード線を接続するすることにより、制御回路での端子処理の際に基板端子にこの導電性金属線をハンダにより接続することができ、端子処理が容易になる。
【0045】
なお、上記実施例では、図6に示した従来例の外皮6について特に触れてないが、保護などの必要に応じて用いてもよいことは明らかである。また、外被として、熱収縮チューブ以外にも塩化ビニールやウレタン樹脂などを用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のケーブル状圧力センサによれば、内側電極である芯電極と、前記芯電極の周囲に配置された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の表面に配置された可撓性外側電極とから成り、前記可撓性外側電極が可撓性支持体とその両面に形成された金属層とから構成されているので、塗装法などのように複雑な製造工程を必要としない。また、このケーブル状圧力センサは可撓性外側電極が可撓性支持体の両面に金属層が積層しているので、金属層のみで構成されている可撓性外電極よりも付加加重に対して大きな強度を持ち、可撓性外側電極の断線を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例1におけるケーブル状圧力センサの見取図
【図2】
同センサの長尺方向の断面図
【図3】
本発明の実施例2におけるケーブル状圧力センサの断面図
【図4】
本発明の他の実施例におけるケーブル状圧力センサの断面図
【図5】
本発明の実施例3におけるケーブル状圧力センサの見取り図
【図6】
従来のケーブル状圧力センサの見取図
【符号の説明】
1 線状導電材
2 導電ゴム
3 芯電極
4 可撓性感圧体
5 可撓性外電極
6 外被
7 内側金属層
8 外側金属層
9 可撓性支持体
10 可撓性外側電極
11 可撓性外側電極の積層部分
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13 導電性金属線
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CH711007A1 (de) * | 2015-04-30 | 2016-10-31 | Kistler Holding Ag | Kontaktkraft-Prüfvorrichtung, Verwendung einer solchen Kontaktkraft-Prüfvorrichtung und Verfahren zur Herstellung einer solchen Kontaktkraft-Prüfvorrichtung. |
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1999
- 1999-02-24 JP JP04622399A patent/JP3651300B2/ja not_active Expired - Fee Related
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