JP2000240519A - 燃焼式ヒータを有する内燃機関 - Google Patents

燃焼式ヒータを有する内燃機関

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JP2000240519A
JP2000240519A JP11037923A JP3792399A JP2000240519A JP 2000240519 A JP2000240519 A JP 2000240519A JP 11037923 A JP11037923 A JP 11037923A JP 3792399 A JP3792399 A JP 3792399A JP 2000240519 A JP2000240519 A JP 2000240519A
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combustion
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ内での着火を確実に行って始動性を
良好にするとともに燃焼ガスを無駄に供給しないこと。 【解決手段】 燃料を燃焼して発生する燃焼ガスをエン
ジン1の吸気通路14に導入し、燃焼ガスに含まれる熱
を利用して機関吸気の温度を高める燃焼式ヒータ9を有
するエンジン1において、吸気通路14に導入する燃焼
ガスの熱量を外気温と機関温度とに基づいて制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼式ヒータを有
する内燃機関に関し、詳しくは冷却水や吸気等の機関関
連要素を昇温させて内燃機関の暖機促進や始動性の向上
または車室内暖房装置であるヒータコア等の性能向上等
を図る燃焼式ヒータを有する内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌に搭載する内燃機関、特
にはディーゼルエンジンやリーンバーンエンジンその他
の希薄燃焼式エンジンは、通常のガソリンエンジンに比
べて発熱量が少ない。そこで、希薄燃焼式エンジンにあ
っては、特に寒冷時における暖機促進や車室内暖房装置
の性能向上等を目的として燃焼式ヒータが備えられるこ
とが多い。
【0003】燃焼式ヒータは、燃料の燃焼を行う燃焼室
と、燃焼時に燃焼室から出る燃焼ガスの持つ熱(以降、
「燃焼熱」という)を吸収し、例えば内燃機関のウォー
タジャケットやヒータコアその他の昇温必要個所に熱を
伝達する仲介物としての熱媒体と、この熱媒体を流通さ
せる熱媒体通路とを備える。そして、熱媒体が熱媒体通
路を流通する間に熱媒体は前記燃焼熱を吸収し、その温
度を高める。すなわち、熱媒体通路において熱媒体と燃
焼熱との間で熱交換が為される。
【0004】そして、前記熱交換によって高温になった
熱媒体は、前記昇温必要個所に送られて当該昇温必要個
所を昇温し、その結果、内燃機関の暖機促進,始動性の
向上またはヒータコア等の性能向上等を図る。
【0005】このような燃焼式ヒータを有する内燃機関
として、例えば特開昭63−71412号公報記載の技
術を挙げられる。この技術は、燃焼式ヒータの燃焼熱と
熱媒体である低温空気との間で熱交換を行って低温空気
を高温空気とし、この高温空気をヒータコア(ヒータユ
ニット)に送り込み、ヒータコアから出る温風によって
車室内を暖めるというものである。
【0006】また、前記公報には、内燃機関の暖機促進
を図ることを目的として、前記熱交換により温度降下し
た燃焼ガスを内燃機関の吸気通路に供給する場合と、熱
交換せずに高温のままの燃焼ガスを内燃機関の吸気通路
に供給する場合とが記載されている。すなわち、車輌が
機関暖機を要する状態にあるがそれほど早急でないとき
は前記温度降下した燃焼ガスを内燃機関に供給し、早急
に機関暖機を要するときは、熱交換されなかった前記高
温の燃焼ガスを内燃機関に供給している。なお、便宜
上、熱交換によって低温となった燃焼ガスを冷却後燃焼
ガスといい、熱交換せずに高温のままの燃焼ガスを冷却
前燃焼ガスという。
【0007】ところで、内燃機関の作動行程の一つであ
る圧縮行程の終端近傍(以降、「圧縮端」という。)に
おいて着火や燃焼が確実に為されるに必要な温度(以
降、「目標圧縮端温度」という)というものがあり、圧
縮端の温度がこの目標圧縮端温度に達しなければ、着火
や燃焼は不確実で安定しない。圧縮端の温度が目標圧縮
端温度に達しない、あるいは達しにくい場合としては、
例えば寒冷時において内燃機関を始動させる場合が挙げ
られる。
【0008】これはエンジン低温始動時は、燃焼の行わ
れるシリンダ内が内燃機関の吸気通路を介して外気と通
じているので、前記寒冷時の場合でいえば、シリンダ内
の吸気温度はほぼ外気温度と同じ低温となる。また、シ
リンダが形成されているシリンダブロックのうちシリン
ダ周りには、機関冷却水を通すウォータジャケットを配
設してある。そして、このウォータジャケット内の機関
冷却水温度およびシリンダ壁温度も外気温度が低ければ
当然低い。よって、寒冷時の始動時には、シリンダ内の
吸気温度自体が低温であるばかりか、前記シリンダ内の
吸気温度がさらに低温なシリンダ壁で冷やされるという
二重の低温環境にあるので、圧縮時にシリンダ壁へ放熱
する熱量が多くなり圧縮端の温度が前記目標圧縮端温度
に達しにくい。
【0009】一方、機関冷却水は一度温度が上がると空
気に比べて下がりにくい。このため、内燃機関を一旦始
動した後、停止した場合にあっては、外気温度が低くて
も機関冷却水が高温状態を維持している場合がある。こ
の場合はシリンダ壁温度が高いので、圧縮時シリンダ壁
への放熱量が減り、圧縮端温度が高くなる。
【0010】したがって、外気温度および機関冷却水温
度が共に低温であるが故、シリンダ内の吸気温度も低温
であるときに圧縮端温度を目標圧縮端温度にするには、
それなりに大きな熱量を有する高熱な燃焼ガスをシリン
ダに供給しなければならない。反対に、外気温度が高い
か吸気系が途中で加熱されたことに起因して吸気温度が
高くなるか、または機関冷却水温度の影響でシリンダ壁
温度が比較的高ければ、少ない熱量の燃焼ガスをシリン
ダに供給した場合でも圧縮端温度を目標圧縮端温度にす
ることができる。
【0011】ところが、これまでは、シリンダに供給す
る燃焼ガスの熱量を吸気温度,外気温度,シリンダ壁温
度,機関冷却水温度等の要因を考慮して決めるという技
術的思想がなかった。このためシリンダに供給される熱
量が不十分なために着火を確実に行えず、よってエンジ
ンがかかりにくい場合や、反対に供給される熱量が多過
ぎて吸気系構造物への熱害を生じる虞があり得た。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであって、燃料を燃焼して発生する
燃焼ガスを内燃機関に導入し、前記燃焼ガスに含まれる
燃焼熱を利用して前記内燃機関の吸気の温度を高める燃
焼式ヒータを有する内燃機関において、シリンダ内での
着火や燃焼を確実に行って内燃機関の始動性を良好にす
ることを主たる目的とする燃焼式ヒータを有する内燃機
関を提供することを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するために以下の手段を採用した。すなわち、燃
