JP2000238907A - ベルトコンベヤのベルトストレージユニット - Google Patents

ベルトコンベヤのベルトストレージユニット

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誠 井上
Masaaki Sakamoto
公明 阪本
Koji Noguchi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】小断面トンネルであっても仮設スタータトンネ
ルの構築を不要にする。 【構成】本発明のベルトストレージユニット1は、ユニ
ットフレーム2内に一対のプーリ取付体3a、3bを対
向位置に配設してあり、一方のプーリ取付体3aはユニ
ットフレーム2に固定され、他方のプーリ取付体3bは
該ユニットフレームに可動自在に取り付けてある。一対
のプーリ取付体3a、3bにはそれぞれ複数のプーリ4
a、4bを並設してある。一方、ユニットフレーム2の
両側面にはベルト引張機構としての一対の油圧アクチュ
エータ12、12を装備してある。そして、各油圧アク
チュエータ12のピストンロッド7先端に取り付けられ
たワイヤシーブ8とユニットフレーム2の出隅部に取り
付けられたワイヤーシーブ9との間にワイヤ10を巻回
し、該ワイヤの先端を、シーブ11を経由させてからプ
ーリ取付体3bに連結してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として数km〜
数十kmの長大なベルトコンベヤで使用されるベルトス
トレージユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】ベルトコンベヤは、土木や建築の分野で
広く使用されてきた運搬機械であり、運搬対象物として
は、骨材、セメント、掘削ずりなど広い範囲に及ぶが、
古くからあるものは運搬距離にして数mの可搬式のもの
が多かった。
【0003】一方、例えば山岳トンネルの掘削作業で生
じた掘削ずりを運搬搬出する場合、機関車とトロを組み
合わせたレール方式や、ダンプトラックなどの車両を用
いるタイヤ方式が主流であったが、レール方式ではレー
ルの維持保守にコストを要したり、タイヤ方式では入出
坑、実車・空車の入換え、方向転換などに難点があって
大断面トンネルでしか使えないといった問題がある。
【0004】かかる状況下、最近では、人手をかけるこ
となく長期間にわたってしかも大量の土を長距離搬送可
能な長さ数十kmにも及ぶ大型のベルトコンベヤも開発
されるようになってきた。
【0005】かかるベルトコンベヤを用いれば、トンネ
ルの規模によっては、従来のレール方式やタイヤ方式よ
りも低コスト・高効率で掘削ずりを搬出することができ
る。
【0006】ベルトコンベヤは、一般的には、両端に設
けられたテールプーリとヘッドプーリにエンドレスベル
トを掛け、数m間隔で配置したアイドラでベルトを支持
するとともに、返り側のベルトについてはリターンロー
ラでこれを支持し、ベルト駆動用モータを機首側、ある
いは積荷側(尾端側)に設けて構成することが多い。
【0007】ここで、トンネル掘進作業が進行するにつ
れてベルトコンベヤの必要搬送距離も延びるため、該ベ
ルトコンベヤのベルトもそれに応じて繰り出して延ばし
てやる必要がある。
【0008】かかるベルト延伸装置はベルトストレージ
ユニットと呼ばれており、内部に蓄積しておいたベルト
をトンネル掘進作業に合わせて繰り出すことでベルトを
延伸させることができるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここで、従来のベルト
ストレージユニットは、長大なベルトコンベヤに対応す
べく、300mを上回る巻取り能力を有しているものが
ほとんどであるが、その反面、巻取り能力を確保する関
係上、その規模は高さが2〜3m、長さが60mを超
え、設置形態も水平据置き型にせざるを得ない。
【0010】したがって、トンネル内への設置が困難な
小断面トンネルにおいては、図6に示すように、立坑5
1を挟むトンネル52の対向位置に60mを超える仮設
のスタータトンネル53を掘削し、その中にベルトスト
レージユニット54を設置しなければならず、工期短縮
や工事コストの低減を図る上で大きな障害となってい
た。
【0011】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、小断面トンネルであっても仮設のスタータト
ンネルを構築する必要がないベルトコンベヤのベルトス
トレージユニットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るベルトコンベヤのベルトストレージユ
ニットは請求項1に記載したように、プーリがそれぞれ
複数並設された一対のプーリ取付体をユニットフレーム
内の対向位置にそれぞれ配設するとともに、該一対のプ
ーリ取付体のうち、一方を前記ユニットフレームに対し
て固定し、他方を可動自在に構成してそれらの相対距離
を調整自在とし、該他方のプーリ取付体にベルト引張機
構を連結して前記一方のプーリ取付体との間で交互に掛
け渡されたベルトに張力を付与するように構成したもの
である。
【0013】本発明に係るベルトコンベヤのベルトスト
レージユニットにおいては、ユニットフレームに一対の
プーリ取付体を対向位置に取り付けてあり、それらのう
ち、一方のプーリ取付体はユニットフレームに固定さ
れ、他方のプーリ取付体は、該ユニットフレームに可動
自在に取り付けてある。そして、これら一対のプーリ取
付体にはベルトが交互に掛け渡してある。
【0014】このようにすると、他方のプーリ取付体が
一方のプーリ取付体の方向に移動することによって、そ
の移動距離に応じた長さのベルトが繰り出される。そし
て、その繰出し動作の際、ベルト引張機構の作用によっ
てベルトに張力が付与されるので、他方のプーリ取付体
の移動によるベルトの緩みは未然に防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るベルトコンベ
ヤのベルトストレージユニットの実施の形態について、
添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的
に同一の部品等については同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0016】図1は、本実施形態に係るベルトコンベヤ
のベルトストレージユニットを示した正面図及び側面図
である。これらの図でわかるように、本実施形態のベル
トストレージユニット1は、鋼材等を用いて直方体状に
枠組みされたユニットフレーム2内に一対のプーリ取付
体3a、3bを対向位置に配設してあり、一方のプーリ
取付体3aは、溶接等でユニットフレーム2に固定さ
れ、他方のプーリ取付体3bは、該ユニットフレームに
可動自在に取り付けてある。
【0017】すなわち、プーリ取付体3bが同図矢印に
示す方向に移動することによって、プーリ取付体3aと
の相対距離を調整できるようになっている。なお、プー
リ取付体3bは、プーリ取付体3aに対して平行な姿勢
のまま、並進移動するように構成しておく。
【0018】かかるプーリ取付体3bの可動構造として
は、例えば該プーリ取付体の両端に走行用ローラ(図示
せず)を取り付けるとともに該走行用ローラをユニット
フレーム2の内側に設けた走行用ガイド(図示せず)に
嵌め込む構成とすることができる。
【0019】一対のプーリ取付体3a、3bにはそれぞ
れ複数のプーリ4a、4bを並設してあり、かかる構成
により、ユニットフレーム2の外方から引き込まれたベ
ルト5は、プーリ6を経て同図(a)で言えば上方へと導
かれた後、プーリ取付体3bの左端に設けられたプーリ
4bに巻回され、これをプーリ取付体3aの左端に設け
られたプーリ4aに巻回し、以下、順次、プーリ4b、
プーリ4aと右方向に交互に掛け渡され、最後にプーリ
13を経てユニットフレーム2の外方へと繰り出され
る。
【0020】ここで、ユニットフレーム2内に蓄積、収
容あるいは巻取り可能なベルト5の長さは、プーリ取付
体3bの可動距離、いわばキャリアストロークL(図
2)にベルト5の掛渡し数を乗じたものとなる。したが
って、ユニットフレーム2の全長、キャリアストローク
L、あるいはプーリ4aやプーリ4bの個数は、ベルト
5の必要蓄積長さに応じて適宜設定すればよい。具体的
には、ベルト5の蓄積長さが200m程度でよいのであ
れば、同図に示したベルト巻回状態では、ユニットフレ
ーム2の全長を例えば15〜17m程度、全幅を3〜4
m程度、キャリアストロークLを12〜14m程度に抑
えることができる。
【0021】一方、ユニットフレーム2の両側面にはベ
ルト引張機構としての一対の油圧アクチュエータ12、
12を装備してある。そして、各油圧アクチュエータ1
2のピストンロッド7先端に取り付けられたワイヤシー
ブ8とユニットフレーム2の出隅部に取り付けられたワ
イヤーシーブ9との間にワイヤ10を巻回し、該ワイヤ
の先端を、シーブ11を経由させてからプーリ取付体3
