JP2000237771A - 触媒反応による液処理方法 - Google Patents

触媒反応による液処理方法

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catalyst particles
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Shigeo Uchida
重男 内田
Seichi Okamura
静致 岡村
Shorei Maezawa
昭礼 前澤
Warushito
ワルシト
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Masahiko Yano
正彦 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液処理において、触媒粒子である二酸化チタ
ン粒子の微粒子化により反応効率を上げるとともに、反
応終了後の粗粒子化により触媒回収性が改善された触媒
反応方法を提供する。 【解決手段】 反応槽内の液中にて、触媒粒子と、該触
媒粒子とは異なる粒径,比重を有するガラスビーズとを
混合し、高周波数の超音波により触媒粒子を微粒化して
分散させるとともに、光照射による光酸化反応を行った
後、低周波数の超音波により微粒化した粒子を凝集沈降
させることを特徴とする超音波を用いた触媒反応による
液処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を利用した
触媒反応による廃液等の処理方法に関する。さらに詳し
くは、微小粒径触媒の分散と回収を実現する技術に関
し、その応用分野は、液中の微小粒径粒子の分散と回収
を再帰的に行う処理に用いることができ、より具体的に
は、例えば「超音波沈降促進反応槽」や「超音波分散相
沈降促進装置」などに好適に用いられる触媒反応による
液処理方法である。
【0002】
【従来の技術】廃液処理方法としては、光酸化触媒によ
る光酸化処理がある。光酸化触媒として粒状触媒を用い
る場合には、触媒面積が大きく、かつ反応効率の面でも
微小粒径の触媒が有利である。そして、粒状の二酸化チ
タン触媒を用いた光酸化処理では、下記要件を満たす技
術が望まれている。 反応効率の向上のため、触媒面積の拡大 → 微粒子化 光照射領域の確保 → 微粒子化 粒子分散の安定化 → 微粒子化、水の比重への近似 反応終了後の触媒回収性の改善 → 粗粒子化、比重の増大(減少 ) 触媒粒子である二酸化チタン粒子には、反応効率面では
上記のように微粒子化が期待され、一方、回収性では粗
粒子化が期待されてきた。
【0003】ところが、これら両方の側面を同時に満足
させる手法がなく、現在では下記の2つの手法が用いら
れていた。 a) 触媒粒子の比重を重く(あるいは軽く)し、曝気と
攪拌によって液中に分散させて光酸化反応を行う。反応
終了後、曝気と攪拌を止めて、触媒粒子を静置沈降(あ
るいは浮上)させて、処理水を排水する廃水処理方法又
はその装置。 b) 光酸化反応効率を上げるために触媒粒子を細かく
し、曝気をしながら反応を行い、反応終了時に膜処理
(クロスフロー方式)により、触媒の流出を防ぎながら
排水する廃液処理方法又はその装置。 しかしながら、上記a)の方法(又は装置)では、上記要
件のうち、触媒面積の拡大、光照射領域の確保、お
よび粒子分散の安定化の各要求を満たさず、上記b)の
方法(又は装置)では、高価な膜処理が必要になってし
まう問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点に鑑み、触媒粒子である二酸化チタン粒子の微粒子
化により反応効率を上げるとともに、反応終了後の粗粒
子化により触媒回収性が改善された触媒反応方法を開発
すべく、鋭意検討した。その結果、本発明者らは、反応
槽内に触媒粒子とは異なる粒径・比重のガラスビーズを
混合することで、分散と凝集沈降を再帰的に実現させる
ことによって、かかる問題点が解決されることを見い出
した。本発明は、かかる見地より完成されたものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、反
応槽内の液中にて、触媒粒子と、該触媒粒子とは異なる
粒径,比重を有するガラスビーズとを混合し、高周波数
の超音波により触媒粒子を微粒化して分散させるととも
に、光照射による光酸化反応を行った後、低周波数の超
音波により微粒化した粒子を凝集沈降させることを特徴