料を燃焼して発生する燃焼ガスを内燃機関の吸気系に導
入し、前記燃焼ガスに含まれる熱を利用して前記内燃機
関の吸気の温度を高める燃焼式ヒータを有する内燃機関
において、前記吸気系に導入する燃焼ガスの熱量を吸気
温度または外気温度の少なくとも一方と機関温度とに基
づいて制御することを特徴とする。
【0014】ここで、「機関温度」とは、例えば機関冷
却水温度や,シリンダ壁温度等を挙げられる。本発明の
燃焼式ヒータを有する内燃機関では、内燃機関の吸気系
に導入する燃焼ガスの熱量を、吸気温度または外気温度
の少なくとも一方と機関温度とに基づいて制御する。そ
れ故、吸気温度または外気温度の少なくとも一方と機関
温度の高低によって、燃焼式ヒータから出る燃焼ガスの
熱量が異なる。
【0015】話を簡単にするため、内燃機関の吸気系に
導入する燃焼ガスの熱量を、例えば、外気温度と機関温
度とに基づいて制御する場合で述べれば、外気温度と機
関温度とが高い場合は、燃焼式ヒータが吸気に与える熱
量を少なくし、外気温度と機関温度とが低い場合は、反
対に多くする。また、外気温度または機関温度のいずれ
か一方が高くいずれか一方が低い場合は、外気温度と機
関温度の両方が共に低い場合よりも、燃焼式ヒータが吸
気に与える熱の量を少なくする。
【0016】このように、外気温度と機関温度との高低
によって、燃焼式ヒータが吸気に与えるべき熱量が決ま
るので、それに応じて燃焼式ヒータから出す燃焼ガスの
熱量を調整すればシリンダに供給される熱量を最適化で
きる。
【0017】具体的には、例えば、前記した外気温度も
機関温度も低温の場合は、圧縮端における温度を目標圧
縮端温度にまで一気に高まる程に燃焼式ヒータから出る
燃焼ガスの熱量を多くする。このようにすることで、燃
焼室での混合気への着火が確実になるため、機関始動時
であれば始動性を高められる。
【0018】反対に、前記した外気温度も機関温度も低
温状態にない場合等、燃焼ガスの熱をそれほど必要とし
なくても圧縮端における温度を目標圧縮端温度にまで到
達させられる場合は、燃焼ガスの熱量を低減して吸気系
構造物への熱害を防止する。
【0019】さらに好適な手段としては、燃料を燃焼し
て発生する燃焼ガスを内燃機関の吸気系に導入し、前記
燃焼ガスに含まれる熱を利用して前記内燃機関の吸気の
温度を高める燃焼式ヒータを有する内燃機関において、
前記燃焼ガスの熱を前記内燃機関その他の昇温の必要な
個所に伝達する仲介物としての熱媒体と前記燃焼ガスと
の間で熱交換を行う熱交換領域と、この熱交換領域の全
域で熱交換された燃焼ガスを前記吸気系へ向けて排出す
る第1の燃焼ガス排出手段と、燃焼式ヒータから排出さ
れた燃焼ガスのうち前記熱交換領域を経由する前の燃焼
ガスまたは前記熱交換領域の一部の領域を経由した燃焼
ガスを前記吸気系へ向けて排出する第2の燃焼ガス排出
手段と、前記第1の燃焼ガス排出手段および前記第2の
燃焼ガス排出手段の少なくとも一方の燃焼ガス排出手段
によって前記吸気系に排出される燃焼ガスの熱量を、吸
気温度または外気温度の少なくとも一方と機関温度とに
基づいて制御するとよい。
【0020】ここで、「昇温の必要な個所」とは、例え
ば車室内暖房装置であるヒータコアやエンジン本体を挙
げられる。また「機関温度」は、前記した場合と同じで
ある。
【0021】本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関で
は、熱交換領域の全域で熱交換された燃焼ガスは、熱媒
体への熱の移動量が多いので、それだけ燃焼ガスに含ま
れている熱量が熱交換前よりも少なく、その状態で第1
の燃焼ガス排出手段により内燃機関の吸気系に導かれ
る。
【0022】また、燃焼ガスのうち熱交換領域を経由す
る前の燃焼ガスまたは前記熱交換領域の一部の領域を経
由して第2の燃焼ガス排出手段によって内燃機関に導か
れる燃焼ガスは、熱交換領域の全域で熱交換されて第1
の燃焼ガス排出手段によって内燃機関に導かれる燃焼ガ
スに比べて含んでいる熱量が多い。
【0023】したがって、燃焼ガスを第2の燃焼ガス排
出手段によって内燃機関の吸気系に排出する場合は、例
えば機関の低温始動時や機関暖機を早急に実施したい場
合とし、燃焼ガスを第1の燃焼ガス排出手段によって内
燃機関の吸気系に排出する場合は、機関暖機を要する運
転状態に車輌があるがそれほど早急ではない場合とす
る。そして、第1の燃焼ガス排出手段および第2の燃焼
ガス排出手段の少なくとも一方の手段によって前記内燃
機関の吸気系に導入される燃焼ガスの熱量を吸気温度ま
たは外気温度の少なくとも一方と機関温度とに基づいて
制御する。
【0024】したがって、燃焼ガスを第1の燃焼ガス排
出手段によって内燃機関の吸気系に排出する場合、すな
わち吸気温度または外気温度の少なくとも一方の温度と
機関温度とが低温状態にない場合等、燃焼式ガスの吸気
系への供給を早急に必要としない場合は、そのときの吸
気温度または外気温度の少なくとも一方と機関温度とに
基づいて燃焼ガスに含まれる熱量を少なめに制御する。
よって、吸気系構造物への熱害が生じる虞も無い。
【0025】また、燃焼ガスを第2の燃焼ガス排出手段
によって内燃機関の吸気系に排出する場合、すなわち吸
気温度または外気温度の少なくとも一方と機関温度とが
低温の場合は、シリンダ内での着火を確実に行えるに十
分な熱量を含むように燃焼ガスの熱量を多めに制御す
る。このように熱量の多い燃焼ガスをシリンダに供給す
ることにより、圧縮端における温度を目標圧縮端温度に
まで一気に高められる。よって、その場合、着火が確実
になるため、内燃機関の始動性を高められる。
【0026】さらに好適には、前記燃焼式ヒータから排
出された燃焼ガスのうち前記第2の燃焼ガス排出手段に
よって前記吸気系に排出される燃焼ガスの流れ量を制御
する燃焼ガス流量制御手段を備え、この燃焼ガス流量制
御手段は、前記吸気温度または前記外気温度の少なくと
も一方と前記機関温度とによって特定される特定値に基
づいて作動し、この特定値が所定範囲内にあるときは前
記燃焼ガス流量制御手段の作動によりかつ前記第2の燃
焼ガス案内手段を介して前記吸気系へ前記燃焼ガスを流
し、前記特定値が所定範囲外にあるときは前記燃焼ガス
流量制御手段の作動により前記第2の燃焼ガス案内手段
を介しての前記吸気系への前記燃焼ガスの流れを停止す
るとよい。
【0027】ここで、「吸気温度または前記外気温の少
なくとも一方と機関温度とによって特定される特定値」
とは、例えば、縦軸に外気温度(吸気温度)を横軸に前
記機関冷却水温度やシリンダ壁温度等の機関温度を設定
してなる外気温度(吸気温度)−機関温度線図を作成し
ておき、この線図から外気温度(吸気温度)と機関温度
とを追った場合の両者の交点を挙げられる。また、所定
範囲とは、例えば前記外気温度(吸気温度)−機関温度
線図に特定の基準線を設定しておき、この基準線を境と
した一方の側をいうものとする。
【0028】そして、前記交点がその基準線を境にどち
らの側にあるかによって、特定値が所定範囲に属するか
属さないかを判定するようにし、前記所定範囲に属する
か属さないかによって、燃焼式ヒータが吸気に与える熱
量を多くするか少なくするかを決めるとよい。