bに連結してある。かかる構成においては、ピストンロ
ッド7に引張力を与えつつ伸ばすことによって、ベルト
5が繰り出される際に該ベルトに張力を付与することが
可能となる。
【0022】なお、油圧アクチュエータ12は、キャリ
アストロークLの範囲内でのプーリ取付体3bの移動を
妨げることがないよう、ワイヤ10の巻回数を適宜考慮
してピストンロッド7のストロークを適宜設定する。
【0023】本実施形態に係るベルトコンベヤのベルト
ストレージユニット1においては、ユニットフレーム2
に一対のプーリ取付体3a、3bを対向位置に取り付け
てあり、それらのうち、一方のプーリ取付体3aはユニ
ットフレーム2に固定され、他方のプーリ取付体3b
は、該ユニットフレームに可動自在に取り付けてある。
そして、これら一対のプーリ取付体3a、3bには、上
述したようにベルト5が交互に掛け渡してある。また、
ベルト5には、ベルト引張機構である油圧アクチュエー
タ12の作用によって常に所定の張力が付与されてい
る。
【0024】かかる状態で、例えばトンネル内のベルト
コンベヤのヘッド側が切羽方向に移動すると、その移動
に伴って、プーリ取付体3bは、図2に示すようにキャ
リアストロークLを限度としてプーリ取付体3aの方向
に移動し、その移動距離に応じた長さ分だけベルト5を
外方へとスムーズに繰り出すとともに、ベルト引張機構
としての各油圧アクチュエータ12がピストンロッド
7、ワイヤシーブ8、ワイヤ10、ワイヤシーブ9、1
1及びプーリ取付体3bを介してベルト5に張力を付与
するので、ベルト5がその繰出し動作の際に緩むことは
ない。
【0025】以上説明したように、本実施形態に係るベ
ルトコンベヤのベルトストレージユニット1によれば、
プーリ取付体3bがプーリ取付体3aの方向に移動する
ことによって両者の相対距離、ひいてはベルト5の蓄積
長さが変化し、その変化分に応じた長さだけ、ベルト5
が外方へと繰り出されるとともに、かかる繰出し動作の
際には、油圧アクチュエータ12によってベルト5に張
力が付与される。
【0026】したがって、従来のベルトストレージユニ
ットと同様、ベルト5を緩ませることなく、ベルトコン
ベヤのヘッド部分の移動に応答する形で該ベルトを外方
へと繰り出すことが可能となる。
【0027】また、本実施形態に係るベルトコンベヤの
ベルトストレージユニット1によれば、プーリ取付体3
a、3bに複数のプーリ4a、4bを並設し、それらの
うち、プーリ取付体3bを可動自在とすることで、複数
のプーリ4bを同時移動させることが可能となるととも
に、その結果として、繰出し速度が大きい場合であって
も、ベルト5をスムーズに外方へと繰り出すことが可能
となる。
【0028】また、本実施形態に係るベルトコンベヤの
ベルトストレージユニット1によれば、プーリ取付体3
bに複数のプーリ4bをまとめて並設するようにしたの
で、プーリ4bを個別に移動させる場合に比べて、移動
機構や移動構造を大幅に簡略化することが可能となり、
その結果として、ストレージユニットの小型化が可能と
なり、可搬性にも優れたものを製作することができる。
【0029】具体的には、ベルト5の蓄積長さが例えば
200m程度であれば、ユニットフレーム2の全長を1
5m程度に抑えることができるとともに、その厚みにつ
いては、図1の側面図でよくわかるように、ベルト5の
幅よりも若干大きい寸法、例えば、1.5m程度に抑え
ることが可能となる。
【0030】したがって、従来のように、立坑51を挟
むトンネル52の対向位置に長さ60mものスタータト
ンネル53を掘削せずとも、例えば、図3に示すよう
に、立坑51の内面に沿ってストレージユニット1を鉛
直配置するだけで足りる。
【0031】また、本実施形態のベルトストレージユニ
ット1が小型軽量でかつ可搬性に富むという性質を利用
すれば、スタータトンネルの掘削や広い用地の確保を行
うことなく、複数台を容易に分散配置することが可能と
なり、所望のベルト蓄積長さを確保することも可能とな
る。
【0032】図4(a)は、一台目のベルトストレージユ
ニット1を立坑51の内面に沿って鉛直配置するととも
に、二台目のベルトストレージユニット1を地上に水平
配置し、一台目のベルトストレージユニット1からのベ
ルト5を二台目のベルトストレージユニット1に通した
上で、方向転換用プーリを適宜用いながらトンネル内に
戻す例を示したものであり、同図(b)は、2台とも地上
に設置した例を示したものである。これらの例では、単
独使用の場合に比べてベルト蓄積長さをそれぞれ2倍に