とする超音波を用いた触媒反応による液処理方法を提供
する。ここで、低周波数の超音波による粒子の凝集沈降
は、例えば光酸化反応終了の直後に行うことができる。
本発明では、触媒粒子の混合された光酸化反応槽に、超
音波照射周波数を適切に制御することで、従来技術に望
まれる上記〜の要件を全て満たす方法あるいは装置
を提供できるのである。より具体的には、例えば光酸化
反応の直前に高い周波数(例えば100kHz)の超音波により
触媒粒子を微粒化して分散させた後、反応終了の際に低
い周波数(例えば26kHz)の超音波により微粒化した粒子
を凝集沈降させることにより行われる。この際、単に触
媒粒子のみの状況下では、再帰的に分散と凝集沈降を行
うことができないが、本発明では、反応槽内に触媒粒子
とは異なる粒径・比重のガラスビーズが混合されている
ので、分散と凝集沈降を再帰的に実現することができ
る。
【0006】本発明によれば、触媒粒子の混合された光
酸化反応槽に、超音波照射周波数を適切に制御すること
で、反応直前における触媒粒子の微細化により、触媒
面積の拡大による反応効率の向上、光照射領域の確
保、粒子分散の安定化が図れるとともに、反応終了後
の粗粒子化により、触媒回収性の改善が可能となるよ
うな方法あるいはその方法を用いた装置を提供できる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、例えば光酸化反応の
直前に高周波数(例えば100kHz)の超音波により触媒粒子
を微粒化して分散させ、反応終了時に低周波数(例えば2
6kHz)の超音波により微粒化した粒子を凝集沈降させ
る。この際、単に触媒粒子のみの状況下では、再帰的に
分散と凝集沈降を行うことができない。よって、本発明
では、反応槽内に触媒粒子とは異なる粒径・比重のガラ
スビーズを混合することで、分散と凝集沈降を再帰的に
実現する。分散により光酸化処理によるほぼ完全な無機
化が可能になるとともに、凝集により触媒の効率的な回
収が可能になる。
【0008】先ず、廃液等の無機化(光酸化処理等)の
段階について、図1を参照しながら説明する。光触媒処
理において、TOC(Total Organic Carbon: 全有機体
炭素)の減少を観測すると、反応開始後6時間程度で減
少が頭打ちになる。このことは、光プロセスでは中間生
成物のうち、親水性のものだけが触媒表面に吸着しやす
いため、疎水性の中間生成物が相当時間経過後も分解で
きずに残ることに起因すると考えられる(紫外線プロセ
スA)。一方、強力超音波照射による分解では、キャビ
テーションバルブ内での燃焼(あるいは熱分解)がTO
C減少に寄与している。中間生成物のうち、疎水性のも
のがキャビテーションバルブに入ることができ、この部
分が無機化されるものと考えられる(超音波プロセス
B)。また、親水性の中間生成物は、ラジカル反応によ
る分解に依らなければならないが、これでは非常に低効
率である。したがって、本発明では、紫外線の光プロセ
スAおよび超音波のプロセスBの両方を併用することに
よって、TOCをゼロ(完全無機化)に近くする。
【0009】次に、触媒の凝集による回収について説明
する。光酸化処理では、分解処理後の触媒の回収が大き
な問題である。この欠点を補う方法の1つに、ITOガ
ラス板に触媒を担持させる方法があるが、触媒表面積が
小さいため、反応器あたりの分解速度は遅い。この反応
を促進させる方法については、これまでも種々の提案が
なされている。懸濁系では、粒子径の大きな触媒を用い
て、反応終了後、自然に沈降させる手法が考えられる。
反応時の攪拌により粒子が壊れた場合、懸濁物は濾過に
より回収しなければならない。しかし、チタン粉末を完
全に濾過するためには、数〜10数μmメッシュの濾過
膜を使用する必要があり、現実的ではない。そこで本発
明では、「光→音」連続処理を考える上で、光プロセス
によるチタン粉末含有残液に超音波を照射するが、この
際、周波数を操作すること等を行うこととし、これによ
って、粉末触媒を凝集させ、容易にチタン粉末を回収さ
せることができる。以下、本発明の実施の形態について
詳細に説明する。
【0010】実施の形態(その1) 図4は、本発明の方法を実施するのに用いることができ
る装置の概略図であり、この図を参照しながら操作順に
説明する。 1)廃液等は、反応槽への供給口6から光酸化反応槽1
に適量が給水される。 2)光酸化反応による液処理の準備として、超音波発振