【0029】なお、燃焼式ヒータが吸気に与える熱量を
多くするか少なくするかということは、燃焼式ヒータか
ら出る燃焼ガスに含まれている単位あたり熱量の多寡ば
かりでなく燃焼ガスに含まれている単位あたりの熱量が
少ない場合でも多量の燃焼ガスが吸気系に導入されるこ
とによる総合的な熱量で比較した場合の多寡でもよい。
【0030】特定値が所定範囲内にあるときは前記燃焼
ガス流量制御手段の作動によりかつ前記第2の燃焼ガス
排出手段を介して前記吸気系へ前記燃焼ガスを流す。た
だし、この場合、第1の燃焼ガス排出手段に向かう燃焼
ガスの流れが制限されているわけではないので、第2の
燃焼ガス排出手段に向かう燃焼ガスと第1の燃焼ガス排
出手段に向かう燃焼ガスとが共存する。
【0031】反対に、前記特定値が所定範囲外にあると
きは前記燃焼ガス流量制御手段の作動により前記第2の
燃焼ガス案内手段を介しての前記吸気系への前記燃焼ガ
スの流れを停止するので、燃焼ガスは第1の燃焼ガス排
出手段にのみ向かうべく熱交換領域を介して流れる。
【0032】さらに好適には、前記特定値が前記所定範
囲内にあるときにおいて、前記燃焼ガス流量制御手段の
作動によりかつ前記第2の燃焼ガス排出手段を介しての
前記吸気系への前記燃焼ガスの流れ量は、前記吸気温度
または前記外気温度の少なくとも一方と機関温度とが低
い程多くし、高い程低くすることもできる。
【0033】この場合、第2の燃焼ガス排出手段を介し
ての前記吸気系への前記燃焼ガスの流れ量は、前記吸気
温度または前記外気温度の少なくとも一方と機関温度と
が低い程多くし、高い程低くするので、第2の燃焼ガス
排出手段を介しての前記吸気系への前記燃焼ガスの流れ
量は可変的となる。そして、第2の燃焼ガス排出手段を
介しての前記吸気系への前記燃焼ガスの流れ量が増えれ
ば第1の燃焼ガス排出手段を介しての前記吸気系への前
記燃焼ガスの流れ量は減り、第2の燃焼ガス排出手段を
介しての前記吸気系への前記燃焼ガスの流れ量が減れば
第1の燃焼ガス排出手段を介しての前記吸気系への前記
燃焼ガスの流れ量は増える。
【0034】よって、第2の燃焼ガス排出手段を介して
前記吸気系に導入される燃焼ガスと、第1の燃焼ガス排
出手段を介して前記吸気系に導入される燃焼ガスとの割
合を細かく制御できるので、シリンダ内吸気温度の制御
をより精密に行えるため、目標圧縮端温度への到達を最
適化できる。
【0035】さらに好適には、前記第1の燃焼ガス排出
手段は、この第1の燃焼ガス排出手段を経由して前記吸
気系に導入される燃焼ガスの流れを制止する制止弁を有
し、前記燃焼ガスが前記第2の燃焼ガス排出手段を介し
て前記吸気系に排出されているときは、前記制止弁を作
動して、前記第1の燃焼ガス排出手段による前記燃焼ガ
スの前記吸気系への導入を阻止するとよい。
【0036】この場合、第1の燃焼ガス排出手段を介し
て吸気系に導入される燃焼ガスは、熱交換領域の全域を
経由したものである。よって、第1の燃焼ガス排出手段
に係る燃焼ガスは、熱量が熱媒体に吸収されて低温化し
ている。しかし、その低温な燃焼ガスの吸気系への進行
が制止弁によって阻止されるので、吸気系には熱交換領
域を経由しない第2の燃焼ガス排出手段経由の高熱な燃
焼ガスのみとなる。よって、吸気温度または前記外気温
度の少なくとも一方がかなり低温な時でもシリンダ内吸
気温度を一気に高められる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る燃焼式ヒータ
を有する内燃機関の具体的な実施の形態について添付し
た図面に基づいて説明する。
【0038】内燃機関としてのエンジン1は、ディーゼ
ルエンジンまたはガソリン直噴リーンバーンエンジンで
ある。エンジン1は、図1にその全体構造を概略示すよ
うに、機関冷却水を含む図示しないウォータジャケット
を備えたエンジン本体3と、エンジン本体3の図示しな
い複数のシリンダ内に燃焼に必要な空気を送り込む吸気
装置5と、この吸気装置5を経て前記シリンダに送られ
る空気とシリンダに噴射供給される機関燃料とからなる
混合気が燃焼室で燃焼後、シリンダから出る排気ガスを
大気中に放出する排気装置7と、排気装置7から吸気装
置5に向けて排気ガスを再循環させることで窒素酸化物
の発生を抑制する排気再循環装置としてのEGR装置8
と、エンジン1とは別に燃料を燃焼し、燃焼時に発生す
る燃焼ガスを吸気装置5に導入することで燃焼ガスに含
まれる燃焼熱により吸気装置5を流れる吸気の温度を高
める燃焼式ヒータ9と、エンジン搭載車輌の室内温度を
高める車室内暖房装置であるヒータコア10と、エンジ
ン全体を制御するエンジン制御装置であるECU11と
を有する。
【0039】前記吸気装置5は、外気をろ過するエアク
リーナ13を始端としエンジン本体3の図示しない吸気
ポートを終端とする吸気通路14を有する。吸気通路1
4には、前記エアクリーナ13と前記吸気ポートとの間
に、ターボチャージャ15のコンプレッサ15a,コン
プレッサ15aを作動した場合に生ずる圧縮熱により昇
温した吸気温度を冷却するインタークーラ19,吸入分
岐管であるインテークマニホールド22その他の吸気系
構造物を順次配置してある。また、インタークーラ19
とインテークマニホールド22との間には吸気通路14
を流れる吸気の量を制御する吸気絞り弁23を設置して
ある。また、吸気通路14のうちインタークーラ19と
吸気絞り弁23との間には、前記燃焼式ヒータ9を取り
付けてある。
【0040】前記排気装置7は、エンジン本体3の図示
しない排気ポートを始端とし図示しないマフラを終端と
する排気通路27を有する。排気通路27には、前記排
気ポートと前記マフラとの間に、排気分岐管であるエキ
ゾーストマニホールド28,ターボチャージャ15のタ
ービン15b,排気ガス浄化装置である触媒コンバータ
29等の排気系構造物を配置してある。
【0041】前記EGR装置8は、吸気通路14と排気
通路27とを結びエンジン本体3をバイパスするととも
に排気ポートから出た排気ガスを吸気側に向けて戻すE
GR通路29と、EGR通路29を流れる排気ガスの量
を制御するEGR弁30とを有する。
【0042】前記燃焼式ヒータ9は、エンジン1と同じ
燃料を燃焼して発生する燃焼ガスを吸気通路14に導入
し、燃焼ガスに含まれる熱を利用して前記のごとく吸気
装置5を流れる吸気を昇温するヒータである。燃焼式ヒ
ータ9によって昇温された吸気は、燃焼ガスを含んだ状
態で前記シリンダに向けて吸気通路14を流れる。
【0043】また、燃焼式ヒータ9は、前記燃焼熱で機
関冷却水を暖めるようになっており、暖められた機関冷
却水は、ヒータコア10やエンジン本体3等の昇温を要
する昇温必要箇所に送られ、当該昇温必要箇所の温度を
高める。そして、エンジン1には、前記昇温必要箇所に
燃焼式ヒータ9で暖めた機関冷却水を図示しないエンジ
ンウォータポンプで送れるようにした熱媒体循環路Wを
設けてある。
【0044】熱媒体循環路Wは、エンジン本体3と燃焼
式ヒータ9とを結びエンジン本体3のウォータジャケッ
トから燃焼式ヒータ9に機関冷却水を導く冷却水導入通
路31と、燃焼式ヒータ9で暖められた機関冷却水をエ
ンジン本体3のウォータジャケットにヒータコア10を
経由させてから戻す冷却水排出路32とを有する。ま