増やすことが可能となる。なお、ベルトストレージユニ
ット1を地上に設置する場合には、必要に応じて同図に
示すような防音ハウス21を設置するのが望ましい。
【0033】図5は、図4(a)で示した配置状況を示し
た斜視図であり、トンネル52からのベルト5を、4つ
の転向プーリ31a、31b、31c、31dを用いな
がら、縦置き及び横置きされた二台のストレージユニッ
ト1、1に順次通し、再びトンネル52内に戻す例を示
している。
【0034】なお、同図には、トンネル52からベルト
5で搬送されてきた掘削ずりをトンネル出口で載せ替え
るためのベルトコンベヤ32と、該ベルトコンベヤで搬
送されてきた掘削ずりを載せ替えて地上に搬出するため
の垂直ベルトコンベヤ33も併せて示してあり、ベルト
5は、ベルトコンベヤ32の下方をくぐり抜ける形でト
ンネル52内と各ストレージユニット1とを行き来する
こととなる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る本発
明のベルトコンベヤのベルトストレージユニットによれ
ば、可動自在な他方のプーリ取付体が固定された一方の
プーリ取付体の方向に移動することによって両者の相対
距離、ひいてはベルトの蓄積長さが変化し、その変化分
に応じた長さだけ、ベルトが外方へと繰り出されるとと
もに、かかる繰出し動作の際には、ベルト引張機構によ
ってベルトに張力が付与される。
【0036】したがって、従来のベルトストレージユニ
ットと同様、ベルトを緩ませることなく、ベルトコンベ
ヤのヘッド部分の移動に応答する形で該ベルトを外方へ
と繰り出すことが可能となる。また、複数のプーリを同
時移動させることが可能となるため、繰出し速度が大き
い場合であっても、ベルトをスムーズに外方へと繰り出
すことが可能となる。
【0037】また、プーリ取付体に複数のプーリをまと
めて並設するようにしたので、プーリを個別に移動させ
る場合に比べて、移動機構や移動構造を大幅に簡略化す
ることが可能となり、その結果として、ストレージユニ
ットの小型化が可能となり、可搬性にも優れたものを製
作することができる。
【0038】したがって、従来のようなスタータトンネ
ルを掘削せずとも、例えば立坑の内面に沿って鉛直配置
することが可能となるとともに、かかる小型軽量でかつ
可搬性に富むという性質を利用することにより、スター
タトンネルの掘削や広い用地の確保を行うことなく、複
数台を容易に分散配置して所望のベルト蓄積長さを確保
することも可能となる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るベルトストレージユニットの
図であり、(a)は正面図、(b)はA―A線方向から見た側
面図。
【図2】本実施形態に係るベルトストレージユニットの
作用を示した正面図。
【図3】本実施形態に係るベルトストレージユニットの
配置状況を示した概略図。
【図4】本実施形態に係るベルトストレージユニットの
配置状況を示した概略図。
【図5】本実施形態に係るベルトストレージユニットの
配置状況を示した斜視図。
【図6】従来技術におけるベルトストレージユニットの
配置状況を示した概略図。
【符号の説明】
1 ベルトストレージユニッ
ト 2 ユニットフレーム 3a、3b プーリ取付体 4a、4b プーリ 5 ベルト 12 油圧アクチュエータ(ベ
ルト引張機構)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 宏治 大阪府枚方市招提大谷1−1−1 株式会 社大林組大阪機械工場内 Fターム(参考) 2D054 DA02 3F023 AA01 AB02 BA02 BB01 BC01 BC08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プーリがそれぞれ複数並設された一対の
    プーリ取付体をユニットフレーム内の対向位置にそれぞ
    れ配設するとともに、該一対のプーリ取付体のうち、一
    方を前記ユニットフレームに対して固定し、他方を可動
    自在に構成してそれらの相対距離を調整自在とし、該他
    方のプーリ取付体にベルト引張機構を連結して前記一方
    のプーリ取付体との間で交互に掛け渡されたベルトに張
    力を付与するように構成したことを特徴とするベルトコ
    ンベヤのベルトストレージユニット。
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