器3の高い周波数設定(例えば100kHz)により振動子2か
ら超音波を照射し、二酸化チタン微粒子9を安定的に分
散させる。 3)紫外線(UV)ランプ10を点灯し、エアコンプレ
ッサ5から反応槽1に空気を供給し、曝気フィルタ4よ
り液中に曝気する。
【0011】4)二酸化チタン触媒微粒子9と、UVラ
ンプ10と、曝気フィルタ4から曝気された酸素との相
乗効果により、反応槽1中で光酸化反応が進行して、廃
液中の有機物が分解される。すなわち、廃液中に混合さ
れた二酸化チタン微粒子9は、曝気フィルタから供給さ
れる酸素と、紫外線(UV)ランプより照射される紫外
線によって、二酸化チタン触媒粒子表面では光酸化反応
が起こり、廃液中の有機化合物を分解する。この際、ガ
ラスビーズは、反応槽下部に沈降した状態になってお
り、光酸化反応で必要な光の阻害要因とはならない。 5)廃液中の有機物の分解に必要な時間経過後、超音波
発振器3の低い周波数設定(例えば26kHz)により振動子
2から超音波を照射する。ここで、光酸化反応終了後の
廃液中の微粒子は、そのままでは安定に分散している
が、異なる粒径・比重のガラスビーズとの混合状態で、
超音波振動子より低い周波数の超音波照射(26kHz)によ
り凝集して沈降する。一旦、凝集沈降した微粒子は、高
い周波数の超音波照射(100kHz)により再分散させること
ができる。
【0012】6)液中の二酸化チタン微粒子9は、ガラ
スビーズ11の混合状態下で凝集沈降する。ストークス
の沈降式によれば、粒子径の2乗に比例した沈降速度と
なる。したがって、凝集により粒子径が大きくなり、沈
降が速やかに行われるようになる。二酸化チタン微粒子
を再帰的に、分散と回収(凝集沈降)を可能とさせたガ
ラスビーズは、二酸化チタンと化学的な反応を起こさな
い物質で、静置状態で速やかに沈降(浮上)するもので
あれば良い。 7)二酸化チタン微粒子9の凝集沈降時間を確保した
後、排出バルブ8を開け、より微粒子を含まない上澄み
液を排出する。 8)次の廃液処理に向け、上記1)の処理に移る。
【0013】上記1)〜8)の操作を行うことにより、
本発明の液処理方法は実施できる。よって、本発明を実
施するには条件等について特に限定されることはなく、
任意に条件を選択して適宜実施することが可能である
が、例えば二酸化チタンとガラスビーズとの体積比につ
いては、1:2〜1:8(二酸化チタン:ガラスビー
ズ)の範囲が好ましく、2:5が最適である。ガラスビ
ーズの量は多くない方が反応効率の面からは好ましい
が、触媒回収のための凝集の面からはガラスビーズの量
が多い方が好ましい。二酸化チタンの濃度については、
0.5〜1.2g/Lの範囲が好適である。二酸化チタ
ン(TiO2)の径は超音波照射によって細かくなるの
で、特に限定されるものではない。また、ガラスビーズ
の直径は33〜45μmが好ましく、その比重は通常約
2.5程度である。
【0014】本発明の処理方法では、上記2)の工程に
て、超音波発振器の高い周波数設定により振動子から超
音波を照射し、二酸化チタン微粒子に分散させる。ここ
で用いられる超音波の周波数は、具体的には、例えば10
0kHz〜300kHzのような高い周波数領域のものが挙げられ
る。一方、上記5)の工程にて、超音波発振器の低い周
波数設定により振動子から超音波を照射し、触媒が回収
(凝集沈降)される。ここで用いられる超音波の周波数
は、具体的には、例えば26kHz,36kHzのような低い周波
数領域のものが挙げられる。
【0015】ここで、ガラスビーズ11を入れることに
より凝集する現象は、次にように考えられる。超音波照
射による固体粒子の運動については、Bradt-Heidemann
の理論があるが、超音波振動する流体媒質mと固体粒子
pとの相対的振動振幅は、次式で与えられる。
【0016】
【数1】
【0017】式中、ξpは固体粒子の振幅、ξmは媒質の
振幅、ρは粒子の密度、fは周波数、dは粒子径、μは
媒質の粘性係数、Φは粒子と媒質の位相差、cosΦは振
幅比、をそれぞれ示す。上記式(1)によれば、音場内
での粒子は、cosΦが1に近いときには媒質と同じよう
な運動を行い、粒子間衝突の機会がない。cosΦが非常
に小さくなるときには、媒質は運動しても粒子はほとん
ど運動を行わない状態になる。また、最適なcosΦで
は、粒子相互の衝突機会が多く凝集すると考えられてい
る。通常、二酸化チタン粒子だけでは、cosΦ≒1とな
る。この状態に、混合した粒径・比重の異なるガラスビ