た、冷却水導入通路31には電動ウォータポンプ33を
設けてあり、この電動ウォータポンプ33が作動するこ
とによって前記熱媒体循環路W内を機関冷却水が循環す
るのを促進する。あるいは、電動ウォータポンプ33に
よって機関冷却水を循環させることにより、エンジン停
止時でもヒータコア10を作動できるようにしている。
【0045】ここで、燃焼式ヒータ9の具体的な構成に
ついて、図1〜図3を参照しながら説明する。燃焼式ヒ
ータ9は、その内部に、前記冷却水導入通路31と前記
冷却水排出路32とに連通して熱媒体循環路Wの一部と
なっているヒータ内部冷却水通路37を有する。ヒータ
内部冷却水通37は、前記冷却水導入通路31と接続す
る冷却水導入口37aと、前記冷却水排出路32と接続
する冷却水排出口37bとを有する。また、ヒータ内部
冷却水通路37は、燃焼式ヒータ9の燃焼室39の周り
を巡回するように形成されている。
【0046】前記燃焼室39は、火炎Fを発生させる燃
焼源としての燃焼筒40と、燃焼筒40を覆うことで火
炎Fが外部に漏れないようにする隔壁41とからなる。
燃焼筒40を隔壁41で覆うことにより、燃焼室39が
隔壁41内に画される。そして、前記隔壁41も燃焼式
ヒータ9の外壁42で覆われている。
【0047】また、隔壁41と外壁42との間には、環
状の隙間を設けてあり、この隙間が前記ヒータ内部冷却
水通路37として機能する。このヒータ内部冷却水通路
37内を機関冷却水が流れる間に、機関冷却水は燃焼室
39から受熱する。つまり機関冷却水は、燃焼室39内
の高熱な燃焼ガスとの間で熱交換をして昇温する。よっ
て、ヒータ内部冷却水通路37は熱交換領域ということ
ができる。
【0048】さらに、燃焼室39は、燃焼室39に対し
て空気の出入りを行う空気流通口を有する。すなわち燃
焼室39は、空気流通口として、燃焼室39に燃焼用空
気を入れる空気供給口62と、燃焼ガスを燃焼室39か
ら排出する燃焼ガス排出口63,65とを有する。空気
供給口62は、燃焼室39のうち、火炎Fが燃焼筒40
から出る側と反対側に位置し、燃焼ガス排出口63は、
燃焼室39のうち、ヒータ内部冷却水通路37の下流側
に対応した適所に設けてある。また、燃焼ガス排出口6
5は、火炎Fが燃焼筒40から出る側にあって、火炎F
に対向して隔壁41および外壁42に連通して設けてあ
る。
【0049】また、燃焼ガス排出口63と65とは燃焼
式ヒータ9の長手方向に並行に延びる連結管74を介し
て連結している。そして、空気供給口62および燃焼ガ
ス排出口63,65は、いずれも吸気通路14に通じて
いる。すなわち、空気供給口62は、吸気通路14から
燃焼式ヒータ9に燃焼用空気を供給する空気供給管71
を用いて吸気通路14と通じており、燃焼ガス排出口6
3,65は、連結管74を通じて、燃焼ガスを燃焼式ヒ
ータ9から吸気通路14に排出する燃焼ガス排出管73
を介して連通している。
【0050】なお、空気供給管71および吸気通路14
の接続箇所C1と、燃焼ガス排出管73および吸気通路
14の接続箇所C2とは両者の間で差圧が生じないよう
に吸気通路14における同一径部分、すなわち同じ横断
面の部分にて近接して設置してある。また、接続箇所C
1よりも接続箇所C2は下流にある。さらに、接続箇所
C1およびC2は共に前記吸気絞り弁23よりも上流で
かつインタークーラ19よりも下流に位置する。
【0051】前記燃焼ガス排出管73は、前記燃焼ガス
排出口65を開閉制御する弁装置78を備えており、こ
の弁装置78を介して燃焼式ヒータ9と接続されてい
る。弁装置78は、燃焼ガス排出口65を開閉するバル
ブ80と、バルブ80を駆動するアクチュエータ82と
を有する。バルブ80の開閉によって燃焼式ヒータ9か
ら燃焼ガス排出管73を介して吸気通路14に導入され
る燃焼ガスの量が調整される。よって、バルブ80を有
する弁装置78は、燃焼式ヒータ9から燃焼ガス排出管
73に導入される燃焼ガスの量(燃焼ガスの熱量とも言
い換えられる)をバルブ80によって調整(制御)する
燃焼ガス流量制御手段といえる。また、前記調整(制
御)は、例えば外気温度と機関温度とに基づいて為され
る。なお、外気温度は、エアクリーナ13の下流側直近
に設けた温度センサ13aによって測定する。また、機
関温度とは、機関冷却水温度またはシリンダ壁温度のこ
とであり、この実施の形態では、機関温度として機関冷
却水温度をエンジン本体3のウォータジャケットに設け
た水温センサ3aによって測定する。
【0052】また、バルブ80の開閉調整を行うのに、
前記のように、外気温度と機関温度とに基づいて為すだ
けでなく、吸気温度と機関温度とに基づいて行ってもよ
く、また吸気温度および外気温度の両方と機関温度とに
基づいてバルブ80の開閉調整を行ってもよい。要する
に、吸気系に導入する燃焼ガスの熱量を吸気温度または
外気温度の少なくとも一方と機関温度とに基づいて制御
すればよい。なお、吸気温度を測定する場合は、前記温
度センサ13aの位置を前記エアクリーナ13の下流側
直近箇所よりもさらに下流の吸気通路14上に設置する
ことが望ましい。
【0053】また、燃焼ガス排出管73は、その途中、
詳しくは吸気通路14側箇所に、排気通路27に設置し
た触媒コンバータ29の上流側近傍箇所C3と接続され
かつエンジン本体3をバイパスする分岐管84を有す
る。
【0054】この分岐管84と前記燃焼ガス排出管73
との交叉部分には、三方切換弁86を取付けてある。三
方切換弁86は、燃焼ガスが燃焼ガス排出管73をその
まま吸気通路14に向けて通るか、または分岐管84を
通るかを選択して切り替える弁である。三方切換弁86
の作動によって、三方切換弁86に流れて来る燃焼ガス
の流れ方向を適宜切り替えて、前記燃焼ガスを吸気通路
14または排気通路27に導入する。三方切換弁86の
切り替えによって燃焼ガスが吸気通路14に流れる場
合、燃焼ガス排出管73によって実質的に燃焼式ヒータ
9と吸気通路14とが接続される。そして、この接続に
よって、燃焼ガスが燃焼式ヒータ9からエンジン1の吸
気系に案内される。
【0055】一方、前記燃焼筒40は、その内部に燃料
蒸発部としての図示しないウイックを有する。また、図
1に示すように燃焼筒40に外部から燃料を導入する燃
料導入通路88を接続してある。燃料導入通路88は燃
料ポンプ89と接続してあり、燃料ポンプ89のポンプ
圧を受けて燃料導入通路88から燃焼筒40の前記ウイ
ックに燃料が吐出され、その結果、燃料が蒸発する。さ
らに、燃焼筒40は、前記ウイックにて蒸発した気化燃
料に着火するグロープラグ(図示せず)を有する。
【0056】また、燃焼式ヒータ9の前記外壁42は、
燃焼筒40のうち火炎Fの出る側と反対側に、駆動源と
してのモータ92を有する送風用の回転ファン(好まし
くはターボ型回転ファン)90を内包したハウジング9
3を取付けてある。
【0057】ハウジング93は、外部から空気を取り入
れるための空気取入口95を有し、この空気取入口95
に前記空気供給管71を接続してある。また、ハウジン
グ93は、その内部空間Sが前記空気供給口62と通じ
ている。よって、空気供給口62は、空気供給管71と
内部空間Sを介して間接的に連結している。
【0058】そして、モータ92により回転ファン90
を回転すると、空気供給管71を経由して前記吸気通路
14からハウジング93内に空気が導入される。このハ
ウジング93に導かれた空気は、前記内部空間Sを経
て、前記空気供給口62から燃焼筒40に燃焼用空気と
して供給される。そして、この燃焼用空気によって前記
ウイックにて蒸発した気化燃料が燃焼に供されて火炎F
を生じ、その火炎Fから出る燃焼ガスは、その後、燃焼
式ヒータ9から燃焼ガス排出管73を経由して、前記の
ごとく吸気通路14または排気通路27に案内される。
案内される燃焼ガスの量は、前記回転ファン90のファ
ン回転数によって決まる。すなわち、ファン回転数が多
いほど、燃焼ガス排出管73に起きる通風の量が多くな
り、ファン回転数に比例した量の燃焼ガスが燃焼式ヒー
タ9から排出される。回転ファン90の回転数は、EC
U11によりモータ92を制御することで決まる。
【0059】このような燃焼式ヒータ9は、エンジン本
体3の暖機促進やヒータコア10の性能向上等を図るべ
く機関冷却水を昇温させる必要が生じた場合、次のよう
に作動する。
【0060】まず、図2に示すように、前記弁装置78
の作動によってバルブ80が閉じ、その結果、燃焼ガス
排出口65が閉鎖する。また、前記のように回転ファン
90の回転により、吸気通路14を流れる吸気の一部を
空気供給管71を介して燃焼式ヒータ9の燃焼筒40へ
導入する。さらに、前記燃料ポンプ89が燃料タンク
(図示せず)内の燃料を吸い上げて燃料導入通路88か
ら燃焼筒40の前記ウイックに吐出する。更に電動ウォ
ータポンプ33を作動することでエンジン1のウォータ
ジャケット内の機関冷却水を燃焼式ヒータ9のヒータ内
部冷却水通路37へ圧送する。加えて、前記回転ファン
90によって燃焼筒40に供給された吸気と燃料導入通
路88から燃焼筒40に供給され、かつ前記ウイックに
て気化された気化燃料とからなる混合気が、前記グロー
プラグによって着火され、燃焼筒40内で火炎Fを生じ
て燃焼が開始する。
【0061】燃焼によって生じた高温の燃焼ガスは、回
転ファン90が回転することで生ずる気流によって燃焼
室39をその燃焼ガス排出口63へ向けて流れ、その
後、燃焼ガス排出口63と接続している前記連結管74
へ排出される(図2の実線矢印a3参照)。
【0062】そして、電動ウォータポンプ33により、
前記ウォータジャケットから冷却水導入通路31を経由
して燃焼式ヒータ9のヒータ内部冷却水通路37に圧送
された機関冷却水は、ヒータ内部冷却水通路37を前記
隔壁41の外面全体に亘って巡回するように流れが促進
され、その間に燃焼熱を吸収して上昇する。換言すれ
ば、熱交換領域のヒータ内部冷却水通路37の全域で熱
交換される。そして、前記燃焼熱を吸収した機関冷却水
は、ヒータコア10に流れるべくヒータ内部冷却水通路
37から冷却水排出路32に排出される(図2および図
3の破線矢印参照)。その後、燃焼式ヒータ9から排出
された機関冷却水は、ヒータコア10の属する前記冷却
水排出路32を経由してエンジン本体3のウォータジャ
ケットに戻る。
【0063】なお、前記ヒータコア10では、機関冷却
水が持つ熱の一部が暖房用空気との間で熱交換され、暖
房用空気が昇温する。この結果、車輌室内に温風が出
る。このようにして、燃焼式ヒータ9で暖められて高熱
になった機関冷却水がエンジン本体3のウォータジャケ
ットや室用ヒータ10へ流れ、その結果、エンジン1の
暖機促進、始動性向上およびヒータコア10の性能が向
上する。
【0064】次に、例えばエンジン始動時等、エンジン
1の吸気または触媒コンバータ29を早期に昇温させる
必要が生じた場合、燃焼式ヒータ9は次の作動する。図
3に示すように、弁装置78の作動によってバルブ80
が開き、その結果、燃焼ガス排出口65が開通する。続
いて、モータ92により回転ファン90が回転し吸気通
路14内を流れる吸気の一部を燃焼式ヒータ9の燃焼筒
40へ供給する。また、前記燃料ポンプ89が前記燃料
タンク内の燃料を吸い上げてこの吸い上げた燃料を燃料
導入通路88から燃焼筒40の前記ウイックに供給す
る。
【0065】そして、燃焼筒40のグロープラグに通電
され、回転ファン90によって供給された吸気と燃料導
入通路88から燃焼筒40に供給され、かつ前記ウイッ
クにて気化された気化燃料とからなる混合気が燃焼筒4
0内で燃焼される。
【0066】この燃焼により生じた高温の燃焼ガスは、
回転ファン90が回転することにより生ずる送風によっ
て燃焼室39をその燃焼ガス排出口65へ向けて流れ、
その後、燃焼ガス排出口65から燃焼ガス排出管73へ
排出される。
【0067】また、燃焼ガス排出口65の開通によっ
て、燃焼ガスのうちヒータ内部冷却水通路37を経由す
る前の燃焼ガスまたはヒータ内部冷却水通路37の一部
の領域を経由した燃焼ガスが燃焼ガス排出管73を経由
して吸気通路14に導入される。
【0068】なお、燃焼ガスのうちヒータ内部冷却水通
路37を経由する前の燃焼ガスとは、隔壁41の内面に
ほとんど接することなく燃焼ガス排出口65に向かう、
熱交換されない燃焼ガスのことであり(例えば図3の矢
印a1参照)、ヒータ内部冷却水通路37の一部の領域
を経由した燃焼ガスとは、隔壁41の内面に一部接する
ことにより、熱交換される量の少ない燃焼ガスのことで
ある(例えば図3の矢印a2参照)。このとき燃焼ガス
排出口63へ向けて流れる燃焼ガスもあるが、その量は
燃焼ガス排出口65へ向かって流れる燃焼ガスに比べて
少ない(例えば図3の矢印a3参照)。これは次の理由
による。
【0069】すなわち、弁装置78のバルブ80が開く
と、弁装置78内には燃焼室39内の燃焼ガス排出口6
5における燃焼ガスの圧力P0と同じか、ほぼ同じ圧力
P0がかかる。一方、燃焼室39を経由して連結管74
の始端74aに至った燃焼ガスの圧力P1は、燃焼室3
9を経由している間に圧力損失を受けるので前記圧力P
0よりも小さい。よって、燃焼室39を経由して圧力P
1になった燃焼ガスが連結管74を経由して吸気通路1
4に向けては流れにくくなり、圧力P1よりも高圧な圧
力P0の燃焼ガスの方が優先的に燃焼ガス排出管73を
経由して吸気通路14に向けて導入される。なお、燃焼
ガスを連結管74を介して燃焼ガス排出管73に導く場
合、連結管74を第1の燃焼ガス排出手段ということに
する。また、燃焼ガスを燃焼ガス排出口65を介して燃
焼ガス排出管73に導く場合、燃焼ガス排出口65を第
2の燃焼ガス排出手段ということにする。
【0070】前記燃焼ガス排出口65経由で燃焼ガス排
出管73に排出された高温の燃焼ガスは、やがて三方切
換弁86へ至る。次いで、燃焼ガスは、三方切換弁86
によって閉ざされていない方の経路へ流れる。すなわ
ち、燃焼ガス排出管73をそのまま通って吸気通路14
へ出るか、または分岐管84へ流れて排気通路27へ出
る。
【0071】ここで、前記燃焼ガス排出口65から排出
された燃焼ガスは、前記の通り、燃焼式ヒータ9内で機
関冷却水との熱交換が行われていないかあるいは熱交換
が行われていてもその交換量が少ない。このため、燃焼
ガス排出口65から排出された燃焼ガスは、燃焼ガス排
出口63から排出されて機関冷却水と熱交換が行われた
前記燃焼ガスに比べてかなり高温である。そこで、便宜