ーズは、二酸化チタン粒子とは異なる位相,振幅で振動
することから、粒子間同士の衝突が発生し、凝集が起こ
るものと考えられる。
【0018】
【実施例】実施例1 実験方法は、以下の無機化および凝集による回収に分け
て行った。 無機化 A)光プロセスの反応器において、8時間〜12時間程
度の処理を行った後、処理残液をB)音プロセスの反応
器に移して、さらに8時間〜14時間超音波照射を行っ
た。適宜、サンプリングを行い、後日、TOC濃度を測
定した。実験条件は、下記の通りである。 初期SS70濃度 50ppm 光触媒 TN90 0.05g/L 粒子径 約15μm 光反応器 0.6L および 1L 通気 15mL/min 超音波 300kHz および 100kHz 130W 音反応器 縦型 通気なし
【0019】ここでの結果を図3に示す。300kHzは
測定装置の関係で、1ランの測定を行った。光1L反応
器では、光による分解が十分に進行しないタイミングで
音プロセスに移行した。光0.6L反応器と100kHzを用
いたプロセスでは、光プロセス開始後8時間程でTOC
の減少が非常に緩やかになり、概ね5ppmまで低下し
て頭打ち状態になった。初期TOCは約27ppmであ
るから、光プロセスで8割強が無機化したことがわか
る。その後、音プロセスに移行したが、速度は遅いもの
の12時間後にさらに4割、プロセス全体で約9割が無
機化した。したがって、A)光プロセスとB)音プロセ
スとでは無機化に向かうプロセスに違いがある。すなわ
ち、A)光プロセスで処理できない中間生成物を、B)
音プロセスで処理できることが明らかになった。但し、
A)光プロセスの処理期間をさらに長時間にすれば、よ
り完全に近い無機化を達成できると考えられる。
【0020】 触媒の凝集による回収 実験装置を図2に示す。26kHz縦型反応器12に水1
4を張り、500mLビーカー13に規定量のチタン粉末
(TN90:粒子径15μm)を入れたものを反応器内に
セットした。比較用として、500mLビーカー13に同
じチタン粉末同量を入れたものを用意した。反応器12
にて、試料に超音波(26kHz:電力は規定)を照射
し、照射後沈降の様子を確認した。また、アンドレアゼ
ンピペットを用いる方法により、照射前後の懸濁粒子の
粒子径を測定した。実験条件を以下に示す。 チタン粉末 0.025g(光プロセス常用濃度)、 0.1gおよび0.25g(溶媒500mLあたり) 超音波出力 推定80W、200W 照射時間 1時間および2時間 (その他の別条件もあり)
【0021】種々の条件を変えて行った結果を、以下に
示す。 1回目 0.1g/500mL 80W 2時間 凝集した 2回目 0.025g/500mL 200W 1時間 凝集せず 3回目 0.25g/500mL 200W 1時間 乳化した 4回目 0.1g/500mL 200W 0.25時間 乳化した 5回目 0.1g/500mL 80W 1時間 凝集した 6回目 0.025g/mLの 80W 1時間 若干凝集した 連続実験の残液に0.075g この結果から、粒子濃度および照射電力に最適値が存在
することがわかった。また、粒径分布の差としては、処
理前に多い小粒径が、処理後に少なくなる傾向が確認で
きた。
【0022】今回の実験では、μ=1.1984×10-3[mPa・
s], ρ=3.7×103[kg/m3]とした。この場合、cosφ≒1
となり、水中の粒子は水とほぼ同じ運動をしていること
になる。それにもかかわらず、凝集したのは、粒子の水
中での相互距離が影響していると考えられる。さらに、
水中の粒子を凝集させる場合、粒子間に働く流体力学的
な力、音波の輻射圧、ストークスやoseenの力が考えら
れる。そして、粒子の形状や電荷についても考慮が必要
である。
【0023】実施例2 上記実施例1のの実験より、超音波を利用して水溶液
中の粒子(光触媒)を回収できることがわかった。以
下、凝集するための条件、その他の現象について実験を
行った。実験装置は、上記と同様に図2の装置を用い
た。縦型反応器12に水を張り、ビーカー13にチタン
粉末を入れたものを反応器内にセットした。比較用とし
て、ビーカー13に同じチタン粉末同量を入れたものを
用意した。反応器12にて、試料に30分間超音波を照
射し、照射後沈降の様子を確認した。なお、チタン粉末
(TN90)とガラスビーズ(GB)の比は、重量比ではなく、体
積比とした。実験条件および観察結果を、表1に示す。
【0024】
【表1】 上記表1において、状態の欄のは完全に沈降した状態、