上、燃焼ガス排出口63に向けて流れることで機関冷却
水と熱交換が行われた燃焼ガスのことを水冷後燃焼ガス
といい、燃焼ガス排出口65に向けて流れることで前記
熱交換の行われなかった燃焼ガスのことを水冷前燃焼ガ
スという。
【0072】水冷前燃焼ガスを吸気通路14または排気
通路27における触媒コンバータ29の上流箇所C3へ
供給する。これにより、吸気または触媒コンバータ29
を早期に昇温できる。
【0073】図4は燃焼式ヒータ9に着火した直後の、
水冷前燃焼ガスおよび水冷後燃焼ガスのシリンダ内にお
ける温度特性を示すグラフ線図である。縦軸はそれら排
気の温度(ガス温度)を示し、横軸は燃焼式ヒータに着
火を行った後の経過時間を示す。図中、破線グラフは、
前記水冷前燃焼ガスの温度を示し、実線グラフは、水冷
後燃焼ガスの温度を示す。また、図中ほぼ中央にあって
横軸と平行な線は、エンジン1を低温始動させることが
可能な目安温度を示す低温始動目標値である。この実施
の形態では低温始動目標値はおよそ320℃としてあ
る。図4からわかることは、水冷前燃焼ガスは、水冷後
燃焼ガスに比べ、シリンダ内雰囲気温度を急速に高め、
よってシリンダ内温度が、一気に低温始動目標値に達す
ることがわかる。
【0074】よって、水冷前燃焼ガスがシリンダに供給
されると圧縮端温度が一気に高くなり、シリンダに供給
される燃料の気化が促進され、シリンダ内での混合気の
着火性の向上、換言すればエンジン1の始動性が高ま
る。
【0075】また、バルブ80の開閉は、前記例示のよ
うに吸気系に導入する燃焼ガスの熱量を吸気温度または
外気温度の少なくとも一方と機関温度とに基づいて制御
されるが、その場合、図5に示すように縦軸に外気温度
または/および吸気温度(以降、「外気温度等」とい
う。)を、横軸に機関温度(機関冷却水温度,シリンダ
壁温度)をとってなる外気温度等−機関温度線図を用い
ると好適である。
【0076】前記外気温度等−機関温度線図によれば、
外気温度等と機関温度とを追った場合に両者の交叉する
座標(交点)を外気温度等と機関温度とによって特定さ
れる値(以下、「特定値」という)とし、この特定値が
予め定めておいた基準線Gを境としてそのどちらの側に
あるかによって、バルブ80を開くか閉じるかを決定す
るようになっている。よって、外気温度等−機関温度線
図のことを、以降「バルブ開閉マップ」という。
【0077】この実施の形態では、基準線Gを境として
この基準線Gを含む原点側の領域(斜線を付した所定範
囲のこと)に特定値が属する場合にバルブ80を開き、
特定値が基準線Gを含まない反原点側に属する場合にバ
ルブ80を閉じるようにしてある。
【0078】さらに、前記特定値がバルブ80が開とな
る前記所定範囲内にあるときにおいて、前記弁装置78
の作動によりかつ前記燃焼ガス排出口65を介しての前
記吸気通路14への燃焼ガスの流れ量は、前記吸気温度
または前記外気温度の少なくとも一方と機関温度とが低
い程多くしてある。具体的には、図5の矢印a1が示す
方向、換言すれば原点方向に特定値があるほどバルブ8
0は開き(バルブ開度大)、図5の矢印a2が示す方
向、換言すれば反原点方向に特定値があるほどバルブ8
0は閉じる(バルブ開度小)。
【0079】したがって、バルブ開閉マップからわかる
ことは次の通り。 前記特定値が、矢印a1方向にある程バルブ80の開
き量が増えるため、燃焼ガス排出口65経由の吸気通路
14に供給される燃焼ガス量(燃焼ガスの熱量)が増加
する。
【0080】特定値が、矢印a2方向にある程バルブ
80の閉じ量が増え、所定範囲から出た所定範囲外に至
った場合にはバルブ80が完全に閉じる。このため、燃
焼ガス排出口65経由の吸気通路14に供給される燃焼
ガスの量が徐々に減少し、やがては(ゼロ)0になる。
【0081】ここで図1に戻る。前記ECU11は、双
方向性バスによって相互に接続された、中央処理制御装
置CPU、読み出し専用メモリROM、ランダムアクセ
スメモリRAM、入力インタフェース回路、出力インタ
フェース回路等から構成されている。そして、前記入力
インタフェース回路には図示の有無に拘わらず各種のセ
ンサが電気配線を介して接続され、前記出力インタフェ
ース回路には、EGR弁30,電動ウォータポンプ3
3,燃焼筒40のグロープラグ,弁装置78,三方切換
弁86,燃料ポンプ89,モータ92等が電気配線を介
して接続されている。
【0082】前記入力インタフェース回路に接続される
センサとしては、前記した水温センサ3aおよび温度セ
ンサ13a以外に、図示を省略した、吸気通路14に取
り付けられるエアフローメータ,触媒コンバータ29に
取り付けられる触媒温度センサ,アクセルペダルもしく
はアクセルペダルと連動して動作するアクセルレバー等
に取り付けられたアクセルポジションセンサ,イグニッ
ションスイッチ,スタータスイッチ等を例示できる。こ
れらセンサは、検出した検出値に相当する電気信号を出
力してECU11に送る。
【0083】ECU11は、前記した各種センサの出力
信号値に基づいてエンジン1の運転状態を判定する。そ
して、その判定結果に基づいて燃料噴射制御等エンジン
1全体の制御を行う。同時に燃焼式ヒータ9の出力制御
を行うべく、前記のように回転ファン90の回転数を制
御したり、燃料導入通路88から供給される燃料の量を
制御する。また、弁装置78の作動制御を行う。
【0084】次にECU11によって実行される本発明
に係る弁装置78の作動制御について、エンジン1を始
動する場合を例示して述べるエンジン1の始動時は、図
6に示すような弁装置78の作動制御ルーチンが実行さ
れる。
【0085】弁装置78の作動制御ルーチンでは、EC
U11は、S601においてエンジン1が始動クランキ
ング時かどうか、すなわち図示しないスタータモータが
ONかOFFかを判定する。肯定判定すればS602に
進み否定判定すればS606に進む。
【0086】S602では、ECU11は、例えば、機
関温度の一つであるウォータジャケット内の始動時の冷
却水温度(THW)および外気温度(THA)の読み込
みを、それぞれ前記水温センサ3aおよび温度センサ1
3aにより行う。
【0087】前記S603では、S602で求めた始動
時冷却水温度(THW)および外気温度(THA)に基
づいて、図5のバルブ開閉マップを検索し特定値を求
め、この特定値が所定範囲にあるかどうかでバルブ80
を開くか閉じるかの判定を行う。すなわち、バルブ80
の開閉状態を決定する。
【0088】S604では、S603での判定がバルブ
80を開く条件であったかどうか、換言すれば、両者の
交点(座標)が図5における前記所定範囲にあったかど
うかを判定する。S604で肯定判定したらS605に
進み、否定判定したらS606に進む。
【0089】S605では、バルブ80を開いて水冷前
燃焼ガスを燃焼ガス排出管73に流せるようにする。な
お、このとき三方切換弁86は水冷前燃焼ガスが吸気通
路14に流れるように制御されている。その後このルー
チンを終了する。バルブ80を開く場合は、水冷前燃焼
ガスの吸気通路14への流れが開始される。また、その
場合、特定値の位置によってバルブ80の開度をどれだ
けにするかが決まる。
【0090】一方、前記S601およびS604にて否
定判定した場合は、S606にてバルブ80を閉じ、水
冷前燃焼ガスが吸気通路14に流れないようにする。よ
って、吸気通路14への流れが停止する。その後このル
ーチンを終了する。
【0091】なお、前記ルーチンは、前記のようにエン
ジン1の始動時の場合を例示しており、外気温度(TH
A)および機関温度として始動時の冷却水温度(TH
W)の読み込みを行うものであるが、エンジン1が始動
時でない場合にも適用できるのはもちろんである。その
場合は、S601の判定ステップが省略され、他のS6
02以降のステップはそのまま適用できる。ただし、そ
の場合、前記S602において機関温度として用いた始
動時の冷却水温度から始動時という条件が無くなり、単
なる冷却水温度となる。また、エンジン1が始動時でな
い場合において、前記S602で行った、前記外気温度
(THA)および始動時の冷却水温度(THW)の代わ
りに、機関温度としてシリンダ壁温度を読み込んでもよ
いし、外気温度の代わりとして吸気温度を読み込む場合
も適用できる。さらには、前記した機関温度(冷却水温
度,シリンダ壁温度)と吸気温度および外気温度との読
み込みによっても適用できる。
【0092】次に本実施の形態の作用効果を述べる。エ
ンジン1では、外気温度等と機関温度とに基づいて、燃
焼式ヒータ9が機関吸気に供給する燃焼ガスの熱量を制
御する。それ故、外気温度等および機関温度の高低によ
って燃焼式ヒータ9から出る燃焼ガスの熱量が異なる。
【0093】例えば、外気温度等と機関温度とが高い場
合は、燃焼式ヒータ9が吸気に与える熱量を少なくし、
外気温度等と機関温度とが低い場合は、燃焼式ヒータ9
が吸気に与える熱量を多くする。
【0094】その他に、特定値が所定範囲にある場合、
その位置によってバルブ80の開度をどれだけにするか
が決まる。例えば外気温度等または機関温度のいずれか
一方が高くいずれか一方が低い場合は、外気温度と始動
時冷却水温度の両方がともに低い場合よりも、燃焼式ヒ
ータ9が吸気に与える熱の量を少なくする等、バルブ8
0の開度調整を行う。その開度調整に応じて燃焼式ヒー
タ9から出る燃焼ガスの量を調整できる。したがって、
例えば外気温度等も機関温度も低温の場合(図5でいえ
ば特定値が原点あるいはその近傍にある場合)であれ
ば、弁装置78のバルブ80を大きく開いて燃焼式ヒー
タ9から出る水冷前燃焼ガスを吸気通路14に送り、吸
気に含まれる熱量を多くして吸気温度を上げる。このよ
うにすることで、シリンダの圧縮端における温度を目標
圧縮端温度にまで一気に高められる。よって、着火が確
実になるため、機関始動時であれば始動性が高まる。
【0095】図7は、そのような効果をグラフで示すも
のであり、縦軸に圧縮端温度を、横軸に機関温度として
機関冷却水温度をとった圧縮端温度−機関冷却水温度線
図である。この圧縮端温度−機関冷却水温度線図は、機
関冷却水温度と吸気温度とが圧縮端温度に及ぼす影響を
示す。
【0096】図中、縦軸中央から横軸に平行に延びる太
線が目標圧縮端温度であり、この線図では目標圧縮端温
度が450℃であることを示す。また、図中に描いたグ
ラフ線1は、吸気温度が80℃の場合の圧縮端温度の変
化を、グラフ線2は吸気温度が25℃の場合の圧縮端温
度の変化を、グラフ線3は吸気温度が−25℃の場合の
圧縮端温度の変化を示している。
【0097】図7によれば、吸気温度の一番高いグラフ
線1は、グラフ線1よりも吸気温度の低いグラフ線2,
3に比べ、機関冷却水温度が低い場合でも圧縮端温度が
目標圧縮端温度を超えていることがわかる。
【0098】詳しくは、機関冷却水温度が0℃の場合で
見ると、グラフ線1の場合、圧縮端温度が450℃の目
標圧縮端温度以上のほぼ520℃に達しているので、機
関冷却水温度が0℃でも始動できることがわかる。これ
に対し、グラフ線2,3の場合は、機関冷却水温度が0
℃の場合、圧縮端温度が共に目標圧縮端温度に達してお
らず、グラフ線2の場合は圧縮端温度がほぼ440℃で
あり、グラフ線3の場合は圧縮端温度がほぼ380℃で
あることがわかる。このため、圧縮端温度が目標圧縮端
温度に達するのに、グラフ線2の場合は機関冷却水温度
がほぼ10℃にならなければならず、グラフ線3の場合
では機関冷却水温度がほぼ70℃を超える程にまで高ま
らなければならず、よってそれまで、グラフ線2,3の
場合は、機関が始動できないことがわかる。
【0099】これらグラフ線1,2,3の比較によっ
て、始動性を良好にするには、吸気温度と機関冷却水温
度が大きく影響していることがよくわかる。図5に戻
り、特定値が図5の基準線Gよりも反原点側にある場合
は、いずれの場合も吸気に含まれる熱量をそれほど必要
としなくても圧縮端における温度を目標圧縮端温度にま
で到達させられる運転状態にエンジン1があると判断
し、燃焼ガスの熱量を低減すべくバルブ80を完全に閉
じて水冷後燃焼ガスを連結管74経由で吸気通路14に
送る。その結果、必要以上に多い熱量を含んだ吸気がシ
リンダに供給されることがないので、吸気系構造物への
熱害の虞もない。
【0100】さらに 図示は省略するが、連結管74に
そこを流れる水冷後燃焼ガスの流れを制止する制止弁を
備えるようにし、前記バルブ80が開いて水冷前燃焼ガ
スが吸気通路14に案内されている時は前記制止弁を作
動し、これによって連結管74を閉鎖する。これにより
連結管74を介した吸気通路14への導入が完全に阻止
される。
【0101】すなわち、連結管74を介して吸気系に導
入される燃焼ガスは、水冷後燃焼ガスであるから熱量が
機関冷却水に吸収されて低温化している。しかし、その
低温な燃焼ガスの吸気通路14への進行が制止弁によっ
て完全に阻止されるので、吸気通路14には高熱な水冷
前燃焼ガスのみが供給されることとなる。よって、外気
がかなり低温な時でも吸気の温度を一気に高められる。
【0102】さらに、触媒コンバータ29を昇温させる
必要が発生した場合は、前記水冷前燃焼ガスを三方切換
弁86の切換えにより触媒コンバータ29へ向けて供給
することで、触媒コンバータ29を所望の温度まで早期
に昇温させることが可能となり、一層の排気エミッショ
ンを向上させることができる。
【0103】その際、吸気絞り弁23を作動させてエン
ジン1から触媒コンバータ29へ流れる排気の量を減少
させることにより、低負荷運転時等の低温排気による触
媒コンバータ29の温度低下を抑制できる。このため、
燃焼式ヒータ9の燃焼ガスによる触媒コンバータ29の
昇温率を一層向上させることが可能となる。
【0104】また、燃焼式ヒータ9の空気供給管71と
吸気通路14との接続箇所C1と、燃焼ガス排出管73
と吸気通路14との接続箇所C2とをインタークーラ1
9の下流において、両箇所C1およびC2を近接して配
置したため、接続箇所C1と接続箇所C2との間で生じ
る圧力差は、ないかあるいは極めて小さくなる。このた
め、吸気通路14から燃焼ガス排出管73に向けて燃焼
ガスが逆流してしまうことはない。よって、燃焼ガスが
失火してしまうこともない。また、吸気通路14におけ
る燃焼式ヒータ9の接続箇所C1およびC2がコンプレ
ッサ15aやインタークーラ19よりも下流にあるの
で、それらには高熱な水冷前燃焼ガスが流れない。した
がって、インタークーラ19やコンプレッサ15a等へ