△は沈降するが上澄み液は白く濁っている状態、×は全
く沈降せず白く濁ったまま(約1日後)の状態を示して
いる。なお、プロセスNo.3の粒子のみ粒子径は3μmで
あり、他のプロセスでは粒子径15μmであった。
【0025】上記実験結果から、以下のことがわかっ
た。 凝集させるためには、「粒子濃度」の最適値が存在
する。すなわち、GB比が同じでも、プロセスNo.1とN
o.3では濃度が一桁違うが、ここでは濃度が薄い方が凝
集性がある。 周波数が26kHzで、粒子とガラスビーズの比率が
特定比率(未処理粒子の場合1:3より大きい、リサイ
クル粒子の場合2:5以上)であると凝集する。 粒子をサイクリックに使用するためには、プロセス
No.5〜No.5′の一連のプロセスのように、周波数がポ
イントになる。No.5〜No.5′では、No.5で分散させ
た残液を3等分して、No.5(i)〜(iii)で凝集させる。
凝集させるためには、GB比がポイントになる。さら
に、それらの残液を再度集めて、No.5′で分散させる
が、この条件では十分に分散しない。そこで、これを分
けてNo.5′(i)〜(ii)のように、100kHzを照射する
と一部分散する。
【0026】 プロセスNo.9のように、超音波を照
射しなくても凝集することがある。再現性は確認できな
い原因としては、粒子間の電荷など超音波力以外で簡単
に凝集するプロセスがあることを示唆している。 沈降後の触媒活性の確認を行う必要がある。
【0027】
【発明の効果】本発明では、二酸化チタン粒子と異なる
粒径・比重のガラスビーズを混合することにより、低い
周波数(26kHz)の超音波照射による触媒微粒子の回収
(凝集沈降)、および、高い周波数(100kHz)の超音波
照射による分散を再帰的に実現できる。また、本発明に
よれば、二酸化チタン微粒子の分散と回収が再帰的に可
能であり、光酸化チタン粒子として、粒径の小さな触媒
が使用可能となり反応効率が向上し、かつ短時間で触媒
粒子の回収(凝集沈降)ができる。さらに、本発明で
は、光酸化反応機構と周波数の切替可能な超音波発振器
を設置した単一槽内で廃液処理が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明における光→音連続処理による
無機化プロセスを概念的に表す模式図である。
【図2】図2は、超音波による粒子凝集実験装置の一例
を表す概略構成図である。
【図3】図3は、ハイブリッド予備実験の結果を表す図
である。A)光プロセスでの●は1.0L反応器、□■は0.
6L反応器の場合をそれぞれ示す。B)音プロセスでの●
は300kHz,130W、□■は100kHz,130Wの場合をそれぞれ示
す。
【図4】図4は、本発明の方法を実施するのに用いるこ
とができる装置の一例を表す概略構成図である。
【符号の説明】
1 光酸化反応槽 2 超音波振動子 3 超音波発振器 4 曝気フィルタ 5 エアコンプレッサ 6 反応槽への供給口 7 処理水の排出口 8 排出バルブ 9 二酸化チタン触媒粒子 10 紫外線(UV)ランプ 11 ガラスビーズ 12 縦型反応器 13 ビーカー 14 水 15 チタン水溶液 16 振動子(26kHz)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康之 静岡県浜松市布橋2−16−8 (72)発明者 矢野 正彦 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内 Fターム(参考) 4D037 AA11 AB01 BA18 BA26 BB05 CA08 CA11 4D050 AA12 AB07 BB01 BC06 BC09 BC10 BD02 BD03 BD06 CA07 CA16 CA20 4G036 AB22

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応槽内の液中にて、触媒粒子と、該触
    媒粒子とは異なる粒径,比重を有するガラスビーズとを
    混合し、高周波数の超音波により触媒粒子を微粒化して
    分散させるとともに、光照射による光酸化反応を行った
    後、低周波数の超音波により微粒化した粒子を凝集沈降
    させることを特徴とする超音波を用いた触媒反応による
    液処理方法。
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