の熱害の心配もない。また、高熱な水冷前燃焼ガスがイ
ンタークーラ19やコンプレッサ15a等へ流れないの
で、燃焼ガスの持つ熱がインタークーラ19やコンプレ
ッサ15aによって吸収されてしまうことがない。この
ため、高熱な燃焼ガスをシリンダや触媒コンバータ39
に供給できる。よって、暖機性を高めかつ触媒の活性化
が速まる。
【0105】また、吸気絞り弁23を前記箇所C1およ
びC2との間に配置することも考えられる。この場合、
吸気絞り弁23が燃焼ガスの吸気通路14に入る前記箇
所C2よりも上流にあるので、燃焼ガスによる吸気絞り
弁23の熱害を回避できる。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の燃焼式ヒ
ータを有する内燃機関によれば、燃料を燃焼して発生す
る燃焼ガスを内燃機関に導入し、前記燃焼ガスに含まれ
る熱を利用して前記内燃機関の吸気の温度を高める燃焼
式ヒータを有する内燃機関において、シリンダ内での着
火を確実に行って始動性を良好にするとともに吸気系構
造物への熱害の虞もないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼式ヒータを有する内燃機関の概略
構成図
【図2】燃焼式ヒータの作動状態を示す断面図
【図3】燃焼式ヒータの別の作動状態を示す断面図
【図4】燃焼式ヒータの着火直後の排気温度特性を水冷
前燃焼ガスと水冷後燃焼ガスとで比較して示すグラフ線
【図5】外気温度等−機関温度線図
【図6】弁装置の作動制御ルーチンを示すフローチャー
【図7】圧縮端温度−機関冷却水温度線図
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関) 3…エンジン本体(昇温の必要な箇所) 3a…水温センサ 5…吸気装置 7…排気装置 8…EGR装置 9…燃焼式ヒータ(昇温の必要な箇所) 10…ヒータコア(昇温の必要な箇所) 11…ECU 13…エアクリーナ 13a…温度センサ 14…吸気通路(吸気系) 15…ターボチャージャ 15a…コンプレッサ 15b…タービン 19…インタークーラ 22…インテークマニホールド 23…吸気絞り弁 27…排気通路 28…エキゾーストマニホールド 29…触媒コンバータ 30…EGR弁 31…冷却水導入通路 32…冷却水排出路 33…電動ウォータポンプ 37…ヒータ内部冷却水通(熱交換領域) 37a…冷却水導入口 37b…冷却水排出口 39…燃焼室 40…燃焼筒 41…隔壁 42…外壁 62…空気供給口 63…燃焼ガス排出口 65…燃焼ガス排出口(第2の燃焼ガス排出手段) 71…空気供給管 73…燃焼ガス排出管 74…連結管(第1の燃焼ガス排出手段) 74a…連結管74の始端 78…弁装置(燃焼ガス流量制御手段) 80…バルブ 82…アクチュエータ 84…分岐管 86…三方切換弁 88…燃料導入通路 89…燃料ポンプ 90…回転ファン 92…モータ 93…ハウジング 95…空気取入口 C1…空気供給管71と吸気通路14との接続箇所 C2…燃焼ガス排出管73と吸気通路14との接続箇所 C3…触媒コンバータ29の上流側近傍箇所 F…火炎 G…基準線 P1…連結管74の始端74aにおける水冷後燃焼ガス
の圧力 P0…燃焼ガス排出口65における水冷前燃焼ガスの圧
力 S…ハウジング93の内部空間 W…熱媒体循環路 a1…燃焼ガス(熱交換領域を経由する前の燃焼ガス) a2…燃焼ガス(熱交換領域の一部の領域を経由した燃
焼ガス) a3…燃焼ガス(熱交換された燃焼ガス)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を燃焼して発生する燃焼ガスを内燃
    機関の吸気系に導入し、前記燃焼ガスに含まれる熱を利
    用して前記内燃機関の吸気の温度を高める燃焼式ヒータ
    を有する内燃機関において、 前記吸気系に導入する燃焼ガスの熱量を吸気温度または
    外気温度の少なくとも一方と機関温度とに基づいて制御
    することを特徴とする燃焼式ヒータを有する内燃機関。
  2. 【請求項2】 燃料を燃焼して発生する燃焼ガスを内燃
    機関の吸気系に導入し、前記燃焼ガスに含まれる熱を利
    用して前記内燃機関の吸気の温度を高める燃焼式ヒータ
    を有する内燃機関において、 前記燃焼ガスの熱を前記内燃機関その他の昇温の必要な
    個所に伝達する仲介物としての熱媒体と前記燃焼ガスと
    の間で熱交換を行う熱交換領域と、 この熱交換領域の全域で熱交換された燃焼ガスを前記吸
    気系へ向けて排出する第1の燃焼ガス排出手段と、 燃焼式ヒータから排出された燃焼ガスのうち前記熱交換
    領域を経由する前の燃焼ガスまたは前記熱交換領域の一
    部の領域を経由した燃焼ガスを前記吸気系へ向けて排出
    する第2の燃焼ガス排出手段と、 前記第1の燃焼ガス排出手段および前記第2の燃焼ガス
    排出手段の少なくとも一方の燃焼ガス排出手段によって
    前記吸気系に排出される燃焼ガスの熱量を、吸気温度ま
    たは外気温度の少なくとも一方と機関温度とに基づいて
    制御することを特徴とする燃焼式ヒータを有する内燃機
    関。
  3. 【請求項3】 前記燃焼式ヒータから排出された燃焼ガ
    スのうち前記第2の燃焼ガス排出手段によって前記吸気
    系に排出される燃焼ガスの流れ量を制御する燃焼ガス流
    量制御手段を備え、 この燃焼ガス流量制御手段は、前記吸気温度または前記
    外気温度の少なくとも一方と前記機関温度とによって特
    定される特定値に基づいて作動し、 この特定値が所定範囲内にあるときは前記燃焼ガス流量
    制御手段の作動によりかつ前記第2の燃焼ガス案内手段
    を介して前記吸気系へ前記燃焼ガスを流し、 前記特定値が所定範囲外にあるときは前記燃焼ガス流量
    制御手段の作動により前記第2の燃焼ガス案内手段を介
    しての前記吸気系への前記燃焼ガスの流れを停止するこ
    とを特徴とする請求項2記載の燃焼式ヒータを有する内
    燃機関。
  4. 【請求項4】 前記特定値が前記所定範囲内にあるとき
    において、前記燃焼ガス流量制御手段の作動によりかつ
    前記第2の燃焼ガス排出手段を介しての前記吸気系への
    前記燃焼ガスの流れ量は、前記吸気温度または前記外気
    温度の少なくとも一方と機関温度とが低い程多くし、高
    い程低くすることを特徴とする請求項3記載の燃焼式ヒ
    ータを有する内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記第1の燃焼ガス排出手段は、この第
    1の燃焼ガス排出手段を経由して前記吸気系に導入され
    る燃焼ガスの流れを制止する制止弁を有し、 前記燃焼ガスが前記第2の燃焼ガス排出手段を介して前
    記吸気系に排出されているときは、前記制止弁を作動し
    て、前記第1の燃焼ガス排出手段による前記燃焼ガスの
    前記吸気系への導入を阻止することを特徴とする請求項
    4記載の燃焼式ヒータを有する内燃機関
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